JP5419409B2 - 曲げ加工に適した化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、曲げ加工に適した化粧シートであって、特に鋼板に貼着して化粧鋼板として曲げ加工する際に折り曲げ特性が良好な化粧シートに関する。
従来、鋼板用化粧シートとしては、ポリ塩化ビニル樹脂からなる基材シート上に、塩化酢酸ビニル・アクリル系樹脂をバインダーとするインキ層を介して、透明ポリ塩化ビニル樹脂からなる保護シートを熱ラミネート下ものが一般に用いられている。近年では、ポリ塩化ビニルを焼却した際に塩化水素ガスやダイオキシンを発生させるおそれがあることが危惧されており、塩化物を含まない樹脂から化粧シートを構成されてきている。
特許文献1には、塩化物を含まない樹脂から形成されたポリオレフィン樹脂化粧金属板が記載されている。具体的には、金属板2上に接着剤層3を介しポリオレフィン系着色ベース4、模様層7、透明ポリプロピレン層5、及び透明保護層6を順次積層した化粧金属板が記載されている(特許文献1の要約)。ここで用いられている化粧シートは、略して基材シート上に絵柄模様層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層を積層したものである。
最近では、上記の「基材シート上に絵柄模様層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層を積層した化粧シート」のうち、透明性樹脂層を設けずに低コスト化を図る試みがあるが、透明性樹脂層を単に除くだけでは折り曲げ加工時に伸縮応力を十分に緩和できず、折り曲げ加工時に基材シートが割れたり他の層(絵柄模様層、透明性表面保護層)にクラックが生じたりし易く、折り曲げ加工性が低下するという問題がある。
その点、加工性改善の一例として基材シートを強靭なポリエステル樹脂により形成する試みもあるが、その場合にはポリエステル樹脂が比較的高価であるため低コスト化効果が低減するという問題がある。
従って、「基材シート上に絵柄模様層、及び透明性表面保護層を積層した化粧シート」であって、従来品よりも折り曲げ加工性が高く化粧鋼板材料として有用であり、しかも低コスト化に寄与する化粧シートの開発が望まれている。
特開2000−326443号公報
本発明は、基材シート上に絵柄模様層、及び透明性表面保護層を積層した化粧シートであって、従来品よりも折り曲げ加工性が高く化粧鋼板材料として有用であり、しかも低コスト化に寄与する化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特に化粧シートを高柔軟・高弾性化することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに関する。
1.ポリオレフィン樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、及び電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層が順に積層されている化粧シートであって、
前記電離放射線硬化型樹脂は、分子中にラジカル重合性二重結合を含む2官能ポリエーテル系樹脂を含み、
前記透明性表面保護層は、前記電離放射線硬化型樹脂100重量部に対してヘキサメチレンジイソシアネートを6〜12重量部含有し、
前記化粧シートは、JIS K7113に準拠して、テンシロンにおいて2号型試験片を使用してSP=100mm/minで引張り試験を実施して測定した、破断点荷重が13N以上であり、且つ、破断点伸びが15mm以上であることを特徴とする化粧シート。
2.前記基材シートと前記絵柄模様層との間に更に着色隠蔽層が形成されている、上記項1に記載の化粧シート。
3.前記透明性表面保護層のおもて面に凹凸が形成されている、上記項1又は2に記載の床材用化粧シート。
4.鋼板に貼着して用いる、上記項1〜3のいずれかに記載の鋼板用化粧シート。
5.上記項1〜4のいずれかに記載の化粧シートを鋼板に貼着してなる化粧鋼板。
以下、本発明の化粧シートについて詳細に説明する。
化粧シート
本発明の化粧シートは、ポリオレフィン樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、及び電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層が順に積層されており、
前記化粧シートは、破断点荷重が13N以上であり、且つ、破断点伸びが15mm以上であることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の化粧シートは、化粧シートの破断点荷重が13N以上であり、且つ、破断点伸びが15mm以上であり高柔軟・高弾性であるため、折り曲げ加工時に化粧シートに加わる伸縮応力を十分に緩和することができ、基材シートの割れや他の層(絵柄模様層、透明性表面保護層)のクラックの発生が抑制されている。このような化粧シートは、折り曲げ加工性に供される化粧鋼板の材料として有用である。また、特に透明性表面保護層として特定の電離放射線硬化型樹脂を用いることにより上記化粧シートの物性は得られ易く、基材シートとして高価なポリエステル樹脂を用いなくても折り曲げ加工性が良好であるため、コスト低減効果も得られ易い。
上記本発明の化粧シートは、化粧シート全体の破断点荷重が13N以上であり、且つ、破断点伸びが15mm以上である。前記破断点荷重は13N以上であればよいが、13〜19N程度が好ましく、14〜16N程度がより好ましい。また、前記破断点破断点伸びは15mm以上であればよいが、15〜50mm程度が好ましく、20〜30mm程度がより好ましい。
このような物性の化粧シートは高柔軟・高弾性であるため、折り曲げ加工時に化粧シートに加わる伸縮応力を十分に緩和することができ、基材シートの割れや他の層(絵柄模様層、透明性表面保護層)のクラックの発生を抑制することができる。
なお、上記破断点荷重及び破断点伸びは、JISK7113に準拠し、テンシロンにおいて2号型試験片を使用してSP=100mm/minで引張り試験を実施し、透明性表面保護層が破断(クラック発生)した際の強度及び伸びを測定した値である。
上記化粧シートの物性は、化粧シート全体の層構成により発現されるが、本発明の化粧シートでは、基材シート及び絵柄模様層としては特に材質を限定せずに、透明性表面保護層(電離放射線硬化型樹脂)の種類を選択することによって化粧シート全体の物性を上記範囲に設定することが好ましい。
以下、本発明の化粧シートの層構成について説明する。
(基材シート)
基材シートとしては、ポリオレフィン系樹脂からなるシートを用いる。通常は、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを使用すればよい。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、特にポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレンを主成分とする単独又は共重合体も好ましく、例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレン結晶部を有し、且つプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントに高結晶性で且つ高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテルを使用したブロックポリマーである。特に、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメントとアタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメントとを重量比80:20で混合したものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状にすればよい。
基材シートの厚みは特に限定されず、製品特性に応じて設定できるが、通常40〜150μm、好ましくは50〜100μm程度である。
基材シートには、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。
基材シートの着色態様には、透明着色と不透明着色(隠蔽着色)とがあり、これらは任意に選択できる。例えば、化粧シートを貼着する鋼板等の地色を着色隠蔽する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、鋼板等の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が30dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従えばよい。
基材シートの片面又は両面には、必要に応じて、プライマー層(例えば、鋼板等の接着を容易とするための裏面プライマー層、絵柄模様層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。プライマー層を設けることにより、隣接層(例えば、鋼板等)との密着力を高めることができる。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの片面又は両面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m、好ましく
は0.1〜50g/m程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
(絵柄模様層)
基材シートの上(鋼板等の貼着面とは逆面、以下各層において同じ側を指す)には、絵柄模様層が形成されている。
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アル
ミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着剤樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層を形成する場合には、例えば、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法が挙げられる。その他、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法等を用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
(着色隠蔽層)
基材シートと絵柄模様層との間には、必要に応じて、さらに着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、化粧シートのおもて面から鋼板等の地色を隠蔽したい場合に設けられる。基材シートが透明性である場合は勿論、基材シートが隠蔽着色されている場合でも、隠蔽性を安定化するために形成してもよい。
着色隠蔽層を形成するインクとしては、絵柄模様層を形成するインクであって隠蔽着色が可能なものが使用できる。
着色隠蔽層の形成方法は、基材シート全体を被覆(全面ベタ状)するように形成できる方法が好ましい。例えば、前記したロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が好ましいものとして挙げられる。
着色隠蔽層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は0.2〜10μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜5μm程度である。
(プライマー層)
絵柄模様層の表面には、必要に応じて、プライマー層(透明性表面保護層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。
プライマー層は、公知のプライマー剤を絵柄模様層上に(ベタ状に)塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m、好ましく
は0.1〜50g/m程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
(透明性表面保護層)
透明性表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂から形成する。
本発明では、特に透明性表面保護層(電離放射線硬化型樹脂)の種類を選ぶことにより化粧シートの破断点荷重を13N以上とし、且つ、破断点伸びを15mm以上に設定することが好ましい。この観点からは、電離放射線硬化型樹脂としては、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が好ましい。具体的には、分子中にラジカル重合性二重結合を含む2官能ポリエーテル系樹脂、3官能カプロラクトン系樹脂、2官能PCD(ポリカプロラクトンジオール)系樹脂等が好ましく、これらの樹脂を単独又は2種以上組み合わせて用いることにより化粧シートの物性を上記範囲に設定し易くなる。このような電離放射線硬化型樹脂としては市販品が使用できる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
上記透明性表面保護層には、更にヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)を含有してもよい。HMDIを含有することにより、電離放射線硬化型樹脂の3次元架橋骨格にHMDIが浸入・硬化することにより、透明性表面保護層の耐溶剤性等を向上させることができる。また、透明性表面保護層の下にウレタン樹脂系プライマー層を設けた場合には、当該プライマー層とHMDIとの間で熱硬化反応が進み、透明性表面保護層とウレタン樹脂系プライマー層との密着性が高まり、層剥離等を抑制できる。
HMDIの含有量は限定的ではないが、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対してHMDIを1〜20重量部程度が好ましく、2〜10重量部程度がより好ましい。
透明性表面保護層は、必要に応じて、更に可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。
透明性表面保護層は、例えば、電離放射線硬化型樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。電離放射線硬化型樹脂の場合には、電子線照射により樹脂硬化する。
透明性表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm程度である。
透明性表面保護層のおもて面(大気に露出している面)には、凹凸が形成されていてもよい。通常はエンボス加工により凹凸模様を形成する。エンボス加工方法は特に限定されず、例えば、透明性アクリル系樹脂層のおもて面を加熱軟化させてエンボス版により加圧・賦形後、冷却する方法が好ましい方法として挙げられる。エンボス加工には、公知の枚葉式又は輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸形状としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
化粧鋼板
本発明の化粧シートは、折り曲げ加工性が良好であるため、各種鋼板と貼着させて化粧鋼板として有用である。
鋼板としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属鋼板が挙げられる。鋼板の厚さは限定的ではなく、施工対象に応じて適宜設定する。
鋼板の形状は特に限定されず、通常は平板を用いて、施工箇所の形状に応じて折り曲げ加工により所望の形状に加工すればよい。
本発明の化粧シートは、化粧シートの破断点荷重が13N以上であり、且つ、破断点伸びが15mm以上であり高柔軟・高弾性であるため、折り曲げ加工時に化粧シートに加わる伸縮応力を十分に緩和することができ、基材シートの割れや他の層(絵柄模様層、透明性表面保護層)のクラックの発生が抑制されている。このような化粧シートは、折り曲げ加工性に供される化粧鋼板の材料として有用である。また、特に透明性表面保護層として特定の電離放射線硬化型樹脂を用いることにより上記化粧シートの物性は得られ易く、基材シートとして高価なポリエステル樹脂を用いなくても折り曲げ加工性が良好であるため、コスト低減効果も得られ易い。
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、下記の実施例において、実施例1〜3及び8〜10は参考例として記載するものである。
実験例1〜10及び比較例1〜4
(化粧シートの作製)
80μm厚のポリプロピレンシート(基材シート)上に昭和インク製ベタインキ(アクリルウレタン系樹脂)により着色隠蔽層を形成し、昭和インク製柄インク(アクリルウレタン系樹脂)により絵柄模様層を形成した。更に、インクテック製プライマー(アクリルウレタン系樹脂)を約2gバーコートにより塗布してプライマー層を形成し、溶剤が揮発した後に下記表1に示す各電離放射線硬化型樹脂を約10gずつバーコートにより塗布(必要に応じてジイソシアネートを含む)して透明性表面保護層を形成し、165kV×5Mの条件で電子線照射を行った。
試験例1(曲げ試験)
実施例及び比較例で作成した化粧シートの裏面に鋼板を貼着して化粧鋼板とした。
各化粧鋼板をJISZ2248に準拠し、180°曲げ試験を行った。
曲げ試験の評価は次の通りとした。
○:クラックは認められなかった。
△:曲げ部分に微細なクラックが認められるが意匠性は損なわれなかった。
×:曲げ部分に明確なクラックが認められ、意匠性が損なわれた。
試験例2(耐溶剤性)
実施例及び比較例で作成した化粧シートの透明性表面保護層に、JISL0849に準拠し、テスター社製「往復学振型磨耗試験機」に500g荷重の錘を設置し、ガーゼを取り付けた後、酢酸エチルを浸潤させて化粧シート表面を100往復ラビングした。
耐溶剤性の評価は次の通りとした。
○:EB樹脂層に変化は認められなかった。
△:EB樹脂層に若干の変化が認められるが意匠性は損なわれなかった。
×:EB樹脂層に明確な変化が認められ、意匠性が損なわれた。
Figure 0005419409
本発明の化粧シートの構成図(一例)である。
符号の説明
1.基材シート
2.絵柄模様層(上層)及び着色隠蔽層(下層)
3.プライマー層
4.透明性表面保護層
5.裏面プライマー層

Claims (5)

  1. ポリオレフィン樹脂からなる基材シート上に、絵柄模様層、及び電離放射線硬化型樹脂からなる透明性表面保護層が順に積層されている化粧シートであって、
    前記電離放射線硬化型樹脂は、分子中にラジカル重合性二重結合を含む2官能ポリエーテル系樹脂を含み、
    前記透明性表面保護層は、前記電離放射線硬化型樹脂100重量部に対してヘキサメチレンジイソシアネートを6〜12重量部含有し、
    前記化粧シートは、JIS K7113に準拠して、テンシロンにおいて2号型試験片を使用してSP=100mm/minで引張り試験を実施して測定した、破断点荷重が13N以上であり、且つ、破断点伸びが15mm以上であることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記基材シートと前記絵柄模様層との間に更に着色隠蔽層が形成されている、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記透明性表面保護層のおもて面に凹凸が形成されている、請求項1又は2に記載の床材用化粧シート。
  4. 鋼板に貼着して用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼板用化粧シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シートを鋼板に貼着してなる化粧鋼板。
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