JP5418581B2 - コンバータ装置および系統連系システム - Google Patents
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Description
造的に蓄電する機能を有していない発電装置に好適で、このような発電装置により発電し
た直流電圧を昇圧して安定した直流電圧を出力するコンバータ装置およびこのコンバータ
装置を備えた系統連系システムに関する。
れている(例えば、特許文献1参照。)。
合、すなわち、昇圧の必要がない場合には、パルス幅変調(PWM)を行うためのスイッ
チング素子であるパワートランジスタ素子をオフ状態とするだけであり、太陽電池側から
の供給電力は、昇圧用のリアクトルおよび逆流防止用ダイオードを介して昇圧回路内を流
れることとなる。
れるため、太陽電池のように機構的に蓄電する機能を有していない発電装置においては、
発電電力の有効利用を図る観点からは好ましい構成となっていた。
しかしながら、仕様により太陽電池の発電電圧である昇圧前の電圧が、目標電圧よりも
高い状態が通常状態であるような構成では、昇圧を行う必要が無い期間が長くなり、昇圧
用のリアクトル素子および逆流防止用ダイオードにおける電力損失が無視できないような
状態となってしまうという問題点があった。
圧を行うためにPWM制御を行うスイッチング素子がオフ状態になりやすいコンバータ装
置を用いる場合でも、電力損失を極力抑制し、ひいては、効率の良い電力利用を図ること
が可能なコンバータ装置およびこのコンバータ装置を提供することにある。
型のコンバータ装置において、前記直流電源の高電位側ラインに設けられるリアクトル素
子と、前記リアクトル素子の出力側に接続されるダイオードと、前記リアクトル素子と前
記ダイオードの接続点と前記直流電源の低電位側ラインとを接続している昇圧スイッチン
グ素子と、前記リアクトル素子、及び前記ダイオードにより構成されるリアクトル素子電
流流路と並列に設けられ、スイッチを有し、オン状態において前記直流電源からの電流を
バイパスするバイパス電流流路と、前記リアクトル素子電流流路の上流側に設けられるス
イッチ素子と、を備え、前記昇圧スイッチ素子のオフ時に、前記スイッチをオン状態にし
、前記スイッチ素子をオフ状態として前記直流電源からの電流を前記バイパス電流流路側
にバイパスすることを特徴としている。
してもよい。
流電圧に変換し、商用電力系統に連系して負荷及又は前記商用電力系統に電力を供給する
系統連系インバータ装置と、を備えたことを特徴としている。
ためにPWM制御を行うスイッチング素子がオフ状態になりやすいコンバータ装置を用い
る場合でも、電力損失を極力抑制し、ひいては、効率の良い電力利用を図ることができる
。
図1は、実施形態のコンバータ装置を含む系統連系太陽光発電システムのブロック図で
ある。
系統連系太陽光発電システム10は、大別すると、発電装置として機能する太陽電池ユ
ニット11と、コンバータ装置12と、インバータ装置13と、フィルタ回路(ノイズフ
ィルタ)14と、パワーリレー15と、パワコン側ブレーカ16と、コントローラ17と
、を備えている。
太陽電池ユニット11は、複数のセル11−1〜11−nを備えており、最大で600
V程度の発電が可能となっている。
コンバータ装置12は、本実施形態において、発電状態に応じて出力電圧が変動する太
陽電池ユニット11から供給される直流電圧を、安定した所定の直流電圧に変換して出力
するDC−DCコンバータであり、出力電圧300V程度を目標値としている。
コンバータ装置12は、太陽電池ユニット11から出力される直流電流の電圧Viを入
力電圧とし、この入力電圧Viに応じて、出力電圧Voを目標直流電圧に近づけるべく、
昇圧を行うDC−DC変換部31と、DC−DC変換部31の制御を行う制御部32とを
備えている。
DC−DC変換部31は、昇圧スイッチング素子であるMOSFET(Metal O
xide Semiconductor Field Effect Transist
or)33を有し、このMOSFET33の動作により直流電源ラインLの入力端P1に
入力された入力電圧Viを昇圧する昇圧回路として機能している。このMOSFET33
は、スイッチングを15〜20kHzで行う必要があるため、順方向バイアス電圧だけで
なく、スイッチング損失も加味して選択する必要がある。しかしながら、順方向バイアス
電圧とスイッチング損失とは相反関係(トレードオフ)にあるため、順方向バイアス電圧
を一方的に下げることはできないのである。
なお、昇圧スイッチング素子としては、MOSFETに限らず、IGBT(Insul
ated Gate Bipolar Transistor)であっても構わない。
トル素子34の出力端子に第1ダイオード35のアノード端子を接続し、リアクトル素子
34と第1ダイオード35のアノード端子の接続点に昇圧スイッチング素子であるMOS
FET33のエミッタ端子を接続し、低電位側直流電源ラインL2にMOSFET33の
コレクタ端子を接続している。
ここで、第1ダイオード35は、スイッチングを15〜20kHzで行う必要があるた
め、MOSFET33と同様の理由により、順方向バイアス電圧だけでなく、スイッチン
グ損失も加味して選択する必要がある。
、他方の端子Q2を低電位側直流電源ラインL2に接続している。
ここで、MOSFET33には、電流の逆流の発生に対する保護を行う保護ダイオード
38が設けられ、保護ダイオード38のアノード端子がMOSFET33のコレクタ端子
に接続され、カソード端子がMOSFET33のエミッタ端子に接続されている。
ET33のオフ時に太陽電池ユニット11からインバータ装置13側に流れる電流の一部
をバイパスして流す第2ダイオード39が設けられている。
ここで、第2ダイオード39は、MOSFET33や第1ダイオード35とは異なり、
スイッチングを行う必要はないので、順方向バイアス電圧のみを考慮していれば、スイッ
チング損失を考慮せずに選択することが可能である。したがって、現実的には、第2ダイ
オード39の順方向電圧は、第1ダイオード35のおよそ半分以下とすることが可能とな
っている。
を防止する逆流防止ダイオード40のアノードが接続され、この逆流防止ダイオード40
のカソード端子がコンバータ装置12の出力端子T1に接続されている。この場合におい
て、逆流防止ダイオード40における電圧降下は、出力電圧Voに対して無視できる程度
に小さいので、高電位側直流電源ラインL1側の出力端子T1と、コンデンサの一方の端
子Q1と、は略同電位であるといえる。また、低電位側直流電源ラインL2の出力端子T
2と出力端Q2とは同電位である。
コンデンサ37の両端子Q1、Q2間の電圧に相当する出力電圧Voを目標直流電圧Vt
に近づけるべく、DC−DC変換部31の出力電圧Voに応じて、MOSFET33の動
作を制御する。
る出力電圧検出部42と、IGBT53にゲート信号であるPWM信号Sを出力するドラ
イブ回路43と、このドライブ回路43を動作させるための制御を行うマイクロコンピュ
ータとして構成されているコントローラ44とを備えている。
憶されている制御プログラムに基づいて、DC−DC変換部31の出力電圧Voを目標直
流電圧Vtにすべく、この出力電圧Voに応じてPWM信号Sを制御するものである。
インバータ装置13は、ブリッジ接続したIGBT51〜54を備えており、コントロ
ーラ17の制御下で、コンバータ装置12からの入力電力を所定の交流電力に変換してフ
ィルタ回路14に出力する。
路から供給されるPWM信号Sに応じて、太陽電池ユニット11からコンバータ装置12
を介して供給される直流電力を、商用電源20と同じ周波数(例えば50Hz又は60H
z)の交流電力に変換する。本実施形態におけるインバータ装置13の出力は、例えばノ
コギリ状波の擬似正弦波となっている。
置13で交流に変換された電力は、フィルタ回路14、パワーリレー15およびパワコン
側ブレーカ16を介して商用電源20へと供給される。
このとき、インバータ装置13から出力された交流電力は、フィルタ回路14を通過す
ることにより、高調波成分が除去され、ノコギリ状波から正弦波の交流電力(整合電力)
として出力される。ここで、インバータ装置13の出力電圧は、フィルタ回路14、パワ
ーリレー15およびパワコン側ブレーカ17を介して供給される商用電源20の電圧に同
期している。更に、インバータ装置13の出力電流は、インバータ装置13の出力電圧に
同期している。つまり、インバータ装置13の出力が、力率1となるように制御されてい
る。
Sを出力してMOSFET33をPWM制御するものである。このMOSFET33のP
WM制御、即ち、PWM信号Sのパルス幅の調整(デューティ比の調整)により、昇圧の
制御が行われる。
より具体的には、出力電圧Voを検出し、この検出した出力電圧Voを目標直流電圧V
tにすべく、MOSFET33のゲートに入力するPWM信号Sのパルス幅(デューティ
比)を調整する。
期間を短くするように、PWM信号Sのパルス幅(デューティ比)を調整する。これによ
って、出力電圧Voを一定に保つことができる。言い換えれば、入力電圧Viが変動して
も、出力電圧Voを一定の電圧に安定して出力することが可能である。
T33へのPWM信号Sのデューティ比を調整している。
このとき、MOSFET33がオフ状態となった場合には、太陽電池ユニット11から
インバータ装置13側に直接電力が供給される。
部は、リアクトル素子34および第1ダイオード35により構成されるリアクトル素子電
流流路を介して供給され、残りは第2ダイオード39により構成されるバイパス電流流路
を介して供給されることとなる。
抗値をRrとし、第1ダイオード35の抵抗成分(=順方向バイアス電圧VFに相当)を
Rd1とすると、リアクトル素子34と第1ダイオード35は見かけ上、抵抗R1と見な
せる。
R1=Rr+Rd1
ここで、
Rr<<Rd1
であるので、
R1≒Rd1
となる。
Rd2は、第2ダイオード39の順方向バイアス電圧VFに相当している。
そして、第2ダイオード39を設けない場合(従来例に相当)であって、MOSFET
33がオフ状態の場合に、リアクトル素子電流流路を流れる電流を電流Iとし、第2ダイ
オード39を設けた場合に、リアクトル素子電流流路を流れる電流を電流Irとし、バイ
パス電流流路(=第2ダイオード39)を流れる電流を電流Id2とすると、次式が成立
する。
I=Ir+Id2
態の場合に、リアクトル素子電流流路で消費される電力Wrpは、
Wrp=I2・R1
=I2・Rd1
となる。
Wrは、
Wr=Ir2・Rd1
となり、バイパス電流流路で消費される電力Wrは、
Wd2=Id22・Rd2
となる。
パス電流流路で消費される電力W1は、
W1=Wr+Wd2
=Ir2・Rd1+Id22・Rd2 ……(1)
となる。
ところで、上述したように、
Wrp=I2・Rd1
であるから、
Wrp=(Ir+Id2)2・Rd1
=(Ir2+2・Ir・Id2+Id22)・Rd1
=Ir2・Rd1+2・Ir・Id2・Rd1+Id22・Rd1
……(2)
となる。
Wrp−W1=Ir2・Rd1+2・Ir・Id2・Rd1
+Id22・Rd1−(Ir2・Rd1+Id22・Rd2)
=2・Ir・Id2・Rd1+Id22・(Rd1−Rd2)
Rd1>Rd2
であるから、
Wrp−W1>0
となり、
Wrp>W1
となる。
た場合と比較して、電力損失が少ないことが分かる。
ひいては、効率よく、商用電源20側、ひいては、負荷に電力を利用させることが可能
となる。
が比較的高く、昇圧を行うためにPWM制御を行うスイッチング素子がオフ状態になりや
すいコンバータ装置を用いる場合でも、電力損失を極力抑制し、ひいては、効率の良い電
力利用を図ることが可能となっている。
[2]実施形態の変形例
以上の実施形態においては、コンバータ装置が1段の昇圧回路(=MOSFET33、
リアクトル素子34、第1ダイオード35およびコンデンサ37)を有している場合であ
ったが、多々段の昇圧回路を有している場合でも適用が可能である。
図2において、図1と同様の部分については、同一の参照符号に添え字を伏して示して
いる。
すなわち、第1変形例の第1態様において、コンバータ装置12−1の第1段目の昇圧
回路は、MOSFET33−1、リアクトル素子34−1、第1ダイオード35−1およ
びコンデンサ37−1を備えている。
ダイオード35−2およびコンデンサ37−2を備えている。
ここで、リアクトル素子34−1、第1ダイオード35−1、リアクトル素子34−2
および第1ダイオード35−2は、リアクトル素子電流流路を構成しており、このリアク
トル素子電流流路と並列に、直流電源である太陽電池ユニット11からの電流の一部をバ
イパスするリアクトル素子電流流路より低電流損失の第2ダイオード39−1がバイパス
電流流路として設けられている。
等の発電装置の発電電圧が比較的高く、昇圧を行うためにPWM制御を行うスイッチング
素子がオフ状態になりやすいコンバータ装置を用いる場合でも、電力損失を極力抑制し、
ひいては、効率の良い電力利用を図ることが可能となっている。
以上の説明は、昇圧回路を2段構成とした場合について述べたが、3段以上とすること
も可能である。
図3においても、図1あるいは図2と同様の部分については、同一の参照符号に添え字
を伏して示している。
すなわち、第1変形例の第2態様において、コンバータ装置12−1の第1段目の昇圧
回路は、MOSFET33−1、リアクトル素子34−1、第1ダイオード35−1およ
びコンデンサ37−1を備えている。
ダイオード35−2およびコンデンサ37−2を備えている。
ここで、リアクトル素子34−1および第1ダイオード35−1は、第1のリアクトル
素子電流流路を構成しており、この第1のリアクトル素子電流流路と並列に、直流電源で
ある太陽電池ユニット11からの電流の一部をバイパスするリアクトル素子電流流路より
低電流損失の第2ダイオード39−1がバイパス電流流路として設けられている。
素子電流流路を構成しており、この第2のリアクトル素子電流流路と並列にも、直流電源
である太陽電池ユニット11からの電流の一部をバイパスするリアクトル素子電流流路よ
り低電流損失の第2ダイオード39−2がバイパス電流流路として設けられている。
等の発電装置の発電電圧が比較的高く、昇圧を行うためにPWM制御を行うスイッチング
素子がオフ状態になりやすいコンバータ装置を用いる場合でも、電力損失を極力抑制し、
ひいては、効率の良い電力利用を図ることが可能となっている。
以上の説明は、昇圧回路を2段構成とした場合について述べたが、3段以上とすること
も可能である。
図4は、実施形態の第2変形例のコンバータ装置を含む系統連系太陽光発電システムの
ブロック図である。
以上の各実施形態および第1変形例の説明においては、PW制御を行うスイッチング素
子のオフ時にリアクトル素子電流流路およびバイパス電流流路の双方に電流を流す場合の
実施形態であったが、図4に示すように、リアクトル素子電流流路の上流側にスイッチ素
子(例えば、スイッチングトランジスタ)60を設け、PW制御を行うスイッチング素子
(上述の例の場合、MOSFET33、33−1、33−2)のオフ時に当該スイッチ素
子60もオフ状態として、直流電源である太陽電池ユニット11からの電流を全てバイパ
ス電流流路側に流すようにすることも可能である。
この構成によれば、より一層、電力損失を低減することができ、さらに効率の良い電力
利用を図ることができる。
以上の説明においては、発電電力供給装置として、複数のセルを有する太陽電池ユニッ
トを用いる場合について説明したが、エンジン、風力などを利用して、発電を行い交流電
力を供給する発電部および発電部で得られた交流電力の整流を行って直流電力として供給
する整流回路(整流部)を設けるようにしてもよい。
[2.4]第4変形例
以上の説明においては、第2ダイオード素子として、通常のダイオード素子を用いてい
たが、MOSFETのドレイン端子およびソース端子あるいはIGBTのエミッタ端子お
よびコレクタ端子を、当該MOSFETあるいはIGBTがオン(閉)状態において、バ
イパス電流路として機能するように接続することも可能である。
この場合には、昇圧スイッチング素子のオフ時にオン状態となるようにMOSFETあ
るいはIGBTを制御するようにする。
この結果、MOSFETあるいはIGBTのオン抵抗は、通常のダイオード素子の順方
向抵抗に比較して、非常に小さいので、より電力損失を低減することが可能である。
11 太陽電池ユニット
12 コンバータ装置
13 インバータ装置
14 フィルタ回路
15 パワーリレー
16 パワコン側ブレーカ
17 コントローラ
18 メインブレーカ
19 コントローラ
20 負荷
21 商用電源
31 DC−DC変換部
32 制御部
33 MOSFET
34 リアクトル素子
35 第1ダイオード
37 コンデンサ
38 保護ダイオード
39 第2ダイオード
40 逆流防止ダイオード
41 入力電圧測定部
42 出力電圧検出部
43 ドライブ回路
44 コントローラ
Claims (3)
- 直流電源の直流入力電圧を昇圧して直流出力電圧とする昇圧型のコンバータ装置において、
前記直流電源の高電位側ラインに設けられるリアクトル素子及び前記リアクトル素子の出力側に接続されるダイオードにより構成されるリアクトル素子電流流路と、
前記リアクトル素子と前記ダイオードの接続点と前記直流電源の低電位側ラインとを接続している昇圧スイッチング素子と、
前記リアクトル素子電流流路の上流側に設けられるスイッチ素子と、
前記リアクトル素子電流流路及び前記スイッチ素子と並列に設けられ、スイッチを有し、当該スイッチのオン状態において前記直流電源からの電流をバイパスするバイパス電流流路と、を備え、
前記昇圧スイッチング素子のオフ時に、前記スイッチをオン状態にし、前記スイッチ素子をオフ状態として前記直流電源からの電流を前記バイパス電流流路側にバイパスすることを特徴とするコンバータ装置。 - 前記スイッチは、MOSFET或いはIGBTであることを特徴とする請求項1に記載
のコンバータ装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のコンバータ装置と、
前記コンバータ装置の出力である直流電圧を交流電圧に変換し、商用電力系統に連系し
て負荷及び/又は前記商用電力系統に電力を供給する系統連系インバータ装置と、
を備えたことを特徴とする系統連系システム。
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