JP5418436B2 - トナーカートリッジおよび現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カラープリンタなどの画像形成装置に備えられるトナーカートリッジおよび現像装置に関する。
レーザプリンタなどの画像形成装置の一例では、感光ドラムおよび現像装置が備えられ、トナーを収容したトナーボックスが現像装置のケースに装着される。
トナーボックスは、たとえば、円弧状の周面を有する形状をなしている。円弧状の周面には、トナーを現像装置に向けて排出するためのトナー排出口が形成されている。トナー排出口の周囲には、トナーの漏れを防止するためのシール材が設けられている。そして、円弧状の周面の外側には、トナー排出口を開閉するためのシャッタがスライド可能に設けられている。
トナーボックスが現像装置のケースに装着された後、シャッタがスライドされて、トナー排出口が開放される。これにより、トナーボックスと現像装置との間に、トナー排出口を経由するトナー供給経路が形成され、このトナー供給経路を介してトナーボックスから現像装置にトナーが供給される。
画像形成時には、感光ドラムの表面に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像部によりトナー像に現像される。画像形成に伴ってトナーが消費され、トナーボックス内のトナーがなくなると、そのトナーボックスが現像装置のケースから取り外されて、新品のトナーボックスが現像装置のケースに装着される。
トナーボックスが現像装置のケースから取り外される前に、シャッタがトナー排出口に対向する位置までスライドされて、トナー排出口がシャッタにより閉塞される。この状態で、シャッタがシール材に圧接され、シャッタとトナー排出口の周囲の部分との間がシールされる。これにより、トナーボックスが現像装置のケースから取り外された状態で、トナーボックス内のトナーがトナー排出口から漏出することが防止される。
特開平7−225514号公報
ところが、シャッタがトナー排出口を開放する位置からトナー排出口に対向する位置まで移動されるときに、シャッタにおけるその移動方向の下流側の端縁がシール材に引っ掛かり、シャッタの円滑な移動が阻害されるおそれがある。また、場合によっては、シャッタの円滑な移動が阻害されるだけでなく、シャッタおよび/またはシール材に損傷が生じる。
本発明の目的は、シャッタの円滑な移動を確保することができる、トナーカートリッジを提供することである。
前記の目的を達成するため、第1の発明は、トナーカートリッジにおいて、内部にトナーを収容し、内外を連通する連通口を有する本体と、外部から入力される駆動力により、前記本体に沿って、前記連通口を開放する開放位置と前記連通口を閉塞する閉塞位置との間で移動されるシャッタと、前記シャッタが前記閉塞位置に位置する状態で、前記本体と前記シャッタとの間に介在され、前記連通口に対応したシール開口を有するトナーシールと、前記駆動力の入力により前記シャッタに作用する作用力の方向に対して傾斜する傾斜方向に前記シャッタの移動を案内するガイド部とを備えることを特徴としている。
第2の発明は、現像装置において、トナーカートリッジと、前記トナーカートリッジが装着される現像部とを含み、前記トナーカートリッジは、内部にトナーを収容し、内外を連通する連通口を有する本体と、被係合部を有し、前記本体に沿って、前記連通口を開放する開放位置と前記連通口を閉塞する閉塞位置とに移動可能に設けられたシャッタと、前記シャッタが前記閉塞位置に位置する状態で、前記本体と前記シャッタとの間に介在され、前記連通口に対応したシール開口を有するトナーシールと、前記シャッタに対して前記本体と反対側に設けられ、前記シャッタを前記本体との間で挟むシャッタカバーとを備え、前記現像部は、前記被係合部に係合される係合部を有し、前記シャッタを前記開放位置と前記閉塞位置との間で移動させるためのシャッタ駆動部材を備え、前記シャッタカバーには、前記係合部から前記被係合部に入力される駆動力の方向に対して傾斜する傾斜方向に延びる傾斜部分を有し、前記係合部が挿通されるガイド溝が形成されていることを特徴としている。
第3の発明は、現像装置において、トナーカートリッジと、前記トナーカートリッジが装着される現像部とを含み、前記トナーカートリッジは、内部にトナーを収容し、内外を連通する連通口を有する本体と、被係合部を有し、前記本体に沿って、前記連通口を開放する開放位置と前記連通口を閉塞する閉塞位置とに移動可能に設けられたシャッタと、前記シャッタが前記閉塞位置に位置する状態で、前記本体と前記シャッタとの間に介在され、前記連通口に対応したシール開口を有するトナーシールとを備え、前記現像部は、前記被係合部に係合される係合部を有し、前記シャッタを前記開放位置と前記閉塞位置との間で移動させるためのシャッタ駆動部材と、前記シャッタ駆動部材が当接され、前記係合部から前記被係合部に入力される駆動力の方向に対して傾斜する傾斜部分を有するガイド部材とを備えることを特徴としている。
第1の発明によれば、トナーカートリッジは、内部にトナーを収容する本体を備えている。本体には、その内外を連通する連通口が形成されている。この連通口を開閉するために、シャッタが設けられている。すなわち、シャッタは、連通口を開放する開放位置と連通口を閉塞する閉塞位置とに移動可能に設けられている。シャッタが閉塞位置に位置する状態において、本体とシャッタとの間には、連通口に対応したシール開口を有するトナーシールが介在される。
そして、トナーカートリッジは、ガイド部を備えている。シャッタに駆動力が入力されて、シャッタが移動されるときに、ガイド部により、シャッタに作用する作用力の方向に対して傾斜する方向にその移動が案内される。これにより、シャッタにおける移動方向の下流側の端縁がトナーシールに対して斜めに移動するので、その端縁がトナーシールに引っ掛かることを防止できる。その結果、シャッタの円滑な移動を確保することができる。
第2の発明によれば、トナーカートリッジは、内部にトナーを収容する本体を備えている。本体には、その内外を連通する連通口が形成されている。この連通口を開閉するために、シャッタが設けられている。すなわち、シャッタは、連通口を開放する開放位置と連通口を閉塞する閉塞位置とに移動可能に設けられている。シャッタが閉塞位置に位置する状態において、本体とシャッタとの間には、連通口に対応したシール開口を有するトナーシールが介在される。また、シャッタに対して本体と反対側には、シャッタカバーが設けられている。シャッタは、本体とシャッタカバーとの間に挟まれている。
シャッタカバーには、ガイド溝が形成されている。現像部は、シャッタ駆動部材を備えている。シャッタ駆動部材には、係合部が設けられている。係合部は、ガイド溝に挿通されて、シャッタに設けられた被係合部に係合される。係合部が被係合部に係合された状態で、シャッタ駆動部材が移動されると、シャッタがシャッタ駆動部材とともに移動する。
そして、ガイド溝は、係合部から被係合部に入力される駆動力の方向に対して傾斜する傾斜方向に延びる傾斜部分を有している。そのため、シャッタ駆動部材とともにシャッタが移動されるときに、係合部が傾斜部分に沿って移動する。その結果、シャッタが傾斜方向に移動し、シャッタにおける移動方向の下流側の端縁がトナーシールに対して斜めに移動するので、その端縁がトナーシールに引っ掛かることを防止できる。よって、シャッタの円滑な移動を確保することができる。
第3の発明によれば、トナーカートリッジは、内部にトナーを収容する本体を備えている。本体には、その内外を連通する連通口が形成されている。この連通口を開閉するために、シャッタが設けられている。すなわち、シャッタは、連通口を開放する開放位置と連通口を閉塞する閉塞位置とに移動可能に設けられている。シャッタが閉塞位置に位置する状態において、本体とシャッタとの間には、連通口に対応したシール開口を有するトナーシールが介在される。
現像部は、シャッタ駆動部材およびガイド部材を備えている。シャッタ駆動部材は、ガイド部材に当接しており、ガイド部材に沿って移動する。シャッタ駆動部材には、係合部が設けられている。係合部は、シャッタに設けられた被係合部に係合される。係合部が被係合部に係合された状態で、シャッタ駆動部材が移動されると、シャッタがシャッタ駆動部材とともに移動する。
そして、ガイド部材は、係合部から被係合部に入力される駆動力の方向に対して傾斜する傾斜部分を有している。そのため、シャッタ駆動部材とともにシャッタが移動されるときに、シャッタ駆動部材が傾斜部分に沿って移動する。その結果、シャッタが傾斜方向に移動し、シャッタにおける移動方向の下流側の端縁がトナーシールに対して斜めに移動するので、その端縁がトナーシールに引っ掛かることを防止できる。よって、シャッタの円滑な移動を確保することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るトナーカートリッジが装着されるカラープリンタの断面図である。 図2は、図1に示される感光ドラム、帯電器および現像器の斜視図であり、連通口が閉塞された状態を示す。 図3は、図1に示される感光ドラム、帯電器および現像器の斜視図であり、連通口が開放された状態を示す。 図4は、図1に示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタが開放位置に位置している状態を示す。 図5は、図4に示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタカバーが取り外された状態を示す。 図6は、図4に示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタ駆動部材をともに示す。 図7Aは、図1に示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタが開放位置と閉塞位置との間に位置している状態を示す。 図7Bは、図7Aに示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタカバーが取り外された状態を示す。 図7Cは、図7Aに示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタ駆動部材をともに示す。 図8Aは、図1に示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタが図7Aに示される位置よりも閉塞位置に近づいた状態を示す。 図8Bは、図8Aに示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタカバーが取り外された状態を示す。 図9Aは、図1に示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタが閉塞位置に位置している状態を示す。 図9Bは、図9Aに示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタカバーが取り外された状態を示す。 図9Cは、図9Aに示されるトナーカートリッジの底面図であり、シャッタ駆動部材をともに示す。 図10は、他の実施形態に係る現像器およびトナーカートリッジのシャッタの要部の平面図である。 図11は、図10に示される現像器に装着されたトナーカートリッジの底面図であり、シャッタが開放位置に位置している状態を示し、また、シャッタ駆動部材をともに示す。 図12は、図10に示される現像器に装着されたトナーカートリッジの底面図であり、シャッタが開放位置と閉塞位置との間に位置している状態を示し、また、シャッタ駆動部材をともに示す。 図13は、図10に示される現像器に装着されたトナーカートリッジの底面図であり、シャッタが閉塞位置に位置している状態を示し、また、シャッタ駆動部材をともに示す。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
1.カラープリンタ
図1に示されるカラープリンタ1は、タンデム型のカラープリンタである。カラープリンタ1は、本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2内には、ドロワユニット3が装着されている。本体ケーシング2の前面には、フロントカバー4が開閉可能に設けられている。そして、ドロワユニット3は、フロントカバー4を開けた状態で、本体ケーシング2内の収容位置(図1に示される位置)と本体ケーシング2外の引出位置との間で水平方向に移動させることができる。ドロワユニット3は、引出位置において、その一部が本体ケーシング2内に残り、ドロワユニット3に装着される後述の4つのトナーカートリッジ11の上方が開放される。
なお、フロントカバー4が設けられている側(図1における右側)をカラープリンタ1の前側(正面側)とする。また、カラープリンタ1の上下左右に関しては、カラープリンタ1を前側から見たときを基準とする。また、ドロワユニット3およびこれに装着されるトナーカートリッジ11の前後上下左右については、本体ケーシング2に装着された状態を基準とする。
ドロワユニット3には、4つの感光ドラム5がそれぞれ左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に保持されている。4つの感光ドラム5は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタおよびシアン用として設けられ、前側からブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンの順に前後方向に等間隔で並列に配置されている。
また、ドロワユニット3には、4つの帯電器6が保持されている。4つの帯電器6は、それぞれ感光ドラム5に対応して設けられ、その対応する感光ドラム5の後上方に配置されている。帯電器6は、たとえば、ワイヤおよびグリッドを備えるスコロトロン型帯電器である。
さらに、ドロワユニット3には、4つの現像部の一例としての現像器7が保持されている。4つの現像器7は、それぞれ感光ドラム5に対応して設けられ、その対応する感光ドラム5の前上方に配置されている。
各現像器7は、現像フレーム8を備えている。現像フレーム8には、現像ローラ9および供給ローラ10が保持されている。
現像ローラ9は、左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、感光ドラム5に接触するように配置されている。
供給ローラ10は、左右方向に延びる回転軸線を中心に回転可能に設けられ、現像ローラ9に対して前上方から接触するように配置されている。
ドロワユニット3において、各現像器7の上部には、トナーを収容するトナー収容体の一例としてのトナーカートリッジ11を装着するためのスペース12が設けられている。トナーカートリッジ11は、ドロワユニット3が引出位置に引き出された状態で、ドロワユニット3の上方から各現像器7の上方のスペース12に装着される。現像器7には、トナーカートリッジ11からトナーが供給される。
本体ケーシング2内において、ドロワユニット3の上方には、各色に対応した4本のレーザビームを出射する露光器13が配置されている。
感光ドラム5の回転に伴って、感光ドラム5の表面は、帯電器6からの放電によって一様に帯電された後、露光器13からのレーザビームにより選択的に露光される。この露光によって、感光ドラム5の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。静電潜像が現像ローラ9に対向すると、現像ローラ9から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム5の表面にトナー像が形成される。
なお、露光器13に代えて、4つのLEDアレイが各感光ドラム5に対応して設けられてもよい。
本体ケーシング2の底部には、用紙Pを収容する給紙カセット14が配置されている。給紙カセット14に収容されている用紙Pは、各種ローラにより、搬送ベルト15上に搬送される。搬送ベルト15は、4つの感光ドラム5に下方から対向して配置されている。感光ドラム5に対して搬送ベルト15の上側部分を挟んで対向する各位置には、転写ローラ16が配置されている。搬送ベルト15上に搬送された用紙Pは、搬送ベルト15の走行により、搬送ベルト15と各感光ドラム5との間を順次に通過する。そして、感光ドラム5の表面上のトナー像は、用紙Pと対向したときに、用紙Pに転写される。
搬送ベルト15に対して用紙Pの搬送方向における下流側には、定着器17が設けられている。トナー像が転写された用紙Pは、定着器17に搬送される。定着器17では、加熱および加圧により、トナー像が用紙Pに定着される。トナー像が定着した用紙Pは、各種ローラにより、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ18に排出される。
2.現像器
ドロワユニット3は、図1に示されるように、平面視で四角枠状をなすドロワフレーム31を備えている。4つの感光ドラム5、4つの帯電器6および4つの現像器7は、ドロワフレーム31における左右方向に対向する両側板により、その左右両側から挟まれた状態で一括して保持されている。
現像器7の現像フレーム8は、前後方向に等間隔で配置されている。トナーカートリッジ11を装着するためのスペース12は、各現像フレーム8上に設けられている。
現像フレーム8には、現像ローラ9を収容する現像室41が形成されている。現像室41は、感光ドラム5側が開放されており、この現像室41における開放側の端部に、現像ローラ9が配置されている。
現像フレーム8は、図2,3に示されるように、現像室41とトナーカートリッジ11を装着するためのスペース12との間に、現像室41側に向けて円弧状に凸湾曲した板状の仕切壁42を有している。この仕切壁42により、現像フレーム8内が現像室41とその上方のスペース12とに仕切られている。
図3に示されるように、仕切壁42の周方向の中央部には、スペース12にトナーカートリッジ11が装着された状態で、そのトナーカートリッジ11に形成されている3つの連通口53(図5参照)と対向する位置に、3つの矩形状の連通口43が形成されている。
仕切壁42上には、3つのフレームシール44が配置されている。フレームシール44は、各連通口43に対応して設けられ、仕切壁42に貼着されている。フレームシール44は、弾性を有する発泡体からなり、矩形のシート状をなしている。フレームシール44の中央部には、連通口43と連通するシール開口45がフレームシール44を厚さ方向に貫通して形成されている。
3.シャッタ駆動部材
また、仕切壁42上には、図2,3に示されるように、後述のシャッタ58を駆動するためのシャッタ駆動部材47が前後方向に移動可能に配置されている。シャッタ駆動部材47は、仕切壁42にほぼ沿うように現像室41側に向けて円弧状に凸湾曲した板状をなしている。また、シャッタ駆動部材47は左右方向に長く延び、その左右方向の両端部は、仕切壁42の左右方向の両端縁よりもそれぞれ外側にはみ出ている。そして、そのシャッタ駆動部材47における仕切壁42からはみ出た部分の下面には、ラックギヤ48が形成されている。また、シャッタ駆動部材47の上面には、後述の各シャッタ駆動用開口59と対応する位置に、被ガイド部および係合部の一例としてのシャッタ駆動用突起49が形成されている。
なお、図2には、シャッタ駆動部材47に後述のシャッタ58が結合された状態が示されている。
4.トナーカートリッジ
(1)筐体
図4に示されるように、トナーカートリッジ11は、内部にトナーを収容する樹脂製の筐体51を備えている。本体の一例としての筐体51は、左右方向に延びる中空の略半円柱状をなし、下方に向けて凸湾曲する断面略半円弧状の円弧面52を有している。
円弧面52には、図4,5に示されるように、その最下端部に対して後方の位置に、筐体51の内外を連通する3つの連通口53が形成されている。3つの連通口53は、左右方向に間隔を空けて並べて形成され、それぞれ左右方向に長い長方形状をなしている。
また、円弧面52には、図5に示されるように、各連通口53の左右両側に、円弧面52の周方向に延びる逃がし用溝54が形成されている。
(2)トナーシール
円弧面52には、3つのトナーシール55が貼着されている。トナーシール55は、各連通口53に対応して設けられている。トナーシール55は、弾性を有する発泡体からなり、矩形のシート状をなしている。トナーシール55の中央部には、連通口53と連通するシール開口56がトナーシール55を厚さ方向に貫通して形成されている。
(3)シャッタカバー
また、図4に示されるように、円弧面52を覆うように、シャッタカバー71が設けられている。シャッタカバー71は、たとえば、金属薄板を筐体51の円弧面52に沿って湾曲させることにより形成され、弾性を有している。シャッタカバー71の前端部および後端部は、それぞれ筐体51に対して固定されている。シャッタカバー71の左右方向の幅は、円弧面52の左右方向の幅とほぼ等しく、シャッタカバー71は、円弧面52を左右方向のほぼ全幅にわたって被覆している。
シャッタカバー71には、各トナーシール55と対向する位置に、開口72が形成されている。開口72は、左右方向に長い長方形状をなし、その開口面積が連通口53の開口面積よりも大きく、連通口53の全域およびトナーシール55における連通口53の周囲の部分を露出させる。
また、シャッタカバー71には、筐体51の各逃がし用溝54と対向する位置に、ガイド部であるガイド溝の一例としてのガイド用開口73が形成されている。ガイド用開口73は、左右方向に延びる前端縁74と、前端縁74の右端からシャッタカバー71の周方向に沿って後方にわずかに延びる平行部分の一例としての第1右端縁75と、第1右端縁75の後端からシャッタカバー71の周方向に対して後側ほど右側に位置するように傾斜して延びる傾斜部分の一例としての第2右端縁76と、第2右端縁76の後端からシャッタカバー71の周方向に沿って後方に延びる第3右端縁77と、第3右端縁77の後端から左方に延びる後端縁78と、後端縁78の左端から前側ほど左側に位置するように傾斜して延びる傾斜部分の一例としての第1左端縁79と、第1左端縁79の前端と前端縁74の左端との間でカバー71の周方向に沿って延びる平行部分の一例としての第2左端縁80とを有している。前端縁74および後端縁78は、シャッタ駆動部材47のシャッタ駆動用突起49の左右方向の幅とほぼ同じ長さを有している。また、第2右端縁76と第1左端縁79とは、互いに平行をなしている。
(4)シャッタ
図4に示されるように、円弧面52とシャッタカバー71との間には、シャッタ58が開放位置と閉塞位置との間で円弧面52に沿って移動可能に設けられている。シャッタ58は、樹脂フィルムからなり、筐体51の円弧面52に沿って湾曲している。シャッタ58の円弧面52に沿う方向の寸法は、トナーシール55の円弧面52に沿う方向の幅よりも大きく、左右方向の寸法(幅)は、円弧面52の左右方向の幅よりも少し小さい。
シャッタ58には、筐体51の各逃がし用溝54と対向する位置に、2つの被係合部の一例としてのシャッタ駆動用開口59がシャッタ58の周方向に間隔を開けて形成されている。シャッタ58が開放位置および閉塞位置のいずれに位置している状態においても、すべてのシャッタ駆動用開口59が逃がし用溝54と対向し、シャッタカバー71のガイド用開口73と対向して連通するように、シャッタ58の周方向に並ぶ2つのシャッタ駆動用開口59の間隔が決められている。
シャッタ58が開放位置に位置する状態で、シャッタ58の後端縁は、トナーシール55のシール開口56の前端縁より前方に位置する。そのため、筐体51の連通口53およびトナーシール55のシール開口56が互いに連通した状態で開放され、筐体51の内外が連通する。
一方、閉塞位置は、開放位置に対する後方の位置である。シャッタ58が閉塞位置に位置する状態で、シャッタ58の後端縁は、トナーシール55のシール開口56よりもわずかに後方に位置する。そのため、筐体51の連通口53およびトナーシール55のシール開口56の全域がシャッタ58により覆われ、筐体51の内外がシャッタ58により遮断される。
5.駆動伝達機構
ドロワフレーム31内には、各シャッタ駆動部材47に対応して、シャッタ駆動部材47に駆動力を伝達するための駆動伝達機構が設けられている。
図示されないが、ドロワフレーム31の左側板の外側には、4つの操作レバーが配置されている。各操作レバーは、ドロワフレーム31の左側板を貫通して左右方向に延びる揺動軸に固定されている。各揺動軸は、ドロワフレーム31の左側板に回動可能に支持されている。
そして、駆動伝達機構は、図2,3に示されるように、ドロワフレーム31の内側で揺動軸に固定された第1ギヤ61と、第1ギヤ61に噛合する第2ギヤ62と、第2ギヤ62およびシャッタ駆動部材47の左側のラックギヤ48に噛合するピニオンギヤ63と、シャッタ駆動部材47の右側のラックギヤ48に噛合するピニオンギヤ64と、ピニオンギヤ63,64を連結する連結軸65とを備えている。
操作レバーが操作されて、第1ギヤ61が回転すると、第1ギヤ61から第2ギヤ62に回転力が与えられる。第2ギヤ62に与えられた回転力は、第2ギヤ62からピニオンギヤ63に与えられる。これにより、ピニオンギヤ63,64が回転し、その回転力がピニオンギヤ63,64からラックギヤ48に入力される。これにより、シャッタ駆動部材47が仕切壁42に沿って前後方向に移動し、シャッタ駆動部材47とともにシャッタ58が開放位置と閉塞位置との間で移動する。
6.シャッタの開閉
トナーカートリッジ11がドロワユニット3から離脱した状態で、シャッタ58は、閉塞位置に位置している。トナーカートリッジ11がスペース12に装着されると、各シャッタ駆動用突起49がガイド用開口73を介してシャッタ駆動用開口59に係合し、シャッタ58とシャッタ駆動部材47との結合が達成される。
トナーカートリッジ11がスペース12に装着された後、シャッタ58を閉塞位置から開放位置に移動させるために、図示されない操作レバーが操作される。この操作により、第1ギヤ61が左側から見て時計回りに回転する。第1ギヤ61の回転は、シャッタ駆動部材47のラックギヤ48に伝達される。これにより、シャッタ駆動部材47が仕切壁42の連通口53と対向する位置から連通口53と対向しない位置まで前方に移動する。このシャッタ駆動部材47の移動に伴って、シャッタ58は、シャッタ駆動部材47と一体的に閉塞位置から前方に移動し、開放位置に配置される。
一方、シャッタ58を開放位置から閉塞位置に移動させるときには、図示されない操作レバーがシャッタ58を閉塞位置から開放位置に移動させるときと逆方向に操作される。この操作により、第1ギヤ61が左側から見て反時計回りに回転する。第1ギヤ61の回転は、シャッタ駆動部材47のラックギヤ48に伝達される。これにより、シャッタ駆動部材47が後方に移動し、このシャッタ駆動部材47の移動に伴って、シャッタ58がシャッタ駆動部材47と一体的に開放位置から後方に移動し、シャッタ58が閉塞位置に配置される。
(1)シャッタの開放位置から閉塞位置への移動
シャッタ58が開放位置に位置する状態では、図4に示されるように、前側のシャッタ駆動用開口59がガイド用開口73の第1右端縁75と第2左端縁80との間に配置されている。また、図5,6に示されるように、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58が最も左側の位置に配置されている。
ピニオンギヤ63,64からシャッタ駆動部材47のラックギヤ48に駆動力が入力されると、図7Aに示されるように、シャッタ駆動用開口59に係合されたシャッタ駆動用突起49がガイド用開口73の第2左端縁80に沿って移動する。したがって、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58は、図7B,7Cに示されるように、第2左端縁80に沿う方向に移動する。
シャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動が進むと、後側のシャッタ駆動用開口59に係合されたシャッタ駆動用突起49がガイド用開口73の第1左端縁79に当接する。その後は、シャッタ駆動用開口59に係合されたシャッタ駆動用突起49が第1左端縁79に沿って移動する。したがって、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58は、図8Bに示されるように、第1左端縁79に沿う方向、つまり斜め右後方に移動する。
そして、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動がさらに進み、後側のシャッタ駆動用開口59に係合されたシャッタ駆動用突起49がガイド用開口73の後端縁78に当接すると、それ以上のシャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動が規制される。この状態で、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58は、図9B,9Cに示されるように、最も右側の位置に配置される。
(2)シャッタの閉塞位置から開放位置への移動
ピニオンギヤ63,64からシャッタ駆動部材47のラックギヤ48に駆動力が入力されると、前側のシャッタ駆動用開口59に係合されたシャッタ駆動用突起49がガイド用開口73の第2右端縁76に沿って移動する。したがって、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58は、最も右側の位置から第2右端縁76に沿う方向、つまり斜め左前方に移動する。
そして、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動が進むと、前側のシャッタ駆動用開口59に係合されたシャッタ駆動用突起49がガイド用開口73の第2左端縁80に当接する。その後は、シャッタ駆動用開口59に係合されたシャッタ駆動用突起49が第2左端縁80に沿って移動する。そして、前側のシャッタ駆動用開口59がガイド用開口73の第1右端縁75と第2左端縁80との間に配置されると、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58が最も左側の位置に配置されて、図5,6に示される状態に戻る。
7.作用効果
(1)作用効果1
以上のように、トナーカートリッジ11は、内部にトナーを収容する筐体51を備えている。筐体51には、その内外を連通する連通口53が形成されている。この連通口53を開閉するために、シャッタ58が設けられている。すなわち、シャッタ58は、連通口53を開放する開放位置と連通口53を閉塞する閉塞位置とに移動可能に設けられている。シャッタ58が閉塞位置に位置する状態において、筐体51とシャッタ58との間には、連通口53に対応したシール開口56を有するトナーシール55が介在される。また、シャッタ58に対して筐体51と反対側には、シャッタカバー71が設けられている。シャッタ58は、筐体51とシャッタカバー71との間に挟まれている。
シャッタカバー71には、ガイド用開口73が形成されている。現像器7は、シャッタ駆動部材47を備えている。シャッタ駆動部材47には、シャッタ駆動用突起49が設けられている。シャッタ駆動用突起49は、ガイド用開口73に挿通されて、シャッタ58に設けられたシャッタ駆動用開口59に係合される。シャッタ駆動用突起49がシャッタ駆動用開口59に係合された状態で、シャッタ駆動部材47が移動されると、シャッタ58がシャッタ駆動部材47とともに移動する。
そして、ガイド用開口73は、シャッタ駆動用突起49からシャッタ駆動用開口59に入力される駆動力の方向に対して傾斜する傾斜方向に延びる第2右端縁76および第1左端縁79を有している。そのため、シャッタ駆動部材47とともにシャッタ58が移動されるときに、シャッタ駆動用突起49が第2右端縁76または第1左端縁79に沿って移動する。その結果、シャッタ58が傾斜方向に移動し、シャッタ58における移動方向の下流側の端縁がトナーシール55に対して斜めに移動するので、その端縁がトナーシール55に引っ掛かることを防止できる。よって、シャッタ58の円滑な移動を確保することができる。
(2)作用効果2
また、ガイド用開口73は、シャッタ58に作用する作用力の方向に延びる第1右端縁75および第2左端縁80をさらに有している。そのため、シャッタ駆動部材47とともにシャッタ58が移動されるときに、シャッタ58を傾斜方向だけでなく、シャッタ駆動用突起49からシャッタ駆動用開口59に入力される駆動力の方向にも移動させることができる。
8.他の実施形態
前述の実施形態では、シャッタ駆動用突起49の移動がガイド用開口73に案内されることにより、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動が案内される構成を取り上げた。この構成に代えて、図10に示されるように、シャッタ駆動部材47の移動を直接的に案内するガイド部の一例としてのガイド部材91,92が現像器7(現像フレーム8の仕切壁42)に設けられてもよい。
(1)構成
ガイド部材91,92は、それぞれシャッタ駆動部材47の左側および右側に配置されている。
左側のガイド部材91は、右側に向いて前後方向に延びる平行部分の一例としての平行面93と、平行面93の後端から斜め右後方に延びる傾斜部分の一例としての傾斜面94、傾斜面94の後端から左右方向に延びる規制面97とを有している。
右側のガイド部材92は、左側に向いて前後方向に延びる平行部分の一例としての平行面95と、平行面95の後端から斜め右後方に延びる傾斜部分の一例としての傾斜面96とを有している。
(2)シャッタの開放位置から閉塞位置への移動
シャッタ58(図2参照)が開放位置に位置する状態では、図11に示されるように、シャッタ駆動部材47の左端縁がガイド部材91の平行面93に当接して、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58が最も左側の位置に配置されている。
ピニオンギヤ63,64からシャッタ駆動部材47のラックギヤ48に駆動力が入力されると、シャッタ駆動部材47の左端縁がガイド部材91の平行面93に摺擦しつつ、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58が平行面93に沿う方向に移動する。
シャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動が進むと、図12に示されるように、シャッタ駆動部材47の左後角部がガイド部材91の傾斜面94に当接する。その後は、シャッタ駆動部材47の左後角部がガイド部材91の傾斜面94に摺擦しつつ、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58は、傾斜面94に沿う方向、つまり斜め右後方に移動する。
そして、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動がさらに進み、図13に示されるように、シャッタ駆動部材47の後端縁がガイド部材91の規制面97に当接すると、それ以上のシャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動が規制される。この状態で、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58は、図9B,9Cに示されるように、最も右側の位置に配置される。また、シャッタ駆動部材47の右前角部がガイド部材92の傾斜面96に当接している。
(3)シャッタの閉塞位置から開放位置への移動
ピニオンギヤ63,64からシャッタ駆動部材47のラックギヤ48に駆動力が入力されると、シャッタ駆動部材47の右前角部がガイド部材92の傾斜面96に摺擦しつつ、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58が傾斜面96に沿う方向、つまり斜め左前方に移動する。
そして、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58の移動が進むと、シャッタ駆動部材47の左端縁がガイド部材91の平行面93に当接する。その後は、シャッタ駆動部材47の左端縁が平行面93に摺擦しつつ、シャッタ駆動部材47およびシャッタ58が平行面93に沿う方向に移動し、図11に示される状態に戻る。
(4)作用効果
この実施形態に係る構成によっても、先に説明した実施形態に係る構成と同様の作用効果を奏することができる。
7 現像器
47 シャッタ駆動部材
49 シャッタ駆動用突起
51 筐体
53 連通口
55 トナーシール
56 シール開口
58 シャッタ
71 シャッタカバー
73 ガイド用開口
75 第1右端縁
76 第2右端縁
79 第1左端縁
80 第2左端縁
91 ガイド部材
92 ガイド部材
93 平行面
94 傾斜面
95 平行面
96 傾斜面

Claims (5)

  1. 内部にトナーを収容し、内外を連通する連通口を有する本体と、
    外部から入力される駆動力により、前記本体に沿って、前記連通口を開放する開放位置と前記連通口を閉塞する閉塞位置との間で移動されるシャッタと、
    前記シャッタが前記閉塞位置に位置する状態で、前記本体と前記シャッタとの間に介在され、前記連通口に対応したシール開口を有するトナーシールと、
    前記駆動力の入力により前記シャッタに作用する作用力の方向に対して傾斜する傾斜方向に前記シャッタの移動を案内するガイド部とを備え、
    前記本体は、円筒状の周面を有し、
    前記作用力の方向は、前記本体の周方向に沿った方向であり、
    前記傾斜方向は、前記作用力の方向を前記本体の軸線方向に傾斜させた方向であり、
    前記ガイド部は、前記シャッタが前記開放位置と前記閉塞位置との間を移動するときに、前記傾斜方向に前記シャッタの移動を案内し、
    前記連通口は、前記円筒状の周面に形成され、
    前記トナーシールは、前記円筒状の周面に貼着されている、トナーカートリッジ。
  2. 前記シャッタに対して前記本体と反対側に設けられ、前記シャッタを前記本体との間で挟むシャッタカバーを備え、
    前記シャッタには、被係合部が形成されており、
    前記ガイド部は、前記シャッタカバーに形成されたガイド溝であり、
    前記被係合部が前記ガイド溝に沿って移動することにより、前記シャッタが前記傾斜方向に移動する、請求項1に記載のトナーカートリッジ。
  3. 前記ガイド溝は、前記シャッタに作用する作用力の方向に延びる平行部分と、前記傾斜方向に延びる傾斜部分とを有する、請求項2に記載のトナーカートリッジ。
  4. トナーカートリッジと、
    前記トナーカートリッジが装着される現像部とを含み、
    前記トナーカートリッジは、
    内部にトナーを収容し、内外を連通する連通口を有する本体と、
    被係合部を有し、前記本体に沿って、前記連通口を開放する開放位置と前記連通口を閉塞する閉塞位置とに移動可能に設けられたシャッタと、
    前記シャッタが前記閉塞位置に位置する状態で、前記本体と前記シャッタとの間に介在され、前記連通口に対応したシール開口を有するトナーシールとを備え、
    前記現像部は、
    前記被係合部に係合される係合部を有し、前記シャッタを前記開放位置と前記閉塞位置との間で移動させるためのシャッタ駆動部材と、
    前記シャッタ駆動部材が当接され、前記係合部から前記被係合部に入力される駆動力により前記シャッタに作用する作用力の方向に対して傾斜する傾斜方向に延びる傾斜部分を有するガイド部材とを備え、
    前記本体は、円筒状の周面を有し、
    前記作用力の方向は、前記本体の周方向に沿った方向であり、
    前記傾斜方向は、前記作用力の方向を前記本体の軸線方向に傾斜させた方向であり、
    前記傾斜部分は、前記シャッタが前記開放位置と前記閉塞位置との間を移動するときに、前記傾斜方向に前記シャッタの移動を案内し、
    前記連通口は、前記円筒状の周面に形成され、
    前記トナーシールは、前記円筒状の周面に貼着されている、現像装置。
  5. 前記ガイド部材は、前記作用力の方向に延びる平行部分を有する、請求項4に記載の現像装置。
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