JP5418413B2 - 原子間力顕微鏡におけるカンチレバー励振方法 - Google Patents

原子間力顕微鏡におけるカンチレバー励振方法 Download PDF

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本発明は、ダイナミックモード原子間力顕微鏡に用いられるカンチレバーの励振方法に関し、さらに詳しくは、液中に浸漬された試料の表面を観察するために好適な原子間力顕微鏡に用いられるカンチレバーの励振方法に関する。
原子間力顕微鏡(AFM=Atomic Force Microscopy)は、先鋭な探針と試料表面との間に作用する力をカンチレバーの変位から測定し、探針を試料表面に沿って一次元的又は二次元的に走査することで試料表面の形状等の情報を取得する装置である。このAFMの1つとして、周波数変調検出方式のAFM(FM−AFM=Frequency Modulation - Atomic Force Microscopy)が知られている。FM−AFMでは、試料表面に原子レベルの距離まで近づけた探針を保持するカンチレバーをその機械的な共振周波数で以て振動させ、探針と試料表面との間に働く相互作用によって生じる共振周波数の変化(周波数シフトΔf)を検出する。この周波数シフトΔfは探針と試料表面との距離に依存するため、周波数シフトΔfを一定に維持しながら、試料表面を該試料の法線に直交する面内で二次元走査(例えばラスタースキャン)することにより、試料表面の凹凸観察像(Δf一定像)を得ることができる。
上述のようにFM−AFMでは試料表面観察に際し、カンチレバーをその共振点付近で振動させる必要がある。そのための励振方法としては、ピエゾ素子等の圧電素子を用いた音響励振法が最も広く利用されている(特許文献1など参照)。これは、最も簡便な方法であるとともにコストも比較的低いためである。
ところで、AFMは大気中や真空中で試料表面測定が可能であるのはもちろんのこと、液体中に配置された試料の測定も行えるという特徴を有している(特許文献2など参照)。液中におけるFM−AFM測定は特に生体試料の測定に威力を発揮するため、その測定技術の進歩は生化学分野、医療分野等において期待されている。しかしながら、液中FM−AFM測定においてカンチレバーの励振に上記音響励振法を用いた場合、次のような大きな問題がある。
即ち、液中FM−AFM測定では、圧電素子はカンチレバーを振動させるのみならずこれを保持するカンチレバーホルダや分析用液体を密閉するセルをも振動させてしまい、これらの振動が液体を伝播してカンチレバーをさらに振動させるため、本来の共振モードとは異なる振動モードがスペクトルに現れる。図7は、音響励振法でカンチレバーを励振させたときの大気中の励振スペクトル(a)と液中の励振スペクトル(b)との実測例である。図7(b)から、液中では共振点(Resonance)からずれた周波数でもカンチレバーが振動してしまっていることが分かる。こうした不適切な振動のために、本来分離されるべき保存的相互作用力(探針の振動に同期した力)と散逸的相互作用力(探針の振動エネルギを散逸させる力)とがカップリングしてしまい、その結果、良好な測定信号が得られない、フィードバック制御系が不安定化する、或いは、定量的な相互作用力の見積もりが困難になる、といった問題を引き起こす。
上記問題に対し、スプリアスフリーな励振法と呼ばれる幾つかの別の励振法がある。よく知られているスプリアスフリー励振法として、磁気励振法と光熱励振法とがある。磁気励振法とは、カンチレバーの背面(上面)に磁気微粒子を貼り付け、電磁コイルで形成する磁場の作用によりカンチレバーを励振する方法である。一方、光熱励振法とは、カンチレバーの背面に光てこ法を目的したレーザ光とは別に、変調信号を含むレーザ光を照射し、カンチレバーの背面と前面(下面)との間の熱伝導性の相違を利用してカンチレバーを励振する方法である(非特許文献1参照)。
しかしながら、磁気励振法の場合、微小なカンチレバーに磁気微粒子を取り付ける作業が必要になり、その作業に手間が掛かるためにコストが高いものとなる。また、電気化学環境(電場が作用する液中)の下では磁気微粒子が液体に溶け出す恐れがあり、試料に悪影響を及ぼすことも考えられる。他方、光熱励振法の場合には、AFMヘッドの構造が複雑になってコストが高いものとなる、複数のレーザ光をカンチレバーに適切に照射する必要があるために光学調整が煩雑である、といった問題がある。
特開2008−122168号公報 特開2009−58231号公報
西田、ほか4名、「レーザードップラー干渉計と光熱励振法を用いた液中原子間力顕微鏡」、生産研究、58巻2号、2006年 ホン(J.W.Hong)、ほか3名、「タッピング・モード・アトミック・フォース・マイクロスコピー・ユージング・エレクトロスタティック・フォース・モジュレーション(Tapping mode atomic force microscopy using electrostatic force modulation)」、アプライド・フィジックス・レター(Appl. Phys. Lett.)、69巻19号、1996年、p.2831-2833
従来知られている別のスプリアスフリー励振法として静電気力を用いた方法がある。例えば非特許文献2には、液中ではなく大気中であるが静電気力を利用してカンチレバーを励振する方法が開示されている。この励振法は、カンチレバー先端の探針と導電性の試料又は試料の下に配置した導電体との間に静電気力を作用させることにより、カンチレバーを振動させるものである。しかしながら、この方法では、探針を試料に近付けていくときや測定中に探針と試料との距離を変更するときに、探針と試料との離間距離によって励振効率が変化してしまうことになる。このように、従来の静電気力を用いた励振方法は、試料が導電性を有するものに限られる、又は、極めて薄い試料である場合には試料が載置される部材を対向電極として設けなければならない上に、相互作用力と離間距離との関係が通常のAFMとは様相が異なり複雑となるため、AFMのカンチレバーの一般的な励振方法としては適していない。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、装置構成や調整が簡単で且つ測定環境に影響を与えず、さらに試料と探針との離間距離に拘わらず理想的な励振特性が得られるようなスプリアスフリーなカンチレバー励振方法を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係るカンチレバー励振方法は、カンチレバーの先端に設けられた探針を試料の表面に近接させ、前記カンチレバーをその共振周波数で振動させたときに、前記探針と試料との間に働く相互作用を検出するダイナミックモード原子間力顕微鏡にあって、分析用液体中に浸漬した試料を測定するために前記カンチレバーを振動させる励振方法において、
前記カンチレバーにあって前記探針が位置する面とは反対側である背面に導電体層を形成する一方、前記カンチレバーと一体化され該カンチレバーの上面を覆う透明体の下面に前記導電体層に対向して透明な電極を設け、前記導電体層と前記電極との間に、該導電体層と前記分析用液体との界面に形成される電気二重層容量が誘電緩和するような高周波領域の周波数をもつ交流電圧を印加することにより前記カンチレバーを静電気力で振動させることを特徴としている。
なお、本発明に係るカンチレバー励振方法及び該方法が適用される原子間力顕微鏡において、カンチレバーを振動させる周波数は該カンチレバーの共振周波数に完全に一致していなくてもよく、その共振周波数に近い周波数でありさえすればよい。
本発明に係るカンチレバー励振方法において、透明体の下面に設けられる前記電極は、例えば酸化インジウムスズ(ITO)からなる薄膜電極とするとよい。
また本発明に係るカンチレバー励振方法において、前記透明体は、分析用液体中に浸漬した試料を測定する際、つまり液中測定の際に、分析用液体に密着して少なくとも該液体の上面を密閉するものであり、且つ、前記カンチレバーの変位検出のためのレーザ光を入射及び出射させるものとすることができる。
また一般的に、光てこ方式によりカンチレバーの変位を検出する際には、カンチレバーにおけるレーザ光の反射率を高めるために、カンチレバーの背面に金(Au)等の金属製の被膜が形成される。したがって、この金属製被膜を上記導電体層として用いることができる。即ち、一般的なカンチレバーは導電体層に相当する要素を備えているから、本発明に係るカンチレバー励振方法を実施するために敢えて導電体層を形成する必要はなく、そのための実質的なコスト増加は生じない。
本発明に係るカンチレバー励振方法によれば、例えば液中測定のための液中セル等の透明体の下面にITO導電薄膜を貼り付けることで、カンチレバー背面の導電体層に対向する電極を形成することができる。これにより、導電体層ときわめて近接して且つ略平行に対向電極を配置することができるので、両者の間に交流電圧を印加したときにエネルギー損失が少なく、静電気力により高い効率でカンチレバーを励振することができる。また、構成が簡単であって面倒な調整も不要であるので、他の励振法と比較しても十分にコストを抑えることができる。また、磁気励振法のように分析用液体に溶け出すような部材を用いないので、測定環境を乱すこともない。さらにまた、非接触のスプリアスフリーな励振法であるから、液中においても良好な励振スペクトルを得ることができ、高精度の測定が行える。
また、カンチレバーの背面に形成された導電体層と該カンチレバーと一体化された透明体の下面に設けられた電極との間に励振用の交流電圧が印加されるので、例えば探針を試料に近付けるようにカンチレバーが下方に移動される際などにも、導電体層と電極との距離が実質的に変化しない。そのため、試料表面と探針との間の距離によって励振効率が殆ど変化せず、振動の挙動が複雑になるのを回避することができる。また、探針と試料との間に交流電圧を印加する必要がないので、試料自体や試料が載置される部材が絶縁体であっても構わず、幅広い試料に対する測定が可能となる。
本発明の一実施例である原子間力顕微鏡におけるカンチレバーの励振に関連する要部の概略構成図。 本実施例による原子間力顕微鏡の要部の概略構成図。 本実施例による原子間力顕微鏡における電極(カンチレバー背面の金属層)と液体との界面付近の等価回路図。 液中でのカンチレバー電位変調スペクトルを示す図であり、(a)は実測によるスペクトル、(b)はフィッティング計算により得られたスペクトル。 液中でのカンチレバーの共振特性を示す図であり、(a)はブラウニアンノイズピーク、(b)は音響励振法を用いたときの励振スペクトル、(c)は本発明に係る静電気力励振法を用いたときの励振スペクトル。 本発明に係るカンチレバー励振方法を用いて得られる試料表面観察画像の一例であり、(a)は試料が白雲母である場合、(b)は試料が塩化カリウムである場合。 従来の音響励振法を用いたときの大気中の励振スペクトル(a)及び液中の励振スペクトル(b)。
以下、本発明に係るカンチレバー励振方法を用いた原子間力顕微鏡の一実施例について、添付図面を参照して説明する。図2は本実施例による原子間力顕微鏡の要部の概略構成図、図1はカンチレバーの励振に関連する部分のみを抽出した要部の構成図である。ここでは、液体に浸漬した状態の試料を測定する場合を例に挙げているが、本実施例の原子間力顕微鏡は液中測定のみならず、通常の大気中、真空中など、様々な環境の下に置かれた試料の測定が可能である。
図2に示すように、観察対象である試料3は略円筒形状であるスキャナ1の上に載置された試料ホルダ2の上に保持される。スキャナ1は、試料3を互いに直交するX、Yの2軸方向に走査するXYスキャナとX軸及びY軸に対し直交するZ軸方向に微動させるZスキャナとを含み、それぞれ外部から印加される電圧によって変位を生じる圧電素子を駆動源としている。試料3の上方には先端に探針6を備えるカンチレバー5が配置され、このカンチレバー5はカンチレバーホルダ7を介して台座部4に固定されている。液中測定を行うために、この台座部4の一部は下面が平坦なガラス製の透明体4aとなっている。試料ホルダ2と台座部4との間の空隙は分析用液体8で満たされ、試料3はこの分析用液体8中に浸漬されている。分析用液体8の上面は台座部4(透明体4a)の下面に完全に密着しており、探針6が試料3の表面を走査する際にも分析用液体8の液面の揺らぎは生じない。
カンチレバー5のZ軸方向の変位を検出するために、台座部4の上方には、レーザ光源11、ミラー12、13、及び光検出器14を含む光学的変位検出部10が設けられている。光学的変位検出部10においては、レーザ光源11から出射したレーザ光をミラー12で略垂直に反射させ、台座部4の透明体4aを通してカンチレバー5の背面先端付近に照射する。カンチレバー5はシリコン又は窒化シリコンなどから成るが、その背面には金(Au)、アルミニウム(Al)、等の金属薄膜5aが蒸着等により形成されている。それにより、カンチレバー5の背面は鏡面となっており、上方から照射されたレーザ光は高い効率で反射し、再び透明体4aを通って台座部4の上方に抜ける。そして、このカンチレバー5による反射光はミラー13を介して光検出器14に導入される。光検出器14はカンチレバー5の変位方向(Z軸方向)に複数(通常2つ)に分割された受光面を有するか、或いは、Z軸方向及びY軸方向に4分割された受光面を有する。カンチレバー5が上下に変位すると複数の受光面に入射する光量の割合が変化するから、その複数の受光光量に応じた検出信号を演算処理することで、カンチレバー5のZ軸方向の変位量を算出することができる。
本実施例による原子間力顕微鏡に特徴的な構成として、台座部4の透明体4aの下面には、ITO導電膜による対向電極9が、下方のカンチレバー5の背面の金属薄膜5aと対向するように設けられている。この対向電極9は本顕微鏡の接地電位(GND)に接続されている。一方、一端がカンチレバー5背面の金属薄膜5aと電気的に接続された導電性のリード部20の他端は、直流成分遮断用のコンデンサ22を介して励振信号生成部21に接続されている。
励振信号生成部21は、カンチレバー5を励振するために、カンチレバー5の共振周波数付近の周波数で所定振幅の交流電圧(正弦波電圧)Vを出力する。これにより、カンチレバー5背面の金属薄膜5aと、分析用液体8を間に挟んで対面する対向電極9との間に上記交流電圧Vが印加される。これにより、カンチレバー5に主として静電気力が作用し、該カンチレバー5はその共振周波数付近で振動する。なお、コンデンサ22は励振信号生成部21で生成される交流電圧(又はその出力に並列に接続される他の電源の出力)が切り替えられるときに生じる大きな直流電圧を遮断するためのものである。
上述のように分析用液体8中で金属薄膜5aと対向電極9との間に交流電圧Vを印加した場合における励振の作用について、詳しく説明する。金属薄膜5aと分析用液体8との界面、つまり固液界面における電気的な等価回路は図3に示すようになる。即ち、この界面においては、界面溶液要素とバルク溶液要素とが直列に接続されているとみなすことができる。この界面溶液要素とは、電荷移動による抵抗(Charge Transfer resistance)と拡散によるワールブルグインピーダンス(Warburg impedance)との直列接続回路と、電気二重層容量(Double layer capacitance)との並列回路である。他方、バルク溶液要素とは、バルク溶液抵抗(Bulk-solution resistance)とバルク溶液容量(Bulk-solution capacitance)との並列回路である。
金属薄膜5aと対向電極9との間に印加される交流電圧Vの周波数が、電気二重層容量が誘電緩和していないような低周波領域である場合には、界面溶液要素、つまり電荷移動による抵抗と拡散によるワールブルグインピーダンスによる界面張力効果が変位を支配する。これに対し、交流電圧Vの周波数が、電気二重層容量が誘電緩和した高周波領域である場合には、界面溶液要素は無視することができ、バルク溶液要素、つまりはバルク溶液容量による純粋な静電気力、換言すればマックスウェル応力が変位を支配する。
図4は液中でのカンチレバー電位変調スペクトルを示す図であり、(a)は実測によるスペクトル、(b)はフィッティング計算により得られたスペクトルである。フィッティング計算の詳細は省略するが、低周波領域では、実測スペクトルは界面張力の周波数特性をフィッティングしたカーブでよく近似されていることが分かる。他方、数十kHz〜百kHz以下の低周波領域では、実測スペクトルは界面張力の周波数特性をフィッティングしたカーブでよく近似されていることが分かる。他方、高周波領域では、実測スペクトルは静電気力の周波数特性をフィッティングしたカーブでよく近似されていることが分かる。即ち、ここで用いている励振方法によれば、交流電圧Vの周波数が高い場合には、静電気力によりカンチレバーを振動させることができるが、交流電圧Vの周波数が低い場合でも、主として界面張力効果によりカンチレバーを振動させることができる。
図5は液中でのカンチレバーの共振特性を示す図であり、(a)はスペクトルアナライザにより実測したブラウニアンノイズピーク、(b)は音響励振法(従来法)を用いたときの実測の励振スペクトル、(c)は本発明に係る静電気励振法を用いたときの実測の励振スペクトルである。図5(a)に示すピークはカンチレバーの共振点を示している。図5(b)に示すように従来の音響励振法では共振点以外の周波数における振動が顕著であるのに対し、本発明の励振方法によれば、図5(c)に示すように、共振点付近で単一の明瞭なピークが得られることが分かる。これにより、本発明の励振方法によれば、液中であっても、スプリアスピークのない理想的な励振特性が得られることが分かる。
図6は本発明の励振方法を用いて実際に原子分解能で液中測定を行って得られた試料表面観察画像の一例であり(a)は試料が白雲母である場合、(b)は試料が塩化カリウムである場合である。(a)の測定条件は、周波数一定モードで、Δf=+110[Hz]、探針の振動振幅A=0.2[nm]、であり、そのときの分析用液体は0.1mol/Lの塩化カリウム溶液である。一方、(b)の測定条件は、高さ一定モードで、Δf=+90[Hz]、A=0.2[nm]、であり、そのときの分析用液体は1.0mol/Lの塩化カリウム溶液である。いずれの試料に対しても、原子像が明瞭に観察されていることが分かる。
なお、上記説明では、本発明に係るカンチレバー励振方法を液体に浸漬した試料の測定に利用する場合を例に挙げたが、基本的には、大気中であっても測定が可能である。また、本発明は、周波数変調検出方式のAFMのみならず、振幅検出方式、位相検出方式等のダイナミックモードAFM全般に広く用いることが可能である。
また、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…スキャナ
2…試料ホルダ
3…試料
4…台座部
4a…透明体
5…カンチレバー
5a…金属薄膜
6…探針
7…カンチレバーホルダ
8…分析用液体
9…対向電極
10…光学的変位検出部
11…レーザ光源
12、13…ミラー
14…光検出器
20…リード部
21…励振信号生成部
22…コンデンサ

Claims (3)

  1. カンチレバーの先端に設けられた探針を試料の表面に近接させ、前記カンチレバーをその共振周波数で振動させたときに、前記探針と試料との間に働く相互作用を検出するダイナミックモード原子間力顕微鏡にあって、分析用液体中に浸漬した試料を測定するために前記カンチレバーを振動させる励振方法において、
    前記カンチレバーにあって前記探針が位置する面とは反対側である背面に導電体層を形成する一方、前記カンチレバーと一体化され該カンチレバーの上面を覆う透明体の下面に前記導電体層に対向して透明な電極を設け、前記導電体層と前記電極との間に、該導電体層と前記分析用液体との界面に形成される電気二重層容量が誘電緩和するような高周波領域の周波数をもつ交流電圧を印加することにより、前記カンチレバーを静電気力で振動させることを特徴とする、原子間力顕微鏡におけるカンチレバー励振方法。
  2. 請求項1に記載の原子間力顕微鏡におけるカンチレバー励振方法であって、前記透明体は、分析用液体中に浸漬した試料を測定する際に該分析用液体に密着して少なくとも該液体の上面を密閉するものであり、且つ、前記カンチレバーの変位検出のためのレーザ光を入射及び出射させるものであることを特徴とするカンチレバー励振方法。
  3. 請求項1又は2に記載の原子間力顕微鏡におけるカンチレバー励振方法であって、前記電極は酸化インジウムスズからなる薄膜電極であることを特徴とするカンチレバー励振方法。
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