JP2005164544A - プローブ装置、走査型プローブ顕微鏡および試料表示方法 - Google Patents

プローブ装置、走査型プローブ顕微鏡および試料表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プローブ先端と試料との間の距離を示す情報を得るための構成の簡略化を図ることが可能なプローブ装置、走査型プローブ顕微鏡および試料表示方法を提供する。
【解決手段】 プローブ先端としての先端3aを有する金属ワイア3は、ホルダー9と水晶振動子4とで保持されている。水晶振動子4は、圧電効果により自己の振動を示す振動情報を出力する。金属ワイア3と水晶振動子4とからなる共振器は共振によ振動するが、先端3aと試料1との間の相互作用により、先端3aと試料1との間の距離に応じた力を受けるので、共振器の振動は、先端3aと試料1との間の距離に応じて変動する。このため、水晶振動子4が出力する振動情報は、先端3aと試料1との間の距離を示す。よって、従来、先端3aと試料1との間の距離を示す情報を得るために必要であった投光器と受光器とを不要にできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プローブ装置、走査型プローブ顕微鏡および試料表示方法に関する。
従来、種々の走査型プローブ顕微鏡が知られている。
例えば、特許文献1(特開平8−54403号公報)には、走査型静電容量顕微鏡と原子間力顕微鏡とを含む走査型プローブ顕微鏡が記載されている。
図6は、走査型静電容量顕微鏡と原子間力顕微鏡とを含む走査型プローブ顕微鏡の概略構成を示した説明図である。
図6において、半導体デバイス等の試料101を測定する走査型プローブ顕微鏡は、圧電素子102と、導電性プローブユニット103と、電圧変調回路104と、容量センサ105と、レーザダイオード106と、検出器107とを含む。
図7(a)は、図6に示した導電性プローブユニット103の概略構成を示した概略構成図である。図7(a)において、導電性プローブユニット103は、カンチレバー1031と、カンチレバー1031の自由端1031bに設けられた鋭利なプローブ(探針)1031aと、カンチレバー1031を保持するホルダー1032とを含む。
図7(b)は、図7(a)に示した導電性プローブユニット103のA−A線断面図である。図7(b)において、プローブ1031aを含むカンチレバー1031は、シリコン酸化層あるいはシリコン窒化層(図示せず)で覆われた単結晶シリコン基板201と、単結晶シリコン基板201を覆うAu、Pt/IrあるいはCo/Crなどよりなる厚さ約100nmの金属層202とを含む。なお、カンチレバー1031は、スプリング(板バネ)として作用する。
なお、特許文献1には、金属層を有さない導電性のプローブ探針を有するプローブも記載されている。
図6に戻って、走査型プローブ顕微鏡において、走査型静電容量顕微鏡は、圧電素子102と、導電性プローブユニット103と、電圧変調回路104および容量センサ105とを含み、原子間力顕微鏡は、圧電素子102と、導電性プローブユニット103と、レーザダイオード106と、検出器107とを含む。
試料101は圧電素子102上に搭載される。試料101は圧電素子102の動作によりXY(水平)方向およびZ(鉛直)方向に移動(走査)される。導電性プローブユニット103のプローブ1031aは、試料101の表面に近接される。
ここで、図6に示した走査型プローブ顕微鏡が有する走査型静電容量顕微鏡について説明する。
電圧変調回路104は、試料101に電圧を供給する。プローブ1031aと試料101の表面の電荷とで静電容量が形成される。
LC共振回路、発振回路およびダイオードとを含む検波回路を有する容量センサ105は、プローブ1031aと試料101の表面の電荷とで形成される静電容量の値を測定する。
容量センサ105の検出結果を利用することにより、試料101の表面における容量の状態を示す容量情報を2次元的に画像化することが可能となるとともに試料101の表面の凹凸を2次元的に画像化することが可能となる。
次に、図6に示した走査型プローブ顕微鏡が有する原子間力顕微鏡について説明する。
導電性プローブユニット103は、自己と試料101の原子との間で働く原子間力により撓む。レーザダイオード106は、光ビームを導電性プローブユニット103に照射する。検出器107は、導電性プローブユニット103によって反射された光ビームを検出することによって、導電性プローブユニット103の撓みによる変位、換言すると、試料101の表面の状態を検出する。
試料101とプローブ1031aとのZ方向の相対的な距離は、検出器107の出力に基づいて圧電素子102を動作させることによって、あらかじめ設定された一定値になるように制御される。
特開平8−54403号公報(第2−5頁、図1、図2、図5)
図6および図7に示す走査型プローブ顕微鏡では、プローブ1031a先端と試料との間の距離を示す情報を得るために、レーザダイオードと検出部とを用いている。この場合、部品が多くなり、また、レーザダイオードの発光の向きと検出部の受光の向きとの関係が所定の条件を満たすように、レーザダイオードと検出部とを配設しなければならないという問題が生じてしまう。
本発明の目的は、プローブ先端と試料との間の距離を示す情報を得るための構成の簡略化を図ることが可能なプローブ装置、走査型プローブ顕微鏡および試料表示方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明のプローブ装置は、試料とプローブ先端との距離を示す距離情報を出力するプローブ装置であって、前記プローブ先端としての先鋭化された一端が前記試料と対向するように設けられ、かつ、該一端と該試料との間の距離に応じた力を受ける検出部と、前記検出部の第1箇所を保持する保持部と、前記検出部の第1箇所と異なる第2箇所を保持し、かつ、入力される駆動信号に基づいて共振するとともに該共振に基づいた振動を示す振動情報を前記距離情報として出力する圧電素子とを含み、前記検出部のバネ定数が、前記圧電素子のバネ定数の10%以下であることを特徴とする。
上記の発明によれば、検出部を保持部と圧電素子とで保持している。圧電素子の共振特性は、圧電素子にかかる検出部の質量が大きくなるほど悪化する。圧電素子の共振特性が悪化すると、検出部の一端と試料との間の距離に応じた力を受けた際の圧電素子の振動の変化が少なくなってしまう。このため、圧電素子が出力する振動情報は、検出部の一端と試料との間の距離を十分に示さなくなってしまう。
上記の発明では、検出部を保持部と圧電素子とで保持することによって、圧電素子の共振特性の悪化を少なくし、圧電素子が出力する振動情報が、検出部の一端と試料との間の距離を示さなくなってしまうことを防止することが可能となる。
また、圧電素子の共振特性は、検出部のバネ定数が大きくなるほど悪化する。上記の発明では、検出部のバネ定数を圧電素子のバネ定数の10%以下にすることによって、圧電素子の共振特性の悪化を少なくし、圧電素子が出力する振動情報が、導電性部材の一端と試料との間の距離を示さなくなってしまうことを防止することが可能となる。
また、本発明のプローブ装置は、試料とプローブ先端との距離を示す距離情報を出力するプローブ装置であって、前記プローブ先端としての先鋭化された一端が前記試料と対向するように設けられ、かつ、該一端と該試料との間の距離に応じた力を受ける検出部と、前記検出部の第1箇所を保持する保持部と、入力される駆動信号に基づいて共振するとともに該共振に基づいた振動を示す振動情報を前記距離情報として出力する圧電素子と、前記圧電素子の質量の10%以下の質量を有し、前記検出部の第1箇所と異なる第2箇所を前記圧電素子に固着する固着部材とを含むことを特徴とする。
上記の発明によれば、検出部を保持部と圧電素子とで保持している。圧電素子の共振特性は、圧電素子にかかる検出部の質量が大きくなるほど悪化する。上記の発明では、検出部を保持部と圧電素子とで保持することによって、圧電素子の共振特性の悪化を少なくし、圧電素子が出力する振動情報が、検出部の一端と試料との間の距離を示さなくなってしまうことを防止することが可能となる。
また、圧電素子の共振特性は、固着部材の質量が大きくなるほど悪化する。上記の発明では、固着部材の質量を圧電素子の質量の10%以下にすることによって、圧電素子の共振特性の悪化を少なくし、圧電素子が出力する振動情報が、検出部の一端と試料との間の距離を示さなくなってしまうことを防止することが可能となる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記プローブ装置を用いる走査型プローブ顕微鏡であって、前記試料は、半導体試料であり、前記圧電素子が出力する振動情報は、該圧電素子と前記検出部とを含む共振器の振動の振幅を示し、前記検出部の一端と前記試料との間の距離に応じた力に応じて変化する前記共振器のQ値を前記振動情報が示す共振器の振動の振幅に基づいて検出するQ値検出部と、前記試料内のドーパント密度を示すドーパント密度表示を前記Q値検出部によって検出されたQ値に基づいて行うドーパント密度表示部とを含むことを特徴とする。
また、本発明の試料表示方法は、上記プローブ装置を用いる走査型プローブ顕微鏡が行う試料表示方法であって、前記試料は、半導体試料であり、前記圧電素子が出力する振動情報は、該圧電素子と前記検出部とを含む共振器の振動の振幅を示し、前記検出部の一端と前記試料との間の距離に応じた力に応じて変化する前記共振器のQ値を前記振動情報が示す共振器の振動の振幅に基づいて検出するQ値検出ステップと、前記試料内のドーパント密度を示すドーパント密度表示を前記Q値検出ステップで検出したQ値に基づいて行うドーパント密度表示ステップとを含むことを特徴とする。
上記の発明によれば、圧電素子が出力する振動情報から、検出部材の一端と試料との間の距離に応じた力に応じて変化する共振器のQ値を検出する。試料として半導体デバイスを用いた場合、検出部と圧電素子とを含む共振器のQ値は、半導体中のドーパントの密度に関する情報を示す。このため、圧電素子が出力する振動情報に基づいて試料を観察することが可能となる。
また、上記走査型プローブ顕微鏡において、前記圧電素子が出力する振動情報は、さらに、前記共振器の振動の周波数を示し、前記検出部は、導電性であり、前記試料の表面形状を示す表面形状表示を前記振動情報によって示される共振器の振動の周波数に基づいて行う表面形状表示部と、前記試料に所定の周波数の交流電圧を印加する交流電圧印加部と、前記検出部の一端と前記試料との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、前記試料内のドーパント密度を示す第2ドーパント密度表示を、前記静電容量検出部によって検出される静電容量および前記所定の周波数とに基づいて行う第2ドーパント密度表示部と、前記試料内の容量の変化を示す容量変化表示を、前記静電容量検出部によって検出される静電容量および前記振動情報によって示される共振器の振動の周波数とに基づいて行う容量変化表示部と、前記試料のp−n接合位置を示すp−n接合位置表示を、前記静電容量検出部によって検出される静電容量および前記所定の周波数の2倍の周波数とに基づいて行うp−n接合位置表示部とを含むことが望ましい。
また、上記試料表示方法において、前記圧電素子が出力する振動情報は、さらに、前記共振器の振動の周波数を示し、前記検出部は、導電性であり、前記試料の表面形状を示す表面形状表示を前記振動情報によって示される共振器の振動の周波数に基づいて行う表面形状表示ステップと、前記試料に所定の周波数の交流電圧が印加する交流電圧印加ステップと、前記検出部の一端と前記試料との間の静電容量を検出する静電容量検出ステップと、前記試料内のドーパント密度を示す第2ドーパント密度表示を、前記静電容量検出ステップで検出した静電容量および前記所定の周波数とに基づいて行う第2ドーパント密度表示ステップと、前記試料内の容量の変化を示す容量変化表示を、前記静電容量検出ステップで検出した静電容量および前記振動情報によって示される共振器の振動の周波数とに基づいて行う容量変化表示ステップと、前記試料のp−n接合位置を示すp−n接合位置表示を、前記静電容量検出ステップで検出した静電容量および前記所定の周波数の2倍の周波数とに基づいて行う容量変化度表示ステップとを含むことが望ましい。
上記の発明によれば、ドーパント密度表示、表面形状表示、第2ドーパント密度表示、容量変化表示およびp−n接合位置表示を表示する。このため、走査型プローブ顕微鏡のユーザは、試料を多角的に観察することが可能となる。
また、上記走査型プローブ顕微鏡において、前記ドーパント密度表示、前記表面形状表示、前記第2ドーパント密度表示、前記容量変化表示および前記p−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を同時に表示させる表示制御部をさらに含むことが望ましい。
また、上記の試料表示方法において、前記ドーパント密度表示、前記表面形状表示、前記第2ドーパント密度表示、前記容量変化表示および前記p−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を同時に表示する表示制御ステップをさらに含むことが望ましい。
上記の発明によれば、走査型プローブ顕微鏡のユーザは、複数種類の表示を同時に観察することが可能となり、試料の観察が容易になる。
また、上記の走査型プローブ顕微鏡において、前記表示制御部は、前記ドーパント密度表示、前記表面形状表示、前記第2ドーパント密度表示、前記容量変化表示および前記p−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を重ね合わせて表示部に表示させることが望ましい。
また、試料表示方法において、前記表示制御ステップは、前記ドーパント密度表示、前記表面形状表示、前記第2ドーパント密度表示、前記容量変化表示および前記p−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を重ね合わせて表示することが望ましい。
上記の発明によれば、走査型プローブ顕微鏡のユーザは、試料に関する情報を詳細に得ることが可能となる。
本発明によれば、圧電素子の共振特性の悪化を少なくし、圧電素子が出力する振動情報が、検出部の一端と試料との間の距離を示さなくなってしまうことを防止することが可能となる。
また、圧電素子が出力する振動情報から、検出部材の一端と試料との間の距離に応じた力に応じて変化する共振器のQ値を検出する。試料として半導体デバイスを用いた場合、共振器のQ値は、半導体中のドーパントの密度に関する情報を示す。このため、圧電素子が出力する振動情報に基づいて試料を観察することが可能となる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例の走査型プローブ顕微鏡を示したブロック図である。
図1において、半導体デバイス等の試料1を観察するための走査型プローブ顕微鏡は、走査用圧電素子2と、検出部としての金属ワイア3と、圧電素子としての音叉型水晶振動子4と、発振器5と、検出器6と、電圧変調回路7と、静電容量検出部としての容量センサ8と、保持部としてのホルダー9と、制御装置10とを含む。なお、プローブ装置30は、導電性の金属ワイア3と、音叉型水晶振動子4と、ホルダー9とを含む。
試料1は、走査用圧電素子2上に載置される。
走査用圧電素子2は、試料1をXY(水平)方向およびZ(鉛直)方向に移動する。
金属ワイア3は鋭利な先端3aを有する。先端3aは、試料1の表面と近接するように設けられている。先端3aと試料1との間には物理的相互作用(例えば、先端3aと試料1との間に働く原子間力)が働く。先端3aと試料1との間に働く原子間力は、先端3aと試料1との間に距離に応じて変化する。
金属ワイア3は、直径約20〜100μmのW、Pt/IrあるいはNiなどの金属棒である。先端3aは、金属棒3に電解研磨プロセスを実施することによって得られる。電解研磨プロセスにより先端3aを形成した場合、先端3aの曲率半径の大きさは、電解液の濃度、印加電圧あるいは電解液に浸している時間によって調整される。したがって、先端3aの曲率半径は再現性よく調整できる。なお、先端3aの先鋭化は、電解研磨プロセスの代りに放電加工プロセス等を用いることによっても実現できる。
金属ワイア3は、絶縁性接着剤等の固定部4bによって励振用の音叉型水晶振動子4に固定されている。また、金属ワイア3の基部3bは、接着剤等の固定部9bによってホルダー9に固定されている。
金属ワイア3は、固定部4bと先端3aの間、望ましくは固定部4bと先端3aの間における固定部4bのなるべく近傍において、先端3aが試料1表面に対して垂直となるようにする曲げ部3cを有している。ここで「垂直」とは、試料1表面に対して厳密に90度を傾いている場合だけではなく、試料1表面に対して90度±10度程度の誤差を有して傾いている場合も含む。
音叉型水晶振動子4は、2つの板状バネ部(以下プロンジ)4a1、4a2を有する。
金属ワイア3は、自己の長さ方向がプロンジ4a1、4a2の長手軸の方向に対して直角方向を向くように、プロンジ4a1、4a2の中で試料1に近い方のプロンジ4a2の外縁部4a21に固定されている。ここで「直角」とは、プロンジ4a1、4a2の長手軸の方向に対して金属ワイア3の長さ方向が厳密に90度を傾いている場合だけではなく、プロンジ4a1、4a2の長手軸の方向に対して金属ワイア3の長さ方向が90度±10度程度の誤差を有して傾いている場合も含む。
音叉型水晶振動子4およびホルダー9は、さらに大きな同一の保持材(不図示)に固定されており、音叉型水晶振動子4とホルダー9とは力学的に繋がっている。
発振器5は、音叉型水晶振動子4を共振により振動させるための駆動電圧を音叉型水晶振動子4に供給する。なお、発振器5が出力する駆動電圧は、音叉型水晶振動子4を共振させる周波数の駆動電圧である。
金属ワイア3は音叉型水晶振動子4に固定されているので、金属ワイア3は音叉型水晶振動子4固有の共振周波数の近傍の周波数(励振周波数)で音叉型水晶振動子4とともに励振される。なお、金属ワイア3と音叉型水晶振動子4との励振周波数は、先端3aと試料1との間の物理的相互作用によって変動する。以下、この励振周波数をf0する。なお、発振器5が出力する駆動電圧の周波数は、励振周波数をf0とほぼ同じなので、以下では、発振器5が出力する駆動電圧の周波数をf0と示す。水晶振動子4としてはf0が30kHz近辺となるものを利用することが望ましい。
音叉型水晶振動子4は、金属ワイア3を励振すると同時に、振動による自身の変形を示す電流信号(振動情報)を圧電効果により発生する。
音叉型水晶振動子4に固定されている金属ワイア3は、音叉型水晶振動子4固有の共振周波数近傍で励振されるが、その振動(振動振幅および共振周波数)は、金属ワイア3と試料1との間の相互作用により変化する。
例えば、音叉型水晶振動子4に固定されている金属ワイア3は、先端3aと試料1との間での原子間力を受ける。先端3aと試料1との間での原子間力は、先端3aと試料1との間に距離に応じて変化する。このため、音叉型水晶振動子4と金属ワイア3とを含む共振器の振動(具体的には、振動の周波数)は、先端3aと試料1との間に距離に応じて変化する。したがって、音叉型水晶振動子4が出力する電流信号は、先端3aと試料1との間に距離を示す情報となる。
音叉型水晶振動子4が出力する電流信号を用いれば、金属ワイア先端3aと試料1との距離を検出することが可能となる。したがって、例えば、図6に示したように光学的手法を用いなくても、金属ワイア先端3aと試料1との距離を制御することができ、構成の簡略化が図れる。
また、音叉型水晶振動子4と金属ワイア3とを含む共振器の振動(具体的には、振動の振幅)は、金属ワイア3と音叉型水晶振動子4との共振のQ値に関わる情報を示す。
検出器6は、音叉型水晶振動子4から出力された電流信号を電圧信号に変換する。したがって、金属ワイア3と音叉型水晶振動子4の振動の振幅、あるいは金属ワイア3と音叉型水晶振動子4の共振周波数、あるいは金属ワイア3と音叉型水晶振動子4の共振のQ値に関わる情報は、検出器6が出力する電圧信号に基づいて求めることが可能となる。
なお、音叉型水晶振動子4と金属ワイア3とを含む共振器の振動は、音叉型水晶振動子4の共振特性が良いほど、具体的には水晶振動子4が力学的に高いQ値を持つほど、先端3aと試料1との間に距離に応じて変化する。
金属ワイア先端3aと試料1との間の距離制御の精度を向上するためには、水晶振動子4が力学的に高いQ値を持つことが必要である。
本実施例では、固定部4bで用いられる固定法は、力学的に高いQ値を持つ音叉型水晶振動子4の固有の共振特性をできるだけ損なわないようにしている。
音叉型水晶振動子4の共振特性に影響を与えるのは、金属ワイア3の質量と、固定部4bにおける接着剤の質量、そして金属ワイア3のバネ定数である。
本実施例では、音叉型水晶振動子4の共振特性に悪影響を与えないように、音叉型水晶振動子4にかかる金属ワイア3の質量を小さくし、固定部4bにおける接着剤の質量を小さくし、金属ワイア3のバネ定数を小さくしている。
まず、音叉型水晶振動子4にかかる金属ワイア3の質量を小さくする手法について説明する。
例えば、特開平9−113521号公報に記載の技術では、先端が先鋭化された金属ワイアに中折れ部を設け、金属ワイアをカンチレバーとして利用している。具体的には、金属ワイアはホルダー上の一箇所でのみ片持ち梁として固定されている。この場合、金属ワイアの質量は、ホルダーに集中してしまう。
これに対して、本実施例では、金属ワイア3を、ホルダー9の固定部9bと音叉型水晶振動子4の固定部4bとで固定しているため、音叉型水晶振動子4に金属ワイア3全体の質量が負荷としてかからず、音叉型水晶振動子4の共振特性に悪影響を与えないようにしている。
また、音叉型水晶振動子4にかかる金属ワイア3の質量を小さくするために、本実施例では、金属ワイア3上の固定部4bから先端3aまでの長さを、金属ワイア3上の固定部4bから金属ワイア3上の固定部9bまでの長さより極めて短くしている。
次に、音叉型水晶振動子4にかかる固定部4bの接着剤の質量を小さくする手法について説明する。
本実施例では、固定部4bにおいて、音叉型水晶振動子4のプロンジ4a2の長手軸の方向は金属ワイア3の長さ方向と直交するようにしてある。これによって固定部4bにおける接着剤の質量を最小とすることが可能となる。なお、固定部4bの接着剤の質量を、音叉型水晶振動子4の質量の10%以下にした場合、良好な結果が得られた。
次に、金属ワイア3のバネ定数を小さく手法について説明する。
本実施例では、金属ワイア3は、固定部4bと先端3aとの間、望ましくは固定部4bと先端3aとの間で固定部4bの近傍において、先端3aが試料1の表面に対して垂直となるよう曲げ部3cを有している。さらに、固定部4bから先端3aまでの距離を短くしている。このため、金属ワイア3の中で、曲げ部3cから先端3aを含む部分は、音叉型水晶振動子4の振動に対して剛体として追随することが可能となる。よって、金属ワイア3のバネ定数は低減する。なお、固定部4bから先端3aまでの距離は、1mm以下であることが望ましい。
また、音叉型水晶振動子4への負荷となる金属ワイア3のバネ定数を小さくするために、ホルダー9の固定部9bから音叉型水晶振動子4の固定部4bまでの距離をできるだけ長くすることが望ましい。
例えば、音叉型水晶振動子4のバネ定数が8000N/mであり、金属ワイア3の直径が100μmである場合、固定部9bから固定部4bの長さが1cmあれば、金属ワイア3のバネ定数はおよそ5N/mとなり、音叉型水晶振動子4のバネ定数8000N/mに対して十分無視しうる値となる。なお、ホルダー上の固定部9bから水晶振動子上の固定部4bまでの距離と、金属ワイアの直径および材質とで決まる金属ワイア3のバネ定数が、圧電素子としての音叉型水晶振動子4のバネ定数の10%以下にした場合、良好な結果が得られた。
本実施例では、音叉型水晶振動子4が圧電効果によって発生する振動を示す情報を利用することによって、金属ワイア先端3aと試料1との間の距離を制御することが可能となる。
制御装置10は、検出器6が出力する電圧信号を受け付ける。制御装置10は、受け付けた電圧信号に基づいて、音叉型水晶振動子4の振動振幅、あるいは音叉型水晶振動子4の共振周波数があらかじめ設定したある一定値になるように走査用圧電素子2を制御する。つまり、制御装置10は、試料1と金属ワイア先端3aとの相対的な距離を負帰還制御する。
走査用圧電素子2は、制御装置10による制御に基づいて、試料1のZ方向の位置制御および試料1のXY方向の走査を行う。
電圧変調回路7は、周波数f1の交流電圧を試料1に供給する。交流電圧の周波数f1は発振器5から供給される水晶振動子4の駆動周波数f0と干渉しないよう、駆動周波数f0より高い周波数範囲に設定されることが望ましい。たとえば、f1の周波数は40kHz〜1MHzである。
容量センサ8は、金属ワイア3と接続し、金属ワイア先端3aと試料1との間の静電容量を検出する。
次に、図1に示した走査型プローブ顕微鏡の動作を説明する。
走査用圧電素子2上に試料1が載せられた状態で、発振器5が音叉型水晶振動子4に駆動用周波数f0の駆動電圧を供給すると、音叉型水晶振動子4と金属ワイア3とで構成される共振器は振動する。
音叉型水晶振動子4と金属ワイア3とで構成される共振器の振動は、金属ワイア3と試料1との間の距離に応じて変化する金属ワイア3と試料1との間の相互作用により影響を受け、先端3aと試料1との間に距離に応じて変化する。このため、音叉型水晶振動子4が出力する電流信号(振動情報)は、金属ワイア3と試料1との間の距離に応じて変化する。
検出器6は、音叉型水晶振動子4が出力する電流信号を電圧信号に変換する。制御装置10は、検出器6が出力する電圧信号に基づいて、音叉型水晶振動子4の振動振幅、あるいは音叉型水晶振動子4の共振周波数があらかじめ設定したある一定値になるように走査用圧電素子2を制御する。
本実施例では、試料1と金属ワイア3との距離を、音叉型水晶振動子4が出力する振動情報に基づいて制御することが可能となる。したがって、試料1と金属ワイア3との距離を得るために、投光部と受光部とを設ける必要が無くなり、構成の簡略化を図ることが可能となる。
なお、図1において、金属ワイア3を用いることによって、容量センサ8と試料1との間の直列抵抗が、図7(b)に示す金属コート層付のプローブに比べれば低下するので、容量センサ8の感度は向上する。
また、金属ワイア3は試料1に対して小さな投影面積しか有さないので、金属ワイア3と試料1との間に発生する浮遊容量は小さくなり、従って、容量センサ8の信号のS/N比に与える影響は低い。
さらに、図7(b)に示す導電性プローブユニット103のような金属コート層を有しないので、金属ワイア3の先端3aの曲率半径を小さくでき、空間分解能を向上できる。
さらに、金属ワイア3はその先端3aと一体で単一の材料よりなるので、金属ワイア3の先端3aは先端3aと試料1との摩擦によって剥がれるという恐れは無い。
さらに、先端3aと試料1との間に直流電流が流れると、ジュール熱が発生するが、結果として溶融しても、全体が単一の材料からなるので導電性が失われることは無い。このようにして、金属ワイア3の導電率は減少しない。
次に、図1の本実施例を適用した本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の第1の実施の形態を示すブロック図である。なお、図2において、図1に示したものと同一構成のものには同一符号を附してある。
半導体デバイス等の試料1を観察するための本走査型プローブ顕微鏡は、圧電素子2と、金属ワイア3と、音叉型水晶振動子4と、発振器5と、検出器6と、電圧変調回路7と、容量センサ8と、ホルダー9と、制御装置10と、XY走査回路11と、表面形状表示部としてのトポ像表示装置12と、ロックインアンプ13と、ロックインアンプ14と、第2ドーパント密度表示部としてのdC/dV表示装置15と、ロックインアンプ16と、容量変化表示部としてのdC/dZ表示装置17と、p−n接合位置表示部としての2f表示装置18とを含む。
発振器5は、オートマチックゲインコントローラ5aと、フェイズシフター5bとを含む。また、検出器6は、プリアンプ6aと、FM(周波数変調)復調器6bとを含む。また、制御装置10は、コンピューター10aと、差動アンプ10bとを含む。
図2において、プリアンプ6aは、音叉型水晶振動子4の変形の圧電効果によって発生する電流信号を増幅し、増幅した電流信号を電圧信号に変更して出力する。よって、プリアンプ6aの出力の周波数は、金属ワイア3と音叉型水晶振動子4との共振器の共振周波数を示す。
プリアンプ6aによって増幅された振動信号は、フェイズシフター5bを介してオートマチックゲインコントロール5aへとフィードバックされる。
オートマチックゲインコントロール5aは、フェイズシフター5bからの入力に基づいて、入力される音叉型水晶振動子4を常に一定の振幅値をもって共振するように、音叉型水晶振動子4を自励発振させるための周波数f0の駆動信号を出力する。
FM復調器6bは、金属ワイア3と音叉型水晶振動子4との共振器の共振周波数の変移を示す出力をプリアンプ6aの出力に基づいて生成する。
ここで、共振周波数の変移は、金属ワイア3と音叉型水晶振動子4との共振器の共振周波数が、発振器5(具体的には、オートマチックゲインコントローラ5a)の周波数からどれほど離れているかを示す情報であり、この情報は金属ワイア先端3aと試料1の相互作用により変化する。
差動アンプ10bは、FM復調器6bの出力を基準値SPと比較し、その比較結果を出力する。
走査用圧電素子2は、音叉型水晶振動子4が出力する電流信号の周波数があらかじめ定めたある一定値となるように、差動アンプ10bの出力に基づいて試料1をZ方向に上下させる。本実施例では、音叉型水晶振動子4が出力する電流信号は、試料1と金属ワイア先端3aとの相対的な距離を制御するために、走査用圧電素子2に負帰還される。
本実施例の走査型プローブ顕微鏡では、試料1と金属ワイア先端3aとの相対的な距離に応じて変化する水晶振動子4の振動の変化が、水晶振動子4自身によって電気的に検出されるため、図6に示した従来例のように、金属ワイア3と試料1との距離を制御するための光学系を必要としない。それゆえ、試料1および金属ワイア3および水晶振動子4を真空チャンバー中やクライオスタット中などの小空間中に導入することが容易になるという利点もある。
コンピューター10aは、試料1のあらかじめ定めた領域を金属ワイア先端3aが走査するように、XY走査回路11に対して、XY走査回路11が走査用圧電素子2に供給する電圧を指示する。
本実施例では、走査用圧電素子2が試料1のZ方向およびXY方向を制御するので、金属ワイア先端3aは、試料1の表面の凹凸に沿って、試料1との間の相互作用を一定に保ちながら、試料1の表面を走査する。
コンピューター10aは、内蔵する記憶手段(不図示)に、走査用圧電素子2のZ方向の移動量に相当する差動アンプ10bからの出力を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて格納する。
トポ像表示装置12は、コンピューター10aに対応されて格納された、走査用圧電素子2のZ方向の移動量に相当する差動アンプ10bからの出力と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて試料1のトポ像(表面形状像)を表示する。
図3(a)は、トポ像表示装置12の表示の一例を示した説明図である。なお、図3(a)は2.5μm×2.5μmの範囲で試料1を走査した結果である。
図2に戻って、容量センサ8は、金属ワイアの先端3aと試料1との間の静電容量を示す信号Cを出力する。
試料1が半導体試料の場合、金属ワイア先端3aと試料1との間の容量には電圧によって変調される成分が存在する。
ロックインアンプ14は、電圧変調回路7が試料1に印加した交流電圧の周波数f1を用いて容量センサ8の出力信号Cを検波し、金属ワイア先端3aと試料1との間の静電容量の電圧微分に相当するdC/dV信号を検出する。
試料1が半導体試料であれば、dC/dV信号の符号から金属ワイア先端3a直下のドーパントの極性が決まり、また、dC/dV信号の大きさはドーパントの密度に関する情報を与える。
コンピューター10aは、dC/dV信号を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段(不図示)に格納する。
dC/dV表示装置15は、試料1のdC/dV信号の走査面内の分布画像を、コンピューター10aに対応されて格納されたdC/dV信号と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて表示する。
図3(b)は、dC/dV像の一例を示した説明図である。なお、図3(b)は、図3(a)と同じく2.5μm×2.5μmの範囲で試料1を走査して得られたものである。
容量センサ8からの出力信号は、水晶振動子4の振動周波数によって変調されている。
ロックインアンプ13は、オートマチックゲインコントローラ5aから供給される周波数f0を用いて容量センサ8の出力信号Cを検波し、金属ワイア先端3aと試料1との間の容量の高さ方向微分に相当するdC/dZ信号を検出する。ここで、Zは金属ワイア3の振動する方向である。
コンピューター10aは、dC/dZ信号を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段(不図示)に格納する。
dC/dZ表示装置17は、試料1のdC/dZ信号の走査面内の分布画像を、コンピューター10aに対応されて格納されたdC/dZ信号と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて表示する。
図3(c)は、dC/dZ像の一例を示した説明図である。なお、図3(c)は、図3(a)、(b)と同じく2.5μm×2.5μmの範囲で試料1を走査した結果である。
dC/dZ信号を測定することにより、試料表面の局所的な容量の分布がわかる。プローブ−試料間ギャップの容量をCg、試料の容量をCs、測定される容量をCとすると、次式となり、次式よりdC/dZ信号はおおよそ試料の容量の2乗に比例することが示される。
(ε0:プローブ−試料間ギャップの誘電率、S:プローブ先端の面積)
ゆえにdC/dZ像は、試料表面の局所的な容量の変化を強調するような画像情報を与える。
従来の走査型静電容量顕微鏡(SCM)では、dC/dV信号のように外部から印加した変調交流電圧に応答する容量情報を主に検出しているが、本実施例では、dC/dZ信号を用いることにより、試料1における電圧に応答しない容量情報、例えば高誘電率膜の局所的な誘電率の変化であっても高感度に測定できる。
本実施例では、dC/dZ信号を検出するために、容量センサ8からの出力信号を、まずオートマチックゲインコントローラ5の出力の周波数f0を用いてロックインアンプ13で検波するという構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、容量センサ8の出力信号を、まず電圧変調回路7が試料1に印加する交流電圧の周波数f1を用いて復調し、その後、復調した信号をオートマチックゲインコントローラ5aの出力の周波数f0を参照して検波することによりd2C/dVdZ信号を得るという手段を有する構成にしてもよい。いずれかの表示装置にてd2C/dVdZ信号に基づく表示を行えば、dC/dZ画像の中で電圧によって変調される成分を選択的に画像化することが可能となる。
ロックインアンプ16は、電圧変調回路7が試料1に供給する交流電圧の周波数f1の第二高調波、すなわち2f1を用いて容量センサ8の出力信号を検波し、2f信号を検出する。
コンピューター10aは、2f信号を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段(不図示)に格納する。
2f表示装置18は、試料1の2f信号の走査面内の分布画像を、コンピューター10aに対応づけて格納された2f信号と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて表示する。
図3(d)は、2f像の一例を示した説明図である。なお、図3(d)は、図3(a)、(b)、(c)に同じく2.5μm×2.5μmの範囲で試料1を走査した結果である。
なお、図3(a)、(b)、(c)、(d)の画像は、図2に示す本発明による第一の実施の形態により試料1の一度の走査によって同時に取得されたものである。
2f像は、先に出願した特願2001−247863号にも述べたように、半導体のp−n接合位置に関する情報が得られる。
本実施例では、金属ワイアと水晶振動子とを組み合わせたものを走査型プローブ顕微鏡用のプローブとする構成を取っている。
金属ワイアは低インピーダンスであり、この結果、容量センサの感度が向上する。また、金属ワイアの試料に対する投影面積は僅少であり、金属ワイアと試料との間の浮遊容量を低減し、この結果、容量センサからの信号感度を向上できる。また、従来のSi製感知レバーに金属コートするなどの手法にくらべて金属ワイアでは先端の曲率半径を小さくできるので空間分解能を向上できる。また、金属ワイアはその先端と一体で単一の材料よりなるので、先端と試料との摩擦によって導電性の先端が剥がれ、導電性が失われるという恐れは無い。また、先端と試料との間に直流電流が流れるとジュール熱が発生するが、ジュール熱の発生により先端が溶融しても、金属ワイアはその先端と一体で単一の材料よりなるので金属ワイアの導電性が失われることは無い。
また、本実施例の走査型プローブ顕微鏡用のプローブ装置は、金属ワイアが水晶振動子によって励振する構成としており、さらに金属ワイアはホルダー上と水晶振動子上の2箇所で固定されている。この効果により、水晶振動子にかかる金属ワイアの質量および金属ワイアのバネ定数により、水晶振動子の共振特性が悪化してしまう恐れを小さくすることが可能となり、高い精度で金属ワイアの先端と試料との間の距離を制御することが可能となる。
また、本実施例の走査型プローブ顕微鏡用のプローブ装置は、金属製ワイアを励振する水晶振動子によって振動の検出を電気的に行うので、従来用いられるような光学系を必要とはせず、走査型プローブ顕微鏡装置の簡略化を図ることが可能となる。ゆえに、走査型プローブ顕微鏡装置を真空チャンバーやクライオスタットなどの小空間内に導入することが容易となる。
また、本発明における走査型プローブ顕微鏡では、金属製ワイア先端を試料面に対して垂直方向に周波数f0で振動させ、金属ワイアには容量センサを接続し、それらの検出系からの出力信号を周波数f0で検波することによりdC/dZ信号を得ることができる。dC/dZ像は試料表面の局所的な容量の変化を強調するような画像情報を与える。
従来のSCMにおいてはdC/dV信号のように外部から印加した変調交流電圧に応答する容量情報を主に検出しているが、本実施例では、dC/dZ信号を用いることにより、電圧に応答しない容量情報、例えば高誘電率膜の局所的な誘電率の変化などでも高感度に測定することが可能となる。
次に、本発明の第二の実施の形態の走査型プローブ顕微鏡を説明する。
図4は、本発明の第二の実施の形態の走査型プローブ顕微鏡を示したブロック図である。なお、図4において、図1または図2に示したものと同一構成のものには同一符号を附してある。
図4に示した走査型プローブ顕微鏡は、図2に示した走査型プローブ顕微鏡に、離散像表示装置19を加えたものである。
図4において、コンピューター10aは、オートゲインコントローラ5aが音叉型水晶振動子4に供給する励振電圧(駆動電圧)の振幅を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段(不図示)に格納する。
なお、オートゲインコントローラ5aの出力の振幅は、音叉型水晶振動子4の出力の振幅に応じて変化するので、コンピューター10aは、音叉型水晶振動子4の出力の振幅を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて記憶したことにもなる。
オートマチックゲインコントロール5aが供給する励振電圧の振幅の変化により、水晶振動子4と金属ワイア3からなる複合振動子(共振器)のQ値の変化が判る。
振動するプローブのQ値の変化を測定することによって、半導体中のドーパントの密度に関する情報が得られることが、T. D. Stowe, T. W. Kenny, D. J. Thomson and D. Rugar: Appl. Phys. Lett. 75 (1999) 2785. に記載されている。
この文献では、プローブ−半導体試料間に流れる電流のジュール散逸を補償する結果、半導体試料表面に対して平行面内で横振動するプローブの共振エネルギーの散逸は、半導体試料中のドーパント濃度が低いほど増大することが記載されている。このようにして試料中の電気的な構造を、振動するプローブのQ値の変化によって観察することが可能である。
離散像表示置19は、試料1における励振電圧の振幅の走査面内の分布画像を、コンピューター10aに対応づけて格納された励振電圧の振幅と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて表示する。
図5(a)は、散逸像の一例を示した説明図である。なお、図5(a)は、dC/dV像である図5(b)と同時走査によって、試料1の1.8μm×1.8μmの範囲で得られたものである。
図5(a)に示す散逸像の一例では、dC/dV像である図5(b)と同様に、FETのソース/ドレイン構造が観察されている。
次に、図4に示した本発明に関わる第二の実施の形態の動作を説明する。なお、以下では、図4に示した第二の実施の形態の動作の中で、図2に示した第一の実施の形態の動作と異なる点を中心に説明する。
コンピューター10aは、オートオートゲインコントローラ5aが音叉型水晶振動子4に供給する励振電圧(駆動電圧)の振幅を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段に格納する。離散像表示置19は、試料1における励振電圧の振幅の走査面内の分布画像を、コンピューター10aに対応づけて格納された励振電圧の振幅と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて表示する。
また、コンピューター10aは、内蔵する記憶手段(不図示)に、走査用圧電素子2のZ方向の移動量に相当する差動アンプ10bからの出力を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて格納する。トポ像表示装置12は、コンピューター10aに対応されて格納された、走査用圧電素子2のZ方向の移動量に相当する差動アンプ10bからの出力と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて試料1のトポ像(表面形状像)を表示する。
また、ロックインアンプ14は、電圧変調回路7が試料1に印加した交流電圧の周波数f1を用いて容量センサ8の出力信号Cを検波し、金属ワイア先端3aと試料1との間の静電容量の電圧微分に相当するdC/dV信号を検出する。
コンピューター10aは、ロックインアンプ14が出力したdC/dV信号を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段(不図示)に格納する。
dC/dV表示装置15は、試料1のdC/dV信号の走査面内の分布画像を、コンピューター10aに対応されて格納されたdC/dV信号と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて表示する。
また、ロックインアンプ13は、オートマチックゲインコントローラ5aから供給される周波数f0を用いて容量センサ8の出力信号Cを検波し、金属ワイア先端3aと試料1との間の容量の高さ方向微分に相当するdC/dZ信号を検出する。
コンピューター10aは、dC/dZ信号を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段(不図示)に格納する。
dC/dZ表示装置17は、試料1のdC/dZ信号の走査面内の分布画像を、コンピューター10aに対応されて格納されたdC/dZ信号と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて表示する。
また、ロックインアンプ16は、電圧変調回路7が試料1に供給する交流電圧の周波数f1の第二高調波、すなわち2f1を用いて容量センサ8の出力信号を検波し、2f信号を検出する。
コンピューター10aは、2f信号を金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段(不図示)に格納する。
2f表示装置18は、試料1の2f信号の走査面内の分布画像を、コンピューター10aに対応づけて格納された2f信号と金属ワイア先端3aのXY方向の位置とに基づいて表示する。
図4に示した本発明に関わる第二の実施の形態では、試料1の1回の走査によって、水晶振動子4と金属ワイア3からなる複合振動子のQ値の変化である散逸像を、dC/dV像、dC/dZ像、2f像などと同時に取得することで、それらが各々単独で画像化された場合よりも詳細に、試料における電気的構造に関する情報を得ることが可能となる。
例えば、図5に示すような研磨処理を施されたFETの断面を観察した場合、dC/dV像においては、シリコン基板あるいはポリシリコン電極と酸化シリコンで形成された表面保護膜との界面は不鮮明である。なぜならば、ドーパント濃度が高いシリコン基板表面近傍やポリシリコン電極ではdC/dV信号の感度は低いからである。一方で、ソース/ドレインの接合近傍では大きなdC/dV信号が得られる。これはドーパント濃度が低いほうがdC/dV信号の感度は高くなるからである。
それに対して散逸像では、シリコン基板と酸化シリコンで形成された表面保護膜との界面に存在する研磨処理によって生じた微小な段差により、水晶振動子4と金属ワイア3からなる複合振動子のQ値は大きく変化する。ゆえに、図5(a)に示すように、散逸像ではシリコン基板表面がdC/dV像に比べてより強調されて画像化される。また同様の理由で、ポリシリコン電極とシリコン基板との境界も強調されて画像化される。
逆に、散逸像では、ソース/ドレインの接合近傍などのような電気的な構造によるQ値の変化は、段差などによるQ値の変化に比べてはるかに小さい。このため、散逸像のみで試料の電気的な構造を観察しようとすれば、試料表面の凹凸などによる影響を受けてしまい正確な電気的構造を読み取ることができない。
したがって、散逸像とdC/dV像とを同時走査により取得し、それらの画像を重ね合わせて比較することによりシリコン基板表面からの深さ方向にわたるドーパントの分布に関わる情報をより詳細に得ることが可能となる。例えば、コンピューター10aが、散逸像とdC/dV像の重ね合わせ画像を形成し、この重ね合わせ画像を散逸像表示装置19に表示させる。
なお、コンピューター10aは、散逸像とdC/dV像とを重ね合わせる際、散逸像のXY座標とdC/dV像のXY座標とが重なるようにすることが望ましい。走査型プローブ顕微鏡のユーザは、この重ね合わせ画像に基づいて、ポリシリコン電極端からソース/ドレインの接合位置までの距離のようにデバイス特性に重大な影響を与えるパラメーターを得ることができる。
なお、第二の実施の形態では、オートマチックゲインコントロール5aは、水晶振動子4を常に一定の振幅値をもって共振するよう自励発振させていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、オートマチックゲインコントロール5aから水晶振動子4へと供給される励振電圧の振幅は一定であっても良い。この場合、水晶振動子4の振動振幅の変化によって水晶振動子4と金属ワイア3からなる複合振動子のQ値の変化が判る。ゆえに、コンピューター10aが、水晶振動子4の振動振幅と金属ワイア先端3aのXY方向の位置と対応させて、内蔵する記憶手段に格納し、試料1における水晶振動子4の振動振幅の分布画像を散逸像表示装置19上に表示される。
なお、コンピューター10aは、ドーパント密度表示、表面形状表示、第2ドーパント密度表示、容量変化表示およびp−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を同時に表示させるようにしてもよい。この場合、走査型プローブ顕微鏡のユーザは、複数種類の表示を同時に観察することが可能となり、試料の観察が容易になる。
また、コンピューター10aは、ドーパント密度表示、表面形状表示、第2ドーパント密度表示、容量変化表示およびp−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を重ね合わせて表示部に表示させるようにしてもよい。この場合、コンピューター10aは、表示を重ね合わせる際、重ね合わせる像同士のXY座標が重なるようにすることが望ましい。なお、コンピューター10aは、表示を重ね合わせる際、重ね合わせる表示の透過度を変化させた表示を重ね合わせることが望ましい。この場合、走査型プローブ顕微鏡のユーザは、試料に関する情報を詳細に得ることが可能となる。
本実施例では、水晶振動子4と金属ワイア3からなる複合振動子のQ値の変化を、dC/dV像、dC/dZ像、2f像などと同時に画像化することにより、シリコン基板中におけるドーパントの分布に関わる情報をより詳細に得ることが可能となる。
以上説明した各実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
本発明の一実施例の走査型プローブ顕微鏡を示したブロック図である。 本発明の第一の実施の形態の走査型プローブ顕微鏡を示したブロック図である。 図2に示した走査型プローブ顕微鏡によって取得された画像の一例を示した説明図である。 本発明の第二の実施の形態の走査型プローブ顕微鏡を示したブロック図である。 図4に示した走査型プローブ顕微鏡によって取得された画像の一例を示した説明図である。 従来の走査型プローブ顕微鏡を示したブロック図である。 従来の走査型容量顕微鏡に用いられる金属コートされたSi製カンチレバーの構造を示した説明図である。
符号の説明
1 試料
2 走査用圧電素子
3 金属ワイア
3a 金属ワイアの先端
3b 基部
3c 曲げ部
4 水晶振動子
4a1、4a2 プロンジ
4b 固定部
5 発振器
5a オートマチックゲインコントローラー
5b フェイズシフター
6 検出器
6a プリアンプ
6b FM復調器
7 電圧変調回路
8 容量センサ
9 金属ワイア用ホルダー
9b 固定部
10 制御装置
10a コンピューター
10b 差動アンプ
11 XY走査回路
12 トポ層表示装置
13 ロックインアンプ3
14 ロックインアンプ1
15 dC/dV表示装置
16 ロックインアンプ2
17 dC/dZ表示装置
18 2f表示装置
19 散逸像表示装置

Claims (10)

  1. 試料とプローブ先端との距離を示す距離情報を出力するプローブ装置であって、
    前記プローブ先端としての先鋭化された一端が前記試料と対向するように設けられ、かつ、該一端と該試料との間の距離に応じた力を受ける検出部と、
    前記検出部の第1箇所を保持する保持部と、
    前記検出部の第1箇所と異なる第2箇所を保持し、かつ、入力される駆動信号に基づいて共振するとともに該共振に基づいた振動を示す振動情報を前記距離情報として出力する圧電素子とを含み、
    前記検出部のバネ定数が、前記圧電素子のバネ定数の10%以下であることを特徴とするプローブ装置。
  2. 試料とプローブ先端との距離を示す距離情報を出力するプローブ装置であって、
    前記プローブ先端としての先鋭化された一端が前記試料と対向するように設けられ、かつ、該一端と該試料との間の距離に応じた力を受ける検出部と、
    前記検出部の第1箇所を保持する保持部と、
    入力される駆動信号に基づいて共振するとともに該共振に基づいた振動を示す振動情報を前記距離情報として出力する圧電素子と、
    前記圧電素子の質量の10%以下の質量を有し、前記検出部の第1箇所と異なる第2箇所を前記圧電素子に固着する固着部材とを含むことを特徴とするプローブ装置。
  3. 請求項1または2に記載のプローブ装置を用いる走査型プローブ顕微鏡であって、
    前記試料は、半導体試料であり、
    前記圧電素子が出力する振動情報は、該圧電素子と前記検出部とを含む共振器の振動の振幅を示し、
    前記検出部の一端と前記試料との間の距離に応じた力に応じて変化する前記共振器のQ値を前記振動情報が示す共振器の振動の振幅に基づいて検出するQ値検出部と、
    前記試料内のドーパント密度を示すドーパント密度表示を前記Q値検出部によって検出されたQ値に基づいて行うドーパント密度表示部とを含むことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  4. 請求項3に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記圧電素子が出力する振動情報は、さらに、前記共振器の振動の周波数を示し、
    前記検出部は、導電性であり、
    前記試料の表面形状を示す表面形状表示を前記振動情報によって示される共振器の振動の周波数に基づいて行う表面形状表示部と、
    前記試料に所定の周波数の交流電圧を印加する交流電圧印加部と、
    前記検出部の一端と前記試料との間の静電容量を検出する静電容量検出部と、
    前記試料内のドーパント密度を示す第2ドーパント密度表示を、前記静電容量検出部によって検出される静電容量および前記所定の周波数とに基づいて行う第2ドーパント密度表示部と、
    前記試料内の容量の変化を示す容量変化表示を、前記静電容量検出部によって検出される静電容量および前記振動情報によって示される共振器の振動の周波数とに基づいて行う容量変化表示部と、
    前記試料のp−n接合位置を示すp−n接合位置表示を、前記静電容量検出部によって検出される静電容量および前記所定の周波数の2倍の周波数とに基づいて行うp−n接合位置表示部とを含むことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  5. 請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記ドーパント密度表示、前記表面形状表示、前記第2ドーパント密度表示、前記容量変化表示および前記p−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を同時に表示させる表示制御部をさらに含むことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  6. 請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記表示制御部は、前記ドーパント密度表示、前記表面形状表示、前記第2ドーパント密度表示、前記容量変化表示および前記p−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を重ね合わせて表示部に表示させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  7. 請求項1または2に記載のプローブ装置を用いる走査型プローブ顕微鏡が行う試料表示方法であって、
    前記試料は、半導体試料であり、
    前記圧電素子が出力する振動情報は、該圧電素子と前記検出部とを含む共振器の振動の振幅を示し、
    前記検出部の一端と前記試料との間の距離に応じた力に応じて変化する前記共振器のQ値を前記振動情報が示す共振器の振動の振幅に基づいて検出するQ値検出ステップと、
    前記試料内のドーパント密度を示すドーパント密度表示を前記Q値検出ステップで検出したQ値に基づいて行うドーパント密度表示ステップとを含むことを特徴とする試料表示方法。
  8. 請求項7に記載の試料表示方法において、
    前記圧電素子が出力する振動情報は、さらに、前記共振器の振動の周波数を示し、
    前記検出部は、導電性であり、
    前記試料の表面形状を示す表面形状表示を前記振動情報によって示される共振器の振動の周波数に基づいて行う表面形状表示ステップと、
    前記試料に所定の周波数の交流電圧が印加する交流電圧印加ステップと、
    前記検出部の一端と前記試料との間の静電容量を検出する静電容量検出ステップと、
    前記試料内のドーパント密度を示す第2ドーパント密度表示を、前記静電容量検出ステップで検出した静電容量および前記所定の周波数とに基づいて行う第2ドーパント密度表示ステップと、
    前記試料内の容量の変化を示す容量変化表示を、前記静電容量検出ステップで検出した静電容量および前記振動情報によって示される共振器の振動の周波数とに基づいて行う容量変化表示ステップと、
    前記試料のp−n接合位置を示すp−n接合位置表示を、前記静電容量検出ステップで検出した静電容量および前記所定の周波数の2倍の周波数とに基づいて行う容量変化度表示ステップとを含むことを特徴とする試料表示方法。
  9. 請求項8に記載の試料表示方法において、
    前記ドーパント密度表示、前記表面形状表示、前記第2ドーパント密度表示、前記容量変化表示および前記p−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を同時に表示する表示制御ステップをさらに含むことを特徴とする試料表示方法。
  10. 請求項9に記載の試料表示方法において、
    前記表示制御ステップは、前記ドーパント密度表示、前記表面形状表示、前記第2ドーパント密度表示、前記容量変化表示および前記p−n接合位置表示の中の少なくとも2つの表示を重ね合わせて表示することを特徴とする試料表示方法。
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