JP5417072B2 - メタルボンド砥石 - Google Patents
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Description
図6はプラトーホーニング加工が施されたシリンダの断面を拡大した模式図であり、プラトーホーニング加工が施されたシリンダ100の表面には、無数のプラトー(丘)101と、隣り合うプラトー101、101の間に形成される谷102とが形成される。プラトー101の頂面103は面粗さを小さくして摩耗を低減させ、谷102に溜めたオイルで頂面103とピストンとの間の潤滑を維持する。この結果、摺動性と潤滑性を両立させることができる。
また、同文献段落番号[0034]第6行に、硫酸バリウムのより好ましい粒径は5〜10μmであることが示されている。
また、同文献段落番号[0037]の末尾に、ガラス質粒子の平均粒径は、3〜5μmであることが記載されている。
そして、同文献には、軟質砥粒、金属質粒子、ガラス質粒子の配合目的が記載されている。以上の記載事項を、便利のために、一覧表にまとめた。
鋳鉄のモース硬度は4であり、硫酸バリウムのモース硬度は3〜3.5、銅錫合金のモース硬度は3〜4、ガラスのモース硬度は5〜7であった。
このため、仕上工程での加工代は、数μmと非常に微量になる。仕上工程での加工代が数μmを超えた場合、前工程である粗ホーニング工程で生成された谷部をも除去してしまい、単なる一般のホーニング面となってしまう。
超砥粒は、複合体であるメタルボンドに包まれて保持されている。この状態を考えると、超砥粒の露出(突出量)割合は50%(直径比、50%=半径)が最大となる。言い換えれば、如何に保持力の強固なメタルボンドでも、露出(突出量)割合が50%を超えた時点で脱粒となる。
前記二硫化タングステンの含有率が、全体の0.25〜0.5体積%であり、
気孔率が0.72〜0.74%であることを特徴とする。
二硫化タングステンの含有率を0.25〜0.5体積%に制限することで、良好な研削比及び研削能率が得られる。
また、圧力に関しては次の表記を採用する。減圧状態には、絶対真空をゼロとした絶対圧を使用し、単位の後に(a)を記す。加圧状態には、大気圧をゼロとしたケージ圧を使用し、単位の後に(G)を記す。
図1に示されるように、ホットプレス10は、水冷ジャケット11を備え、内圧が0.98MPa(G)まで耐える炉殻12と、この炉殻12の底から上向きに挿入された下部パンチ13と、この下部パンチ13に載せられる円筒状のダイ14と、炉殻12のトップから下向きに挿入され、ダイ14に挿入される上部パンチ15と、ダイ14の周囲に配置される黒鉛ヒータ16と、この黒鉛ヒータ16を囲う断熱室17とからなる焼結炉である。
水冷ジャケット11へは、水ポンプ22で給水される。この水はチラー23に排出され、温度調節がなされた後、水ポンプ22に戻される。
以上に説明したホットプレス10を用いて次に述べる実験を行った。
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○素材:
砥粒(平均粒径5μm):8.75体積%
コバルト:表1に示す。すなわち、49.3〜70.2体積%
二硫化タングステン:表1に示す。すなわち、0.25〜13.55体積%
結合材(りん青銅):20、30、40体積%
上記素材を、図1のダイ14に充填した。なお、ダイ14の最大径は120mmである。
○排気:
炉内の空気を排除するために、図1の排気手段29により、炉内を20Pa(a)又はそれ以下の圧力に減圧する。これで、酸素は殆ど除去される。
図1の不活性ガス供給源31からアルゴンガスを炉内へ吹き込み、炉圧を所定の圧力に維持する。
○プレス:
図1のパンチ13、15により、素材に30MPaのプレス圧を付与する。
大気温度(25℃)から焼結温度(740℃)まで、12.5℃/分の昇温速度で加熱する。740℃で一定時間保持することにより、焼結処理がなされる。
○加熱停止:
図1の黒鉛ヒータ16を止める。これで、炉内及び素材の温度は下がる。降温の際には、炉内の不活性ガスの圧力が維持されるように、炉圧検出手段27で圧力を監視して排気手段29、及び不活性ガス供給源31を制御する。
図2に示すように、炉内圧力が0.01MPa(G)では、降温速度は11.9℃/分、0.10MPa(G)で12.8℃/分、0.49MPa(G)で16.0℃/分、0.69MPa(G)で17.5℃/分、0.80MPa(G)で18.7℃/分、0.92MPa(G)で、19.3℃/分であった。
なお、降温速度は740℃〜600℃までの所要時間を計測し、(740−600)/所要時間=降温速度の計算により求めた。
冷却とは温度が高い炉中心部から低い外周部に熱が伝わる(逃げる)事である。この仲介を果たす伝達物質が雰囲気となる。言い換えれば、熱の伝達は気体分子の衝突で行われる。
炉内圧力が0.92MPa(G)で製作した砥石の断面(模式図)は次図の通りであった。
図3に示すように、砥石40は、砥粒41とコバルト粒子42と二硫化タングステン粒子43と、これらを結合する金属系結合材44とからなると共に、小さな黒点で示すコバルト粒子42に、二硫化タングステン粒子43と砥粒41とが均等に分散されていた。
一方、炉内圧力が0.01MPa(G)で製作した砥石には、脆い凝集塊が見られた。このことから、焼結後に、高降温速度で冷却することで、凝集塊の発生を抑えることができた。
○実験1〜5:
後述の表2に示すように、砥粒を8.75体積%、コバルト粒子を58.50〜61.25体積%、二硫化タングステンを0〜2.75体積%、りん青銅(Cu−Sn−P)を30体積%、として、上記(実験)の項で示した実験条件で、砥石を製作した(ただし、0.92MPa(G)、降温速度は18.2℃/分)。
また、砥石側もある程度の体積が摩耗する。この体積を摩耗体積と呼ぶ。
(研削体積/摩耗体積)=研削比と定義する。研削比は砥石の寿命そのものを表すので、研削比の大きな砥石、すなわち、砥石の摩耗量が少なく、ワークの研削量が大きい砥石が望まれる。
二硫化タングステンの含有率を上げて実施した実験2〜5では表2に示す通りの結果が得られた。
実験1〜5における研削比と研削能率とをグラフ化したものを次に示す。
Claims (1)
- 砥粒とコバルトと二硫化タングステンと金属系結合材とからなるメタルボンド砥石において、
前記二硫化タングステンの含有率が、全体の0.25〜0.5体積%であり、
気孔率が0.72〜0.74%であることを特徴とするメタルボンド砥石。
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