JP5850817B2 - メタルボンド砥石 - Google Patents

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本発明は、砥粒と、コバルトと、フッ素金雲母と、結合材と、を含むメタルボンド砥石に関する。
近年、あらゆる分野において環境に対する取り組みがなされている。車両においても、燃費向上は取り組むべき重大な事項である。燃費向上対策の一つに、シリンダとピストンとの間の摩擦軽減がある。この摩擦軽減は、燃費向上だけでなく、運動性能の向上にも繋がる。
シリンダとピストンとの間の摩擦軽減を実現するには、プラトーホーニング工法が有効であることが分かっている。図10はプラトーホーニング加工が施されたシリンダの断面を拡大した模式図であり、プラトーホーニング加工が施されたシリンダ100の表面には、無数のプラトー(丘)101と、隣り合うプラトー101、101の間に形成される谷102とが形成される。プラトー101の頂面103は面粗さを小さくして摩耗を低減させ、谷102に溜めたオイルで頂面103とピストンとの間の潤滑を維持する。この結果、摺動性と潤滑性を両立させることができる。
このプラトーホーニング加工に適した砥石として、メタルボンド砥石が提案されている。ところで、砥石性能を評価する指標として、研削比と研削能率がある。研削比は、被削材の研削量を砥石の摩耗量で除したもので、寿命と称されることもある。また、研削能率は、被削材の研削量をその加工時間で除したもので、切れ味と称されることもある。一般的に、研削比と研削能率はトレードオフの関係にある。研削比を向上させるには摩耗しにくいボンドを選定しなければならない。一方、研削能率を向上させるには砥粒の突出量を多くし、一粒の研削量を増やさなければならない。研削比と研削能率を両立させるため、ボンドにフッ素金雲母及びコバルトを配合したものが知られている。このフッ素金雲母は研削加工時の切粉により破砕され、砥石近傍に窪み、いわゆるチップポケットを生成する。チップポケットは切粉の排出を促し、チップポケットにより安定した加工が可能になる。コバルトは耐摩耗性を向上させる。
特許文献1に記載のメタルボンド砥石によれば、フッ素金雲母の体積%をコバルトの体積%で除した値を0.14〜0.23とすることで、所定の研削能率及び所定の研削比が得られ、砥石の寿命をのばすことができると共に研削工程の短縮化を図ることができることが開示されている。
特開2012−76167号公報
しかしながら、特許文献1に記載のメタルボンド砥石においても、研削比と研削能率との両立という点で改善の余地があった。特に、砥粒等の粒径については何ら触れられていない。
本発明は、研削比と研削能率との両立が可能なメタルボンド砥石を提供することを課題とする。
本発明者らは、研削比と研削能率とを両立するためには、砥粒の突出量とチップポケットとの関係を明確化する必要があることを見出し、本発明に至った。
砥石で被削材をより多く研削するには、砥粒一粒における突出量が大きいほど有利である。一方で、砥粒は金属ではないためメタルボンドとの結合はなく埋め込まれて保持されている必要がある。
本発明者らは、先ず、これらの関係から砥粒の理想的な突出比率及び露出比率を求めた。
図1は、砥粒一粒における理想的な砥粒断面を示す模式図である。なお、突出比率Pとは、砥石表面からの砥粒50の突出量L1を砥粒50の直径Dで除した値、即ち、突出量L1/砥粒直径Dである。露出比率Qとは、砥粒50の突出量L1とチップポケット51分に対応する砥粒長さL2の和を砥粒直径Dで除した値、即ち、(突出量L1+チップポケット分長さL2)/砥粒直径Dである。
先ず、砥粒50がボンド内で保持されるためには、露出比率Qは50%未満である必要と考えた。また、被削材に食い込む量が切粉となるが、その切粉をチップポケットにより効果的に排出するためには、食い込み量と同等以上のチップポケット51が必要と考えた。食い込み量と突出量がほぼ同程度とした場合、計算上、突出比率Pは22%程度となる。
そこで、砥粒50とフッ素金雲母52の粒径について検討した。検討に当たって、ボンド摩耗量L3はフッ素金雲母52の直径の1/2とした。
砥粒50とフッ素金雲母52の直径を同程度とした場合(粒径比100%)、図2(a)に示すように、研削加工に伴うボンド摩耗で最表面近傍のフッ素金雲母52が切粉により破砕、脱落すると砥粒50も脱落してしまい、50%の露出比率Qを達成することはできない。
フッ素金雲母52の直径を砥粒50の直径の50%とした場合(粒径比50%)、研削加工に伴うボンド摩耗により最表面近傍のフッ素金雲母52が破砕、脱落すると、理想状態が得られ、さらに研削加工に伴うボンド摩耗が進むと、フッ素金雲母52の破砕、脱落と共に砥粒50も脱落する。
フッ素金雲母52の直径を砥粒50の直径の25%とした場合(粒径比25%)、研削加工に伴うボンド摩耗により最表面近傍のフッ素金雲母52が破砕、脱落し、さらに研削加工に伴うボンド摩耗が進み次の最表面近傍のフッ素金雲母52の破砕、脱落と共に理想状態が得られる。これらの関係から、フッ素金雲母52の適切な粒径は、砥粒50の直径に対し25%程度が好ましいと想定した。
この想定について検証するため、4種類の砥石(サンプル1〜4)を製作し、研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値を求めた。砥石の組成は、表1に示すように、砥粒、コバルト、フッ素金雲母、ボンド(青銅系金属)である。砥粒は、平均粒径、集中度(配合量)共に同一とした。フッ素金雲母は、粒径の異なる4種類を用意し砥粒粒径比97%、42%、17%、4%とし、コバルトに対する体積比(以下、フィラー率とも呼ぶ。)を80%で同一とした。配合量は二次元モデルを想定し、砥粒周長に対し各々の個数を算出し体積換算したものである。コバルトも、粒径を同一とした。配合量は二次元モデルを想定し、砥粒とフッ素金雲母を差し引いた個数を算出し体積換算したものである。ボンドも、粒径を同一とした。配合量は、全体の体積に対し、砥粒、フッ素金雲母、コバルトの充填率を計算し残量を充てた。
サンプル1〜4の研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値について表2に示すとともに図3にグラフで示す。研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値は、市販品の砥石(以下、従来砥石とも呼ぶ。)の研削比及び研削能率を100%として示した(以降についても同様。)。この従来砥石を成分分析したところダイヤモンド砥粒:4.8体積%、コバルト:45.2体積%、ボンド(Cu−Sn−Ag):46.0体積%、その他:4.0%であった。また、この従来の砥石の研削比は3064、研削能率は83mm/secであった。
図3から、研削比と研削能率を掛け合わせた相対値は、粒径比が10%〜80%であれば、従来の砥石に対し改善したことがわかる。さらに粒径比が22〜32%であれば、相対値が飽和して直線状になり、従来砥石の相対値に対し135%以上の値を示した。
以上より、研削比と研削能率との両立には突出量とチップポケットの関係から導かれる砥粒とフッ素金雲母の粒径比が重要であり、フッ素金雲母の砥粒に対する粒径比が22〜32%、即ち0.22〜0.32とすることで、従来の砥石に対し顕著に改善効果が得られることが分かった。なお、粒径比の22〜32%は、砥粒の脱落をモデル化した図2から得られた想定値、25%に近い値となった。
本発明は、これらの知見から以下の発明を提供するものである。
請求項1に係る発明は、砥粒と、コバルトと、フッ素金雲母と、結合材と、を含むメタルボンド砥石であって、
前記フッ素金雲母の平均粒径を前記砥粒の平均粒径で除した値が、0.22〜0.32であり、
前記砥粒の平均粒径が69μm以上92μm以下であって、前記砥粒の体積%と前記フッ素金雲母の体積%の和が20%以下であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項に記載の構成に加えて、
前記砥粒の集中度が20以上30以下であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項に記載の構成に加えて、
前記フッ素金雲母の体積%を前記コバルトの体積%で除した値が、0.14〜0.23であることを特徴とする。
請求項に係る発明は、砥粒と、コバルト、フッ素金雲母、及び結合材と、を含むメタルボンド砥石であって、
前記砥粒の平均粒径が略92μm、
前記フッ素金雲母の平均粒径が略29μm、
前記砥粒の体積%と前記フッ素金雲母の体積%の和が20%以下、且つ、
前記フッ素金雲母の体積%を前記コバルトの体積%で除した値が、0.14〜0.23であることを特徴とする。
本発明のメタルボンド砥石では、従来砥石に対し研削比と研削能率を掛け合わせた相対値を向上させることができ、研削比と研削能率との両立を実現することができる。
砥粒一粒における理想的な砥粒断面を示す模式図である。 砥粒のフッ素金雲母の粒径比の違いによる研削時の脱粒をモデル化したものであり、(a)は粒径比100%、(b)は粒径比50%、(c)は粒径比25%の模式図である。 砥粒のフッ素金雲母の粒径比と相対値との関係を示すグラフである。 砥粒の食い込み面積を説明する図である。 砥粒とフッ素金雲母の量(非金属率)と気孔率の関係を示すグラフである。 砥粒の集中度と相対値との関係を示すグラフである。 コバルトに対するフッ素金雲母の量(フィラー率)と相対値との関係を示すグラフである。 本発明の砥石表面をレーザー顕微鏡で観察した写真を示す図である。 ホットプレスの断面図である。 プラトーホーニング加工が施されたシリンダの断面を拡大した模式図である。
以下、本発明の一実施形態のメタルボンド砥石について説明する。
本発明のメタルボンド砥石は、砥粒と、耐摩耗性を向上させる強度フィラーと、チップポケットを生成する機能性フィラーと、結合材と、を含み、機能性フィラーの平均粒径を砥粒の平均粒径で除した値が、0.22〜0.32を満たすメタルボンド砥石である。機能性フィラーの砥粒に対する粒径比を0.22〜0.32に設定することで、上記したように砥粒を理想的な露出比率及び突出比率で存在させる確立を上げることができ、これにより研削比と研削能率との両立を実現することができる。機能性フィラーとしてはフッ素金雲母が好ましく、強度フィラーとしてはコバルトが好ましい。
本発明者らは、更なる研削比と研削能率との両立を実現するため、以下に示す<1.砥粒の大径化>、<2.気孔率の抑制>、<3.砥粒量の適正化>、<4.フッ素金雲母配合量の適正化>を試みた。
<1.砥粒の大径化>
被削材をより多く研削するには、上記したように、砥粒一粒における突出量が大きいほど有利である。突出比率を上げる以外に砥粒を大径化することが考えられる。したがって、平均粒径69μm(粒度♯230)、92μm(粒度♯170)、及び117μm(粒度♯120)の3種類の砥粒について検討した。
図4に示すように砥粒50を球(図1と同様)とみなし、表面積を投影面積Sに近似した。
投影面積Sは、弓形形状の面積S1から三角形状の面積S2を差し引いた値であり、以下の式で求められる。
S=πr・2θ/2π−1/2・(rsinθ)・(2rcosθ)
=r(θ−sinθ・cosθ)
投影面積Sが被削材に食い込む食い込み面積と考え、平均粒径69μm(粒度♯230)に対する食い込み面積比(%)を算出した。結果を表3に示す。表3から明らかなように、平均粒径の大きな砥粒を使用することで、被削材に対する食い込み面積を大きくすることができる。
<2.気孔率の抑制>
気孔率が大きければ、その分、研削に伴う摩耗により研削比は小さくなる。また、フッ素金雲母がチップポケットを形成するため気孔によるチップポケットの形成は不要である。そのため、気孔は少ない方が好ましく、気孔率は好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは2%以下である。そこで、平均粒径92μm(粒度♯170)の砥粒、及び平均粒径117μm(粒度♯120)の砥粒を用いて、集中度及びフッ素金雲母の量を変えて、表4に示す8種類の砥石(サンプル5〜12)を用意し、気孔率を測定した。
8種類の砥石(サンプル5〜12)を横軸に非金属率(砥粒とフッ素金雲母の含有率の和)(%)を縦軸に気孔率(%)をとったグラフを図5に示す。
図5から明らかなように、平均粒径が小さいほど気孔率が小さくなることが分かる。また、砥粒とフッ素金雲母の含有率の和である非金属率が小さいほど気孔率が小さくなることが分かる。図5から、気孔率を3%以下とするためには平均粒径92μm(粒度♯170)以下の砥粒を用いる必要があり、気孔率を2%以下とするためには平均粒径92μm(粒度♯170)以下の砥粒を用いて、さらに非金属率を20%以下とする必要がある。
<3.砥粒量の適正化>
<2.気孔率の抑制>で気孔率2%以下を達成した、平均粒径92μm(粒度♯170)以下の砥粒、及び、非金属率を20%以下の条件で、集中度を変えて、表5に示す4種類の砥石(サンプル13〜16)を用意し、研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値を測定した。
サンプル13〜16の研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値について図6にグラフで示す。
図6から、研削比と研削能率を掛け合わせた相対値は、集中度が20〜30であれば、従来砥石の相対値に対し300%以上の値を示した。また、相対値は、集中度が25であれば、従来砥石の相対値に対し約350%の値を示した。
<4.フッ素金雲母配合量の適正化>
<3.砥粒量の適正化>で従来砥石の相対値に対し350%以上の相対値を達成した、サンプル15の砥石に基づいて、フッ素金雲母とコバルトの体積比(フィラー率)を変えて、表6に示す5種類の砥石(サンプル17〜21)を用意し、研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値を測定した。
サンプル17〜21の研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値について図7にグラフで示す。
図7から、研削比と研削能率を掛け合わせた相対値は、フッ素金雲母の体積をコバルトの体積で除した体積比(フィラー率)が14〜23%であれば、従来砥石の相対値に対し340%以上の値を示した。また、相対値は、フィラー率が約20%であれば、研削比及び研削能率共に従来砥石の研削比及び研削能率に対し約200%(2倍)となり、相対値は約400%(4倍)となった。
図8はサンプル18の砥石表面をレーザー顕微鏡で観察した写真を示す図である。
図中、黒く見えるところはチップポケットであり、チップポケットの中に見える砥粒についてはハッチングで示した。
図8から、砥粒の存在するチップポケットが多く見られ、脱粒により砥粒が存在しないチップポケット(いわゆる、目こぼれ)はそれほど観察されなかった。図8の写真から突出比率P及び露出比率Qを算出したところ、突出比率Pは20%、露出比率Qは49%であり、想定した理想的な突出比率P及び露出比率Qに極めて近い値となった。
図9は、本発明のメタルボンド砥石を製造可能なホットプレスの断面図である。
ホットプレス10は、水冷ジャケット11を備え、内圧が0.98MPa(G)まで耐える炉殻12と、この炉殻12の底から上向きに挿入された下部パンチ13と、この下部パンチ13に載せられる円筒状のダイ14と、炉殻12のトップから下向きに挿入され、ダイ14に挿入される上部パンチ15と、ダイ14の周囲に配置される黒鉛ヒータ16と、この黒鉛ヒータ16を囲う断熱室17とからなる焼結炉(耐加圧型ホットプレス)である。
下部パンチ13の下部はシリンダ18に挿入され、このシリンダ18へ油圧ポンプ19から圧油が送られると下部パンチ13は上昇する。油圧は圧力検出手段21で検出する。
水冷ジャケット11へは、水ポンプ22で給水される。この水はチラー23に排出され、温度調節がなされた後、水ポンプ22に戻される。
黒鉛ヒータ16は炉温制御部25で制御される。すなわち、炉温検出手段26で検出した温度が設定値より低い場合には、黒鉛ヒータ16への給電量を増加し、温度が設定値より高い場合には、黒鉛ヒータ16への給電量を減少させることにより、昇温速度の制御を含む炉温制御が可能となる。
また、炉殻12には、炉内の圧力を検出する炉圧検出手段27及び排気・加圧兼用の管28が設けられ、この管28に真空ポンプやエジェクターなどの排気手段29及び不活性ガス供給源31が接続されている。不活性ガスは、アルゴンガスや窒素ガスが入手容易である。ただし、排気手段29と不活性ガス供給源31とは同時に使用されることはない。
また、炉圧検出手段27は減圧用と加圧用とは別々に設けることが望ましいが、ここでは便宜的に共用とした。
このようなホットプレス10を用いて、砥粒と、コバルトと、フッ素金雲母と、結合材と、からなる素材に、プレス圧を付与しながら、焼成処理して焼成品を得る。そして、加熱を停止し、該焼成品を急冷することでメタルボンド砥石を製造することができる。上記したサンプル1〜21はホットプレス10を用いて以下の条件で製造した。
○素材充填:サンプル1〜21の素材を、それぞれダイ14に充填した。なお、ダイ14の最大径は200mmである。
○排気:炉内の空気を排除するために、排気手段29により、炉内を20Pa(a)又はそれ以下の圧力に減圧する。これで、酸素は殆ど除去される。
○不活性ガス充填:不活性ガス供給源31からアルゴンガスを炉内へ吹き込み、炉圧を所定の圧力に維持する。
○プレス:パンチ13、15により、素材に15MPaのプレス圧を付与する。
○加熱及び昇温速度:大気温度(25℃)から焼結温度(740℃)まで、12.5℃/分の昇温速度で加熱する。740℃で一定時間保持することにより、焼結処理がなされる。
○加熱停止及び降温速度:黒鉛ヒータ16を止める。これで、炉内及び素材の温度は下がる。降温の際には、炉内のアルゴンガスの圧力が約0.92MPa(G)に維持されるように、炉圧検出手段27で圧力を監視して排気手段29、及び不活性ガス供給源31を制御する。結果、18.0℃/分の降温速度になった。
上記した各サンプルの研削比と研削能率は、下記の条件でホーニング粗加工を施した際の値である。
○ホーニング粗加工条件:
ホーニングヘッドに取付けた砥石の数:3枚
砥石の拡張圧力:1.0MPa
ホーニングヘッドの回転数:毎分700回転
ホーニングヘッドの振動数:3.8Hz
尚、本発明は、前述した各実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では、チップポケットを生成する機能性フィラーとしてフッ素金雲母を例示し、耐摩耗性を向上させる強度フィラーとしてコバルトを例示したが、これに限られるものではなく同様の機能を有するものであれば代替可能である。例えば、機能性フィラーとして、K4ケイ素雲母、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、三酸化モリブデン、グラファイトを使用してもよい。フッ素金雲母は粗砥石として好ましく、二硫化タングステンは仕上砥石として好ましい。
50 砥粒
52 フッ素金雲母

Claims (4)

  1. 砥粒と、コバルトと、フッ素金雲母と、結合材と、を含むメタルボンド砥石であって、
    前記フッ素金雲母の平均粒径を前記砥粒の平均粒径で除した値が、0.22〜0.32であり、
    前記砥粒の平均粒径が69μm以上92μm以下であって、前記砥粒の体積%と前記フッ素金雲母の体積%の和が20%以下であることを特徴とするメタルボンド砥石。
  2. 前記砥粒の集中度が20以上30以下であることを特徴とする請求項に記載のメタルボンド砥石。
  3. 前記フッ素金雲母の体積%を前記コバルトの体積%で除した値が、0.14〜0.23であることを特徴とする請求項に記載のメタルボンド砥石。
  4. 砥粒と、コバルト、フッ素金雲母、及び結合材と、を含むメタルボンド砥石であって、
    前記砥粒の平均粒径が略92μm、
    前記フッ素金雲母の平均粒径が略29μm、
    前記砥粒の体積%と前記フッ素金雲母の体積%の和が20%以下、且つ、
    前記フッ素金雲母の体積%を前記コバルトの体積%で除した値が、0.14〜0.23であることを特徴とするメタルボンド砥石。
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