JP5850817B2 - メタルボンド砥石 - Google Patents
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Description
砥石で被削材をより多く研削するには、砥粒一粒における突出量が大きいほど有利である。一方で、砥粒は金属ではないためメタルボンドとの結合はなく埋め込まれて保持されている必要がある。
図1は、砥粒一粒における理想的な砥粒断面を示す模式図である。なお、突出比率Pとは、砥石表面からの砥粒50の突出量L1を砥粒50の直径Dで除した値、即ち、突出量L1/砥粒直径Dである。露出比率Qとは、砥粒50の突出量L1とチップポケット51分に対応する砥粒長さL2の和を砥粒直径Dで除した値、即ち、(突出量L1+チップポケット分長さL2)/砥粒直径Dである。
砥粒50とフッ素金雲母52の直径を同程度とした場合(粒径比100%)、図2(a)に示すように、研削加工に伴うボンド摩耗で最表面近傍のフッ素金雲母52が切粉により破砕、脱落すると砥粒50も脱落してしまい、50%の露出比率Qを達成することはできない。
請求項1に係る発明は、砥粒と、コバルトと、フッ素金雲母と、結合材と、を含むメタルボンド砥石であって、
前記フッ素金雲母の平均粒径を前記砥粒の平均粒径で除した値が、0.22〜0.32であり、
前記砥粒の平均粒径が69μm以上92μm以下であって、前記砥粒の体積%と前記フッ素金雲母の体積%の和が20%以下であることを特徴とする。
前記砥粒の集中度が20以上30以下であることを特徴とする。
前記フッ素金雲母の体積%を前記コバルトの体積%で除した値が、0.14〜0.23であることを特徴とする。
前記砥粒の平均粒径が略92μm、
前記フッ素金雲母の平均粒径が略29μm、
前記砥粒の体積%と前記フッ素金雲母の体積%の和が20%以下、且つ、
前記フッ素金雲母の体積%を前記コバルトの体積%で除した値が、0.14〜0.23であることを特徴とする。
本発明のメタルボンド砥石は、砥粒と、耐摩耗性を向上させる強度フィラーと、チップポケットを生成する機能性フィラーと、結合材と、を含み、機能性フィラーの平均粒径を砥粒の平均粒径で除した値が、0.22〜0.32を満たすメタルボンド砥石である。機能性フィラーの砥粒に対する粒径比を0.22〜0.32に設定することで、上記したように砥粒を理想的な露出比率及び突出比率で存在させる確立を上げることができ、これにより研削比と研削能率との両立を実現することができる。機能性フィラーとしてはフッ素金雲母が好ましく、強度フィラーとしてはコバルトが好ましい。
被削材をより多く研削するには、上記したように、砥粒一粒における突出量が大きいほど有利である。突出比率を上げる以外に砥粒を大径化することが考えられる。したがって、平均粒径69μm(粒度♯230)、92μm(粒度♯170)、及び117μm(粒度♯120)の3種類の砥粒について検討した。
投影面積Sは、弓形形状の面積S1から三角形状の面積S2を差し引いた値であり、以下の式で求められる。
S=πr2・2θ/2π−1/2・(rsinθ)・(2rcosθ)
=r2(θ−sinθ・cosθ)
気孔率が大きければ、その分、研削に伴う摩耗により研削比は小さくなる。また、フッ素金雲母がチップポケットを形成するため気孔によるチップポケットの形成は不要である。そのため、気孔は少ない方が好ましく、気孔率は好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは2%以下である。そこで、平均粒径92μm(粒度♯170)の砥粒、及び平均粒径117μm(粒度♯120)の砥粒を用いて、集中度及びフッ素金雲母の量を変えて、表4に示す8種類の砥石(サンプル5〜12)を用意し、気孔率を測定した。
図5から明らかなように、平均粒径が小さいほど気孔率が小さくなることが分かる。また、砥粒とフッ素金雲母の含有率の和である非金属率が小さいほど気孔率が小さくなることが分かる。図5から、気孔率を3%以下とするためには平均粒径92μm(粒度♯170)以下の砥粒を用いる必要があり、気孔率を2%以下とするためには平均粒径92μm(粒度♯170)以下の砥粒を用いて、さらに非金属率を20%以下とする必要がある。
<2.気孔率の抑制>で気孔率2%以下を達成した、平均粒径92μm(粒度♯170)以下の砥粒、及び、非金属率を20%以下の条件で、集中度を変えて、表5に示す4種類の砥石(サンプル13〜16)を用意し、研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値を測定した。
図6から、研削比と研削能率を掛け合わせた相対値は、集中度が20〜30であれば、従来砥石の相対値に対し300%以上の値を示した。また、相対値は、集中度が25であれば、従来砥石の相対値に対し約350%の値を示した。
<3.砥粒量の適正化>で従来砥石の相対値に対し350%以上の相対値を達成した、サンプル15の砥石に基づいて、フッ素金雲母とコバルトの体積比(フィラー率)を変えて、表6に示す5種類の砥石(サンプル17〜21)を用意し、研削比、研削能率、及び研削比と研削能率を掛け合わせた相対値を測定した。
図中、黒く見えるところはチップポケットであり、チップポケットの中に見える砥粒についてはハッチングで示した。
図8から、砥粒の存在するチップポケットが多く見られ、脱粒により砥粒が存在しないチップポケット(いわゆる、目こぼれ)はそれほど観察されなかった。図8の写真から突出比率P及び露出比率Qを算出したところ、突出比率Pは20%、露出比率Qは49%であり、想定した理想的な突出比率P及び露出比率Qに極めて近い値となった。
ホットプレス10は、水冷ジャケット11を備え、内圧が0.98MPa(G)まで耐える炉殻12と、この炉殻12の底から上向きに挿入された下部パンチ13と、この下部パンチ13に載せられる円筒状のダイ14と、炉殻12のトップから下向きに挿入され、ダイ14に挿入される上部パンチ15と、ダイ14の周囲に配置される黒鉛ヒータ16と、この黒鉛ヒータ16を囲う断熱室17とからなる焼結炉(耐加圧型ホットプレス)である。
水冷ジャケット11へは、水ポンプ22で給水される。この水はチラー23に排出され、温度調節がなされた後、水ポンプ22に戻される。
○排気:炉内の空気を排除するために、排気手段29により、炉内を20Pa(a)又はそれ以下の圧力に減圧する。これで、酸素は殆ど除去される。
○プレス:パンチ13、15により、素材に15MPaのプレス圧を付与する。
上記した各サンプルの研削比と研削能率は、下記の条件でホーニング粗加工を施した際の値である。
ホーニングヘッドに取付けた砥石の数:3枚
砥石の拡張圧力:1.0MPa
ホーニングヘッドの回転数:毎分700回転
ホーニングヘッドの振動数:3.8Hz
例えば、上記実施形態では、チップポケットを生成する機能性フィラーとしてフッ素金雲母を例示し、耐摩耗性を向上させる強度フィラーとしてコバルトを例示したが、これに限られるものではなく同様の機能を有するものであれば代替可能である。例えば、機能性フィラーとして、K4ケイ素雲母、二硫化タングステン、二硫化モリブデン、三酸化モリブデン、グラファイトを使用してもよい。フッ素金雲母は粗砥石として好ましく、二硫化タングステンは仕上砥石として好ましい。
52 フッ素金雲母
Claims (4)
- 砥粒と、コバルトと、フッ素金雲母と、結合材と、を含むメタルボンド砥石であって、
前記フッ素金雲母の平均粒径を前記砥粒の平均粒径で除した値が、0.22〜0.32であり、
前記砥粒の平均粒径が69μm以上92μm以下であって、前記砥粒の体積%と前記フッ素金雲母の体積%の和が20%以下であることを特徴とするメタルボンド砥石。 - 前記砥粒の集中度が20以上30以下であることを特徴とする請求項1に記載のメタルボンド砥石。
- 前記フッ素金雲母の体積%を前記コバルトの体積%で除した値が、0.14〜0.23であることを特徴とする請求項2に記載のメタルボンド砥石。
- 砥粒と、コバルト、フッ素金雲母、及び結合材と、を含むメタルボンド砥石であって、
前記砥粒の平均粒径が略92μm、
前記フッ素金雲母の平均粒径が略29μm、
前記砥粒の体積%と前記フッ素金雲母の体積%の和が20%以下、且つ、
前記フッ素金雲母の体積%を前記コバルトの体積%で除した値が、0.14〜0.23であることを特徴とするメタルボンド砥石。
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