JP5364485B2 - メタルボンド砥石の製造方法 - Google Patents
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Description
図7はプラトーホーニング加工が施されたシリンダの断面を拡大した模式図であり、プラトーホーニング加工が施されたシリンダ100の表面には、無数のプラトー(丘)101と、隣り合うプラトー101、101の間に形成される谷102とが形成される。プラトー101の頂面103は面粗さを小さくして摩耗を低減させ、谷102に溜めたオイルで頂面103とピストンとの間の潤滑を維持する。この結果、摺動性と潤滑性を両立させることができる。
得られたメタルボンド砥石の断面模式図は次の通りである。
ホットプレスにより前記砥粒、コバルト、二硫化タングステン及び結合材からなる素材にプレス圧を付与しながら、前記素材をゲージ圧で少なくとも0.10MPaを超える加圧不活性ガス雰囲気中で焼成処理することで焼成品を得る加熱処理工程と、
加熱を停止し、前記加圧不活性ガス雰囲気中で前記焼成品を冷却することで砥石を得る冷却処理工程と、からなり、
前記冷却は、焼成温度から600℃まで10℃/分以上の降温速度で実施することを特徴とする。
また、圧力に関しては次の表記を採用する。減圧状態には、絶対真空をゼロとした絶対圧を使用し、単位の後に(a)を記す。加圧状態には、大気圧をゼロとしたケージ圧を使用し、単位の後に(G)を記す。
図1に示されるように、ホットプレス10は、水冷ジャケット11を備え、内圧が0.98MPa(G)まで耐える炉殻12と、この炉殻12の底から上向きに挿入された下部パンチ13と、この下部パンチ13に載せられる円筒状のダイ14と、炉殻12のトップから下向きに挿入され、ダイ14に挿入される上部パンチ15と、ダイ14の周囲に配置される黒鉛ヒータ16と、この黒鉛ヒータ16を囲う断熱室17とからなる焼結炉である。
水冷ジャケット11へは、水ポンプ22で給水される。この水はチラー23に排出され、温度調節がなされた後、水ポンプ22に戻される。
以上に説明したホットプレス10を用いて次に述べる実験を行った。
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○素材:
砥粒(平均粒径5μm):8.75体積%
コバルト:56体積%
二硫化タングステン:5.25体積%
結合材(りん青銅):30体積%
上記素材を、図1のダイ14に充填した。なお、ダイ14の最大径は120mmである。
○排気:
炉内の空気を排除するために、図1の排気手段29により、炉内を20Pa(a)又はそれ以下の圧力に減圧する。これで、酸素は殆ど除去される。
図1の不活性ガス供給源31からアルゴンガスを炉内へ吹き込み、炉圧を所定の圧力に維持する。
○プレス:
図1のパンチ13、15により、素材に30MPaのプレス圧を付与する。
大気温度(25℃)から焼結温度(740℃)まで、12.5℃/分の昇温速度で加熱する。740℃で一定時間保持することにより、焼結処理がなされる。
○加熱停止:
図1の黒鉛ヒータ16を止める。これで、炉内及び素材の温度は下がる。降温の際には、炉内の不活性ガスの圧力が維持されるように、炉圧検出手段27で圧力を監視して排気手段29、及び不活性ガス供給源31を制御する。
図2に示すように、炉内圧力が0.01MPa(G)では、降温速度は11.9℃/分、0.10MPa(G)で12.8℃/分、0.49MPa(G)で16.0℃/分、0.69MPa(G)で17.5℃/分、0.80MPa(G)で18.7℃/分、0.92MPa(G)で、19.3℃/分であった。
なお、降温速度は740℃〜600℃までの所要時間を計測し、(740−600)/所要時間=降温速度の計算により求めた。
冷却とは温度が高い炉中心部から低い外周部に熱が伝わる(逃げる)事である。この仲介を果たす伝達物質が雰囲気となる。言い換えれば、熱の伝達は気体分子の衝突で行われる。
炉内圧力が0.92MPa(G)で製作した砥石の断面(模式図)は次図の通りであった。
図3に示すように、砥石40は、砥粒41とコバルト粒子42と二硫化タングステン粒子43と、これらを結合する金属系結合材44とからなると共に、小さな黒点で示すコバルト粒子42と二硫化タングステン粒子43と砥粒41とが均等に分散されていた。
一方、炉内圧力が0.01MPa(G)で製作した砥石の断面(模式図)は、従来の技術で述べた図8とほぼ同一であり、図9のような問題点を有する。
○実験1〜5:
表1に示すように、降温速度を5.8〜26.4℃/分として、上記(実験)の項で示した実験条件で、砥石を製作した。
ただし、図2では降温速度は、11.9〜19.3℃/分であった。しかし、サイズの大きなダイを使用することで降温速度を下げることができ、サイズの小さなダイを使用することで降温速度を上げることができる。加えて、断熱室17を構成する断熱材の厚さを変え、種類を替えることでも降温速度が調整できる。このような処置を施すことにより、5.8〜26.4℃/分の降温速度を実現した。
図5は3000倍に拡大した凝集塊のスケッチ図である。
(a)は実験1に係るスケッチ図であり、かなり大きな凝集塊48が認められた。この凝集塊48の大きさL1は30μmであった。この大きさは分布している多数の凝集塊48の大きさの平均値にほぼ等しかった。そこで、表1に30μmを記載した。
(c)は実験3に係るスケッチ図であり、凝集塊50の平均的大きさL3は16μmであった。
(d)は実験4に係るスケッチ図であり、凝集塊51の平均的大きさL4は8μmであった。
(e)は実験5に係るスケッチ図であり、凝集塊52の平均的大きさL5は8μmであった。
また、砥石側もある程度の体積が摩耗する。この体積を摩耗体積と呼ぶ。
(研削体積/摩耗体積)=研削比と定義する。研削比は砥石の寿命そのものを表すので、研削比の大きな砥石、すなわち、砥石の摩耗量が少なく、ワークの研削量が大きい砥石が望まれる。
表1に記載されている凝集塊の大きさと研削比との相関をグラフ化する。
図6(a)に示すように、凝集塊の大きさが小さいほど研削比が大きくなることが分かる。そして、グラフは横軸目盛りで16、すなわち凝集塊の大きさが16μmに特異点があり、凝集塊の大きさが16μm以下であれば、高い研削比が得られることが分かった。
したがって、砥石に不可避的に分布する凝集塊の大きさは、15μm以下、好ましくは10μm以下にすることで、良好な研削比が得られる。
ただし、実験4での降温速度18.6℃/分以上では、凝集塊の大きさは殆ど変化しない。降温速度を高めるには設備的に負担を強いるために、20℃/分を上限とすることが望まれる。
従って、好ましい降温速度は10〜20℃/分となる。
Claims (2)
- 研削材としての砥粒と、砥石の性能を向上させるコバルト及び二硫化タングステンと、結合材とからなるメタルボンド砥石の製造方法であって、
ホットプレスにより前記砥粒、コバルト、二硫化タングステン及び結合材からなる素材にプレス圧を付与しながら、前記素材をゲージ圧で少なくとも0.10MPaを超える加圧不活性ガス雰囲気中で焼成処理することで焼成品を得る加熱処理工程と、
加熱を停止し、前記加圧不活性ガス雰囲気中で前記焼成品を冷却することで砥石を得る冷却処理工程と、からなり、
前記冷却は、焼成温度から600℃まで10℃/分以上の降温速度で実施することを特徴とするメタルボンド砥石の製造方法。 - 前記降温速度は、10〜20℃/分の範囲に設定することを特徴とする請求項1記載のメタルボンド砥石の製造方法。
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