JP5416091B2 - ベリリウム銅鍛造バルク体 - Google Patents

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Description

本発明は、ベリリウム銅鍛造バルク体に関する。
ベリリウム銅のバルク材料は、耐久性と信頼性の要求される機械構造用部品、例えば航空機用ベアリング・海底ケーブル中継器のケーシング・船舶のローターシャフト・油田掘削ドリルのカラー・射出成形用金型・溶接電極ホルダーなどに使用されている。一般に、これらの用途には、バルク材料の機械切削性と高い硬さまたは強度が要求される。
ベリリウム銅は、多くの高強度銅合金と同じく析出硬化型の銅合金であり、そのバルク材料は当業者によく知られる鋳造−均質化焼鈍−熱間加工−溶体化焼鈍(固溶化処理)−水中急冷−時効硬化処理を経て製造されている。例えば、特許文献1では、各処理条件を慎重に選ぶことによってある程度結晶粒が微細化し、機械構造用部品に重要である強度の向上や疲労寿命の改善が図られることが示されている。特許文献2は、鍛造方法と鍛造時の処理条件を鋭意検討することにより、結晶粒を従来にない程度にまで微細化できることが示されている。
しかしながら、特許文献1及び2に示される方法では、水中急冷時の端部と内部中心との温度差を無視できないため、冷却されにくい内部中心の方が端部よりも強度(硬さ)が低下する。よって、得られた部材から各種部品を切削により加工する際には、部材の場所による強度アンバランスにより残留する応力が解放され、切削中に部品がひずんでしまう場合があった。また、疲労寿命も短くなりやすいという問題もあった。
このような現象の原因は、JIS G4052(焼入性を保証した構造用鉄鋼材)に説明されているように、端部から内部に向かってバルク材料の寸法距離が進むにつれて硬さを示す値が顕著に低下することからも推測される。表面から内部に向かって硬さの値が低くなる現象は、鉄鋼材料に限らず、熱処理後の水中急冷を経て準備される銅合金のバルク材料にとっても共通な課題であり、バルク材料のサイズを大きくするほど顕著に現れてきていた。
特許第2827102号 特開2005−096442号
上記問題点を鑑み、本発明は、表面から内部まで均一な硬さを保持でき、信頼性が高く、疲労寿命に優れ、加工ひずみが生じにくいベリリウム銅鍛造バルク体を提供することを目的とする。
本願発明の態様によれば、BeとCuとを少なくとも含むベリリウム銅鍛造バルク体であって、中心部の硬さが表面の硬さに比べて0〜10%硬く、中心部のビッカース硬さが240以上であり、引張強さが800N/mm2以上であり、任意の方向の引張強さの測定値のばらつきが5%以内の範囲に入る程度に均一性を有するベリリウム銅鍛造バルク体が提供される。
本発明によれば、表面から内部まで均一な硬さを保持でき、信頼性が高く、疲労寿命に優れ、加工ひずみが生じにくいベリリウム銅鍛造バルク体が提供できる。
本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の製造方法を示すフロー図である。 図3(a)は、図2の固溶化処理と過時効処理とを不連続に実施した場合の処理時間と温度との関係を示すグラフであり、図3(b)は、固溶化処理と過時効処理とを連続的に実施した場合の処理時間と温度との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る圧下量とひずみ量との関係を示す表である。 図5(a)は、本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の外観図であり、図5(b)は、圧下量を18%とした場合の繰り返し加圧の際の加圧力と累積歪み量の関係、図5(c)は、繰り返し加圧直後の表面温度の変化を示す。 図6(a)は、従来のベリリウム銅鍛造バルク体の外観図であり、図6(b)は、圧下量を33%とした場合の繰り返し加圧の際の加圧力と累積歪み量の関係、図6(c)は、繰り返し加圧直後の表面温度の変化を示す。 図7(a)は、ベリリウム銅鍛造バルク体の硬さを測定する際の試験片を示す斜視図、図7(b)は、本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の冷間鍛造処理直後の側端面から中心方向への距離とビッカース硬さの関係を示すグラフ、図7(c)は、本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の時効硬化処理後の側端面から中心方向への距離とビッカース硬さの関係を示すグラフである。 従来のベリリウム銅鍛造バルク体の側端面から中心方向への距離とビッカース硬さの関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体と従来のベリリウム銅鍛造バルク体の加工ひずみ測定結果を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の疲労曲線を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体と従来のベリリウム銅鍛造バルク体の超音波深傷試験結果の一例を示すグラフである。 比較例におけるベリリウム銅鍛造バルク体内での複数の結晶粒を横断するせん断帯組織の観察結果を示す図である。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載においては、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
(ベリリウム銅鍛造バルク体)
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体1は、ベリリウム(Be)と銅(Cu)を含む合金であって、互いに直交する3軸方向(図1のZ軸、X軸、Y軸)に沿って延伸する辺a、b、Lを有する直方体形状の合金である。
ベリリウム銅鍛造バルク体1の辺a、b、Lの長さの比は、特に限定されない。例えば、a:b:L=1:1:1の立方体形状であっても構わない。ベリリウム銅鍛造バルク体1の大きさも特に限定されない。但し、辺a、b、Lの寸法が大きくなりすぎると、鍛造時のベリリウム銅鍛造バルク体1からの加工発熱等の影響によって後述する製造条件の制御が困難になる。よってベリリウム銅鍛造バルク体1の寸法としては、例えばa、b、Lを約50〜500mm、好ましくは80〜400mmの範囲とすることができる。
ベリリウム銅鍛造バルク体1は、(1)Cu100-(a+b)BeaCob(0.4%≦a≦2.0%,0.15%≦b≦2.8%,a+b≦3.5%)の重量比、又は(2)Cu 100-(c+d) Be c Ni d (0.05%≦c≦0.6%,1.0%≦d≦2.4%,c+d≦3.0%)の重量比で構成され、不純物となるFe,S,Pを重量比で0.01%未満に制限し得るのが好ましい。
(1)において、Beの重量比を0.4%以上とした理由は、Be及びCuおよび/またはBe及びCoによって構成される析出相によって強度の向上を図るためである。Beの重量比を2.0%以下とした理由は、Be及びCoによって構成される析出相の粗大化を抑制することによって強度の向上を図るためである。Coの重量比を0.15%以上とした理由は、Coを添加することによって強度向上を図るためである。Coの重量比を2.8%以下とした理由は、Be及びCoによって構成される析出相の粗大化を抑制するためである。
一方、ベリリウム銅鍛造バルク体1の重量比を(2)の組合せとした理由は、材料のコストを削減するために、Beよりも安価なNiを加えてBeの重量比を減らすためである。具体的には、Beの重量比を0.05%以上とした理由は、Be及びNiによって構成される析出相によって強度の向上を図るためである。Beの重量比を0.6%以下とした理由は、Beの重量比を減らすことによるコストの削減効果を十分に得るためである。Niの重量比を1.0%以上とした理由は、Niを添加することによって強度向上を図るためである。Niの重量比を2.4%以下とした理由は、Cuのマトリクス中に含まれるNiによる導電率の低下や融点の上昇を抑制するためである。
不純物となるFe,S,Pを重量比で0.01%未満に制限した理由は、これらの元素が0.01%以上含まれるようになると、結晶粒界に偏析しやすくなり、鍛造処理の際に製品が割れやすくなるためである。
図1のベリリウム銅鍛造バルク体1は、微細な粒状組織(平均粒径≦2μm)を有し、Cuから析出するBeを少なくとも含む析出相を有している。ここで、「平均粒径」は、以下の測定方法により測定された平均粒径をいう。
(A)SEM/EBSP(Scanning Electron Microscope/Electron Back Scatter Diffraction Pattern)法を用いて結晶方位解析を行い、方位差θが2°より大きい境界を結晶粒界として計数して結晶粒径分布を求める
(B)全計数の平均方位差θが15°以上であることを確認する
(C)結晶粒径分布から平均粒径を算出する
一般的に、方位差θが0°≦θ<4 °の境界を持つ亜結晶だけで構成される組織は結晶粒として計数しない。しかしながら、本実施形態では、観察結果が超微細化していく過程で任意の瞬間を捉えたものであるため、方位差θが0°≦θ<4 °の境界を持つ亜結晶だけで構成される組織もこの瞬間の全体組織を構成する一部であると考えられる。従って、平均方位差が15°以上である組織を結晶粒として計数する。
また、ベリリウム銅鍛造バルク体1は、端面から内部中心へ向かって硬さが等しい(または徐々に硬くなる)合金であり、中心部の硬さが表面の硬さに比べて0〜10%硬く、表面(端部)のビッカース硬さ(HV)が218〜450、より好ましくは273〜450であり、内部中心のビッカース硬さが240〜450、より好ましくは300〜450である。なお、本実施形態における「ビッカース硬さ」とは、例えば、図7(a)に示す直方体(立方体)状のベリリウム銅鍛造バルク体1の中心を含むように、X−Z平面方向に平行に切り出した平板2を試験片とし、試験片上の任意のポイントをJISZ2244(ビッカース硬さ試験−試験方法(対応国際規格:ISO/6507−1;1995 Metallic materials - Vickers hardness test - Part 1; Test Method)に準じて測定した結果を示す。
また、ベリリウム銅鍛造バルク体1は、後述する硬さ、組織、超音波深傷試験、EBSP法による結晶粒の観察結果等から、結晶方位に異方性がない(ランダム方位)多結晶体であり、引張強さが800N/mm2以上、好ましくは800〜1500N/mm2、より好ましくは1100〜1500N/mm2、更には1100〜1300N/mm2である。引張強さを800N/mm2より小さくすると、機械強度や疲労寿命が低下し、機械構造用部品の市場には不適となる場合がある。
ベリリウム銅鍛造バルク体1の引張強さの値は、任意の鍛造方向或いは任意の鍛造方向を含む平面内でその鍛造方向と45°をなす方向において等方的であり(均一的であり)、引張強さの測定値のばらつき(測定平均値)が5%以内であった。
引張強さの測定方法は以下の通りである。まず、ベリリウム銅鍛造バルク体1の中央からX−Y、Y−Z、X−Z平面を含む平板を切り出し、それぞれの平板から任意の方向を代表する6つの方向(すなわちX,Y,Z,X-Y間45度,Y-Z間45度,X-Z間45度)が引張軸に一致するように引張試験片を機械加工した。試験片はJISZ2201に準拠して作製したが、素材の大きさの制約から寸法を1/2に縮小したものを使用した。作製した試験片はJISZ2241(金属材料引張試験方法)に従って測定した。
任意の方向として6方向を選択した理由は、ベリリウム銅鍛造バルク体1から機械構造用物品を製作する場合には、鍛造方向を法線とする平面を基準に製作されるのが通常であり、X、Y、Z方向に機械的に掛かる引張応力が、製品上重要となるからである。
X、Y、Z応力は、理論的にはX、Y、Z方向に対して45度方向のせん断強さに起因することが知られている(堀内良、金子純一、大塚正久共訳 『材料工学入門』:(株)内田老鶴圃、1990年第3版、p123−142又は原書:M.F.Ashby and D.R.H.Jones,「Engineering Materials」PERGAMON PRESS;1980参照)加えて、X、Y、Z方向に対して45度方向に掛かる引張強さを測定すれば、そこからさらに45度方向(X、Y、Z方向)のせん断強さを測ることになる。
ここでもし、X、Y、Z方向から特定の角度α、β、γだけずれた方向に異方性(特に強度の弱い特定方向)を持っていた場合、ベリリウム銅鍛造バルク体1が多結晶体である以上は、6つの方向のどこかに異常値が認められるはずである。しかしながら、本実施形態においては上記6つの方向に測定した場合の引張強さの値のばらつきが5%以内であり、異常値は測定されなかった。よって、本実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体1は、任意のいずれの方向においても引張強さに等方性(均一性)を有し、値がほぼ同程度の値になっているといえる。
(ベリリウム銅鍛造バルク体の製造方法)
次に、本発明の実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の製造方法について、図2、図3(a)及び図3(b)に示すフロー図を用いて説明する。
まず、図2のステップS10の均質化処理において、Cuのマトリクス中にBe(又はBe化合物)を固溶させ、結晶粒に転位が生じていない銅合金を生成する。
具体的には、Cu100-(a+b)BeaCob(0.4%≦a≦2.0%,0.15%≦b≦2.8%,a+b≦3.5%)の重量比、またはCu100-(c+d)BecNid(0.05%≦c≦0.6%,1.0%≦d≦2.4%,c+d≦3.0%)の重量比で構成された銅合金を高周波溶解炉で溶解し、鋳塊を作製する。このとき、不純物となるFe,S,Pを重量比で0.01%未満に制限し得るのが好ましい。得られた鋳塊を、固溶温度域(700℃〜1000℃の範囲内)で所定の保持時間(1時間〜24時間)に亘って加熱保持することにより、鋳造時に非平衡的に生成する偏析などの後工程に悪影響を及ぼす不均一な組織を除去して均質化する。
ステップS11の鍛造処理において、S10で得られた銅合金を鍛造し、所望の大きさの直方体形状の銅合金に加工する。板状銅合金の表面に形成された酸化皮膜は切削により除去する。
ステップS12の固溶化処理において、ステップS11で得られた銅合金を、固溶温度域(700℃〜1000℃の範囲内)で所定の固溶保持時間(1時間〜24時間)に亘って加熱保持し、Cuのマトリクス中にBe(又はBe化合物)を固溶させる。
ステップS13の過時効処理において、ステップS12で得られた銅合金を、過時効温度域(550〜650℃の範囲内)で所定の時間(2〜6時間)保持する。これにより、析出粒子が好ましい効果をもたらす機構解明はその途上であるが、ステップS13以降の各製造工程において悪影響を及ぼさない程度の大きさ(例えば平均粒径1μm程度)まで銅合金の析出粒子を成長させることができる。なお、図3(a)に示すように、ステップS12の固溶化処理とステップS13の過時効処理は、それぞれ独立(不連続)に処理してもよいし、図3(b)に示すように、連続的に処理しても良い。
ステップS14の冷却処理において、ステップS13で得られた銅合金を水冷、空冷、又は放冷によって、銅合金の表面温度が例えば20℃以下となるように冷却する。冷却速度はバルク体の大きさによって異なるが、−100℃s-1以上(好ましくは−200℃s-1以上)とするのが好ましい。
ステップS15の冷間鍛造処理において、冷却後の銅合金を冷却抜熱しながら鍛造する。鍛造は、直方体の互いに直交するX軸、Y軸、Z軸方向からそれぞれ鍛造する。鍛造の順序は、銅合金が有する辺のうち、最も長い辺に対応する軸方向から順に圧力を加えるのが好ましい。
具体的にはまずステップS151において、鍛造装置等によって、冷却後の銅合金に対してZ軸方向から圧力を加える。加圧の際の銅合金の表面温度は、120℃以下(より好ましくは20〜100℃の範囲内)を保つようにするのが好ましい。表面温度が120℃を超えると、複数の結晶粒を横断するようなせん断帯組織を生じやすくなるために割れや破壊等が生じ、加工前の形状を維持することができなくなる。加圧圧力は1200MPa以下とするのが好ましい。過時効条件などとも相まって加圧圧力が1200MPaを超えると、銅合金に複数の結晶粒を横断するようなせん断帯組織を生じやすくなるため割れや破損などが生じる危険性がある。
ステップS151の処理1回分の圧下量(加工率(%))は、18〜30%の範囲内とし、銅合金に加えられる塑性歪みの量(歪み量;ε)は、0.2〜0.36の範囲内とするのが好ましい。なお、「圧下量」とは、加工変形量をもとの高さで除した割合(加工率)であり、歪み=ln(1−加工率)で示される。圧下量と歪みの関係を図4に例示する。
ステップS152において、ステップS151で得られた銅合金を冷却する。冷却方法は、空冷、水冷、放冷などいずれの方法でも構わないが、繰り返し作業の効率性と能率を考慮すると、水冷による冷却が望ましい。冷却は、加圧により銅合金から発生する熱銅合金の表面温度が20℃以下となるように行うのが好ましい。
ステップS153において、鍛造装置等により、冷却後の銅合金に対してY軸方向から圧力を加える。加圧の際の銅合金の表面温度は120℃以下を保つようにするのが好ましい。ステップS153の処理1回分の圧下量(加工率(%))は、18〜30%の範囲内とし、銅合金に加えられる塑性歪みの量(歪み量;ε)は、0.2〜0.36の範囲内とするのが好ましい。その後、ステップS154において、ステップS153で得られた銅合金を冷却する。冷却は、銅合金の表面温度が20℃以下となるように行うのが好ましい。
ステップS155において、鍛造装置等により、冷却後の銅合金に対してX軸方向から圧力を加える。加圧の際の銅合金の表面温度は120℃以下を保つようにするのが好ましい。ステップS155の処理1回分の圧下量(加工率(%))は、18〜30%の範囲内とし、銅合金に加えられる塑性歪みの量(歪み量;ε)は、0.2〜0.36の範囲内とするのが好ましい。その後、ステップS156において、ステップS155で得られた銅合金を冷却する。冷却は、銅合金の温度が20℃以下となるように行うのが好ましい。
ステップS157において、作業者は、鍛造装置による銅合金への加圧回数が所定回数に達しているか否かを判定する。ここで、「加圧回数」とは、各軸(X軸、Y軸、Z軸)方向のいずれか一方から銅合金に圧力が加えられた場合を1回としてカウントアップされる回数を指す。「所定の加圧回数」とは、銅合金に加えられる塑性歪み量の累積値(累積歪み量;εtotal)が例えば1.8以上となる回数を指す。加圧回数が所定加圧回数に達していない場合には、ステップS151〜S156の処理を繰り返す。加圧回数が所定の加圧回数に達している場合には、ステップS16へ進む。
ステップS16(時効硬化処理)において、ステップS15で得られた銅合金を析出温度域(200℃〜550℃の範囲内)で矩形銅合金が所定の時効硬化時間(1時間〜24時間)に亘って保持することにより、銅合金に含まれるBe(又は、Be化合物)を析出硬化させる。これにより、図1に示すベリリウム銅鍛造バルク体が製造できる。
実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の製造方法によれば、ステップS15の冷間鍛造工程において、冷却後の銅合金の表面温度が120℃以下に保たれるように冷却抜熱しながら鍛造される。これにより、鍛造時の銅合金の加工発熱の影響を小さくしながら、銅合金に加えられる塑性歪みの量を増加させることができるので、均一で微細な結晶粒を有し、表面から内部まで均一な硬さを保持したベリリウム銅鍛造バルク体が製造できる。
従来ベリリウム銅鍛造バルク体1の寸法によっては、ステップS12の固溶化工程の後にステップS14の冷却処理を施すだけでは、表面から内部中心まで十分な速度で均一に冷却できない場合があった。特に、ベリリウム銅鍛造バルク体1のサイズを大きくしようとするほど、水焼き入れ等によって、表面を冷却する程度では内部中心まで急冷することができなかった。内部中心まで十分に冷却されていない状態でステップS15の冷間鍛造処理を行うと、製品の変形が不均一になり破損や加工時の割れ、反りなどが生じやすくなっていた。
そこで、本実施形態においては、従来のように急冷するのではなく、ステップS13において固溶化処理後の銅合金をあえて非効率に緩やかに冷却するように処理条件を制御する。即ち、ステップS13において、固溶化処理後の銅合金を過時効温度(550〜650℃)で所定の時間(過時効時間:2〜6時間)処理することにより、適度に析出した粒子が好適に働いて内部まで効率よく均一に変形する効果が得られる。これにより複数の結晶粒を横断するようなせん断帯組織の生成が抑えられて割れや破壊等が生じることがないため、表面から内部まで均一な硬さを保持でき、疲労寿命に優れ、加工ひずみが生じにくいベリリウム銅鍛造バルク体が得られることを見いだした。
ステップS13における過時効温度は、550℃未満にすると、析出した粒子を成長させることが困難であり、650℃より高くすると、Cu中にBeが固溶してしまうため好ましくない。また、過時効時間を2時間未満にすると、析出した粒子はある程度の大きさまで成長しない。逆に6時間より長くしても、析出した粒子の成長がある程度終了しているため効率的ではない。したがって、過時効温度としては、550〜650℃、より好ましくは570〜630℃の範囲とし、過時効処理時間としては、2〜6時間、より好ましくは3〜5時間とするのが好ましい。
なお、図2に示すベリリウム銅鍛造バルク体1の製造方法では、Z軸方向、Y軸方向及びX軸方向のすべてから銅合金に圧力を加えた後に、ステップS157において加圧回数が所定の加圧回数に達しているか否かを判定しているが、これに限定されるものではなく、銅合金に圧力が加えられる度に加圧回数が所定の加圧回数に達しているか否かを判定してもよい。
図2に示すベリリウム銅鍛造バルク体1の製造方法では、ステップS152、S154、S156に示す冷却工程において各軸方向への鍛造(ステップS151、S153、S155)が1回終了する毎に、鍛造後の銅合金を冷却している。しかし、加工対象となる銅合金の表面温度を120℃以下に保ちながら鍛造すれば目的は達成できるため、ステップS152、S154、S156に示される各冷却工程は必要に応じて省略してもよい。
なお、ステップS15において、銅合金の表面温度を120℃以下に保つ方法としては、上述したように、銅合金の表面温度が20℃以下となるように予め十分に冷却した後に、通常の鍛造装置を用いて鍛造する場合に限られない。
例えば、鍛造中の銅合金の表面に熱電対等の温度測定機構を取り付け、温度測定機構の測定結果を常時モニタリングしながら、銅表面の温度が常に120℃以上とならないように制御し、銅合金の表面温度が120℃を超えた場合に作業を中断する、或いは、銅合金を水冷、空冷又は放冷等するようにしてもよい。
以下において、上述した製造方法によって製造されたベリリウム銅鍛造バルク体1の評価結果について図面を参照しながら説明する。
図5(a)は、実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の外観の模式図であり、図5(b)は、一定の圧下量の下に繰り返し加圧を行った際の加圧力と累積歪み量の関係、図5(c)は、繰り返し加圧直後の表面温度の変化を示す。繰り返し加圧時の1回の圧下量は18%とし、加圧力は1000MPa(<1200MPa)を超えないように管理した。その結果、図5(a)に示すように、得られたベリリウム銅鍛造バルク体1には、外観上、割れや不均一な変形は見られなかった。
図6(a)〜図6(c)は従来法、即ち、ステップS12を経た後の銅合金に対し、過時効処理(図2のステップS13)及び冷却処理(ステップS152、S154、S156)を行わずに、ベリリウム銅鍛造バルク体を製造した場合の結果の一例を示す。従来法では、累積歪み量が0.3〜0.7の範囲になるように、圧下量を33%(ひずみ量0.40)に制御した。図6(b)に示すように、加圧力は1300MPa程度(>1200MPa)程度となり、図6(c)に示すように、繰り返し加圧直後の表面温度が130℃程度(>130℃)に達した。その結果、得られたベリリウム銅鍛造バルク体は、図6(a)の模式図に示すように、外観上不均一な変形が起こり、破壊した。この時の内部組織を観察すると、図12に示すように複数の結晶粒を横断するようなせん断帯組織が生じていることがわかった。
図7(a)〜図7(c)は、実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の硬さの測定方法を示す図である。測定は、図7(a)に示すように、一辺が100mmの立方体形状のベリリウム銅鍛造バルク体1を用意し、立方体の中心部と表面部分(側端面)を含むように平板2を切り出してこれを試験片とした。この試験片を、JISZ2244(ビッカース硬さ試験−試験方法(対応国際規格:ISO/DIS6507−1;1995Metallic materials - Vickers hardness test - Part 1;Test Method)に準じた方法で行ったものである。図7(b)は、図2のステップS15の鍛造処理直後の銅合金の硬さの測定結果を示し、図7(c)は、図2のステップS16の時効処理直後の最終形状としてのベリリウム銅鍛造バルク体の硬さの測定結果を示す。
図7(b)に示すように、鍛造処理直後の銅合金であっても、側端面から中心部に向かって硬さが上昇していることが分かる。図7(c)に示すように、鍛造処理後に時効処理を施すことにより、全体に亘って硬さの値が高くなるとともに、中心と内部との硬さの差が10%以内になった。
図8は、ステップS13、S15の処理を施さない従来例のベリリウム銅鍛造バルク体の硬さの測定結果を示すグラフである。図8から分かるように、従来のベリリウム銅鍛造バルク体は、側端面から中心部に向かうほど硬さの値が大きく低下した。
図9は、ベリリウム銅鍛造バルク体の加工歪み測定結果の例を示す。図9においては、直方体状の従来のベリリウム銅鍛造バルク体から切り出した平板2a(紙面左側)と、実施の形態に係る直方体状のベリリウム銅鍛造バルク体1から切り出した平板2b(紙面右側)とを同一平面上に置き、平板2a、2bの反りの高さをそれぞれ比較した結果を示す。従来の平板2aは、約1mm以上の反りが生じていたが、実施の形態に係る平板2bには、殆ど反りが生じなかった。
図10は、実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体1と従来のベリリウム銅鍛造バルク体の疲労寿命測定結果の例を示す。測定は、2−8号試験片を用い、室温大気中でJISZ2274の回転曲げ疲労試験に準じて行った。各プロットは、疲労破断した点を示している。実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体によれば、従来のバルク体に比べて疲労寿命も長くなっていることがわかる。
図11(a)及び図11(b)は、実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体の超音波深傷試験結果の例を示す。図11(a)及び図11(b)においては、一辺が100mmの立方体形状のベリリウム銅鍛造バルク体の表面層を切削し、一辺が70mmの立方体に加工した後に、加工後のベリリウム銅鍛造バルク体に超音波を送信した。
図11(a)に示すように、従来法によって製造されたベリリウム銅鍛造バルク体では、厚さ70mmの底面エコーのピークが表れたが、点線で囲まれた領域に示されるように、厚さ140mm付近では、多重反射によるエコーのピークは表れなかった(ピーク消失)。これは、従来法によるベリリウム銅鍛造バルク体の内部組織が粗大で不均一であることを示している。また、図11(a)の実線で囲まれた領域に見られるように、波形にノイズが多いことからも、バルク体の内部組織が粗大で不均一であることが推測される。
一方、図11(b)に示すように、実施の形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体を試験した場合は、厚さ70mmの底面エコーのピークが表れているとともに、140mm付近にも二重反射によるエコーのピークが表れていることが分かる。これは、超音波がベリリウム銅鍛造バルク体の内部組織によって乱れたり減衰したりしていないことを示している。図11(a)に示す場合に比べて、全体の波形にノイズも表れていないことから、従来のベリリウム銅鍛造バルク体に比べて内部組織がより緻密で均一になっていることが推測される。
表1及び表2に、本発明の一実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体と、比較例(従来例)に係るベリリウム銅鍛造バルク体との特性の違いを示す。
表1に用いる材料としては、Cu100-(a+b)BeaCob(0.4%≦a≦2.0%,0.15%≦b≦2.8%,a+b≦3.5%)の重量比で構成される銅合金を用意した。銅合金を高周波溶解炉でそれぞれ溶解して鋳塊を製造し、得られた鋳塊を均質化した。得られた鋳塊を鍛造処理により加工し、表面に形成された酸化皮膜を切削により除去して、一辺が100mmの立方体形状に成形し、サンプル部材A1〜A7、B1〜B7、A101〜A105、B101〜B105、C101〜C103を得た。
このサンプル部材A1〜A7、B1〜B7、A101〜A105、B101〜B105、C101〜C103に対し、表1に示す条件にて、図2のステップS12〜S15に示す処理(過時効処理、冷却処理、冷間鍛造処理)を行った。表1の「過時効処理」の欄の「不連続/連続」とは、図3(a)及び図3(b)に示すように、ステップS12の固溶化処理とステップS13の過時効処理とを独立して不連続で実施した場合と連続して実施した場合の違いを意味している。「過時効処理」の欄の「加圧前最高温度」とは、ステップS15の冷間鍛造工程を実施する直前に測定した銅合金の表面温度の最高値を示す。
表1の「加圧処理」の欄の「最高加圧力」とは、鍛造装置が銅合金に加える圧力の最大値を示す。「加圧後最高温度」とは、加圧の繰り返しとともに徐々に高くなる銅合金の表面温度の最高値を示す。
表1の「鍛造加工結果」の欄は、図2のステップS15に示す冷間鍛造処理を経た後に、平面上にバルク体を置き、バルク体自身で直立し得る場合を○、直立しない場合を×として判定した。「割れ・破壊の有無」とは、割れ又は欠損が生じているか否かを目視判定した。「硬さの均一性」は、JISZ2244に準じた測定方法でバルク体の中心部を含む平面内で少なくとも任意の25点に対してビッカース硬さを判定し、硬さの値が10%以内で表面から内部に向かって増大している場合を○、それ以外を×として判定した。なお、加工後に割れ・破壊があった場合は、硬さ測定ができなかったため、「評価不能」とした。
表1の「時効後の硬さ」は、315℃で2hの時効硬化処理を行った後に室温まで戻してから25点測定した結果の平均値を示す。
表2の「引張強さ」は、JISZ2241に準じて行った前述の6つ方向に引張試験した結果、およびその平均値と6つの数値が±5%内に入るか否かを調べた結果である。引張試験に用いた試験片は、図1のベリリウム銅鍛造バルク体1の中央からX−Y、Y−Z、X−Z平面を含む平板を切り出し、それぞれの平板から6つの方向(すなわちX,Y,Z軸方向,X-Y間45度,Y-Z間45度,X-Z間45度)が引張軸に一致するように試験片を機械加工し、JISZ2241(金属材料引張試験方法)に従って測定した。
表2の「せん断帯組織の有無」は、前述のように切り出した平板の一部を500倍の光学顕微鏡で観察した際に、図12に類似したせん断帯組織が観察されたか否かを評価した結果である。観察前には、当業者に周知であるような平板表面の機械研磨に続いて適切な化学溶液による腐食を行っている。「せん断帯組織」とは、ある面を境にして原子(結晶粒)の配列位置の位相がずれて変化したせん断組織を言い、とくに今回のような変形の加わった方向に帯状に位相のずれが生じている組織を指し示している。
Figure 0005416091
Figure 0005416091
表1に示されるように、ステップS15の冷間鍛造処理において、銅合金の表面温度を120℃以下、加圧力を1200MPa以下、圧下量を18〜30%の範囲で制御することによって、表面から内部までほぼ均一な硬さを保持可能なベリリウム銅鍛造バルク体が製造できていることが分かる。サンプルA1〜A7、サンプルB1〜B7では、時効後の端部(ベリリウム銅鍛造バルク体表面)の硬さが393〜405、中心では397〜411であり、本実施形態に係るベリリウム銅鍛造バルク体は、端部から内部までほぼ同等の硬さか、中心と内部の硬さが10%以内で変化していることが分かる。これらの実施例では各方向への引張強さがほぼ同一で安定しており、いずれの場所からもせん断帯組織は観察されなかった。また、サンプルA101〜105,B101〜105,C101〜103に示されるように、ステップS13の過時効処理を本実施形態の範囲外で行うかあるいは行わない場合は、所定の形状が維持できずに割れの発生が起こり、硬さや引張強さにアンバランスが生じていることが分かる。また比較例のいずれの場合にもせん断帯組織が観察された。
本出願は、2008年3月28日に出願された日本国特許出願第2008−087628号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
本発明は、耐久性と信頼性の要求される機械構造用部品、例えば航空機用ベアリング・海底ケーブル中継器のケーシング・船舶のローターシャフト・油田掘削ドリルのカラー・射出成形用金型・溶接電極ホルダーなどに利用可能である。

Claims (6)

  1. BeとCuとを少なくとも含むベリリウム銅鍛造バルク体であって、
    Cu 100-(a+b) Be a Co b (0.4%≦a≦2.0%,0.15%≦b≦2.8%,a+b≦3.5%)の重量比で構成され、
    互いに直交する3軸方向に沿って延伸する辺a、b、Lが、それぞれ80〜400mmの範囲であり、
    中心部の硬さが表面の硬さに比べて0〜10%硬く、前記中心部のビッカース硬さが240以上であり、なおかつ引張強さが800N/mm2以上であり、任意の方向の引張強さの測定値のばらつきが5%以内の範囲に入る程度に均一性を有することを特徴とするベリリウム銅鍛造バルク体。
  2. 互いに直交する3つの鍛造方向の前記引張強さ、および、互いに直交する2つの鍛造方向を含む平面にて前記2つの鍛造方向と45度方向をなす方向に測った前記引張強さが1100N/mm2以上であることを特徴とする請求項1に記載のベリリウム銅鍛造バルク体。
  3. 純物となるFe,S,Pを重量比で0.01%未満に制限していることを特徴とする請求項1又は2に記載のベリリウム銅鍛造バルク体。
  4. 前記中心部のビッカース硬さが240〜450であり、前記引張強さが1100〜1500N/mm2であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のベリリウム銅鍛造バルク体。
  5. 平均粒径が2μm以下である結晶粒を有し、前記結晶粒が複数の結晶粒を横断するせん断帯組織を含まない形状安定な結晶粒であり、前記Cuから析出する前記Beを含む析出相を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のベリリウム銅鍛造バルク体。
  6. 前記ベリリウム銅鍛造バルク体の製造工程は、均質化処理と、鍛造処理と、固溶化処理と、過時効処理と、冷却処理と、冷間鍛造処理と、時効処理とを備え、過時効処理は固溶化処理後の銅合金を550〜650℃で2〜6時間処理するものである、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のベリリウム銅鍛造バルク体。
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