JP5415678B2 - ガスリフト式結晶装置および晶析方法 - Google Patents
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Description
同方法は、設備費および運転費を低減するべく混合物液体に溶解させた冷媒ガス成分を気化させることによる断熱冷却晶析を提案するものである。上記特許文献記載の発明によれば、従来技術では大型な設備にならざるを得なかった間接冷却方式よりも小型化することが可能となり、さらには運転コストの削減もなし得るものである。
しかし、冷媒ガスとして特にプロパンのような可燃性物質を用いた場合、冷媒ガスが大気中に曝されることがないよう晶析槽の撹拌機の駆動部分に大がかりなシール機構が必要となる。また、大型な設備の場合には、晶析槽内部において発生した結晶スラリーを充分に循環させるための大型な撹拌機構が必要となり、上述のシール機構と併せて晶析槽の設計を困難にし、さらには晶析槽の制作費を高価にしている。
晶析対象物の溶液を晶析槽内に導くとともに、前記溶液に予め気体を溶解せしめ、前記晶析槽内への前記溶液の供給の際にその溶解度を低下せしめて、溶存気体の気化を図り、前記晶析槽内においてその気体の上昇による前記溶液の対流を生じさせ、その溶液の対流により、前記溶液及び前記晶析槽内の滞留溶液と結晶の撹拌を行うことを特徴とするガスリフト式晶析方法。
晶析操作において、微小結晶の発生を抑え、後段の分離乾燥操作や精製操作を行うのに良好な粒径を有する結晶を得るためには、晶析槽内の操作過飽和度を小さくし、局部的な過飽和を抑える必要がある。そのためには晶析槽内において結晶スラリーを均一混合する必要があり、一般的には大型の撹拌翼により槽内に対流を発生させる、あるいは外部に大型の循環ポンプを設け晶析槽内外でスラリーを循環させることで撹拌作用を得るなどの手法が用いられている。
しかし、特に大型の晶析槽を設計及び製作するにあたり、大型の撹拌翼を設置することはその攪拌機の製作コストが高価になることはもとより、その駆動部分や、缶体と撹拌軸のシール部などの設計難易度が高くなり、装置全体の製作費用も高価になる。一方、外部循環ポンプを設置する場合においても、晶析槽内の必要循環量を得るために、ポンプが大型になってしまう。さらには、撹拌インペラやポンプと結晶との衝突により結晶破砕が起こり、良好な粒径の結晶が得られないケースもある。
本発明方法によれば、缶内に滞留している液またはスラリーの内部に局所的な気泡分布を付与すること、すなわち気−液系あるいは気−液−固系内におけるガスホールドアップ分布のアンバランスを発生させることにより、ガスホールドアップの差違による槽内溶液に生じた比重分布(比重差)を発生させ、それをドライビングフォースとして晶析槽内の液を撹拌することができる。換言すれば、晶析槽内において、ガスボリュームの大きい所は、ガスボリュームの小さい所に比べて見かけ比重が小さくなる。したがって、槽内においてガスボリュームの小さい所からガスボリュームの大きい所(比重の大きい所から小さい所)への液の移動が生起させ、もって晶析槽内の液またはスラリーを撹拌するものである。
その結果、本発明によれば、大型の晶析槽においても攪拌機およびそれに付随する駆動機構及びシール機構等の設備を最小限に抑える、または省略することが可能となる。また、外部循環のためのポンプも不要となるため、設備費用を大幅に低減することが可能となる。
本発明における晶析槽内において気体を発生させる手法としては、第1に、晶析槽前段にて加圧下で溶解性のガスを供給液に溶解させておき、それを晶析槽内で減圧することで気体を発生させる手法、第2に、晶析槽への供給前または晶析槽への供給後に溶液を沸騰させることで気体を発生させる手法、第3に、第三成分の添加などにより溶存気体の溶解度を下げることで気体を発生させる手法、第4に、化学的な反応により気体を発生させる手法、第5に、気体ブロワなどの装置を用いて外部より気体を導入する手法などを用いることができる。
本発明は、特に圧力や温度の変化により、前記溶液に対する気体の溶解度が大きく変化する場合に有効な形態であり、この形態においては、晶析槽内のガス発生量を大きくすることができ、それに伴い撹拌作用を大きくすることができる。
晶析槽内にて気泡が上昇する際、まず気泡の上昇そのものにより液の撹拌が起きる。さらに、上昇して行く気泡に液や結晶が随伴される形で槽内の液対流が発生させるものである。これにより、溶液または結晶スラリーの撹拌を行うことができる。
前記晶析槽内を断熱及び減圧状態とすることによって前記溶液中の前記溶存気体を気化させ、その生じた気体によって前記撹拌を行い、かつ、前記気化によって前記晶析槽内の前記溶液の断熱冷却を図る請求項1記載のガスリフト式晶析方法。
冷却晶析を行うのが適した系において、溶存気体の気化に伴う蒸発潜熱により溶液の冷却を行うと同時に、気体による撹拌作用を得ることができる。特に蒸発潜熱が大きく、かつ圧力や温度の変化により、溶液に対する溶解度が大きく変化する気体を溶解させることで、晶析槽内のガス発生量を大きくすることができ、それに伴い冷却効果及び撹拌作用を大きくすることができる。
気体を加圧手段により加圧し、前記気体を前記溶液に溶解せしめ、前記晶析槽内へ前記溶液を供給するとともに、前記晶析槽で発生した気体を前記加圧手段により加圧する循環経路を構成した請求項2記載のガスリフト式晶析方法。
圧縮機などの加圧手段を使用するとともに、気体の循環を行うので、用役としての溶解性気体の使用量を低減させることができる。
晶析対象物がパラキシレンを含む混合キシレンであり、これからパラキシレンの結晶を得る請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスリフト式晶析方法。
断熱冷却によって、純度が高く大きいパラキシレンの結晶を好適に得ることができる。
晶析対象物がシクロヘキサンを含む混合ヘキサンであり、これからシクロヘキサンの結晶を得る請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスリフト式晶析方法。
断熱冷却によって、純度が高く大きいシクロヘキサンの結晶を好適に得ることができる。
晶析対象物の溶液に気体を溶存させる溶存手段と、晶析槽内に設けた仕切あるいはドラフトチューブと、前記仕切あるいはドラフトチューブの下部領域における横断面の一部に、予め気体を溶存させた前記溶液を供給する手段と、この供給した前記溶液から溶存気体を気体として発生させる手段とを有し、
前記発生した気体は前記仕切あるいはドラフトチューブに沿って上昇するようにしたことを特徴とするガスリフト式結晶装置。
晶析槽内にドラフトチューブを設置した場合において、その内部に気体が溶存した溶液を供給した場合、主にドラフトチューブ内部にて気体が発生することによりドラフトチューブ内外のガスホールドアップに大きく差違が生じるため、ドラフトチューブ内では結晶スラリーの見掛け比重が小さく、ドラフトチューブ外では結晶スラリーの見掛け比重が大きくなり、ドラフトチューブ内外で溶液または結晶スラリーの見掛け比重差が生じ、それによりドラフトチューブ内外で循環流が発生する。
また、晶析槽の水平方向全断面積に対して、ドラフトチューブ内の断面積、すなわち、発生した気体が上昇通過する面積が小さいため、ドラフトチューブを設置しない場合に比べて気体の空塔速度を大きくとることができ、撹拌効果を大きくすることができる。
前記溶液を前記晶析槽内に供給する前段に、前記溶存気体の溶解度を調整する溶解度調整槽を有する請求項6記載のガスリフト式結晶装置。
(作用効果)
例えば溶液に対して加圧した気体を溶存させ、晶析操作においてその発生ガスによる撹拌効果を得ようとした場合、あるいは断熱冷却効果により冷却晶析を行おうとした場合、晶析槽供給時の急激な圧力変化および温度変化により微細結晶が発生する場合があり、また供給箇所に発生した結晶が固着し閉塞を起こすおそれがある。
これに対し、晶析槽前段に所定圧力まで溶液を減圧するための減圧容器(溶解度調整槽)を設置することで、晶析槽への供給液の圧力および温度を調整し、結晶発生時の急激な変化による微細結晶の発生あるいは供給箇所の閉塞を防止することができる。
また、晶析槽で発生した気体を例えば圧縮機に供給して循環使用する場合、減圧容器(溶解度調整槽)から残圧を有する気体を圧縮機に供給することで、圧縮機の負荷を削減することができる。したがって、圧縮機の動力を低減することができ、減圧容器(溶解度調整槽)を設置しない場合と比較して圧縮機を小型化することができるため、設備の運転費あるいは設備費を低減することができる。
前記気体を加圧して前記溶液に溶解させる溶解手段と、前記晶析槽で発生した気体を前記溶解手段に送る循環経路を構成した請求項7記載のガスリフト式晶析装置。
(第1の実施の形態:基本形態)
図1は、断熱冷却晶析法による本発明に係る基本的な実施形態を示したもので、吸収コンデンサー10、溶解度調整槽20、晶析槽30、圧縮機40、結晶精製手段50を有する。
化合物の混合溶液1(晶析対象物の溶液、例えば、パラキシレンおよびその異性体を含む共晶多成分系混合物の液)は、吸収コンデンサー10に導かれ、ここで管路41を通して導かれた圧縮機40により加圧された冷媒ガス4(例えばプロパン)を吸収させ、均質な混合溶液とされる。
冷媒ガスを溶存気体として吸収した混合溶液は、一時貯留タンク10Aから管路71を通して溶解度調整槽20に導入され、ここで所定の圧力および温度に調整された後、管路72通して晶析槽30に導入され、ここで所定圧力まで放圧されることで冷媒ガスを含む混合溶液に対して冷媒ガスの断熱冷却、蒸発操作を行う。
冷媒ガスを含む混合溶液を晶析槽30内部に導入する晶析槽フィード60は、晶析槽30に設置された円筒状のドラフトチューブ31内部を吐出端としており、晶析槽フィード60によりドラフトチューブ31内部に供給される。
かかる操作により、主にドラフトチューブ31内部において冷媒ガスが気泡となって上昇し(図2に気泡の上昇域を模様形態で示した。)、ドラフトチューブ31内外のガスホールドアップに差違が生じる。これによりドラフトチューブ31内外の結晶スラリーの見掛け比重に差が生じるため、その比重差および発生ガスの上昇流の同伴により、晶析槽30内にスラリーの対流が起こる(対流を矢印で示した。)。この対流により、晶析槽30内に外部動力を要する攪拌機構を設置せずとも、内部の液の攪拌が可能となる。
晶析槽30で発生したベーパーは、管路33Aを通してミストセパレーター33に送り、ガス分と液分とに分離し、液分は管路33Bにより晶析槽30に返送し、ガス分は管路33Cにより圧縮機40のサクションに供給される。
また、溶解度調整槽20には圧力調整弁21及び又は図示しない温度調節器が設けられ、たとえば圧力調整弁21により適宜の圧力に減圧したうえで、溶存気体を吸収した混合溶液を晶析槽30に送る。圧力調整弁21を通す冷媒ガスは、圧縮機40の中段サクションに供給される。
晶析槽30で生成した結晶スラリーは、結晶精製手段50(たとえば結晶洗浄塔)に供給され、結晶の精製が行われ、精製された結晶融液3と濾液2に分離され、結晶融液3については適宜の工程を経て結晶製品とされる。
ドラフトチューブ31は図3に示されるように円筒状であることが好ましいが、横断面角形などでもよい。また、ドラフトチューブ31に替えて、図4及び図5に示されるような仕切体31Aを用いることも可能である。
本発明における、晶析槽内において溶液中に気体の局所分布を生成させ、前記気体の局所分布による前記溶液の対流を生じさせる形態、並びに晶析槽内において気体の上昇による溶液の対流を生じさせるに態様として、種々の形態を含むものである。
これを大別すると、A.図9に示すように、晶析槽30内に供給する溶液S中に溶解していた溶存ガスが気化する形態、B.図10に示すように、晶析槽30内に供給する溶液S中に気体が同伴している形態、C.図11に示すように、晶析槽30内に供給する溶液Sとは別に、気体Vを供給する形態(この場合において、晶析槽30内に供給する溶液S中に溶解していた溶存ガスが気化する形態の併用でもよい。)がある。また、これらを組み合わせて採用することもできる。
前記第1の実施の形態は、前記A形態に属するもので、晶析槽30の前段にて加圧下で溶解性のガスを供給液に溶解させておき、これを晶析槽30内で減圧することで気体を発生する形態である。
(1)晶析槽30へ混合溶液を供給する前段あるいは晶析槽30内において、混合溶液を沸騰させ気体を発生させる方法
図12は、混合溶液を晶析槽30へ供給する前段にて加熱する方法を、図13、14は、混合溶液を晶析槽30内で加熱する方法をそれぞれ示している。
図12の例においては、晶析槽フィード60の前段に熱交換器80を設置し、混合溶液を加熱し、溶液を沸騰させ気体を発生させる形態である。一方後者では、図13の例においては、晶析槽30内のドラフトチューブ31の外側の下部に間接加熱型の熱交換器81を設置し、混合溶液を加熱し、溶液を沸騰させ気体を発生させる形態である。図14の例においては、ドラフトチューブ31の内側下部に間接加熱型の熱交換器81を設置し、混合溶液を加熱し、溶液を沸騰させ気体を発生させる形態である。なお、熱交換器81としては、配管にジャケットを設置することで代替することができる。また、加熱に用いる熱媒としてはスチームや温水などを用いることができる。これらの例において、ドラフトチューブ31に対して、仕切り板に代えることもできる。仕切り板の場合には、仕切り板に下部に熱交換器81を設ければよい。
図15に示されるように、晶析槽フィード60前段にラインミキサー82を設置し、ラインミキサー82の前に、第三成分溶液83を溶液に供給し、ラインミキサー82によって両者を混合し、溶存気体の溶解度を低下させることで、晶析槽30内にて気体を発生させるものである。この場合における第三成分としては、溶液中の気体の溶解度を低下させる溶媒(成分)である。
前項の例と装置構成は実質的に同一であるが、図16に示されるように、晶析槽フィード60前段にラインミキサー82を設置し、ラインミキサー82の前に、気体発生用反応成分84を溶液に供給し、ラインミキサー82によって両者を混合し、気体を発生することで、晶析槽30内にて気体を発生させるものである。
図17に示されるように、晶析槽フィード60とは別に、気体ブロワ85より気体が供給される気体供給口86を配置し、気体の上昇流をドラフトチューブ31の内側もしくは外側の何れか一方にて発生させる方法がある。また、図18に示されるように晶析槽フィード60に対して、気体ブロア85によって気体を導入し、混合溶液と導入気体を同伴させて晶析槽30に供給することもできる。なお、この方法で用いる導入気体は混合溶液に溶解し難いものであることが好ましい。また、この方法で用いる気体は晶析槽30内で回収し、再度循環させて用いることができる。
(実施例1)
以下の実施例は図1〜図3に示したプロセスにより晶析操作を行ったものであり、晶析槽30として縦型晶出機(直径400mm×高さ1500mm、スラリー容量140リットル)を、吸収コンデンサー10として水平管式のものを、結晶精製手段50としてピストン方式の結晶洗浄塔を用いた。
パラキシレンを80〜90%含む常温の混合キシレン原料を吸収コンデンサー10に50〜60kg/hrの割合で供給すると共に、圧縮機40により0.2〜0.9MPaGに加圧されたプロパンを接触混合させながら約30℃で吸収させた。得られた吸収液はプロパン濃度10〜50%のプロパンの混合キシレン溶液であり、これを溶解度調整槽20に導き0.1〜0.5MPaGまで減圧した。このとき気化するプロパンの断熱冷却効果により、混合キシレン溶液は−5〜10℃に冷却された。冷却された混合キシレン溶液は大気圧下にて運転される晶析槽30に導かれ、ここでさらにプロパンが気化することによる断熱冷却効果により−15〜−5℃に冷却され、この冷却効果によりパラキシレンの結晶化を図った。
溶解度調整槽20より供給した混合キシレン溶液は、晶析槽フィード60により晶析槽30のドラフトチューブ31内部に導かれ、プロパンガスの気化は主にドラフトチューブ31の内部において発生し、晶析槽30内のパラキシレン結晶を含むスラリーはドラフトチューブ31内部においては上昇流、外部においては下降流となっていることが晶析槽30付属のサイトグラス32より確認された。
得られたパラキシレン結晶スラリーをサンプリングノズル73より採取し、パラキシレン結晶の粒径を測定したところ、図8(写真)に示されるとおり100〜500μmの充分に大きなパラキシレン結晶が得られていることが確認された。
得られた結晶をピストン式の結晶洗浄塔50に供給し、固液分離およびパラキシレン結晶の精製を行ったところ、濾液2中のパラキシレン濃度は70〜85%であり、得られた結晶融液3中のパラキシレン濃度は99.7%以上であることが確認された。
図19に示すプロパン−ベンゼン−シクロヘキサン系の共晶組成における固液平衡図から判るように、高純度シクロヘキサンは晶析による分離精製によって得ることができる。
図19からは、シクロヘキサンとベンゼンの2成分系の固液平衡線が求まる。シクロヘキサンリッチの混合原料を冷却し、シクロヘキサンを晶出する場合、左側の固液線にぶつかり晶出を開始する。プロパン断熱冷却法では、供給液とプロパンを混合し、放圧して冷却を開始すると、プロパンを添加した3成分系の固液平衡線(図19中の破線で示される線。プロパンのモル分率が0.3の場合に、プロパンを除いた他成分(ベンゼン及びシクロヘキサン)のモル分率の合計が1になるよう表示している)にぶつかり、それに沿って共晶点近くまで冷却するとシクロヘキサンの結晶が晶出し、この結晶を母液と分離する。そして、シクロヘキサンの結晶と分離された母液の脱プロパンを行い、原料と混合しフィードバックさせる。このプロパン断熱冷却法の晶析操作では、放圧操作時に供給液内にてプロパンが気体となるため、上記に示した気体による撹拌操作が可能となる。
本発明による断熱冷却を実施した場合、結晶径及び結晶純度ともに一般的に行われる間接冷却法により生成した結晶と比較して、同等以上の結晶径(100μm以上)及び結晶純度の結晶が得られた。
間接冷却により得たパラキシレン結晶と本発明に従う断熱冷却により得たパラキシレン結晶とについて、結晶の沈降性を調べることにより結晶粒径に相違があるか検討した。
試験は、図6に示すように、メスシリンダーに結晶スラリーを投入し、結晶ベッドの界面位置の経時的変化を測定した。結果を図7に示す。その結果によれば、断熱冷却による場合には、結晶の沈降速度が速く、その速い原因は断熱冷却による結晶の粒径が、間接冷却による結晶の粒径より大きいからである。
Claims (8)
- 晶析対象物の溶液を晶析槽内に導くとともに、前記溶液に予め気体を溶解せしめ、前記晶析槽内への前記溶液の供給の際にその溶解度を低下せしめて、溶存気体の気化を図り、前記晶析槽内においてその気体の上昇による前記溶液の対流を生じさせ、その溶液の対流により、前記溶液及び前記晶析槽内の滞留溶液と結晶の撹拌を行うことを特徴とするガスリフト式晶析方法。
- 前記晶析槽内を断熱及び減圧状態とすることによって前記溶液中の前記溶存気体を気化させ、その生じた気体によって前記撹拌を行い、かつ、前記気化によって前記晶析槽内の前記溶液の断熱冷却を図る請求項1記載のガスリフト式晶析方法。
- 気体を加圧手段により加圧し、前記気体を前記溶液に溶解せしめ、前記晶析槽内へ前記溶液を供給するとともに、前記晶析槽で発生した気体を前記加圧手段により加圧する循環経路を構成した請求項2記載のガスリフト式晶析方法。
- 晶析対象物がパラキシレンを含む混合キシレンであり、これからパラキシレンの結晶を得る請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスリフト式晶析方法。
- 晶析対象物がシクロヘキサンを含む混合ヘキサンであり、これからシクロヘキサンの結晶を得る請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスリフト式晶析方法。
- 晶析対象物の溶液に気体を溶存させる溶存手段と、晶析槽内に設けた仕切あるいはドラフトチューブと、前記仕切あるいはドラフトチューブの下部領域における横断面の一部に、予め気体を溶存させた前記溶液を供給する手段と、この供給した前記溶液から溶存気体を気体として発生させる手段とを有し、
前記発生した気体は前記仕切あるいはドラフトチューブに沿って上昇するようにしたことを特徴とするガスリフト式結晶装置。 - 前記溶液を前記晶析槽内に供給する前段に、前記溶存気体の溶解度を調整する溶解度調整槽を有する請求項6記載のガスリフト式結晶装置。
- 前記気体を加圧して前記溶液に溶解させる溶解手段と、前記晶析槽で発生した気体を前記溶解手段に送る循環経路を構成した請求項7記載のガスリフト式晶析装置。
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