JP5415332B2 - 立型給水加熱器のメンテナンス方法 - Google Patents
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Description
本発明は、火力発電所又は原子力発電所等のプラントシステムにおいて用いられる立型給水加熱器のメンテナンス方法に関するものである。
給水加熱器は、ボイラ又は原子炉への給水を蒸気タービンからの抽気により加熱を行うものであり、重さが数10トン、長さが10メートル以上にもなる略円筒形状の大型構造物である。給水加熱器の内部には、給水が流れるチューブ(伝熱管)が配設されており、給水は、蒸気タービンからの高温の抽気とチューブを介して熱交換を行うことで加熱される。そして、給水加熱器は一定の運転期間が経過するとメンテナンスが施され、内部からチューブが取り出される。
この給水加熱器には、横置きタイプの横型給水加熱器と、立て置きタイプの立型給水加熱器とがあり、いずれのタイプも、「鏡板」と呼ばれる円筒形圧力容器端部を溶接部の溶断により除去した後、この容器の内部から軸方向へ向けてチューブを取り出すようにする。
したがって、横型給水加熱器の場合はチューブ取り出し方向が水平方向になるため(例えば特許文献1参照)、設置状態での占有面積は大きくなるものの、チューブ取り出し作業が容易になるという利点がある。このような理由により、現状では国内で採用されている大半の給水加熱器は横型給水加熱器となっている。
一方、立型給水加熱器の場合はチューブ取り出し方向が垂直方向になるため、設置状態での占有面積は小さくすることができるが、クレーン等を用いてチューブを天井方向へ引き上げなければならず、チューブ取り出し作業が難しくなると共に、建屋の天井高さを相当程度高くしなければならないという欠点がある。
図6は、立型給水加熱器の設置例を示す説明図であり、(a)は横断面図であって(b)のA−A矢視図、(b)は縦断面図であって(a)のB-B矢視図である。
建屋101は、高さHを有しており、床板102を有している。床板102には開口部103が形成されており、この開口部103を挿通した状態で立型給水加熱器104が配設されている。立型給水加熱器104は、自重が加わるのを避けるためその底面部が床面に接触しないように支持されているが、その支持部材については図示を省略してある。また、床板102のコーナーには、大物搬入・搬出口とも呼ばれる開口部105が形成されている。そして、建屋101の側面部であって開口部105の下方には建屋シャッター106が設けられている。
建屋101の天井付近には天井クレーン装置107が設けられている。この天井クレーン装置107は、ガーダ108と、ガーダ108に移動可能に取り付けられたクラブトロリ109と、クラブトロリ109からワイヤ110を介して垂下されているフック111と、ガーダ108の両サイドに取り付けられ移動路113上を走行可能なサドル112と、から構成されている。フック111は、クラブトロリ109がガーダ108に沿って走行することによってX方向へ移動することができ、また、サドル112が移動路113上を走行することによってガーダ108と共にY方向へ移動することができるようになっている。
次に、従来の立型給水加熱器のメンテナンス方法の手順を図7を参照しつつ説明する。なお、図面スペース上の都合により建屋101の上側部分の図示を省略する。
まず、保守作業員は立型給水加熱器104頂部の鏡板を溶断等により除去した後、内部からチューブ104aを引き出し、これをフック111により立型給水加熱器104本体より上方へ引き上げる(図7(a))。
次いで、チューブ104aを横倒しにした状態で、破線矢印で示すように、床板102上を開口部105へ向けて移動し(台車等の搬送機材も使用することがある)、この開口部105から1階の床部に下降させる(図7(b))。
そして、チューブ104aを建屋シャッター106から建屋101外部に出し(図7(c))、建屋101外部の所定のメンテナンス場所でチューブ104aのメンテナンス作業を行う。
上記のように、立型給水加熱器104のメンテナンスを行うためには、天井クレーン装置107によりチューブ104aを天井方向へ引き上げなければならない。しかし、これに起因して、建屋101の高さHを高くしなければならないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、建屋高さの増大を抑制し立型給水加熱器の内部からチューブを取り出すことができる立型給水加熱器のメンテナンス方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、建屋内に立設された略円筒形状の立型給水加熱器の内部からメンテナンスのためにチューブを取り出す、立型給水加熱器のメンテナンス方法において、前記チューブを内蔵したままの立型給水加熱器を、天井クレーン装置を用いて前記立設位置から吊り上げた後に横倒し状態に姿勢を変え、この横倒し状態で所定のメンテナンス場所まで立型給水加熱器を搬送し、このメンテナンス場所で立型給水加熱器からチューブを取り出す、ことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記立型給水加熱器は、2階又はそれ以上の階床高さの床板に形成された開口部を通常時は中間胴体部が挿通した状態で、且つこの中間胴体部に固着された係止支持部材が床板面に係止した状態で、前記建屋内に立設されている、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記係止支持部材は、中間胴体部外周面上に180°間隔で2個所に固着されており、前記天井クレーン装置で立型給水加熱器を吊り上げた後にこの立型給水加熱器を90°回転させることにより、前記開口部内側に前記係止支持部材を位置させるようにし、その後にこの立型給水加熱器の姿勢を前記横倒し状態に変える、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記立型給水加熱器は、前記係止支持部材と略同じ高さ位置の中間胴体部外周面上に設けられた第1のワイヤ係止部、及び底部付近の胴体部外周面上に設けられた第2のワイヤ係止部を有しており、また、前記天井クレーン装置はメインクレーン及びサブクレーンにより構成されており、前記メインクレーンを前記立型給水加熱器の真上に位置させた状態で、そのワイヤを前記第1のワイヤ係止部に係止させると共に、前記サブクレーンを前記メインクレーンに隣接させた状態で、そのワイヤを前記第2のワイヤ係止部に係止させ、前記立型給水加熱器が次第に傾斜していき、最終的には前記立型給水加熱器の底部側が頂部側と同じ高さになるまで、前記メインクレーン及び前記サブクレーンの双方に吊り上げ動作又は吊り下げ動作を行わせることにより、前記立型給水加熱器の姿勢を横倒し状態に変える、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1、2、4のいずれかに記載の発明において、前記建屋は、横倒しされた前記立型給水加熱器を載置するのに充分なスペースを有する大物搬入・搬出口を有しており、前記立型給水加熱器の立設位置を、この大物搬入・搬出口に隣接する位置とする、ことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記立型給水加熱器の立設位置を、移設可能なリムーバブルハッチを介して前記大物搬入・搬出口に隣接する位置とする、ことを特徴とする
本発明によれば、建屋高さの増大を抑制し立型給水加熱器の内部からチューブを取り出すことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る立型給水加熱器の外観を示す斜視図である。立型給水加熱器1の容器本体は中間胴体部2、頂部3a及び底部3bから形成されている。中間胴体部2には、給水入口4及び給水出口5が設けられており、ボイラ又は原子炉に供給されるべき給水が、中間胴体部2に内蔵されているチューブに給水入口4から導入され、給水出口5から排出されるようになっている。中間胴体部2には、また、抽気入口6及び抽気出口7も設けられており、蒸気タービンから抽出された蒸気が中間胴体部2内部に抽気入口6から導入され、チューブ内を流れる給水を加熱した後、抽気出口7から排出されるようになっている。
中間胴体部2の外周面上であって立型給水加熱器1全体の重心位置よりもやや上方の位置に、2つの係止支持部材8,8が180°間隔で固着されている。この係止支持部材8は、その底面8aが床板に接触して立型給水加熱器1全体の重量を支える部材である。
係止支持部材8,8の中間位置であって、これら係止支持部材8,8と略同じ高さ位置には、2つの第1のワイヤ係止部9,9(片側のみを図示)が180°間隔で中間胴体部2の外周面上に固着されている。また、第1のワイヤ係止部9,9の真下位置であって底部3b付近の位置にも、2つの第2のワイヤ係止部10,10(片側のみを図示)が180°間隔で中間胴体部2の外周面上に固着されている。
図2は、本実施形態に係る立型給水加熱器の設置例を示す説明図であり、(a)は横断面図であって(b)のA−A矢視図、(b)は縦断面図であって(a)のB-B矢視図である。なお、以降の図面においては、図面が煩雑になるのを避けるため、図1に示した各部材のうち必要なものだけを適宜図示することとする。
建屋11は、高さH1が図6(b)に示した従来の建屋101の高さHよりも低くなっており、2階又はそれ以上の階床相当高さに敷設された床板12を有している。床板12には、立型給水加熱器1の直径よりもやや大きな幅を有し、立型給水加熱器1の高さL1よりも短い長さL2を有する細長い開口部13が形成されており、この開口部13の略中央を挿通した状態で立型給水加熱器1が配設されている。立型給水加熱器1の両サイドには、開口部13の大部分を通常時に閉塞するための2枚の閉塞板14が取り付けられており、作業員等がこの開口部13から下方に落下する事故を防止できるようになっている。
立型給水加熱器1は、2つの係止支持部材8,8の各底面8aが床板12の上面に接触することにより、底部3bが床面より上方に位置するように(つまり自重が加わるのを避けるように)支持されている。また、床板12のコーナーには、開口部である大物搬入・搬出口15が形成されている。そして、建屋11の側面部であって大物搬入・搬出口15の下方には建屋シャッター16が設けられている。
建屋11の天井付近には天井クレーン装置17が設けられている。この天井クレーン装置17は、ガーダ18と、ガーダ18に移動可能に取り付けられたメインクレーン19a及びサブクレーン19bとを有している。
メインクレーン19aは、ワイヤ20a、及びこのワイヤ20aの下端に取り付けられたリンク部材21aを有している。このリンク部材21aには、自在に水平面方向へ回転可能な取付部材22aが連結されている。そして、取付部材22aには、立型給水加熱器1の直径と同じ距離だけ離間し、下端に係止リングが形成されている2本のワイヤ23aが取り付けられている。サブクレーン19bもメインクレーン19aと同様に構成されている。
また、ガーダ18の両サイドには移動路25上を走行可能なサドル24が取り付けられている。ワイヤ23a,23bはメインクレーン19a及びサブクレーン19bがガーダ18に沿って走行することによってX方向へ移動することができ、また、サドル24が移動路25上を走行することによってガーダ18と共にY方向へ移動することができるようになっている。なお、クレーン19a,19bは「クラブトロリ」とも呼ばれる。
次に、本実施形態に係る立型給水加熱器のメンテナンス方法の手順を図3及び図4を参照しつつ説明する。
まず、作業員(複数人)は、メインクレーン19aを立型給水加熱器1の真上に位置させ、2本のワイヤ23a下端の係止リングを第1のワイヤ係止部9,9に係止させる。そして、ワイヤ20aの巻上により立型給水加熱器1を立設位置から少しだけ吊り上げ、それまで床板12の上面に接触していた係止支持部材8の底面8aをこの上面から離間させる(図3(a),(b))。
次いで、複数人の作業員は立型給水加熱器1の適当個所を把持し、図3(a)の矢印で示す方向に、立型給水加熱器1を90°だけ回転させる。このとき、リンク部材21aの働きにより、立型給水加熱器1は、取付部材22a及びこれに取り付けられた2本のワイヤ23aと共に円滑に回転する。立型給水加熱器1が90°回転したことにより、それまで開口部13の外側方向に突出した状態になっていた係止支持部材8,8は開口部13の内側に位置するようになる(図3(c),(d))。そして、作業員は、開口部13を覆っていた閉塞板14を除去する。
作業員は、サブクレーン19bのワイヤ23bを開口部13の内側に垂下させ、下端の係止リングを第2のワイヤ係止部10,10に係止させる(図4(a))。そして、ワイヤ20a,20bの各巻上量を調整しながら、立型給水加熱器1の姿勢を傾斜させる(図4(b))。このとき、立型給水加熱器1の第2のワイヤ係止部10付近の右側外周面は開口部13の右側縁部にぶつかりそうになっている。そのため、作業員は、メインクレーン19a及びサブクレーン19bの操作によって、立型給水加熱器1をこの傾斜姿勢に維持したまま矢印Y1方向に水平移動させていき、しばらくして立型給水加熱器1の左側外周面が開口部13の左側縁部にぶつかりそうになったならば、今度は矢印Y2方向に垂直上昇させていくようにする。このように、矢印Y1方向への水平移動、及び矢印Y2方向への垂直上昇が何度か繰り返されることにより、高さL1の立型給水加熱器1は、これよりも短い長さL2の開口部13を上方へくぐり抜けることができる。
立型給水加熱器1が傾斜姿勢のまま開口部13を上方へくぐり抜けたならば、作業員は頂部3aが底部3bと同じ高さになるまでメインクレーン19aのワイヤ20aを吊り下げていき、立型給水加熱器1の姿勢を水平状態つまり横倒し状態にする(図4(c))。
そして、作業員は、立型給水加熱器1をこの横倒し状態で開口部13の位置から大物搬入・搬出口15の位置まで搬送し、次いで大物搬入・搬出口15の下方へ立型給水加熱器1を吊り下ろす(図4(d))。
この後、作業員は建屋シャッター16を開けて立型給水加熱器1を建屋11の外部へ出し、所定のメンテナンス場所まで立型給水加熱器1を横倒し状態で搬送する。そして、このメンテナンス場所において、頂部3aを溶断等により中間胴体部2から切り離し、内部からチューブを引き出してチューブの点検を行う。このメンテナンス場所は、本実施形態では建屋11の外部としているが、必ずしも建屋11の外部である必要はなく、メンテナンスのための充分なスペースが確保されるのであれば建屋11の内部であってもよい。
上述した本実施形態に係る立型給水加熱器のメンテナンス方法の手順によれば、立設位置に設置されているチューブを内蔵したままの立型給水加熱器1を、その場で横倒し状態に姿勢を変え、この横倒し状態で所定のメンテナンス場所まで搬送するようにしているので、建屋11の高さH1(図2(b))を従来の建屋101の高さH(図6(b))よりも低くすることができる。そして、メンテナンス場所においては、横倒し状態の立型給水加熱器1からチューブを取り出せばよいので、立て置き状態のままチューブを取り出していた従来の手法に比べて、そのチューブ取り出し作業を容易に行うことができる。
ここで、本実施形態における立型給水加熱器1の高さL1と、開口部13の長さL2との間の関係について付言しておく。
開口部13の長さL2をどの程度に設定するかは、建屋11の高さH1の低減化、及び作業の効率化に大きな影響を及ぼすことになる。例えば、開口部13の長さL2を立型給水加熱器1の高さL1よりも充分に大きくすれば、立型給水加熱器1を僅かに吊り上げて90°回転させた後、図4(a)における開口部13の左端寄りに位置させ、サブクレーン19bのワイヤ20bを巻き上げて底部3b側を吊り上げれば、図4(c)に示すように、床板12の上方での横倒し状態に直ちに立型給水加熱器1の姿勢を変えることができるので、建屋11の高さH1を最小限にできると共に、作業の効率化を図ることができる。しかし、反面、このように開口部13の長さL1をあまりに長くすることは、立型給水加熱器1の設置面積を実質的に増大させてしまうばかりか、床板12の強度にも影響を及ぼしてしまう虞がある。
一方、開口部13の長さL2をあまりに小さくすると、図4(b)における立型給水加熱器1の傾斜角度をそれほど大きくできないので、建屋11の高さH1の低減化を充分に図ることができないばかりか、矢印Y1方向への水平移動、及び矢印Y2方向への垂直上昇の繰り返し回数を増やさなければならないので作業効率が低下する。
そのため、本実施形態では、開口部13の長さL2を、立型給水加熱器1の高さL1の1/2〜1/3程度に設定することを想定している。
図5は、本発明の他の実施形態に係る立型給水加熱器1の設置例を示す説明図であり、(a)は立型給水加熱器1を大物搬入・搬出口15に隣接して設置した例を示す平面図であり、(b)は立型給水加熱器1を大物搬入・搬出口15からある程度話して設置した例を示す平面図である。
前述したように、開口部13の長さL2を立型給水加熱器1の高さL1よりも充分に大きくすれば、建屋11の高さH1を最小限にできると共に、作業の効率化を図ることができるというメリットが得られる反面、立型給水加熱器1の設置面積を実質的に増大させてしまうばかりか、床板12の強度にも影響を及ぼしてしまうというデメリットを被ることになる。しかし、図5(a),(b)に示す位置に立型給水加熱器1を設置することによって、上記のメリットのみを享受し、デメリットを排除することができる。
図5(a)において、大物搬入・搬出口15の側方に立型給水加熱器1の直径よりもやや大きな辺の四角形形状の開口部25が床板12に形成されており、この開口部25内に立型給水加熱器1が立設されている。そして、大物搬入・搬出口15と開口部25との境界に柵部材26が設けられている。
図5(a)におけるメンテナンスの際の手順につき説明すると、作業員は、まず柵部材26を除去し、メインクレーン19aのワイヤ23aだけを第1のワイヤ係止部9,9に係止させ、立型給水加熱器1を当初の立設位置から少しだけ吊り上げた後に、立型給水加熱器1を大物搬入・搬出口15内に移動させる。そして、図3(c),(d)において説明したように、立型給水加熱器1を90°回転させる。この90°の回転は係止支持部材8,8の位置を変えるためではなく、2本のワイヤ23b,23bを吊り上げ可能な方向に向けるためである。
この後、サブクレーン19bのワイヤ23bを第2のワイヤ係止部10,10に係止させ、メインクレーン19a側では吊り下げを行うと共に、サブクレーン19b側では吊り上げを行う。これにより、当初は垂直姿勢だった立型給水加熱器1を次第に傾斜させることができ、最終的には横倒しの状態にすることができる。この場合、大物搬入・搬出口15は充分広いスペースを有しているので、図4(b)に示したような、矢印Y1方向への水平移動、及び矢印Y2方向への垂直上昇を複数回繰り返す必要はない。
この後、作業員は、横倒し状態の立型給水加熱器1を床面まで吊り下ろし、建屋シャッター16から立型給水加熱器1を外部へ出し、所定のメンテナンス場所まで立型給水加熱器1を搬送する。
このように、図5(a)に示すように、立型給水加熱器1を大物搬入・搬出口15に隣接して設置することにより、立型給水加熱器1の設置面積を実質的に増大させることなく、且つ、床板12の強度に影響を及ぼすことなく、建屋11の高さH1を最小限にできると共に、作業の効率化を図ることができるという効果を得ることができる。
また、図5(b)においては、大物搬入・搬出口15の側方に、リムーバブルハッチ27を介して、立型給水加熱器1が開口部25内に立設されている。このリムーバブルハッチ27は容易に別の場所に移設可能なものである。
したがって、メンテナンスを実施する際には、このリムーバブルハッチ27を除去すれば、図5(a)で説明したのとほぼ同様の手順により、立型給水加熱器1を大物搬入・搬出口15の内側に移動させた後、容易にこの立型給水加熱器1を横倒し状態にすることができる。
立型給水加熱器1の立設位置の選定にあたっては、種々の理由により、大物搬入・搬出口15からある程度離れた位置に立型給水加熱器1を設置する必要が生じ、リムーバブルハッチ27を用いる場合があるが、そのような場合にも、立型給水加熱器1を大物搬入・搬出口15に隣接して設置した構成とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、これまでに説明した各実施形態では、建屋11内に立設された立型給水加熱器1が1台のみの場合を示したが、勿論、実際には複数台の立型給水加熱器1が建屋11内に立設されることもある。
1:立型給水加熱器
2:中間胴体部
3a:頂部
3b:底部
4:給水入口
5:給水出口
6:抽気入口
7:抽気出口
8:係止支持部材
9:第1のワイヤ係止部
10:第2のワイヤ係止部
11:建屋
12:床板
13:開口部
14:閉塞板
15:大物搬入・搬出口
16:建屋シャッター
17:天井クレーン装置
18:ガーダ
19a:メインクレーン
19b:サブクレーン
20a,20b:ワイヤ
21a,21b:リンク部材
22a,22b:取付部材
23a,23b:ワイヤ
24:サドル
25:移動路
26:開口部
27:柵部材
28:リムーバブルハッチ
H1:建屋の高さ
L1:立型給水加熱器の高さ
L2:開口部の長さ
101:建屋
102:床板
103:開口部
104:立型給水加熱器
104a:チューブ
105:開口部(大物搬入・搬出口)
106:建屋シャッター
107:天井クレーン装置
108:ガーダ
109:クラブトロリ
110:ワイヤ
111:フック
112:サドル
113:移動路
H:建屋の高さ
2:中間胴体部
3a:頂部
3b:底部
4:給水入口
5:給水出口
6:抽気入口
7:抽気出口
8:係止支持部材
9:第1のワイヤ係止部
10:第2のワイヤ係止部
11:建屋
12:床板
13:開口部
14:閉塞板
15:大物搬入・搬出口
16:建屋シャッター
17:天井クレーン装置
18:ガーダ
19a:メインクレーン
19b:サブクレーン
20a,20b:ワイヤ
21a,21b:リンク部材
22a,22b:取付部材
23a,23b:ワイヤ
24:サドル
25:移動路
26:開口部
27:柵部材
28:リムーバブルハッチ
H1:建屋の高さ
L1:立型給水加熱器の高さ
L2:開口部の長さ
101:建屋
102:床板
103:開口部
104:立型給水加熱器
104a:チューブ
105:開口部(大物搬入・搬出口)
106:建屋シャッター
107:天井クレーン装置
108:ガーダ
109:クラブトロリ
110:ワイヤ
111:フック
112:サドル
113:移動路
H:建屋の高さ
Claims (6)
- 建屋内に立設された略円筒形状の立型給水加熱器の内部からメンテナンスのためにチューブを取り出す、立型給水加熱器のメンテナンス方法において、
前記チューブを内蔵したままの立型給水加熱器を、天井クレーン装置を用いて前記立設位置から吊り上げた後に横倒し状態に姿勢を変え、この横倒し状態で所定のメンテナンス場所まで立型給水加熱器を搬送し、このメンテナンス場所で立型給水加熱器からチューブを取り出す、
ことを特徴とする立型給水加熱器のメンテナンス方法。 - 前記立型給水加熱器は、2階又はそれ以上の階床高さの床板に形成された開口部を通常時は中間胴体部が挿通した状態で、且つこの中間胴体部に固着された係止支持部材が床板面に係止した状態で、前記建屋内に立設されている、
ことを特徴とする請求項1記載の立型給水加熱器のメンテナンス方法。 - 前記係止支持部材は、中間胴体部外周面上に180°間隔で2個所に固着されており、
前記天井クレーン装置で立型給水加熱器を吊り上げた後にこの立型給水加熱器を90°回転させることにより、前記開口部内側に前記係止支持部材を位置させるようにし、その後にこの立型給水加熱器の姿勢を前記横倒し状態に変える、
ことを特徴とする請求項2記載の立型給水加熱器のメンテナンス方法。 - 前記立型給水加熱器は、前記係止支持部材と略同じ高さ位置の中間胴体部外周面上に設けられた第1のワイヤ係止部、及び底部付近の胴体部外周面上に設けられた第2のワイヤ係止部を有しており、また、前記天井クレーン装置はメインクレーン及びサブクレーンにより構成されており、
前記メインクレーンを前記立型給水加熱器の真上に位置させた状態で、そのワイヤを前記第1のワイヤ係止部に係止させると共に、前記サブクレーンを前記メインクレーンに隣接させた状態で、そのワイヤを前記第2のワイヤ係止部に係止させ、
前記立型給水加熱器が次第に傾斜していき、最終的には前記立型給水加熱器の底部側が頂部側と同じ高さになるまで、前記メインクレーン及び前記サブクレーンの双方に吊り上げ動作又は吊り下げ動作を行わせることにより、前記立型給水加熱器の姿勢を横倒し状態に変える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の立型給水加熱器のメンテナンス方法。 - 前記建屋は、横倒しされた前記立型給水加熱器を載置するのに充分なスペースを有する大物搬入・搬出口を有しており、前記立型給水加熱器の立設位置を、この大物搬入・搬出口に隣接する位置とする、
ことを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の立型給水加熱器のメンテナンス方法。 - 前記立型給水加熱器の立設位置を、移設可能なリムーバブルハッチを介して前記大物搬入・搬出口に隣接する位置とする、
ことを特徴とする請求項5記載の立型給水加熱器のメンテナンス方法。
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