以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のナビゲーション装置の構成例を示すシステム構成図である。
このナビゲーション装置100(経路情報表示装置に相当)は、CPU1、VICS(登録商標)受信部2、記憶部3、GPSユニット4、スピーカ5、及びディスプレイ6を有している。
CPU1は、所定のプログラムの動作によって各種の演算を行うとともに、他の各部との間で情報の交換や各種の制御指示を出力することで、ナビゲーション装置100全体を制御する機能を有する。
VICS(登録商標)受信部2は、VICS(登録商標)センター51から出力されるVICS(登録商標)渋滞情報(Vehicle Information and Communication System渋滞情報)を、FM放送局52から送信するFM放送波を用いて、電波ビーコン53、及び光ビーコン54を介して受信する機能を有する。
記憶部3は、ROM3a、RAM3b及び記憶媒体3cを有する。ROM3aは、後述する各種の処理プログラムやその他必要な情報が予め書き込まれた情報記憶媒体である。RAM3bは、上記各種のプログラムを実行する上で必要な情報の書き込み及び読み出しが行われる情報記憶媒体である。記憶媒体3cは、例えばフラッシュメモリ、ハードディスクなどの情報記憶媒体である。この記憶媒体3cは、後述するように出発日時区分に対応付けて通常経路情報を不揮発的に記憶する機能を有する。
GPSユニット4は、GPSセンサ(特に図示せず)を利用して車両の現在地の測位を行うとともに、予め記憶している地図情報に基づいて所定の経路探索や経路誘導を行うナビゲーション装置100の主要機能を有する。
スピーカ5は、CPU1の制御によって車両の内部に音を出力する機能を有する。ディスプレイ6は、CPU1の制御によって、例えば上記地図データに基づく地図画像を表示させたり、その他各種情報を表示させる機能を有する。
図2は、図1に示すナビゲーション装置100において動作する交通障害表示プログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
交通障害表示プログラム(経路情報表示プログラムに相当)は、その機能として渋滞情報受信部11、経路探索部12、誘導部13、差分算出部14、制御部15、及び所要時間算出部16を有し、後述する各機能をナビゲーション装置において発揮させる。
渋滞情報受信部11は渋滞情報取得手段に相当し、上記VICS(登録商標)受信部2によりVICS(登録商標)渋滞情報を取得する。なお、本実施形態の例では渋滞情報を取得する手段としてVICS(登録商標)システムを利用しているが、これに限らずに同等の渋滞情報を取得可能な他のシステムを利用してもよい。
経路探索部12は、現在地から目的地までの経路を探索する機能を有する。このとき、制御部15の制御によって、単純に経路を探索する場合と、渋滞情報受信部11が取得したVICS(登録商標)渋滞情報に基づいて渋滞を回避可能な経路を探索する場合の両方を区別して行うことができる。そして、後述するように探索した経路の情報のいずれかを後述する通常経路情報として通常経路情報PDに適宜記録する。
誘導部13は、地図データMDに基づく地図上に、自車の現在地から目的地までの誘導経路を表示させつつ誘導する。このとき、自車が誘導経路上に沿って右折又は左折すべき交差点の付近に到達した際には、右左折の指示などの誘導案内をスピーカ5による音声又はディスプレイ6での表示により出力する。
所要時間算出部16は、通常経路情報PDから取得された通常経路を走行するために必要な所要時間(第3所要時間)を算出する。
差分算出部14は、上記所要時間算出部16で算出された、通常経路を走行するために必要な所要時間と、経路探索部12がVICS(登録商標)渋滞情報に基づいて渋滞を回避するように探索した経路を走行するために必要な所要時間(後述する第2所要時間)との、差分を算出する。
制御部15は、上述した渋滞情報受信部11、経路探索部12、誘導部13、差分算出部14、及び所要時間算出部16の各部との間で各種情報の送受と指示命令の出力を行い、交通障害表示プログラム全体の処理を制御する。
図3は、過去の車両走行履歴に基づく通常経路情報を記録管理する通常経路情報テーブルの構成例を示す図である。この通常経路情報テーブルは記憶媒体3cに記録管理される情報である。
この図3に示す例の通常経路情報テーブルにおいては、自車の電装電源投入時つまりアクセサリー起動時(以下適宜、ACC ONという)を出発時とみなしてその時間区分である出発日時区分の項目(図中最も左端の項目)が設けられている。この例では5分間隔の区分とし、平日と休日の区別まで記録される。
そして、各出発日時区分に対応して、走行回数、目的地、経由地、所要時間(第1所要時間に相当)、及び走行距離が通常経路情報として記録されている。
「走行回数」の項目は、対応する通常経路をそれまでに自車が走行した回数を示している。「所要時間」の項目は、対応する通常経路を走行したときの実際の所要時間(実測時間)を示している。「走行距離」の項目は、対応する通常経路を走行したときの走行距離を示している。
なお、上述のように出発日時区分を区別して通常経路情報を記録するのは、以下の理由による。すなわち、市街地における時間通行規制や、スクールゾーンなどの影響によって走行時刻が少し前後することで経路が大きく変更する可能性があったり、また同じ経路でも走行時刻によって所要時間が大きく相異(特に朝夕の通勤ラッシュ時間帯など)する場合があるためである。また、平日と休日とでは目的地が異なることが考えられるため、通常経路情報が区別されている。また、途中での寄り道などにより同じ出発日時区分でも一度でも異なる目的地・走行経路が設定された場合でも、それに対応する通常経路情報が追加記録される(上記図3中の上から3つ目の例)。また、同じ出発日時区分でも走行回数が最も多い通常経路が優先的に取得される。
なお、出発地は常に同じ地点を想定しており、また図示の便宜上、図3中には経由地は1項目しか示していないが、実際の経路情報としては多数の経由地を記録してもよい。
以上の基本構成及び動作において、本実施形態の要部は、ユーザが車両に乗り込んで利用開始する場合に、日常利用の目的地に対し渋滞予測を加味した探索が自動的に行われるとともに、その探索ルートの走行所要時間に基づき交通障害(アクシデント)の発生報知が行われることにある。以下、その詳細を順次説明する。
ユーザが、出発地で自車のACC ONを行うと、前述の図3の通常経路情報テーブルが参照され、そのときの日時区分に対応した通常経路情報のうち、走行回数が最も多い通常経路情報が取得される。例えばACC ONした日時が平日の8:07である場合には、図3の上から2段目の、目的地aaa及び経由地bbbを含む通常経路情報が取得される。
図4(a)及び図4(b)は、上記の例の通常経路情報が取得されたときの、前述のVICS(登録商標)渋滞情報を加味した経路探索部12による自動探索の内容を説明する図である。上記の例では目的地aaaを含む通常経路情報が取得されており、この場合、同一の目的地aaaへの最短経路の探索が自動的に実行される。
図4(a)は、VICS(登録商標)渋滞情報により上記aaaまでの通常経路上には渋滞が予測されなかった場合に探索される探索経路を示している。この場合は、通常経路上に渋滞の発生が予測されないため、探索経路は、上記通常経路情報テーブルから取得した通常経路と一致する。この結果、この探索経路を走行した場合に予測される所要時間(第2所要時間)は、上記通常経路情報テーブルの通常経路情報に含まれる実績としての所要時間(第1所要時間)とほとんど変わらず、これらの偏差(差分)は小さい。この場合、ナビゲーション装置100は、上記出発時において、探索経路(通常経路と同一経路)のみを表示する。この結果、車両は当該通常経路を走行開始する。走行終了後には、その走行実績に対応して、上記通常経路情報テーブルにおいて、当該通常経路情報における走行回数が1増加される。
なお、通常経路情報は、上記のような手法による自動蓄積以外に、一般的なナビゲーション走行によっても上記通常経路情報テーブルに蓄積される。すなわち、ユーザの操作に基づき経路を探索して表示誘導し、実際に車両が目的地まで走行完了したときに、当該誘導に係る上記目的地、経由地、所要時間、走行距離等が実績値として記録される。
一方、図4(b)は、VICS(登録商標)渋滞情報により上記aaaまでの通常経路上に事故等の交通障害による渋滞が予測されたため、経由地cccを迂回するように探索された探索経路を示している。この場合、仮に上記渋滞が発生している通常経路上を走行した場合に予測される所要時間(第3所要時間)は、通常経路情報テーブルの通常経路情報に含まれる実績としての所要時間(第1所要時間)よりも、当然長くなる。したがって、迂回路としての上記探索経路を走行した場合に予測される所要時間(第2所要時間)は、上記渋滞が発生した通常経路の所要時間(第3所要時間)よりは短くなる。この場合、ナビゲーション装置100は、上記出発時において、上記それら第2所要時間と第3所要時間との偏差(差分)の大小に応じて、探索経路(通常経路とは異なる迂回した経路)の経由地cccや所要時間を表示する。その際、上記通常経路上における事故等の交通障害の発生を明確にするために、それら経由地情報や所要時間情報をそれ以外の周囲の情報より強調して表示する(後述の図6参照)とともに、対応する上記通常経路情報テーブルからの通常経路情報(実績値)も併せて表示する(後述の図6参照)。さらに、当該交通障害の発生箇所を地図表示する(後述の図6参照)。
図5は、以上説明したような内容を実行するための交通障害表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。この交通障害表示処理は、上記交通障害表示プログラムがCPU1の制御によって動作することにより実現される手順を含んでいる。なお、このフローは、既に述べたように、自車のACC ON時、もしくは自車の出発時とみなせる時点で、特にユーザがナビゲーション装置100に対して特別な操作を行わずとも自動的に実行を開始する。
この図5において、ステップS5では、渋滞情報受信部11の処理によってVICS(登録商標)受信部2を介して渋滞情報を取得する。
その後、ステップS10で、上記図3の通常経路情報テーブルを参照して、その時点の出発日時区分に対応する、通常経路情報があるかどうかを判定する。そのような通常経路情報があった場合は判定が満たされ、ステップS15で、当該出発日時区分に対応する、最も走行回数の多い通常経路情報における目的地を取得する。
そして、ステップS17に移り、ステップS15で目的地を取得した通常経路情報における当該出発日時区分に対応する経由地、所要時間、走行距離を取得する。その後、後述のステップS25に移る。
一方、ステップS10で、その時点の出発日時区分で出発することがそれまでになく該当する通常経路情報が記録されていなかった場合は、ステップS10の判定が満たされず、ステップS20に移る。ステップS20では、目的地の手動操作入力を表すフラグF(予め0に初期設定されている)を1とし、ステップS22に移る。
ステップS22では、目的地の操作入力設定をユーザに要求し、ユーザが設定した目的地を取得する。なお、上記ステップS15、ステップS17、ステップS22が取得工程に相当するとともに、取得手段にも相当している。その後、ステップS25へ移る。
ステップS25では、上記ステップS5で取得した渋滞情報を参照して、上記ステップS15で取得された目的地(又はステップS22で入力設定された目的地)までの最短の所要時間で到達できる経路を探索し、その探索経路を取得する。なお、この渋滞情報に基づく経路探索処理は、公知の渋滞回避のための経路探索手法によって行われるものであり、ここでの詳細な説明は省略する。
その後、ステップS30へ移り、F=1であるか否かを判定する。上述のようにユーザにより目的地が操作入力されている場合にはステップS20でF=1とされていることから判定が満たされ、後述のステップS55Aへ移る。上述のステップS15において通常経路情報から目的地が取得されている場合にはF=0のままであり判定が満たされず、ステップS35へ移る。
ステップS35では、上記ステップS5で取得した渋滞情報を参照して、この時点で、上記ステップS15で取得された目的地まで上記ステップS17で取得された経由地を介して走行するときに要する所要時間を予測し算出する。なお、このステップS35が、所要時間取得工程に相当するとともに、所要時間取得手段にも相当している。なお、この渋滞情報に基づく所要時間算出処理は、渋滞を考慮した公知の経路探索手法に沿って行われるものであり、ここでの詳細な説明は省略する。
ステップS40では、差分算出部14の処理により、上記ステップS35で算出した通常経路走行時の所要時間と、上記ステップS25で取得した探索経路を走行したときの所要時間との間の差分を算出する。
その後、ステップS45へ移り、上記ステップS40で算出した差分が所定値以上であるか否か、つまり通常経路走行時所要時間と探索経路走行時所要時間とが、大きく相異する否かを判定する。差分が所定値以上である場合は判定が満たされ、すなわち渋滞情報に基づいて当該経路上に何らかの交通障害が発生しているとみなされ、ステップS50へ移る。
ステップS50では、ディスプレイ6に対し、ステップS25で探索した探索経路情報を、ステップS15及びステップS17で取得した通常経路情報と比較して表示する。これにより、通常経路上に何らかの交通障害が発生していることを報知する(表示態様の詳細については後述の図6参照)。このとき、スピーカ5から表示音を発音させてユーザの注意を促すようにしてもよい。そしてこのフローを終了する。
一方、上記ステップS30においてF=1であり判定が満たされた場合、ステップS55Aで、ディスプレイ6に対し、ステップS25で探索した探索経路情報を表示する。この場合、目的地は操作者により操作入力されていることから、上記ステップS22で入力された目的地へ向かう探索経路情報が、その時点の出発日時区分に対応する適切な経路情報として初めて表示される。
そして、ステップS70に移り、ディスプレイに表示されている探索経路が、その時点の出発日時区分に対応して初めて探索された経路であることから、上記図3の通常経路情報テーブルに、その時点の出発日時区分に対応する新たな通常経路情報として追加記録する。そしてこのフローを終了する。
一方、上記ステップS45において、上記ステップS40で算出した差分が所定値未満であった場合は、判定が満たされず、経路上に交通障害は発生していないとみなされ、ステップS55Bへ移る。ステップS55Bでは、上記ステップS55Aと同様、ディスプレイ6に対し、ステップS25で探索した探索経路情報を表示する。この場合、上記のように通常経路走行時所要時間と探索経路走行時所要時間とがあまり相異せず、実際にはステップS25で探索された探索経路は、ステップS15及びステップS17で取得された通常経路とほぼ同一である。したがってこの場合、探索経路は、上記通常経路とほぼ同一の経路として表示される。なお、上記ステップS50及び上記ステップS55Bが、表示工程に相当している。
そして、ステップS65に移り、ディスプレイ6に表示している探索経路がその時点の出発日時区分に対応する通常経路とほぼ同一であるとみなして、上記図3の通常経路情報テーブルにおけるその時点の出発日時区分に対応する走行回数の値を1増加して更新する。そしてこのフローを終了する。
図6は、上記図5のフローにおけるステップS50の手順でのディスプレイ6の表示態様の一例を示す図である。
図示する例において、ディスプレイ6上には、左側に、通常経路情報21及び探索経路情報31が表示されている(ディスプレイ6が表示手段に相当している)。また、右側に、渋滞の原因となっている原因事象が発生している周辺地域の地図画像Mと、当該原因事象を説明するテキスト情報41(欄外記事)とが表示されている。
通常経路情報21は、上から順に、2つの経由地情報22,23、走行距離情報24、所要時間情報26、及び高速料金情報27の情報項目を表示している。経由地情報22,23、走行距離情報24、及び所要時間情報26は、前述したように図3に示したテーブルから取得した内容をそのまま表示しており、ユーザに対して通常経路の概略的な経路構成を示している。高速料金情報27は、当該通常経路を走行する際に必要な高速道路の料金を示している。
探索経路情報31は、上から順に、2つの経由地情報32,33、走行距離情報34、所要時間情報35、及び高速料金情報36の情報項目を表示している。経由地情報32,33と走行距離情報34は、探索経路を探索した際に検出・算出されたものを表示し、ユーザに対して探索経路の概略的な経路構成を示している。所要時間情報35は、上記の探索結果に基づき、その時点から出発して当該探索経路を走行し目的地まで到達するまでの所要時間を示している。高速料金情報36は、探索経路上を走行する際に必要な高速道路の料金を示している。
このとき、図5のフローのステップS45の判定が満たされた(すなわち、ステップS40で算出した探索経路走行時所要時間と通常経路走行時所要時間とに大きな差があった)ことに対応して、経由地情報33の1つ「経由地1」や所要時間情報35は、通常経路との差異を特に強調して示す情報項目として、周囲よりも強調した表示態様(図示する例では枠線を太くしている)で表示される。なお、上記の探索経路走行時所要時間と通常経路走行時所要時間との差の値に応じて(言い換えれば重大な交通障害であるか、軽度の交通障害であるかに応じて)、例えば図7に示すように、経由地情報33のみを強調表示するようにしてもよい。あるいは、所要時間情報35のみを強調表示することも考えられる。
図6に戻り、ディスプレイ右側の地図画像Mには、渋滞発生の原因(図示する例では地下鉄工事)となっている地点にマーカー61を表示し、それに関するテキスト情報41として規制内容42、規制詳細43、原因事象44、及び原因詳細45の情報項目を表示している。これは、VICS(登録商標)渋滞情報により取得した内容に基づき表示を行う。
以上のように、通常経路情報21、探索経路情報31、及びテキスト情報41をディスプレイ6上に表示することにより、ユーザは、通常経路上における交通障害の発生とその詳細を把握することができる。
図8は、上記図5のフローにおけるステップS55Bの手順でのディスプレイ6の表示態様の一例を示す図である。
図示する例において、ディスプレイ6上には、左側に、探索経路情報21及び探索経路情報31が表示されている。また、右側に、探索経路情報21に対応した地図画像Mo(車両の位置を表すマーカーを含む。詳細図示を省略)が表示されている。
探索経路情報41は、上から順に、2つの経由地情報42,43、走行距離情報44、現時点での所要時間情報45、及び高速料金情報47の情報項目を表示している。経由地情報42,43及び走行距離情報44は、前述した図6及び図7の経由地情報32,33、走行距離情報34に対応しており、探索経路を探索した際に検出・算出されたものを表示している。所要時間情報45は、図6及び図7の所要時間情報35に対応しており、上記の探索結果に基づき、その時点から出発して当該探索経路を走行し目的地まで到達するまでの所要時間を示している。高速料金情報47は、図6及び図7の高速料金情報37に対応しており、当該探索経路上を走行する際に必要な高速道路の料金を示している。
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、過去の車両走行履歴における目的地と当該目的地までに通過した第1経由地と当該目的地に到達するまでの第1所要時間とを含む第1通常経路情報を、車両の出発時の条件(以下、出発時条件と称する)に対応付けて記憶した記憶媒体3cと、車両の出発時にその時の前記出発時条件に対応する前記第1通常経路情報を前記記憶媒体3cから取得するステップS15、ステップS17の手順と、車両の出発時に渋滞情報を取得する渋滞情報受信部11と、前記渋滞情報受信部11が取得した前記渋滞情報を考慮した場合に、前記ステップS15、ステップS17の手順が取得した前記第1通常経路情報に含まれる前記目的地まで、最短の第2所要時間で到達できる、第2経由地経由の経路を探索するステップS25の手順と、前記渋滞情報受信部11が取得した前記渋滞情報を考慮した場合に、前記ステップS15、ステップS17の手順が取得した前記第1通常経路情報が示す通常経路を走行して前記目的地へ到達するまでの、第3所要時間を算出するステップS35の手順と、前記ステップS25の手順での探索に基づく前記第2所要時間と、前記ステップS35の手順が算出した前記第3所要時間との間の差分を算出する差分算出部14と、前記差分算出部14が算出した前記差分が所定のしきい値以上の場合に、前記第1通常経路情報が示す通常経路上への交通障害の発生を報知するステップS50の手順と、を有する。
上記実施形態のナビゲーション装置100で実行する交通障害報知方法においては、過去の車両走行履歴における目的地と当該目的地までに通過した第1経由地と当該目的地に到達するまでの第1所要時間とを含む第1通常経路情報を、車両の出発時の条件(以下、出発時条件と称する)に対応付けて記憶した記憶媒体3cから、前記車両の出発時にその時の前記出発時条件に対応する前記第1通常経路情報を取得するステップS15、ステップS17の手順と、車両の出発時に渋滞情報を取得するステップS5の手順と、前記ステップS5にて取得された前記渋滞情報を考慮した場合に、前記ステップS15、ステップS17の手順にて取得された前記第1通常経路情報に含まれる前記目的地まで、最短の第2所要時間で到達できる、第2経由地経由の経路を探索するステップS25の手順と、前記ステップS5の手順で取得された前記渋滞情報を考慮した場合に、前記ステップS15、ステップS17の手順にて取得された前記第1通常経路情報が示す通常経路を走行して前記目的地へ到達するまでの、第3所要時間を算出するステップS35の手順と、前記ステップS25の手順での探索に基づく前記第2所要時間と、前記ステップS35の手順にて算出された前記第3所要時間との間の差分を算出するステップS40の手順と、前記ステップS40の手順で算出された前記差分が所定のしきい値以上の場合に、前記第1通常経路情報が示す通常経路上への交通障害の発生を報知するステップS50の手順と、を有する。
このようにすると、ユーザがナビゲーション装置100に対して何ら操作せずとも、車両の出発時には渋滞情報と、その時の出発時の条件に対応する通常経路情報を自動的に取得することができるため、通常経路情報に基づいてユーザがその時点に出発して向かおうとする目的地とそれまでの通常経路を推定できるとともに、渋滞情報に基づいて当該通常経路上における渋滞発生の検知とその表示まで自動的に行うことができるようになる。これにより、ユーザは、車両に乗り込んだ後、ナビゲーション装置100を手動操作しなくても、直ちに、走行する通常経路上での交通障害の発生を認識することができる。この結果、余裕をもって運転することができる。
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上記した構成に加えてさらに、前記ステップS25の手順による前記経路の探索結果を表示する手段を有し、前記ステップS50の手順は、前記交通障害の発生として、ステップS25の手順で表示した探索結果のうち、経由地情報33を強調表示することにより、前記交通障害の発生を報知する。
このようにすると、探索経路情報の表示において異なる経由地の経路が探索されたことを明確化することができる。また、通常経路とは異なった経由地、言い換えれば迂回された経路が探索されたことを明らかにすることで、何らかの交通障害が発生したことを確実にユーザに認識させることができる。
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上記した構成に加えてさらに、前記ステップS50の手順は、前記交通障害の発生として、前記ステップS25の手順が表示した探索結果のうち、さらに前記所要時間情報35(第2所要時間に相当)を強調表示することにより、前記交通障害の発生を報知する。
このようにすると、探索経路情報の表示において、経由地のみならず、所要時間も通常経路から変化したことを明確化することができる。また、経由地のみならず所要時間の変化も明らかにすることで、何らかの交通障害が発生したことをさらに確実にユーザに認識させることができる。
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上記した構成に加えてさらに、前記ステップS50の手順は、前記ステップS15、ステップS17の手順で取得した前記第1通常経路情報のうち、少なくとも、経由地情報22,23及び通常時所要時間情報26(第1所要時間に相当)を表示する。
このようにすると、ユーザが出発地と、上記通常経路の経由地や所要時間を基準として、上記探索経路情報31がどれだけ迂回し、どれだけ遅延するかを把握することができる。
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上記した構成に加えてさらに、前記ステップS50の手順は、前記渋滞情報受信部11が取得した前記テキスト情報41の原因事象44をテキスト表示する。
このようにすると、ユーザは、渋滞の原因となった交通障害の内容やその詳細を確認することができ、探索経路を採用するか否かの判断を助ける。
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記ステップS50の手順は、前記テキスト情報41の原因事象44の発生箇所を地図上にて地図画像Mとして表示する。
このようにすると、ユーザは、渋滞の原因となった交通障害の発生箇所を地図上で確認することができる。また、ユーザが車両に乗り込みACC ONを行ったとき、特に何ら操作していないのに地図画像Mが表示されることで、これから行こうとするいつもの目的地までの間に交通障害が発生したことをユーザは直感的に認識することができる。さらに、ナビゲーション装置100を操作したときに通常まず表示される地図画像(例えば出発地付近の地図画像)とは別の場所である地図画像Mが表示されることで、これによっても上記交通障害の発生をユーザは直感的に認識することができる。
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記出発時条件は、出発時刻、平日か休日かの区別、及び走行回数の少なくとも一つである。
このようにすると、特に朝有の通勤ラッシュや時間通行規制などの影響を考慮した適切な経路探索及びその所要時間の算出が可能となる。
なお、上記においては、図5のフローにおいて、ステップS35で渋滞を考慮し算出した通常経路走行時の所要時間と、ステップS25で探索した経路を走行した時の所要時間との間の差分が大きいか小さいかを基準とし、それらの差分が比較的大きいときに、探索経路情報と通常経路情報と比較して表示した。しかしながら、そのような差分の大小を基準とするのではなく、通常経路と探索経路との同一性を基準としてもよい。すなわち、ステップS15及びステップS17で取得した通常経路情報に含まれる経路と、ステップS25で探索された、最短の所要時間で到達できる経路とが同一であるかに応じ、少なくとも一部が異なる場合に、探索経路情報と通常経路情報と比較して表示してもよい。
図9はそのような変形例における表示処理手順の一例を表すフローチャートであり、上記図5に対応する図である。図9のフローでは、図5におけるステップS35、ステップS40、ステップS45に代えて新たにステップS32が設けられている。
図9において、上記と同様のステップS30でF=1であるか否かを判定し、判定が満たされなかった場合は、新たに設けたステップS32へ移る。
ステップS32では、ステップS15及びステップS17で取得された通常経路情報に含まれる通常経路と、ステップS25で最短の所要時間であるとして取得された探索経路とが、全く同一経路であるかどうかを判定する。少なくとも一部が異なっていた場合にはステップS32の判定が満たされず、上記同様のステップS50に移り、ディスプレイ6に対し、ステップS25で探索した探索経路情報を、ステップS15及びステップS17で取得した通常経路情報と比較して表示する。その際は、図10に示すように、探索経路情報31に含まれる経由地情報32,33、走行距離情報34、所要時間情報35、及び高速料金情報36の各情報項目のうち、通常経路情報21と異なるものについて周囲よりも強調した表示態様(図示する例では枠線を太くしている)で表示するようにしてもよい。その後、このフローを終了する。
一方、上記ステップS32において、通常経路と探索経路とが全く同一経路であった場合には判定が満たされ、上記同様のステップS55Bに移り、ステップS25で探索した探索経路情報を表示する。その場合、図11に示すように、探索経路情報41に含まれる経由地情報42,43、走行距離情報44、所要時間情報45、及び高速料金情報47の各情報項目のうち、所要時間情報45について周囲よりも強調した表示態様(図示する例では枠線を太くしている)で表示するようにしてもよい。その後のステップS65については図5と同様であるので説明を省略する。
この変形例のナビゲーション装置100(経路情報表示装置に相当)においては、車両の出発時に、少なくとも当該出発時の日時と現在位置とに基づいて、過去に走行した経路、当該走行した日時ならびに当該経路における目的地に到達するまでの実所要時間を含む走行履歴情報から通常経路情報を取得するステップS15、ステップS17の手順と、車両の出発時に、前記ステップS15及びステップS17で示される経路を走行した場合にその走行の障害となる交通障害情報を取得する渋滞情報受信部11と、前記交通障害情報を考慮した場合に、前記通常経路情報で示される経路における目的地に到達するまでの所要時間が最短となる探索経路を探索するステップS25の手順と、前記探索経路の少なくとも一部が前記通常経路情報で示される経路と異なる場合、前記探索経路ならびに当該探索経路における所要時間を含む探索経路情報31と前記通常経路情報21とを対比可能となるように表示するとともに、当該探索経路情報31と当該通常経路情報21とで異なる内容の経由地情報33、走行距離情報34、所要時間情報35、及び高速料金情報36を強調して表示するステップS50、ステップS55Bの手順とを備える。
上記実施形態のナビゲーション装置100で実行する経路情報表示方法においては、車両の出発時に、少なくとも当該出発時の日時と現在位置とに基づいて、過去に走行した経路、当該走行した日時ならびに当該経路における目的地に到達するまでの実所要時間を含む走行履歴情報から通常経路情報を取得するステップS15、ステップS17の手順と、車両の出発時に、前記ステップS15及びステップS17で示される経路を走行した場合にその走行の障害となる交通障害情報を取得するステップS5の手順と、前記交通障害情報を考慮した場合に、前記通常経路情報で示される経路における目的地に到達するまでの所要時間が最短となる探索経路を探索するステップS25の手順と、前記探索経路の少なくとも一部が前記通常経路情報で示される経路と異なる場合、前記探索経路ならびに当該探索経路における所要時間を含む探索経路情報31と前記通常経路情報21とを対比可能となるように表示するとともに、当該探索経路情報31と当該通常経路情報21とで異なる内容の経由地情報33、走行距離情報34、所要時間情報35、及び高速料金情報36を強調して表示するステップS50、ステップS55Bの手順とを備える。
このようにすると、過去の走行履歴に基づくユーザの認識に近い感覚で、渋滞を加味しない通常経路の所要時間情報26と、交通障害の発生により現時点で比較しなければならなくなった経路の所要時間情報35とを対比して表示することができる。
また、この変形例のナビゲーション装置100においては、前記ステップS55Bの手順は、前記探索経路と前記第2通常経路情報で示される経路とが同じである場合には、前記探索経路情報41のみを表示するとともに、当該表示された探索経路情報41の所要時間情報45を当該探索経路情報41における他の情報と比して強調して表示することを特徴とする。
これにより、ユーザに対し、交通障害が発生しているものの、いつもと同じ経路を運転すればいつもと同じくらいの所要時間で到着できることを確実に伝達でき、ユーザに安心感を与えることができる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。