JP5413713B2 - 液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に関し、詳細にはインクなどの微小液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの製造方法に関する。
インクなどの微小液滴を吐出する液滴吐出ヘッドにおいて、特許文献1に開示されているように、振動板は駆動素子の圧力を利用して液室を加圧する部品であり、駆動素子と当接する凸部を複数有している。この凸部は、形成すべき位置の周りにあるフレーム層に溝を加工することで形成され、その加工精度は吐出圧力に大きく影響を与えるため、高精度であることが求められる。ここでは凸部を形成するための溝の下にあるダイアフラム層をDP部と呼び、溝の幅すなわちDP部の幅をDP幅と呼ぶ。また、振動板は、流路板やノズル板といった他の部品との位置決めを行うためのアライメント穴を持っている。このアライメント穴は、フレーム層及びダイアフラム層をともに貫通する貫通穴である。一般に、アライメント方法としては、カメラを用いて光学的に位置合わせする方法もあるが、ピンなどに順次部品を差し込んで位置合わせ/接合するピンアライメントの方が作業効率の面で有利である。その場合、アライメント穴径は高精度である必要がある。
したがって、凸部及びアライメント穴の加工では、バリなどがなく、高精度な加工が必要であり、コストを考慮して両者同時に形成したい。これを満たす加工方法として、ウェットエッチングが良い。
特開2000−334955号公報
しかし、両者の形状・サイズは異なり、マスクの開口寸法が異なるため、エッチングの最適条件が異なる。その結果、エッチング液の進入具合に差が生じ、どちらかの最適条件でウェットエッチングすると、もう一方では所望の寸法を得られない、あるいは加工精度が悪くなるといった課題が生じる。また、両者は精度が高いことが要求されることから、量産時の検査項目の1つとなるが、生産効率の悪化とコスト増加という課題も生じる。
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、両者のマスク開口幅を一致させることで、エッチング液の進入具合を同じとすることができ、両者の最適条件は一致し、どちらも高精度で所望の寸法が得られる液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記問題点を解決するために、ダイアフラム層とフレーム層とから構成され、フレーム層からなる複数の凸部と、フレーム層及びダイアフラム層を共に貫通するアライメント穴とが形成された振動板を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、フレーム層のアライメント穴を形成するためのマスクパターンは、凸部を形成するためのマスクパターンの開口幅と等しい開口幅を持ったリング状パターンである。本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法では、凸部を形成するためにフレーム層に形成される溝とフレーム層のアライメント穴はウェットエッチングによって同時に形成され、その後にダイアフラム層のアライメント穴をウェットエッチング又はレーザ加工によって形成する。これにより、低コストとなる。
更に、フレーム層のアライメント穴の内壁テーパ角度は、凸部の側壁のテーパ角度と等しい。凸部及びアライメント穴は精度が高いことが要求され、量産時の検査項目となるが検査による生産効率の悪化とコスト増加という課題が生じるが、テーパ角度を両者で揃えておけば、どちらか一方を検査すればよいことになり、生産効率とコストの面で有利である。
また、ダイアフラム層のアライメント穴は、フレーム層の貫通穴よりも大きいことにより、ピンアライメントにおいてダイアフラム層ではなく、剛性の高いフレーム層のアライメント穴とピンとを勘合させることで、より高精度な位置決めができる。
更に、フレーム層は、ステンレス、銅、あるいはシリコンである。よって、フレーム層の材料をエッチング性の良いものとすることで、凸の加工精度が高くなる。
また、ダイアフラム層は、ポリイミドもしくはポリフェニレンサルファイドである。よって、ダイアフラム層の材料を柔軟なものとすることで、吐出圧力が向上する。
更に、別の発明としての液滴吐出ヘッドは、上記の液滴吐出ヘッドの製造方法で製造されたことに特徴がある。よって、高性能でかつ低コストの液滴吐出ヘッドを提供できる。
また、別の発明としての画像形成装置は、上記の液滴吐出ヘッドを有するので、高画質記録を行うことができる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法において、フレーム層のアライメント穴を形成するためのマスクパターンは、凸部を形成するためのマスクパターンの開口幅と等しい開口幅を持ったリング状パターンである。そして、凸部を形成するためにフレーム層に形成される溝とフレーム層のアライメント穴はウェットエッチングによって同時に形成され、その後にダイアフラム層のアライメント穴をウェットエッチング又はレーザ加工によって形成する。これにより、低コストとなる。
図1は本発明の一実施の形態に係る画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの構成を示す部分断面図である。図1の(a)は液滴吐出ヘッドの液室長手方向に沿う部分断面図、図1の(b)は液滴吐出ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の部分断面図である。
この液滴吐出ヘッド100は、流路板101と、この流路板101の下面に接合した振動板102と、流路板101の上面に接合したノズルプレート103とを接合して積層し、これらによって液滴(液滴)を吐出するノズル104が連通する流路であるノズル連通路105及び液室106、液室106に液を供給するための共通液室107に連通する液供給口108などを形成している。流路板101、振動板102、ノズル板103は、それぞれ位置決め孔を持っており、これらに接着剤を塗布したのちに同一の位置決めピンに挿入することで位置決め・接合される。
また、振動板102を変形させて液室106内の液を加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図1の(a)では1列のみ図示している)の積層型圧電素子109と、この圧電素子109を接合固定するベース基板110とを備えている。なお、圧電素子109の間には支柱部(図示せず)を設けている。この支柱部は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子109と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
以下、構成部品についてそれぞれ概要を説明する。
ノズルプレート103は各液室106に対応して直径10〜30μmのノズル104を形成し、流路板101に接着剤を用いて接合している。このノズルプレート103は、金属材あるいは樹脂材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。なお、このノズルプレート103の表面がノズル面となる。また、ノズルプレート103が樹脂材からなる場合、レーザを用いて形成することもできる。レーザ加工には大別して2つのタイプがあり、本発明ではいずれのタイプも用いることができる。1つは、レーザを光学系で絞り込みオリフィスプレート上に焦点を当てて1孔1孔穿孔するタイプである。もう1つはマスクを使用して多くのノズル穴を一度に形成するタイプである。前者は1点ずつ穿孔箇所を移動する際に時間がかかるため、後者の方が加工効率、つまり生産コストに優れている。後者はさらに2つのタイプに分けることができる。1つはマスクをオリフィスプレートに密着させるタイプであり、もう1つはマスクとオリフィスプレートの間にレンズを介在させるタイプ(以下レンズ介在型と称す)である。
前者の密着型はマスクとオリフィスプレートの密着度によって光の干渉度合いが変わってしまう。密着度が1つのオリフィスプレート上でばらつく場合、穿孔されるノズルの形状、大きさがばらつくことになり、ひいてはインク吐出量のばらつきにつながってしまう。その点、後者のレンズ介在型はマスクの密着度に依存することなく、均一なノズル穿孔ができる点で最も優れた方式である。
レーザの光源としていくつかあるが、エキシマレーザであることが好ましい。YAGレーザでは穴が開くもののエッジ面が荒れ、また赤外線であるCOレーザでは穴の周囲にクレータを生じるという欠点を有しており、これらのレーザ加工はいわゆるレーザ熱加工であって、光エネルギーを熱エネルギーに変換することにより加工を行うため、加工形状を崩しやすく微細な加工を行うことは困難である。これに対し、エキシマレーザによるレーザブレーション加工は、炭素原子の共有結合を切断する光化学反応によって昇華エッチングを行うものであるため、加工形状を崩しにくく、非常に高精度の加工が行えるものである。ここで、レーザブレーション加工方法とは、液相状態を介することなくレーザにより昇華加工を行う方法を意味するものである。
そして、流路板101は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路105、液室106となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス材や感光性樹脂などを用いることもできる。ステンレスの場合、プレス加工によって量産性の良い加工が可能である。
また、振動板102は、駆動素子109によって変形するダイアフラム層102aと、フレーム層102bからなる積層材料である。ダイアフラム層102aの材料としては、ポリイミドやポリフェニレンサルファイドなどの柔軟な樹脂材料が好ましい。ダイアフラム層が柔軟であれば、駆動素子による変形量が大きくなり、吐出圧力が向上する。フレーム層102bの材料としては、ステンレスやシリコンが考えられる。本発明における振動板102の詳細な説明は後述する。
更に、圧電素子109は、圧電材料と内部電極とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子109の交互に異なる端面に引き出された各内部電極には個別電極及び共通電極が接続されている。なお、この実施の形態では、圧電素子109の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室106内液を加圧する構成としているが、圧電素子109の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室106内液を加圧する構成とすることもできる。また、1つのベース基板110に1列の圧電素子109が設けられる構造とすることもできる。また、圧電素子109には駆動回路(駆動IC)を搭載したFPCケーブル111を接続している。
また、フレーム部材112は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。このフレーム部材112には、圧電素子109及びベース基板110などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部が、また共通液室107となる凹部が、更にはこの共通液室107に外部から液を供給するための液供給穴113がそれぞれ形成されている。
このような構成を有する液滴吐出ヘッド100においては、例えば圧電素子109に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子109が収縮し、振動板102が下降して液室106の容積が膨張することで、液室106内に液が流入し、その後圧電素子109に印加する電圧を上げて圧電素子109を積層方向に伸長させ、振動板102をノズル104方向に変形させて液室106の容積/体積を収縮させることにより、液室106内の記録液が加圧され、ノズル104から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子109に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室108から液室106内に記録液が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
図2は本発明の一実施の形態に係る画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドにおける振動板の構成を示す断面図である。図2の(a)は振動板を圧電素子側から見た断面図であり、図2の(b)は図2の(a)におけるA−A’線断面図である。前述したように、振動板102には、ピンアライメントのためのアライメント穴102−1及び102−2、及び液滴を吐出するノズル数に対応した複数の凸部102−3が設けられている。アライメント穴102−1及び102−2は、ダイアフラム層102aとフレーム層102bをともに貫通した穴である。凸部102−3は、フレーム層102bに溝102−4を長円状に加工することで、浮島状に形成するものである。なお、本発明では、溝102−4の下にあるダイアフラム層102aをDP部102−5と称す。また、アライメント穴102−1の径をアライメント穴径φD、溝102−4の幅すなわちDP部102−5の幅をDP幅dと称することとする。
前述したように、凸部102−3の加工精度、すなわちDP幅dの加工精度は、吐出圧力に大きく影響を与えるため、高精度であることが求められ、また作業効率の面で有利であるピンアライメントを用いる場合、アライメント穴径Dも高精度である必要がある。これらを加工する方法としては、高精度であり、かつコストを考慮して両者同時に形成したいことから、ウェットエッチングが適している。
ここで、アライメント穴102−1及び102−2と凸部102−3をウェットエッチングで形成する従来の製造工程を図3に示す。
はじめに、図3の(a)に示すようなダイアフラム層102aとフレーム層102bからなる積層材料である振動板102に対して、図3の(b)に示すようにフレーム層102b上にマスク層102cを形成する。次に、アライメント穴102−1(102−2)とDP部102−5に対応する部分をパターニングする。このとき、図3に示される領域をレジスト側から見ると図4のようになる。アライメント穴102−1のパターンがφDの円で、DP部102−5のパターンは開口幅がDP幅dに等しい長円状リングである。次に、図3の(c)に示すように、ウェットエッチングによって、アライメント穴102−1とDP部102−5に対応するフレーム層102bを除去する。同時に、パターニングされたマスク層102dを形成する。最後に、図3の(d)に示すように、アライメント穴102−1に残ったダイアフラム層102aをフレーム層102bと同様にウェットエッチングにて除去する。通常、ピンアライメントするためのピン径は1mm程度である。これは、アセンブリの際に、他部品との接着・加圧に耐える強度を確保するためである。したがって、アライメント穴径φDは、ピン径1mmより数μm大きい。
一方で、DP部の幅dは0.025mm〜0.035μm程度の値を取る。現状、圧電素子121を機械加工により分割した場合、その加工ピッチは、300dpiすなわち0.08465mmがおよそ限界である。また、CH同士の相互干渉を抑えるために、圧電素子間に非駆動の支柱部123を設ける手法が用いられるため、実際の駆動素子は150dpiすなわち0.1693mmピッチとなり、これが液室106のピッチと等しい。ここで、液室106は、シリコンエッチングあるいは金属板材料のプレス加工等にて加工されるが、加工精度により、液室106の幅は0.13mm程度の値となる。また、液室106と凸部102−3との接合ずれや接着剤はみ出しを考慮して片側0.01mmのマージンを取るため、振動板の凸部及びDP部の幅寸法は、合わせて0.11mm程度に収める必要がある。前述したように、凸部102−3の幅は、吐出圧力すなわち液室106内の圧力に大きく影響するが、所望の吐出圧力を得るためには、凸幅を0.04mm〜0.05mm程度にしなくてはならず、結局DP幅dは0.025mm〜0.035μm程度の値となる。
また、形状的にも、アライメント穴102−1は円穴、アライメント穴102−2は長穴であり、DP部は長円状リングである。そして、アライメント穴102−1の径φDとDP部102−5の幅dとは、必要とされる加工寸法が大きく異なる。つまり、マスクパターンの開口幅及び形状が大きく異なる。
この違いにより、両者を同じウェットエッチング条件にて形成しようとした場合、マスクの開口部からフレーム層102bへと進入するエッチング液の量に差が生じる。つまり、どちらか一方の最適条件でウェットエッチングしても、もう一方では所望の寸法を得られない、あるいは加工精度が悪くなるといった問題が生じる。
例えば、これまでの実験において、アライメント穴102−1の径Dを1mm、DP部102−5の幅dを0.025mmとした場合、前者は±0.0035mmで仕上がるのに対し、後者は±0.014mmと、加工精度に大きな差がでることが確認できている。
図5は本発明の一実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す工程断面図である。同図に示す本実施の形態の液滴吐出ヘッドの製造工程によれば、プロセスそのものは図3に示す従来の製造工程と同じであるが、レジスト側から見た平面図である図6に示すように、フレーム層102bのアライメント穴102−1及び102−2のマスクパターンがリング状であり、その開口幅はDP幅dに等しい。このようにすることで、アライメント穴102−1及び102−2もDP部102−5も、同じ幅を持つ溝形状とすることができるため、マスクの開口部からフレーム層102bへと進入するエッチング液の量を同じとすることができる。結果として、両者の最適条件は一致し、どちらも高精度で所望の寸法が得られる。
例えば、実験において、アライメント穴102−1の径Dを1mm、DP部102−5の幅dを0.035mmとして加工した場合、両者ともに同じ精度(±0.0035mm程度)で仕上がっていることが確認できている。ただし、前述したDP部102−5の幅dを0.025mmに比べて精度そのものが上がっているのは、DP部102−5の幅dが大きくなったことにより、エッチング液がより安定して進入したことによるものである。また、ウェットエッチングでは、等方的な加工であるために側壁がテーパ状となる。
図7の(a)はフレーム層102aがSUSである振動板の凸部102−3のSEM写真図である。凸部102−3の側壁がテーパであることがわかる。より正確には、R(アール)形状となっている。一般に、テーパ角度は、エッチング条件、フレーム層102bの厚さ、マスクパターンの開口幅などによって決まるが、マスクパターンの開口幅のみについて言及すれば、広いほど角度が大きく、狭いほど角度が小さい。したがって、図3に示した従来の製造方法によれば、開口幅の広いアライメント穴102−1に示すテーパ角度θ(図7の(b)参照)は、開口幅の狭いDP部102−5のテーパ角度θ’(図7の(c)参照)よりも大きくなる。実際に、これまでの実験においても、SUSからなるフレーム層102bの厚さが0.04mm程度、アライメント穴102−1のマスクパターン開口幅がφ1mm、DP幅が0.03mmであるときに、それぞれのテーパ角度θ及びθ’は、両者で約10°異なる。
本発明によれば、アライメント穴102−1とDP部102−5のマスクパターンの開口幅が等しいため、両者のテーパ角度θ及びθ’は図5に示すように等しくなる。
一般に、凸部及びアライメント穴は精度が高いことが要求され、量産時の検査項目となるが、検査による生産効率の悪化とコスト増加という課題が生じる。本発明の製造方法のように、テーパ角度を両者で揃えておけば、どちらか一方を検査すればよいことになり、生産効率とコストの面で有利である。
なお、アライメント穴102−1、102−2には、フレーム層102bのウェットエッチング後に、浮島状にフレーム層102bが残るが、次工程にてダイアフラム層102aをウェットエッチングする際に一緒に除去される。このとき、フレーム層102bのアライメント穴102−1、102−2よりも大きめにダイアフラム層102aをウェットエッチングすることで、ピンと当接するのは常にフレーム層102bとなる。結果として、ダイアフラム層102aをピンと当接させる場合に比べて、穴の変形を抑えることができるために、より高精度な位置決め精度を確保できる。穴の変形は、流路板などの他の部品と接合加圧する場合に、治具の平面度等によりズレ方向の力が加わることで生じる。
次に、本発明に係る液滴吐出ヘッドの製造方法で製造した液滴吐出ヘッドを備えた別の発明に係る画像形成装置の一例について図8及び図9を参照して説明する。なお、図8は別の発明の一実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す側面図、図9は別の発明の一実施の形態に係る画像形成装置の要部構成を示す平面図である。
本実施の形態の画像形成装置200は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド201とガイドレール202とでキャリッジ203を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ204でタイミングベルト205を介して図9で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。このキャリッジ203には、例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の液滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド206を複数の液体吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。なお、記録ヘッド206を構成する液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータを用いたものを使用している。
また、キャリッジ203には、記録ヘッド206に各色の液体を供給するための各色のサブタンク207を搭載している。このサブタンク207には図示しない液体供給チューブを介してメインタンクである本発明のインクカートリッジから液体が補充供給される。この実施の形態では、サブタンク207と記録ヘッド206で液滴吐出装置を構成しているが、記録ヘッド206を上記発明に係る製造方法で製造した液滴吐出ヘッドで構成し、別途にサブタンク207を設ける構成とすることもできるし、あるいはサブタンクを用いないでインクカートリッジを搭載する構成とすることもできる。
一方、給紙カセット208などの用紙積載部(圧板)209上に積載した用紙210を給紙するための給紙部として、用紙積載部209から用紙210を1枚ずつ分離給送する半月コロである給紙ローラ211及び当該給紙ローラ211に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド212を備え、この分離パッド212は給紙ローラ211側に付勢されている。
そして、このような給紙部から給紙された用紙210を記録ヘッド206の下方側で搬送するための搬送部として、用紙210を静電吸着して搬送するための搬送ベルト213と、給紙部からガイド214を介して送られる用紙210を搬送ベルト213との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ215と、略鉛直上方に送られる用紙210を略90°方向転換させて搬送ベルト213上に倣わせるための搬送ガイド216と、押さえ部材217で搬送ベルト213側に付勢された先端加圧コロ218とを備えている。また、搬送ベルト213の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ219を備えている。
ここで、搬送ベルト213は、無端状ベルトであり、搬送ローラ220とテンションローラ221との間に掛け渡されて、副走査モ−タ222からタイミングベルト223及びタイミングローラ224を介して搬送ローラ220が回転されることで、図8のベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト213の裏面側には記録ヘッド206による画像形成領域に対応してガイド部材225を配置している。
また、図8に示すように、搬送ローラ220の軸には、スリット円板225を取り付け、このスリット円板225のスリットを検知するための図9のセンサ226を設けて、これらのスリット円板225及びセンサ226によってエンコーダ227を構成している。更に、帯電ローラ219は、搬送ベルト213の表層に接触し、搬送ベルト213の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。また、キャリッジ203の前方側には、図9に示すように、スリットを形成したエンコーダスケール228を設け、キャリッジ203の前面側にはエンコーダスケール228のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ229を設け、これらによって、キャリッジ203の主走査方向位置(ホーム位置に対する位置)を検知するためのエンコーダ230を構成している。
更に、記録ヘッド206で記録された用紙210を排紙するための排紙部として、搬送ベルト213から用紙210を分離するための分離部と、排紙ローラ231及び排紙コロ232と、排紙される用紙210をストックする排紙トレイ233とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット234が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット234は搬送ベルト213の逆方向回転で戻される用紙210を取り込んで反転させて再度カウンタローラ215と搬送ベルト213との間に給紙する。
このような構成を有する本発明の画像形成装置200においては、給紙部から用紙210が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙210はガイド214で案内され、搬送ベルト213とカウンタローラ215との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド216で案内されて先端加圧コロ218で搬送ベルト213に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ219に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト213が交番する帯電電圧パターン、すなわち周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト213上に用紙210が給送されると、用紙210が搬送ベルト213に静電力で吸着され、搬送ベルト213の周回移動によって用紙210が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ203を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド206を駆動することにより、停止している用紙210に液滴を吐出して1行分を記録し、用紙210を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙210の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙210を排紙トレイ233に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト213を逆回転させることで、記録済みの用紙210を両面給紙ユニット234内に送り込み、用紙210を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ215と搬送ベルト213との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル213上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ233に排紙する。
なお、本発明に係る画像形成装置は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。また、インク以外の液体、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出ヘッドや液滴吐出装置、或いはこれらを備える画像形成装置にも適用することができる。
また、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施の形態に係る画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの構成を示す部分断面図である。 本発明の一実施の形態に係る画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドにおける振動板の構成を示す図である。 従来の液滴吐出ヘッドの製造工程を示す工程断面図である。 図3に示される領域をレジスト側から見た平面図である。 本発明の一実施の形態に係る液滴吐出ヘッドの製造工程を示す工程断面図である。 図5に示される領域をレジスト側から見た平面図である。 フレーム層がSUSである振動板の凸部を示す図である。 別の発明の一実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す側面図である。 別の発明の一実施の形態に係る画像形成装置の要部構成を示す平面図である。
符号の説明
100;液滴吐出ヘッド、102;振動板、
102−1、102−2;アライメント穴、
102−3;凸部、102−4;溝、102−5;DP部、
102a;ダイアフラム層、102b;フレーム層、
200;画像形成装置。

Claims (8)

  1. ダイアフラム層とフレーム層とから構成され、前記フレーム層からなる複数の凸部と、前記フレーム層及び前記ダイアフラム層を共に貫通するアライメント穴とが形成された振動板を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記フレーム層のアライメント穴を形成するためのマスクパターンは、前記凸部を形成するためのマスクパターンの開口幅と等しい開口幅を持ったリング状パターンである液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記凸部を形成するために前記フレーム層に形成される溝と前記フレーム層のアライメント穴は、ウェットエッチングによって同時に形成され、その後に前記ダイアフラム層のアライメント穴をウェットエッチングによって形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  2. ダイアフラム層とフレーム層とから構成され、前記フレーム層からなる複数の凸部と、前記フレーム層及び前記ダイアフラム層を共に貫通するアライメント穴とが形成された振動板を有する液滴吐出ヘッドの製造方法であって、前記フレーム層のアライメント穴を形成するためのマスクパターンは、前記凸部を形成するためのマスクパターンの開口幅と等しい開口幅を持ったリング状パターンである液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記凸部を形成するために前記フレーム層に形成される溝と前記フレーム層のアライメント穴は、ウェットエッチングによって同時に形成され、その後に前記ダイアフラム層のアライメント穴をレーザ加工によって形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記フレーム層のアライメント穴の内壁テーパ角度は、前記凸部の側壁のテーパ角度と等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記ダイアフラム層のアライメント穴は、前記フレーム層の貫通穴よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記フレーム層は、ステンレス、銅、あるいはシリコンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記ダイアフラム層は、ポリイミドもしくはポリフェニレンサルファイドであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドの製造方法で製造されたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  8. 請求項記載の液滴吐出ヘッドを有することを特徴とする画像形成装置。
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