JP2009113396A - 液滴吐出ヘッドとその製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂層と金属層からなる振動板の位置決めピン孔と液供給孔をプレス加工して高精度な位置決めを可能にするとともに、樹脂のカスやバリによるノズルダウンを防ぐ。
【解決手段】液滴吐出ヘッド1の金属層31と樹脂層32が積層された振動板12の位置決めピン孔34を金属層31の方向からプレス加工し、液供給孔35を樹脂層32の方向からプレス加工して、ノズルプレート13と流路板11に対する位置決め精度を向上させるとともに、樹脂のカスやバリが液供給孔から加圧液室内に異物として混入することを防いで、ノズル詰まりを防止して安定して液滴を吐出する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、液滴吐出ヘッドとその製造方法及び液滴吐出ヘッドを使用した画像形成装置、特に液滴吐出ヘッドの振動板と振動板の製造に関するものである。
一般的な画像形成装置以外に液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造装置や、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極製造装置あるいはバイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射等に液滴吐出ヘッドが使用されている。
例えば近年のインクジェット方式の記録装置は、高速化と高画質化が急速に進んでいるが、その対応策として液滴吐出ヘッドの長尺化、フルライン化が検討されている。この長尺の液滴吐出ヘッドを製造するには数多くの技術的課題が存在しており、開発努力が続けられている。その課題の一つとして、アクチュエータのエネルギーを液室内の記録液に伝えるための樹脂層と金属層からなる振動板の位置決めピン孔と液供給孔の加工方法がある。
樹脂層と金属層からなる振動板の貫通孔の加工方法として、特許文献1では、液供給孔の加工を2段階に分け、金属層をエッチングし、金属層のエッチングされた部分の樹脂層をレーザー加工している。また、特許文献2や特許文献3、特許文献4及び特許文献5には、樹脂層と金属層からなる振動板の位置決めピン孔をプレス加工によって形成している。
特開2001−353871号公報 特許第3503661号公報 特許第3371331号公報 特許第3508861号公報 特開2006−255935号公報
特許文献1に示すように、樹脂層と金属層からなる振動板の貫通孔を加工するとき、金属層をエッチングした後、その部分の樹脂層をレーザー加工すると、レーザーによって生じる熱が、樹脂層と金属層の間でこもって樹脂層へ過剰なエネルギーを与えてしまうため、樹脂の焦げカスが生じてしまう。液供給孔は液室に直通しているため、この焦げカスがノズルに入り込み、ノズルを塞ぐ原因になってしまう。
また、特許文献2等に示すように、樹脂層と金属層からなる振動板の位置決めピン孔と液供給孔をプレス加工する場合、樹脂層方向からプレス加工した場合、樹脂のダレが生じることがわかっている。これにより位置決めをピンアライメントで行った場合、ピンと樹脂によって位置決めされるため、剛性が小さく、加圧中に振動板と液室とのずれが生じて吐出効率の低下や吐出特性のばらつきが生じる。また、振動板を金属層方向からプレス加工した場合、樹脂のダレは生じないが、樹脂のカスやバリが生じることがわかっている。これにより液供給孔から樹脂カスやバリが液室内に混入してノズルダウンの原因となる。
この発明は、このような問題を解消し、樹脂層と金属層からなる振動板の位置決めピン孔と液供給孔をプレス加工して高精度な位置決めを可能にするとともに、樹脂のカスやバリによるノズルダウンが生じない液滴吐出ヘッドとその製造方法及び液滴吐出ヘッドを使用した画像形成装置を提供することを目的とする。
この発明の液滴吐出ヘッドは、ノズルを有するノズル板と、前記ノズルに連通する加圧液室の壁面を形成する流路板と、前記加圧液室の少なくとも一壁面を形成し、金属層と該金属層に積層され前記加圧液室側に配置される樹脂層とからなる振動板と、前記振動板の前記加圧液室が形成された側とは反対側に設けられた圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、前記振動板は、金属層と樹脂層からなる基材に機械加工により貫通され、前記加圧液室と連通する液供給孔と、前記ノズル板と流路板に対して位置決めするための位置決め孔とを有し、前記液供給孔は機械加工により生じるバリが金属層方向に形成されており、前記位置決め孔は機械加工により生じるバリが樹脂層方向に形成されていることを特徴とする。
前記液供給孔は、金属層の孔の径が樹脂層の孔の径より大きく、前記位置決め孔は、金属層の孔の径が樹脂層の孔の径より小さく形成されていることを特徴とする。
また、前記金属層の材料は、304系あるいは316系のステンレスであることを特徴とする。
さらに、前記樹脂層の材料は、ポリイミドあるいはポリフェニレンサルファイドであることを特徴とする。
この発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、ノズルに連通する加圧液室の少なくとも一壁面を形成し、金属層と該金属層に積層され前記加圧液室側に配置される樹脂層とからなり、圧力発生手段により変位して前記加圧液室内の液体を加圧する振動板を形成する液滴吐出ヘッドの製造方法において、前記振動板は、金属層と樹脂層からなる基材に機械加工によりバリが樹脂層方向に形成されるように位置決め孔を形成した後に、機械加工によりバリが金属層方向に形成されるように液供給孔を形成することを特徴とする。
前記振動板を形成する基材は、重合させた樹脂材料を金属層の表面に塗工し、熱処理して一体化することを特徴とする。
この発明の画像形成装置は、液滴を液滴吐出ヘッドから吐出して記録媒体に付着させて記録する画像形成装置であって、液滴吐出ヘッドとして前記液滴吐出ヘッドを使用したことを特徴とする。
この発明は、液滴吐出ヘッドの振動板の位置決めピン孔と液供給孔とを、異なる適切な方向から機械加工することにより、ノズルプレートと流路板に対する位置決め精度を向上させるとともに、樹脂のカスやバリが液供給孔から加圧液室内に異物として混入することを防いで、ノズル詰まりを防止して安定して液滴を吐出することができる。
また、振動板を構成する金属層の材料として304系あるいは316系のステンレスを使用することにより、機械加工性が良いので、孔径のばらつきがなく、位置決め精度を確保できる。また、エッチング加工性が良く振動板を精度よく加工することができるとともに耐インク性等を高めることができる。
さらに、振動板を構成する樹脂層の材料としてポリイミドあるいはポリフェニレンサルファイドを使用することにより、延伸性が良いので、位置決め孔における金属層と樹脂層の孔径の大小関係を確保でき、結果として位置決め精度を確保できる。また、振動板の振動の劣化をなくすことができ、吐出効率を向上することができる。
また、位置決め孔を形成した後に液供給孔を形成することにより、液供給孔を加工するときに余分な位置決め孔を設けないで済む。
また、振動板を形成する基材は、重合させた樹脂材料を金属層の表面に塗工し、熱処理して一体化することにより、接着材を使用せずに強固な接合強度を得ることができ、安定した吐出特性を得ることができる。
さらに、位置決めピン孔と液供給孔とを異なる適切な方向から機械加工した振動板を有する液滴吐出ヘッドを使用した画像形成装置は、画像品質に影響を及ぼす吐出滴の吐出特性を長期間安定させて、長期間にわたり記録品質の低下や故障などを防止して、信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
図1は、この発明の画像形成装置における記録ユニットを構成する液滴吐出ヘッド1の構成を示し、(a)は液室長手方向に沿う部分断面図、(b)は液室短手方向(ノズルの並び方向)の部分断面図である。液室吐出ヘッド1は、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板11と、流路板11の下面に接合した例えば金属材料層と樹脂材料層で形成した振動板12と、流路板11の上面に接合したノズルプレート13とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル14が連通する流路であるノズル連通路15と液室16と、液室16にインクを供給するための共通液室17に連通するインク供給口18などを形成している。流路板11と振動板12及びノズルプレート13は、それぞれ位置決め孔を持っており、これらに接着剤を塗布したのちに同一の位置決めピンに挿入することで位置決め接合される。
ここで、流路板11は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることによりノズル連通路15と液室16となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。振動板12は、金属板に樹脂を形成した複合材になっている。
ノズルプレート13は各液室16に対応して直径10〜30μmのノズル14を形成し、流路板11に接着剤接合している。このノズルプレート13は、金属材あるいは樹脂材からなるノズル形成部材の表面に所要の層を介して最表面に撥水層を形成したものである。
振動板12を変形させて液室16内の液を加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての2列(図1(b)では1列のみ図示)の積層型圧電素子19と、この圧電素子19を接合固定するベース基板20とを備えている。なお、圧電素子19の間には支柱部21を設けている。この支柱部21は圧電素子部材を分割加工することで圧電素子19と同時に形成した部分であるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。また、圧電素子19には図示しない駆動回路(駆動IC)を搭載したFPCケーブル22を接続している。
そして、振動板12の周縁部をフレーム部材23に接合し、このフレーム部材23には、圧電素子19及びベース基板20などで構成されるアクチュエータユニットを収納する貫通部24及び共通液室17なる凹部、この共通液室17に外部から液を供給するための液供給孔25を形成している。このフレーム部材23は、例えばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
圧電素子19は、圧電材料26と内部電極27とを交互に積層した積層型圧電素子(ここではPZT)である。この圧電素子19の交互に異なる端面に引き出された各内部電極17には個別電極28及び共通電極29が接続されている。この圧電素子19の圧電方向としてd33方向の変位を用いて液室16内の液を加圧する構成としているが、圧電素子19の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室16内の液を加圧する構成とすることもできる。また、1つの基板20に1列の圧電素子19が設けられる構造とすることもできる。
このように構成した液滴吐出ヘッド1においては、例えば圧電素子19に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子19が収縮し、振動板12が下降して液室16の容積が膨張することにより液室16内に液が流入し、その後、圧電素子19に印加する電圧を上げて圧電素子19を積層方向に伸長させ、振動板12をノズル14方向に変形させて液室16の容積/体積を収縮させることにより、液室16内の記録液が加圧され、ノズル14から記録液の滴が吐出(噴射)される。そして、圧電素子19に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板12が初期位置に復元し、液室16が膨張して負圧が発生して共通液室18から液室16内に記録液が充填される。そこで、ノズル14のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
この液滴吐出ヘッド1に使用している振動板12の構成を図2に示す。振動板12は、金属層31と樹脂層32が積層された構造であり、大きくわけて、ダイアフラム部33と位置決めピン孔34及び液供給孔35の3つの加工がなされる。これらのうちダイアフラム部33以外の金属層31と樹脂層32は貫通した孔となっている。ダイアフラム部33は金属層31のみ貫通孔になっており、樹脂層32には孔がない。位置決めピン孔34の形状は丸穴と長穴とであるが、液供給孔35の形状は、図2(a)に示すように、個々の孔で形成しても、図2(b)に示すように、フレーム部材23からの液を液室16に供給できる形状にできれば、複数のチャンネルで1つの液供給孔35を共用することでプレスショット数を削減することが可能となる。このように複数のチャンネルで1つの液供給孔35を共用すると、送りピッチが細かくプレスショット数が多いい場合、振動板が撓んでしまうことを回避することができる。
ダイアフラム部33には、図2(a)のA−A断面で切断した部分拡大斜視図である図3に示すように、エッチングにより金属層31のみ加工することで形成される凸部33aがあり、前述した圧電素子19と当接している。圧電素子19が凸部33aを押すことにより、液室16内の液が押し出され、ノズル14より吐出される。位置決めピン孔34は、ノズルプレート13および流路板12との位置決めをするための貫通孔である。これらを位置決め接合する際、加圧中にズレが生じないように、剛性が高い孔である必要がある。液供給孔35はフレーム部材23から液室16への連通路となる貫通孔である。したがって、液供給孔35に異物、カスなどが付着している場合にはノズル詰まりが生じる。
位置決めピン孔34や液供給孔35の貫通孔の加工方法として、まず金属層31のみをエッチングした後に樹脂層32をレーザー加工によって除去する方法がある。しかし、この方法ではレーザーの熱が金属層31と樹脂層32の間に溜まり、結果として金属層311へのダメージや樹脂層32の焦げなどが発生する。その結果、位置決めピン孔34のエッジがくずれたり、あるいは樹脂のカスが生じる。
そこで位置決めピン孔34や液供給孔35の貫通孔をプレス加工で形成する。これらの貫通孔を金属層31の方向からプレス加工した場合の金属層31の孔36aと樹脂層32の孔36bの加工形状を図4(a)に示す。実験によって、金属層31の方向からプレス加工した場合、樹脂層32側に向かって金属層31のバリ31aと樹脂層のバリ32aが生じるとともに、金属層31の孔36aよりも樹脂層32の孔36bの方が大きな径になることがわかっている。また、樹脂層32のバリ32aには、多数の樹脂カス32cが生じる。液供給孔35を金属層31の方向からプレス加工した場合、この樹脂カス32cは液とともに液室16内に混入し、この樹脂カス32cによりノズル14が詰まり、結果として液吐出ができなくなってしまう。
次に、位置決めピン孔34や液供給孔35を樹脂層32の方向からプレス加工した場合の金属層31の孔37aと樹脂層32の孔37bの加工形状を図4(b)に示す。実験によって、樹脂層32の方向からプレス加工した場合、金属層31側に向かって金属層31のバリ31bと樹脂層32のダレ32bが生じることにより、金属層31の孔37aよりも樹脂層32の孔37bの方が径が小さくなることがわかっている。このダレ32bは、図示されていないプレス加工工具のダイとパンチとのクリアランスに樹脂層32が引き込まれることによって生じるものである。位置決めピン孔34を樹脂層32の方向からプレス加工した場合、図示されていない位置決めピンは、剛性の低い樹脂層32のダレ32bに当接することになり、加圧接合中に発生するせん断力(チャンネル方向の力)により液室16とのズレが生じる。液室16の位置に対するダイアフラム部33の凸部33aの位置がずれると、液の排除体積が変わり、吐出効率の低下や吐出特性にばらつきが生じてしまう。また、樹脂がピンに付着した場合、他部品への二次付着も生じる。
したがって、位置決めピン孔34と液供給孔35とを同方向からプレス加工した場合、どちらかの孔において不具合が生じることになる。そこで、位置決めピン孔34を、図4(a)に示すように金属層31の方向からプレス加工し、液供給孔35を、図4(b)に示すように樹脂層32の方向からプレス加工することにより前記不具合を防ぐことができる。この位置決めピン孔34と液供給孔35をプレス加工するとき、まず、位置決めピン孔34を先にプレス加工した後、液供給孔35をプレス加工すると、位置決めピン孔34を液供給孔35を加工するときの位置決め孔として使用できるため、余分な位置決め孔を加工する必要がなくなる。
この金属層31の材料としては、ダイアフラム部33の凸部33aのエッチングと、位置決め孔34と液供給孔35のプレス加工精度を確保するため、304系あるいは316系のステンレスを用いることが良い。その理由としては、プレス加工性が良いことにより、金属層31の孔径にばらつきがないことである。金属層31の孔径がばらついて大きくなってしまうと、精密な位置決めができなかったり、樹脂層32の孔よりも大きくなると位置決めピンと樹脂層32が当接してしまう。また、プレス加工時にバリの発生も抑えることができる。すなわち、バリが大きく発生した場合、流路板11との間に隙間が生じてしまい、気泡混入によるノズルダウンが生じる。さらに、例えばインクなどの液を吐出する場合に、耐インク性も持ち合わせているために好ましい。
また、樹脂層32の材料としては、延伸性の高い樹脂であるポリイミドまたはポリフェニレンサルファイドを使用する。この延伸性により、位置決めピン孔34を金属層31の方向からプレスした際に樹脂層32がパンチに引っ張られた状態で破断するため、金属層31の孔よりも樹脂層32の孔の径を大きくすることができる。また、吐出機能に関しても、前述したように、圧電素子19がダイアフラム部33の凸部33aを押すことにより、液室16内の液が押し出され、ノズル14より吐出されるため、樹脂層32が延伸であるほど振動を劣化させずに液を押し出すことができ、吐出効率を向上することができる。また、、他部品との接合工程で熱硬化型接着剤を使用する場合にも、耐熱性を持ち合わせているため好ましい。さらに、ポリイミドやポリフェニレンサルファイドはステンレスと同様に、耐インク性も持ち合わせているため好ましい。
この樹脂層32は、重合させた後に金属層31の表面に塗工し、熱処理することによって形成される。振動板12は、圧電素子19の駆動力をうけるため、金属層31と樹脂層32の接合は強固である必要がある。これらの接合に、例えば接着剤を使用した場合、接着剤は金属層31と樹脂層32の両方に対して強固な接合力を持つ必要があるが、ポリイミドやポリフェニレンサルファイドを金属層31の表面に塗工し、熱処理して樹脂層32を形成することにより、接着剤を使用する必要がないとともに、金属層31と樹脂層32に強固な接合力を持つことができる。
次に前記のように加工して形成した振動板12を使用した液滴吐出ヘッド1を備えた画像形成装置について、図5〜図7の構成図を参照して説明する。図5は画像形成装置を前方側から見た斜視説明図、図6は画像形成装置の機構部の全体構成を示す概略構成図、図7は機構部の要部平面図である。
図5に示すように、画像形成装置は、装置本体100と、装置本体100に装着された記録用紙を装填するための給紙トレイ110と、装置本体100に着脱自在に装着されて画像が記録(形成)された記録用紙を排紙してストックするための排紙トレイ154とを備えている。装置本体100の前面の一端部側(給排紙トレイ部の側方)には、前面から装置本体100の前方側に突き出して、色の異なる液体(インク)、例えば黒(Bk)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インクをそれぞれ収容した複数の液体カートリッジ108k、108c、108m、108yを、装置本体100の前面側から後方側に向って挿入して装填可能としたカートリッジ装填部100aを有し、このカートリッジ装填部100aの上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部109としている。このカートリッジ装填部100aの前面側には、液体カートリッジ10を着脱するときに開くカートリッジカバーを開閉自在に設けている。
この画像形成装置の機構部は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104でタイミングベルト105を介して図7で矢示方向(主走査方向)に移動走査する。キャリッジ103には、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の液滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッド1からなる記録ヘッド106を複数の液吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ103には、記録ヘッド106に各色の液を供給するための各色のサブタンク107を搭載している。このサブタンク107には図示しない液供給チューブを介して液カートリッジ108から液が補充供給される。ここでサブタンク107と記録ヘッド106で液滴吐出装置を構成しているが、サブタンク107を用いないで液カートリッジ108を搭載する構成とすることもできる。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した記録用紙112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から記録用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)113及び給紙ローラ113に対向して摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。そして、この給紙部から給紙された記録用紙112を記録ヘッド106の下方側で搬送するための搬送部として、記録用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる記録用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる記録用紙112を略90度方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された先端加圧コロ125とを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、図7のベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド106による画像形成領域に対応してガイド部材129を配置している。
また、図7に示すように、搬送ローラ127の軸には、スリット円板134を取り付け、このスリット円板134のスリットを検知するセンサ135を設けて、これらのスリット円板134及びセンサ135によってエンコーダ136を構成している。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置され、軸の両端に各2.5Nの加圧力が加えられている。
また、キャリッジ103の前方側には、図6に示すように、スリットを形成したエンコーダスケール142を設け、キャリッジ103の前面側にはエンコーダスケール142のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ143を設け、これらによって、キャリッジ103の主走査方向位置(ホーム位置に対する位置)を検知するためのエンコーダ144を構成している。
さらに、記録ヘッド106で記録された記録用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から記録用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される記録用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、装置本体100の背部部には両面給紙ユニット161が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット161は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される記録用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から記録用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された記録用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、さらに先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90度搬送方向を転換される。このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返す交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に記録用紙112が給送されると、記録用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって記録用紙112が副走査方向に搬送される。そこで、キャリッジ103を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド106を駆動することにより、停止している記録用紙112に液滴を吐出して1行分を記録し、記録用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は記録用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、記録用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの記録用紙112を両面給紙ユニット161内に送り込み、記録用紙112を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述と同様に搬送ベルト121上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ154に排紙する。
この画像形成装置は、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、これらの複合機などにも適用することができる。また、液滴吐出ヘッド1は液以外の液滴、例えばDNA試料やレジスト、パターン材料などを吐出する液滴吐出装置等にも適用することができる。
この発明の液滴吐出ヘッド1の構成を示す部分断面図である。 振動板の構成を示す斜視図である。 振動板のダイアフラム部と位置決めピン孔と液供給孔を示す部分拡大斜視図である。 位置決めピン孔や液供給孔をプレス加工したときの貫通孔の形状を示す断面図である。 この発明の画像形成装置の外観を示す斜視図である。 画像形成装置の機構部を示す概略構成図である。 画像形成装置の機構部を示す腰部平面図である。
符号の説明
1;液室吐出ヘッド、11;流路板、12;振動板、13;ノズルプレート、
14;ノズル、15;ノズル連通路、16;液室、17;共通液室、
18;インク供給口、19;圧電素子、31;金属層、32;樹脂層、
33;ダイアフラム部、34;位置決めピン孔、35;液供給孔、
100;画像形成装置。

Claims (7)

  1. ノズルを有するノズル板と、前記ノズルに連通する加圧液室の壁面を形成する流路板と、前記加圧液室の少なくとも一壁面を形成し、金属層と該金属層に積層され前記加圧液室側に配置される樹脂層とからなる振動板と、前記振動板の前記加圧液室が形成された側とは反対側に設けられた圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記振動板は、金属層と樹脂層からなる基材に機械加工により貫通され、前記加圧液室と連通する液供給孔と、前記ノズル板と流路板に対して位置決めするための位置決め孔とを有し、
    前記液供給孔は機械加工により生じるバリが金属層方向に形成されており、
    前記位置決め孔は機械加工により生じるバリが樹脂層方向に形成されていることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記液供給孔は、金属層の孔の径が樹脂層の孔の径より大きく、前記位置決め孔は、金属層の孔の径が樹脂層の孔の径より小さく形成されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記金属層の材料は、304系あるいは316系のステンレスであることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記樹脂層の材料は、ポリイミドあるいはポリフェニレンサルファイドであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  5. ノズルに連通する加圧液室の少なくとも一壁面を形成し、金属層と該金属層に積層され前記加圧液室側に配置される樹脂層とからなり、圧力発生手段により変位して前記加圧液室内の液体を加圧する振動板を形成する液滴吐出ヘッドの製造方法において、
    前記振動板は、金属層と樹脂層からなる基材に機械加工によりバリが樹脂層方向に形成されるように位置決め孔を形成した後に、機械加工によりバリが金属層方向に形成されるように液供給孔を形成することを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記振動板を形成する基材は、重合させた樹脂材料を金属層の表面に塗工し、熱処理して一体化することを特徴とする請求項5の記載の液滴吐出ヘッドの製造方法。
  7. 液滴を液滴吐出ヘッドから吐出して記録媒体に付着させて記録する画像形成装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドは、請求項1乃至4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
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