以下、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置(画像処理装置の一例)について説明する。
[概要]
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能では、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)などに蓄積する。複写機能では、さらにそれを用紙などに印刷(プリント)する。プリンタとしての機能では、PCなどの外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う。ファクシミリ機能では、外部のファクシミリ装置などからファクシミリデータを受信してそれをHDDなどに蓄積する。データ通信機能では、接続された外部機器との間でデータを送受信する。サーバ機能では、複数のユーザでHDDなどに記憶したデータなどを共有可能にする。
画像形成装置は、ネットワークを介して、サーバ装置に、互いに通信可能に接続されている。画像形成装置は、サーバにアクセスして、種々の機能等をサーバに実行させることができる。
画像形成装置には、動作中のジョブを停止させるために押下操作されるストップキーが設けられている。ストップキーがユーザにより押下されると、印刷動作や読取動作など、用紙の搬送動作を伴うものが一時停止される。また、ストップキーが押下されたとき、一時停止不可能であるジョブが動作中であれば、そのジョブに関する情報が、表示パネル上に、ユーザに向けて表示される。
データの送信などを行うジョブについては、ユーザが目で見てもそのジョブの動作の有無を判断することが困難である場合がある。しかしながら、この画像形成装置では、そのようなジョブであっても、ジョブが一時停止不可能であり、停止されず動作中である場合には、そのジョブに関する情報が他のジョブに優先して表示される。このように、ストップキーが押下された場合に、機械的な動作すなわち停止されたことが目に見える動作が行われているジョブよりも、ファクシミリ送信中のような停止できない状態の動作が行われているジョブが優先して表示される。これにより、ユーザは、ストップキーを押下した場合において、そのような一時停止不可能であるジョブが依然として動作中であることを容易に知ることができる。ユーザは、意図しない動作が行われていることにより早く気付くことができ、対処することができる。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像形成装置を用いた画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、画像形成システム900は、画像形成装置1と、クライアントPC(以下、PCということがある。)401と、サーバ(外部サーバの一例)601とを備える。
画像形成装置1と、サーバ601と、PC401とは、それぞれ、ネットワーク800に接続されている。ネットワーク800は、例えばLAN(Local Area Network)である。画像形成装置1と、サーバ601と、PC401とは、ネットワーク800を介して互いに通信可能である。各装置は、LANケーブルなどを介してネットワーク800に接続されていてもよいし、いわゆる無線LANによりネットワーク800に接続されていてもよい。
[画像形成装置1の構成]
図2は、画像形成装置1を示す斜視図である。
図2に示されるように、画像形成装置1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、操作部(受付手段の一例)11と、制御部20と、プリント部(画像形成部の一例)30と、スキャン部(読取部の一例)40とを備える。制御部20は、後述するように、CPU21(図3に示す。)などを有し、画像形成装置1の動作を制御する。制御部20及びプリント部30は、画像形成装置1の筐体の内部に配置されている。
画像形成装置1は、3つの給紙カセット3(給紙カセット3a,3b,3c)を有している。それぞれの給紙カセット3には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット3は、画像形成装置1の下部に、画像形成装置1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、プリント部30に送られる。なお、給紙カセット3の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
排紙トレイ5は、画像形成装置1の筐体のうちプリント部30が収納されている部位の上方でスキャン部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、プリント部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
操作部11は、画像形成装置1の上部前面(図2において正面)側に配置されている。操作部11には、ユーザにより押下操作可能な複数の操作キー11aが配置されている。操作部11には、操作キー11aの1つであるストップキー11bが配置されている。操作部11には、情報をユーザに表示する表示パネル13が配置されている。
表示パネル13は、例えば、タッチパネルを備えたLCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作キーを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、CPU21により制御されて表示を行う。CPU21は、表示パネル13に情報を示す画面(画像)を表示することで、その情報をユーザに表示することができる。
操作部11は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作部11は、操作キー11aや表示パネル13がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU21に送信する。すなわち、ユーザは、操作部11に操作を行うことにより、画像形成装置1に種々の動作を実行させることができる。
ストップキー11bは、画像形成装置1で実行中のジョブを停止させるための停止要求をユーザから受け付けるために設けられている。すなわち、ストップキー11bは、画像形成装置1で実行中のジョブを停止させようとするユーザにより操作される。ストップキー11bが操作されることで、ユーザからの停止要求が操作部11により受け付けられ、停止要求がCPU21に送られる。CPU21は、停止要求に応じて制御を行う。
プリント部30は、例えば、トナー像形成部により形成したトナー像を用紙に転写する電子写真方式で用紙に画像を形成する。プリント部30は、大まかに、トナー像形成部(図示せず)と、用紙搬送部(搬送部の一例;図3に示す。)31と、定着装置(図示せず)とを有している。
用紙搬送部31は、給紙ローラ、搬送ローラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部31は、用紙を給紙カセット3から給紙して、画像形成装置1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部31は、画像が形成された用紙を画像形成装置1の筐体から排紙トレイ5などに排出する。
トナー像形成部は、感光体、現像装置、露光装置、転写ローラなどを有している。トナー像形成部は、トナー像を形成し、形成したトナー像を用紙搬送部31により搬送される用紙に転写する。
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
スキャン部40は、画像形成装置1の筐体の上部に配置されている。スキャン部40は、自動原稿搬送部(ADF(Auto Document Feeder);搬送部の一例)41を有している。
スキャン部40は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャン部40は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿を自動原稿搬送部41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサによりその画像データを読み取る。
図3は、画像形成システム900の画像形成装置1及びサーバ601のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示されるように、画像形成装置1は、上述の各部のほか、HDD15と、ネットワーク部29とを有している。また、画像形成装置1は、後述のようにストップキー11bに関連する動作を行う、表示制御部(判別手段の一例、ジョブ情報表示手段の一例)16及び停止指示部(停止指示手段の一例)17を有している。画像形成装置1の各部は、システムバスに接続されている。制御部20は、画像形成装置1の各部と通信可能である。
HDD15は、ネットワーク部29を介して外部から送られた印刷(プリント)ジョブのデータや、スキャン部40で読み取った画像データなどを記憶する。また、HDD15は、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラムなどを記憶する。HDD15は、1つのPC401又は複数のPCなどから送信された複数の印刷ジョブを記憶可能である。
ネットワーク部29は、例えば、NIC(Network Interface Card)などのハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。ネットワーク部29は、画像形成装置1をネットワーク800に接続する。これにより、画像形成装置1は、ネットワーク800に接続されているPC401やサーバ601などの外部装置と通信可能になる。画像形成装置1は、PC401やサーバ601などから印刷ジョブを受信可能である。また、画像形成装置1は、スキャン部40で読み取った画像データを、ファイル転送プロトコルなどによりPC401に送信したり、メールサーバ(図示せず)などを介して電子メール(E−mail)により送信したりすることができる。なお、ネットワーク部29は、無線通信によりネットワーク800に接続可能に構成されていてもよい。
制御部20は、CPU21と、ROM23と、RAM25とを有している。制御部20は、操作部11、プリント部30、及びスキャン部40などとともにシステムバスに接続されている。これにより、制御部20と画像形成装置1の各部とが、信号を送受可能に接続されている。
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、画像形成装置1の動作を行うために用いられるデータが記憶されている。ROM23には、種々の制御プログラム23aが記憶されている。ROM23には、画像形成装置1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU21は、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
RAM25は、CPU21のメインメモリである。RAM25は、CPU21が制御プログラム23aを実行するときに必要なデータなどを記憶するのに用いられる。
CPU21は、ROM23に記憶された制御プログラム23aや、RAM25又はHDD15などに記憶された制御プログラム(図示せず)などを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を制御する。CPU21は、操作部11から操作信号が送られたり、PC401などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム23aを実行する。これにより、ユーザによる操作部11の操作などに応じて、画像形成装置1の所定の機能が実行される。
スキャン部40は、上述のようにスキャナ機能を実行し、原稿から画像データを読み取る。スキャン部40により読み取られた画像データは、CPU21により所定のデータ形式に変換され、HDD15などに記憶される。CPU21は、HDD15などに記憶された画像データを、PC401などに送信可能である。
表示制御部16は、CPU21の制御に基づいて、表示パネル13に表示される情報の内容を制御する。
停止指示部17は、ストップキー11bが押下されて停止要求が受け付けられた場合において、実行中のジョブのうち所定のジョブを停止させる制御を行う。この制御は、CPU21の制御に基づいて行われる。
[サーバ601の構成]
図3に示されるように、サーバ601は、制御部620と、HDD615とを有している。制御部620は、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)などで構成されており、サーバ601の制御を行う。
HDD615は、サーバ601の制御プログラム(図示せず)などの種々の情報を記憶する。制御部620が、制御プログラムに基づいてサーバ601の制御を行うことで、サーバ601のウェブサーバ機能やその他の機能が実行される。サーバ601は、ウェブサーバとしての機能や、ファイルサーバとしての機能を実行可能である。また、サーバ601は、電子メールの送信サーバとしての機能や、画像をファクシミリにより送信する機能などを実行可能である。
本実施の形態において、HDD615には、ユーザ認証に利用される認証データベース(DB)615aが記憶されている。認証データベース615aには、ユーザ認証可能なユーザの情報とそのユーザの認証に必要な認証情報とが対応付けられて記録されている。認証情報は、例えばユーザ毎に設定されたパスワードである。認証データベース615aには、各ユーザについて実行を許可する機能に関する情報が、そのユーザに対応付けて記録されている。
[サーバ601と連携した動作]
この画像形成システム900では、画像形成装置1とサーバ601とを利用することで、種々のサーバ連携ジョブを実行させることができる。ここで、サーバ連携ジョブは、画像形成装置1の内部だけで完結せず、サーバ601での処理が行われるジョブである。サーバ601で行われる処理としては、例えば、画像処理、認証データの送信処理、又は画像データ送信処理などがある。本実施の形態では、サーバ連携ジョブとして、サーチャブルPDF(portable Document Format)ファイルの生成ジョブや、ユーザ認証ジョブなどが実行可能である。
サーチャブルPDFファイルの生成ジョブは、画像形成装置1で読み込んだ画像について、画像に対応するテキストデータが画像に合わせて付与された所定のファイル形式(PDF)のデータを生成するジョブである。付与されるテキストデータの内容は、文字認識機能(OCR(Optical Character Reader)機能)などの文字認識結果に基づいて決定される。すなわち、このジョブは、画像処理を伴うものである。生成されるサーチャブルPDFファイルは、画像処理によって得られたテキストデータを含むPDFファイルである。
ここで、文字認識には多量の計算処理が必要であり、画像形成装置1でこれを行うと、処理時間が長くなる。そのため、サーバ601で文字認識処理などを行うために、画像形成装置1で読み込んだ画像は、いったんサーバ601に送信される。サーバ601では、文字認識処理が行われ、その結果に基づいてサーチャブルPDFファイルが生成される。生成されたファイルは、画像形成装置1に送られて、HDD15などに設けられた所定の記憶領域(BOXということがある。)などに記憶される。これにより、比較的に速やかに、サーチャブルPDFファイルの生成ジョブが終了する。
ユーザ認証ジョブは、画像形成装置1や画像形成システム900を利用するユーザを識別し、認証するジョブである。ユーザ認証ジョブは、画像形成装置1を介して行われる。ユーザは、ユーザ認証ジョブによる認証を経て、画像形成装置1にログインし、画像形成装置1や画像形成システム900を利用することができる。
ユーザ認証ジョブでは、サーバ601の認証データベース615aが用いられる。ユーザ認証ジョブは、画像形成装置1とサーバ601との間での認証データ送信処理を伴うジョブである。ユーザ認証ジョブは、例えば、次に示すようにして行われる。すなわち、まず、ユーザに、ユーザ認証画面が提示される。ユーザ認証画面は、表示パネル13に表示される。ユーザは、操作部11を操作し、画像形成装置1にそのユーザの情報(例えば、アカウント名など)とパスワードとを入力する。操作部11にこれらの情報が入力されると、CPU21は、入力されたデータをサーバ601に送信する。サーバ601では、制御部620が認証データベース615aを参照し、受信したデータに基づいて、そのユーザの認証可否を判断する。認証可能であれば、サーバ601は、そのユーザについて認証成立とし、画像形成装置1に認証結果を送信する。画像形成装置1では、認証結果を受信し、認証が成立した認証ユーザについて実行を許可されている機能を実行可能とする。このとき、認証ユーザは画像形成装置1にログインした状態になる。これにより、画像形成装置1は、画像形成装置1を用いるユーザを識別できる。
ユーザ認証ジョブを行ってユーザを識別することで、表示パネル13の表示や利用可能な機能などを認証されたユーザに適合するものにして、画像形成装置1の利便性を高められる。また、認証されたユーザが画像形成装置1の近くにいるときに、他のユーザの目に触れないようにして印刷物を出力できるなど、高いセキュリティ効果が得られる。
画像形成装置1において、CPU21は、ユーザ認証により識別したユーザに応じて、画像形成装置1の機能についてのユーザの使用権限を管理する。使用権限の管理が行われることで、ユーザ毎に、所定の機能の使用を制限することができ、高いセキュリティ効果が得られる。
なお、ユーザ認証の方式は上記に限られるものではなく、公知の方法を適宜採用することができる。認証情報の参照先や認証を行う主体などは、上記のものとは異なっていてもよい。例えば、画像形成装置1自身がユーザ認証を行うための認証情報を保有しており、画像形成装置1がユーザからの認証要求を受け付けて、認証情報に基づいて、そのユーザを認証してもよい。また、例えば接触式・非接触式のIDカードを用いたカード認証方式や、ユーザの指紋情報や静脈情報などを利用した生体認証方式などを採用し、ユーザにアカウント名などの情報やパスワードの入力を要求しないようにしてもよい。
なお、サーバ連携ジョブとしては、画像データ送信処理を伴うものが行われてもよい。例えば、サーバ601から画像形成装置1に、画像形成などに用いる画像データを送信し、画像形成装置1において受信した画像データに基づいて画像形成を行うプルプリントジョブなどが挙げられる。
[画像形成装置1が行うジョブの説明]
画像形成装置1が行うことができるジョブとしては、例えば、次のようなものがある。すなわち、プリントジョブ、コピージョブ、スキャンジョブ、ファクシミリ送信ジョブ、ネットワークファクシミリ送信ジョブ、FTP送信ジョブ、及び電子メール送信ジョブなどである。なお、ここで示すジョブは例示であり、画像形成装置1は、これらのジョブのうちいずれかを行うことができないものであってもよい。また、これらとは異なる別の種類のジョブを実行可能であってもよい。
プリントジョブは、プリント部30により用紙に画像を形成するジョブである。画像形成は、PC401から送られた画像データや、画像形成装置1の内部に記憶されている画像データなどに基づいて行われる。
コピージョブは、スキャン部40により原稿を読み取り、生成した画像データに基づいてプリント部30により用紙に画像を形成するジョブである。
スキャンジョブは、スキャン部40により原稿を読み取って画像データを生成するジョブである。生成された画像データは、画像形成装置1の内部の記憶装置又は外部の記憶装置に記憶される。例えば、画像形成装置1の内部のBOXや、画像形成装置1が通信可能な外部ファイルサーバなどに記憶される。
ファクシミリ送信ジョブは、音声回線又はデジタル回線を経由したファクシミリ送信動作を行うジョブである。画像形成装置1は、例えばG3規格によりファクシミリ送信動作を実行可能である。以下、ファクシミリ送信ジョブを代表してG3fax送信ジョブということがある。なお、画像形成装置1は、G3規格に限られず、例えばスーパーG3規格やG4規格など、他の規格によりファクシミリ送信動作を実行可能であってもよい。ファクシミリ送信ジョブでは、例えば、スキャン部40により原稿を読み取って生成された画像データや、BOXなどに記憶されている画像データなどを送信できる。
ネットワークファクシミリ送信ジョブは、例えばいわゆるInternetFAXにより、IP(Internet Protocol)網を経由して、画像データを送信するジョブである。ネットワークファクシミリ送信ジョブでは、例えば、スキャン部40により原稿を読み取って生成された画像データや、BOXなどに記憶されている画像データなどを送信できる。ネットワークファクシミリ送信ジョブは、ファクシミリ送信を行うという点でファクシミリ送信ジョブの1つということもできる。
FTP送信ジョブは、ファイル転送動作を行うジョブである。FTP送信ジョブは、FTPを利用して、スキャン部40により原稿を読み取って生成された画像データや、BOXなどに記憶されている画像データなどを送信するジョブである。
電子メール送信ジョブは、画像データなどを電子メールに添付して送信するジョブである。電子メール送信ジョブでは、スキャン部40により原稿を読み取って生成された画像データや、BOXなどに記憶されている画像データなどを送信できる。
なお、これらのジョブの他に、サーバ連携ジョブとして、上記のようなサーチャブルPDFファイルの生成ジョブやユーザ認証ジョブがある。
これらのジョブの中には、用紙搬送部31又は自動原稿搬送部41(以下、これらをまとめて搬送部31,41ということがある。)による用紙の搬送動作が行われるものがある。
すなわち、プリントジョブ及びコピージョブでは、用紙搬送部31により用紙の搬送動作が行われる。また、ユーザ認証ジョブとして、ユーザ認証後に画像を形成する処理が行われる場合(例えば、いわゆるプルプリントが行われる場合など)には、画像形成時に、用紙搬送部31による用紙の搬送が行われることがある。
コピージョブ、スキャンジョブ、ファクシミリ送信ジョブ、ネットワークファクシミリ送信ジョブ、FTP送信ジョブ、電子メール送信ジョブ、及びサーチャブルPDFファイルの生成ジョブでは、スキャン部40により原稿を読み取るときに、自動原稿搬送部41による用紙の搬送が行われることがある。
[一時停止できるジョブ、破棄できるジョブの説明]
ジョブは、ジョブが実行中であるときに一時停止(以下、単に停止ということがある。)することができるものと、できないものとに分けられる。ここで、一時停止するとは、再開可能に、動作をいったん中断することをいう。また、ジョブは、ジョブが実行中であるときに破棄できるものと、できないものとに分けられる。ジョブの破棄とは、ジョブを中止して再開不可能にすることをいう。
プリントジョブ、コピージョブは、停止できるものである。その他のジョブも、自動原稿搬送部41による用紙の搬送を行っているときには、その搬送動作については、停止可能である。例えば、画像形成動作を行っているとき、搬送されている用紙について画像形成が完了した段階で、動作を停止できる。また、スキャン動作を行っているとき、そのとき搬送されている原稿について読み取り及び用紙排出が完了した段階で、動作を停止できる。いずれの場合も、次の用紙から動作を再開可能である。このように、画像形成装置1で実行中のジョブのうち、搬送部31,41による用紙の搬送動作が行われているジョブ(第1の種類のジョブ)は、停止可能である。換言すると、読み込みの動作及び印刷の動作は、停止可能な動作である。
また、本実施の形態では、上記のような用紙の搬送動作が行われているジョブ以外のジョブのうち、例えば、ネットワークファクシミリ送信ジョブは、タイミングによって、停止可能である。なお、これに限られず、ネットワークファクシミリ送信ジョブは、次の停止不能なジョブに属してもよい。
ファクシミリ送信ジョブ、FTP送信ジョブ、電子メール送信ジョブ、及びスキャンジョブは、それらが画像形成装置1で実行中であって、自動原稿搬送部41による用紙の搬送を行っていないとき、停止できないジョブである。すなわち、これらのジョブが、それぞれの方法で情報を伝送中であるとき、情報は、通信の相手方となる装置との通信手順に従って送信されるため、送信をいったん停止すると、途中から送信を再開することはできなくなる。したがって、これらのジョブの停止は不可能である。記憶装置に情報を保存する場合であっても、同様である。なお、これらのジョブのうち、通信中に停止できるようにされたものがあってよい。
停止できない状態にあるジョブには、実行中であって、サーバ601との通信などを行っている状態にあるサーバ連携ジョブが含まれる。サーバ連携ジョブについては、画像形成装置1とサーバ601との間で通信が行われている間のほか、サーバ601において処理が実行されている間も、画像形成装置1でそのジョブを停止することができなくなる。
上述の種々のジョブのうち、ほとんどは、実行中に破棄が可能なものである。すなわち、停止可能である状態にあるジョブは、破棄可能である。また、画像形成装置1が他の装置と通信中である状態のジョブや、記憶装置に情報を保存中である状態のジョブは、破棄可能である。
ここで、サーバ連携ジョブであってサーバ601で処理が実行中であるものは、破棄することができないものである。例えば、文字認識処理やユーザ認証処理がサーバ601で行われているときには、画像形成装置1はそれらの処理にかかわることができない。そのため、このような状態のジョブは、破棄できないジョブである。
このように、画像形成装置1で実行中であるジョブは、その状態に応じて、停止も破棄もできるもの(停止可能ジョブということがある。)、停止できないが破棄はできるもの(停止不可ジョブということがある。)、停止も破棄もできないもの(破棄不可ジョブということがある。)の3種類に分類できる。
[ストップキー11bが押下されたときの動作の説明]
本実施の形態において、画像形成装置1では、ジョブが実行中であるときに、CPU21が次に示すような制御を繰り返して行う。この制御は、表示制御部16や停止指示部17など、画像形成装置1の各部を利用して行われる。
図4は、画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
図4に示されるように、ステップS101において、CPU21は、ストップキー11bが押下されたか否かを判断する。すなわち、CPU21は、画像形成装置1で実行中のジョブを停止させるための停止要求を、ユーザから受け付ける。ストップキー11bが押下されると、CPU21は、それを検知し、次のステップに進む。
ステップS101においてストップキー11bが押下されると、ステップS103において、CPU21は、読み込みの動作又は印刷の動作を停止する。CPU21は、停止指示部17により、これらの動作を停止させることができる。換言すると、停止指示部17は、CPU21の制御に基づいて、画像形成装置1で実行中のジョブのうち、搬送部31,41による用紙の搬送動作が行われている、停止可能ジョブを停止させる。停止可能ジョブがないときには、そのまま次のステップに進めばよい。
なお、用紙の搬送動作を伴わないが停止できるジョブがあるときには、ステップS101において、そのジョブも停止されるようにする。
ステップS105において、CPU21は、読み込み動作、印刷動作を行っているもの以外の動作中のジョブの有無を判別する。判別は、例えば、表示制御部16を利用して行われる。
ステップS105において上記の動作中ジョブがなかったとき、ステップS106において、CPU21は、停止中のジョブについての情報をユーザに表示する。
なお、ジョブの情報の表示は、例えば、表示制御部16の制御に基づいて、表示パネル13に表示対象となるジョブの情報を一覧できるリストなどを表示させることにより行われる。以下においても同様である。
ステップS106で表示が行われると、ステップS107において、CPU21は、情報が表示されたジョブについて再開するか破棄するかを選択するユーザからの操作を受け付ける。CPU21は、例えば、表示パネル13に表示された所定の操作キーなどについてユーザからの操作が行われたとき、その操作を受け付ける。CPU21は、受け付けた操作に応じて、対応するジョブを再開する処理又は破棄する処理を実行する。破棄することが選択されたジョブは、削除される。
他方、ステップS105において上記の動作中ジョブ、例えばファクシミリ送信ジョブなどがあったとき、ステップS108において、CPU21は、停止できなかったジョブがあるか否か判別する。換言すると、CPU21は、画像形成装置1で実行中であるジョブのうち、停止可能ジョブでない、停止できないジョブ(第2の種類のジョブの一例)の有無を判別する。上記の停止不可ジョブ及び破棄不可ジョブは、停止できないジョブに該当する。
ステップS108で停止できなかったジョブがないとき、ステップS109において、CPU21は、停止できたジョブに関する情報を表示する。このとき、CPU21は、表示制御部16の制御に基づいて、読み込み動作や印刷動作を行っていないジョブを、他のジョブより優先して表示する。すなわち、ここで優先して表示されるジョブは、ユーザが動作中であるか停止しているかを視認できないものである。ユーザが視認できないジョブについて一覧できるリストが、ユーザに表示される。例えば、ネットワークファクシミリ送信ジョブが、送信処理などを実行中にストップキー11bの押下に伴って停止されたとき、そのジョブに関する情報が、停止された他のジョブ(例えば、プリントジョブやコピージョブなど)よりも優先して表示される。
ステップS110において、CPU21は、ステップS107と同様の処理を行う。すなわち、CPU21は、情報が表示されたジョブについて再開するか破棄するかを選択するユーザからの操作を受け付け、ジョブを再開する処理又は破棄する処理を実行する。破棄することが選択されたジョブは、削除される。
ステップS108で停止できなかったジョブがあれば、ステップS111において、CPU21は、停止できなかったジョブについて、破棄を行うか否かを選択する破棄選択画面を表示する。破棄選択画面は、表示制御部16の制御に基づいて、表示パネル13上に表示される。ユーザは、破棄選択画面で選択操作を行うことで、ジョブ破棄を行うか否かについて、画像形成装置1に指示を行うことができる。
ステップS113において、CPU21は、ジョブ破棄を行う旨の選択が行われたか否かを判断する。
ステップS113においてジョブ破棄を行う旨の選択が行われれば、ステップS115において、CPU21は、実行中のジョブに関する情報を表示する。表示制御部16の制御に基づいて、停止できなかったジョブを一覧できるリストが、表示パネル13上に表示される。ユーザは、このリストが表示されている表示パネル13について操作を加えることで、ジョブについて破棄を行うことを選択することができる。このとき、CPU21は、表示制御部16の制御に基づいて、実行中であるジョブを、他のジョブよりも優先して表示する。
ステップS116において、CPU21は、情報が表示されたジョブについて破棄することを選択するユーザからの操作を受け付ける。CPU21は、受け付けた操作に応じて、ジョブを破棄する処理を実行する。
ステップS117において、CPU21は、情報が表示されたジョブのうち、ユーザに選択されたジョブを削除する。
他方、ステップS113においてジョブ破棄を行う旨の選択が行われなければ、ステップS119において、CPU21は、破棄不可ジョブがあるか否かを判断する。
ステップS119において破棄不可ジョブがなければ、CPU21は、ステップS106,S107の処理を実行する。
ステップS119において破棄不可ジョブがあれば、ステップS121において、CPU21は、破棄不可ジョブに関する情報を表示する。表示制御部16の制御に基づいて、破棄不可ジョブを含む停止できなかったジョブを一覧できるリストが、表示パネル13上に表示される。このとき、CPU21は、表示制御部16の制御に基づいて、破棄不可ジョブを、他のジョブより優先して表示する。
ステップS123において、CPU21は、破棄不可ジョブとは別のジョブについて、破棄する指示を受け付ける。ユーザは、破棄不可ジョブのリストが表示されている表示パネル13について操作を加えることで、そのとき実行中である破棄可能な停止不可ジョブについて、破棄を行うことを選択することができる。破棄の選択が受け付けられれば、それに応じて、対象として選択されたジョブを破棄する処理が実行される。破棄する対象として選択されたジョブは、削除される。
ステップS107,S110,S117,S123の処理が終了すると、一連の処理は終了する。
[ストップキー11bが押下されたときの動作の具体例]
上記の動作の具体例について説明する。例えば、PC401から送られたプリントジョブと、コピージョブと、G3fax送信ジョブ(ファクシミリ送信ジョブの一例)と、ネットワークファクシミリ送信ジョブとが実行中である場合において、ストップキー11bが押下されたときを想定する。ここで、ストップキー11bが押下されたとき、プリントジョブは印刷中であり、コピージョブは読取中であり、G3fax送信ジョブ及びネットワークファクシミリ送信ジョブは送信中であるものとする。
このとき、ストップキー11bが押下されると、停止可能ジョブすなわちプリントジョブ及びコピージョブは動作が停止される。また、このとき、実行中のジョブのうち停止されないジョブがあるので、破棄選択画面が表示される(図4においてステップS101〜S111)。
図5は、ストップキー11bが押下された場合において表示される破棄選択画面の一例を示す図である。
図5に示されるように、破棄選択画面110は、メッセージ表示部111と、「はい」、「いいえ」のそれぞれに対応する操作キー112,113とが表示されている。メッセージ表示部111には、例えば、「ダイヤル中、または送信中のジョブを削除しますか?」を示す文など、ユーザにジョブ破棄を行うか否かの選択を求める情報が表示される。操作キー112は、「ジョブ破棄を行う」ことを選択するためのものであり、操作キー113は、「ジョブ破棄を行わない」ことを選択するためのものである。破棄選択画面110が表示された表示パネル13のうち操作キー112,113に対応する部分が操作されることで、ユーザは、画像形成装置1に対して意思表示を行うことができる。
図6は、ジョブ破棄を行うためのジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
ジョブ情報表示画面120は、破棄選択画面110で操作キー112が操作されることで「ジョブ破棄を行う」旨が選択されたときに表示される(図4においてステップS113:YES,S115)。すなわち、ジョブ情報表示画面120は、破棄選択画面110の表示に応じてジョブを破棄する旨の選択が行われたときに、表示される。
図6に示されるように、ジョブ情報表示画面120は、いわゆるタブ型のユーザインタフェースを有している。ジョブ情報表示画面120では、表示すべきジョブの情報が、各タブに属する表示領域に表示される。ジョブ情報表示画面120が表示されるとき、停止できず実行中であるジョブに関する情報と、停止中であるジョブに関する情報とが、複数のタブに分かれて、共に表示される。
ジョブ情報表示画面120には、停止中タブ51と、ファクシミリ送信タブ52との2つのタブ51,52が表示されている(図6において点線で囲んで示されている。)。ジョブ情報表示画面120において、各タブ51,52のうち一方のアクティブであるものは、例えば淡色背景に濃色文字を付して示されており、他方のインアクティブであるものは、例えば濃色背景に淡色文字を付して示されている。図6に示す例においては、停止中タブ51の状態はインアクティブであり、ファクシミリ送信タブ52の状態がアクティブである。
タブ51,52の下方は、タブ51,52のうちアクティブであるものに対応するジョブに関する情報が表示される表示領域である。図6に示す例においては、アクティブであるファクシミリ送信タブ52に属するジョブの情報を含むジョブリスト52aが表示されている。ジョブリスト52aには、各ジョブの種別や文書名、あて先、ジョブの登録時間、送信に係るページ数、ジョブの状態など、各ジョブに関する情報が表示される。換言すると、ジョブリスト52aが表示されることで、ジョブ情報表示画面120において、ファクシミリ送信タブ52に対応するジョブに関する情報が表示される。
そのほか、ジョブ情報表示画面120には、選択されたジョブを破棄するための削除キー61が表示されている。また、ジョブ情報表示画面120には、ジョブ情報表示画面120を閉じる(非表示にする)ための操作キー70が表示されている。
ジョブ情報表示画面120において、ジョブリスト52aには、ファクシミリ送信タブ52に対応する、ファクシミリ送信に関する2つのジョブ101,102の情報がリスト表示されている。すなわち、ファクシミリ送信タブ52には、種別が「G3Fax」であるG3fax送信ジョブ101について、「送信中」であることが表示されている。また、ファクシミリ送信タブ52には、種別が「NetFax」であるネットワークファクシミリ送信ジョブ102について、「送信停止中」であることが表示されている。このように、ジョブ情報表示画面120が表示されることで、停止できず、実行中であるジョブに関する情報が表示される。
ジョブリストにおいて、基本的には、ジョブの情報は、そのジョブが登録された時刻順に並ぶようにして表示される。例えば、ジョブ101,102がその順に登録されている場合において、そのジョブ101,102は、ジョブ101がジョブ102よりも上に位置するようにして、ジョブリスト52aに表示される。なお、ジョブリストでは、例えばユーザにより指定された任意の項目をソートキーにして、ジョブの表示順を変更できるようにしてもよい。
ここで、本実施の形態において、ジョブ情報表示画面120が表示されるとき、停止できず実行中であるジョブに関する情報が、停止中であるジョブに関する情報又は待機中(実行開始前など)であるジョブに関する情報などの他の情報に優先して表示される。
ジョブ情報表示画面120の表示が行われる際、後述の図9に示されるように、停止中であるジョブは、停止中タブ51が選択されているときに表示されるジョブリスト51aに対応する。他方、停止できず実行中であるジョブは、上述の通り、ファクシミリ送信タブ52が選択されているときに表示されるジョブリスト52aに対応する。ここで、上記のように破棄選択画面110においてジョブ破棄を行う旨の選択がなされたとき、CPU21は、2つのタブ51,52のうち、停止中タブ51よりもファクシミリ送信タブ52を優先してアクティブとした状態で、ジョブ情報表示画面120を表示する。これにより、実行中であるジョブに関する情報が優先して画面に表示されるので、ユーザは、実行中であるジョブに関する情報を速やかに、確実に知ることができる。
図7は、ジョブ破棄を行うための選択操作の一例を説明する図である。
ユーザは、ジョブ情報表示画面120が表示された状態において、ファクシミリ送信タブ52に表示されたジョブ101,102を選択し、破棄する旨の操作を行うことで、選択したジョブの破棄指示を行うことができる。ユーザが破棄指示を行うと、それに応じて、CPU21は、破棄指示が行われた対象のジョブを破棄し、ファクシミリ送信タブ52から削除する(図4においてステップS116,S117)。
例えば、ユーザが2つのジョブ101,102のうち、G3fax送信ジョブ101の破棄を行う場合を想定する。このとき、ユーザは、まず、ファクシミリ送信タブ52中のG3fax送信ジョブ101を選択する。図7に示されるように、ジョブ101が選択されると、その情報が表示されている部分が長方形で囲まれて画面上に示される。これにより、ユーザは、ジョブ101が選択されていることを知ることができる。次に、ユーザは、ジョブ101が選択されている状態で、削除キー61を選択する操作を行う(削除キー61を押下する。)。削除キー61が操作されることで、選択されているジョブ101について、破棄処理が実行される。なお、処理を行う対象として、一度に複数のジョブ(例えば、ジョブ101,102の両方)を選択できるように構成されていてもよい。
なお、ジョブの選択操作や操作キーの選択操作は、例えば、ユーザが、指などで、表示パネル13上でそのジョブや操作キーが表示されている部分に触れることにより、行うことができる。このとき、図7に示されるように、選択操作がされる部位にカーソル90の画像を表示させ、選択操作が行われることを表示してもよい。また、例えば操作キー11aなどに設けられたカーソルキー及び選択キーなどを用いて、カーソル90などを選択対象となる位置に移動させた状態で選択キーを押下することで選択操作を行えるようにしてもよい。なお、画像形成装置1で利用できるように設けられたポインティングデバイスを用いて、カーソル90などをジョブ情報表示画面120上で移動させて選択操作を行えるようにしてもよい。
図8は、ジョブ情報表示画面の別例を示す図である。
ここで、破棄選択画面110で「ジョブ破棄を行う」旨が選択されたとき、次に説明するようなジョブ情報表示画面130が表示されるようにしてもよい。図8に示されるように、ジョブ情報表示画面130は、ジョブに関する情報を、停止中タブ51と送信中タブ53とのいずれかに表示するものである。
ジョブ情報表示画面130では、ジョブが停止中であるか、停止できず動作中であるかに応じて、そのジョブが表示されるタブが異なっている。CPU21は、2つのタブ51,53のうち、停止中タブ51よりも送信中タブ53を優先してアクティブとした状態で、ジョブ情報表示画面130を表示する。換言すると、ジョブ情報表示画面130が表示されるとき、停止できず実行中であるジョブに関する情報と停止中であるジョブに関する情報とが共に表示される。そして、このとき、停止できず実行中であるジョブに関する情報が、停止中であるジョブに関する情報に優先して表示される。
送信中タブ53には、停止できず「送信中」のままである、G3fax送信ジョブ101に関する情報が表示される。他のジョブは、ストップキー11bの押下に伴って停止されている。そのため、他のジョブの情報は、送信中タブ53には表示されず、停止中タブ51に表示される。
ジョブ情報表示画面130が表示されるとき、送信中タブ53がアクティブとなるので、ユーザは、送信中タブ53に表示されたG3fax送信ジョブ101に関する情報を速やかに認識することができる。
図9は、停止中のジョブに関する情報を表示させた状態のジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
上記のように表示されたジョブ情報表示画面120において、当初インアクティブ状態にされている停止中タブ51は、例えばユーザの操作に基づいて、アクティブにすることができる。すなわち、図9に示されるように、ユーザは、表示パネル13の画面上の操作又はその他の操作により、停止中タブ51を選択する操作を行うことで、停止中タブ51をアクティブにすることができる。このとき、それまでアクティブであったファクシミリ送信タブ52は、アクティブになる停止中タブ51に代わり、インアクティブとなる。なお、ジョブ情報表示画面130においても、上述と同様にして、停止中タブ51をアクティブにすることができる。
停止中タブ51がアクティブとなっているジョブ情報表示画面150では、停止中であるジョブ103,104に関する情報が、停止中タブ51のジョブリスト51aに表示されている。例えば、コピージョブ103については、「読込停止」である旨とともに、その情報が表示されている。また、プリントジョブ104については、「印刷停止」である旨とともに、その情報が表示されている。また、ジョブ情報表示画面150では、再開可能なジョブ103,104についての情報が表示されているので、削除キー61のほか、再開キー62も表示されている。
ジョブ情報表示画面150では、処理対象とするジョブ103,104を選択した状態で、削除キー61の選択操作を行うことで、ユーザは、選択したジョブ103,104を破棄することができる。また、処理対象とするジョブ103,104を選択した状態で、再開キー62の選択操作を行うことで、ユーザは、選択したジョブ103,104の動作を再開することができる。
ここで、上記のように破棄選択画面110が表示されているときに、「ジョブ破棄を行う」旨の選択がユーザにより行われなかったとき、すなわち、「いいえ」に対応する操作キー113が選択されたとき、CPU21は、ジョブ情報表示画面150を表示させる(図4においてステップS113:NO,S119:NO,S106)。このように、実行中のジョブの破棄指示を行う意図のないユーザには、そのユーザによる指示が行われる可能性がある、停止中のジョブに関する情報が表示される。操作対象となる可能性が比較的高いジョブに関する情報が表示されるようにすることで、ユーザは、速やかに停止中のジョブを選択する操作を行うことができる。ユーザが行う必要のある操作数を、削減することができる。
なお、ストップキー11bが押下されたときに、ファクシミリ送信ジョブが1つしか送信中でない場合など、停止できないジョブが1つだけである場合には、上記とは異なるような制御動作が行われてもよい。すなわち、この場合、破棄選択画面110においてジョブ破棄を行う旨の選択操作が行われると、ジョブ情報表示画面などのジョブに関する情報の一覧表示を行わずに、ジョブ破棄を行うようにしてもよい。これにより、ユーザは、ジョブ情報表示画面においてそのジョブを破棄する操作を行うことなく、速やかに、かつ、容易に、ジョブの破棄を実行させることができる。
図10は、サーバ連携ジョブが実行中である場合のジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
上記の具体例において、ストップキー11bが押下されたときに、さらにサーバ連携ジョブが実行中であった場合を想定する。この場合において、破棄選択画面110でジョブ破棄を行う旨の選択が行われると、図10に示すようなジョブ情報表示画面160が表示される。
ジョブ情報表示画面160は、上記のジョブ情報表示画面130とは、送信中タブ53に代えて、実行中タブ54が表示されている点で異なる。そのほかはジョブ情報表示画面130と同様に、停止中タブ51、削除キー61などが表示されている。
本例において、ストップキー11bが押下されていたとき、実行中のジョブは、G3fax送信ジョブ106と、サーバ連携ジョブ105との2つである。そのため、実行中タブ54には、ジョブリスト54aとして、これらの2つのジョブ105,106が表示される。その他のジョブは、ストップキー11bが押下されたことにより停止されるので、停止中タブ51に表示される。ジョブ情報表示画面160には、実行中のジョブと停止中のジョブとのそれぞれの情報が表示されるが、ジョブ情報表示画面160の表示時には、停止中タブ51の表示よりも実行中タブ54の表示が優先される。すなわち、ジョブ情報表示画面160が表示されるときには、実行中タブ54がアクティブとなり、停止中タブ51はインアクティブとなる。
ジョブ情報表示画面160が表示されている場合において、ユーザは、G3fax送信ジョブ106を選択して、破棄指示を行うことができる。これにより、G3fax送信ジョブ106の破棄処理が行われる。
ここで、ジョブ情報表示画面160が表示されている場合において、サーバ連携ジョブ105は、サーバ601における処理中であるとする。このとき、サーバ連携ジョブ105は、停止もできず、破棄もできない破棄不可ジョブである。そのため、同一のジョブリスト中において、ジョブの登録順にかかわらず、サーバ連携ジョブ105は、他の破棄可能なジョブよりも優先度を低くして表示される。すなわち、このような停止できず破棄することもできない破棄不可ジョブがあるとき、CPU21は、破棄不可ジョブに関する情報を、停止中であるジョブよりも優先してユーザに表示する。CPU21は、破棄不可ジョブに関する情報を、停止できないが破棄はできる破棄可能ジョブよりも優先せずに、ユーザに表示する。
例えば、図10に示されるように、2つのジョブ105,106がジョブリスト54aに表示される場合において、サーバ連携ジョブ105がG3fax送信ジョブ106よりも早く登録されたものであっても、G3fax送信ジョブ106は、サーバ連携ジョブ105よりも上方に位置するように表示される。すなわち、G3fax送信ジョブ106は、サーバ連携ジョブ105よりも優先して表示される。なお、このとき、CPU21は、ジョブ情報表示画面160においてサーバ連携ジョブ105が選択されても、削除キー61に対する操作を受け付けない。
図11は、ジョブ情報表示画面160においてサーバ601で処理中であるサーバ連携ジョブが選択されたときの表示例を説明する図である。
上記のように、ジョブ情報表示画面130が表示されている場合において、サーバ連携ジョブ105がサーバ601における処理中であるとき、サーバ連携ジョブ105が選択されると、CPU21は、削除キー61の表示を変更する。削除キー61の表示を変更することにより、それを見たユーザは、サーバ連携ジョブ105について、破棄指示を行うことができないことを、直感的に、かつ、容易に知ることができる。したがって、ユーザは、無駄な操作を行うことを防止できる。
なお、削除キー61の表示の変更は、図11に示されるように、削除キー61を非表示にすることにより行われればよい。また、削除キー61の表示色について、淡色化したり、明度を低くしたり、彩度を低くしたりすることなどにより、削除キー61の表示態様を操作可能である状態から変更してもよい。
[サーバ連携ジョブの実行中の動作の具体例の説明]
サーバ連携ジョブのうちサーチャブルPDFファイルの生成ジョブやユーザ認証ジョブが行われている場合においてストップキー11bが押下されたときの動作の具体例を以下に説明する。
図12は、サーチャブルPDFファイルの生成ジョブの流れを示すシーケンス図である。
図12に示されるように、サーチャブルPDFファイルの生成ジョブ(以下、単に生成ジョブということがある。)は、画像形成装置1とサーバ601との間で行われる。画像形成装置1における処理は、CPU21の制御に基づいて、画像形成装置1の各部が動作することにより行われる。また、サーバ601における動作は、制御部620による制御に基づいて、サーバ601の各部が動作することにより行われる。
生成ジョブがスタートすると、ステップS301において、画像形成装置1は、原稿の読み込みを行う。
ステップS303において、画像形成装置1は、原稿を読み込んで生成した画像データを、サーバ601に送信する。
ステップS305において、画像データは、ネットワーク800を介して、画像形成装置1からサーバ601に送られる。
ステップS307において、サーバ601は、送られた画像データについて、文字認識処理を行う。
ステップS309において、サーバ601は、文字認識処理の結果と画像データとに基づいて、サーチャブルPDFファイルの作成処理を行う。これにより、画像データがサーチャブルPDFファイルに変換される。
ここで、サーバ601においてステップS307,S309の処理が行われているとき、画像形成装置1において、ストップキー11bが押下操作された場合を想定する。ステップS311において、画像形成装置1は、ストップキー11bの押下操作を受け付ける。
なお、ストップキー11bが押下されたとき、画像形成装置1がジョブを破棄できない状態となる期間は、例えば、画像データをサーバ601に送信してから、サーバ601から送られたサーチャブルPDFファイルを受信するまで(ステップS305〜S317)とすればよい。
ステップS311でストップキー11bの押下操作が受け付けられると、ステップS313において、画像形成装置1は、実行中ジョブに関する画面表示を行う。ステップS311でストップキー11bの押下操作が受け付けられたとき、生成ジョブについて、サーバ601では処理が実行途中である。したがって、このとき、例えば図10又は図11に示すようなジョブ情報表示画面が、破棄選択画面に続いて表示される。ジョブ情報表示画面には、サーバ連携ジョブについてはサーバ処理中である旨を示す、サーバ連携ジョブに関する情報が表示される。
ステップS309で行われていたサーチャブルPDFファイルが完成すると、ステップS315において、サーバ601は、完成したサーチャブルPDFファイルを、画像形成装置1に送信する。
ステップS317において、サーチャブルPDFファイルのデータは、ネットワーク800を介して、サーバ601から画像形成装置1に送られる。
ステップS319において、画像形成装置1は、受信したサーチャブルPDFファイルのデータを、例えばBOXに保存し、サーチャブルPDFファイルの生成ジョブを終了する。なお、画像形成装置1は、設定により又はユーザの指示により、受信したファイルを、電子メールにより送信したり、例えばPC401などの他の外部機器に送信したりするなどしてもよい。
図13は、サーバ601を利用した認証プルプリントジョブの流れを示すシーケンス図である。
認証プルプリントジョブは、ユーザ認証ジョブと、プルプリントジョブとを併せて行うものである。図13に示されるように、認証プルプリントジョブは、画像形成装置1とサーバ601との間で行われる。画像形成装置1における処理は、CPU21の制御に基づいて、画像形成装置1の各部が動作することにより行われる。また、サーバ601における動作は、制御部620による制御に基づいて、サーバ601の各部が動作することにより行われる。
認証プルプリントジョブは、例えば、ユーザが画像形成装置1に実行指示を行うことで開始される。ステップS501において、画像形成装置1は、ユーザによる操作部11の操作(例えば、スタートキー(図示せず)の押下操作など)を受け付ける。操作部11の操作が受け付けられると、認証プルプリントジョブがスタートする。
ステップS503において、画像形成装置1は、サーバ601に認証確認を行う。例えば、画像形成装置1は、事前にユーザから入力を受け付けたユーザの情報及びパスワードなどを含む認証データを、サーバ601に送信し、サーバ601に認証処理を行うことを要求する。
ステップS505において、認証データは、ネットワーク800を介して、画像形成装置1からサーバ601に送られる。
ステップS507において、サーバ601は、送られた認証データについて、認証処理を行う。認証処理は、上述のように、認証データベース615aなどを参照して行われる。
ここで、サーバ601においてステップS507の処理が行われているとき、画像形成装置1において、ストップキー11bが押下操作された場合を想定する。ステップS509において、画像形成装置1は、ストップキー11bの押下操作を受け付ける。
ステップS509でストップキー11bの押下操作が受け付けられると、ステップS511において、画像形成装置1は、実行中ジョブに関する画面表示を行う。ステップS509でストップキー11bの押下操作が受け付けられたとき、認証プルプリントジョブについて、サーバ601では認証処理が実行途中である。したがって、このとき、例えば次に示すようなジョブ情報表示画面が、破棄選択画面に続いて表示される。
図14は、ストップキー11bが押下された後に表示されるジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
図14に示すように、ジョブ情報表示画面210が表示されると、実行中タブ54が停止中タブ51に優先して表示される。実行中タブ54のジョブリスト54aには、認証プルプリントジョブ201に関する情報が表示される。なお、図14に示す例では、例えばそのとき実行中であるG3fax送信ジョブ202に関する情報が、認証プルプリントジョブ201とともに、ジョブリスト54a共に表示されている。認証プルプリントジョブ201は破棄不可ジョブであるので、G3fax送信ジョブ202が、認証プルプリントジョブ201よりも優先されて表示されている。
このとき、図14に示されるように、認証プルプリントジョブ201は「認証中」すなわちサーバ601で処理中であることが、ジョブリスト54aに表示されている。この状態で、認証プルプリントジョブ201が選択されると、認証プルプリントジョブ201は破棄できない破棄不可ジョブであることから、削除キー61は非表示となる。
なお、ストップキー11bが押下されたとき、画像形成装置1がジョブを破棄できない状態となる期間は、例えば、認証データをサーバ601に送信してから、サーバ601から認証結果を受信するまで(ステップS505〜S515)とすればよい。
図13に戻って、認証処理が終了すると、ステップS513において、認証結果が画像形成装置1に送信される。
ステップS515において、認証結果は、ネットワーク800を介して、サーバ601から画像形成装置1に送信される。
ステップS517において、画像形成装置1は、受信した認証結果を確認し、ユーザについて、画像形成装置1でプルプリント可能であるか否か、換言すると認証できたか否かを判断する。ここで、認証不可であるとき、プルプリントは不可能であるため、認証プルプリントジョブは破棄される。
ステップS517においてユーザが認証されたときには、ステップS519において、画像形成装置1は、プルプリントに用いられる印字データの受信を開始する。
ステップS521において、サーバ601は、プルプリントの対象となる印字データを画像形成装置1に送信する。
ステップS523において、印字データは、ネットワーク800を介して、サーバ601から画像形成装置1に送られる。
ここで、サーバ601と画像形成装置1との間でステップS523の処理が行われているとき、画像形成装置1において、ストップキー11bが押下操作された場合を想定する。ステップS525において、画像形成装置1は、ストップキー11bの押下操作を受け付ける。
ステップS525でストップキー11bの押下操作が受け付けられると、ステップS527において、画像形成装置1は、実行中ジョブに関する画面表示を行う。ステップS525でストップキー11bの押下操作が受け付けられたとき、認証プルプリントジョブについて、サーバ601から送信される印字データを受信中である。このとき、例えば次に示すようなジョブ情報表示画面が、破棄選択画面に続いて表示される。
図15は、ストップキー11bが押下された後に表示されるジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
図15に示すように、ジョブ情報表示画面220は、大まかにはジョブ情報表示画面210と同様の態様で、ジョブ201,202に関する情報などについての表示を行うものである。
ここで、図15に示されるように、認証プルプリントジョブ201は「データ受信中」すなわちサーバ601からの印字データを受信する処理を行っていることが、ジョブリスト54aに表示される。このように印字データを受信中であるとき、認証プルプリントジョブ201は、実行を停止はできないが破棄はできる状態である。したがって、認証プルプリントジョブ201が選択されると、削除キー61は表示される。
ユーザは、上記のようなジョブ情報表示画面220が表示されているときに、認証プルプリントジョブを削除できる。すなわち、図13に戻って、ステップS527でジョブ情報表示画面220が表示されると、ステップS529において、画像形成装置1は、ユーザによる削除選択操作を受け付ける。
図16は、ジョブ情報表示画面220において削除選択操作の受け付け動作の一例を説明する図である。
ユーザは、上記のようなジョブ情報表示画面220において、「データ受信中」である認証プルプリントジョブ201を選択する。そして、図16においてカーソル90で示されているように、表示されている削除キー61を選択する操作を行う。これにより、ユーザは、認証プルプリントジョブ201について削除選択操作を行うことができる。
図13に戻って、ステップS529において削除選択操作が受け付けられると、ステップS531において、画像形成装置1は、印字データの受信を中止する。
ステップS533において、画像形成装置1は、実行中である認証プルプリントジョブの破棄を行う。
図17は、削除選択操作に応じてジョブの破棄が行われた後のジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
図17に示されるように、上記のようなジョブ情報表示画面220が表示されているときに認証プルプリントジョブが削除されると、実行中であるジョブはG3fax送信ジョブ202だけになる。したがって、実行中タブ54のジョブリスト54aには、認証プルプリントジョブに関する情報は削除され、G3fax送信ジョブ202に関する情報だけが表示される。
なお、上記のサーバ連携ジョブの実行中の動作において、ストップキー11bが押下されたときに、破棄選択画面が表示されずに、ジョブ情報表示画面が表示されてもよい。例えばサーバ連携ジョブのみが実行中であるときなどには、破棄選択画面の表示を省略してジョブ情報表示画面を表示してもよい。
[ジョブに関する情報の表示態様の説明]
ここで、ストップキー11bが押下されたときに表示されるジョブ情報表示画面の表示態様が、画像形成装置1で実行中のジョブの数、停止中のジョブの数、又は待機中のジョブの数に応じて、変更されるようにしてもよい。また、ジョブ情報表示画面において、表示すべき複数のジョブに関する情報が、ジョブの種類やジョブの状態などに応じて表示されるようにしてもよい。
本実施の形態においては、次のようにジョブ情報表示画面が表示される。すなわち、ストップキー11bが押下されたときの実行中のジョブの数が所定のいき値より大きい場合がある。すなわち、画像形成装置1に投入されているジョブのうち、ストップキー11b押下後も動作中である、優先してジョブ情報表示画面に表示させたいジョブの数が、いき値よりも大きくなる場合がある。このようなとき、各ジョブに関する情報は、ジョブ情報表示画面においてそのジョブの種類に応じたタブ(タブの表示領域)に区分されて表示される。他方、画像形成装置1に投入されているジョブの数が所定のいき値以下である場合には、各ジョブに関する情報は、上述のように、例えばジョブの状態(停止中であるか、待機中であるか、実行中であるかなど)に応じたタブに区分されて表示される。このような処理は、例えばCPU21の制御の下で行われる。
なお、実行中のジョブの数に限られず、停止中のジョブの数や待機中のジョブの数なども考慮して、ジョブ情報表示画面に表示するジョブの数といき値とを比較するようにしてもよい。
図18は、ジョブ情報表示画面の表示時に行われる処理を示すフローチャートである。
ステップS21において、CPU21は、ジョブ情報表示画面に表示するジョブの数が、いき値より大きいか否かを判定する。換言すると、CPU21は、設定されているいき値に応じて、ジョブ情報表示画面へのジョブに関する情報の表示を、区分して行うか否かを判定する。
ステップS21でジョブ数がいき値より大きければ、ステップS23において、CPU21は、ジョブの種類毎に区分してジョブに関する情報をリスト表示する。ジョブ情報表示画面において、ジョブに関する情報は、ジョブの種類毎に設けられた複数のタブのうち、そのジョブが対応するタブの表示領域に表示される。
他方、ステップS21でジョブ数がいき値より大きくなければ、ステップS25において、CPU21は、ジョブの種類に応じて区分することなく、ジョブに関する情報をリスト表示する。ジョブ情報表示画面において、ジョブに関する情報は、そのジョブの状態に応じたタブの表示領域に表示される。
ジョブ数に関するいき値は、例えば、予め設定され、HDD15やROM23に記憶されていればよい。いき値は、次に示すようにユーザによる操作に応じて変更可能であってもよいし、固定値として設定されていてもよい。本実施の形態において、いき値は、ジョブ情報表示画面でリスト表示されるジョブの数の上限に対応するものとなる。したがって、いき値は、ジョブ情報表示画面のデザイン、すなわち表示領域やフォントのサイズなどに応じて設定されている。
図19は、いき値の設定処理を示すフローチャートである。
画像形成装置1は、ユーザからのいき値の設定入力を受け付ける。CPU21は、例えば表示パネル13上に画像形成装置1の種々の機能に関する機能設定画面を表示させて、いき値を設定するためのユーザによる操作を受け付ける。CPU21は、例えば、機能設定画面に表示されるいき値設定キーを押下する操作を、いき値を設定するためのユーザによる操作として受け付ける。
図19に示すように、ステップS41において、CPU21は、いき値設定キーが押下されたことを検知する。いき値設定キーが押下されると、次の処理に進む。
ステップS43において、CPU21は、ユーザが設定したいいき値の入力すなわち表示するジョブ数の設定操作をユーザに促すための画面表示などを行い、ユーザからの入力を受け付ける。CPU21は、受け付けた入力に基づいたいき値を保持する。いき値は、例えば、HDD15やROM23などに記憶される。
いき値の保持が行われると、処理が終了する。このようにいき値がユーザにより設定可能であることにより、ユーザの所望の表示態様でジョブ情報表示画面を表示させることができる。したがって、ユーザは、ジョブに関する情報を容易に知ることができる。
本実施の形態において、ジョブ情報表示画面において表示される複数のジョブに関する情報は、ジョブの種類やジョブの状態などに応じて決まる優先度に従って表示される。複数のジョブに関する情報を含むジョブ情報表示画面が表示されるとき、まず、ジョブの種類に従って、各ジョブについての優先度が定められる。そして、同種のジョブが複数あるときには、それぞれのジョブの動作状態に従って優先度が定められる。
ジョブの種類別の優先度について、優先度が高い順に、代表的ないくつかの停止不可能であるジョブの種類を列挙すると、例えば次のようになる。すなわち、G3fax送信ジョブ(ファクシミリ送信ジョブ)、ネットワークファクシミリ送信ジョブ、電子メール送信ジョブ、FTP送信ジョブ、及びサーバ連携ジョブの順である。
G3fax送信ジョブ(ファクシミリ送信ジョブ):G3fax送信では、通信時間によって課金される。そのため、G3fax送信ジョブを破棄できれば、不要な通信料金が課金されることを防止できる。したがって、G3fax送信ジョブは、他のジョブと比較して、破棄するジョブを選択する際の優先度が最も高いものとなる。
ネットワークファクシミリ送信ジョブ:ネットワークファクシミリでは、送信が正常に行われたか否か、送信の相手方に結果が残る。そのため、ネットワークファクシミリ送信ジョブは、電子メール送信ジョブなどと比較して、優先度が高いものとなる。
電子メール送信ジョブ:一般に、電子メールは、自分以外の相手に送信することが多い。そのため、電子メール送信ジョブは、ファイル送信ジョブと比較して、優先度が高いものとなる。
FTP送信ジョブ:一般に、FTP送信が行われる場合において、送信先は自分あてであることが多いものの、他人あてに送信が行われる場合もある。そのため、FTP送信ジョブは、サーバー連携ジョブと比較して、優先度が高いものとなる。
サーバ連携ジョブ:サーバ601が用いられるほか、画像形成装置1単独で行われる処理であると考えることができ、他の人へ情報が送信されている状態ではない。そのため、サーバ連携ジョブの優先度は、上記のジョブよりも低いものとなる。例えば、サーチャブルPDFファイルの生成ジョブでは、完成したサーチャブルPDFファイルの出力先は、例えば画像形成装置1内のBOXとなる。この場合、用紙に画像が出力されることもなく、サーバ連携ジョブの優先度は最も低くすればよい。
また、ジョブの動作状態別の優先度について、優先度が高い順に、ジョブの動作状態を列挙すると、例えば次のようになる。すなわち、実行中ジョブ、停止中ジョブ、及び待機中ジョブの順である。
実行中ジョブは、すぐに停止又は破棄したいものであり、優先度が最も高いものである。
停止中ジョブは、再開すること又は破棄することが可能なものである。停止中ジョブについては再開又は破棄を選択するユーザの操作を受け付けることができるため、待機中ジョブよりも優先度が高いものとなる。
待機中ジョブは、破棄すること以外の選択肢がないものである。したがって、他の動作状態のジョブと比較して、優先度が最も低いものとすればよい。
なお、動作状態が同一であるジョブが複数あるときには、ジョブの投入時刻が遅い新しいジョブほど、優先度を高くするようにしてもよい。ストップキー11bを押下したユーザは、直近に投入したジョブを停止させたいという動機を有する可能性が高い。そのため、このように新しいジョブを優先して表示することで、画像形成装置1の利便性の向上を図ることができる。
実行中ジョブ、停止中ジョブ、待機中ジョブが混在している場合に、これらのジョブについてリスト表示が行われるときには、実行中ジョブはリストの先頭に表示され、その後に、停止中ジョブ、待機中ジョブの順で表示される。また、実行中ジョブ、停止中ジョブ、待機中ジョブのそれぞれについて、例えば、最近投入されたジョブほど、リストの上方に位置するように表示される。
図20は、ジョブの数がいき値より大きい場合のジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
上記図18のステップS21における判断において「YES」である場合、すなわちストップキー11bが押下されたときに、停止できず動作中のジョブの数がいき値よりも大きい場合を想定する。このとき、ジョブの種類によって区分されたタブのそれぞれに、画像形成装置1に投入されているジョブに関する情報が表示される。
図20に示すように、このとき表示されるジョブ情報表示画面310には、G3faxタブ55と、ネットfaxタブ56と、電子メールタブ57と、FTPタブ58と、サーバ連携タブ59との各種のタブが含まれている。G3faxタブ55は、G3fax送信ジョブに対応する。ネットfaxタブ56は、ネットワークファクシミリ送信ジョブに対応する。電子メールタブ57は、電子メール送信ジョブに対応する。FTPタブ58は、FTP送信ジョブに対応する。サーバ連携タブ59は、サーバ連携ジョブに対応する。
ジョブ情報表示画面310が表示された当初は、これらのタブ55〜59のうちジョブの種類別で最も優先度が高いG3faxタブ55がアクティブとなり、その他のタブ56〜59はインアクティブとなる。図20に示す例において、G3faxタブ55に対応するジョブリスト55aには、4つのG3fax送信ジョブ301a〜301dに関する情報が表示されている。これらのジョブ301a〜301dのうち、ジョブ301a,301bは、動作状態が「送信中」であり、ジョブ301c,301dは、動作状態が「待機中」である。また、ジョブの登録時刻(投入時刻)は、ジョブ301bが最も早く、その後、ジョブ301d,301a,301cと続く。
ジョブ301a,301bの2つのジョブは、その動作状態が「送信中」であるので、「待機中」のジョブ301c,301dよりも、ジョブリスト55aの中で優先度が高い。ジョブ301aのジョブの登録時刻(投入時刻)は、ジョブ301bのジョブの登録時刻よりも数分遅くなっている。また、ジョブ301cのジョブの登録時刻は、ジョブ301dのジョブの登録時刻よりも数分遅くなっている。したがって、ジョブリスト55aにおいて、優先度の高い順に、上から順に、ジョブ301a,301b,301c,301dが並ぶ。
図21は、ジョブの数がいき値より小さい場合のジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
上記図18のステップS21における判断において「NO」である場合、すなわちストップキー11bが押下されたときに、停止できず動作中のジョブの数がいき値よりも小さい場合を想定する。このとき、上記のようなジョブの種類別に区分することは行われず、画像形成装置1に投入されているジョブに関する情報は、ジョブが実行中であるか停止中であるかに区分されて表示される。
図21に示すように、このとき表示されるジョブ情報表示画面320には、停止中タブ51と実行中タブ54とが含まれている。ジョブ情報表示画面320では、表示された時点において、実行中タブ54がアクティブとなっている。ジョブリスト54aには、G3fax送信ジョブ302と、ネットワークファクシミリ送信ジョブ303と、電子メール送信ジョブ304と、FTP送信ジョブ305と、サーバ連携ジョブ306のそれぞれのジョブに関する情報が、この順でリスト表示されている。これらのジョブ302〜306の登録時刻は、リスト表示順とは異なっている。ジョブ302〜306の動作状態は、いずれも「送信中」である。
ジョブ情報表示画面320は、上記のとおり、ジョブに関する情報は、ジョブの種類の優先度が高い順に、かつ、動作状態に応じて、表示されたものである。すなわち、このとき、G3fax送信ジョブが他の種類のジョブよりも優先度が高くなる。また、G3fax送信ジョブとして、動作状態が「送信中(実行中)」であるジョブ302と、待機中であるものとがあるとき、動作状態が「送信中」であるものの方が、優先度が高くなる。したがって、ジョブ情報表示画面320が表示されるとき、G3fax送信ジョブ302に関する情報が表示されるべき実行中タブ54がアクティブとなる。また、実行中タブ54のジョブリスト54aでは、他のジョブ303〜306のそれぞれに関する情報が、ジョブの種類により定まる優先度に応じた表示順で、G3fax送信ジョブ302に続いて表示される。
このように、ジョブの数が多い場合には、ジョブの種類によってタブに区分して、上記優先順を決定する規則に基づいてジョブ情報表示画面の表示が行われる。ジョブの数が多くなった場合、大量のジョブの中から1つのジョブを探すのには時間がかかる。そのため、ジョブの種類ごとジョブの種類を選択する手間が発生しても、種類毎に分けて表示された方が、ユーザが選択対象となるジョブを探す時間を短縮できる。また、ジョブの数が少ない場合には、ジョブの種類などによっては区分せずに、ひとつの区分あたりのジョブ数が容易に閲覧可能な程度になるようにして、ジョブ情報表示画面に表示される。したがって、ジョブの種類を選択する手間をかけることなく、ユーザが選択対象となるジョブを速やかに探し、選択する操作を行うことができる。したがって、ジョブの数の大小に応じて、ユーザが速やかにジョブの選択を行えるように、適切な表示態様でジョブ情報表示画面を表示できる。
なお、本実施の形態において、あるジョブに関する情報を優先して表示するには、既に説明したものも含めて、以下のような方法のうちいずれかによればよい。また、これらの方法のうち、複数を組み合わせて他のジョブよりも優先して表示されるようにしてもよい。
ユーザが視認可能なジョブ情報表示画面上の同一の表示領域上に複数のジョブに関する情報が表示される場合には、次のようにすればよい。すなわち、優先度が高いジョブに関する情報が表示領域の上方に位置するように表示することで、ユーザによる注意を引きやすくして、優先度を高めた表示を行うことができる。
複数のジョブに関する情報がジョブ情報表示画面の複数の表示領域に区分されて表示される場合には、次のようにすればよい。すなわち、ジョブ情報表示画面の表示当初に、優先度の高いジョブに関する情報が含まれる表示領域が、他の表示領域よりも優先して表示されるようにする。例えば、複数のタブに区分した表示を行う場合、優先度の高いジョブに対応するタブをアクティブにしてジョブ情報表示画面を表示する。これにより、まず、優先度の高いジョブに関する情報について、ユーザが速やかに確認できる。
例えばいわゆるウインドウシステムを採用した表示画面のようにジョブ情報表示画面を表示する場合であって、複数のジョブが、互いに重ねて表示される複数の表示領域(ウインドウ)に区分されて表示される場合には、次のようにすればよい。すなわち、ジョブ情報表示画面の表示当初に、優先度の高いジョブに関する情報が含まれる表示領域が他の表示領域の上に重ねられるように、複数の表示領域を重ねて表示させる。これにより、まず、優先度の高いジョブに関する情報について、ユーザが速やかに確認できる。
[ストップキー11bが押下されるタイミングとジョブに関する情報の表示態様との説明]
同一のジョブであっても、ストップキー11bが押下されるタイミングによっては、そのジョブが停止可能であるか否か、破棄可能であるか否かが異なる場合がある。そのため、同一のジョブであっても、ストップキー11bが押下されるタイミングにおける動作状態によって、そのジョブに関する情報が異なる態様でジョブ情報表示画面に表示される場合がある。以下に、G3fax送信ジョブが行われる場合に表示されるジョブ情報表示画面の例と、サーバ連携ジョブが行われる場合のジョブ情報表示画面の例とについて説明する。
図22は、G3fax送信ジョブの動作の一例を示すフローチャートである。
図22に示されるように、G3fax送信ジョブの処理は、ステップS701においてユーザによる操作入力(スタートキーの押下操作)に応じて開始される。このとき、G3fax送信のあて先も指定される。ジョブが開始されると、ジョブが完了するまで、CPU21により、ストップキー11bをユーザが押下する操作が受け付けられる。
ステップS703において、CPU21は、スキャン部40による原稿の読込を開始する。自動原稿搬送部41により送信される原稿が読み取られる。
ここで、ユーザによりストップキー11bが押下されると、ステップS705において、CPU21は、ストップキー11bが押下されたことを受け付ける(S705:YES)。ストップキー11bが押下されなければ、ステップS715に進む。
ステップS705においてストップキー11bの押下が受け付けられると、ステップS707において、CPU21は、原稿の読み込み動作を停止する。すなわち、このタイミングでは、G3fax送信ジョブは、停止可能なジョブである。
ステップS709において、CPU21は、ジョブ情報表示画面を表示する。すなわち、CPU21は、G3fax送信ジョブを、停止中のジョブとして、そのジョブに関する情報を含むジョブ情報表示画面を表示する。
図23は、ジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
図23に示されるように、ジョブ情報表示画面330は、停止中タブ51とファクシミリ送信タブ52との2つのタブが表示されている。このとき、G3fax送信ジョブ307は読込が停止された状態であるため、そのジョブ307に関する情報が、停止中タブ51のジョブリスト51aに表示される。ジョブ307は再開可能であるので、ジョブ情報表示画面330でジョブ307が選択されているときには、削除キー61と再開キー62とが表示されている。ジョブ307を再開するには、ユーザは、ジョブ307が選択されている状態で、再開キー62を押下する。
図22に戻って、ステップS711において、ユーザにより再開キー62が押下されると、CPU21は、それを検知する。
ステップS713において、CPU21は、読み込みを再開する。
ステップS715において、CPU21は、読み込みが完了すると、送信を開始する。
ここで、ユーザによりストップキー11bが押下されると、ステップS717において、CPU21は、ストップキー11bが押下されたことを受け付ける(S717:YES)。ストップキー11bが押下されなければ、ステップS721に進む。
このとき、ファクシミリ送信が行われているので、G3fax送信ジョブは停止できないジョブである。そのため、ステップS717においてストップキー11bの押下が受け付けられると、ステップS719において、CPU21は、ジョブ情報表示画面の表示を行う。CPU21は、G3fax送信ジョブを、送信中のジョブとして、そのジョブに関する情報を含むジョブ情報表示画面を表示する。ジョブ情報表示画面は、破棄選択画面110を表示してユーザによる指示があった後などに表示されればよい。
図24は、ジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
図24に示されるように、ジョブ情報表示画面340は、停止中タブ51とファクシミリ送信タブ52との2つのタブを含む。このとき、G3fax送信ジョブ307は停止されておらず、送信中であるため、ジョブ307に関する情報は、ファクシミリ送信タブ52のジョブリスト52aに表示される。ジョブ307は破棄可能であるものの、再開不可能であるので、ジョブ情報表示画面340には、削除キー61のみが表示される。このとき、ユーザは、ジョブ307を選択して、削除キー61を選択する操作を行うことで、ジョブ307の破棄を行うことができる。送信完了までにこの処理が行われた場合、処理は終了する。
図22に戻って、ステップS721において、CPU21は、送信が完了すると、G3fax送信ジョブを完了する。
図25は、認証プルプリントジョブの動作の一例を示すフローチャートである。
図25において、ステップS801からステップS827までの処理は、図13のステップS501からステップS527までの処理と同じであるため、この部分の説明は省略する。本例では、ステップS825,S827において、印字データ受信中にストップキー11bが押下されたとき、認証プルプリントジョブを破棄する操作が行われなかった場合を想定する。
ストップキー11bが押下されても、ジョブの破棄が行われなければ、ステップS829において、画像形成装置1は、印字データの受信を完了する。
ステップS831において、画像形成装置1は、受信した印字データに基づいて、印刷を開始する。
ここで、ユーザによりストップキー11bが押下されると、ステップS833において、画像形成装置1は、ストップキー11bが押下されたことを受け付ける。
ステップS833においてストップキー11bの押下が受け付けられると、ステップS835において、画像形成装置1は、印刷動作を停止する。すなわち、このタイミングでは、認証プルプリントジョブは、停止可能なジョブである。
ステップS837において、画像形成装置1は、ジョブ情報表示画面の表示を行う。すなわち、画像形成装置1では、認証プルプリントジョブを、停止中のジョブとして、そのジョブに関する情報を含むジョブ情報表示画面を表示する。
図26は、ジョブ情報表示画面の一例を示す図である。
図26に示されるように、ジョブ情報表示画面350は、停止中タブ51とファクシミリ送信タブ52との2つのタブが表示されている。このとき、認証プルプリントジョブ308は読込が停止された状態であるため、そのジョブ308に関する情報が、停止中タブ51のジョブリスト51aに表示される。ジョブ308は再開可能であるので、ジョブ情報表示画面330でジョブ308が選択されているときには、削除キー61と再開キー62とが表示されている。ユーザが再開キー62を押下すると、印刷が再開される。また、ユーザが削除キー61を押下すると、認証プルプリントジョブ307は破棄される。
[実施の形態における効果]
以上のように構成された画像形成装置1では、破棄対象のジョブを選択するためのジョブ情報表示画面が表示されるとき、実行中のジョブがあればそのジョブが優先して表示される。このとき、破棄可能なジョブは、破棄不可であるジョブよりも優先して表示される。ジョブ情報表示画面がそのような優先規則に従って表示された後は、ユーザが適宜操作を行うことで、タブを切り替えたりして他のジョブを表示させて所望の操作を行うことができる。実行中のジョブの優先表示が行われるので、ユーザは、動作が停止したか否かを視認により判別することが困難なジョブについて、実行中であることを速やかに、かつ、確実に知ることができる。破棄可能なジョブの優先表示が行われるので、ジョブの破棄などの処理を、容易にかつ少ない手順で行うことができる。動作中であって、破棄の対象となり得るジョブが優先して表示されることで、ユーザは、速やかに破棄指示を行うなどの対応を行うことができる。
また、画像形成装置1では、動作中のジョブを破棄するか否かを選択することを求める破棄選択画面が、所定の場合において、ジョブ情報表示画面が表示される前に表示される。そのため、ユーザは、動作中のジョブがあることをより早く知ることができる。
[その他]
画像形成装置1に投入されているジョブの種類や数は、上記の実施の形態に示されるものに限られない。例えば、画像形成装置1は、FTPによる送信のほか、SMB(Server Message Block)やWebDAV(Web−based Distributed Authoring and Versioning)など他のプロトコルによる送信を行うファイル送信ジョブを行えるものであってもよい。
ストップキーが押下されたときに、破棄選択画面が表示されず、すぐにジョブ情報表示画面が表示されることで、実行中のジョブがあることがユーザに通知されるようにしてもよい。
ジョブ情報表示画面の表示時に考慮されるジョブの優先度は、例えば別の要因によっても決められるようにしてもよい。例えば、ファクシミリ送信ジョブや電子メール送信ジョブなどについて、同一の種類のジョブであっても、会社外など所定のグループ外の相手などがあて先とされている場合には、グループ内の相手があて先とされている場合よりも表示の優先度が高くなるようにしてもよい。
ジョブの優先度は、ジョブの種類、ジョブの登録時刻、ジョブの動作状態、及び送信先など種々の要因を適宜考慮して定めればよい。例えば、ジョブの登録時刻や、送信先を最も重視してジョブの優先度が決められるようにしてもよい。
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
また、本発明に係る画像処理装置は、画像形成部を有しない画像読取装置(画像処理装置の一例)や、読取部を有さず、画像形成部しかない画像形成装置などにも、適用可能である。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。