JP5413314B2 - 赤外線反射フィルムおよび合わせガラスの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、赤外線反射フィルムおよび合わせガラスの製造方法に係り、特に良好な外観を有する合わせガラスが得られる赤外線反射フィルムの製造方法およびこの赤外線反射フィルムを用いた合わせガラスの製造方法に関する。
従来、車両等のフロントガラスに使用する合わせガラスとして、対向する一対のガラス基板間に太陽光線中の赤外線(熱線)の透過を遮断する赤外線反射フィルムを配置し、室内の温度上昇や冷房負荷を低減するものが知られている。赤外線反射フィルムとしては、例えば基材となる透明樹脂フィルム上に赤外線反射膜として酸化物膜と金属膜とを交互に積層するもの、また赤外線反射膜として高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜とを交互に積層するものが知られている。
このような赤外線反射フィルムは、一対のガラス基板間にポリビニルブチラール樹脂等からなる一対の接着層(接着シート)を介して接着することにより合わせガラスとされている。具体的には、例えばガラス基板、接着層、赤外線反射フィルム、接着層、およびガラス基板をこの順に積層して積層体とした後、この積層体に対して予備圧着、本圧着を行うことにより合わせガラスが製造されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような合わせガラスについては、表面に写る反射像が不鮮明、具体的には全体が波打つようにぼやけた状態に見えて外観上好ましくないことがある。この原因については必ずしも明らかではないが、例えば予備圧着や本圧着の際の加熱により接着層が収縮し、これに隣接する熱線反射フィルムが収縮してその表面にうねりが発生することなどが原因と考えられている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、表面に写る反射像が不鮮明に見える現象が抑制され、良好な外観を有する合わせガラスを得ることのできる赤外線反射フィルムの製造方法を提供することを目的としている。また、本発明は、このような赤外線反射フィルムを用いた良好な外観を有する合わせガラスの製造方法を提供することを目的としている。
本発明の赤外線反射フィルムの製造方法は、透明樹脂フィルム上に赤外線反射膜を構成する複数の構成膜のうち最初に成膜される1つの構成膜を0.50Pa以上の圧力下で真空成膜する工程と、前記最初の構成膜が成膜された透明樹脂フィルムを1.0×10−3Pa以下の高真空下で30秒以上保持する工程と、前記高真空下での保持が行われた透明樹脂フィルムに前記複数の構成膜の残りの構成膜を真空成膜して赤外線反射フィルムとする工程とを有することを特徴とする。
前記残りの構成膜を真空成膜して赤外線反射フィルムとする工程においては、各構成膜を0.50Pa以上の圧力下で真空成膜することが好ましい。前記透明樹脂フィルムはポリエチレンテレフタレートからなることが好ましい。また、前記透明樹脂フィルムは厚さが10〜100μmであることが好ましい。
本発明の合わせガラスの製造方法は、上記した本発明の赤外線反射フィルムの製造方法によって赤外線反射フィルムを製造する工程と、一対のガラス基板間に一対の接着シートを介して前記赤外線反射フィルムを挟持し、熱圧着により全体を一体化することにより合わせガラスとする工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、透明樹脂フィルム上に赤外線反射膜を構成する複数の構成膜を順次真空成膜して赤外線反射フィルムを製造するにあたり、まず透明樹脂フィルム上に0.50Pa以上の圧力下で最初に成膜される1つの構成膜を成膜し、その後に最初の構成膜が成膜された透明樹脂フィルムを1.0×10−3Pa以下の高真空下で30秒以上保持することで、表面に写る反射像が不鮮明に見える現象が抑制され、良好な外観を有する合わせガラスが得られる赤外線反射フィルムを製造することができる。
また、本発明によれば、このような製造方法によって赤外線反射フィルムを製造した後、この赤外線反射フィルムを一対のガラス基板間に一対の接着シートを介して挟持し、熱圧着により全体を一体化することで、表面に写る反射像が不鮮明に見える現象が抑制され、良好な外観を有する合わせガラスを製造することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の赤外線反射フィルムの製造方法は、透明樹脂フィルム上に赤外線反射膜を構成する複数の構成膜のうち最初に成膜される1つの構成膜を0.50Pa以上の圧力下で真空成膜する工程(第1の成膜工程)と、この最初の構成膜が成膜された透明樹脂フィルムを1.0×10−3Pa以下の高真空下で30秒以上保持する工程(第1の保持工程)と、この高真空下での保持が行われた透明樹脂フィルムに複数の構成膜の残りの構成膜を真空成膜して赤外線反射フィルムとする工程(第2の成膜工程)とを有することを特徴とする。
本発明の赤外線反射フィルムの製造方法は、透明樹脂フィルム上に赤外線反射膜を構成する複数の構成膜のうち最初に成膜される1つの構成膜を0.50Pa以上の圧力下で真空成膜する工程(第1の成膜工程)と、この最初の構成膜が成膜された透明樹脂フィルムを1.0×10−3Pa以下の高真空下で30秒以上保持する工程(第1の保持工程)と、この高真空下での保持が行われた透明樹脂フィルムに複数の構成膜の残りの構成膜を真空成膜して赤外線反射フィルムとする工程(第2の成膜工程)とを有することを特徴とする。
また、本発明の合わせガラスの製造方法は、上記した本発明の赤外線反射フィルムの製造方法によって赤外線反射フィルムを製造する工程と、一対のガラス基板間に一対の接着シートを介して赤外線反射フィルムを挟持し、熱圧着により全体を一体化することにより合わせガラスとする工程とを有することを特徴とする。
本発明の赤外線反射フィルムの製造方法によれば、透明樹脂フィルム上に赤外線反射膜を構成する複数の構成膜を順次真空成膜して赤外線反射フィルムを製造するにあたり、まず所定の圧力以上で最初に成膜される1つの構成膜を真空成膜し(第1の成膜工程)、この最初の構成膜が成膜された透明樹脂フィルムを所定の高真空下で所定の時間保持し(第1の保持工程)、その後に複数の構成膜の残りの構成膜を真空成膜することで(第2の成膜工程)、表面に写る反射像が不鮮明に見える現象が抑制され、良好な外観を有する合わせガラスが得られる赤外線反射フィルムを製造することができる。
このような製造方法によって良好な外観を有する合わせガラスが得られる機構については必ずしも明確にはなっていないが、透明樹脂フィルムが比較的多くの水分を含んでおり、この水分が赤外線反射フィルムまたは合わせガラスの製造時に何らかの悪影響を及ぼしていると推測され、このような水分を赤外線反射フィルムに最初の構成膜を成膜するときに所定の工程を行うことにより放出させて除去することで、水分による悪影響を抑制し、良好な外観を有する合わせガラスが得られると推測される。以下、各工程について説明する。
第1の成膜工程は、赤外線反射膜を構成する複数の構成膜のうち最初に成膜される1つの構成膜を真空成膜するものであって、0.50Pa以上の圧力下で行われる。J.A.Thorntonの文献(J.Vac.Sci.Technol.Vol.11,No.4(1974) p.668)にも記載があるが、より低い圧力で作った薄膜は緻密な構造をとることが一般に知られているが、特に酸化チタン、酸化シリコンについては低い圧力でスパッタリングした場合には緻密な組織になると同時に、膜の持つ応力が高くなる懸念がある。最初の構成膜を真空成膜するときの圧力が0.50Pa未満の場合、成膜される最初の構成膜の応力が高くなり、良好な外観を有する合わせガラスが得られないおそれがある。
第1の成膜工程の圧力は、より良好な外観を有する合わせガラスを得る観点から、0.55Pa以上が好ましい。なお、第1の成膜工程の圧力は、通常、1.0Pa程度までとすれば十分である。このような圧力とすれば、成膜される最初の構成膜の応力を十分に抑制することができ、結果として良好な外観を有する合わせガラスが得られる。また、成膜機器への過度な負担も抑制することができる。
第1の保持工程は、第1の成膜工程において最初の構成膜が形成された透明樹脂フィルムから水分を放出させて除去するために行われるものであり、最初の構成膜が成膜された透明樹脂フィルムを1.0×10−3Pa以下の高真空下で30秒以上保持することにより行われる。
第1の保持工程における圧力が1.0×10−3Paよりも高い場合、十分な真空状態となっていないために、透明樹脂フィルムから十分に水分を放出させて除去することができず、結果として良好な外観を有する合わせガラスが得られないおそれがある。また、第1の保持工程の保持時間が30秒未満の場合についても、保持時間が十分でないために、透明樹脂フィルムから十分に水分を放出させて除去することができず、結果として良好な外観を有する合わせガラスが得られないおそれがある。
第1の保持工程における圧力は、より効果的に透明樹脂フィルム等から水分を放出させて除去し、良好な外観を有する合わせガラスを得る観点から、5.0×10−4Pa以下が好ましい。また、同様な理由から、第1の保持工程における保持時間についても、60秒以上が好ましく、120秒以上がより好ましく、150秒以上がさらに好ましい。なお、温度については必ずしも制限されるものではないが、温度が過度に高くなると透明樹脂フィルムが収縮等をしやすくなるため、通常は80度以下が好ましい。
第1の保持工程における圧力は、上記した圧力よりも低ければ特に限定されるものではないが、通常、1.0×10−4Pa程度までとすれば十分である。このような圧力とすることで、透明樹脂フィルム等から十分に水分を放出させて除去することができ、また真空引きにかかる時間も抑えることができ、機器への過度な負担も抑制することができる。また、第1の保持工程における保持時間についても、上記した保持時間よりも長ければ特に限定されるものではないが、通常、5分程度までとすれば十分である。このような保持時間とすることで、透明樹脂フィルムから十分に水分を放出させて除去することができ、また保持時間の長期化に伴う生産性の低下も抑制することができる。
第2の成膜工程は、第1の成膜工程および第1の保持工程を経て赤外線反射膜の最初の構成膜が成膜された透明樹脂フィルムに残りの構成膜を真空成膜して赤外線反射フィルムを完成させるために行われる。第2の成膜工程の成膜条件、例えば圧力等は必ずしも限定されるものではなく、公知の成膜条件を採用することができる。
なお、第2の成膜工程、すなわち2番目以降に成膜される各構成膜についても、最初の構成膜と同様の成膜条件、すなわち0.50Pa以上の圧力下で真空成膜することが好ましい。このような成膜条件とすることで、より良好な外観を有する合わせガラスを得ることができる。一方、これらの成膜後については、必ずしも最初の構成膜と同様の保持、すなわち1.0×10−3Pa以下の高真空下での保持を行う必要はない。このような保持を行わないものとしても、十分に良好な外観を有する合わせガラスを得ることができる。
各構成膜の成膜自体については、最初の構成膜の成膜が特定の圧力下で行われることを除き、基本的に公知の成膜方法を適用して行うことができる。具体的には、マグネトロンスパッタリング法、電子線蒸着法、真空蒸着法、化学蒸着法等により行うことができる。
図1は、このような赤外線反射フィルムの製造方法によって製造される赤外線反射フィルムの一例を示す断面図である。図1に示すように、赤外線反射フィルム1は、例えば透明樹脂フィルム2の一方の主面に赤外線反射膜3が成膜されている。なお、赤外線反射膜3の表面上、すなわち透明樹脂フィルム2側の主面とは反対側の主面には、保護膜等の別の機能を有する膜が形成されていてもよい。
赤外線反射膜3は、透明樹脂フィルム2側から順に、第1の構成膜3(1)、第2の構成膜3(2)、……、および第Nの構成膜3(N)の複数の構成膜が積層されることにより構成されている。このような赤外線反射膜3については、透明樹脂フィルム2に最初に形成される第1の構成膜3(1)が上記した第1の成膜工程および第1の保持工程を経て形成される。また、残りの第2の構成膜3(2)〜第Nの構成膜3(N)については、それぞれ公知の成膜条件により形成してもよいし、第1の成膜工程や第1の保持工程と同様の成膜・保持条件により形成してもよい。
透明樹脂フィルム2は、赤外線反射フィルム1を主として構成する基材となるものであり、例えばポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ナイロン、シクロオレフィンポリマー等からなるものであることが好ましい。これらの中でも、比較的に高強度であり、赤外線反射フィルム1や合わせガラスを製造する際の損傷を抑制しやすいことから、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましい。
透明樹脂フィルム2の厚さは、必ずしも限定されるものではないものの、5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、20〜70μmがさらに好ましい。透明樹脂フィルム2の厚さを5μm以上とすることで、ある程度の剛性をもたせて折り目を発生しにくくし、また赤外線反射膜3の成膜時の熱による変形も抑制しやすい。一方、200μm以下とすることで、成形性を良好とし、合わせガラスにするときのエッジ部分のエアライン(フィルムエッジ部に入り込んだ空気が抜けず、白い線のように見える不具合)の発生を抑制しやすい。
本発明の製造方法は、透明樹脂フィルム2の厚さが100μm以下の場合に特に顕著な効果を得ることができる。一般に合わせガラス10を製造する場合、赤外線反射フィルム1の両主面に熱処理によって収縮しやすい接着層(接着シート)が配置される。透明樹脂フィルム2の厚さが100μmよりも大きい場合、接着層の収縮の影響を受けにくいが、100μm以下となると接着層の収縮の影響を受けやすくなり、結果として良好な外観を有する合わせガラスを得にくくなる。このように、良好な外観を有する合わせガラスを得ることが難しい透明樹脂フィルム2を用いる場合に、本発明の製造方法は特に顕著な効果を得ることができる。
赤外線反射膜3、すなわち第1の構成膜3(1)〜第Nの構成膜3(N)は、光の干渉を利用して赤外領域(波長域:780nm〜1000nm)の光を選択的に反射するものであり、例えば透明樹脂フィルム2側から順に高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜とを交互に積層したものとすることができる。また、赤外線反射膜3は、例えば酸化物膜と金属膜とが交互に積層したものとしてもよい。
赤外線反射膜3を誘電体膜からなるものとする場合、誘電体膜の層数、すなわち高屈折率の誘電体膜と低屈折率の誘電体膜とを合計した層数は5層以上が好ましい。誘電体膜の層数を5層以上とすることで、可視光透過率や近赤外線領域における反射率が高い合わせガラスを得ることができる。誘電体膜の層数は5層以上であれば必ずしも制限されるものではないが、13層を超えると製造工程の増加により生産性が低下しやすいことから、通常は合わせガラスとしたときの光学特性等と生産性とを両立させる観点から7〜13層が好ましく、7〜11層がより好ましく、7〜9層がさらに好ましい。
各誘電体膜の厚さについては必ずしも限定されるものではないが、例えば透明樹脂フィルム2から最も離れた2つの誘電体膜(第N−1の構成膜3(N−1)および第Nの構成膜3(N))のうち高屈折率の誘電体膜については5〜30nmが好ましく、6〜25nmがより好ましく、低屈折率の誘電体膜については8〜50nmが好ましく、10〜45nmがより好ましい。このようなものとすることで、例えば表面の色調が刺激色を帯びない中間的色調の合わせガラスを得ることができる。
一方、上記以外の誘電体膜(第1の構成膜3(1)〜第N−2の構成膜3(N−2))のうち高屈折率の誘電体膜については90〜115nmが好ましく、90〜110nmがより好ましく、低屈折率の誘電体膜については150〜190nmが好ましく、155〜185nmがより好ましい。このようなものとすることで、可視光透過率や赤外線反射率の良好な合わせガラスを得ることができる。
高屈折率の誘電体膜は、屈折率(波長550nmでの屈折率、以下同様)が1.9以上、好ましくは1.9〜2.5の誘電体からなるものであり、例えば酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および酸化ハフニウム等の高屈折率の誘電体材料の中から選ばれる少なくとも1種からなるものが好ましい。
一方、低屈折率誘電体膜は、屈折率が1.5以下、好ましくは1.2〜1.5の誘電体からなるものであり、例えば酸化シリコン、およびフッ化マグネシウム等の低屈折率の誘電体材料の中から選ばれる少なくとも1種からなるものが好ましい。
一方、酸化物層と金属層とを交互に積層するものについては、透明樹脂フィルム2側から酸化物層と金属層とが交互に(2n+1)層(但し、nは1以上4以下の整数)積層されたものが好ましい。
酸化物層は、屈折率が1.7〜2.6、特に1.8〜2.6のものが好ましく、例えば酸化ビスマス、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化インジウム等の金属酸化物を主成分とするもの、あるいはこれらの混合物が好ましい。
特に、酸化亜鉛を主成分とするもの、または酸化インジウムを主成分とするものが好ましい。酸化亜鉛を主成分とするものとしては、酸化亜鉛のみからなるもの、またはスズ、アルミニウム、クロム、チタン、シリコン、ホウ素、マグネシウム、インジウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有する酸化亜鉛が挙げられる。また、酸化インジウムを主成分とするものとしては、スズを含有する酸化インジウムが挙げられる。
これらの中でも、金属層を安定的に、かつ高い結晶性を有しながら形成できる点から、酸化亜鉛を主成分とするものが好ましく、特にアルミニウムおよび/またはチタンを含有する酸化亜鉛が好ましい。なお、各酸化物層は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
金属層は、銀を主成分とするものであり、銀のみからなるもの、または銀を主成分とする合金からなるものとすることができる。金属層における銀以外の構成成分は、例えばパラジウム、金、銅等であり、これら銀以外の構成成分の含有量は合計で0.3〜10原子%が好ましい。
酸化物層や金属層の厚さは、全体の層数や各層の構成材料によっても異なるが、例えば各酸化物層は5〜100nm、各金属層は5〜20nm、全ての酸化物層と金属層とを合わせた全体の層厚は50〜400nm、より好ましくは150〜300nmである。
なお、本発明の製造方法によって製造される赤外線反射フィルム1は、必ずしも図1に示されるような透明樹脂フィルム2の一方の主面に赤外線反射膜3が形成されたものに限られない。例えば、図2に示すように、透明樹脂フィルム2の一方の主面に赤外線反射膜3aが形成され、他方の主面に赤外線反射膜3bが形成されたものであってもよい。このように透明樹脂フィルム2の両主面に赤外線反射膜3a、3bが形成されるものについては、両主面に形成される第1の構成膜3a(1)、3b(1)のうちいずれか早く形成されるものを上記した第1の成膜工程および第1の保持工程により形成すればよい。
図3は、図1に示す赤外線反射フィルム1を用いた合わせガラスの一例を示す断面図である。合わせガラス10は、例えば対向する一対のガラス基板11、12の間に一対の接着層(接着シート)13、14を介して赤外線反射フィルム1が挟持されるようにして一体化されることにより構成されている。通常、透明樹脂フィルム2の一方の主面のみに赤外線反射膜3が形成された赤外線反射フィルム1については、赤外線反射膜3が形成された側、すなわちガラス基板12側が、光線入射側、例えば車輌用ガラスとしたときの車外側となるようにして用いられる。
接着層13、14は、ガラス基板11、12と赤外線反射フィルム1とを接着するために設けられるものであり、例えば熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物からなるものである。接着層13、14の厚さは必ずしも限定されるものではないものの、例えば0.1〜1.5mmが好ましく、0.2〜1.0mmがより好ましい。
熱可塑性樹脂としては、従来からこの種の用途に用いられている熱可塑性樹脂が挙げられ、例えば可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、可塑化飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、可塑化ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、および遮音性等の諸特性のバランスに優れることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適なものとして挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂における「可塑化」とは、例えば可塑剤の添加により可塑化されていることを意味する。その他の可塑化樹脂についても同様である。
ポリビニルアセタール系樹脂としては、例えばポリビニルアルコール(以下、必要に応じて「PVA」という)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、必要に応じて「PVB」という)等が挙げられ、特に透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、および遮音性等の諸特性のバランスに優れることから、PVBが好適なものとして挙げられる。なお、これらのポリビニルアセタール系樹脂は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリビニルアセタール系樹脂の合成に用いられるPVAとしては、一般に平均重合度が200〜5000のものが好ましく、500〜3000のものがより好ましい。また、ポリビニルアセタール系樹脂としては、一般にアセタール化度が40〜85モル%のものが好ましく、50〜75モル%のものがより好ましく、また残存アセチル基量が30モル%以下のものが好ましく、0.5〜24モル%のものがより好ましい。
可塑剤としては、例えば一塩基性有機酸エステル系、多塩基性有機酸エステル系等の有機酸エステル系可塑剤、有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。可塑剤の添加量は、熱可塑性樹脂の平均重合度、ポリビニルアセタール系樹脂の平均重合度やアセタール化度および残存アセチル基量等によっても異なるものの、熱可塑性樹脂100質量部に対し、10〜80質量部が好ましい。可塑剤の添加量が10質量部未満の場合、熱可塑性樹脂の可塑化が不十分となり、成形が困難となることがある。また、可塑剤の添加量が80質量部を超える場合、強度が不十分となることがある。
熱可塑性樹脂組成物には赤外線遮蔽性剤を含有させることが好ましく、特に一対の接着層13、14のうち光線出射側となる接着層13の形成に用いられる熱可塑性樹脂組成物に赤外線遮蔽性剤を含有させることが好ましい。このようなものとすることで、合わせガラス10の赤外線遮蔽能を良好にすることができる。
赤外線遮蔽性剤としては、例えばRe、Hf、Nb、Sn、Ti、Si、Zn、Zr、Fe、Al、Cr、Co、Ce、In、Ni、Ag、Cu、Pt、Mn、Ta、W、V、Mo等の金属、その酸化物、窒化物、硫化物、もしくは珪素化合物、またはこれらにSb、F、もしくはSn等のドーパントをドープした無機系微粒子が挙げられ、具体的にはSbがドープされた酸化錫微粒子(ATO微粒子)、Snがドープされた酸化インジウム微粒子(ITO微粒子)が挙げられ、これらの中でもITO微粒子が好適なものとして挙げられる。
ITO微粒子としては、一次粒子の平均粒径が100nm以下であるものが好ましい。ITO微粒子の平均粒径が100nmを超える場合、接着層13、14の透明性が不十分となるおそれがある。また、ITO微粒子の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜3.0質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。ITO微粒子の含有量が0.1質量部未満の場合、必ずしも十分な赤外線遮蔽能を得ることができず、3.0質量部を超える場合、可視光透過率が不十分となるおそれがある。
なお、熱可塑性樹脂組成物には、熱可塑性樹脂、必要に応じて含有される赤外線遮蔽性剤の他、例えば接着性調整剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、蛍光剤、脱水剤、消泡剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上を含有させることができる。
ガラス基板11、12としては、公知のガラス板を用いることができ、例えばクリアガラス板、グリーンガラス板、UVグリーンガラス板等の無機透明ガラス板、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板等の有機透明ガラス板を用いることができる。
ガラス基板11、12のうち、特に光線出射側となるガラス基板11についてはUVグリーンガラス板とすることが好ましい。このようなものとすることで、より良好な光学特性を得ることができる。なお、UVグリーンガラス板とは、SiO2を68〜74質量%、Fe2O3を0.3〜1.0質量%、かつFeOを0.05〜0.5質量%含有するものであって、波長350nmの紫外線透過率が1.5%以下、かつ550〜1700nmの領域に透過率の極小値を有する紫外線吸収グリーンガラスを指すものとする。
ガラス基板11、12の厚さは、必ずしも限定されるものではないが、それぞれ1〜4mmが好ましく、1.8〜2.5mmがより好ましい。なお、ガラス基板11、12には、撥水機能、親水機能、防曇機能等を付与するコーティングが施されていてもよい。
このような合わせガラス10は、上記した赤外線反射フィルムの製造方法により製造される赤外線反射フィルムを用いること以外、従来の合わせガラスと同様にして製造することができる。
例えば、ガラス基板11、接着シート(接着層13)、赤外線反射フィルム1、接着シート(接着層14)、およびガラス基板12をこの順に重ね合わせて積層体とした後、この積層体に対して予備圧着、本圧着を行うことにより製造することができる。
また別の製造方法として、例えば、接着シート(接着層13)、赤外線反射フィルム1、および接着シート(接着層14)をこの順に重ね合わせて、例えば温度40〜80℃、圧力0.1〜1.0MPaの加熱加圧により予備積層体とした後、この予備積層体の両主面にガラス基板11、12を重ね合わせて積層体とし、この積層体に対して予備圧着、本圧着を行うことにより製造してもよい。
予備圧着は、構成部材間の脱気を目的とするものであり、例えば積層体を排気系に接続したゴムバッグのような真空バッグに入れ、内部の圧力が100kPa以下、好ましくは1〜36kPa程度となるように脱気しながら70〜130℃で10〜90分保持することにより行うことができる。
温度を70℃以上とすることで、予備圧着を十分に行うことができる。一方、温度を130℃以下とすることで、赤外線反射フィルム1の過度な熱収縮によるクラックの発生を抑えることができる。より効果的に予備圧着を行う観点から、温度は90℃以上とすることが好ましく、110℃以上とすることがより好ましい。
また、時間を10分以上とすることで、予備圧着を十分に行うことができる。一方、時間を90分以下とすることで、生産性の低下を抑制することができ、また赤外線反射フィルム1の過度な熱収縮によるクラックの発生を抑えることができる。時間は、より効果的かつ効率的に予備圧着を行う観点から、20〜60分が好ましい。
本圧着は、ガラス基板11、12と赤外線反射フィルム1とを接着シート(接着層13、14)により十分に接着するために行うものであり、例えば予備圧着により得られた予備圧着体をオートクレーブに入れ、温度120〜150℃、圧力0.98〜1.47MPaとして行うことができる。このような温度および圧力で本圧着を行うことで、十分な接着を行うことができ、また赤外線反射フィルム1の過度な熱収縮によるクラックの発生も抑制し、生産性等も良好とすることができる。本圧着の温度は130〜140℃が好ましく、圧力は1.1〜1.4MPaが好ましく、時間は30〜90分が好ましく、45〜75分がより好ましい。
このような合わせガラス10については、特定の製造方法により製造された赤外線反射フィルム1を用いることで、表面に写る反射像が不鮮明に見える現象が抑制され、良好な外観を有するために、自動車、鉄道、船舶、各種建築物等の窓材として好適に用いることができ、特に自動車のフロントガラス等に好適に用いることができる。
(実施例1)
以下の方法で、図1に示す赤外線反射フィルムを作製した。
TiターゲットとSiターゲットとを装着したスパッタリング成膜装置に大きさ100mm×100mm、厚さ100μmのPETフィルムをセットし、チャンバー内が4.0×10−5Paとなるように高真空排気を行った。
以下の方法で、図1に示す赤外線反射フィルムを作製した。
TiターゲットとSiターゲットとを装着したスパッタリング成膜装置に大きさ100mm×100mm、厚さ100μmのPETフィルムをセットし、チャンバー内が4.0×10−5Paとなるように高真空排気を行った。
チャンバー内に不活性ガスとしてアルゴンガスを2500sccm導入し、シャッターを閉じた状態で予備放電を行ってTiターゲットの表面を洗浄した。その後、反応性ガスとして酸素ガスを900sccm導入し、PETフィルムをセットしたドラムを150rpmで回転させた。ECR酸化源により1000Wのマイクロ波をチャンバー内に導入し、シャッターを閉じた状態でTiターゲットに15kWのAC電源を投入し、放電の安定化の目的で1分間の放電を行った後、シャッターを開けてTiO2膜を95nm成膜した(第1の成膜工程)。なお、このときのチャンバー内の圧力は0.58Paであった。
その後、真空排気を行いつつ、シャッターを閉じてAC電源およびECR酸化源の電力をオフにするとともに、アルゴンガスおよび酸素ガスの導入を停止し、ドラムを150rpmで回転させたままの状態とした。この時チャンバー内は4×10−4Paの値を示した。この状態で3分間保持した(第1の保持工程)。また、このときの温度は80℃以下であった。
さらに、チャンバー内に不活性ガスとしてアルゴンガスを2500sccm導入し、シャッターを閉じた状態で予備放電を行ってSiターゲットの表面を洗浄した。その後、反応性ガスとして酸素ガスを900sccm導入し、PETフィルムをセットしたドラムを150rpmで回転させた。ECR酸化源により1000Wのマイクロ波をチャンバー内に導入し、シャッターを閉じた状態でSiターゲットに15kWのAC電源を投入し、放電の安定化の目的で1分間の放電を行った後、シャッターを開けてSiO2膜を160nm成膜した。なお、このときのチャンバー内の圧力は0.55Paであった。その後、シャッターを閉じてAC電源およびECR酸化源の電力をオフにするとともに、アルゴンガスおよび酸素ガスの導入を停止した(第2の成膜工程[第2の構成膜])。
その後、基本的な成膜条件を上記成膜条件と同様にしてTiO2膜とSiO2膜とを交互に成膜して(第2の成膜工程[第3の構成膜〜第9の構成膜])、PETフィルム上に9層の誘電体膜からなる赤外線反射膜を形成した赤外線反射フィルムを作製した。ここで、チャンバー内の圧力は、TiO2膜の場合はいずれも0.58Paとし、SiO2膜の場合はいずれも0.55Paとした。
なお、2層目の誘電体膜(第2の構成膜)以降の各誘電体膜については、いずれも成膜後に高真空状態での保持工程(第1の保持工程と同様な4×10−4Paの高真空状態での3分間保持)を行わないものとした。また、各誘電体膜の厚さは、PETフィルム側から順に、TiO2膜(厚さ95nm)、SiO2膜(厚さ160nm)、TiO2膜(厚さ95nm)、SiO2膜(厚さ160nm)、TiO2膜(厚さ95nm)、SiO2膜(厚さ160nm)、TiO2膜(厚さ95nm)、SiO2膜(厚さ30nm)、TiO2膜(厚さ17nm)とした。各誘電体膜の厚さは、成膜時間を変更することにより調整した。
次に、この赤外線反射フィルムを用いて、図2に示すような合わせガラスを作製した。すなわち、光線入射側のガラス基板に100mm×100mmの大きさで厚さ2mmの透明なソーダライムガラスを用い、光線出射側のガラス基板に同様の大きさおよび厚さのUV波長をカットするUVグリーンガラス板を用いた。また、光線入射側の接着シート(接着層)に厚さ0.38mmのPVBフィルムを用い、光線出射側の接着シート(接着層)に赤外線遮蔽性剤を含有するPVBフィルム(旭硝子社製、商品名;クールベール)を用いた。
そして、光線入射側から順に、ガラス基板(ソーダライムガラス)、接着シート(PVBフィルム)、赤外線反射フィルム、接着シート(赤外線遮蔽性剤を含有するPVBフィルム)、およびガラス基板(UVグリーンガラス板)となるように重ねて積層体とした。なお、熱線反射フィルムは、熱線反射膜側が光線入射側となるように配置した。
この積層体を真空バッグに入れ、内部の圧力が約100kPa以下となるように脱気しつつ120℃で30分の加熱を行って予備圧着体とした。その後、この予備圧着体をオートクレーブに入れ、温度を135℃、圧力を1.3MPaとした60分間の加熱加圧を行って本圧着体(合わせガラス)を製造した。
(比較例1)
実施例1の赤外線反射フィルムの製造において、各TiO2膜の成膜時にアルゴンガスを1600sccm、酸素ガスを700sccm導入してチャンバー内の圧力を0.37Paとして成膜を行い、また各SiO2膜の成膜時にアルゴンガスを1800sccm、酸素ガスを900sccm導入してチャンバー内の圧力を0.37Paとして成膜を行うことにより赤外線反射フィルムを製造した。なお、この赤外線反射フィルムの製造についても、実施例1と同様に1層目の誘電体膜の成膜後についてのみ高真空状態での保持工程を行い、2層目以降の各誘電体膜の成膜後については高真空状態での保持工程を行わないものとした。この赤外線反射フィルムを用いて実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
実施例1の赤外線反射フィルムの製造において、各TiO2膜の成膜時にアルゴンガスを1600sccm、酸素ガスを700sccm導入してチャンバー内の圧力を0.37Paとして成膜を行い、また各SiO2膜の成膜時にアルゴンガスを1800sccm、酸素ガスを900sccm導入してチャンバー内の圧力を0.37Paとして成膜を行うことにより赤外線反射フィルムを製造した。なお、この赤外線反射フィルムの製造についても、実施例1と同様に1層目の誘電体膜の成膜後についてのみ高真空状態での保持工程を行い、2層目以降の各誘電体膜の成膜後については高真空状態での保持工程を行わないものとした。この赤外線反射フィルムを用いて実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
(比較例2)
実施例1の赤外線反射フィルムの製造において、第1の成膜工程の後、第1の真空保持工程を行わずに第2の成膜工程を行って赤外線反射フィルムを製造した。なお、この赤外線反射フィルムの製造については、第1の真空保持工程を行わないこと以外は、チャンバー内の圧力等は実施例1の赤外線反射フィルムの製造と同様のものとした。この赤外線反射フィルムを用いて実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
実施例1の赤外線反射フィルムの製造において、第1の成膜工程の後、第1の真空保持工程を行わずに第2の成膜工程を行って赤外線反射フィルムを製造した。なお、この赤外線反射フィルムの製造については、第1の真空保持工程を行わないこと以外は、チャンバー内の圧力等は実施例1の赤外線反射フィルムの製造と同様のものとした。この赤外線反射フィルムを用いて実施例1と同様にして合わせガラスを製造した。
このようにして製造された実施例1、比較例1、2の合わせガラスについて、表面に写る反射像を目視により観察し、その見え方を評価した。その結果、最初の誘電体膜を所定の圧力以上で真空成膜した後、所定の高真空下で所定の時間保持することにより製造した実施例1の合わせガラスについては、表面に写る反射像が鮮明に見えることが認められた。
一方、最初の誘電体膜を所定の圧力未満で真空成膜することにより製造した比較例1の合わせガラスについては、表面に写る反射像に微少な波打ちが発生して不鮮明に見えることが認められた。また、最初の誘電体膜は所定の圧力以上で真空成膜したが、その後に所定の高真空下での保持を行わずに製造した比較例2の合わせガラスについても、表面に写る反射像に微少な波打ちが発生して不鮮明に見えることが認められた。
1…赤外線反射フィルム
2…透明樹脂フィルム
3、3a、3b…熱線反射膜
3(1)〜3(N)、3a(1)〜3a(N’)、3b(1)〜3b(N”)…構成膜
10…合わせガラス
11、12…ガラス基板
13、14…接着層(接着シート)
2…透明樹脂フィルム
3、3a、3b…熱線反射膜
3(1)〜3(N)、3a(1)〜3a(N’)、3b(1)〜3b(N”)…構成膜
10…合わせガラス
11、12…ガラス基板
13、14…接着層(接着シート)
Claims (5)
- 透明樹脂フィルム上に赤外線反射膜を構成する複数の構成膜のうち最初に成膜される1つの構成膜を0.50Pa以上の圧力下で真空成膜する工程と、
前記最初の構成膜が成膜された透明樹脂フィルムを1.0×10−3Pa以下の高真空下で30秒以上保持する工程と、
前記高真空下での保持が行われた透明樹脂フィルムに前記複数の構成膜の残りの構成膜を真空成膜して赤外線反射フィルムとする工程と
を有することを特徴とする赤外線反射フィルムの製造方法。 - 前記残りの構成膜を真空成膜して赤外線反射フィルムとする工程において、
各構成膜を0.50Pa以上の圧力下で真空成膜することを特徴とする請求項1記載の赤外線反射フィルムの製造方法。 - 前記透明樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項1または2記載の赤外線反射フィルムの製造方法。
- 前記透明樹脂フィルムの厚さが10〜100μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の赤外線反射フィルムの製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれか1項記載の赤外線反射フィルムの製造方法によって赤外線反射フィルムを製造する工程と、
一対のガラス基板間に一対の接着シートを介して前記赤外線反射フィルムを挟持し、熱圧着により全体を一体化することにより合わせガラスとする工程と
を有することを特徴とする合わせガラスの製造方法。
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