JP5413285B2 - 移動体とその旋回半径算出方法 - Google Patents
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図1(A)、(B)、図4に示すように、本発明の一実施の形態に係る移動体10は、工場、オフィス、病院、又は商業施設等で用いられ、無人で自動走行して所望の搬送場所まで搬送物を運ぶ車両である。
移動体10には、大きさ等の異なる複数種の搬送台車が固定可能である。移動体10は、固定される搬送台車によって異なる内輪差を考慮せずに移動するため、原則として方向変換を全て、その場旋回によって行う。移動体10は、その場旋回によって所望角度の方向変換をするために、固定される搬送台車によって決まる旋回半径を検知する必要があり、その旋回半径を導出するための手段を有している。以下、詳細に説明する。
台車取付部20には、搬送台車19以外に、搬送台車19と大きさ等が異なる他の搬送台車も固定可能である。
回動軸材23は360度の回動が可能である。回動軸材23がどの回動角度にあっても、カメラ22によって撮像する像の中に移動体10が入らないように、カメラ22が固定された回動軸材23の上部は、車両本体11で最も高い位置になっている。
車両本体11に設けられた駆動モータ24は、駆動車輪12の進行方向等を制御する移動制御手段25(図4参照)からの信号によって作動し、動力伝達ベルト24aを介して回動軸材23に動力を与えて、回動軸材23を回動する。
台車固定台18には、搬送台車19以外の、例えば、図3(B)、(C)にそれぞれ示す搬送台車31、32も固定可能である。搬送台車31は、軸方向が固定された前輪31aと軸方向が変化する後輪31bを備え、搬送台車32は、前輪32a及び後輪32bの軸方向が共に変化する。
車両本体11に搬送台車19が固定されている場合、図2、図3(A)に示すように、旋回中心点は、対となる後輪30の中間位置にある点C1となる。
カメラ22の撮像方向の角度位置を0度、カメラ22の撮像方向に対するカメラ22の撮像範囲の左端及び右端の角度位置をそれぞれ−S度及びS度、カメラ22から得た撮像画像37の水平画素数の位置をW画素、撮像画像37(即ち、カメラ22の撮像範囲)の左端及び右端の水平画素数の位置をそれぞれ0画素位置及びW画素位置として、撮像画像37中のランドマーク36の画素位置がXの場合、カメラ22の撮像方向に対するランドマーク36の角度位置THは以下の式1で求められる。
tan(TH)=(1−2×X/W)×tan(S)
(式1)
図5では角度位置の単位が”deg”、画素位置の単位が”pixel”で記載され、図5(B)において、実線及び破線はそれぞれ角度位置及び画素位置を示している。
旋回角度検出手段35は、式1を用いて、旋回開始時のランドマーク36の画素位置に対応する角度位置と、カメラ22を固定状態にして車両本体11が旋回した後のランドマーク36の画素位置に対応した角度位置とを算出して、旋回前後のランドマーク36の角度位置の変化量(角度)を得る。カメラ22を車両本体11に固定した状態で、車両本体11が旋回する場合、その旋回前後のカメラ22によって撮像されるランドマーク36の角度位置の変化量は、車両本体11の旋回角度と一致する。従って、旋回角度検出手段35は、車両本体11の旋回角度を得ることができる。
第1、第2のランドマーク39、40は、走行面に対して固定されており、キャリブレーション位置38に対して特定の位置に配置されている。旋回角度検出手段35には、キャリブレーション位置38を中心にした、第1、第2のランドマーク39、40の角度εが記憶されている。
旋回角度検出手段35は、平面視して、前記カメラ22の撮像中心に対する前記第2のランドマークの撮像位置がφになったのを検知するまで移動制御手段25を介して、車両本体11を旋回させる。この車両本体11の旋回の際、カメラ22の向きは、車両本体11に対して固定されている。
移動制御手段25は、外界センサ41(図4参照)を介して、車両本体11が旋回角度θ旋回した際の駆動車輪12の進行距離Dを検知し、この進行距離Dの情報を旋回半径算出手段33に送信する。平面視して、カメラ22と駆動車輪12は同じ位置にあるので、この進行距離Dはカメラの移動距離に等しくなる。
R=(360×D)/(2π×θ) (式2)
移動制御手段25は、旋回半径算出手段33から旋回半径Rの情報を取得してこの旋回半径Rを記憶する。
本実施の形態において、移動体10は、旋回半径算出手段33によって旋回半径Rを算出する場合、撮像位置φが−5度以上5度以下の角度となる位置で、カメラ22による第1、第2のランドマーク39、40をはじめとするランドマークの撮像を行う。これは、カメラ22の撮像方向に対するランドマークの角度が小さいほど、カメラレンズの球面歪の影響が小さく、旋回角度検出手段35によって検知されるランドマークの角度位置と実際の角度位置の誤差が小さくなるためである。
しかし、旋回半径Rの算出のために車両本体11を旋回させる時点では、旋回中心点C1の位置が不明である。従って、平面視して、キャリブレーション位置38と旋回中心点C1の間には間隔Lが生じ(図2参照)、旋回半径Rと搬送台車19が固定された車両本体11の実際の旋回半径の値には多少の差異が発生し得る。
この差異は、キャリブレーション位置38と旋回中心点C1の間隔に対する、第1、第2のランドマーク39、40とキャリブレーション位置38の距離が遠くなるほど小さくなる。
この車両本体11を360度旋回させて旋回半径を算出する方法は、キャリブレーション位置38に対する実際の旋回中心点のずれが、旋回半径Rの算出に影響しないという点で有効である。一方で、車両本体11は、旋回半径Rの算出のためだけに走行経路上で360度回転する必要がある。
図7に示すように、搬送物の搬送が行われる搬送エリア42内には、搬送の管理をする統括PC43、及び搬送物を収容している自動倉庫44等が配置されている。自動倉庫44は、統括PC43にLAN接続された複数の積載ゲート45を備えている。積載ゲート45は、統括PC43から送信される信号によって、積載ゲート45に近接配置された搬送台車(搬送台車19、31、32を含む)に搬送物を積載する。
移動体10の走行経路決定手段46は、統括PC43からその配車指令信号を受信し(STEP1)、待機エリア47から搬送台車19までの進行経路を決定して、その進行経路を移動制御手段25に送信する。
移動体10は、積載ゲート45に近接された搬送台車19の配置場所まで移動し、昇降手段16(図1(A)、(B)参照)の作動によって台車固定台18を上昇して、車両本体11に搬送台車19を固定する(STEP2)。
走行経路決定手段46は、IDタグ49、49aから搬送物48、48aの各搬送先の情報を取得する(STEP3)。
走行経路決定手段46は、搬送物48、48aの搬送先の情報を基にして移動体10の走行経路を決定して(STEP4)、その走行経路の情報を移動制御手段25に送信する。
移動体10は、搬送台車19が固定された場所とキャリブレーション位置50を結ぶ直線走行場所51に沿って直進するので、搬送台車19が固定された車両本体11の旋回半径が不明であっても、キャリブレーション位置50まで走行することができる。
搬送エリア42には、キャリブレーション位置50の他にも、車両本体11の旋回半径を算出するためのキャリブレーション位置50a、50bが設けられている。
この駆動車輪12の方向調整により、移動体10は直線走行場所51から大きく外れることなく、キャリブレーション位置50に向かって進行することができる。
移動体10の方向転換は全て旋回運動によってなされるので、車両本体11に固定される搬送台車によって異なる大きさとなる車両本体11と搬送台車の内輪差を考慮することなく、移動制御手段25は移動体10を走行させることができる。キャリブレーション位置50(キャリブレーション位置50a、50bについても同じ)は、旋回半径の算出地点であると共に、搬送物を搬送する走行経路上の最初の方向転換地点でもあるので、旋回半径の算出のみを行う場合に比べて、搬送場所までの到達時間が短くなる。
移動体10が待機エリア47に移動した後、移動制御手段25は、移動体10のバッテリ残量等のステータス確認を行う(STEP9)。移動制御手段25は、ステータス確認の結果、バッテリ残量の低下を検知した場合、統括PC43にメンテナンス作業実行信号を送信し、統括PC43からメンテナンス作業実行許可信号を受信した後、充電等のメンテナンス作業を行う(STEP10)。
例えば、走行経路決定手段は、搬送物の搬送場所の情報を統括PCから直接受信してもよい。
Claims (8)
- 搬送台車が固定される台車取付部及び駆動車輪を備え、その場旋回が可能な車両本体と、
前記車両本体に前記駆動車輪の進行方向を向くように装着され、該車両本体から視認できる外環境を撮像するカメラと、
前記カメラを介して得られる画像中での、前記車両本体の旋回前後の特定の被写体の位置から前記車両本体の旋回角度θを検知する旋回角度検出手段と、
前記搬送台車を固定した前記車両本体が前記旋回角度θ旋回した際の前記カメラの移動距離Dを該旋回角度θで除算して、前記搬送台車を固定した前記車両本体の旋回半径Rを算出する旋回半径算出手段とを有する移動体。 - 請求項1記載の移動体において、
前記被写体は、予め決められたキャリブレーション位置に対して特定の位置にある第1、第2のランドマークからなって、
前記旋回角度検出手段は、平面視して、前記カメラの撮像方向に対する前記第2のランドマークの撮像位置が、前記カメラの撮像中心に対する前記車両本体の旋回開始時の前記第1のランドマークの撮像位置φになったのを検知するまで前記車両本体を旋回させ、前記キャリブレーション位置に対する前記第1、第2のランドマークの角度位置から、前記旋回角度θを求めることを特徴とする移動体。 - 請求項2記載の移動体において、
前記撮像位置φは、−5度以上5度以下の角度位置であることを特徴とする移動体。 - 請求項1記載の移動体において、
前記被写体は1個であって、
前記旋回角度検出手段は、前記カメラによって撮像された前記車両本体の旋回前後の前記被写体の水平画素数の位置から、前記旋回角度θを計算することを特徴とする移動体。 - 請求項1〜4のいずれか1記載の移動体において、
前記旋回半径Rを基に、前記車両本体の旋回する移動距離Dxを決めて、該車両本体の旋回方向を決定する移動制御手段が設けられることを特徴とする移動体。 - 搬送台車を固定し、駆動車輪を備えた車両本体を旋回させ、該車両本体に前記駆動車輪の進行方向を向くように装着されたカメラを介して撮像される画像中での、旋回前後の特定の被写体の位置から前記車両本体の旋回角度θを検知する工程Aと、
前記搬送台車を固定した前記車両本体が前記旋回角度θ旋回した際の前記カメラの移動距離Dを検知し、該移動距離Dを該旋回角度θで除算して、前記搬送台車を固定した前記車両本体の旋回半径Rを算出する工程Bとを有することを特徴とする移動体の旋回半径算出方法。 - 請求項6記載の移動体の旋回半径算出方法において、
前記被写体は、予め決められたキャリブレーション位置に対して特定の位置にある第1、第2のランドマークからなって、
前記工程Aでは、平面視して、前記カメラの撮像中心に対する前記第2のランドマークの撮像位置が、平面視して、前記カメラの撮像中心に対する前記車両本体の旋回開始時の前記第1のランドマークの撮像位置φになったのを検知するまで前記車両本体を旋回させ、前記キャリブレーション位置に対する前記第1、第2のランドマークの角度位置から、前記旋回角度θを求めることを特徴とする移動体の旋回半径算出方法。 - 請求項6記載の移動体の旋回半径算出方法において、
前記被写体は1個であって、
前記工程Aでは、前記カメラによって撮像された前記車両本体の旋回前後の前記被写体の水平画素数の位置から、前記旋回角度θを計算することを特徴とする移動体の旋回半径算出方法。
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