以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」及びそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
図1は、本発明の感光性エレメントの好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示した感光性エレメント1は、支持フィルム10と、感光層20とで構成される。感光層20は支持フィルム10の第1の主面12上に設けられている。また、支持フィルム10は、第1の主面12とは反対側に第2の主面14を有している。
(支持フィルム)
本発明の支持フィルム10のヘーズは、0.01〜1.5%であり、0.01〜1.3%であることがより好ましく、0.01〜1.0%であることがさらに好ましく、0.01〜0.8%であることが特に好ましく、0.01〜0.6%であることが極めて好ましい。このヘーズが0.01%未満では製造容易性が劣る傾向があり、1.5%を超えると感度及び解像度が悪化し、レジストの側面ギザが発生する傾向がある。なお、本発明におけるヘーズは、JIS K7105に準拠して測定したものである。ここで、「ヘーズ」とは曇り度を意味し、JIS K7105に規定される方法に準拠して市販の曇り度計(濁度計)を用いて測定された値をいう。例えば、NDH−1001DP(日本電色工業(株)製、商品名)等の市販の濁度計などでヘーズの測定が可能である。
支持フィルム10としては、感光層20を支持することができれば特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン及びポリエステル等の樹脂材料を含むフィルムが挙げられ、これらの樹脂材料を2種以上含むフィルムを用いることもできる。樹脂材料としては、中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
支持フィルム10の厚みは特に制限されないが、5〜40μmであることが好ましく、8〜35μmであることがより好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましく、12〜25μmであることが特に好ましい。厚さが5μm未満であると、感光性エレメント1から支持フィルム10を剥離する際に、支持フィルム10が破れやすくなる傾向がある。また、厚さが40μmを超えると、解像度が低下する傾向があると共に、廉価性に劣る傾向がある。
また、支持フィルム10は、その製造方法については特に制限はなく、単層であっても多層であってもよい。例えば、2層からなる2層支持フィルムを用いる場合、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に、微粒子を含有する樹脂層を積層してなる2層フィルムを支持フィルムとして使用し、上記微粒子を含有する樹脂層を形成した面とは反対側の面に感光層を形成することが好ましい。また、支持フィルムとして、3層からなる多層支持フィルム(例えば、A層/B層/A層)を用いることもできる。多層支持フィルムの構成は特に制限されないが、最外層(上記3層からなるものの場合はA層)はいずれも微粒子を含有する樹脂層であることが、フィルムの滑り性等の見地から好ましい。
なお、従来の2層支持フィルムは、微粒子を有する樹脂層を二軸配向ポリエステルフィルムに塗布して製造しているため、感光性エレメントのラミネート時に微粒子を含有する樹脂層が剥がれやすく、剥がれた樹脂層が感光層に付着して不良の原因になる可能性がある。そのため、本発明においては、微粒子を有する樹脂層と二軸配向ポリエステルフィルム射出成形された3層からなる多層支持フィルムを用いることが好ましい。
上記微粒子の平均粒子径は、微粒子を含有する樹脂層の層厚の0.1〜10倍であることが好ましく、0.2〜5倍であることがより好ましい。平均粒子径が0.1倍未満では滑り性が劣る傾向があり、10倍を超えると感光層に特に凹凸が生じ易い傾向がある。
上記微粒子は、微粒子を含有する樹脂層中に0.5〜50質量%含有されていることが好ましい。そして、上記微粒子としては、例えば、各種核剤により重合時に生成した微粒子、凝集体、二酸化珪素微粒子(凝集シリカ等)、炭酸カルシウム微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子、硫酸バリウム微粒子等の無機微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、アクリル微粒子、イミド微粒子等の有機微粒子、これらの混合体等を用いることができる。
3層以上の多層支持フィルムの微粒子を含有する最外層で挟まれた1以上の中間層は、上記微粒子を含有するものであっても含有しないものであってもよいが、支持フィルムのヘーズ値を本発明の範囲内に調整するためには、上記微粒子を含有していないことが好ましい。中間層が上記微粒子を含有する場合は、中間層における含有量は最外層の含有量の1/3以下であることが好ましく、1/5以下であることがより好ましい。
解像度の見地からは、上記微粒子を含有する樹脂層の層厚は0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがより好ましく、0.1〜2μmであることがさらに好ましい。そして、最外層の中間層に対向しない面は、1.2以下の静摩擦係数を有することが好ましい。静摩擦係数が1.2を超えると、フィルム製造時及び感光性エレメント製造時にしわが入りやすく、また、静電気を生じ易くなるためごみが付着しやすくなる傾向がある。本発明において、静摩擦係数は、ASTMD1894に準じて測定することができる。
、本発明の支持フィルム10は、支持フィルム10中に含まれる直径5μm以上の粒子及び凝集物(以下、単に「粒子等」という)が5個/mm2以下のものであることが好ましく、3個/mm2以下であることがより好ましく、1個/mm2以下であることがさらに好ましい。この粒子等の数が5個/mm2を超えると、露光及び現像後のレジストパターンの一部欠損(レジスト欠け)が生じ易くなる。そして、このような感光性エレメントをプリント配線板に使用すると、エッチング時のオープン不良発生や、めっき時のショート不良発生の一因になる可能性があり、プリント配線板の製造歩留りが低下する傾向がある。
本発明者らは、上記特許文献9及び10には、平均粒径が0.01〜5μm程度の無機又は有機微粒子を含有させた二層支持フィルムが明記されているものの、実際には、支持フィルム中に含まれる直径5μm以上20μm未満の粒子が多数(本発明者らの調査によれば、20個/mm2以上)存在することを突き止めた。そして、高密度化が要求されているプリント配線板分野においてそのような支持フィルムを用いた場合には、露光時に照射した活性光線の光散乱が起こり、活性光線が感光層まで到達し難くなるため、現像後にレジストパターンの一部欠損(レジスト欠け)が製造歩留り低下に影響を及ぼす可能性がある。
ここで、支持フィルム10中に含まれる直径5μm以上の粒子等とは、支持フィルムを構成する成分(例えば、ポリマーのゲル状物、原料であるモノマー、製造時に使用される触媒、必要に応じて含まれる無機又は有機微粒子)がフィルム作製時に凝集し形成される凝集物、滑剤含有層をフィルム上に塗布した際に発生する滑剤と接着剤による膨らみ、フィルム中に含有する直径5μm以上の無機又は有機微粒子等に起因して生じたものである。直径5μm以上の粒子等を5個/mm2以下にするには、これらの粒子等のうち、粒径の小さなもの又は分散性に優れたものを選択的に用いればよい。なお、上記直径5μm以上の粒子等の数は、偏光顕微鏡を用いて測定することができる。
なお、支持フィルム10中に含まれる直径5μm以上の粒子等を5個/mm2以下とするために、上述した樹脂層が含有する微粒子の粒径は5μm未満であることが好ましい。そして、露光時の光散乱をより一層低減するために、微粒子の粒径に合わせて微粒子を含有する樹脂層の層厚を適宜調整することが好ましい。
支持フィルム10は、市販の一般工業用フィルムの中から、感光性エレメント1の支持フィルムとして使用可能なものを入手し、適宜加工して用いてもよい。支持フィルム10として使用可能な市販の一般工業用フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムである「QS−48」(東レ(株)製、商品名)、「HTF−01」(帝人デュポンフィルム(株)製、商品名)、「A−1517」、「A2100−16」(以上、東洋紡績(株)製、商品名)及び「R−340G」(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、商品名)が挙げられる。中でも、支持フィルム中に含まれる直径5μm以上の粒子等を5個/mm2以下とする観点からは、「QS−48」(東レ(株)製、商品名)が好ましい。
なお、支持フィルム10は、その感光特性を損なわない範囲で、必要に応じて、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
(感光層)
感光層20は感光性樹脂組成物からなる層である。感光層20を構成する感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有バインダーポリマー(以下、場合により「(A)成分」という)、(B)分子内に重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物(以下、場合により「(B)成分」という)、(C)光重合開始剤(以下、場合により「(C)成分」という)、及び、(D)密着性付与剤(以下、場合により「(D)成分」という)を含有し、且つ、(C)光重合開始剤として2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含有し、(D)密着性付与剤として(a)肪族カルボン酸化合物、及び/又は、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸化合物(以下、場合により「(a)成分」という)を含有する。
また、感光層20を構成する感光性樹脂組成物は、上記(D)密着性付与剤として(b)トリアゾール類、テトラゾール類及びイミダゾール類からなる群より選択される1種又は2種以上のヘテロ環化合物(以下、場合により「(b)成分」という)をさらに含有することが好ましい。以下、上記各成分について詳細に説明する。
(A)成分であるバインダーポリマーとしては、アルカリ現像性の見地から、分子内にカルボキシル基を含有するものであれば特に制限されず、従来の感光性樹脂組成物に用いられているものを使用することができる。かかる(A)バインダーポリマーは、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体と、他の重合性単量体とを、ラジカル重合させて製造することができる。上記のカルボキシル基を有する重合性単量体としては、メタクリル酸が好ましい。
また、(A)バインダーポリマーは、密着性及び耐薬品性(耐めっき性)の見地からスチレン又はスチレン誘導体をモノマー単位として有することが好ましい。スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として、密着性及び剥離特性を共に良好にするには、(A)バインダーポリマーがこれらを3〜30質量%含むことが好ましく、4〜28質量%含むことがより好ましく、5〜27質量%含むことが特に好ましい。この含有量が3質量%未満では密着性が低下する傾向があり、30質量%を超えると剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
また、上記(A)バインダーポリマーは、スチレン及び/又はスチレン誘導体と、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、の共重合体であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、エステル部位のアルキル基が炭素数1〜12のアルキル基であるものが挙げられる。かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、並びに、これらの構造異性体が挙げられる。さらには、上記アルキル基が、水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、30,000〜150,000であることが好ましく、35,000〜100,000であることがより好ましく、40,000〜80,000であることが更に好ましい。この重量平均分子量が30,000未満では、感光層が脆くなる傾向があり、150,000を超えると糸状現象残りが発生し、解像度が低下する傾向がある。なお、上記重量平均分子量はゲルパーミェションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレン換算した値を使用したものである。
(A)バインダーポリマーの酸価は、30〜300mgKOH/gであることが好ましく、100〜250mgKOH/gであることがより好ましく、130〜200mgKOH/gであることがさらに好ましい。この酸価が30mgKOH/g未満では現像時間が長くなる傾向があり、300mgKOH/gを超えると光硬化したレジストのアルカリ現像液に対する酸性が低下する傾向がある。
これらのバインダーポリマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。2種以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーの組合せとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度を有する2種類以上のバインダーポリマーが挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用することもできる。
なお、現像工程として有機溶剤での現像を行う場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を少量に調製することが好ましい。また、必要に応じてバインダーポリマーは感光性基を有していてもよい。
(B)成分である分子内に重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、例えば、エチレン基の数が2〜14であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14であり、プロピレン基の数が2〜14であるポリエチレンポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−キサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロ−キサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンテトラエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンペンタエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記ウレタンモノマーとしては、例えば、β位に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとイソホロンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物との付加反応物、トリス((メタ)アクリロキシテトラエチレングリコールイソシアネート)ヘキサメチレンイソシアヌレート、EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、EOはエチレンオキサイドを示し、EO変性された化合物はエチレンオキサイド基のブロック構造を有する。また、POはプロピレンオキサイドを示し、PO変性された化合物はプロピレンオキサイド基のブロック構造を有する。EO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名「UA−11」等が挙げられる。また、EO,PO変性ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、新中村化学工業(株)製、製品名「UA−13」等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明における(B)成分は、炭素数2〜6のオキシアルキレン単位(アルキレングリコールユニット)を分子内に4〜40有する化合物を含むことが好ましい。(B)成分としてこのような化合物を含有することによって、(A)バインダーポリマーとの相溶性を向上することができる。
上記炭素数2〜6のオキシアルキレン単位としては、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシイソプロピレン単位、オキシブチレン単位、オキシペンチレン単位及びオキシへキシレン単位が挙げられる。これらの中で、上記オキシアルキレン単位としては、解像度及び耐めっき性を向上させる観点から、オキシエチレン単位又はオキシイソプロピレン単位が好ましい。
また、本発明の(B)成分は、炭素数2〜6のオキシアルキレン単位(アルキレングリコールユニット)を分子内に4〜40有する化合物のうち、解像度及び感度を良好にする観点から、下記一般式(I)で表されるビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
[式中、R1及びR2は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、Xは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数を示す。なお、式中、複数存在するXは同一でも異なっていてもよい。]
上記一般式(I)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、メチル基であることが好ましい。上記一般式(I)中、Xは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。なお、式中、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよい。上記一般式(I)中、p及びqはp+q=4〜40となるように選ばれる正の整数を示す。p+qの値は6〜34であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、8〜28であることがさらに好ましく、8〜20であることが特に好ましく、8〜16であることが極めて好ましく、8〜12であることが最も好ましい。p+qの値がこのような範囲であると、感光性エレメントの解像度がより向上する。p+qの値が4未満では、(A)成分であるバインダーポリマーとの相溶性が低下し、回路形成用基板に感光性エレメントをラミネートした際に剥がれやすい傾向がある。また、p+qの値が40を超えると、親水性が増加し、現像時にレジスト像が剥がれやすく、耐めっき性が低下する傾向がある。
炭素数2〜6のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基及びへキシレン基が挙げられる。これらの中では、解像度及び耐めっき性を向上させる観点から、エチレン基又はイソプロピレン基が好ましい。
また、上記一般式(I)中の芳香環は置換基を有していてもよい。それら置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、フェナシル基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキルメルカプト基、アリル基、水酸基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基の炭素数が1〜10のカルボキシアルキル基、アルキル基の炭素数が1〜10のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のN−アルキルカルバモイル基又は複素環を含む基、あるいは、これらの置換基で置換されたアリール基が挙げられる。上記置換基は、縮合環を形成していてもよく、また、これらの置換基中の水素原子がハロゲン原子等の上記置換基などに置換されていてもよい。なお、置換基の数がそれぞれ2以上の場合、2以上の置換基は各々同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(I)で表される化合物としては具体的には、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリブトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらのうち、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンがより好ましく、BPE−500(製品名、新中村化学工業(株)製)として商業的に入手可能である。また、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(商品名、新中村化学工業(株)製)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパンが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
なお、本発明の(B)成分の総量に対する上記一般式(I)で表される化合物の含有割合は、50〜100質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましく、65〜85質量%であることがさらに好ましく、70〜80質量%であることが特に好ましい。上記一般式(I)で表される化合物をこの割合で含有することにより、本発明の感光性エレメントはより高い解像度及び感度を有するものとなる。
また、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートも好ましく使用できる。ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(II)中、R3及びR4は各々独立に水素原子又はメチル基を示し、メチル基であることが好ましい。上記一般式(II)中、X及びYは各々独立に炭素数2〜6のアルキレン基を示し、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましい。上記一般式(II)中、s、t及びuはs+t+u=4〜40となるように選ばれる0〜30の整数を示す。s+t+uの値は5〜30であることが好ましく、8〜23であることがより好ましく、10〜15であることが特に好ましい。このs+t+uの値が4未満では、当該化合物の沸点が低下し、感光層20の臭気が強くなる傾向がある。また、s+t+uが40を超えると、単位質量当たりの光反応性部位の濃度が低くなるため、感度が低下する傾向がある。
また、一般式(II)中のオキシアルキレン単位(−(X−O)s−、−(Y−O)t−、及び、−(X−O)u−)が、例えば、オキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位を含む場合、それらが複数存在する際に、複数のオキシエチレン単位及びオキシプロピレン単位は各々連続してブロック的に存在してもよいし、ランダムに存在してもよい。
更に、オキシアルキレン単位がオキシイソプロピレン単位である場合、プロピレン基の2級炭素が酸素原子に結合していてもよく、1級炭素が酸素原子に結合していてもよい。
これら上記一般式(II)で表される化合物の好ましい例としては、下記一般式(III)で表される化合物、下記一般式(IV)で表される化合物及び下記一般式(V)で表される化合物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
上記一般式(III)中、R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン単位を示し、POはオキシプロピレン単位を示し、m1、m2及びn1はm1+m2+n1=4〜40となるように選ばれる1〜30の整数を示す。
上記一般式(IV)中、R7及びR8はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン単位を示し、POはオキシプロピレン単位を示し、m3、n2及びn3はm3+n2+n3=4〜40となるように選ばれる1〜30の整数を示す。
上記一般式(V)中、R9及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、EOはオキシエチレン単位を示し、POはオキシプロピレン単位を示し、m4及びn4はm4+n4=4〜40となるように選ばれる1〜30の整数を示す。
一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)における炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びイソプロピル基が挙げられる。
また、上記一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)におけるオキシエチレン単位の繰り返し数の総数(m1+m2、m3及びm4)は各々独立に1〜30の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましく、4〜9の整数であることがさらに好ましく、5〜8の整数であることが特に好ましい。この繰り返し数が30を超えるとテント信頼性及びレジスト形状が悪化する傾向がある。
上記一般式(III)、一般式(IV)及び一般式(V)におけるオキシプロピレン単位の繰り返し数の総数(n1、n2+n3及びn4)は各々独立に1〜30の整数であることが好ましく、5〜20の整数であることがより好ましく、8〜16の整数であることがさらに好ましく、10〜14の整数であることが特に好ましい。この繰り返し数が30を超えると解像度が低下し、現像時にスラッジが発生する傾向がある。
上記一般式(III)で表される化合物の具体例としては、例えば、R5及びR6がメチル基、m1+m2=4(平均値)、n1=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業(株)製、商品名:FA−023M)等が挙げられる。
上記一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、例えば、R7及びR8がメチル基、m3=6(平均値)、n2+n3=12(平均値)であるビニル化合物(日立化成工業(株)製、商品名:FA−024M)等が挙げられる。
上記一般式(V)で表される化合物の具体例としては、例えば、R9及びR10が水素原子、m4=1(平均値)、n4=9(平均値)であるビニル化合物(新中村化学工業(株)製、サンプル名:NKエステルHEMA−9P)等が挙げられる。
なお、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(B)成分には、現像液特性及び剥離性等を向上する見地から、更に、エチレン性不飽和結合を一つ有する光重合性化合物を含有させることが好ましい。中でも、下記一般式(VI)で表される化合物を含有させることがより好ましい。
上記一般式(VI)中、R11は水素原子又はメチル基であり、水素原子であることが好ましい。上記一般式(VI)中、Xは上述した一般式(I)中のXと同意義であり、エチレン基であることが好ましい。上記一般式(VI)中、rは4〜20の正の整数であり、現像液特性の見地から、5〜18であることが好ましく、6〜12であることがより好ましく、6〜10であることがさらに好ましい。
また、上記一般式(VI)中の芳香環は置換基を有していてもよく、それら置換基としては、上述した一般式(I)中の芳香環と同様の置換基が挙げられる。
上記一般式(VI)で表される化合物としては具体的には、例えば、ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンオキシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシポリプロピレンオキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ノニルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ノニルフェノキシテトラエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシペンタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシヘキサエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシヘプタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシノナエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシウンデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシドデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ブチルフェノキシポリエチレンオキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ブチルフェノキシテトラエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシペンタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシヘキサエチレンオクシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシヘプタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシオクタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシノナエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ブチルフェノキシウンデカエチレンオキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(C)光重合開始剤は、必須成分として2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニルイミダゾール二量体、2−(o−ブロモフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−テトラ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロ−p−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o,m−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o,m−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,2’−ビス(p−プロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−プロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)イミダゾール二量休、2,2’−ビス(o−プロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)イミダゾール二量休、2,2’−ビス(m−プロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2’−ビス(m,p−ジプロモフェニル)−4,4’,5,5−テトラフェニルイミダゾール二量体、2,2’−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4−5−ジフェニルイミダゾール二畳体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−プロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−プロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−タロロ−p−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジプロモフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o−プロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)イミダゾール二量体、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)イミダゾール二量体等が挙げられる。これらの中でも、密着性及び感度をより向上させる観点から、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
また、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対称な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
なお、本発明における(C)成分の総量に対する2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体の含有割合は、70〜100質量%であることが好ましく、85〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることがさらに好ましく、93〜100質量%であることが特に好ましい。2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体をこの割合で含有することにより、本発明の感光性エレメントはより優れた密着性及び感度を有するものとなる。
また、(C)成分である光重合開始剤としては、上記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体の他に、その他の光重合開始剤を用いてもよい。その他の光重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトン類、p−アミノフェニルケトン類、キノン類、ベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン化合物、ベンジル誘導体、アクリジン誘導体、クマリン系化合物、オキシムエステル類、N−アリール−α−アミノ酸化合物、脂肪族多官能チオール化合物、アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類、3級アミン化合物類等が挙げられ、これら化合物を組み合わせて使用してもよい。
上記芳香族ケトン類としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。
上記p−アミノフェニルケトン類としては、例えば、アミノベンゾフェノン、ブチルアミノアセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−モルホリノ−メチルチオフェニルアセトフェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。
上記キノン類としては、例えば、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、9,10−フェナンタラキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等が挙げられる。
上記ベンゾインエーテル化合物としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等が挙げられる。
上記ベンゾイン化合物としては、例えば、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等が挙げられる。
上記ベンジル誘導体としては、例えば、ベンジルメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジプロピンケタール、ベンジルジフェニルケタール等が挙げられる。
上記アクリジン誘導体としては、例えば、1,2−ビス(9−アクリジニル)エタン、1,3−ビス(9−アクリジニル)プロパン、1,4−ビス(9−アクリジニル)ブタン、1,5−ビス(9−アクリジニル)ペンタン、1,6−ビス(9−アクリジニル)ヘキサン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン、1,8−ビス(9−アクリジニル)オクタン、1,9−ビス(9−アクリジニル)ノナン、1,10−ビス(9−アクリジニル)デカン、1,11−ビス(9−アクリジニル)ウンデカン、1,12−ビス(9−アクリジニル)ドデカン等のビス(9−アクリジニル)アルカン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−オキサプロパン、1,3−ビス(9−アクリジニル)−2−チアプロパン、1,5−ビス(9−アクリジニル)−3−チアペンタン、9−ピリジルアクリジン、9−ピラジニルアクリジン、9−モノペンチルアミノアクリジン、9−フェニルアクリジン、9−(p−メチルフェニル)アクリジン、9−(p−エチルフェニル)アクリジン、9−(p−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(p−iso−プロピルフェニル)アクリジン、9−(p−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(p−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジン、9−(p−エトキシフェニル)アクリジン、9−(p−アセチルフェニル)アクリジン、9−(p−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(p−シアノフェニル)アクリジン、9−(p−クロロフェニル)アクリジン、9−(p−ブロモフェニル)アクリジン、9−(m−メチルフェニル)アクリジン、9−(m−n−プロピルフェニル)アクリジン、9−(m−iso−プロピルフェニル)アクリジン、9−(m−n−ブチルフェニル)アクリジン、9−(m−tert−ブチルフェニル)アクリジン、9−(m−メトキシフェニル)アクリジン、9−(m−エトキシフェニル)アクリジン、9−(m−アセチルフェニル)アクリジン、9−(m−ジメチルアミノフェニル)アクリジン、9−(m−ジエチルアミノフェニル)アクリジン、9−(m−シアノフェニル)アクリジン、9−(m−クロロフェニル)アクリジン、9−(m−ブロモフェニル)アクリジン、9−シアノエチルアクリジン、9−ヒドロキシエチルアクリジン、9−クロロエチルアクリジン、9−n−プロポキシアクリジン、9−クロロエトキシアクリジンなどが挙げられる。
上記クマリン系化合物としては、例えば、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−メチルアミノ−4−メチルクマリン、7−エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、7−アミノシクロペンタ[c]クマリン、7−ジエチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジメチルアミノクマリン、2,3,6,7,10,11−ヘキサンヒドロ−1H,5H−シクロペンタ[3,4][1]ベンゾピラノ−[6,7,8−ij]キノリジン12(9H)−オン、7−ジエチルアミノ−5’,7’−ジメトキシ−3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス[7−(ジエチルアミノ)クマリン]、7−ジエチルアミノ−3−チエノキシルクマリン等が挙げられる。
上記オキシムエステル類としては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等が挙げられる。
上記N−アリール−α−アミノ酸化合物としては、例えば、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン、N−(n−プロピル)−N−フェニルグリシン、N−(n−ブチル)−N−フェニルグリシン、N−(メトキシエチル)−N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルアラニン、N−エチル−N−フェニルアラニン、N−(n−プロピル)−N−フェニルアラニン、N−(n−ブチル)−N−フェニルアラニン、N−メチル−N−フェニルバリン、N−メチル−N−フェニルロイシン、N−メチル−N−(p−トリル)グリシン、N−エチル−N−(p−トリル)グリシン、N−(n−プロピル)−N−(p−トリル)グリシン、N−(n−ブチル)−N−(p−トリル)グリシン、N−メチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(n−プロピル)−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−メチル−N−(p−プロモフェニル)グリシン、N−エチル−N−(p−プロモフェニル)グリシン、N−(n−ブチル)−N−(p−プロモフェニル)グリシン、N,N’−ジフェニルグリシン、N−メチル−N−(p−ヨードフェニル)グリシン、N−(p−プロモフェニル)グリシン、N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(o−クロロフェニル)グリシン等が挙げられる。
上記脂肪族多官能チオール化合物としては、例えば、ヘキサンチオール、デカンチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、及びその他の多価ヒドロキシ化合物のチオグリコレート、チオプロピオネート等が挙げられる。
上記アシルホスフィンオキサイド類としては、例えば、(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記チオキサントン類としては、例えば、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−フルオロチオキサントン、4−フルオロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフィニルホスフィネイト、2,3−ジオキソ−3−フェニルプロピオンジ酸エチル−2−(o−ベンゾイルカルボニル)−オキシム、p−ニトロジフェニル、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン等が挙げられる。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。
上記3級アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミノ安息香酸、ジエチルアミノ安息香酸、ジイソプロピルアミノ安息香酸等が挙げられる。
本発明の(C)光重合開始剤としては、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体の他に、上記芳香族ケトン類を含有することが好ましく、中でもN,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)を含有することが好ましい。
(D)密着性付与剤は、必須成分として(a)脂肪族カルボン酸化合物、及び/又は、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸化合物を含む。(a)脂肪族カルボン酸化合物、及び/又は、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸化合物としては、分子内にカルボキシル基を1つ又は2つ以上有する脂肪族カルボン酸、分子内にカルボキシル基を2つ以上有する芳香族カルボン酸を挙げることができる。また、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸化合物は、本発明の効果がより十分に得られることから、ジカルボン酸化合物であることが好ましい。これらの中でも、(a)脂肪族カルボン酸化合物、及び/又は、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸化合物は、脂肪族カルボン酸化合物、及び、一分子中にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸化合物の両方に該当するもの、すなわち、分子内にカルボキシル基を2つ以上有する脂肪族カルボン酸化合物であることが好ましく、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するジカルボン酸化合物であることがより好ましい。なお、これらの(a)脂肪族カルボン酸化合物、及び/又は、分子内にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸化合物は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、脂肪族カルボン酸としては、炭素原子数1〜30個で、1個または2個以上のカルボキシル基をもつ化合物群であり、構造的に飽和でも、不飽和でも良く、直鎖型でも分岐型でも良く、構造中に環状構造(脂環、芳香環)を含んでいても良く、置換基として、酸素(ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル、エステル等)、窒素(アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基等)を含有することができる化合物が好ましい。例えば、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸(ヘキサン酸)、ヘプタン酸、カプリル酸(オクタン酸)、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、オブツシル酸、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、リンデン酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、セラコレイン酸、ネルゴン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、アルファーリノレン酸、プニカ酸、アルファーエレオステアリン酸、ベーターエレオステアリン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸、タリリン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸、2−メチルプロパン酸、2−メチルブタン酸、イソ吉草酸、ネオペンタン酸、2,3−ジメチルペンタン酸、4,4−ジメチルペンタン酸、2−エチル酪酸、2,2−ジメチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、イソトリデカン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、メタクリル酸、セネシオ酸、シトロネル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、オクテニルコハク酸、ドゼセニルコハク酸、オクタデセン二酸、ペンテデセニルコハク酸、トリカルバリル酸、グルタミン酸、2,5−ジベンズアミドペンタン酸、グリコール酸、乳酸、アルファーオキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、メチルグリシン二酢酸等ガ挙げられる。なお、これらの化合物の中でも、オクタン酸、セバシン酸、イソステアリン酸、オクタデカン二酸、オクテニルコハク酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、酒石酸等が特に好ましい。
芳香族カルボン酸としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン構造を骨格とし、これらと直接結合する2個以上のカルボキシル基を持ち、置換基として、C1〜C12の構造的に飽和でも不飽和でも良く、直鎖型でも分岐型でも良く、構造中に環状構造(脂環、芳香環)を含んでも良く、酸素(ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル、エステル等)、窒素(アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基等)、硫黄(チオルール基、スルフィド等)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を含有することができる化合物が好ましい。例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ウビチン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、ジフェン酸、m−ヘミピン酸等が挙げられる。なお、これら化合物の中でも、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が特に好ましい。
また、一分子中にカルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸化合物としては、上述した化合物以外に、ホモフタル酸、ホモイソフタル酸、ホモテレフタル酸、フタロン酸、イソフタロン酸、テレフタロン酸等が挙げられる。
(D)成分としては、(b)トリアゾール類、テトラゾール類及びイミダゾール類からなる群から選択される1種または2種以上のヘテロ環化合物をさらに含有することが好ましい。
トリアゾール類としては、トリアゾール(1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール)又はこれらとベンゼン環あるいはナフタレン環の環縮合構造を有する化合物群;トリアゾール環及び/又は芳香環に、置換基として、C1〜C12の構造的に飽和でも不飽和でも良く、直鎖型でも分岐型でも良く、構造中に環状構造(脂環、芳香環)を含んでも良く、酸素(ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル、エステル等)、窒素(アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基等)、硫黄(チオール基、スルフィド等)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を含有することができる化合物が好ましい。例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール、アミノベンゾトリアゾール、シクトヘキサノ[1,2−d]トリアゾール、4,5,6,7−テトラヒドロキシトリウトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]トリルトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチル]トリルトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(1−ブチル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(1−オクチル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、1−(2’,3’−ジ−ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−(2’,3’−ジ−カルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−カルボン酸、1−オレオイルベンゾトリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシアミド、4−アミノウラゾール、1,2,4−トリアゾール−5−オン等が挙げられる。なお、これらの化合物の中でも、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]トリルトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]カルボキシベンゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、シクロヘキサノ[1,2−d]トリアゾール、1,2,4−トリアゾール−3−オール、5−アミノ−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、5−アミノ−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸、1,2,4−トリアゾール−3−カルボキシアミド、4−アミノウラゾール、1,2,4−トリアゾール−5−オン等が特に好ましい。
テトラゾール類としては、テトラゾール(1H−テトラゾール、2H−テトラゾール)の1,5位が、水素又は置換基としてC1〜C12の構造的に飽和でも不飽和でも良く、直鎖型でも分岐型でも良く、構造中に環状構造(脂環、芳香環)を含んでも良く、酸素(ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル、エステル等)、窒素(アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基等)、硫黄(チオール基、スルフィド等)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を含有する化合物が好ましい。例えば、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−エチル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−(ジメチルアミノエチル)−5−メルカプト−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5,5’−ビス−1H−テトラゾール2アンモニウム塩、5,5’−アゾビス−1H−テトラゾール等が挙げられる。なお、これら化合物のなかでも、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5,5’−アゾビス−1H−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール等が特に好ましい。
イミダゾール類としては、1H−イミダゾール又はこれらと1〜2個のベンゼン環の環縮合構造を骨格とする化合物類;イミダゾール環及び/又はベンゼン環に、置換基として、C1〜C12の構造的に飽和でも不飽和でも良く、酸素(ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、エーテル、エステル等)、窒素(アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基等)、硫黄(チオール基、スルフィド等)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を含有する化合物が好ましい。例えば、1H−イミダゾール、1−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、5−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイイダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−アミノ−4,5−ジシアノイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール、4−フォルミルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フォルミルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、2−ブチル−5−フォルミルイミダゾール、2−ブチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フォルミルイミダゾール、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、2,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール、テトラヒドロ−1H−イミダゾール、2−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、2−アミノ−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノイル、2−(3−アミノプロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノイル、イミダゾール−4−エタンアミン等が挙げられる。なお、これらの化合物の中でも、1H−イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールが特に好ましい。
感光性樹脂組成物において、上述した各成分の好ましい含有量は以下の通りである。
(A)成分であるバインダーポリマーの含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、40〜70質量部であることが好ましく、45〜67質量部であることがより好ましく、50〜65質量部であることがさらに好ましい。この含有量が40質量部未満では光硬化物が脆くなる傾向にあり、70質量部を超えると、解像度及び光感度が不十分となる傾向にある。
(B)成分である分子内に重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、30〜60質量部であることが好ましく、33〜55質量部であることがより好ましく、35〜50質量部であることがさらに好ましい。この含有量が30質量部未満では、解像度及び光感度が不十分となる傾向があり、60質量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
(C)成分である光重合開始剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.15〜10質量部であることがより好ましく、0.2〜5質量部であることが特に好ましい。この含有量が0.1質量部未満では光感度が不十分となる傾向があり、20質量部を超えると、露光の際に感光性樹脂組成物の表面での光吸収が増大して内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
(D)成分である密着性付与剤の(a)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.0005〜1質量部であることが好ましく、0.001〜0.7質量部であることがより好ましく、0.01〜0.5質量部であることがさらに好ましく、0.05〜0.3質量部であることが特に好ましい。(a)成分の含有量がこの範囲であると、金属表面とレジストとの密着性及び剥離性をバランスよく向上できる。
(D)成分である密着性付与剤として(b)トリアゾール類、テトラゾール類及びイミダゾール類からなる群から選択される1種または2種以上のヘテロ環化合物を含む場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.0005〜1質量部であることが好ましく、0.001〜0.7質量部であることがより好ましく、0.01〜0.5質量部であることがさらに好ましく、0.05〜0.3質量部であることが特に好ましい。(b)成分の含有量がこの範囲であると、金属表面とレジストの密着性及び剥離性をよりバランスよく向上できる。
また、本発明における感光性樹脂組成物には、上述した(a)成分及び(b)成分の樹脂への溶解性を高める目的で、(c)アミン類を更に配合することができる。(c)アミン類としては、例えば、アンモニア、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエチレントリアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ヘキサヒドロアニリン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アリルアミン、2−アミニプロパノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、4−メチルアミノブタノール、エチルアミノエチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、オレイルアミン、ドデシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、オクチルアミン、オクタデシルアミン、ヘキシルアミン等が挙げることができる、これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、これらの化合物の中でも、モノイソプロパノールアミン、ジシソプロパノールアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン等が特に好ましい。
なお、(c)アミン類を含む場合の含有量は、(a)成分及び(b)成分に使用される酸1当量に対して5当量以下が好ましく、0.5〜2当量であることがより好ましい。この含有量を超えると、金属表面とレジストの密着性の向上を阻害する傾向がある。
また、感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物(オキセタン化合物等)、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、禁止剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を含有させてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。これらの添加剤は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して各々0.0001〜20質量部程度含有してもよい。
感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して、固形分30〜60質量%程度の溶液として調製することができる。
本発明の感光性エレメント1における感光層20は、上述の感光性樹脂組成物を支持フィルム10上に塗布し、溶剤を除去することにより形成することができる。ここで、塗布方法としては、例えば、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート等の公知の方法を採用することができる。また、溶剤の除去は、例えば、70〜150℃の温度で5〜30分間程度処理することで行うことができる。なお、感光層20中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する点から、2質量%以下とすることが好ましい。
このようにして形成される感光層20の厚さは、乾燥後の厚さで3〜30μmであることが好ましく、5〜25μmであることがより好ましく、7〜25μmであることがさらに好ましく、10〜20μmであることが特に好ましい。この厚さが3μm未満であると、回路形成用基板に感光層を積層する際に不具合が発生しやすくなる、又はテンティング性が劣り、現像及びエッチング工程中でレジストが破損し、オープン不良の一因になる可能性があり、プリント配線板の製造歩留りが低下する傾向がある。一方、厚さが30μmを超えると、感光層20の解像度が悪化する、又はエッチング液の液まわりが悪化するため、サイドエッチングの影響が大きくなり、高密度なプリント配線板の製造が困難になる傾向がある。
また、感光性エレメント1は、感光層20の支持フィルム10に接する第1の主面12とは反対側の主面上に保護フィルム(図示せず)を備えていてもよい。保護フィルムとしては、感光層20と支持フィルム10との間の接着力よりも、感光層20と保護フィルムとの間の接着力が小さくなるようなフィルムを用いることが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムを用いることが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の不活性なポリオレフィンフィルムが挙げられる。感光層20からの剥離性の見地から、ポリエチレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚みは、用途により異なるが1〜100μm程度であることが好ましい。
感光性エレメント1は、支持フィルム10、感光層20及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層又は保護層を更に備えていてもよい。
本実施形態の感光性エレメント1は、例えば、そのままの状態で又は感光層20上に保護フィルムを更に積層したものを、円筒状の巻芯に巻き取った状態で貯蔵されてもよい。この際、支持フィルム10が再外層になるようにロール状に巻き取られることが好ましい。また、ロール状に巻き取った感光性エレメント1の端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の低いブラックシートに包んで包装することが好ましい。
巻芯の材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂及びABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックが挙げられる。
(レジストパターンの形成方法)
本実施形態のレジストパターンの形成方法は、上記感光性エレメント1を、感光層20、支持フィルム10の順に回路形成用基板上に積層する積層工程と、活性光線を、上記支持フィルム10を通して感光層20の所定部分に照射して、感光層20に光硬化部を形成させる露光工程と、上記光硬化部以外の感光層20の部分を除去する現像工程と、を含む方法である。
積層工程において、感光層20を回路形成用基板上に積層する方法としては、感光層20上に保護フィルムが存在している場合には、該保護フィルムを除去した後、感光層20を70〜130℃程度に加熱しながら回路形成用基板に0.1〜1MPa程度の圧力で圧着することにより積層する方法等が挙げられる。この積層工程において、減圧下で積層することも可能である。なお、回路形成用基板の積層される表面は通常金属面であるが、特に制限されない。また、積層性を更に向上させるために、回路形成用基板の予熱処理を行ってもよい。
次に、上記積層工程で積層が完了した感光層20に対して、ネガ又はポジマスクパターンを有するフォトマスクを支持フィルム10の第2の主面14に位置合わせをして密着させる。その後、露光工程では、感光層20に対して、支持フィルム10を通して活性光線が画像状に照射し、感光層20に光硬化部を形成させることによって行われる。上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線や可視光等を有効に放射するものが用いられる。また、レーザー直接描画露光法にも使用される。
次いで、上記露光工程後、フォトマスクを支持フィルム10から剥離する。更に、支持フィルム10を感光層20から剥離除去する。次に露光工程において、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で感光層20の未露光部(光硬化部)を除去して現像し、レジストパターンを製造することができる。
アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液が挙げられる。上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光層20の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。また、現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
また、現像工程後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm2程度の露光を行うことにより、レジストパターンを更に硬化してもよい。
(プリント配線板の製造方法)
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、上記レジストパターンの形成方法によりレジストパターンの形成された回路形成用基板を、エッチング又はめっきすることによって行われる。ここで、回路形成用基板のエッチング又はめっきは、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を公知の方法によりエッチング又はめっきすることによって行われる。
エッチングに用いられるエッチング液としては、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
めっきとしては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっき等が挙げられる。
エッチング又はめっきを行った後、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液より更に強アルカリ性の水溶液で剥離することができる。この強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液等が用いられる。また、剥離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。なお、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
また、めっきが絶縁層と絶縁層上に形成された導体層とを備えた回路形成用基板に対して行われた場合には、パターン以外の導体層を除去する必要がある。この除去方法としては、例えば、レジストパターンを剥離した後に軽くエッチングする方法や、上記めっきに続いてはんだめっき等を行い、その後レジストパターンを剥離することで配線部分をはんだでマスクし、次いで導体層のみをエッチング可能なエッチング液を用いて処理する方法等が挙げられる。
(半導体パッケージ基板の製造方法)
本発明の感光性エレメント1は、リジット基板と、そのリジット基板上に形成された絶縁膜とを備えるパッケージ基板に用いることもできる。この場合、感光層の光硬化部を絶縁膜として用いればよい。感光層の光硬化部を、例えば半導体パッケージ用のソルダーレジストとして用いる場合は、上述のレジストパターンの形成方法における現像終了後、はんだ耐熱性、耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプによる紫外線照射や加熱を行うことが好ましい。紫外線を照射させる場合は必要に応じてその照射量を調整することができ、例えば0.2〜10J/cm2程度の照射量で照射を行うこともできる。また、レジストパターンを加熱する場合は、100〜170℃程度の範囲で15〜90分程行われることが好ましい。さらに紫外線照射と加熱とを同時に行うこともでき、いずれか一方を実施した後、他方を実施することもできる。紫外線の照射と加熱とを同時に行う場合、はんだ耐熱性、耐薬品性等を効果的に付与する観点から、60〜150℃に加熱することがより好ましい。
このソルダーレジストは、基板にはんだ付けを施した後の配線の保護膜を兼ね、引張強度や伸び率等の物理特性及び耐熱衝撃性に優れているので、半導体パッケージ用の永久マスクとして有効である。
このようにしてレジストパターンを備えたパッケージ基板は、その後、半導体素子などの実装(例えば、ワイヤーボンディング、はんだ接続)がなされ、そして、パソコン等の電子機器へ装着される。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。