JP5411495B2 - 送りねじ装置 - Google Patents

送りねじ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5411495B2
JP5411495B2 JP2008333331A JP2008333331A JP5411495B2 JP 5411495 B2 JP5411495 B2 JP 5411495B2 JP 2008333331 A JP2008333331 A JP 2008333331A JP 2008333331 A JP2008333331 A JP 2008333331A JP 5411495 B2 JP5411495 B2 JP 5411495B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil spring
shaft
screw
screw shaft
feed screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008333331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009174713A (ja
JP2009174713A5 (ja
Inventor
武廣 大坪
勇 松本
透 千葉
Original Assignee
武廣 大坪
天草池田電機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 武廣 大坪, 天草池田電機株式会社 filed Critical 武廣 大坪
Priority to JP2008333331A priority Critical patent/JP5411495B2/ja
Publication of JP2009174713A publication Critical patent/JP2009174713A/ja
Publication of JP2009174713A5 publication Critical patent/JP2009174713A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5411495B2 publication Critical patent/JP5411495B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)
  • Gear Transmission (AREA)

Description

本発明は、軸棒にコイルばねを外嵌して構成された送りねじ軸と前記送りねじ軸に螺合されたナットを有する送りねじ装置、及び軸棒にコイルばねを外嵌して構成されたねじ軸をウォームとするウォーム歯車装置に関する。
送りねじ装置は、送りねじ軸と前記送りねじ軸に螺合されたナットを有して、送りねじ軸の回転運動をナットの直線運動に変換する装置である。一般に送りねじ軸は、旋盤で雄ねじを切り出して製造されるが、旋盤のバイトの送りには自ずから制限があり、自由に大きくすることができない。そのため、送りねじ軸のねじピッチを大きくできないという問題があった。
この問題を解決するために、外径が軸方向に一様な断面円形の軸棒と、内径が前記軸棒と略同一で、自由状態での巻きピッチが軸線方向に一定のコイルばねからなり、前記軸棒に前記コイルばねを外嵌して構成された送りねじ軸が提案されている(特許文献1)。軸棒にコイルばねを外嵌して構成された送りねじ軸は旋盤加工上の制約を受けないので、ねじピッチを自由に大きく、しかも安価に製作することができるという利点がある。
特開2005−54915号公報
しかしながら、コイルばねは外力による変形や製作誤差が避けられないので、特許文献1の送りねじ軸はねじピッチを一定にすることが難しかった。また、ねじピッチの変動あるいは誤差を吸収するために、ナットのねじ溝を大きくして遊びを設けると、いわゆるガタが生じるので不都合であった。
本発明はこれらの課題を解決するために為されたものであり、外力や製作誤差などによってねじピッチが変動しても、安定した送り動作が可能な送りねじ装置を提供するものである。
本発明に係る送りねじ装置は、軸棒に、内径が前記軸棒と略同一のコイルばねを外嵌してなるねじ軸と、前記ねじ軸に螺合するとともに、前記ねじ軸に対して相対的に回転して、直線移動する移動用ナットを備えた送りねじ装置において、前記移動用ナットは、前記ねじ軸が貫通する貫通路の内部に突出して、前記コイルばねの素線と当接するピンを備え、前記ねじ軸の長さ方向において前記コイルばねのねじピッチが変化し、前記ピンは複数個あって、前記ねじ軸の長さ方向に所定の間隔を開けて配列されるとともに、前記ピンは、共通の回転台の回転中心に対称に配列された2本組のピンであって、前記回転台は前記移動用ナットに軸支されて前記移動用ナットの回転軸に直交する軸回りに自在に回転するものである。
また、前記コイルばねのねじピッチを前記ねじ軸の両端で小さく、中間部で大きくなるようにしてもよい。
あるいは、前記コイルばねは、右巻きのコイルばねと左巻きのコイルばねを前記ねじ軸の長さ方向の中途で結合してなるとともに、前記移動用ナットを2個備えて、前記2個の移動用ナットの一方は前記コイルばねの右巻きのコイルばねと螺合し、前記2個の移動用ナットの他方は前記コイルばねの左巻きのコイルばねと螺合するようにしてもよい。
あるいは、前記ピンを、前記貫通路の断面の直径に対して対称に配列してもよい。
また、前記軸棒に外嵌固定されるジョイント部材であって、その端面に凹部を有するジョイント部材を備え、前記ジョイント部材の前記凹部に前記コイルばねの素線の端部を嵌合してもよい。
複数本の前記コイルばねを同軸に重ね合わせて、前記ねじ軸に多条ねじを形成してもよい。
本発明に係る送りねじ装置は、送りねじ軸のねじピッチの変動を許容するので、信頼性が向上する。また、送りねじ軸のねじピッチを移動ストロークの途中で変更できるので、移動用ナットの速度あるいは推力を最適化することができる。
また、コイルばねを軸棒に溶接固定すれば、送りねじ装置の精度が向上する。また、コイルばねを軸棒にタック溶接し、該タック溶接の溶接区間が軸棒の横断面の一方の側に並ばないようにすれば、溶接歪みがキャンセルされて、軸棒の変形が抑制される。
また、ねじ軸を合成樹脂で被覆すれば、送りねじ装置の効率と寿命が向上する。
また、軸棒に内径が軸棒と略同一のコイルばねを外嵌してなるねじ軸を、ウォーム歯車装置のウォームにすれば、ウォームホィールの歯形を単純にすることができる。
また、複数個のウォームホィールをねじ軸の長さ方向に配置するとともに、コイルばねのねじピッチをねじ軸の長さ方向においてねじピッチが変化するようにすれば、1個のウォームで複数のウォームホィールを異なる回転速度で回転駆動することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態を示す送りねじ装置の外形図である。図1に示すように、送りねじ装置1は、ねじ軸2と、ねじ軸2に螺合する移動用ナット3を備えて、移動用ナット3をねじ軸2に対して相対的に回転させることによって、移動用ナット3をねじ軸2の長さ方向に直線移動させる装置である。
図2は、ねじ軸2の外形図である。図2に示すように、ねじ軸2は、軸棒4と、軸棒4に外嵌されたコイルばね5,6、および軸棒4の両端に外嵌固定されたジョイント部材7から構成される。
軸棒4は、円形断面を有する軸であり、図示しない駆動源(例えばサーボモータ)に連結されて回転駆動される。なお、一般に軸棒4の素材には鋼等の金属を使用するが、所望の強度等を満足するものであれば、他の素材を選択してもよい。
コイルばね5,6の内径および外径は同一であり、また素線の断面形状も同一であり、軸棒4に同軸に重ね合わせて配置される。ここで、同軸とは軸棒4の中心軸が、コイルばね5,6の共通の中心軸になることをいい、重ね合わせとは、コイルばね5,6の軸棒4の長さ方向の位置が同一である(ねじ軸2の側面図において、コイルばね5,6の素線が交互に並ぶ)ことをいう。つまり、ねじ軸2は2本のコイルばね5,6を備えることによって、2条ねじを形成している。また、コイルばねの数を3本、4本にすることによって、多条(3条、4条)ねじを形成してもよい。ねじ軸2を多条ねじ化すれば、ねじ軸2の直径を大きくしないで、送りねじ装置1を高出力化することができる。
一般にコイルばね5,6の素材には鋼等の金属を使用するが、所望の強度、弾性等が得られるものであれば、他の素材を選択してもよい。また、コイルばね5,6の素線の断面形状は円形、角形、薄板形状等が選ばれる。
ジョイント部材7は軸棒4の両端に嵌合固定される中空筒型の部品である。ここでは軸棒4に対するジョイント部材7の固定は両者の摩擦を利用しているが、他の締結手段(キー、ねじなど)を利用してもよい。あるいは接着剤、溶接を利用してもよい。
また、図3に示すように、ジョイント部材7の端部には凹部8が形成され、凹部8にはコイルばね5,6の素線の端部が嵌合される。コイルばね5,6は素線の端部を凹部8に嵌合することによって、その端部において、軸棒4の長さ方向への移動と、軸棒4の中心軸回りの回転が拘束されている。一方、コイルばね5,6の中間部の変位を拘束するものはないから、コイルばね5,6は一対のジョイント部材7の間で伸縮することができる。
一般に、ジョイント部材7の素材には、鋼等の金属を使用するが、所望の強度等が得られるものであれば、他の素材を選択してもよい。
図4は、移動用ナット3の外形を示す立面図である。また、図5は移動用ナット3をその中心線を通る水平面で切断した断面図であり、図6は移動用ナット3をその中心線を通る垂直面で切断した断面図である。
図4ないし図6に示すように、移動用ナット3は、ねじ軸2が貫通する貫通路9を備え、貫通路9の上面には、ピン10,11がねじ軸2の長さ方向に所定の間隔を開けて並んで立設され、貫通路9の下面には、ピン12,13がねじ軸2の長さ方向に所定の間隔を開けて並んで立設されている。また、ピン10とピン12、ピン11とピン13は互いに向かい合って(つまり、移動用ナット3の回転中心を通る水平に対して対称に)配置されている。
貫通路9の内径はコイルばね5,6の外径に所定の余裕を加えた寸法が選ばれ、ピン10とピン12の間の隙間、およびピン11とピン13の間の隙間は、軸棒4の外径(≒コイルばね5,6の内径)と等しくなるようにしている。そのため、移動用ナット3の重量はピン10〜13を介して軸棒4に支持されるので、他の支持機構を必要としない。
また、図5及び図6に示すようにコイルばね5,6の素線はピン12,13に当接するので、コイルばね5,6が回転すると、移動用ナット3に推力が加わる。
図7は、コイルばね5のねじピッチが変化する場合のピン12,13とコイルばね5の位置関係を示す図であり、移動用ナット3をその中心線を通る水平面で切断した断面図である。
図7において、5aはコイルばね5のねじピッチが基準状態にある時のコイルばね5の素線の形状を、5bはコイルばね5のねじピッチが基準より大きくなった時の素線の形状を、5cはコイルばね5の巻き方向を逆にした時の素線の形状を、それぞれ示す。
図から明らかなように、コイルばね5のねじピッチが基準状態にある時は、コイルばね5の素線は、ピン12,13の両方に当接しているから、コイルばね5の回転方向に応じて移動用ナット3は左右に移動する。コイルばね5のねじピッチが基準より大きくなると、コイルばね5の素線はピン12,13のいずれか一方に当接する。ここでは、コイルばね5の素線がピン12に当接して移動用ナット3を図の右方向に押し出している状態を示している。また、この状態からコイルばね5の回転方向を逆にすると、コイルばね5の素線はピン12から離れてピン13に当接して移動用ナット3を図の左方向に押し出す。つまり、コイルばね5のねじピッチが基準より大きくなっても、コイルばね5は移動用ナット3との噛み合いを維持して、移動用ナット3を左右に移動させることができる。また、コイルばね5の巻き方向を逆(つまり右ねじを左ねじ)にしても、コイルばね5は移動用ナット3と噛み合って、移動用ナット3を左右に移動させることができる。
したがって、移動用ナット3はコイルばね5,6のねじピッチが変動しても、コイルばね5,6との噛み合いを維持して、ねじ軸2の回転を移動用ナット3の移動に変換することができる。また、移動用ナット3はコイルばね5,6の巻き方向に関係なく、コイルばね5,6と噛み合って、ねじ軸2の回転を移動用ナット3の移動に変換することができる。
また、送りねじ装置1は、移動用ナット3に大きな外力が加わった時、コイルばね5,6の変形によって当該外力を吸収することができる。そのため、例えば、送りねじ装置1を扉の開閉用のアクチュエータと使用して、その扉が異物を挟んだような場合に、駆動用モータに衝撃が伝わることを防ぐことができる。
一般に、移動用ナット3の素材には鋼等の金属を使用して、移動用ナット3本体とピン10〜13は別個に製造して組み立てるが、所望の強度等が得られるものであれば、他の素材を選択してもよい。また、移動用ナット3本体とピン10〜13を一体成形してもよい。例えば、金型を使用して、移動用ナット3本体とピン10〜13を合成樹脂で一体成形してもよい。
なお、本実施形態では移動用ナット3の構造を簡易にするために、ピン10〜13を単なる円柱にしたが、ピン10〜13の中心軸回りに回転するローラを備えて、該ローラを介してコイルばね5,6がピン10〜13に当接するようにすれば、両者の間の摩擦が低減されるので、伝達効率が改善される。
なお、本実施形態では軸棒4に2本のコイルばね5,6を取り付けたので、ピン10,11及びはピン12,13をねじ軸2の長さ方向に所定の間隔を開けて配列したが、3本以上のコイルばねを軸棒4に取り付ける場合は、コイルばねの数に応じて、ねじ軸2の長さ方向に並ぶピンの数を増やす。
図8は、ねじ軸2の別の構成例を示す外形図である。図8に示すように、ねじ軸2に外嵌されたコイルばね14,15のねじピッチは、両端で小さく、中間で大きくしている。前述したように、移動用ナット3はコイルばね14,15のねじピッチが変化しても、コイルばね14,15との噛み合いを維持することができるから、コイルばね14,15を備える送りねじ装置1は、移動用ナット3の移動ストロークの始端と終端では低速で高精度の位置決めを行い、精度を必要としない中間区間では高速移動を行うことができる。
図9は、移動用ナット3の別の構成例を示す外形図である。図9に示すように、この移動用ナット3は、ピン10〜13に変えて、螺旋体16,17を貫通路9の中に内嵌して雌ねじを形成している。螺旋体16,17は摩擦によって貫通路9の中に保持されるが、螺旋体16,17を貫通路9に溶接してもよいし、接着してもよい。なお、螺旋体16,17は一般にコイルばねを移動用ナット3の貫通路9の長さに合わせて切断したものを用い、その素線の断面形は、円形、角形等を選択する。あるいは、螺旋体16,17の内嵌に代えて、螺旋体16,17と同一のねじ溝を貫通路9の内側に合成樹脂で一体成形してもよい。
なお、本実施形態では、コイルばね5,6の両端の移動と回転をジョイント部材7で拘束する例を示したが、ジョイント部材7に代えて、コイルばね5,6の素線の両端を軸棒4に直接固定(溶接、接着など固定手段は問わない)。あるいは、コイルばね5,6の素線を全長に渡って、軸棒4に固定(溶接、接着)してもよい。なお、全長に渡って固定とは、例えば溶接ビードが全長に渡って連続しているものに限られない。実用上十分に剛に固定できるならば、タック溶接であってもよい。
図10は、移動用ナット3の更に別の構成例を示す外形図である。図10に示すように、移動用ナット3の貫通路9の内部には、移動用ナット3に軸支されて、移動用ナット3の回転軸に直交する軸α回りに自在に回転する回転台18を備え、回転台18にはコイルばね5の素線を挟持するピン19,20が軸αに対称に立設されている。
図11は、ピン19,20とコイルばね5の素線の係合状態を示す図であり、図10のA方向から見た矢視図である。図11(a)に示すように、ピン19,20はコイルばね5の素線を挟持しているので、コイルばね5が回転すると移動用ナット3に推力が生じる。また、コイルばね5のねじピッチが変動しても、図11(b)に示すように、回転台18がコイルばね5のねじピッチに応じて回転するので、ピン19,20はコイルばね5の素線を挟持し続けることができる。このように、コイルばね5のねじピッチが変動しても、ピン19,20はコイルばね5の素線を挟持し続けるので、移動用ナット3にはバックラッシュが生じない。
図12は送りねじ装置1の別の構成例を示す外形図である。図12に示すように、送りねじ装置1の移動用ナット3は、ケーシング21を備え、ケーシング21は下板22と上板23を支柱24で連結して構成される。
図13は図12に示した送りねじ装置1の上板22を取り除いて、移動用ナット3の内部構造を示す構造図である。図13に示すように、ケーシング21の下板22には、軸25,26が立設され、軸25,26には第1のレバー27と第2のレバー28が軸支されている。
ここで、説明の便宜のために、移動用ナット3の前後を定義する。すなわち、図13の右下方向を前方とし、左上方向を後方とする。
さて、第1のレバー27は移動用ナット3の後方からねじ軸2のコイルばね5に当接するとともに、第1のレバー27自身の弾性によって、移動用ナット3の後方から前方に向かうように付勢されている。また、第2のレバー28は移動用ナット3の前方からねじ軸2のコイルばね5に当接するとともに、第2のレバー28自身の弾性によって、移動用ナット3の前方から後方に向かうように付勢されている。
なお、ここでは第1のレバー27と第2のレバー28自身の弾性で第1のレバー27と第2のレバー28をコイルばね5に向けて付勢しているが、軸25,26と第1のレバー27と第2のレバー28の間に別のばね要素を備えてもよい。
このように、第1のレバー27と第2のレバー28はねじ軸2のコイルばね5に押し当てられるので、コイルばね5のねじピッチが変化しても、第1のレバー27と第2のレバー28はコイルばね5への当接を維持し、ねじ軸2の回転によって移動用ナット3に推力が生じる。
図14は送りねじ装置1の更に別の構成例を示す外形図である。図14に示すように、送りねじ装置1のねじ軸2に外嵌されたコイルばね29は、ねじ軸2の右側に外嵌された右巻きコイルばね30と、左側に外嵌された左巻きコイルばね31を中央で結合して構成され、右巻きコイルばね30には第1の移動用ナット32が螺合し、左巻きコイルばね31には第2の移動用ナット33が螺合している。
このように構成されているので、第1の移動用ナット32と第2の移動用ナット33は常に逆方向に移動する。つまり、ねじ軸2が回転すると、第1の移動用ナット32と第2の移動用ナット33は互いに接近する方向あるいは離隔する方向に移動する。
図15は送りねじ装置1に使用するねじ軸2の変形例を示す模式的な外形図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。図15に示すように、ねじ軸2は軸棒4にコイルばね5を外嵌して構成されている。また、コイルばね5は、溶接区間34〜36において、軸棒4に溶接されている。つまり、溶接区間34〜36において、コイルばね5は軸棒4に溶接固定され、溶接区間34〜36以外の区間では、コイルばね5は軸棒4に対して自由である。このように、コイルばね5は、全長に渉って、軸棒4にタック溶接されている。
ここで、溶接区間34〜36のそれぞれ中央で溶接区間34〜36を代表させることにして、溶接区間34〜36の中央の位置を「溶接区間34〜36の位置」と呼ぶことにする。また、溶接区間34〜36の位置を、軸棒4の回転中心O回りのコイルばね5(の素線)の回転角度で表示することにする。
さらに、溶接区間34の位置を0°で表示することにすると、溶接区間35,36の位置は、それぞれ、450°、900°で表示される(図15(b)参照)。このように、溶接区間34〜36は、溶接区間34と溶接区間35との間隔、及び溶接区間35と溶接区間36との間隔がそれぞれ450°になるように配置されている。このため、溶接区間34〜36は軸棒4の中心軸に平行には並ばない。言い換えれば、隣り合う溶接区間(34と35、35と36)を結ぶ直線l,lは軸棒4の中心軸Axに対してねじれの位置にある。
仮に、溶接区間34〜36が軸棒4の中心軸に平行(例えば、0°、360°、720°)に並ぶと、溶接歪みが軸棒4の横断面の一方の側に生じるので、軸棒4が大きく曲がることがあるが、溶接区間34〜36は軸棒4の横断面の円周上に並ぶので、溶接歪みは互いにキャンセルされ、軸棒4の変形は最小化される。
なお、溶接区間34〜36の間隔は450°には、限られない。360°に対して、互いに素(360の公約数、公倍数以外の数)となる角度を選べばよい。例えば、100°、150°、200°、300°などを選べば、前述したような効果が得られる。
また、溶接区間34〜36における溶着金属37は、図16に示すように、溶着金属37の幅Bがコイルばね5の直径Dより小さくなるようにする。このようにすれば、溶着金属37と移動用ナット3のねじ溝とが互いに干渉することがない。あるいは、図17に示すように中空の管で構成し、前記中空の管のコイルばね5が当たる部位に小孔38を空けて、前記中空の管の中に溶接トーチ(図示せず)を入れて、小孔38の中に溶着金属37を置くようにしてもよい。
図18は送りねじ装置1に使用するねじ軸2の別の変形例を示す外形図である。図18に示すように、ねじ軸2は軸棒4にコイルばね5を外嵌して、さらにその上を合成樹脂39で被覆して構成されている。また、軸棒4にコイルばね5を固定している。適当な性状の合成樹脂39を選ぶことにより、移動用ナット3とねじ軸2の間の摩擦を低減し、送りねじ装置1の動きをスムーズにすることができる。また、移動用ナット3の摩耗を減じて、送りねじ装置1の寿命を伸ばすことができる。
なお、合成樹脂39には、公知の各種素材を目的に応じて、適宜選択して使用する。例えば、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリテトラフルエチレン(PTFE)樹脂等を使用する。
また、ねじ軸2に合成樹脂39で被覆する方法は、各種、公知の手段の中から、選択する。液状の合成樹脂を塗布あるいは吹き付けてもよいし、液状の合成樹脂を入れた槽にねじ軸2を浸漬して、いわゆる「どぶ付け」を行ってもよい。あるいは、チューブ状の合成樹脂シートの中にねじ軸2を差し入れて、その後に該合成樹脂シートを加熱収縮させてもよい。
また、軸棒4にコイルばね5を外嵌してなるねじ軸2の用途は送りねじ装置1には限られない。ねじ軸2をウォーム歯車装置のウォームに使うこともできる。
図19は、本発明に係るウォーム歯車装置の実施形態の一例を示す外形図である。図19に示すように、ウォーム歯車装置40は、基台41にねじ軸2と平歯車42,43,44を備える。
ねじ軸2は、一般的なウォーム歯車装置のウォームに相当する要素であり、軸棒4にコイルばね5を外嵌して構成されている。軸棒4は、軸受け45,46に両持ち支持されて、Y軸回りに回転する。また、コイルばね5のねじピッチは軸棒4の長さ方向において変化する。
平歯車42,43,44は、一般的なウォーム歯車装置のウォームホィールに相当する要素であり、図示しない軸受けを介して基台41に支持されて、紙面に垂直な回転軸回りに自在に回転するとともに、ねじ軸2のコイルばね5と噛み合っている。
また、コイルばね5のねじピッチは、平歯車43と噛み合う部位で最も大きく、平歯車42と噛み合う部位がこれに次ぎ、平歯車44と噛み合う部位で最も小さくなる。
ウォーム歯車装置40は、このように構成されているので、ねじ軸2を図示しない動力源(例えば電動機)につないで、Y軸回りに回転させると、平歯車42,43,44が回転する。また、この時の回転速度は平歯車43が最も高く、平歯車42がこれに次ぎ、平歯車44が最も低くなる。このように、ウォーム歯車装置40は、1個のねじ軸2を使って、3個の平歯車42,43,44を、それぞれ異なる速度で回転駆動することができる。
また、ウォーム歯車装置40は、軸棒4にコイルばね5を外嵌してなるねじ軸2をウォームとするので、平歯車42,43,44は精緻な歯形(例えば、インボリュート歯形)を必要としない。図19に示すように、円板47の周囲に円筒状のピン48を放射状に植え付けて平歯車42,43,44を構成することができる。
なお、軸棒4にコイルばね5を固定する手段は、特に限定されないが、送りねじ装置1について例示したように、軸棒4にコイルばね5をタック溶接してもよいし、コイルばね5の上から合成樹脂を塗布して、ねじ軸2を該合成樹脂で被覆してもよい。
以上説明したように、本発明の送りねじ装置の移動用ナットは送りねじ軸のねじピッチの変動を許容するので、コイルばねを軸棒に外嵌してなるねじ軸を備えた送りねじ装置の信頼性が向上する。また、送りねじ軸のねじピッチを移動ストロークの途中で変更できるので、移動用ナットの速度あるいは推力を最適化することができる。また、軸棒に外嵌固定されたジョイント部材でコイルばねを軸棒に取り付けるので、コイルばねの修理交換が容易になる。
コイルばねを軸棒に溶接固定すれば、移動用ナットに負荷が加わった時のコイルばねの変形が抑制されるので、送りねじ装置の精度が向上する。また、コイルばねを軸棒にタック溶接し、該タック溶接の溶接区間が軸棒の横断面の一方の側に並ばないようにすれば、溶接による軸棒の変形を抑制することができる。
ねじ軸を合成樹脂で被覆すれば、ねじ軸と移動用ナットの摩擦が低減されるので、送りねじ装置の高効率化、長寿命化が期待できる。
また、コイルばねを軸棒に外嵌してなるねじ軸をウォーム歯車装置のウォームとして使用すれば、ウォームホィールの歯形を単純にすることができ、ウォーム歯車装置を安価に製造することができる。またウォーム歯車装置に複数のウォームホィールを備えて、前記ねじ軸に噛み合わせるとともに、前記ウォームホィールと前記コイルばねが噛み合う位置によって前記コイルばねのねじピッチが異なるようにすれば、1個のウォームで複数のウォームホィールを異なる回転速度で回転駆動することができる。
本発明の実施形態を示す送りねじ装置の外形図である。 前記送りねじ装置のねじ軸の外形図である。 前記送りねじ装置のジョイント部材の外形を示す立面図である。 前記送りねじ装置の移動用ナットの外形を示す立面図である。 前記移動用ナットの垂直断面図である。 前記移動用ナットの水平断面図である。 ねじピッチが変化する場合のピンとコイルばねの位置関係を示す図である。 前記送りねじ装置のねじ軸の別の構成例を示す外形図である。 前記送りねじ装置の移動用ナットの別の構成例を示す外形図である。 前記送りねじ装置の移動用ナットの別の構成例を示す外形図である。 ピンとコイルばねの素線の係合状態を示す図である。 本発明の送りねじ装置の別の構成例を示す外形図である。 図12に示した送りねじ装置の移動用ナットの内部構造を示す構造図である。 本発明の送りねじ装置の更に別の構成例を示す外形図である。 本発明の送りねじ装置に使用するねじ軸の変形例を示す外形図である。 コイルばねと軸棒の溶接の態様を示す図である。 コイルばねと軸棒の溶接の態様を示す図である。 本発明の送りねじ装置に使用するねじ軸の別の変形例を示す外形図である。 本発明のウォーム歯車装置の実施形態の一例を示す外形図である。
符号の説明
1 送りねじ装置
2 ねじ軸
3 移動用ナット
4 軸棒
5,6 コイルばね
7 ジョイント部材
8 凹部
9 貫通路
10〜13 ピン
14,15 コイルばね
16,17 螺旋体
18 回転台
19,20 ピン
21 ケーシング
22 下板
23 上板
24 支柱
25,26 軸
27 第1のレバー
28 第2のレバー
29 コイルばね
30 右巻きコイルばね
31 左巻きコイルばね
32 第1の移動用ナット
33 第2の移動用ナット
34〜36 溶接区間
37 溶着金属
38 小孔
39 合成樹脂
40 ウォーム歯車装置
41 基台
42〜44 平歯車
45,46 軸受け
47 円板
48 ピン

Claims (6)

  1. 軸棒に、内径が前記軸棒と略同一のコイルばねを外嵌してなるねじ軸と、前記ねじ軸に
    螺合するとともに、前記ねじ軸に対して相対的に回転して、直線移動する移動用ナットを
    備えた送りねじ装置において、
    前記移動用ナットは、前記ねじ軸が貫通する貫通路の内部に突出して、前記コイルばね
    の素線と当接するピンを備え
    前記ねじ軸の長さ方向において前記コイルばねのねじピッチが変化し、
    前記ピンは複数個あって、前記ねじ軸の長さ方向に所定の間隔を開けて配列されるとともに、
    前記ピンは、共通の回転台の回転中心に対称に配列された2本組のピンであって、
    前記回転台は前記移動用ナットに軸支されて前記移動用ナットの回転軸に直交する軸回りに自在に回転する
    ことを特徴とする送りねじ装置。
  2. 前記コイルばねのねじピッチは、前記ねじ軸の両端で小さく、中間部で大きくされてい

    ことを特徴とする請求項1に記載の送りねじ装置。
  3. 前記移動用ナットを2個備えるとともに、
    前記コイルばねは、右巻きのコイルばねと左巻きのコイルばねを前記ねじ軸の長さ方向
    の中途で結合してなり、
    前記2個の移動用ナットの一方は前記コイルばねの右巻きのコイルばねと螺合し、前記
    2個の移動用ナットの他方は前記コイルばねの左巻きのコイルばねと螺合する
    ことを特徴とする請求項1に記載の送りねじ装置。
  4. 前記ピンを、前記貫通路の断面の直径に対して対称に配列した
    ことを特徴とする請求項1に記載の送りねじ装置。
  5. 前記軸棒に外嵌固定されるジョイント部材であって、その端面に凹部を有するジョイン
    ト部材を備えるとともに
    前記ジョイント部材の前記凹部に前記コイルばねの素線の端部を嵌合する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の送りねじ装置。
  6. 複数本の前記コイルばねを同軸に重ね合わせて、前記ねじ軸に多条ねじを形成した
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の送りねじ装置。
JP2008333331A 2007-12-27 2008-12-26 送りねじ装置 Expired - Fee Related JP5411495B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008333331A JP5411495B2 (ja) 2007-12-27 2008-12-26 送りねじ装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007338123 2007-12-27
JP2007338123 2007-12-27
JP2008333331A JP5411495B2 (ja) 2007-12-27 2008-12-26 送りねじ装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009174713A JP2009174713A (ja) 2009-08-06
JP2009174713A5 JP2009174713A5 (ja) 2012-02-16
JP5411495B2 true JP5411495B2 (ja) 2014-02-12

Family

ID=41029999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008333331A Expired - Fee Related JP5411495B2 (ja) 2007-12-27 2008-12-26 送りねじ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5411495B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9358351B2 (en) * 2010-02-22 2016-06-07 Sanofi-Aventis Deutschland Gmbh Gearbox
JP2012154446A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Ckd Corp アクチュエータ
JP2012202477A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Ckd Corp 往復駆動装置
EP3274211B1 (de) * 2015-03-24 2021-04-21 Adient Luxembourg Holding S.à r.l. Einstellvorrichtung für einen fahrzeugsitz sowie fahrzeugsitz
JP6630126B2 (ja) * 2015-11-13 2020-01-15 日本電産サンキョー株式会社 複合駆動装置
JP6605306B2 (ja) * 2015-11-13 2019-11-13 日本電産サンキョー株式会社 複合駆動装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49101175U (ja) * 1972-12-22 1974-08-30
JPS5329162Y2 (ja) * 1973-06-19 1978-07-21
JPS63158351A (ja) * 1986-12-18 1988-07-01 Hitachi Electronics Eng Co Ltd リ−ドスクリユ−
NL8701183A (nl) * 1987-05-18 1988-12-16 Philips Nv Aandrijfmechanisme, alsmede manipulator met een dergelijk aandrijfmechanisme.
JP2525201Y2 (ja) * 1991-08-27 1997-02-05 自動車電機工業株式会社 アクチュエータ
JP2711611B2 (ja) * 1992-03-18 1998-02-10 日精樹脂工業株式会社 ボールねじ
JPH0579100U (ja) * 1992-04-01 1993-10-26 アスモ株式会社 送りねじ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009174713A (ja) 2009-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5411495B2 (ja) 送りねじ装置
JP4531097B2 (ja) ウォームラック形動力伝達装置
US8460146B2 (en) Roller type transmission device
JP5100781B2 (ja) ウォームギヤ機構及びウォームギヤ機構を搭載した電動パワーステアリング装置
WO2015076201A1 (ja) リンク作動装置
EP2400183A1 (en) A roller type transmission device
US20110107867A1 (en) Backlash adjustment mechanism and industrial robot using the same
JP6725645B2 (ja) ロボットアーム機構
JPWO2007026801A1 (ja) ステアリング装置及びこれに用いる運動変換装置
JP4818037B2 (ja) 減速機
JP4695723B2 (ja) シリンダ装置
CN107429752A (zh) 力矩传递用接头和蜗轮蜗杆减速器
WO2016052044A1 (ja) 摩擦式無段変速機
JP2004122858A (ja) 電動パワーステアリング装置
CN106224480A (zh) 一种基于四杆机构的大行程柔性旋转铰
JP6812907B2 (ja) ウォーム減速機
JP2018189151A (ja) 継手、歯車機構、駆動装置、ロボット、及び継手の製造方法
JPWO2008001460A1 (ja) 歯車装置
JP4409495B2 (ja) 線材巻き取り装置のトラバーサ
JP4657747B2 (ja) 産業用ロボットの関節装置
CN111868412B (zh) 行星齿轮箱以及相关的机器人关节和机器人
JP2006151043A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4810115B2 (ja) パラレルメカニズム装置
JP2005188748A5 (ja)
JP4658088B2 (ja) 産業用ロボットの関節装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111222

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130423

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130620

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131108

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees