JP5410634B1 - 太陽光パネル設備とその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに所定の距離を隔てて平行に立設される一対の架台2a,2aと、この一対の架台2a,2aの間に平行に立設される架台2bと、一対の架台2a,2a及び架台2bの間に水平に架け渡される4本のケーブル3と、これらのケーブル3に載架される4枚の太陽光パネルアレイ4を備えている。ケーブル3は亜鉛メッキ鋼撚り線からなり、架台2a,2bは鋼材によって構成されている。太陽光パネルアレイ4は、平面視矩形状をなす6枚の太陽光パネル5が1列に並べられた状態で金属製の枠体6に組み付けられたものであり、平行に張設された4本のケーブル3に対して、その長手方向が直交するように配置されている。
【選択図】図1
Description
なお、太陽電池は、吸収した光エネルギーを光起電力効果によって電気エネルギーに変換する素子からなり、通常は、この素子が直列に接続され、樹脂や強化ガラス等で保護された「モジュール」若しくは「パネル」と呼ばれる状態で使用される。
特許文献1に開示された発明は、屋根に取り付けたアンカーボルトにワイヤーを張り、このワイヤーに太陽電池モジュールを連結する構造となっている。また、屋根面に当接する太陽電池の下面には保護部材が設けられている。
このような構造によれば、重い架台を必要としないため、屋根への負担が軽減されるとともに、施工が簡便化される。また、地震等によって屋根に歪みが生じた場合でも、その歪みは張設状態のワイヤーの変形により吸収され、太陽電池モジュール自体は歪まないため、その破損を防止することができる。
特許文献2に開示された発明は、屋根上に縦横に張られた太陽電池取付用ワイヤーに対して、太陽電池を連結することを特徴とする。
このような方法によれば、太陽電池を取り付けるための架台が不要であるため、コストの低廉化を図ることができる。そして、太陽電池の設置作業が簡単となる。また、太陽電池の大きさや数量に応じた本数の太陽電池取付用ワイヤを張れば良いため、屋根上に設置する太陽電池の大きさや数量を任意に設定することができる。
また、本発明の太陽光パネル設備においては、ケーブル上に太陽光パネルアレイが載架される構造であることから、架台に固定するようにして太陽光パネルアレイが設置される従来の設備に比べ、太陽光パネルアレイの取り付けや取り外しが容易である。
さらに、ケーブルに係止するように設置された太陽光パネルアレイは、ケーブル上を滑動させることで、ケーブルに沿って容易に水平方向へ移動するという作用を有する。
このような構造の太陽光パネル設備においては、請求項1に記載の発明の作用に加えて、枠体を構成する部材が少なく軽量構造であることから、製造コストが安く、かつ、太陽光パネルアレイの運搬が容易になるという作用を有する。
このような構造の太陽光パネル設備においては、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、架台の構成部材が少ないため、材料費や組立作業等に要する費用が安いという作用を有する。
さらに、例えば、サービスエリア等の駐車エリアのように、車輌の通行の邪魔になるとの理由から架台を設置できない場合や、一部に池や沼地や平坦でない場所があり、架台を設置できる場所が限定される場合であっても、本発明の太陽光パネル設備であれば、多くの架台を設置する必要がなく、また、架台を設置できない場所にはケーブルを張設すれば良いため、太陽光パネルを設置することが可能である。なお、上述の駐車エリアの上方にケーブルを張設し、このケーブル上に太陽光パネルアレイを設置した場合、太陽光パネルアレイは屋根としても機能し、車輌に対する太陽光の直射を遮って車内が高温状態となるのを防ぐという効果を発揮する。
さらに、本発明の太陽光パネル設備によれば、ケーブルを利用して太陽光パネルアレイを運搬できるため、大規模な太陽光発電を目的として広大な用地に多数の太陽光パネルを設置する必要がある場合でも、太陽光パネルアレイの形で一括して所定の場所へ効率良く太陽光パネルを運搬することができる。加えて、本発明の太陽光パネル設備によれば、太陽光パネルアレイを運搬する車輌等の通路を十分に確保できない場所、例えば、山間部の遊休地等に対しても適用可能である。
さらに、大規模な太陽光発電に用いる広大なエリアや、山間部の遊休地等のように太陽光パネルアレイを運搬する車輌等の通路を十分に確保できない場所に対しても、太陽光パネルアレイの運搬にケーブルを利用することで、多数の太陽光パネルを短時間で効率良く設置することができる。
図1及び図2はそれぞれ本発明の実施の形態に係る太陽光パネル設備の外観を示す斜視図である。ただし、図2は図1において太陽光パネルアレイを設置していない状態に相当する。
なお、図1〜図4及び図7では、部材同士を連結するために使用するボルト等の図示を省略している。
また、太陽光パネルアレイ4は、平面視矩形状をなす6枚の太陽光パネル5が1列に並べられた状態で金属製の枠体6に組み付けられたものであり、平行に張設された4本のケーブル3に対して、その長手方向が直交するように配置されている。
また、梁材8の上面には保持部材10がそれぞれ固設されており、ケーブル3は、保持部材10の内部に挿通された状態で梁材8に対して固定されるとともに、その両端が横架材9,9にそれぞれ巻回されるようにして固定されている。
そして、架台2aでは、各支柱7が補強材11によって支持されている。ただし、補強材11は、一端が支柱7の上端近傍の側面に固定されるとともに、他端がコンクリート基礎に埋設されており、鉛直方向に対して45°傾斜した状態でコンクリート基礎によって支持されている。
なお、図3(b)では固定部材を図3(a)及び図3(c)のレースウェイ等よりもやや拡大して示し、図4(c)と図5(a)及び図5(b)ではケーブル3を破線で示している。また、図1及び図2に示した構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
固定部材14は、レースウェイ12の溝12aに対して端部12bから挿入可能に形成される取付部14aと、この取付部14aに立設される係止部14bからなり、溝12aの内部に取付部14aが挿設されるとともに溝12aの開口部12cから係止部14bを突出させた状態でレースウェイ12にボルト等を用いて固定されている。
なお、連結部材13は本実施例に示した構造に限定されるものではない。例えば、レースウェイ12,12に直交するように配置されたレースウェイ12とは別のレースウェイを連結部材13として用いても良い。また、固定部材14は、取付部14aを省略し、係止部14bのみからなる板材とすることもできる。
さらに、上述の通り、ケーブル3を利用することで、太陽光パネルアレイ4は人力で容易に運搬可能となる。この場合、太陽光パネルアレイ4を運搬する車輌等の通路を確保する必要がないため、例えば、山間部の遊休地等に対しても、本発明の太陽光パネル設備1であれば、施工可能である。
加えて、太陽光パネル設備1においては、架台に太陽光パネルが固定される従来の設備に比べ、架台2a,2bの数が格段に少なく、それらを構成する部材も少ない。したがって、太陽光パネル設備1によれば、鋼材等の材料費や架台2a,2bの組立作業等に要する費用の大幅な削減と工期の短縮化を図ることが可能である。
なお、この場合、係止部14bを側面視L字状とし、固定部材14,14の間に跨設した連結具15を各係止部14bにボルト16aとナット16bを用いて締結する構造としても良い。これにより、太陽光パネルアレイ4はケーブル3から離脱不能となる。
図6は太陽光パネル設備1の施工手順を示すフローチャートである。また、図7は施工途中の太陽光パネル設備1の外観を示す斜視図であり、図6のステップS6に対応する状態を示している。なお、図1〜図5に示した構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6に示すように、まず、ステップS1において、一対の架台2a,2aが互いに所定の距離を隔てて平行に立設されるとともに、この架台2a,2aの間に平行に架台2bが立設されるように、3本1組の支柱7を所定の9箇所に配置し、その下部を囲むように設置したコンクリート打設用の型枠(図示せず)の中にコンクリートを流し込んで固化させてコンクリート基礎を形成する。このとき、補強材11も、その下端を型枠内に配置し、支柱7と同様に上記コンクリート基礎によって下部を固定する。
次に、ステップS2において、横架材9を隣接する支柱7,7の間に配置し、その側面に横架材9の両端をそれぞれ固定する。さらに、架台2を構成する3本の支柱7を梁材8によって互いに接続し、架台2a,2bを形成する。なお、架台2a,2bを構成する3本の支柱7は全て長さが異なっており、その上端に設置された梁材8が水平面に対して所定の角度で傾斜するように配置されている。そして、架台2a,2bは、その上部に設置された3本の梁材8の上面が同一の傾斜平面を形成するように設置されている。
ただし、このような構造に限定されるものではなく、例えば、梁材8が水平方向に対して傾斜した状態で支柱7の側面に固定された構造とすることもできる。
ステップS4では、平行に配置された一対のレースウェイ12,12の両端同士を連結部材13で連結して平面視矩形状の枠体6を形成するとともに、一対のレースウェイ12,12に対し、溝12aの内部に取付部14aを挿設し開口部12cから係止部14bを突出させた状態で固定部材14を固定する。そして、6枚の太陽光パネル5を枠体6上に配置しネジ止めする。これにより、太陽光パネルアレイ4が形成される。なお、ステップS4は、必ずしもステップS3の後に行う必要はなく、ステップS5よりも前であれば、どの時点で行っても良い。
ステップS5では、図7に矢印Dで示すように、架台2aの近傍において、太陽光パネルアレイ4を、4本のケーブル3に対し、各固定部材14がそれぞれ係止するように載架する。
ステップS6では、ケーブル3の上に載架された太陽光パネルアレイ4の両端を手で保持するなどして、矢印Eで示すようにケーブル3に沿って滑動させることにより水平方向へ移動させる。そして、移動により空いた箇所に、次の太陽光パネルアレイ4を設置する。以下、この作業を繰り返すことにより、全ての太陽光パネルアレイ4がケーブル3の上に設置され、太陽光パネル設備1の施工が完了する。
図8(a)は太陽光パネル設備1の施工方法の一例を示す模式図であり、図8(b)は図8(a)の太陽光パネル設備1を所定の間隔をあけて配列した状態を示す模式図である。
図8(a)は、250mの距離を隔てて平行に立設された一対の架台2a,2aの間に25m間隔で9個の架台2bが平行に立設された状態の太陽光パネル設備1を表している。なお、架台2a,2b及び架台2b,2bの間に張設されたケーブル3には、縦1.4m、横1mの6枚の太陽光パネル5が1列に配置された太陽光パネルアレイ4が架台2a,2bに対して平行に25列配置されている。すなわち、1つの太陽光パネル設備1には150枚の太陽光パネル5が設置されている。
図8(b)は、上述の太陽光パネル設備1に対し、その周囲に幅3mと幅4mの通路を確保した状態で、複数配列した状態を表している。ただし、通路の幅は本実施例に示した値に限定されるものではなく、適宜変更可能である。既に述べたように、本発明の太陽光パネル設備1においては、ケーブル3を利用して太陽光パネルアレイ4を人力で運搬することもできるため、必ずしも太陽光パネルアレイ4を運搬する車輌の通路や転回用のスペースを確保する必要がない。したがって、太陽光パネル設備1の周囲に十分な空きスペースを確保できない場合には、通路の幅を本実施例で示した場合よりも狭く設定することも可能である。
すなわち、本発明の太陽光パネル設備1の施工方法によれば、鋼材等の材料費や架台の組立作業等に要する費用を安く抑えるとともに、工期を短縮化することができる。また、架台の設置が制限される場所についても太陽光パネル設備1を施工することが可能である。
さらに、大規模な太陽光発電に用いる広大なエリアや、山間部の遊休地等のように太陽光パネルアレイ4を運搬する車輌等の通路を十分に確保できない場所に対しても、太陽光パネルアレイ4の運搬にケーブル3を利用することで、多数の太陽光パネル5を短時間で効率良く設置することができる。
Claims (4)
- 互いに所定の距離を隔てて平行に立設される一対の架台と、
この一対の架台の間に水平に架け渡されて少なくとも一部が同一の傾斜平面を形成するように張設された鋼撚り線又は鉄撚り線からなる複数本のケーブルと、
これらのケーブルに係止しつつ水平方向へ移動可能に設置される太陽光パネルアレイと、を備え、
前記太陽光パネルアレイは、平面視矩形状をなす太陽光パネルと、この太陽光パネルが複数枚組み付けられた枠体と、からなり、
前記太陽光パネルアレイが前記ケーブル上に設置された際に前記ケーブルに対して係止可能に形成されるとともに下方へ突出するように、固定部材が前記枠体に設けられたことを特徴とする太陽光パネル設備。 - 前記枠体は、
平行に配置された一対のレースウェイを備え、
前記固定部材は、このレースウェイの側面から突出するように設けられることを特徴とする請求項1記載の太陽光パネル設備。 - 前記架台は、
上面が前記傾斜平面を形成するように設置された梁材と、
この梁材を介して互いに接続された複数本の支柱と、からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽光パネル設備。 - 上部に設けられた梁材の上面が同一の傾斜平面を形成するように一対の架台を互いに所定の距離を隔てて平行に立設する工程と、
前記梁材の上面に架け渡すようにして鋼撚り線又は鉄撚り線からなる複数本のケーブルを前記一対の架台の間に平行かつ水平に張設する工程と、
固定部材が下方へ突出するように設けられた枠体の上面に複数枚の太陽光パネルを組み付けて太陽光パネルアレイを形成する工程と、
前記架台の近傍において前記ケーブルに前記固定部材を係止させ水平方向へ移動可能に前記太陽光パネルアレイを設置する工程と、
前記太陽光パネルアレイを前記ケーブルに沿って滑動させるようにして水平方向へ移動させる工程と、を備えたことを特徴とする太陽光パネル設備の施工方法。
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