JP5410148B2 - 燃料加熱供給方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は自動車で使用するアルコール混合燃料をマイクロ波で加熱してエンジンに供給する技術に関する。
マイクロ波を照射して物を加熱する技術は、電子レンジをはじめとして、従来から様々な分野に応用されている。
また、内燃機関の分野においても、燃料の加熱にマイクロ波を利用することが行われている。そのうち、代表的な先行技術として、特許文献1乃至3を挙げることができる。
まず、特許文献1では、寒冷地における内燃機関の始動性を改善することを目的として、マイクロ波発生器を燃料タンクに取り付けることが記載されている。この特許文献1では、マイクロ波発生器の熱効率の良さやその経済性に着目して、マイクロ波を燃料の加熱に応用したものである。
次に、特許文献2には、燃料をインジェクタに分配供給するフューエルインジェクションレールにマイクロ波発生器を適用し、燃料を加熱する技術が記載されている。この特許文献2は、マイクロ波が直接燃料に照射されていない点を熱効率の観点から問題として、それを改良するために、マイクロ波発生器とフューエルインジェクションレールをマイクロ波伝送路でつなぎ、このマイクロ波伝送路の終端部から加熱対象の燃料にマイクロ波を直接照射するようにしている。このような特許文献2によれば、内燃機関に供給される燃料を効率よくかつ迅速に加熱できると、される。
特許文献3は、引用文献2と同じくマイクロ波発生器をフューエルインジェクションレールに適用する技術が開示されている。この特許文献3では、これまでなかった新規な点として、(1)ガソリンに水を混合した混合燃料を用い、水を極性分子として添加している点、(2)エンジン始動を推定する手段を設け、エンジン始動が推定される場合には、自動的にマイクロ波発生器を作動させ、自動的に燃料の加熱を開始する点、(3)加熱中には、エンジンの冷却水の温度を検出し、水温がある条件よりも低い場合には、マイクロ波の照射を続け、逆に高ければ照射を停止する、というように加熱温度のフィードバック制御を行っている点、以上の三点を挙げることができる。
特開平7−109959号公報 特開2005−340108号公報 特開2007−239653号公報
最近では、自動車の燃料として、ガソリンだけでなく、バイオ燃料が注目され、特に、植物由来のエタノール、ガソリンとエタノールとの混合燃料が普及しつつある。この状況では、エタノールや混合燃料の加熱にマイクロ波を適用することが考えられる。しかも、エタノールは、極性分子であるため、マイクロ波の照射による加熱に適しているかのようにみえる。
しかしながら、エタノールとガソリンの混合燃料の場合、エタノールの混合割合は、燃料によって様々に変わり得る。そして、エタノール濃度に応じて、マイクロ波の照射を加減しないと、無駄にバッテリのエネルギー消費してしまうことになる。
また、マイクロ波の照射による加熱により温度を高めて始動性を改善しても、燃料中のアルコール濃度に応じた燃料噴射量が調整されないと、アルコール、ガソリン、空気のバランスがくずれて燃費が増大し、また、排ガス中の有害物質が増えるという問題が生じる。
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、アルコール濃度に応じて適切にマイクロ波を照射し、効率の良い加熱を行えるようにした燃料加熱供給方法および装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、マイクロ波による加熱の過程を利用して、アルコール濃度をエンジン始動前に推定できるようにし、その推定したアルコール濃度に応じて適正な噴射量を加減することを実現できるようにした燃料加熱供給装置を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、エンジンに供給する燃料を加熱する燃料加熱供給方法において、前記燃料として、アルコールとガソリンとの混合燃料を用い、前記混合燃料にマイクロ波発生器で発生するマイクロ波を照射して、前記混合燃料を加熱し、前記エンジンの燃焼室にインジェクタから前記混合燃料を噴射する前の段階で、当該混合燃料の温度上昇の変化からアルコール濃度を推定し、アルコール濃度の推定値に基づいて、前記インジェクタからの噴射量を制御することを特徴としている。
また、本発明は、エンジンに供給する燃料としてアルコールとガソリンとの混合燃料を用い、前記燃料を加熱しながら前記エンジンに供給する燃料加熱供給装置において、前記混合燃料を配管を通じてインジェクタに供給する燃料供給系と、前記燃料供給系に設けられ、前記混合燃料に照射するマイクロ波を発生するマイクロ波発生器と、前記マイクロ波を一定時間照射する間、前記マイクロ波が現に照射された前記混合燃料の温度を検出する温度検出器と、前記混合燃料の温度に応じて前記マイクロ波発生器の動作を制御する制御手段と、前記エンジンの燃焼室に前記インジェクタから前記混合燃料を噴射する前の段階で、当該混合燃料の温度上昇の変化からアルコール濃度を推定する手段と、前記アルコール濃度の推定値に基づいて、前記インジェクタからの噴射量を制御する手段と、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、アルコール濃度に応じて適切にマイクロ波を照射し、効率の良い加熱を行えることができ、また、マイクロ波による加熱の過程を利用して、アルコール濃度をエンジン始動前に推定できるようにし、その推定したアルコール濃度に応じて適正な噴射量を加減することを実現できる。
以下、本発明による燃料加熱供給方法および装置の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態による燃料加熱供給方法を実施するための燃料供給系の全体構成を示す図である。
この図1において、参照番号10は、自動車のエンジンを示す。このエンジン10は複数のシリンダ11を有している。各シリンダ11には、クランクシャフト17と連結されているピストン12が往復摺動し、燃焼室13での吸気、圧縮、点火、排気の各行程からなる燃焼サイクルが行われる。参照番号14は、フューエルインジェクションレールを示す。このフューエルインジェクションレール14には、各シリンダ11に対応させて燃焼室13に燃料を噴射するインジェクタ15が取り付けられている。参照番号16は燃料タンクを示す。この燃料タンク16には、レギュラーガソリンやハイオクガソリンではなく、この実施形態では、エタノールに代表されるアルコールをガソリンに混合した燃料(以下、混合燃料という)が溜められている。混合燃料は、図示しない燃料ポンプによって所定の圧力をかけられ、燃料配管18を通してフューエルインジェクションレール14に供給される。なお、図1において、参照番号20はエンジン制御装置(ECU)を示している。参照番号22は電源であるバッテリーを示す。
次に、図2は、エンジン10の断面を示す。参照番号23はインテークマニホールド、24は吸気弁、25はエキゾーストマニホールド、26は排気弁、27は点火プラグ、28は冷却水が流れる冷却チャンバーを示している。フューエルインジェクションレール14は、エンジン10の本体において、図2に示すような位置に取り付けられている。インジェクタ15の先端は、インレットポート29に臨むようになっている。吸気弁24が開き、インジェクタ15から混合燃料が噴射されると、ピストン12の下降とともに燃焼室13には混合燃料と空気の混合気が吸い込まれる。ピストン12が上昇し、燃焼室13では混合燃料と空気の混合気が圧縮されると、点火プラグ27によって着火されて燃焼する。
燃料については、既に触れたように、アルコールとガソリンとの混合燃料が使用される。本発明では、アルコールの分子は極性をもっていることに着目している。これは、燃料に極性をもつ分子が混ざることで、マイクロ波を照射することにより、燃料を効率よく加熱することができるようになるからである。
そこで、図1に示すように、フューエルインジェクションレール14には、混合燃料にマイクロ波を照射して燃料を加熱する手段として、マイクロ波発生器30が取り付けられている。このマイクロ波発生器30は、バッテリ22から電力が供給されると作動し、電力供給がオフになるとマイクロ波の発生を停止する。マイクロ波発生器30へのバッテリ22からの電力供給およびマイクロ波発生器30のマイクロ波の周波数などの制御は、エンジン制御装置20によって制御される。なお、エンジン制御装置20は、演算部としてのマイコン、記憶部としてのメモリを備えているECUである。
フューエルインジェクションレール14には、混合燃料の温度を検出する温度センサ32が設けられている。この温度センサ32の出力信号はエンジン制御装置20に送られる。エンジン制御装置20は、後述するように、混合燃料の温度に応じてマイクロ波発生器30の動作を制御する制御手段を構成するようになっている。
次に、図3は、エンジン制御装置20のマイクロ波発生器30に対する制御動作を示すフローチャートである。
以下、図1並びに図3を参照しながら、本実施形態による燃料加熱供給装置の作用並びに効果について説明する。
まず、エンジン10を始動させる前の段階として、運転席でイグニッションキーをキーシリンダの鍵穴に差し込んでキーを回すと、イグニッションキースイッチ40がオンして、そのオン信号はエンジン制御装置20に出力される。これ以後、次のようにして燃料の加熱制御が進行する。
最初のステップS10で、エンジン制御装置20はイグニッションキースイッチ40のオン信号を検知すると(ステップS10のyes)、続くステップS11で、温度センサ32の出力信号から、混合燃料の温度T1を検知する。この段階では、地域により、また時々の季節、天候等によって、混合燃料の温度は様々であることが想定される。
そこで、ステップS12で、エンジン制御装置20の演算部は、あらかじめエンジン10の始動性の観点から設定され、エンジン制御装置20の記憶部に記憶されている基準温度T0を読み出す。この基準温度T0は、燃料の温度T1がこの基準温度T0より低い場合に始動性が低下するとの判断の目安となるような温度である。そして、この基準温度T0と混合燃料の始動前の検知温度T1とが比較される(ステップS13)。
混合燃料の検知温度T1が基準温度T0よりも高い場合(ステップS13のno)、すなわち、エンジンの始動にとってまったく問題にならない場合は、自動的にセルモータが回り、エンジンが始動させることができる。
これに対して、混合燃料についての検知温度T1が基準温度T0よりも低い場合(ステップS13のyes)は、次のステップS14に進み、マイクロ波発生器30の図示しない電源スイッチ回路をオンに切り換える信号をマイクロ波発生器30に送信する。これにより、マイクロ波発生器30は作動し、マイクロ波はフューエルインジェクションレール14の内部にある混合燃料に照射される(ステップS15)。
ところで、混合燃料には、さまざまな濃度でアルコールが混合され得ることが想定される。混合燃料は、アルコール濃度が統一された燃料として消費者に提供されているわけではない。提供する精製元売り石油会社の製品によってさまざまなアルコール濃度の混合燃料がある。また、国によっては、たとえば、ブラジルのようにアルコール高濃度の混合燃料が普及しているところもある。
そこで、図4は、混合燃料において、アルコール濃度と、マイクロ波照射を開始してからの短期時間での温度変化との関係を示すグラフである。
この図4において、横軸は混合燃料のアルコール濃度を示し、縦軸に照射開始後3秒間での温度上昇量を示す。この図4からはっきりとわかるように、アルコール混合燃料にマイクロ波を照射すると、照射直後の短い間であってもアルコール濃度が高い燃料ほど温度上昇率が高いという相関関係がある。
そこで、本実施形態では、図4に示したようなアルコール濃度とマイクロ波照射による温度上昇率の相関関係データをあらかじめ実験的に取得しておき、エンジン制御装置20の記憶部にデータテーブルとして格納してある。そして、このデータを利用して、次のような制御ステップにより、無駄なマイクロ波の照射が行われないようにしている。
マイクロ波の照射を開始直後からの短い時間、例えば、3秒経過後に(ステップS16のyes)、エンジン制御装置20の演算部は、この時間区間内の初期温度上昇率を算出し(ステップS17)、この初期温度上昇率とあらかじめ設定してある基準値とを比較する(ステップS18)。図4との関係では、この基準値には、アルコール濃度が低い場合、例えば10%での温度上昇率(2℃/3sec)を用いたとする。
そこで、算出した初期温度上昇率がこの基準値よりも大きい場合は、現に使っている燃料がアルコール濃度が高い(10%以上)混合燃料であると判定され、そのままマイクロ波の照射が継続される(ステップS19)。そして、混合燃料の温度があらかじめ設定してある目標温度に到達したら(ステップS20のyes)、エンジン制御装置20は、マイクロ波発生器30の図示しない電源スイッチ回路をオフに切り換える信号をマイクロ波発生器30に送信し(ステップS21)、マイクロ波の照射は停止される。以後、セルモータが自動的に回り、エンジンを円滑に始動させることができる。
他方、ステップS18において、算出した初期温度上昇率がこの基準値よりも小さい場合は、ステップS19はスキップされ、直ちにステップS21でマイクロ波の照射は停止される。このようにして、現に使っている燃料にアルコールが混合されていなかった場合、あるいは、アルコールの添加量が少ない混合燃料の場合には、マイクロ波照射による加熱効果は少ないので、無駄なマイクロ波照射を行わずに済むようになっている。なお、この場合のように、燃料がガソリンあるいはアルコールの濃度が低い燃料の場合には、アルコールの影響で燃料の引火点が高くなるわけではないので、加熱をしなくてもエンジンの始動性に問題は生じない。
以上のようにして、本発明の第1実施形態によれば、アルコール濃度の高い混合燃料を使っている場合には、引火点の高いアルコールを確実に加熱して始動性を高められ、アルコール濃度の低い混合燃料あるいはガソリンを使っている場合には、自動的にマイクロ波による無駄な加熱は行われないので、バッテリーに無駄な負担がかからず、低温時のエンジンの始動性を改善すると同時にバッテリーのエネルギーを効率よく利用することができる。
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
上述した第1実施形態は、混合燃料をマイクロ波で加熱することで、専ら低温時のエンジンの始動性を高めることを目的としているが、この第2実施形態では、混合燃料を加熱することにとどまらず、アルコール濃度に応じて燃料の噴射量を調整し、燃焼効率を改善することを目的としている。
まず、運転席でイグニッションキーをキーシリンダに差し込んでキーを回すと、イグニッションキースイッチ40がオンして、そのオン信号はエンジン制御装置20に出力される。これ以後、次のようにして燃料の加熱制御が進行する。
最初のステップS22で、エンジン制御装置20はイグニッションキースイッチ40のオン信号を検知すると(ステップS22のyes)、続くステップS23では、マイクロ波発生器30の図示しない電源スイッチ回路をオンに切り換える信号をマイクロ波発生器30に送信する。これにより、マイクロ波発生器30は作動し、マイクロ波がフューエルインジェクションレール14の内部にある混合燃料に照射される(ステップS24)。
ここで、図6は、混合燃料において、アルコール濃度と、マイクロ波照射を開始してから10秒間の温度変化との関係を示すグラフである。
この図6において、横軸は混合燃料のアルコール濃度を示し、縦軸に照射後10秒間での温度上昇量を示す。この図6からはっきりとわかるように、アルコール混合燃料にマイクロ波の照射を続けると、照射時間を長くしても(なお、図6と対照に図4は照射直後の短い間の変化である)アルコール濃度が異なる燃料では、それぞれ温度上昇率が異なるという相関関係がある。逆にいえば、温度上昇率がわかると、その混合燃料のアルコール濃度を推定することができる。
そこで、本実施形態では、図6に示すような、アルコール濃度とマイクロ波照射による温度上昇率の相関関係データをあらかじめ実験的に取得しておき、エンジン制御装置20の記憶部にデータテーブルとして格納してある。そして、このデータを利用して、次のような制御ステップにより、混合燃料中のアルコール濃度を推定して、それに基づいて適正な燃料噴射量になるように制御する。
加熱を開始してから所定時間、例えば、10秒経過後に(ステップS25のyes)、エンジン制御装置20の演算部は、このときの温度上昇率を算出する(ステップS26)。次に、エンジン制御装置20の演算部は、アルコール濃度と温度上昇率の相関データを参照し、現在加熱中の混合燃料におけるアルコール濃度を推定する(ステップS27)。混合燃料が所定の目標温度に到達したら(ステップS28のyes)、エンジン制御装置20は、マイクロ波発生器30の図示しない電源スイッチ回路をオフに切り換える信号をマイクロ波発生器30に送信し、マイクロ波の照射は停止される(ステップS29)。続くステップS30では、エンジン制御装置20の演算部は、ステップS27で推定したアルコール濃度に相応した燃料噴射量を決定する。この場合、アルコール濃度と燃料噴射量は比例関係に設定され、アルコール濃度が高いほど燃料噴射量も多くなる。
以後、セルモータが自動的に回ってエンジンが始動し、ステップS30で決定された燃料噴射量で燃料が噴射される。
以上のような燃料噴射量の制御によれば、アルコール濃度の高い混合燃料を使っている場合には、燃料の噴射量が多くなり、アルコール濃度の低い混合燃料を使っている場合には、燃料の噴射量が少なくなるというように、アルコールとガソリンの燃料比率に応じた適切な噴射量に調整される。したがって、アルコールの混合された燃料をマイクロ波により効率よく加熱して、低温時にエンジンの始動性を高められる上に、エンジン始動時に前もってアルコールとガソリンの燃料比率に応じた適切な噴射量になるよう事前調整することが可能になる。エンジンの燃焼室に送られる吸気に対して、アルコール量とガソリン量のバランスが取れて燃焼効率が改善されるとともに、不完全燃焼などによる排ガス中の有害物質の生成を抑制し、排ガスのクリーン化に寄与する。しかも、従来のように、エンジンを始動させてから着火後に排ガス中のNOx濃度等をフィードバックして噴射量を制御するといった複雑な制御をすることなく、温度センサによる燃料温度に基づいた簡易な制御内容により実現することができる。
第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
この第3実施形態は、第1実施形態と同じような混合燃料の加熱制御と、第2実施形態による燃料噴射量の制御を組み合わせた実施形態である。すなわち、第1実施形態の図3のフローチャートにおけるステップS10、S14〜S19までの燃料加熱の制御、第2実施形態の図5のフローチャートにおけるステップS27〜S30までの燃料噴射量決定の制御を組み合わせたものである。図3と図5のフローチャートと同一の制御内容には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
この第3実施形態によれば、アルコール濃度の高い混合燃料を使っている場合には、引火点の高いアルコールを確実に加熱して始動性を高められ、アルコール濃度の低い混合燃料あるいはガソリンを使っている場合には、自動的にマイクロ波による無駄な加熱は行われないので、バッテリーに無駄な負担がかからず、低温時のエンジンの始動性を改善すると同時にバッテリーのエネルギーを効率よく利用することができる。
その上で、エンジン始動時に前もってアルコールとガソリンの燃料比率に応じた適切な噴射量に事前調整することが可能になる。エンジンの燃焼室に送られる吸気に対して、アルコール量とガソリン量のバランスが取れて燃焼効率が改善されるとともに、不完全燃焼などによる排ガス中の有害物質の生成を抑制し、排ガスのクリーン化に寄与する。
第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について、図8を参照しながら説明する。なお、第1実施形態の図2と同一の構成要素には同一の参照符合を付してその詳細な説明は省略する。
図8において、参照番号50は、燃料の一時貯蔵タンクを示す。この第4実施形態では、一時貯蔵タンク50は、燃料タンク16の下流に配置されており、アルコールの混合された混合燃料を加熱するために、一時的に混合燃料が貯蔵される。ここで混合燃料にマイクロ波を照射して加熱するために、マイクロ波発生器30は一時貯蔵タンク50に取り付けられている。なお、混合燃料の温度を検出する温度センサは、一時貯蔵タンク50以降の下流に設けられている。
以上のような第4実施形態の燃料供給系では、図3、図5、図7の各制御内容のいずれかを同じように実行することができる。とりわけ第2実施形態または第3実施形態と同じように、アルコール濃度に応じた燃料量噴射量の制御を行い、燃焼効率を改善することができる。
第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について、図9を参照しながら説明する。なお、第1実施形態の図2と同一の構成要素には、同一の参照符合を付してその詳細な説明は省略する。
この第5実施形態は、マイクロ波発生器30を、インジェクタ15から噴射された直後の燃料を加熱可能な位置、すなわちエンジン10のインテークマニホールド側に配置するようにした実施形態である。
このような位置にマイクロ波発生器30を配置し、図3のフローチャートで示した制御を実行することで、インジェクタ15から噴射された直後の燃料に直接マイクロ波を照射して燃料を加熱し、低温時のエンジン始動性を格段に改善することができる。
本発明による燃料加熱供給装置の一実施形態の構成説明図である。 同燃料加熱供給装置が適用されるエンジンの断面図である。 本発明の第1実施形態による燃料加熱供給制御の動作を示すフローチャートである。 マイクロ波による加熱直後のアルコール濃度と温度上昇の関係を示すグラフ。 本発明の第2実施形態による燃料加熱供給制御の動作を示すフローチャートである。 マイクロ波による加熱して所定時間経過後のアルコール濃度と温度上昇の関係を示すグラフ。 本発明の第3実施形態による燃料加熱供給制御の動作を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態による燃料加熱供給装置が適用されるエンジンの断面図。 本発明の第5実施形態による燃料加熱供給装置が適用されるエンジンの断面図。
10 エンジン
11 シリンダ
12 ピストン
13 燃焼室
14 フューエルインジェクションレール
15 インジェクタ
16 燃料タンク
20 エンジン制御装置
22 バッテリ
30 マイクロ波発生装置

Claims (9)

  1. エンジンに供給する燃料を加熱する燃料加熱供給方法において、
    前記燃料として、アルコールとガソリンとの混合燃料を用い、
    前記混合燃料にマイクロ波発生器で発生するマイクロ波を照射して、前記混合燃料を加熱し、
    前記エンジンの燃焼室にインジェクタから前記混合燃料を噴射する前の段階で、当該混合燃料の温度上昇の変化からアルコール濃度を推定し、アルコール濃度の推定値に基づいて、前記インジェクタからの噴射量を制御することを特徴とする燃料加熱供給方法。
  2. マイクロ波を一定時間照射する間、前記混合燃料の温度を検出し、所定の基準と比較して温度上昇率が低い場合には、マイクロ波の照射を停止することを特徴とする請求項1に記載の燃料加熱供給方法。
  3. エンジンに供給する燃料としてアルコールとガソリンとの混合燃料を用い、前記燃料を加熱しながら前記エンジンに供給する燃料加熱供給装置において、
    前記混合燃料を配管を通じてインジェクタに供給する燃料供給系と、
    前記燃料供給系に設けられ、前記混合燃料に照射するマイクロ波を発生するマイクロ波発生器と、
    前記マイクロ波を一定時間照射する間、前記マイクロ波が現に照射された前記混合燃料の温度を検出する温度検出器と、
    前記混合燃料の温度に応じて前記マイクロ波発生器の動作を制御する制御手段と、
    前記エンジンの燃焼室に前記インジェクタから前記混合燃料を噴射する前の段階で、当該混合燃料の温度上昇の変化からアルコール濃度を推定する手段と、
    前記アルコール濃度の推定値に基づいて、前記インジェクタからの噴射量を制御する手段と、
    を備えることを特徴とする燃料加熱供給装置。
  4. 前記アルコール濃度を推定する手段は、アルコール濃度と混合燃料の温度上昇の関係についてあらかじめ測定した相関データを記憶した記憶手段を有し、所定時間照射後に検出した混合燃料の温度と前記相関データとを参照して、前記混合燃料におけるアルコール濃度を推定することを特徴とする請求項に記載の燃料加熱供給装置。
  5. 前記温度検出器は、前記マイクロ波が照射される前の混合燃料の温度を検知し、前記制御手段は、混合燃料の温度が予め設定された温度よりも低い場合に、前記マイクロ波発生器を作動させマイクロ波の照射を開始することを特徴とする請求項3または4に記載の燃料加熱供給装置。
  6. 前記温度検出器は、前記マイクロ波を照射後所定時間経過後の前記混合燃料の温度を検出し、前記制御手段は、検出温度から初期温度上昇率を求め、予め設定した基準値と比較して前記混合燃料の初期温度上昇率が低い場合には、マイクロ波の照射を停止することを特徴とする請求項3または4に記載の燃料加熱供給装置。
  7. 前記燃料供給系は、前記混合燃料を貯える燃料タンクと、前記燃料タンクから燃料が燃料配管を通じて供給され複数の前記インジェクタが取り付けられるフューエルインジェクションレールと、を有し、前記温度検出器およびマイクロ波発生器は前記フューエルインジェクションレールに配置されたことを特徴とする請求項に記載の燃料加熱供給装置。
  8. 前記燃料供給系は、前記混合燃料を貯える燃料タンクと、前記燃料タンクの下流に配置され一時的に燃料を貯蔵する一時貯蔵タンクと、前記燃料タンクから燃料が燃料配管を通じて供給され複数の前記インジェクタが取り付けられるフューエルインジェクションレールと、を有し、前記マイクロ波発生器は前記一時貯蔵タンクに配置され、前記温度検出器は前記一時貯蔵タンク以降の下流に配置されたことを特徴とする請求項に記載の燃料加熱供給装置。
  9. 前記マイクロ波発生器は、前記インジェクタから噴射された燃料を加熱可能な、前記エンジンのインテークマニホールド側に配置されたことを特徴とする請求項に記載の燃料加熱供給装置。
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