JP5409109B2 - エレベータ用非常停止装置 - Google Patents

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Description

本発明はエレベータ用非常停止装置に関するものである。
従来のエレベータの非常停止装置においては、かごに対して水平方向に変位可能なハウジングに、受けレール当たりおよび回動レール当たりが設けられており、かごを案内するガイドレールが、受けレール当たりと回動レール当たりとの間に配置されている。受けレール当たりと回動レール当たりとの間の間隔は、回動レール当たりの上下方向(垂直面内)の回動により小さくなるように構成されている。ハウジングは、非常停止信号に応じて変位駆動機構により回動レール当たりがガイドレールに接する方向に移動させられる。回動レール当たりは、ガイドレールに接触するとかごの移動方向に応じた方向に回動させられ、回動レール当たりと受けレール当たりとの間の間隔が狭くなり、ガイドレールを把持して制動する(例えば特許文献1参照)。
国際公開WO2008/099487号パンフレット
このようなエレベータ用非常停止装置において、回動レール当たりの回動軸の中心を通るガイドレールに対する押圧力の方向と回動レール当たりの回動軸の中心と回動レール当たりのガイドレール進入側エッジ部とを結ぶ直線との間の角度をθとすると、回動レール当たりがガイドレールに面接触した状態を維持するためには、回動レール当たりのガイドレールとの摩擦係数μAがμA≦tanθを満足する必要がある。
しかしながら、制動している間は、ガイドレールと回動レール当たりの制動面との間に発生した磨耗粉が食い込むことなどが原因で、減速中に摩擦係数が上昇していく傾向にある。μAが上述の式を満足しなくなるまで大きくなった場合、回動レール当たりはガイドレールと面接触した状態となる位置を超えて更に回転する。これは、回動レール当たりが確実にガイドレールに面接触するようにするために、回動レール当たりとそのストッパーとの間に機械加工の公差を考慮した分の若干の隙間Δdが設けられており、この隙間に相当する角度だけ過剰に回転するからである。
このような状態になると、回動レール当たりは、ガイドレールに対してレール進入側エッジ部でエッジ当りになって面接触が維持できなくなり、エッジ部がガイドレールに食い込んでガイドレールを掘り起こしてしまう。このような状態になると摩擦係数が急激に増大し、停止間際に過大な減速度となるため、かごが急停止することになり、乗客は衝撃により不安感や不快感を覚え、またガイドレールが損傷する。
このような現象を防ぐため、回動レール当たりのストッパーを位置調整可能として、回動レール当たりとストッパーとの間の当接と、回動レール当たりとガイドレールとの間の接触とが同時に起こるように微調整をすることもできる。しかしながら、この調整作業は時間の掛かる作業であり、またブレーキパッドの摩耗に応じて比較的頻繁に行うことが必要となって据付および保守点検の作業性が悪化する。また、回動レール当たりをガイドレール延伸方向に長くして、上述の回動レール当たりの押圧力の方向と回動レール当たりの回動軸から見たガイドレール進入側エッジ部の方向との間の角度θを大きくすれば摩擦係数μAが大きくなってもエッジ当りしにくくなるが、ガイドレール延伸方向に大きな回動レール当たりを取付けるには回転体を大きくして取付部を増やす必要があるため、非常停止装置が大型化してしまう。
従ってこの発明の目的は、大型化することなく減速停止時の過大な減速度が発生しないエレベータ用非常停止装置を得ることである。
この発明によれば、エレベータ用非常停止装置は、ガイドレールに案内される昇降体に装着され、弾性要素による押圧力により一対の制動子の制動面によって上記ガイドレールを挟圧して上記昇降体を制動するエレベータ用非常停止装置において、上記一対の制動子のうちの第1制動子が、その制動面が上記ガイドレールから離間した開放位置と、上記制動面が上記ガイドレールに押圧されて制動する制動位置との間で回動可能であって、第1制動面と上記第1制動面よりも摩擦係数が小さい第2制動面とを有し、上記第1制動子は、上記制動位置において、制動力が所定の閾値以下のときには主として上記第1制動面による制動が行われる第1制動位置になり、制動力が上記所定の閾値を超えたときには、上記第1制動位置からさらに回動して、主として上記第2制動面による制動が行われる第2制動位置になることを特徴とするものである。
この発明の装置によれば、小型で減速停止時にも過大な減速度が発生しないエレベータ用非常停止装置を得ることができる。
この発明のエレベータ用非常停止装置を備えたエレベータを示す概略側面図である。 図1に示すエレベータ用非常停止装置の一実施の形態が開放位置にある状態を示す概略平面図である。 図2の第1制動子の第1制動面と第2制動面とを示す部分拡大図である。 図2の第2制動子の第1制動面と第2制動面とを示す部分拡大図である。 図2に示すエレベータ用非常停止装置が制動位置のうち第1の制動面による第1制動位置にある状態を示す概略平面図である。 図2に示すエレベータ用非常停止装置が制動位置のうち第2の制動面による第2制動位置にある状態を示す概略平面図である。 この発明のエレベータ用非常停止装置の第2の実施の形態を示す概略図である。 この発明のエレベータ用非常停止装置の第3の実施の形態を示す概略図である。 この発明のエレベータ用非常停止装置の第4の実施の形態を示す概略図である。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1にエレベータの構成図を示す。昇降路1内には巻上機2の綱車2aに巻き掛けられた主策3の両端に昇降体であるかご4と釣り合いオモリ5が取付けられており、巻上機2を駆動し綱車2aを回転させることによりかご4はガイドレール6に沿って上下に昇降する。かご4の下部には非常時にガイドレール6を掴んで制動するこの発明のエレベータ用非常停止装置7が設けられている。また、昇降路1の上部にはガイドレール6に組み付けた取付台8の上に調速機9が取付けられており、昇降路1の下部には張り車10が取付けられ、調速機9と張り車10との間には調速機ロープ11が巻きかけられている。調速機ロープはリンク機構12を介して非常停止装置7に連結されている。調速機9にはかごの速度が異常に増速した場合に調速機ロープ11の循環を停止するため、ロープ掴み装置13が組み付いている。
ここで、かご4の速度がなんらかの異常で増速して巻上機2のブレーキではかご4が停止しない場合(特に主策3が切断した場合)、かご4の速度異常を検出した調速機9のロープ掴み装置13によって調速機ロープ11を停止させることにより、かご4と調速機ロープ11との相対的な動きの差によってリンク機構12を動作させ非常止め装置7を動作させる。
図2には、図1に示すエレベータ用非常停止装置7が開放位置にある状態を概略平面図で示してあり、図3および4には制動面の詳細を示し、図5および6にはエレベータ用非常停止装置7を制動位置で示してある。
エレベータ用非常停止装置7は、ガイドレール6に案内される昇降体であるかご4(昇降体である釣合おもり5でも良い)にベース14が装着され、ベース14内でガイドレール6に対して直角方向に移動できるように2本のガイド15によって案内支持されたフレーム16が設けられている。フレーム16上には、ガイドレール6を挟んで両側に配置されて一対となった第1制動子17および第2制動子18が設けられている。ベース14とフレーム16との間には圧縮バネ等の弾性装置19が設けられている。ベース14とフレーム16との間にはまたストッパ20が設けられていて、フレーム16の位置すなわち第1制動子17および第2制動子18の位置をガイドレール6に対して調整できるようにしてある。弾性装置19は、フレーム16をストッパ20に当てるためのものであり、後に詳しく説明する第2制動子18側の弾性要素37が、一対の制動子(第1制動子17および第2制動子18)の間にガイドレール6を挟圧してかご4を制動するのである。
第1制動子17は、平面形が全体として五角形あるいは扇形の板部材であって、扇の開き角度は90°よりも僅かに小さく、要の部分で第1の回転軸21によってフレーム16上で回動できるように支持されていて、ガイドレール6に対向配置されて3本の直線で構成された扇の天(扇の円弧状部分)に相当する部分が第1制動子17の制動面22となっている。図示の例では、制動面22は、第1制動子17が図2の開放位置にある状態でガイドレール6から僅かに離間して平行に延びた対向面23と、対向面23の両端部に設けられ、図5に示す制動位置にあるときにガイドレール6に押圧される第1制動面24と、図6に示す制動位置にあるときに第1制動面24に代わってガイドレール6に押圧される第2制動面25とを備えている。
第1制動面24は、対向面23の両端部に固着され、ガイドレール6よりも硬度が高く耐熱性に優れた表面を持つ耐熱鋼あるいは工具鋼のブレーキパッド26の表面であり、対向面23に対して傾斜している。第2制動面25は、ブレーキパッド26の外端部に固着され、ガイドレール6よりも硬度が低く摩擦特性が安定している表面を持つ銅系合金のブレーキパッド27の表面であり、第1制動面24に対してさらに微少角度α傾斜している。
このような構成のため、制動時には、図5の制動位置にあってガイドレール6に面当たりしている第1制動面24とガイドレール6との間に摩擦による制動力が作用し、この制動力は次第に大きくなり、制動力が一定のしきい値に達すると第1制動子17が第1の回転軸21を中心に時計方向に回動させられて図6の第2制動位置になり、第2制動面25がガイドレール6に面当たりすることになる。また、上述の微少角度αのため、図5に示すように第1制動面24がガイドレール6に面当りしている状態では、第2制動面25はガイドレール6に接触しておらず、図6に示すように第1制動子17がさらに回動して、第2制動面25がガイドレール6に面当たりしている状態では、第1制動面24はガイドレール6に接触していない。
エレベータ用非常停止装置7は、第1制動子17を図2に示す開放位置と図5に示す制動位置との間で駆動する駆動装置28を備えている。駆動装置28は、例えば制動信号を受けて作動する電磁ソレノイドであって、第1制動子17のピン29に嵌合する長穴30を持つロッド31によって第1制動子17に連結されている。第1制動子17は、ガイドレール6の延長方向(図2で上下方向)およびフレーム16の移動方向(図2で左右の方向)に直角な第1の回転軸21回りに回動可能に支持されているので、駆動装置28によってピン29がガイドレール6の延長方向に動かされると、第1制動子17は回動されて開放位置あるいは制動位置に駆動される。第1制動子17の回動範囲を制限するために、フレーム16にストッパ32が設けられている。
フレーム16のガイドレール6の図2の左側に設けられた第2制動子18は、第1制動子17の作動に応じて、その制動面33がガイドレール6から離間した開放位置(図2)と、制動面がガイドレール6に押圧されて制動する制動位置(図5および図6)との間で移動可能であって、第1制動子17のものと同様の第1制動面34と第1制動面34よりも摩擦係数が小さい第2制動面35とを有している。
図示の例では、第2制動子18はガイドレール6よりも硬度が高く耐熱性に優れた表面を持つ耐熱鋼あるいは工具鋼等で作られていて、第1制動面34は第2制動子18自体の表面であり、第2制動面35はガイドレール6よりも硬度が低く摩擦特性が安定している表面を持つ銅系合金のブレーキパッド36の表面である。第1制動面34はガイドレール6に対して平行であり、第2制動面35は第1制動面34の両端部に設けられていて、第1制動面34に対して角度αと同程度の微少角度傾斜している。
第2制動子18は、このように回動可能にするために、フレーム16の壁状の立ち上がり部16aに皿ばねである弾性要素37を介して弾性支持された支持ブロック38に第2の回転軸39によって支持されている。図5に示すように第2制動子18が第1制動位置にあるときには、第1制動面34がガイドレール6に面当たりして主として第1制動面による制動が行われ、ガイドレール6との間の制動力が後に説明する所定の閾値を超えたときには、第1制動位置からさらに回転軸39を中心として回動して、図6に示すような第2制動位置になり、第1制動面34がガイドレール6に対して傾斜し、第2制動面35がガイドレールに面当たりして主として第2制動面による制動が行われることになる。支持ブロック38の移動方向を規制するために、フレーム16にガイド40が設けられている。
このような構成のため、制動時には、図5の制動位置にあってガイドレール6に面当たりしている第1制動面34とガイドレール6との間の制動力が次第に大きくなって一定のしきい値に達すると第2制動子18が第2の回転軸39を中心に反時計方向に回動させられて図6の第2制動位置になり、第2制動面35がガイドレール6に面当たりすることになる。また、第1制動面34と第2制動面35との間の上述の微少角度のため、図5に示すように第1制動面34がガイドレール6に面当りしている状態では、第2制動面35はガイドレール6に接触しておらず、図6に示すように第2制動子18が回動して、第2制動面35がガイドレール6に面当たりしている状態では、第1制動面34はガイドレール6に接触していない。
図2に示す開放位置にあるエレベータ用非常停止装置7において、制動信号によって駆動装置28が作動してロッド31が引き上げられて第1制動子17を第1の回転軸21を中心に時計方向に回動させると、先ず第1制動子17がブレーキパッド26のエッジ部A(図3、5)でガイドレール6に点接触し、更に回転してフレーム16を弾性装置19の作用力に抗して第2制動子18と共に図で右に移動させ、第1制動子17の第1制動面24と第2制動子18の第1制動面34とをガイドレール6に面接触させる。この状態では、第1制動面24は、エッジ部Aから第2制動面25との境界のエッジ部Bまでの範囲で面接触していて、第2制動面25がちょうどエッジ部Bだけでガイドレール6に接触している。弾性要素37による押圧力Fの大部分は回転軸21の中心側に位置している第1制動面24で作用しているため、制動初期段階での第1制動子17による制動力はこの第1制動面24で発生している。また、第2制動子18による制動力は第1制動面34で発生している。押圧力Fは、第1制動子17が回転して第1制動面24のエッジ部Aがガイドレール6に当たり、さらに回転して第1制動面24が面当たりになると共に第2制動子18がフレーム16に対して図で左側に押し込まれ、弾性要素37が圧縮されて得られるのである。
ここで、図5の制動位置において、第1制動子17の第1制動面24のガイドレール6の進入側の端部、すなわち第1制動面24と第2制動面25との間の境界部の点をBとし、第2制動面25のガイドレール6侵入側の端部をCとし、回転軸21を中心として弾性装置19の押圧力Fの押圧方向と端部であるエッジ部Bのなす角度をβとする。さらに、第1制動子17の第1制動面24の摩擦係数をμ24とすると、制動期間中に、角度βは一定であるが、磨耗粉などの噛み込みにより摩擦係数μ24が上昇し、μ24≦tan (β)の式を満足しなくなり、第1制動子17はさらに時計回りに回転しようとして第2制動子18に押圧力Fの大半が作用し始める。すなわちμ24≦tan (β)の式を満足しなくなる摩擦係数μ24により生ずる制動力の値を閾値として(この例では角度βは一定である)、第1制動面24による制動から第2制動面25による制動に移行する。このとき第1制動子17は、扇の親骨に相当する部分とストッパ32との間に設けられている微少間隙Gの大きさに相当する角度だけさらに回転し、ストッパ32に当接してそこで停止する。この微少間隙は、エレベータ用非常停止装置の制作上あるいは組立調整上の理由から設けられているものである。
このような状態を図6に示す。図6では第2制動面25のガイドレール進入側のエッジ部Cがガイドレール6に接触し始めている。しかしながら、第2制動面25の摩擦係数μ25は第1制動面24の摩擦係数μ24よりも低いため、第2制動面25による摩擦力で第1制動子17を時計方向に回転する力に対して押圧力Fがエッジ部Cを押した際に発生する反時計方向の回転力の方が大きくなり、時計方向に更に回転してエッジ部Cが点接触してガイドレールに食い込むことは無い。また、点接触になったとしても、エッジ部Cはガイドレール6よりも硬度が低いためエッジ部Cの方が変形して、エッジ部Cがガイドレール6に食い込むことは無い。したがって、過度の制動力の上昇を防ぐことができ、制動停止時のショックを和らげて乗客の乗り心地を確保することが出来る。
また、第2制動子18の側についても、第2制動子18の第1制動面34のガイドレール6の進入側のエッジ部、すなわち第1制動面34と第2制動面35との間の境界部の点をDとし、第2制動面35のエッジ部をEとし、第2の軸39を中心として弾性装置19の押圧力Fの押付方向とエッジ部Dのなす角度をγとし、さらに、第1制動面34の摩擦係数をμ34とした場合、摩擦係数μ34が上昇してμ34≦tan (γ)を満たさなくなった場合には第2の軸39を中心に第2制動子18が反時計方向に回転しようとする。すなわちμ34≦tan (γ)の式を満足しなくなる摩擦係数μ34により生ずる制動力の値を閾値として(この例では角度γは一定である)、第1制動面34による制動から第2制動面35による制動に移行する。
このため図6に示すように、第2制動子18の第1制動面34が一旦ガイドレール6から離れ、第2制動面35がガイドレール6に接触して制動し始める。しかしながら、第2制動面35の摩擦係数μ35は第1制動面34の摩擦係数μ34よりも小さいため、第2制動面35の摩擦力により第2制動子18が軸39を反時計方向に回転させる力よりもエッジ部Dで押圧力Fが作用して時計方向に回転させようとする力の方が大きく、またエッジ部Eは硬度がガイドレール6よりも小さく食い込みが起こらない。このため、再び第2制動子18の第1制動面34がガイドレール6に接触するようになる。この時、第1制動面34は一度ガイドレール6から離れて、食い込んだ磨耗粉などが排出されているので、摩擦係数μ34は過度に上昇した分が除かれて元の大きさ近くに復帰し、再び第1制動面34で制動し始める。
第1制動子17の第1制動面24による制動から第2制動面25による制動に移行する際の角度βは、第2制動子18の第2制動面35による制動に移行する際の角度γよりも小さくされており、また、第1制動子17の第2制動面25の材質と第2制動子18の第2制動面35の材質が同じで摩擦係数が等しくされている。このため、第1制動子17の第1制動面24とガイドレール6との間に作用する制動力に対する所定の閾値と、第2制動子18の第1制動面34とガイドレール6との間に作用する制動力に対する所定の閾値との間に大きさの差があり、制動力の過度の上昇を制限するタイミングがずらされていて、非常制動停止時に過度に制動力が上昇するのを段階的に和らげることができる。このような制動力の閾値の関係は、第1制動子17の第1制動面24と第2制動子18の第1制動面34とで材質あるいは表面状態を変えるなどにより摩擦係数を異ならしめて実現することもできる。
なお、図において様々な角度および寸法は説明のために誇張して示されているが、例えば第2制動子18の第1制動面34と第2制動面35との間の角度は実際には微小である。このため第1制動面34のエッジ部Dでのガイドレール6への食い込みを抑えることができる。したがって、減速中のエッジ部Dの食い込みによる過度の制動力の上昇を防ぐことが出来、非常制動停止時の衝撃を緩和することができる。
実施の形態2.
図7に示すエレベータ用非常停止装置7においては、第1制動子17も第2制動子18も共に駆動装置28に連結されていて、制動信号に応じて同様に回転駆動されるように構成されている。すなわち、第1制動子17は、ガイド15上を案内されて弾性要素37によってガイドレール6に向かって偏倚された専用のフレーム16上に回転軸21によって枢支されており、第2制動子18は第1制動子17と同じ構成でガイドレール6を挟んで対象配置されている。第1制動子17も第2制動子18も共にそれぞれ専用のフレーム16上に支持されている。
このエレベータ用非常停止装置7においても、第1制動子17も第2制動子18も、開放位置と制動位置との間で回転可能であって、制動位置において、制動力が所定の閾値を超えたときには、第1制動位置からさらに回動して、第2制動位置になることができ、非常停止時の衝撃を緩和することができる。
実施の形態3.
図8に示すエレベータ用非常停止装置7においては、対をなす第1制動子17および第2制動子18のうちの第2制動子18が、均質の制動面33を持つものである。すなわち、第2制動子18は、フレーム16上で弾性要素37によってガイドレール6に離接する方向に弾性的に移動できるように支持されているが、単一のブロック状の部材で、制動面33は平坦で摩擦係数も一様であり、ガイドレール6の延長方向に回動できるように支持されてはいない。その他の構成は図1〜4に示すものと同様である。
このように、駆動側の第1制動子17にのみこの発明を適用した構成として、第2制動子18を駆動側に比較して外形を大きくすることなくガイドレール6の延伸方向に伸ばすことができるため、コンパクトで簡単な構造によりガイドレール6にエッジ部が食い込むことを防ぐことができる。
実施の形態4.
図9に示すエレベータ用非常停止装置7においては、第1制動子17が、駆動要素41によって駆動されるフレーム16を介してガイドレール6に近づけられて接触させられ、ガイドレール6と非常停止装置7との相対移動によって開放位置から制動位置に回転駆動されるように構成されている。第2制動子18は図2に示すものと同じでよい。
すなわち、ガイド15上をスライドするフレーム16は、その上の第1制動子17がガイドレール6に接触する方向に駆動要素41によって偏倚されている。通常運転時には、フレーム16がガイドレール6から第1制動子17を離間させた開放位置に電磁ソレノイド42によって保持されていて、制動信号によって電磁ソレノイド42が消勢されるとフレーム16は弾性要素37の作用力によって図で左方向に駆動されて第1制動子17がガイドレール6に接触して、非常停止装置7との相対移動によって回動させられて、第1制動子17の第1制動面24がガイドレール6を第2制動子18の第1制動面34との間に挟んで制動する。
その他の構成、例えば第1制動面24と第2制動面25との関係、制動力の閾値により制動作用をする制動面が代わることなどは、図1〜6に示すものと同様である。
以上に図示して説明したエレベータ用非常停止装置は単なる例であって様々な変形が可能であり、またそれぞれの具体例の特徴を全てあるいは選択的に組み合わせて用いることもできる。例えば、第1制動子17の第1制動面24および第2制動面25の材質と、第2制動子18の第1制動面34および第2制動面35の材質については、第2制動面25および35の摩擦係数が第1制動面24および34の摩擦係数よりも小さく、ガイドレール6の硬度が、第1制動面24および34の硬度よりも小さく、第2制動面25および35の硬度よりも大きく構成してあれば、材質はそれぞれ異なるものであっても構わない。
この発明はエレベータ用非常停止装置に利用できるものである。
4、5 昇降体、6 ガイドレール、16 フレーム、17、18 制動子(17 第1制動子、18 第2制動子)、19 弾性装置、22、33 制動面、24 第1制動子の第1制動面、25 第1制動子の第2制動面、28 駆動装置、34 第2制動子の第1制動面、35 第2制動子の第2制動面、37 弾性要素、41 駆動要素。

Claims (11)

  1. ガイドレールに案内される昇降体に装着され、弾性要素による押圧力により一対の制動子の制動面によって上記ガイドレールを挟圧して上記昇降体を制動するエレベータ用非常停止装置において、
    上記一対の制動子のうちの第1制動子が、その制動面が上記ガイドレールから離間した開放位置と、上記制動面が上記ガイドレールに押圧されて制動する制動位置との間で回動可能であって、第1制動面と上記第1制動面よりも摩擦係数が小さい第2制動面とを有し、
    上記第1制動子は、上記制動位置において、制動力が所定の閾値以下のときには主として上記第1制動面による制動が行われる第1制動位置になり、制動力が所定の閾値を超えたときには、上記第1制動位置からさらに回動して、主として上記第2制動面による制動が行われる第2制動位置になることを特徴とするエレベータ用非常停止装置。
  2. 上記一対の制動子のうちの第2制動子が、上記第1制動子の作動に応じて、その制動面が上記ガイドレールから離間した開放位置と、上記第2制動子の上記制動面が上記ガイドレールに押圧されて制動する制動位置との間で移動可能であって、第1制動面と上記第1制動面よりも摩擦係数が小さい第2制動面とを有し、
    上記第2制動子は、上記制動位置において、制動力が所定の閾値以下のときには主として上記第1制動面による制動が行われる第1制動位置になり、制動力が所定の閾値を超えたときには、上記第1制動位置から回動して、主として上記第2制動面による制動が行われる第2制動位置になることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用非常停止装置。
  3. 上記第2制動子が、上記開放位置と上記制動位置との間で回転可能であって、上記制動位置において、制動力が所定の閾値を超えたときには、上記第1制動位置からさらに回動して、上記第2制動位置になることを特徴とする請求項2に記載のエレベータ用非常停止装置。
  4. 上記一対の制動子のうちの第2制動子が、均質の制動面を持つものであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ用非常停止装置。
  5. 上記第2制動面は、上記第1制動面が上記ガイドレールに面当りしている状態では、上記ガイドレールに接触しないように、上記第1制動面に対して所定の角度、上記ガイドレールから離れる向きに傾いて配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエレベータ用非常停止装置。
  6. 上記第1制動面は上記ガイドレールよりも硬度が高く耐熱性に優れた表面であり、上記第2制動面は上記ガイドレールよりも硬度が低く摩擦特性が安定している表面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエレベータ用非常停止装置。
  7. 上記第1制動面は耐熱鋼あるいは工具鋼の表面であり、上記第2制動面は銅系合金の表面であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエレベータ用非常停止装置。
  8. 上記一対の制動子は、上記ガイドレールを挟んで両側に対向配置され、上記第1制動子の上記第1制動面と上記ガイドレールとの間に作用する制動力に対する上記所定の閾値と、上記第2制動子の上記第1制動面と上記ガイドレールとの間に作用する制動力に対する上記所定の閾値との間に大きさの差を設けたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のエレベータ用非常停止装置。
  9. 上記ガイドレールの延長方向に対して直角な方向に移動可能で上記一対の制動子を支持するフレームと、上記第1制動子が上記ガイドレールに接触する方向に、上記フレームを偏倚する弾性要素と、上記第1制動子を上記開放位置と上記制動位置との間で駆動する駆動装置とを備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のエレベータ用非常停止装置。
  10. 上記第1制動子は、上記ガイドレールの延長方向および上記フレームの移動方向に直角な第1の軸回りに回動可能に支持されており、上記駆動装置によって回動されて上記開放位置から上記制動位置に駆動されることを特徴とする請求項9に記載のエレベータ用非常停止装置。
  11. 上記第1制動子は、駆動要素によって駆動される上記フレームを介して上記ガイドレールに接触させられ、上記ガイドレールと上記エレベータ用非常停止装置との相互移動によって上記開放位置から上記制動位置に回転駆動されることを特徴とする請求項9に記載のエレベータ用非常停止装置。
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