JP5408447B2 - 電子装置 - Google Patents

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本発明はMEMS(微小電気機械システム)等の機能構造体を基板上に構成された空洞部内に配置してなる電子装置、共振子、発振器の構造及び電子装置の製造方法に関する。
一般に、MEMS等の機能構造体を基板上に構成された空洞部に配置してなる電子装置が知られている。例えば、マイクロ振動子、マイクロセンサ、マイクロアクチュエータ等のMEMSは、微小な構造体が振動、変形、その他の動作が可能となる状態で配置される必要があるため、空洞内に動作可能な状態で収容される(例えば、以下の特許文献1及び2参照)。
ところで、上記の空洞を形成する方法として、特許文献1に開示されているように、一方の基板の表面上に微小機能構造体を形成した後に、真空チャンバ内でOリングを介して一方の基板と他方の基板を接合し、その後、Oリングの外側に密封剤を充填する方法が知られている。
また、他の方法として、特許文献2に開示されているように、基板上にMEMS構造体を形成し、その上に犠牲層を形成した後に貫通孔を有する第1封止部材を形成し、この第1封止部材の貫通孔を通して犠牲層を除去してMEMS構造体の可動部をリリースさせ、最後に第1封止部材の貫通孔をCVD膜等の第2封止部材で覆うことで閉鎖するといった方法も知られている。
また、半導体集積回路装置(CMOS)とMEMS構造体とをモノリシックに構成した構造において、空洞部をMOSFETの配線形成技術を用いて同時に形成する上述した特許文献1,2と類似な方法が記載されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−297180号公報 特開2005−123561号公報 特開2006−263902号公報
しかしながら、前述の特許文献1のように2枚の基板を貼り合わせる方法では、封止用の専用基板が必要になるために資材コストが増加し、また、一般の半導体製造技術を用いて微小機械素子を形成しようとしても、基板同士を貼り合わせるといった特殊なプロセスが必要となることから、半導体製造技術を用いる利点が減殺され、製造コストが増大するという問題点がある。
また、前述の特許文献2において開示された、貫通孔を有する第1封止部材と貫通孔を閉鎖する第2封鎖部材とを用いる方法では、MEMS構造体のリリース工程が第1封止部材の貫通孔を通して行われることからエッチング時間が長時間となるため、第1封止部材をリリース工程のエッチングに充分に耐えうる素材で形成する必要があり、その結果、半導体製造工程と共通の工程で第1封止部材を形成することができず、製造コストが増大するといった課題がある。
また、半導体集積回路装置(CMOS)とMEMS構造体とをモノリシックに構成した構造においても、上述と同様な課題を有している。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的は、基板上の空洞内に配置される機能構造体と電子回路からなる電子装置の製造工程を効率的に実施し、製造歩留まりを確保するとともに製造コストを低減することが可能な電子装置と共振子と発振器の構造及び電子装置の製造方法を実現することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明の電子装置は、基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆構造とが備えられる電子装置であって、前記被覆構造が、前記基板上に設けられ、且つ前記空洞部を囲む層間絶縁層と配線層とからなる側壁と、前記空洞部の上方を覆うと共に、前記空洞部に貫通する開口を有し耐食性層を含む積層構造からなる第1被覆層と、前記開口を閉鎖する第2被覆層と、を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば、機能構造体を収容する空洞部を画成する被覆構造に、層間絶縁層と配線層の積層構造が含まれることで半導体製造プロセスを適用してMEMS構造体を容易に構成できる。また、第1被覆層の開口を通して機能構造体の周囲を除去して可動部をリリースさせることができるとともに、その後、外側から開口を閉鎖する第2被覆層を形成することで、空洞部を密閉することが可能になる。さらに、このとき、空洞部を上方から被覆する第1被覆層が耐食性層を含むことで、長時間にわたるリリース工程を実施しても耐食性層が高いエッチング耐性を有することにより支障なく残存するので、第2被覆層による閉鎖処理を確実に実施できる。
また、前記耐食性層は、前記第1被覆層の厚み方向の一部で構成されていることが好ましい。
耐食性層が第1被覆層の一部で構成されていることにより、機能構造体を収容する空洞部を画成する被覆構造と電子回路とを構造的に高度に一体化できるとともに、機能構造体の製造プロセスと電子回路の製造プロセスとを容易に共通化することができるため、電子装置の小型化を図ることができるとともに製造コストを低減できる。
また、前記耐食性層が、TiN、Ti、W、Au、Ptまたはそれぞれの合金よりなることが好ましい。
このような構成によれば、耐食性層が上記の導電性材料で構成されることで、機能構造体と外部との間の電磁的相互作用を低減できるとともに、配線層の一部で耐食性層を形成することも可能になる。また、上記の耐食性層は配線層の表面層やバリア層としても用いられる素材で構成されるので、配線層の機能向上とリリース工程時の問題解消とを同時に実現できる。
また、前記耐食性層が、前記第1被覆層の最上層に設けられた層で構成されることが好ましい。
耐食性層が第1被覆層の最上層に設けられることで、第1被覆層の下層がさらにエッチングされにくくなるため、第1被覆層の剛性も確保しやすくなることから、開口を第2被覆層で閉鎖する工程も支障なく行うことが可能になる。
また、前記耐食性層が、前記第1被覆層の最下層に設けられた層で構成されることが好ましい。
このようにすれば、耐食性層が第1被覆層の最下層に設けられることでリリース工程においてエッチングが進むことで生ずる下方の空間内にエッチング液が溜まっても、当該エッチング液で第1被覆層のその他の部分がエッチングされにくくなるため、第1被覆層の剛性も確保しやすくなることから、開口を第2被覆層で閉鎖する工程も支障なく行うことが可能になる。
また、前記耐食性層が、前記第1被覆層の最上層と最下層とに設けられた層で構成されることがより好ましい。
このような構成によれば、特に、第1被覆層の最上層と最下層の双方に耐食性層が形成されることで、第1被覆層の消失や剛性の低下をさらに防止しやすくなる。
また、前記第1被覆層が、前記空洞部を臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層された積層構造であることが望ましい。
また、前記第1被覆層が、前記空洞部を臨む面からTiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層された積層構造であることが望ましい。
さらに、前記第1被覆層が、前記空洞部を臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層された積層構造であることが望ましい。
また、前記第1被覆層が、前記空洞部を臨む面からTi層、Al−Cu層、TiN層の順に積層された積層構造であることが望ましい。
また、前記第1被覆層が、前記空洞部を臨む面からTiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層された積層構造であることが望ましい。
犠牲層及び層間絶縁層をリリース除去するためにフッ化水素酸系の溶液を用いる場合、特にTi、TiNは溶けにくい材料である。従って、第1被覆層の最上層及び最下層に、Ti層、TiN層を単独で、あるいは複層とすることで第1被覆層の消失や剛性の低下を防止することができる。
なお、耐食性層としては他に、W、Au、Ptまたはそれぞれの合金を採用することができる。
また、本発明の電子装置は、基板と、空洞部の内部に配設され機能構造体とCMOS回路部とが前記基板上に併設されてなる電子装置であって、前記空洞部を画成する被覆構造が、前記空洞部を囲む層間絶縁層と配線層とからなる側壁と、前記空洞部の上方を覆うと共に、前記空洞部に貫通する開口を有し耐食性層を含む積層構造からなる第1被覆層と、を備え、前記層間絶縁層と前記配線層それぞれの少なくとも一つが、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であることを特徴とする。
このような構成によれば、機能構造体及びCMOS回路部それぞれの層間絶縁層及び配線層の一部と共通とすることができることから、薄型化や小型化が可能で、また半導体製造プロセスを用いて効率的に製造することができ、製造コストの低減が図れる。
また、本発明の共振子は、基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆構造とが備えられ、前記被覆構造が、前記基板上に設けられ、且つ前記空洞部を囲む層間絶縁層と配線層とからなる側壁と、前記空洞部の上方を覆うと共に、前記空洞部に貫通する開口を有し耐食性層を含む積層構造からなる第1被覆層と、前記開口を閉鎖する第2被覆層と、を備えていることを特徴とする。
ここで、機能構造体としては、例えば特定の周波数帯で共振するMEMS構造体である。
このような構成によれば、空洞部を上方から被覆する第1被覆層が耐食性層を含むことで、長時間にわたるリリース工程を実施しても耐食性層が高いエッチング耐性を有することにより支障なく残存するので、第2被覆層による閉鎖処理を確実に実施でき、信頼性の高い共振子を実現することができる。
また、本発明の発振器は、基板と、空洞部の内部に配設される機能構造体と、発振回路を含むCMOS回路部と、が前記基板上に併設されてなり、前記空洞部を画成する被覆構造が、前記空洞部を囲む層間絶縁層と配線層とからなる側壁と、前記空洞部の上方を覆うと共に、前記空洞部に貫通する開口を有し耐食性層を含む積層構造からなる第1被覆層と、を備え、前記層間絶縁層と前記配線層それぞれの少なくとも一つが、前記CMOS回路部の層間絶縁層と配線層の一部であることを特徴とする。
ここで、機能構造体としては、例えば特定の周波数帯で共振するMEMS構造体である。
このような構成によれば、基板上に、機能構造体領域とCMOS回路部領域とが併設されることから発振器の小型化を実現できる。また、空洞部を上方から被覆する第1被覆層が耐食性層を含むことで、長時間にわたるリリース工程を実施しても耐食性層が高いエッチング耐性を有することにより支障なく残存するので、第2被覆層による閉鎖処理を確実に実施でき、信頼性の高い発振器を提供することができる。
また、本発明の電子装置の製造方法は、基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆構造とが備えられる電子装置の製造方法であって、前記基板上に前記機能構造体を犠牲層とともに形成する機能構造体形成工程と、前記機能構造体の上部を含む周縁に層間絶縁層を形成する層間絶縁層形成工程と、前記層間絶縁層上に耐食性層を含む積層構造からなり開口を有する第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、前記開口を通して前記機能構造体上の前記層間絶縁層及び前記犠牲層を除去するリリース工程と、前記開口を閉鎖する第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、を含むことを特徴とする。
このような製造方法によれば、機能構造体が配設される空洞部を上方から被覆する耐食性層を含む第1被覆層形成工程の後に、リリース工程を行うことにより、長時間にわたるリリース工程を実施しても耐食性層が高いエッチング耐性を有することにより支障なく残存するので、第2被覆層による閉鎖処理を確実に実施でき、信頼性の高い電子装置を実現することができる。
さらに、本発明の電子装置の製造方法は、基板と、空洞部の内部に配設され機能構造体と、CMOS回路部と、が前記基板上に併設されてなる電子装置の製造方法であって、前記基板上に前記機能構造体を犠牲層とともに形成する機能構造体形成工程と、CMOSトランジスタを形成する工程と、前記機能構造体の上部及び前記CMOSトランジスタの上部を含む周縁に層間絶縁層を形成する層間絶縁層形成工程と、前記層間絶縁層の上部に、前記空洞部を覆い開口を有する第1被覆層と、前記機能構造体に接続する配線層と、前記CMOSトランジスタと接続する配線層と、を形成する配線層形成工程と、前記第1被覆層と、前記機能構造体に接続する配線層と、前記CMOSトランジスタと接続する配線層とを含む周縁に保護膜を形成する保護膜形成工程と、前記開口を通して前記機能構造体上の前記層間絶縁層及び前記犠牲層を除去するリリース工程と、前記開口を閉鎖する第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、を含むことを特徴とする。
このような製造方法によれば、半導体製造プロセスを用いて、機能構造体とCMOS回路部それぞれの層間絶縁層と配線層のいくつかを共通の工程で形成することができ、製造工程の簡素化と短縮化を実現できる。
実施形態1に係る製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態1に係る製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態1に係る製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態1に係る製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態1に係る製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態1に係る製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態1に係る製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態1に係る電素装置の概略縦断面図。 実施形態1に係る第1被覆層の断面形状を示す拡大部分断面図。 他の電子装置の構造を示す縦断面図。 異なる電子装置の構造を示す縦断面図。 (a)〜(d)は、他の製造プロセスを示す概略部分工程説明図。 実施形態2に係る電子装置の概略構成を示す平面レイアウト図。 実施形態2に係る電子装置の主要部概略構造を示す断面図。 実施形態2に係るMEMS構造体領域の概略構造を示す平面レイアウト図。 実施形態2に係る電子装置の製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態2に係る電子装置の製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態2に係る電子装置の製造工程を示す概略工程断面図。 実施形態2に係る電子装置の製造工程を示す概略工程断面図。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横及び厚さの縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(実施形態1)
最初に、実施形態1に係る電子装置の製造方法について説明する。図1〜図8は本発明に係る電子装置の製造方法を示す概略工程図である。
図1〜図3は、基板1上に機能構造体3Xを犠牲層2とともに形成する機能構造体形成工程を示す断面図である。まず、図1に示す半導体基板等からなる基板1を用意する。基板1としてはシリコン基板等の半導体基板であることが最も好ましいが、セラミックス基板、ガラス基板、サファイア基板、ダイヤモンド基板、合成樹脂基板などの各種の基板を用いることができる。半導体基板を用いる場合には、基板1に予め、或いは、適宜の工程途中において、所定の半導体集積回路(図示せず、例えば、CMOSトランジスタ等)を作りこんでおくことができる。本実施形態の製造方法では、基板1の表層部に適宜の不純物領域(図示せず)を備えた半導体基板を用いる。また、この半導体基板上に適宜の配線構造を形成し、全体としてCMOSプロセスによって電子装置(半導体集積回路)を形成していくように製造方法が設定される。ただし、本発明では半導体回路に限らず、当該半導体回路以外の各種の電子回路(単なる配線パターンをも含む。)を備えた電子装置にも適用できる。
次に、基板1の表面上に犠牲層2を形成する。この犠牲層2は、例えば、酸化シリコン膜、PSG(リンドープガラス)膜等で構成することができ、CVD法、スパッタリング法等によって形成される。図示例では、犠牲層2の適所に、後述するMEMS構造体の支持部を形成するための開口2aがフォトリソグラフィ法等によって形成されたパターニングマスクを用いてエッチングを行う方法などの適宜のパターニング処理により形成される。
次に、図2に示すように、犠牲層2上に、導電性シリコン膜(ドーピングされた多結晶シリコン)等で構成される機能層3を形成する。この機能層3は、上記のように形成された開口2aを通して基板1(例えば、基板1に形成された図示しない下部電極など)に接続される。機能層3は、スパッタリング法やCVD法等によって形成される。そして、この機能層3を適宜のパターニング方法でパターニングすることによって、図3に示すように機能構造体3Xが形成される。ここで、機能構造体3XはMEMS構造体であり、機能構造体3Xは単層で構成されるように図示したが、2層以上の積層構造によって形成してもよい。なお、機能構造体3XをMEMS構造体3Xと表すことがある。
なお、図示例では犠牲層2の開口2aに対応する支持部を中央下部に備えた振動板形状のMEMS構造体3Xが設けられている。但し、対向電極などは図示を省略してある。また、図示例はMEMS構造体3Xを模式的に示したものであって実際の構造を正確に表現したものではない。MEMS構造体3Xとしては、櫛歯状、梁状、円盤状などの種々の平面パターンを備えた可動部を形成することができる。また、振動子として用いられるもの、アクチュエータとして用いられるもの、センサとして用いられるものなど、任意の機能を有する素子として構成されたものを形成することができる。
また、機能構造体3Xは、上記のMEMS構造体以外の、水晶振動子、SAW(弾性表面波)素子、加速度センサ、ジャイロスコープなどの各種の機能構造体を構成するものであってもよい。すなわち、本発明の電子装置は、空洞部に配置されうる任意の機能構造体を備えたものであればよい。
本実施形態では図3に示すように、MEMS構造体3Xと同時に、MEMS構造体3Xを平面的に取り巻くように構成された下部包囲壁(ガードリング)3Yが形成される。下部包囲壁3YはMEMS構造体3Xと同層かつ同材質で構成されたものであり、機能層3をパターニングすることによってMEMS構造体3Xと同時に形成される。下部包囲壁3Yの平面形状は、図示例では例えば四角形(正方形)状とされるが、MEMS構造体3Xを包囲する閉じた形状であれば円形、多角形などの任意の形状で構わない。下部包囲壁3Yは、犠牲層2や後述する層間絶縁層4,6(図4、参照)を除去するリリース工程において実質的に除去されない素材であること(換言すれば、リリース工程の除去方法が除去されるべき素材と下部包囲壁3Yとの間でエッチングに対する選択性を有する方法になること)が好ましく、さらに、導電性材料であることがより望ましい。当該導電性材料としては、例えば、導電性半導体(高濃度にドーピングされた半導体)、例えばポリシリコン、或いは、後述する耐食性層に用いられる金属材料等が挙げられる。
図4は、MEMS構造体3Xの上部を含む周縁に層間絶縁層を形成する層間絶縁層形成工程を示す断面図である。
図4に示すように、MEMS構造体3X及び下部包囲壁3Y上に、酸化シリコン(例えば、TEOS;テトラエチルオルトシリケート等を原料ガスとするCVD膜)等の絶縁体よりなる層間絶縁層4、アルミニウム等の導電体よりなる配線層5、酸化シリコン等の絶縁体よりなる層間絶縁層6を順次に形成する。この積層構造は、通常のCMOSプロセスと同様の方法で形成されていく。この積層構造は、最終的にMEMS構造体3Xを収容する空洞部を画成するための被覆構造を構成するものである。また、配線層5の一部は、上層構造に導電接続するためのスルーホール6aによって露出された状態とされている。なお、層間絶縁層4、配線層5及び層間絶縁層6といった積層構造の積層数は必要に応じて適宜に構成される。例えば、実際のCMOSプロセスでは、さらに多くの配線層がそれぞれ層間絶縁層を介して積層される場合もある。
本実施形態の場合、層間絶縁層4に上記下部包囲壁3Yを露出する開口部4aを形成し、この開口部4a内に配線層5の一部を形成することで、MEMS構造体3Xを取り囲む平面形状を有する包囲壁(ガードリング)5Yが形成される。図4には包囲壁5Y以外の他の配線層5は図示されていないが、実際には所定の配線パターンが形成されるように配線層5が形成され、その一部が図示の包囲壁5Yとなる。ただし、この包囲壁5Yは他の配線パターンと導電接続されていないことが望ましい。ここで、包囲壁5Yは上記下部包囲壁3Yと同様に、円形、多角形などのMEMS構造体3Xを取り巻く閉じた平面形状を備えたものとされる。この場合、上記開口部4a及びその内部を通した包囲壁5Yの接続部分がMEMS構造体3Xを取り巻く閉じた形状とされることで、下部包囲壁3Yと包囲壁5Yとが一体の側壁として構成される。
なお、図示例では配線層5は単層であるが、図示しない他の層間絶縁層を介して複数の配線層5を積層してもよく、この場合には、包囲壁5Yも複層となる。ここで、複数の包囲壁5Yが層間絶縁層の開口部を通して接続されていることが好ましい。特に、当該開口部自体及びその内部を通した包囲壁の接続部分がMEMS構造体3Xを取り巻く閉じた形状に構成されることで、複数の包囲壁5Yが一体の側壁として構成される。
その後、図5に示すように層間絶縁層6上に導体層を形成し、この導体層をパターニングすることにより配線層7が形成され、配線層7の一部として、図6に示すように第1被覆層7Yが形成される。ここで、第1被覆層7YはMEMS構造体3Xの上方を覆うように配置されている。また、本実施形態の場合、第1被覆層7Yには複数の開口7aが形成される。例えば、開口7aは平面上に縦横に配列され、全体として第1被覆層7Yの一部が網目状に構成される。開口7aは導体層をパターニングして配線層7を形成する際に同時に形成される。従って、製造プロセスは、第1被覆層7Yを形成しない場合(すなわち、配線層7の配線パターンのみを形成する場合)と何ら変わらない。
ここで、第1被覆層7Yは、スルーホール6aを介して上記の配線層5と接続される。特に、スルーホール6aがMEMS構造体3Xを取り巻く閉じた形状とされ、この中を通る第1被覆層7Yの包囲壁5Yに対する接続部分もまたMEMS構造体3Xを取り巻く閉じた形状とされることが好ましい。
上記のようにして、下部包囲壁3Y、包囲壁5Y及び第1被覆層7Yによって一体の側壁10Y(図8、参照)が形成される場合には、MEMS構造体3Xが、基板1、側壁10Y及び第1被覆層7Yによって下方、上方及び側方から完全に包囲される。
なお、下部包囲壁3Y、包囲壁5Y及び第1被覆層7Y、或いは、これらが一体化されてなる側壁10Y(図8、参照)には、それぞれ、或いは、一体的に所定の電位(例えば、接地電位)が与えられることが好ましい。これによって、MEMS構造体3Xを外部に対して電磁的に或る程度遮蔽することができ、MEMS構造体3Xに対する遮蔽率が高められるに従って、MEMS構造体3Xと外部との間の電磁的相互作用(つまり、ノイズ)を低減することができる。なお、第1被覆層7Yの構成については、図9を参照して後述する。
次に、図7に示すように、複数の散在された開口7aを通してMEMS構造体3Xの周囲にある層間絶縁層6、層間絶縁層4及び犠牲層2を除去することで、MEMS構造体3Xを収容する空洞部Sを形成する(リリース工程)。ここで、層間絶縁層6、層間絶縁層4及び犠牲層2の除去は、フッ酸(HF)や緩衝フッ酸(BHF)等のフッ化水素酸系の溶液によるウエットエッチング、あるいは、フッ酸系ガス(蒸気)等によるドライエッチング等によって行うことができる。このようなエッチング方法は等方性エッチングであるので、小さな開口7aを通してもMEMS構造体3Xのリリースを容易に達成できる。なお、このエッチングはレジスト等よりなるエッチングマスク(図7に点線で示す。)で第1被覆層7Yの表面以外を被覆した状態で実施する。
上記のエッチング方法はMEMS構造体3X、下部包囲壁3Y、包囲壁5Y及び第1被覆層7Yに対して実質的に除去性能を発揮しないため、MEMS構造体3Xの周囲にある層間絶縁層6、層間絶縁層4及び犠牲層2を完全に除去しても、空洞部Sが下部包囲壁3Y及び包囲壁5Yの外側へ広がることを防止できる。ここで、リリース工程が終了したときには空洞部Sを十分に洗浄する。例えば、空洞部Sを水洗し、その後、置換法等を用いて水分を完全に除去する。なお、下部包囲壁3Y、包囲壁5Y、並びに第1被覆層7Yの下部(スルーホール6a内の接続部)は上記の周囲被覆部を構成する。
次に、図8に示すように、層間絶縁層6、第1被覆層7Y及びこれと同時に形成された配線層7の他の部分(図示せず)上に酸化シリコン、窒化シリコン、樹脂材料等で構成される保護膜8を形成する。この保護膜8としては、窒化シリコン、絶縁レジスト等の表面保護膜(パシベーション膜)を用いることができる。そして、ドライエッチング等により保護膜8に開口部8aを形成することによって上記第1被覆層7Y及び配線層7の一部を露出させ、導電接続用のパッド部とする。また、保護膜8には上記開口部8aと同時に開口部8bを形成し、この開口部8bによって第1被覆層7YにおけるMEMS構造体3Xの上方にある部分(開口7aが形成されている領域)を露出させる。なお、保護膜8の形成及びパターニングは、保護膜8がリリース工程のエッチングに耐えうる材料であれば、或いは、保護膜8の表面上にレジスト等のマスクが形成されるのであれば、後述するように上記リリース工程の前に行ってもよい。
上記配線層7(第1被覆層7Y)は、図9に示すように、空洞部Sを臨む面から最下層のTiよりなる第1層7b,TiNよりなる第2層7c,Al−Cu(合金)よりなる第3層7d、最上層のTiNよりなる第4層7eまでの4層の積層構造で構成される。第1層7bは下層の層間絶縁層6に対する被覆性(カバレッジ性)を向上させるためのものであり、例えば、蒸着法やスパッタリング法等によって10〜100nm程度、好ましくは20〜70nm程度の厚みで形成される。第2層7cは下層の構成素材(Si原子など)や不純物等が進入することを防止するためのバリア層であり、例えばスパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などで形成され、50〜200nm、好ましくは80〜150nm程度の厚みとされる。第3層7dはAlに1wt%以下のCuを添加した合金で構成され、配線層7の導電性を担保する主体層であって、例えば蒸着法やスパッタリング法で形成され、500〜1000nm程度、好ましくは700〜900nm程度の厚みとされる。第4層7eはフォトプロセス用の反射防止膜として構成され、例えば第2層7cと同様の方法で形成でき、20〜200nm程度、好ましくは50〜100nm程度の厚みとされる。
上述した第1被覆層7Yは、配線層7と同一の積層構造を有している。ここで、配線層7を構成する各素材は後述するリリース工程時において用いられるエッチングに対する耐性(当該エッチングは基本的に酸化シリコンを主体とする構成部分を除去するために用いられる。)を備えたものであるが、第3層(Al−Cu)7dは酸化シリコンとの間のエッチング選択比が十分に高くないので、長時間の上記エッチングで除去される可能性がある。これに対して、第1層(Ti)7b、第2層(TiN)7c、第4層(TiN)7eは高いエッチング選択比を有し、長時間のエッチングにも十分に耐えうるものとなっている。
本実施形態では、フッ化水素酸を主体としたエッチング液に対する耐性を備えた素材よりなる層を耐食性層と言い、第1層7b、第2層7c及び第4層7eが当該耐食性層に相当する。ここで、耐食性層を構成する素材としては樹脂材料などの種々のものが考えられるが、TiN、Ti、W、Au、Ptなどの金属若しくは金属化合物で構成されるものが好ましい。なお、上記の配線層7の積層構造は、前述の配線層5などの他の配線層にも用いることができる。このようにすると、上記包囲壁5Yの構造としてはリリース工程時のエッチング耐性が向上することからより好都合である。
なお、上記の配線層7(第1被覆層7Y)の積層構造は、半導体プロセスで用いられる配線層として好適に用いることができる構成であるが、当該構成としては図示例の構成以外の構成でも適合させることができる。
例えば、第1被覆層7Yが、空洞部Sを臨む面からTiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層された積層構造であってもよく、空洞部Sを臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層された積層構造であってもよい。
さらに、第1被覆層7Yが、空洞部Sを臨む面からTi層、Al−Cu層、TiN層の順に積層された積層構造であってもよく、空洞部Sを臨む面からTiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層された積層構造でもよい。
最後に、図8に示すように、第1被覆層7Y上に第2被覆層9を形成することで開口7aを閉鎖し、上記空洞部Sを密閉する。こうして電子装置100が完成する。この第2被覆層9は、例えば、CVD法、スパッタリング法などの気相成長法で形成することが好ましい。このようにすると、そのまま空洞部Sを減圧状態で密閉することができるからである。気相成長法で形成する第2被覆層9としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁体(CVD法)、或いは、Al、W、Ti等の金属その他の導電性材料(スパッタリング法)などが挙げられる。
なお、この工程において、第2被覆層9を金属その他の導電性材料で構成する場合には、開口部8a上に成膜された部分を残すことで配線層7に導電接続された接続パッドを形成するようにしてもよい。また、上述の上方被覆部は、本実施形態では第1被覆層7Y及び第2被覆層9により構成される。
さらに、開口7aはMEMS構造体3Xの直上位置からオフセットされた位置に形成されていることが好ましい。図示例では、MEMS構造体3Xに対して平面方向にずれた位置に開口7aが存在するように構成されている。このようにすると、第2被覆層9の形成時等においてMEMS構造体3Xに第2被覆層9等の素材が付着するなどの不具合を回避できる。上記の平面方向のずれ量は第2被覆層9等の形成方法によっても異なるが、上記の気相成長法で形成する場合であれば、最低でも0.5μm程度、現実には0.5〜5.0μm程度であることが好ましい。
本実施形態の電子装置では、MEMS構造体3Xを収容する空洞部Sを層間絶縁層4,6と配線層5,7の積層構造が取り巻く被覆構造を有し、この被覆構造によって上記空洞部Sが画成される。従って、空洞部S上を被覆する第1被覆層7Yを配線層7の一部で構成することにより、上記積層構造を要する電子回路との一体性を高めることができるため、電子装置の小型化を図ることができ、しかも、製造コストを抑制することができる。特に、MEMS構造体3Xを上方から覆う第1被覆層7Yが配線層7の一部よりなる導電性材料で構成されることで外部との電磁的相互作用を低減できる。この場合に、第2被覆層9もまた導電性材料で構成されていればさらに好適であることは言うまでもない。
また、上記の被覆構造において、配線層の一部により、MEMS構造体3Xを取り巻く閉じた平面形状を有する包囲壁5Yが設けられることで、上記と同様に上記積層構造を要する電子回路との一体性を高めることができるため、電子装置の小型化を図ることができるとともに製造コストを抑制することができる。特に、包囲壁5Yが存在することでリリース工程時におけるサイドエッチングの範囲を抑制できるため、MEMS構造体3Xを収容する空洞部Sの小型化が容易になるとともに、配線層5の一部よりなる導電性材料で構成される包囲壁5Yの存在により、MEMS構造体3Xと外部との電磁的相互作用を低減できる。
また、本実施形態では、MEMS構造体3Xの上方にある上記配線層7の一部で構成された第1被覆層7Yに上記第1層7b、第2層7c及び第4層7eの耐食性層を有することから、上記リリース工程においてエッチング時間が長くなっても第1被覆層7Yが消失したり薄くなったりすることを防止できる。通常、開口7aを通したリリース工程は第1被覆層7Yが存在しない場合に比べて大幅に長くなるため、本来的にはフッ化水素酸系のエッチャントではエッチングされにくい素材であっても部分的になくなってしまったり、形状が崩れてしまったりする虞がある。しかしながら、上記のTiN、Ti、W、Au、Ptなどの金属若しくは金属化合物で構成される耐食性層であれば、リリース工程後においても何ら問題なく残存し、その結果、第2被覆層9を支障なく形成することが可能になる。
特に、上記のTiN、Ti、W、Au、Ptの素材は単にフッ化水素酸系のエッチング液に高い耐性を有するだけでなく、導電性を有するので配線層などの導電性材料に用いることができ、特に半導体製造プロセスに対する親和性が高い。また、これらの素材は単なる導電性材料ではなく、例えば、高度のバリア性(TiNなど)、オーミックコンタクト性(Auなど)、エッチング液以外の他の物質に対する耐食性や耐酸化性(Ti、TiN、W、Ptなど)といった導電性材料に対する付加機能をも有する。それとともにこれらの付加機能は特に導電性材料の表面層として有用であるため、電子装置のMEMS構造体以外の構造(電子回路の配線など)と兼用できる場面がきわめて広いものと考えられる。
上記第1被覆層7Yにおいては、最上層に耐食性層である第4層7eが存在し、最下層に耐食性層である第1層7bが存在することで、エッチング液に対する第3層7dの侵食を有効に回避できる。このような効果は、耐食性層が最上層か最下層のいずれか一方にあるだけでも十分に得られるが、特に最上層に耐食性層が形成されていることが好ましく、また、上記のように最上層と最下層の双方に耐食性層が形成されていることが最も望ましい。なお、通常の半導体製造プロセスとは異なるプロセスを要することとなる場合が考えられるものの、第1被覆層7Y(配線層7)の全体が耐食性層で構成されていてもよい。例えば、第1被覆層7YがTiNの単層で構成されていても構わない。
上記構成においては、さらに一体の側壁10YがMEMS構造体3Xを取り巻くように形成されることで、リリース工程における除去範囲を平面的に完全に限定できるため、空洞部Sのさらなる小型化を図ることができる。また、当該側壁10Yが全て導電性材料で構成されていれば、MEMS構造体3Xの導電体による遮蔽度がより高められるため、MEMS構造体3Xと外部との間の電磁的相互作用をより低減することができる。特に、側壁10Yと第1被覆層7Yとが接続されることでMEMS構造体3Xの電磁的遮蔽効果をさらに高めることができる。
図10は上記の保護膜8を第2被覆層として用いた例を示す。この場合、第2被覆層は絶縁体で構成されることが好ましい。これによれば、保護膜8が第2被覆層を兼ねることでプロセス数が削減される(上記の第2被覆層9の成膜及びパターニングが不要となる)ため、製造コストをさらに低減できる。
図11は上記の配線層5の一部により、MEMS構造体3Xの上方を覆うとともに開口5aを備えた第3被覆層5Zを構成した例を示す。ここで、第3被覆層5Zは、第1被覆層7Yの開口7aと平面的に重なり、しかも、開口5aが第1被覆層7Yと平面的に重なるように構成されている。すなわち、開口7aで露出する平面領域は第3被覆層5Zで覆われており、開口5aで露出する平面領域は第1被覆層7Yで覆われているので、例えば、第2被覆層9を気相生長法で成膜した場合でも、第2被覆層9の素材がMEMS構造体3Xに付着することを防止できる。従って、先の実施形態にて説明したように、MEMS構造体3Xの平面範囲と、開口7aの開口範囲とを平面的にオフセットさせて設ける必要もなくなる。この場合、上述の上方被覆部は、第1被覆層7Y、第2被覆層9及び第3被覆層5Zにより構成され、上記の第1被覆層は第1被覆層7Y及び第3被覆層5Zにより構成される。
この場合に、上記のリリース工程では第3被覆層5Zもエッチング液に長時間さらされることとなるため、上記第1被覆層7Yと同様の積層構造を第3被覆層5Zに用いることで、第3被覆層5Zに含まれる耐食性層により、支障なく第3被覆層5Zを残存させることができる。ここで、上記第1被覆層7Yと同様に、第3被覆層5Zの最上層または最下層が耐食性層で構成されていることが好ましく、特に、第3被覆層5Zの最上層及び最下層の双方が耐食性層で構成されることが望ましい。
図12は、上記実施形態とは異なる製造プロセスを示す概略説明図(a)乃至(d)である。ここで、図12には上記配線層7(第1被覆層7Y)及びその上層構造のみを示し、他の構造については省略している。この製造プロセスでは、図12(a)に示すように、配線層7を形成する配線形成工程において同時に第1被覆層7Yを形成し、開口7aを設ける。次に、図12(b)に示すように、配線層7及び第1被覆層7Y上に保護膜8を形成する。
その後、図12(c)に示すように、フォトレジスト等により形成されたエッチングマスク9’を用いてドライエッチング等によって第1被覆層7Y上の保護膜8を除去し、図12(d)に示すように保護膜8に第1被覆層7Yを露出する開口部8bを形成する。このとき、開口部8bによって開口した第1被覆層7Yの表面には上記第4層7eの少なくとも一部が残存するように構成する。すなわち、上記保護膜8の部分的除去によって第4層7eもまた除去されてしまうと、リリース工程において第3層7dが侵食されてしまう虞が高くなるので、耐食性層である第4層7eの少なくとも一部が第1被覆層7Y全面にわたって残存するように、上記ドライエッチング等のエッチングの処理時間、処理条件などを最適化する。なお、当該工程の処理内容については先に説明した実施形態でも同様である。
この製造プロセスでは、上記のように保護膜8を形成するとともにその開口部8bを形成した後に、第1被覆層7Yの開口7aを通してリリース工程を実施する。この方法であれば、保護膜8をリリース工程時のエッチングマスクとして用いることができるので、上記先の実施形態のエッチングマスク9’の形成のためのレジスト形成工程等を省略できる。
上記構成によるMEMS構造体3XをSAWまたは可動子と固定子とからなる振動体とすれば、本実施形態の電子装置100(図8、参照)は共振子を構成することができる。
このような構成及び製造方法によれば、空洞部Sを上方から被覆する第1被覆層7Yが耐食性層を含むことで、長時間にわたるリリース工程を実施しても耐食性層が高いエッチング耐性を有することにより支障なく残存するので、第2被覆層による閉鎖処理を確実に実施でき、信頼性の高い共振子を実現することができる。
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る電子装置について図面を参照して説明する。本実施形態に係る電子装置は、基板を半導体基板とし、空洞部の内部に配設され機能構造体とCMOS回路部とが前記基板上に併設されて構成されていることを特徴としている。
図13は、実施形態2に係る電子装置の概略構成を示す平面レイアウト図である。図13において、電子装置200は、基板11上に機能構造体領域150とCMOS回路部領域160とが併設され構成されている。なお、CMOS回路部領域160と機能構造体領域150それぞれの一部が断面方向に交差する構造としてもよい。なお、以降、機能構造体領域をMEMS構造体領域と表すことがある。
次に、電子装置200の断面構造について説明する。
図14は、実施形態2に係る電子装置の主要部概略構造を示す断面図である。図14において、本実施形態では、シリコンや化合物半導体などの半導体基板等よりなる基板11が用いられる。ただし、基板11はガラス、セラミックス、サファイア、ダイヤモンド、合成樹脂等の他の素材で構成される場合も有り得る。
基板11上には、窒化シリコン等で構成された下地層(素子分離層)12が形成されている。また、基板11上のMEMS構造体領域150には、振動体、フィルタ、アクチュエータ、センサ等のMEMS構造体を構成する下部構造部13A及び上部構造部15Aが形成されている。本実施形態では、下部構造部13Aを固定子、上部構造部15Aを可動子とする共振子を例示している。従って、下部構造部13Aと上部構造部15Aは離間して対向配置される。
また、基板11上のCMOS回路部領域160には、下部電極13Bと上部電極15Bが絶縁膜14Bを介して対向配置されたコンデンサが構成されている。さらに、基板11の表層部には能動層11A、不純物領域11B,11C、ゲート絶縁膜14C、及び、ゲート電極15CよりなるCMOSトランジスタが形成されている。
下部構造部13A及び上部構造部15Aの材料は導電体であれば特に限定されないが、それぞれCMOSトランジスタを構成するゲート電極15Cと同工程若しくは同種工程で実施することができる点で、例えば、導電性シリコン膜(ドーピングされた多結晶シリコン)で構成されることが望ましい。導電性シリコン膜は半導体製造プロセスにおいて形成される機能層を構成する素材であり、上記CMOSトランジスタに限らず、半導体回路中の機能層と同時に形成することで製造工程を共通化できるという利点がある。
基板11上には、絶縁層である酸化シリコン(SiO2)、より詳細にはPSG(リンドープガラス)やTEOS(テトラエチルオルトシリケートなどを原料ガスとして形成されるCVD膜)等よりなる層間絶縁層16,18、アルミニウム等の導体層よりなる配線層17A,17B,17C,17D並びに第1被覆層19A、配線層19B,19C,19D,19Eが形成されている。これら配線層19B,19C,19D,19Eは、基板11上に所定の回路を形成するための導電パターンとされる。上記の各層の上には酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(Si34)などからなる保護膜21が積層されている。この保護膜21は層間絶縁層16,18や後述する犠牲層とはパターニング(エッチング)選択性を有する素材で構成される。さらに第1被覆層19Aの上には第2被覆層22が形成されている。
層間絶縁層16,18には開口部が設けられ、この開口部によって上述したMEMS構造体が内部に配置された空洞部Cが構成される。空洞部Cは第1被覆層19Aと第2被覆層22とから構成される被覆部により上方から被覆されることで密閉されている。第1被覆層19Aには空洞部Cに連通する複数の開口19aが形成され、これらの開口19aは、第2被覆層22が上方から覆われることで閉鎖されている。
第1被覆層19Aは、配線層19B,19C,19D,19Eと同時に形成される。例えば、金属層を成膜し、その後、パターニングすることで、第1被覆層19Aや各配線層の外形と同時に開口19aを備えた第1被覆層19Aが形成される。ここで、第1被覆層19Aは、他の配線層と同様に複数層の積層構造で構成される場合がある。例えば、第1層(最下層)が厚み1−1000nm、好ましくは50nm程度のTiまたはTiN、第2層(中間層)が厚み10−10000nm、好ましくは800nm程度のAl−Cu合金層、第3層(最上層)が厚み1−1000nm、好ましくは50nm程度のTiNで構成される。この場合、空洞部Cの直上に配置されるべき第1層を除去しておくことで、リリース工程を容易に行うことが可能になる。
また、第1被覆層19Aの構成としては、前述した実施形態1(図9、参照)に記載したように、空洞部Cを臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層された積層構造、空洞部Cを臨む面からTiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層された積層構造、空洞部Cを臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層された積層構造や、空洞部Cを臨む面からTi層、Al−Cu層、TiN層の順に積層された積層構造、及び空洞部Cを臨む面からTiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層された積層構造が適合できる。
また、第1被覆層19Aに設けられる開口19aにおいても、前述した実施形態1に記載の配設構成が適用できるので説明を省略する。
なお、実際には層間絶縁層16,18を形成した後に第1被覆層19Aを形成し、第1被覆層19Aの開口19aを通してウエットエッチングやドライエッチング等で層間絶縁層16,18をエッチング除去し、その後、洗浄するといった処理を行うリリース工程で空洞部Cが形成されている。
また、第2被覆層22は、第1被覆層19A上に真空蒸着、スパッタリング、CVD法等の気相成長法により減圧下で成膜され、これによって、上記空洞部Cが開口19aを通して減圧された状態で開口19aが閉鎖されている。第2被覆層22は、酸化シリコン、窒化シリコン等の絶縁体やAl、Ti、W等の金属により形成される。
次に、MEMS構造体領域150の構造について図面を参照して説明する。なお、図14も参照する。
図15は、本実施形態に係るMEMS構造体領域の概略構造を示す平面レイアウト図である。図15において、MEMS構造体領域150の略中央部には、下部構造部13Aと上部構造部15Aとが形成されている。下部構造部13Aと上部構造部15Aそれぞれの一部が、断面的に交差し、且つ離間して配設される(図14、参照)。
そして、下部構造部13Aの端部は、スルーホール17e,19f、配線層17Eを介して配線層19Fに接続されている。一方、上部構造部15Aの端部は、スルーホール17a,19b、配線層17Aを介して配線層19Bに接続されている。配線層17A,19Bそれぞれは、図示しないCMOS回路部の配線層の一つに接続される。
下部構造部13Aと上部構造部15Aからなる共振子の上方には、第1被覆層19Aが空洞部Cを覆うように形成されている。そして、第1被覆層19Aの延在された一端は、スルーホール17fを介して層間配線層17Fに接続され、図示しないCMOS回路部のGND電極に接続される。また、空洞部Cの周囲には、下部構造部13Aと同工程で形成される下部包囲壁13a,13bが配設される。
本実施形態では、CMOS回路部の内部には少なくとも発振回路が形成されており、その出力部の一方が上部構造部15A、他方が下部構造部13Aに接続され、発振回路から上部構造部15Aと下部構造部13Aとに発振信号が出力される。また、MEMS構造体は、下部構造部13Aと上部構造部15Aとからなる共振子であって、上部構造部15Aと下部構造部13Aとに同極の電位を入力すると互いに反発しあい、異極の電位を入力すると引き合って、上部構造部15Aが断面方向に振動する。従って、本実施形態による電子装置200は、共振子と発振回路とが半導体基板上に併設された発振器が例示されている。
続いて、実施形態2に係る電子装置の製造方法について説明する。以下に説明する製造方法は、MEMS構造体とCMOS回路部とが一体化された電子装置を製造する場合の例を示すものであるが、本実施形態はこのような態様に限らず、機能構造体が空洞部内に配置されてなる各種の機能デバイスを包含するものである。
図16〜図19は、本実施形態に係る電子装置の製造工程を示す概略工程断面図である。図16に示すように、基板11の表層部にまず能動層11Aを形成する。また、基板11上にはスパッタリング法やCVD法などの成膜技術及び微細パターニング技術により下地層12を形成し、この下地層12上にはスパッタリング法やCVD法などの成膜技術及び微細パターニング技術により下部構造部13A及び下部電極13Bを同時に同材料で形成する。
続いて、スパッタリング法やCVD法により犠牲層14A、絶縁膜14B、ゲート絶縁膜14Cを同時に同材料で形成する。その後、スパッタリング法やCVD法などにより上部構造部15A、上部電極15B、ゲート電極15Cを同時に同材料で形成する。なお、ゲート電極15Cの形成後、ゲート電極15Cをマスクとしてセルフアライメントで不純物領域11B,11Cをイオン注入法などにより形成する。
以上が、機能構造体(MEMS構造体)を犠牲層14Aとともに形成する機能構造体形成工程と、CMOSトランジスタを形成する工程である。
次に、上記構造上にはスパッタリング法やCVD法などで層間絶縁層16を形成し、パターニングによりスルーホール17a,17eを含むスルーホール群を形成する。その後、層間絶縁層16上に蒸着法、スパッタリング法、CVD法などにより適宜の配線パターンが形成され、スルーホール17eを介して下部構造部13Aと導電接続された配線層17E、スルーホール17aを介して上部構造部15Aと接続された配線層17Aを形成する。
さらに、上部電極15Bとスルーホールを介して導電接続された配線層17B、不純物領域11B,11Cとスルーホールを貸して導電接続された配線層17C,17Dなどを形成する。また、図示しない他の配線層を含め、これらの配線層によってMEMS構造体、コンデンサ、CMOSトランジスタからの引き出し配線構造が形成される。
次に、図17に示すように、MEMS構造体の上部及びCMOSトランジスタの上部を含む周縁にスパッタリング法やCVD法などで層間絶縁層18を形成する(層間絶縁層形成工程)。この際、パターニングによりスルーホール31〜36を形成する。
次に、図18に示すように、層間絶縁層18上に蒸着法、スパッタリング法、CVD法などにより、第1被覆層19A、配線層19B,19C,19D,19E,19Fを形成する。そして、MEMS構造体のうち、下部構造部13Aに接続する配線層19Fと、上部構造部15Aに接続する配線層19Bそれぞれと、前述のCMOS回路部(CMOSトランジスタ)とを接続する配線層を形成する(配線層形成工程)。第1被覆層19Aには、その外形パターンや配線パターンとともに微細パターニング技術により開口19aを形成する。
その後、図19に示すように、層間絶縁層18及び配線層19B,19C,19D,19E,19F表面上にスパッタリング法やCVD法などにより窒化シリコン等よりなる保護膜21を形成し、第1被覆層19Aの周縁部を含む領域を被覆する(保護膜形成工程)。
続いて、フッ酸水溶液、緩衝フッ酸水溶液、フッ酸ガス等により上記開口19aを通してその下の層間絶縁層18,16、犠牲層14Aを除去する(リリース工程)。これによって空洞部Cが形成される。その後、空洞部Cの内面を水洗等により洗浄する。
次に、図14に示すように、減圧された空間(反応チャンバ)内において蒸着法、スパッタリング法、CVD法などにより第2被覆層22を成膜し、これによって空洞部C内を減圧した状態として開口19aを閉鎖することにより封止する(第2被覆層形成工程)。
従って、上述した実施形態2による電子装置200は、機能構造体(機能構造体領域150)とCMOS回路部(CMOS回路部領域160)とを基板11上に併設して構成することから小型化を可能にする。つまり発振器の小型化を実現できる。また、空洞部Cを上方から被覆する第1被覆層19Aが耐食性層を含むことで、長時間にわたるリリース工程を実施しても耐食性層が高いエッチング耐性を有することにより支障なく残存するので、第2被覆層22による閉鎖処理を確実に実施でき、信頼性の高い発振器を提供することができる。
さらに、機能構造体とCMOS回路部それぞれの層間絶縁層及び配線層の一部を共通にすることができることから、また半導体製造プロセスを用いて効率的に製造することができる。従って、製造歩留まりを確保するとともに製造コストを低減することができる。
なお、本発明の電子装置及びその製造方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態では半導体基板上にCMOSプロセスと同様の半導体製造工程を実施しつつ、共振子あるいは発振器を構成しているが、アクチュエータ、高周波フィルタ等の機能構造体としてのMEMS素子(MEMS構造体3X)にも適合できる他、水晶振動子、加速度センサ、ジャイロセンサなどのMEMS構造体以外の各種の機能構造体を備えたものに適用することができる。
また、上記実施形態では機能構造体を半導体集積回路と一体化してなる半導体装置を構成しているが、半導体基板以外の基板を用いてもよく、或いは、半導体回路以外の他の電子回路を機能構造体と接続したものであっても構わない。
1…基板、3X…MEMS構造体(機能構造体)、3Y…下部包囲壁、4,6…層間絶縁層、5…配線層、5Y…包囲壁、7Y…第1被覆層、7a…開口、9…第2被覆層、10Y…側壁、100…電子装置。

Claims (15)

  1. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  2. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  3. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  4. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  5. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  6. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1
    被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最下層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  7. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最下層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  8. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最下層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  9. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ
    前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最下層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  10. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最下層に設けられていることを特徴とする電子装置。
  11. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層と最下層とに設けられた層で構成されることを特徴とする電子装置。
  12. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層と最下層とに設けられた層で構成されることを特徴とする電子装置。
  13. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成
    する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、TiN層、Al−Cu層、Ti層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層と最下層とに設けられた層で構成されることを特徴とする電子装置。
  14. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTi層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層と最下層とに設けられた層で構成されることを特徴とする電子装置。
  15. 基板と、該基板上に形成された機能構造体と、該機能構造体が配置された空洞部を画成する被覆部と、前記基板上に形成されるCMOS回路部と、が備えられる電子装置であって、
    前記被覆部が、前記空洞部の側壁をなす側壁部と、前記空洞部の上方被覆部をなす第1被覆層及び第2被覆層と、を備え
    前記第1被覆層は、前記空洞部に貫通する孔部を有するとともに、前記空洞部を臨む面からTiN層、Al−Cu層、TiN層の順に積層されている積層構造で構成され、
    前記第2被覆層は、前記孔部を閉鎖しており、
    前記側壁部が、ガードリングと、層間絶縁層及び配線層の少なくとも一方を含み、かつ前記側壁部が含む前記層間絶縁層及び前記配線層の少なくとも一方が、前記CMOS回路部の層間絶縁層または配線層の一部であり、
    前記積層構造の少なくとも一層が、前記第1被覆層の最上層と最下層とに設けられた層で構成されることを特徴とする電子装置。
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