JP4774902B2 - Mems素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はMEMS素子に係り、特に、基板上に絶縁膜と配線の積層構造を有するMEMS素子の構成に関する。
一般に、MEMS(Micro Electro Mechanical System)と呼ばれる微細な加工技術を利用して形成された構造体を備えた電気機械系、例えば、共振器、フィルタ、センサ、モータ等が知られている。そして、この構造体を半導体基板、例えば、シリコン基板上に形成してなるMEMS素子が提案されている(例えば、以下の特許文献1参照)。このようなMEMS素子は、半導体基板上に形成されることにより、CMOS等の半導体回路と一体化することが可能になるため、例えば、携帯電話機等といった小型化及び高性能化が要求される通信機器に用いられる高周波回路などへの応用が期待されている。
特許文献1に記載されたMEMS素子では、基板上に形成された櫛歯構造を有する構造体を動作するために、酸化シリコン等で構成した犠牲層上に構造体を形成し、その後、フッ酸等のエッチングによって当該犠牲層を除去することによって構造体をリリースして動作可能な状態としている。
2004−276200号公報
ところで、半導体基板上に構造体を備えたMEMS素子を製造する方法としては、図4に示される方法(比較例)が考えられる。この製造方法では、まず、図4(a)に示すように、基板1上に、酸化シリコン等で構成される犠牲層となる絶縁層2を形成し、この絶縁層2上に構造体3を形成する。構造体3は、特許文献1で示すような櫛歯構造やその他の種々の構造とすることができるが、図示例の場合、支持部を備えた板状の電極体を備えたものを例として示してある。構造体3上には層間絶縁膜4、配線5、層間絶縁膜6、配線7、及び、保護膜8が積層される。なお、層間絶縁膜及び配線は必要に応じて任意の繰り返し数で積層される。例えば、通常のCMOS回路を形成してなる半導体基板の場合、3周期以上の積層構造を有する。
その後、図4(b)に示すように、構造体3上の層間絶縁膜4,6の一部及び保護膜8の一部を除去し、構造体3の上方に開口領域3Xを形成する(ウインドウ開口工程)。この工程では、基板1上にレジスト等によって図示しないマスクを形成し、このマスクの開口を通して、ドライエッチングにより保護膜8の開口8b、層間絶縁膜4,6の凹部4b及び開口6bを形成することにより、開口領域3Xが形成される。
しかる後に、フッ酸を含むエッチング液を用いたウエットエッチングにより、図4(c)に示すように、層間絶縁膜4及び絶縁層2の一部を除去することによって構造体3を基板1上からリリースさせ、構造体3を空間S内において動作可能な状態とする。
しかしながら、前述の製造方法では、最終のリリース工程の前に、構造体3上に厚く積層された層間絶縁膜4,6及び保護膜8を除去し、構造体3の上方に開口領域3Xを形成する、いわゆるウインドウ開口工程が必要であり、この工程に専用のフォトリソグラフィ処理及び長時間のエッチング処理が必要になるため、製造に時間がかかり、製造コストが増加するという問題点がある。
また、最終のリリース工程のウエットエッチングが等方性エッチングであることから、開口領域3Xに臨む層間絶縁膜4,6及び保護膜8の壁面でもエッチングが進行し、図4(c)に点線で示すように、エッチング領域が配線5,7に達したり、或いは、エッチング液が層間絶縁膜や保護膜の界面から進入して配線5,7に達したりすることがあり、配線5,7に腐食その他の損傷を生じさせるといった問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的は、製造時間の短縮及び製造コストの低減を図ることの可能なMEMS素子及びその製造方法を提供することにある。また、他の目的は、製造工程に起因する配線の損傷を防止することの可能なMEMS素子及びその製造方法を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明のMEMS素子の製造方法は、基板上に設けられた空間に配置された構造体と、前記空間に臨む端縁を備えた絶縁膜及び該絶縁膜上に配置された配線を含む積層構造と、を有するMEMS素子の製造方法において、少なくとも一部が犠牲層上に形成された態様で前記構造体が形成される工程と、前記構造体上及びそれ以外の他の位置に前記絶縁膜が形成される工程と、前記絶縁膜の前記構造体上にある部分が除去されるパターニング工程と、前記絶縁膜上に前記配線が形成される工程と、前記犠牲層が除去されて前記構造体がリリースされる工程と、を具備することを特徴とする。
この発明によれば、絶縁層が形成される工程と配線が形成される工程との間に、絶縁膜の構造体上にある部分が除去されるパターニング工程が設けられることにより、絶縁膜を形成する度に構造体上にある部分を除去することができるため、専用のウインドウ開口工程を設ける必要をなくしたり、或いは、専用のウインドウ開口工程に要する処理時間を短縮したりすることができるので、製造時間の短縮及び製造コストの低減を図ることが可能になる。
本発明において、前記パターニング工程では、前記絶縁体の前記他の位置にある部分に開口が形成され、前記配線が形成される工程では、前記配線が前記開口を通して前記絶縁膜の下に接続されることが好ましい。これによれば、パターニング工程において配線のスルーホールを構成する開口が形成されると同時に構造体上にある部分も除去されるため、本来的に必要とされるパターニング工程において構造体上にある絶縁膜の部分を除去できることから、製造コストの低減を図ることができる。
本発明において、前記絶縁膜を形成する工程、前記パターニング工程、及び、前記配線を形成する工程が順次に実施されて少なくとも当該工程の一つが複数回繰り返されることにより前記積層構造が構成され、その後に前記構造体をリリースする工程が実施されることが好ましい。例えば、絶縁膜と配線を複数回繰り返して積層する場合には、その分積層構造が厚く構成されることとなるが、絶縁膜のパターニング工程が行われる度にそれぞれ絶縁膜の構造体上にある部分が除去されるので、上記の繰り返し回数が多くなることによって積層構造が厚く構成されても、ウインドウ開口工程の必要性に影響を与えることがなく、また、ウインドウ開口工程の処理時間を長くする必要も生じない。
本発明において、前記積層構造は、前記配線を介在させた二層の前記絶縁膜の上にさらに上層の絶縁膜を含み、当該上層の絶縁膜は、前記二層の絶縁膜の前記構造体側の端縁間の界面を覆う部分が残される態様で前記構造体上にある部分が除去されることが好ましい。これによれば、上層の絶縁膜によって下層の二層の絶縁膜の端縁の界面が覆われるため、最終のリリース工程において当該界面にエッチング液が侵入しにくくなることから、配線の損傷を防止することができる。
本発明において、前記積層構造は、前記配線を介在させた下層と上層の二層の前記絶縁膜を含み、前記上層の絶縁膜に対する前記パターニング工程では、前記下層の絶縁膜における前記構造体側の端縁を覆って下方に延在する部分を残して、前記上層の絶縁膜の前記構造体上にある部分が除去されることが好ましい。これによれば、上層の絶縁膜が下層の絶縁膜の端縁を覆って下方に延在することにより、下層の絶縁膜と上層の絶縁膜との界面が端縁において下方に延びるため、最終のリリース工程において当該界面に沿って侵入するエッチング液が配線まで到達しにくくなることから、配線の損傷を防止することができる。
本発明において、前記上層の絶縁膜は窒化シリコン膜であることが好ましい。窒化シリコン膜は一般的に層間絶縁膜に用いられる酸化シリコン膜のエッチング処理を行う際に、当該酸化シリコン膜よりもエッチングレートが低いので、上層の絶縁膜が除去されにくくなることから、配線の損傷をさらに確実に防止することができ、また、耐湿性も向上するため、MEMS素子の信頼性を高めることができる。
本発明において、少なくとも一つの前記絶縁膜に対する前記パターニング工程では、前記絶縁膜の前記構造体上にある部分の厚みの一部が残されることが好ましい。これによれば、構造体が絶縁膜の厚みの一部で覆われた状態となるため、最終のリリース工程に至る前段階における構造体の損傷を低減することができる。
次に、本発明のMEMS素子は、基板上に設けられた空間に配置された構造体と、前記空間に臨む端縁を備えた少なくとも下層と上層の二層の絶縁膜及び該二層の絶縁膜間に配置された配線を含む積層構造と、を有するMEMS素子において、前記積層構造における前記二層の絶縁膜の前記空間側の端縁が異なる位置に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の別のMEMS素子は、基板上に設けられた空間に配置された構造体と、前記空間に臨む端縁を備えた少なくとも下層と上層の二層の絶縁膜及び該二層の絶縁膜間に配置された配線を含む積層構造と、を有するMEMS素子において、前記積層構造における前記二層の絶縁膜の間の界面は、前記空間との間に配置された他の絶縁膜により覆われていることを特徴とする。この場合に、前記他の絶縁膜は前記二層の絶縁膜のさらに上層に積層された絶縁膜であることが好ましい。
さらに、本発明の異なるMEMS素子は、基板上に設けられた空間に配置された構造体と、前記空間に臨む端縁を備えた少なくとも下層と上層の二層の絶縁膜及び該二層の絶縁膜間に配置された配線を含む積層構造と、を有するMEMS素子において、前記積層構造における前記上層の絶縁膜の前記空間側の端縁は、前記下層の絶縁膜の前記空間側の端縁を覆って下方に延在していることを特徴とする。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図3は、本発明に係るMEMS素子の製造方法の概略工程を示す概略工程図である。本実施形態のMEMS素子の製造方法においては、半導体製造プロセス、例えば、CMOSプロセスを用いている。
まず、図1(a)に示すように、シリコンからなる半導体基板10上に酸化シリコン膜(SiO膜、例えば、熱酸化膜)である絶縁層11が形成され、この絶縁層11上にポリシリコン等からなる構造体12が形成される。絶縁層11の一部(特に、構造体12の下に配置される部分)は、後述するリリース工程において構造体12をリリースする際に除去される犠牲層となる。構造体12は、例えば、半導体基板10の表層部に形成された下部電極10nに導電接続した構造とされる。
この下部電極10nは、例えば以下のプロセスにて形成される。まず、絶縁層11上にフォトレジストが塗布され、このフォトレジストが所定の形状にパターニングされて一部が開口され、そのレジスト開口を通して半導体基板10にP(りん)イオンが注入されることにより、半導体基板10の表層部に例えばn型の下部電極10nが形成される。次に、フォトレジストが除去された後、再度フォトレジストが塗布され、下部電極10nの上方の絶縁層11の一部を除去するためにパターニングが行われる。そして、絶縁層11の一部が下部電極13までエッチングされ、開口部11aが形成されてから、フォトレジストが除去される。次に、その上から、ポリシリコンからなる層がCVD法等によって形成され、これをパターニングすることによって上記の構造体12が形成される。このとき、絶縁層11の開口部11a内にもポリシリコンが充填されることにより、構造体12は下部電極10nに導電接続される。
なお、上記基板10としてSOI(Silicon On Insulator)基板を用いてもよい。また、構造体12の構造や製造工程は様々であり、図示例や上記説明に限定されるものではない。構造体12の構造としては、図示例のように板状体の直下に支持部を有するもの以外に、基板10の表面に沿って延在する梁状の支持部を有するものであってもよい。
構造体12上には、SiO等からなる層間絶縁膜13がCVD法やスパッタリング法等により形成され、さらにその上に、スパッタリング法や蒸着法等により金属材料が積層され、パターニングされることによって配線14を形成する。配線14はAl、Cuなどからなり、半導体基板10に設けた下部電極10n、或いは、半導体基板10に設けられた図示しない各種の半導体回路(CMOS構造等、図示せず。)と接続されている。
配線14上にはSiO等からなる層間絶縁膜15が形成される。この層間絶縁膜15は上記層間絶縁膜13と同様の素材により同様の方法で形成することができる。その後、層間絶縁膜15上に図示しないフォトレジストよりなるレジストマスクを形成した後、エッチング等によって層間絶縁膜15をパターニングする。このパターニング工程では、図1(b)に示すように、層間絶縁膜15に開口部15aを形成し、下層に配置された配線14の一部を露出するスルーホールとする。また、この工程では、開口部15aの形成と同時に、構造体12上にある層間絶縁膜13、15の部分を除去し、開口部15b及び凹部13bを形成する。
この場合、層間絶縁膜13についても開口部を形成することで、構造体12を露出させるようにしてもよいが、本実施形態では、層間絶縁膜13の厚みの一部を残すことにより、構造体12が露出せず、層間絶縁膜13の厚みの一部で覆われ、保護されるように構成している。このようにすると、最終のリリース工程に至るまでの間において、構造体12がエッチング液や外気に曝されないため、構造体12の損傷や汚染を防止することができる。上記のように残された絶縁膜の厚みは、後述するリリース工程が行われる前の時点で0.1〜0.5μm程度となるように設定することが好ましい。これは、リリース工程より前のパターニング工程におけるエッチング処理のばらつきを考慮し、確実に構造体12が絶縁膜によって被覆された状態とするためである。
上記のパターニング工程では、開口部15aが配線14に到達すると、配線14の材質によってエッチングが停止するのに対して、開口部15bではそのままエッチングが進行することにより、開口部15bによって形成される凹部の深さを開口部15aとは別に設定することができ、例えば、層間絶縁膜15の厚みを超えて上記の凹部13bを形成するように構成でき、さらに、凹部13bの深さを適宜に設定することも可能になる。
なお、このパターニング工程の後、表面上にSOG膜等を形成し、その後、このSOG膜をエッチングによって除去するといった平坦化プロセスを実施してもよい。
次に、図1(c)に示すように、上記層間絶縁膜15上にさらに配線16を形成する。この配線16は、上記配線14と同様の素材で同様の方法により形成することができる。配線16は上記開口部15a内にも形成され、これによって配線16が開口部15aを通して配線14と導電接続される。
その後、図2(d)に示すように、配線16上に、窒化シリコンからなる保護膜(パッシベーション膜)17を形成する。保護膜17はCVD法やスパッタリング法等によって形成できる。本実施例にて使用した窒化シリコンはシリコンナイトライド(Si)である。シリコンナイトライド(Si)で構成される保護膜17は、例えば、プラズマCVDを用いて形成することが好ましい。
次に、図2(e)に示すように、保護膜17をパターニングして、開口部17aと同時に開口部17bを形成する。この開口部17aは、配線16と、図示しない上層の配線、ボンディングワイヤ、突起電極、半田ボール等との間の導通をとるためのスルーホールである。また、開口部17bは、構造体12上にある保護膜17の部分を除去することによって形成される。このパターニング工程は、窒化シリコンのエッチング特性を勘案すると、ドライエッチング、特に、反応性ドライエッチングで行うことが好ましい。例えば、CF4等のエッチングガスを用いた異方性エッチングを用いることが好ましい。
上記の開口部17bを形成する工程では、保護膜17のうち、下層の絶縁膜13,15の開口部15b及び凹部13bに臨む端縁(すなわち、構造体12側の端縁)13e,15eを被覆する部分を残す態様で、開口部17bが形成されている。すなわち、上層の絶縁膜である保護膜17においては、構造体12上が配置される空間に臨む端縁17eが、下層の絶縁膜である層間絶縁膜13,15の端縁13e,15eよりも内側(構造体12側)にずれた位置に配置される。そして、その結果、保護膜17の端縁17eが層間絶縁膜13,15の端縁13e,15eに沿って下方に延在している。
上記のように構成されると、保護膜17の端縁17eが二層の層間絶縁膜13と15の間の界面Pを覆っていることとなる。また、上層の絶縁膜である保護膜17は、下層の絶縁膜である層間絶縁膜15の端縁15eを完全に被覆してさらに下方に延在しているため、保護膜17と層間絶縁膜15の間の界面Qに沿った、構造体12が配置された空間から配線16までの距離が長く構成されることとなる。
なお、上記の絶縁膜の形成工程、パターニング工程、配線の形成工程は、必要に応じて複数回繰り返し行うことができる。通常、CMOS回路等を形成する半導体基板には、3層以上の配線が基板上に形成される。このように複数の配線が層間絶縁膜を介して積層される場合でも、各絶縁膜のパターニング工程においてそれぞれ構造体12上にある部分を除去することにより、別途、ウインドウ開口工程を設ける必要がなくなる。また、ウインドウ開口工程を別途設ける場合でも、その工程時間を短縮することができるという利点がある。
その後、図3(f)に示すように、フッ化水素酸を含むエッチング液(BHF)等によってウエットエッチングを行い、構造体12の周囲に配置された層間絶縁膜13及び構造体12の下層に配置された絶縁層11を除去し、構造体12を基板10からリリースさせる。すなわち、このリリース工程では、開口部15b及び開口部17b並びに凹部13bによって構成される窓部の内部に露出した絶縁膜をエッチングして、構造体12を基板10の表面及び周囲から離間させ、構造体12に本来の動作ができるように構成する。
上記のウエットエッチングは基本的に等方性のエッチング処理となるので、構造体12の周囲や下層だけでなく、上記窓部の内部壁面もエッチングされる。このとき、保護膜17の端縁17eが層間絶縁膜13,15の端縁13e,15eを内側から覆っているので、保護膜17の端縁17eによって層間絶縁膜13,15の端縁13e,15eが保護される。特に、保護膜17は窒化シリコンで構成されるため、酸化シリコンで構成される層間絶縁膜13,15よりもエッチング液によるエッチングレートが大幅に低いことから、保護膜17の端縁17eはこのリリース工程中において層間絶縁膜13,15の端縁13e,15e上に残留し続ける。
また、保護膜17の端縁17eは、その下層に設けられた二層の絶縁膜である層間絶縁膜13と15の界面Pを被覆しているので、このリリース工程において直接に界面Pに沿ってエッチング液が配線14に向けて侵入するといったことを防止できる。すなわち、保護膜17の端縁17eは、界面Pよりさらに下方に延在しているため、エッチング液は、界面Pに到達する前に、保護膜17の端縁17eと層間絶縁膜13の端縁13eとの界面を通過しなければならないことから、界面Pへのエッチング液の侵入の可能性が低減され、また、界面Pに侵入したとしてもその侵入深さが低減される。したがって、配線14の損傷を防止することができる。
さらに、保護膜17の端縁17eは、その下層に配置された層間絶縁膜15の端縁15eを完全に覆ってさらに下方に伸びているため、保護膜17と層間絶縁膜15の界面Qに沿った、空間Sから配線16までの距離を長くすることができる。よって、界面Qに沿ったエッチング液の侵入深さをも低減することができ、界面Qに沿ってエッチング液が侵入して配線16に損傷を与えることを防止できる。
このリリース工程を行うことにより、構造体12は上記開口部15b、17b及び当該工程で形成された開口部13cによって形成された空間S内に配置されることとなる。この空間Sは、基板10上に形成され、構造体12を本来の動作が可能となるように構成する空間である。
最後に、図3(g)に示すように、保護膜17の開口部17b上に封止材18を形成することにより、上記空間Sを密閉する。封止材18はアクリル樹脂やシリコーン樹脂等の合成樹脂、無機ガラス等の無機化合物等で構成される。この場合、構造体12の動作態様が気体(空気或いは大気)の影響を受けやすいものであるときには、空間Sは減圧され若しくは真空とされた状態で密閉される。なお、この工程は、構造体12の動作に支障がなければ省略することができる。
なお、上記の各パターニング工程では、等方性エッチングと異方性エッチングのいずれかを適宜に選定して用いることができ、また、ウエットエッチングとドライエッチングを適宜に選定して用いることができる。ドライエッチングでは一般にフッ素系あるいは塩素系のエッチングガスが用いられる。
本実施形態のMEMS素子の製造方法によれば、絶縁膜の構造体12上の部分を各絶縁膜のパターニング工程において同時に除去することで、専用のウインドウ開口工程を省略したり、或いは、ウインドウ開口工程の時間を短縮したりすることができるので、製造時間の低減及び製造コストの低減を図ることができる。
一方、構造体12のリリース工程では、保護膜17の端縁17eは、層間絶縁膜13と15の端縁13e,15eを覆っているため、これらの端縁13e,15eがエッチングされることを低減することができる。また、保護膜17の端縁17eは界面Pを覆っているため、界面Pに沿ったエッチング液の侵入を防止でき、配線14の損傷を防止できる。さらに、保護膜17の端縁17eは層間絶縁膜15の端縁15eを覆って下方に延在しているので、界面Qに沿った空間Sから配線16までの距離を増大できるため、界面Qに沿ったエッチング液の侵入深さをも低減でき、配線16の損傷を防止できる。
特に、保護膜17は窒化シリコンで構成されることにより、リリース工程におけるエッチングレートが小さいことから、より確実に配線14,16への影響を防止できるため、MEMS素子の信頼性を大幅に高めることができる。なお、窒化シリコンを用いることで耐湿性も良好となるため、素子の信頼性をさらに向上させることができる。
なお、層間絶縁膜13,15のパターニングを等方性エッチングで行うことにより、エッチングされた層間絶縁膜13,15の構造体12側の側壁を斜面状に形成できるため、保護膜17の形成時(成膜時)におけるステップカバレッジ(段差被覆性)の向上を図ることができる。これは、保護膜17による上記被覆効果をさらに高める役割を果たす。
なお、本発明のMEMS素子は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本実施形態で構造体12をポリシリコンで形成したが、CMOSトランジスタにおけるシリサイド化された他のゲート電極材料を用いるなど、他の素材で構成することができ、他の構成と同じプロセスで同時に形成することもできる。
また、本実施形態では半導体基板(シリコン基板)を用いているが、ガラス基板、ダイヤモンド基板、サファイア基板、セラミック基板等の他の基板を用いることも可能である。
さらに、本発明の実施形態において、MEMSを構成する構造体12を簡略化して示したが、例えば、MEMS共振器を構成する場合には、構造体12と対向する電極構造を設け、構造体12に、撓み振動、縦振動等を生じさせることができる。また、構造体12を静電アクチュエータとなるように構成してもよい。また、構造体12の撓み振動等の変化を検出することによるジャイロセンサ、加速度センサを構成するようにしてもよい。
実施形態の製造工程を示す概略工程断面図(a)、(b)及び(c)。 実施形態の製造工程を示す概略工程断面図(d)及び(e)。 実施形態の製造工程を示す概略工程断面図(f)及び(g)。 比較例の製造工程を示す概略工程断面図(a)、(b)及び(c)。
符号の説明
10…基板、10n…下部電極、11…絶縁層(犠牲層)、12…構造体、13、15…層間絶縁膜(絶縁膜)、14、16…配線、17…保護膜(絶縁膜)、15a、17a…開口部、13c、15b、17b…開口部、13b…凹部、13e,15e,17e…端縁、S…空間

Claims (2)

  1. 基板と、開口部が形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に配置された配線と、前記開口部内部領域の前記基板上に形成された構造体と、を有するMEMS素子の製造方法において、
    少なくとも一部が犠牲層上に形成された態様で前記構造体を前記基板上に形成する工程と、
    前記構造体上の領域を含んで前記絶縁膜である第1絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1絶縁膜上に前記配線である第1配線を形成する工程と、
    前記第1絶縁膜上および前記第1配線上に第2絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2絶縁膜に前記第1配線を露出するスルーホールをエッチングにて形成し、かつ、前記構造体の上方に前記第2絶縁膜の開口部および前記第1絶縁膜の凹部をエッチングにて形成する工程と、
    前記スルーホール内および前記第2絶縁膜上に第2配線を形成する工程と、
    前記第1絶縁膜の凹部、前記第2絶縁膜の開口部、前記第2絶縁膜の上面および前記第2配線を覆う窒化シリコン膜を形成する工程と、
    前記構造体の上方に前記窒化シリコン膜の開口部をエッチングにて形成する工程と、
    前記第1絶縁膜に開口部を形成し、かつ、前記犠牲層を除去して前記構造体をリリースする工程と、を有し、
    前記窒化シリコン膜の開口部の端縁は、前記第2絶縁膜と前記第1絶縁膜の界面の開口部の端縁よりも構造体側であることを特徴とするMEMS素子の製造方法。
  2. 前記窒化シリコン膜の開口部をエッチングにて形成する工程はドライエッチングにより行われ、前記構造体をリリースする工程はウエットエッチングにより行われることを特徴とする請求項1に記載のMEMS素子の製造方法。
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