JP5408363B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵角と操舵輪の舵角との関係をドライバの操舵入力から独立して変化させることが可能な、例えばVGRS(Variable Gear Ratio Steering:ステアリングギア比可変装置)やARS(Active Rear Steer:後輪舵角可変装置)等の舵角可変手段と、ドライバ操舵トルクをアシスト可能な、例えばEPS(Electronic controlled Power Steering:電子制御式パワーステアリング装置)等のアシスト手段とを備えた車両等に適用可能な、車両の操舵制御装置の技術分野に関する。
この種の車両において、舵角可変手段に対する電力供給源として機能するバッテリの電圧低下に対処するものがある(特許文献1参照)。特許文献1に開示された車両用操舵制御装置によれば、バッテリの電圧が所定の駆動手段固定電圧以下になったことが検出されたときに、駆動手段としてのVGRSの回転角が固定される。また、その後のハンドル切り戻し検出時において、駆動手段の回転角固定時に発生した、ハンドル(ステアリングホイルとも称される)における中立位置と車両直進位置とのずれが補正される。このため、バッテリの負荷を抑えつつハンドルにおける中立位置と車両直進位置とのずれを補正することができるとされている。
尚、電力が確保されている状態であるイグニッションオフ時からエンジン停止時までの期間において左右車輪について中立位置復帰を行うものも提案されている(特許文献2参照)。
また、電圧低下時において、EPSの出力を多段階で抑制するものも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2010−208490号公報 特開2010−018177号公報 特開2005−343323号公報
舵角可変手段によれば、ドライバのハンドル操作角(ハンドルの回転角)である操舵角に対して、例えばモータやアクチュエータ等を通じて所望の舵角変化を与えることができる。また通常、このようにして与えられた舵角変化は、切り込み時と切り戻し時で相殺されるから、ハンドルが中立位置に戻された状態では、操舵輪の舵角もまた車両を直進走行させる舵角中立点に戻る。即ち、ハンドルの中立位置と、操舵輪の中立位置とは相互に一致している。
ところが、バッテリの電圧低下時においては、例えばハンドル切り込み時に舵角変化を与えた後でモータやアクチュエータ等の駆動力が不足して、切り戻し時に当該舵角変化を十分に元に戻せない場合がある。このような事態が生じると、切り込み時と切り戻し時とで舵角変化の収支がゼロとならず、しばしばハンドルの中立位置と操舵輪の中立位置との不一致が生じ得る。
このような不一致は、バッテリが十分な電圧を供給できない期間が長い程、その規模が大きくなる可能性があるから、特許文献1に開示される装置のように、電圧低下検出時に操舵角と舵角との関係に可変性を付与するモータやアクチュエータ等の回転をロックしてしまうのも、事態の進行を食い止める観点から言えば一つの有効策である。
ところが、特許文献1に開示された装置では、舵角可変手段の回転をロックすることによりそれ以上のずれの発生は抑止される一方で、既に崩れてしまっているハンドルの中立位置と操舵輪の中立位置との関係は、ハンドルが切り戻されるまで修復されない。従って、車両は、ハンドルの中立位置と操舵輪の中立位置との関係が崩れた状態で暫時の走行を余儀なくされる。
このように双方の中立位置が相互に一致しない状態では、ドライバが車両を直進させる意思を持ってハンドルを中立位置に維持しているにもかかわらず操舵輪に相応の舵角変化が残存することから、車両が偏向し、車両運動がドライバの感覚と一致しなくなる。その結果、ドライバが違和感を抱いたまま操舵操作を継続する必要が生じて操舵フィーリングが悪化する。
即ち、特許文献1に開示される装置には、舵角可変手段を搭載する車両において、バッテリ電圧低下時における操舵フィーリングに未だ改善の余地がある。
特に、このようなバッテリ電圧の低下は、操舵システムとして、この種の舵角可変手段とバッテリを共用するEPS等の操舵トルクアシスト手段を搭載する車両においては、その発生頻度が相対的に高くなる。従って、この種の車両では、係る操舵フィーリング改善の必要性がより一層高くなる。
尚、特許文献2に開示された装置は、車両走行中にバッテリ電圧が低下した場合の対処に関して示唆を与えるものではなく、このような問題が同様に生じ得る。
また、特許文献3に開示された装置は、電圧低下時におけるEPSの駆動方法について示唆を与えるが、バッテリ電圧低下時のVGRSの制御方法については何ら規定されておらず、上述した問題を解決に導くことはできない。
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、舵角可変手段と操舵トルクアシスト手段とを備えた車両において、バッテリの電圧低下時における操舵フィーリング悪化の度合いを緩和し得る車両の操舵制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の操舵制御装置は、ハンドルの回転角たる操舵角と操舵輪の舵角との関係を変化させることが可能な舵角可変手段及びドライバ操舵トルクをアシスト可能な操舵トルクアシスト手段を少なくとも含む操舵システムと、前記操舵システムに対し電力を供給する電力供給源とを備えた車両における操舵制御装置であって、前記電力供給源における前記電力の供給能力を特定する供給能力特定手段と、前記操舵システムの消費電流値を特定する消費電流特定手段と、前記特定された供給能力が基準に対して低下した場合において、前記特定された消費電流値が前記操舵システムの最大許容電流値より大きい場合に、前記操舵トルクアシスト手段の電流消費を制限する制限手段と、前記操舵トルクアシスト手段の電流消費が制限された状態において、前記ハンドルの中立位置と前記操舵輪の中立位置とが一致するように前記舵角可変手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする(請求項1)。
本発明に係る車両の操舵制御装置は、舵角可変手段及び操舵トルクアシスト手段を含む操舵システム並びにこれらに電力を供給する電力供給源を備えた車両に搭載され、好適な一形態としてコンピュータ装置やプロセッサ等を含み、また必要に応じてメモリやセンサ等を適宜備えて構成される。
舵角可変手段とは、操舵角(ハンドルの回転角を意味する)と操舵輪の舵角との関係を多義的に変化させ得る手段であって、好適には、VGRS等の前輪に関する舵角可変装置やARS等の後輪に関する舵角可変装置、或いはSBW(Steer By Wire:電子制御式舵角可変装置)等の各種バイワイヤ装置を意味する。
操舵トルクアシスト手段とは、ドライバがハンドル等の操舵入力手段を介して与える操舵トルク(即ち、ドライバ操舵トルク)をアシストするためのアシストトルクを供給可能な手段であって、好適には、EPS等を意味する。尚、アシストトルクの供給先は多様であり、例えば、操舵輪がラックアンドピニオン機構等の各種操舵機構を経て操舵出力軸に連結され、且つ操舵出力軸と操舵入力軸との間に前述のVGRS等を備えた構成においては、このアシストトルクは、操舵出力軸の回転をアシストするために使用されても、ピニオンギアの回転をアシストするために使用されても、ラックバーの直線運動をアシストするために使用されてもよい。
尚、アシストトルクは、ドライバ操舵トルクと同一方向にも、反対方向にも作用させ得るトルクである。ドライバ操舵トルクと同一の方向に作用した場合には、アシストトルクは運転者の操舵負担を軽減することができ(狭義のアシストである)、ドライバ操舵トルクと反対の方向に作用した場合には、アシストトルクは運転者の操舵負担を重くする或いは運転者の操舵方向と逆方向にハンドルを操作することができる(広義にはこれもアシストの範疇である)。
また、アシストトルクの制御目標は、操舵機構の慣性特性に対応した慣性制御項や操舵機構の粘性特性に対応したダンピング制御項等、複数の制御項の加算値として設定されてもよく、この場合、各制御項の制御態様、例えば、各種ゲインの設定態様等に応じて、多様な操舵フィーリングを実現することができる。
更に、アシストトルクは、操舵輪から操舵入力手段(端的には、ハンドル)へ伝達される操舵反力(端的には、操舵輪のキングピン軸回りに作用するセルフアライニングトルクに起因する反力である)を打ち消す向きに作用させれば、当該操舵反力を軽減又は相殺することもできる。
これらに電力を供給する電力供給源とは、好適な一形態としては、例えば正常時の無負荷電圧が概ね12V程度の車載用バッテリ装置や、当該バッテリ装置に発電電力を供給し得る、或いは当該バッテリ装置を介することなく各種電装補機類に直接電力を供給し得る、オルタネータ等の発電手段等を意味する。或いは、車両用動力源として内燃機関に替えて又は加えて、モータやモータジェネレータ等の各種回転電機を備えてなるEV(Electric Vehicle:電気走行車両)或いはハイブリッド車両等においては、当該回転電機から走行用動力を供給するために専用に設置された、セル電圧数V程度の二次電池セルを数百個繋げて得られる無負荷電圧数百Vの二次電池装置等であってもよい。
本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、電力供給源における電力の供給能力が特定され、また操舵システムの消費電流値が特定される。尚、「特定」とは、検出、算出、導出、推定、同定、選択及び取得等、最終的に参照値として確定させることを広く包括する概念である。電力供給源における電力の供給能力は、電力供給源の劣化状態、温度状態或いは負荷状態等に応じて変化し、操舵システムの消費電流値は、車両の走行条件や操舵システムの駆動条件に応じて変化する。
尚、「電力の供給能力」とは、必ずしも一義的に明確な物理量を意味するものではないが、少なくとも、「供給能力が低い」場合には「供給能力が高い」場合と較べて電力供給源を利用するデバイス(操舵システムを含む)の駆動又は稼動が相対的に制限され易い。係る点において、「電力の供給能力」が表す技術的な意義は明確であり、当業者においても十分に理解されるところであろう。このような意味合いとしての供給能力は、例えば、電力供給源の無負荷電圧値、供給電圧値、供給電流値、蓄電量、充電量、放電量或いは充放電収支等に基づいて、二値的に(即ち、端的には、供給能力が「高い」か「低い」か)又は多段階に規定することができる。或いは、連続的に変化し得る(即ち、シームレスな)指標値又は関数として規定することができる。
操舵システムは無論、電力供給源が正常な動作範囲で動作していれば実践上問題無く動作し得るが、電力供給源における上述した電力の供給能力が基準以下となる場合には、操舵システムの消費電流値によっては一部の装置の動作に支障をきたす可能性がある。尚、このような「基準」は、操舵システムを実践上問題なく動作させ得るか否か等といった観点から、予め実験的に、経験的に又は理論的に定めておくことができる。或いは予め実験的に、経験的に又は理論的に定められた設定プロセスに基づいて適宜設定することができる。
ここで、このように電力供給手段の供給能力が基準に対して低下した場合においては、操舵システムの消費電流値によっては、操舵システム或いは電力供給源の保護への配慮から、操舵システムの動作を一部制限する必要が生じ得る。
具体的な事例を挙げれば、操舵システムの消費電流値が、その時点で操舵システムが使用を許可された(このような許可は、例えば機械的構成によっても、電気的制御態様によっても与えることができる)最大許容電流値よりも大きい場合には、舵角可変手段又は操舵トルクアシスト手段或いはその両方が、想定された性能を発揮できない可能性がある。とりわけ舵角可変手段が過負荷状態に陥ると、既に何某かの舵角変化が与えられている状況においては、先に述べたようなハンドルの中立位置と操舵輪の中立位置との不一致が生じ得る。
ここで特に、操舵トルクアシスト手段と舵角可変手段との間のプライオリティを考えた場合、舵角可変手段が非稼動であってもハンドル操作によって操舵輪の舵角変化が得られる点と、操舵トルクのアシスト無しにハンドルを操作する際のドライバ負担の大きさとを考慮すれば、操舵トルクアシスト手段の動作を優先すべきとの判断が、妥当性を伴って成立し得る。
ところが、この種の電圧低下が生じた時点で既に中立位置の不一致が生じているとすると、例えば車両停止時やハンドル切り戻し時に中立位置の調整がなされるにせよ、相応の期間にわたり中立位置が不一致のままであるため、先に述べたように操舵フィーリングの低下が避け難い。
そこで、本発明に係る車両の操舵制御装置は、供給能力特定手段により特定された電力供給源における電力の供給能力が基準に対して低下した場合において、消費電流特定手段により特定された消費電流値が操舵システムの最大許容電流値より大きい場合に、制限手段の作用により先ず操舵トルクアシスト手段の電流消費が制限される構成となっている。また、このような、操舵トルクアシスト手段の電流消費に係る制限がなされた状態において、制御手段の作用により、ハンドルの中立位置(即ち、操舵角中立点)と操舵輪の中立位置(舵角中立点)とが一致するように舵角可変手段が制御される構成となっている。即ち、端的に言えば、本発明に係る車両の操舵制御装置では、一時的に操舵トルクアシスト手段の動作が制限され、舵角可変手段を確実に作動させ得る電力が確保されることにより、ハンドルの中立位置と操舵輪の中立位置との整合が優先される。
従って、本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、ハンドルの中立位置と操舵輪の中立位置とが一致しないままで車両が走行を余儀なくされることがなく、ドライバに快適な操舵フィーリングを提供することが可能となるのである。
本発明に係る車両の操舵制御装置の一の態様では、前記供給能力特定手段は、前記電力供給源の供給電圧値に基づいて前記供給能力を特定する(請求項2)
この態様によれば、電力供給源における電力の供給能力と高い相関を有する供給電圧値に基づいて、当該供給能力を迅速且つ正確に特定することが可能となる。
ここで、この態様においては、上述した供給能力に係る「基準」を、この供給電圧値に対して設定され得る基準電圧値によって代替的に定義することが出来る。この際、「基準電圧値」とは、予め把握された正常時の無負荷電圧値であってもよいが、実践的に見れば、電力供給源にはその内部抵抗により操舵システムの消費電流値に応じた電圧降下が生じるから、少なくとも正常時の無負荷電圧値に対し、操舵システムの最大消費電流値(このような値は仕様上定まり得る)に応じた程度の電圧降下は、正常な動作範囲においても生じ得る。この点に鑑みれば、基準電圧値とは、正常時の無負荷電圧値からこの種の電圧降下分を差し引いた値としてもよい。
尚、操舵システムを構成する舵角可変手段及び操舵トルクアシスト手段には、夫々設計上又は仕様上の作動保証電圧を規定することができる。作動保証電圧とは、電力供給源の正常時の無負荷電圧値よりも低い電圧であって、且つ操舵システムの予め想定された使用範囲に属する駆動条件に実践上十分に対応可能な電圧であり、少なくとも、操舵トルクアシスト手段を即時停止させるべきものとして規定された操舵トルクアシスト手段用の保護設定電圧値と、舵角可変手段を即時停止させるべきものとして規定された舵角可変手段用の保護設定電圧値とのうち高い方の値よりも高い電圧値とされる。より望ましくは、上記相対的に高い保護設定電圧値に対し、上述した内部抵抗に起因する電圧降下分以上(例えば、安全側へのマージンを含んでもよい)高い電圧値である。供給電圧値に係る基準電圧値とは、このような技術的意味合いを有する作動保証電圧値であってもよい。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記供給能力特定手段は、前記電力供給源の充放電収支に基づいて前記供給能力を特定する(請求項3)。
この態様によれば、電力供給源における電力の供給能力と高い相関を有する電力供給源の充放電収支に基づいて、当該供給能力を迅速且つ正確に特定することが可能となる。より具体的には、充放電収支が負側に傾いている状況(放電過多)では、電力供給源の供給能力は低いと言えるし、充放電収支がプラスマイナスゼロ或いは正側に傾いている状況(充電過多)では、電力供給源の供給能力は高いと言えるのである。
尚、電力供給源の充放電収支とは、電力供給源を各種バッテリとした場合には、当該バッテリにおける入力電力と出力電力との差分と一義的な関係を有し得る。また、バッテリに加えてオルタネータを電力供給源の一部と考えれば、オルタネータの発電電力と、バッテリの放電電力との差分と一義的な関係を有し得る。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記舵角可変手段は、前記関係を一義的に固定するロック機構を備えており、前記制御手段は、前記ハンドルの中立位置と前記操舵輪の中立位置とを一致させた後に、前記関係が一義的固定されるように前記ロック機構を制御する(請求項4)。
この態様によれば、ロック機構の作用により、中立位置の一致化がなされた後に舵角可変手段がロック状態となるため、それ以降、ロック状態が解除されるまで、操舵角と舵角との関係が一義的に高い信頼性を伴って物理的に固定される。従って、操舵フィーリングの低下抑制に係る効果と共に、舵角可変手段の物理的保護を好適に図ることができる。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記制限手段は、前記最大許容電流値に応じて前記電流消費を制限する(請求項5)。
制限手段が操舵トルクアシスト手段の電流消費を制限するに際しての実践的態様は、概念的にみれば、ハンドルの中立位置と操舵輪の中立位置とを一致させるための電流が確保される限りにおいて比較的自由であってよいが、操舵トルクアシスト手段によるドライバ操舵トルクアシストに係る効能に鑑みれば、その制限の度合いは小さい方が望ましい。
この態様によれば、定性的には、操舵システムに使用が許可される最大許容電流値が大きい程制限は緩和され、最大許容電流値が小さい程制限の度合いは大きくなる。従って、中立位置の一致化に係る措置を遅滞なく進行させ得る範囲で、アシストトルクによるドライバ操舵トルクのアシストを可及的に継続することができる。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記舵角可変手段は、前輪を前記操舵輪とする前輪舵角可変手段と、後輪を前記操舵輪とする後輪舵角可変手段とを含み、前記制御手段は、前記前輪舵角可変手段と前記後輪舵角可変手段とのうち、前記ハンドルの中立位置に対する前記操舵輪における前記操舵輪の中立位置からのずれ量が大きい一方を優先して制御する(請求項6)。
この態様によれば、車両は舵角可変手段として前輪舵角可変手段と後輪舵角可変手段とを備える。このような構成では、操舵システムの消費電流値が最大許容電流値を上回る場合において、中立位置の一致化に係る措置をいずれの舵角可変手段から先に実行するかが重要な意味を有し得る。例えば、一方の舵角可変手段に対する当該措置を先んじる方が、他方に対する当該措置を先んじるよりもドライバのフィーリングをより良好ならしめ得るとすれば、当該一方に対する当該措置を先んじる合理的理由となり得るのである。
この態様によれば、ハンドルの中立位置と操舵輪の中立位置との乖離量(即ち、ステアリングオフセンタ角)が大きい方の舵角可変手段から優先して中立位置の一致化に係る措置が開始される。従って、ドライバの感覚に即さない車両の偏向を最小限に留め、操舵フィーリングの低下を可及的に抑制することが可能となる。
尚、この態様においては、ハンドルの中立位置に対する、操舵輪の中立位置からのずれ量がその都度算出されてもよいが、より簡易な構成としては、前輪舵角可変手段と後輪舵角可変手段とのうち、最大舵角制御時においてハンドルの中立位置に対する操舵輪の中立位置からのずれ量の大きい方の手段が、予め優先対象として設計段階や実験段階で定められていてもよい。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記車両は、内燃機関及びオルタネータを備え、前記最大許容電流値は、車速、外気温、前記内燃機関の機関回転速度又は前記オルタネータの発電量に応じて可変である(請求項7)。
最大許容電流値とは、物理的、電気的又は制御上の制約等から操舵システムにその時点で使用が許可される電流の値である。従って、必ずしも固定値ではなく、望ましくは可変な値である。特に、例えば電気駆動型の制動システムを有する車両においては、高車速域程、車両を制動するために必要な電力値が大きくなる(例えば、ブレーキアクチュエータの電気駆動型ポンプの駆動電力が相対的に多く必要となる)。また、一般的に、電力供給源は、外気温が高過ぎても低過ぎても性能低下(例えば、充放電効率や充放電速度の低下)が生じ易い。また、このような性能低下を生じない常用域においても、外気温が高い場合にはエアコンディショナの消費電力が大きくなり易く、その分最大許容電流値は制限され易い傾向にある。
更に、車両が、内燃機関と、この内燃機関の機関回転速度に応じた規模の発電を行い得るオルタネータとを備えた構成においては、オルタネータの発電電力を操舵システムの駆動電力として流用することができる。或いは、オルタネータの発電電力を電力供給源の充電に供することができる。また、オルタネータを、本発明に係る「電力供給源」の一種と考えることもできる。従って、オルタネータの発電量が相対的に大きい状況においては、オルタネータの発電量が相対的に小さい状況と較べれば、電力供給源の一供給能力に対して、最大許容電流値をより高く設定することができる。
これらの点からして、最大許容電流値を車速、外気温、機関回転速度又はオルタネータの発電量に応じて可変とする構成によれば、中立位置の一致化に係る措置の必要性をより正確に見極め得ると共に、操舵トルクアシスト手段を、その時点の車両の走行条件に即してより精細に制限することができ、効率的に操舵フィーリング低下抑制に係る効果を得ることができる。
本発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記車両は、前記電力供給源を前記操舵システムと共有する制動システムを備え、前記最大許容電流値は、前記操舵システムと前記制動システムを少なくとも含むシャシーシステム全体で使用可能な電流値から前記制動システムが使用する電流値を差し引いた値である(請求項8)。
この態様によれば、例えばECB(Electronic Controlled Braking system:電子制御式制動装置)等の制動システムが車両に備わっており、電力供給源を操舵システムと共有する構成を採る。
この制動システムと操舵システムとを含むシャシーシステム全体で使用可能な電流値は、例えば車両設計時等に策定された値を用いることも、車両の走行制御上適宜変化する値として決定することもできるが、制動システムと操舵システムとを比較すると、車両の安全性をより厚く確保する観点からは、制動システムへの電力供給を優先すべきであると考えられる。
この態様によれば、そのような観点から、シャシーシステム全体で使用可能な電流値から制動システムが使用する或いは要求する電流値を差し引いた値が、操舵システムに許可される電流値とされる。このため、車両の制動性が確実に担保され、車両全体としての挙動制御のバランスが好適に維持される。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1の車両におけるVGRSアクチュエータの簡易断面図である。 図1の車両における電力供給系統のブロック図である。 図1の車両においてなされる操舵システム制御処理のフローチャートである。 図4の操舵システム制御処理における中立位置ロック処理のフローチャートである。 図4の操舵システム制御処理の特徴を視覚的に表した図である。
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照して本発明の車両の操舵制御装置に係る各種実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の基本的な構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRの各車輪を備え、このうち操舵輪である左前輪FL及び右前輪FRの舵角変化と、左後輪FL及び右後輪FRの舵角変化によって所望の方向に進行することが可能な構成となっている。
車両10は、ECU100、エンジン200、駆動力分配装置300、VGRSアクチュエータ400、EPSアクチュエータ500、ECB600及びARSアクチュエータ700を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、車両10の動作全体を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の操舵制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する操舵システム制御処理を実行可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「供給能力特定手段」、「消費電流特定手段」、「制限手段」及び「制御手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
エンジン200は、車両10の動力源として機能する、本発明に係る「内燃機関」の一例である。尚、本発明に係る「内燃機関」とは、燃料の燃焼に伴う熱エネルギを運動エネルギに変換して、最終的に動力軸(例えばクランク軸)の回転として取り出し可能な機関を包括する概念である。従って、本発明の内燃機関における、例えば、燃料種別、燃料の供給態様、燃料の噴射態様、吸排気系の構成、動弁系の構成、排気浄化装置の態様、過給の有無、気筒数及び気筒配列等は自由である。
尚、ECU100は、エンジン200の動作制御上必要となる各種のセンサからのセンサ出力を一定又は不定の周期で取得可能に構成される。この種のセンサには、例えば、空燃比を検出する空燃比センサ、冷却水温を検出する水温センサ、クランク軸の回転位置を検出するクランクポジションセンサ、スロットルバルブの回転位置を検出するスロットルポジションセンサ及び吸入空気量を検出するエアフローメータ等が含まれる。また特に、ECU100は、クランクポジションセンサのセンサ出力を随時時間処理することによって、エンジン200の機関回転速度NEを算出することができる(NEセンサ等のセンサが備わる場合には、そのセンサ出力を取得するだけでもよい)。
尚、本発明に係る車両の動力源は、燃料の燃焼を機械的動力に変換して取り出し得る機関を包括する概念として各種実践的態様を有する内燃機関(エンジン200もその一例である)に限定されず、モータ等の回転電機であってもよい。或いは、車両は、これらが協調制御される所謂ハイブリッド車両であってもよい。エンジン200の駆動力出力軸たるクランク軸は、駆動力分配装置の一構成要素たるセンターデファレンシャル装置310に接続されている。尚、エンジン200の詳細な構成は、本発明の要旨との相関が薄いため、ここではその詳細を割愛する。
駆動力分配装置300は、エンジン200から前述のクランク軸を介して伝達されるエンジントルクTeを、前輪及び後輪に所定の比率で分配可能に構成されると共に、更に前輪及び後輪の各々において左右輪の駆動力配分を変化させることが可能に構成された装置である。駆動力分配装置300は、センターデファレンシャル装置310(以下、適宜「センターデフ310」と略称する)、フロントデファレンシャル装置320(以下、適宜「フロントデフ320」と略称する)及びリアデファレンシャル装置330(以下、適宜「リアデフ330」と称する)を備える。
センターデフ310は、エンジン200から供給されるエンジントルクTeを、フロントデフ320及びリアデフ330に分配するLSD(Limited Slip Differential:差動制限機能付き差動機構)である。センターデフ310は、前後輪に作用する負荷が略一定な条件下では、前後輪に対し分配比50:50(一例であり限定されない)でエンジントルクTeを分配する。また、前後輪のうち一方の回転速度が他方に対し所定以上高くなると、当該一方に対し差動制限トルクが作用し、当該他方へトルクが移譲される差動制限が行われる構成となっている。即ち、センターデフ310は、所謂回転速度感応式(ビスカスカップリング式)の差動機構である。
尚、センターデフ310は、このような回転速度感応式に限らず、入力トルクに比例して差動制限作用が大きくなるトルク感応式の差動機構であってもよい。また、遊星歯車機構により差動作用をなし、電磁クラッチの断続制御により差動制限トルクを連続的に変化させ、所定の調整範囲内で所望の分配比率を実現可能な分配比率可変型の差動機構であってもよい。いずれにせよ、センターデフ310は、前輪及び後輪に対しエンジントルクTeを分配可能な限り、公知非公知を問わず各種の実践的態様を採ってよい。
フロントデフ320は、センターデフ310によりフロントアクスル(前輪車軸)側に分配されたエンジントルクTeを、更に、左右輪に所定の調整範囲内で設定される所望の分配比率で分配可能な分配比率可変型のLSDである。フロントデフ320は、リングギア、サンギア及びピニオンキャリアからなる遊星歯車機構と、差動制限トルクを与える電磁クラッチを備え、この遊星歯車機構のリングギアにデフケースが、サンギア及びキャリアに夫々左右の車軸が連結された構成を採る。また、差動制限トルクは、電磁クラッチに対する通電制御により連続的に制御され、フロントデフ320の物理的電気的構成上定まる所定の調整範囲内で、トルクの分配比率が連続的に可変に制御される構成となっている。
フロントデフ320は、ECU100と電気的に接続されており、電磁クラッチへの通電制御もECU100により制御される構成となっている。従って、ECU100は、フロントデフ320の駆動制御を介して、所望の前輪左右制駆動力差(ここでは、駆動力差である)Fを生じさせることが可能である。尚、フロントデフ320の構成は、左右輪に所望の分配比率で駆動力(尚、トルクと駆動力とは一義的な関係にある)を分配可能な限りにおいて、ここに例示されるものに限定されず、公知非公知を問わず各種の態様を有し得る。いずれにせよ、このような左右駆動力配分作用は公知であり、ここでは、説明の煩雑化を防ぐ目的からここではその詳細については触れないこととする。
リアデフ330は、センターデフ310によりプロペラシャフト11を介してリアアクスル(後輪車軸)側に分配されたエンジントルクTeを、更に、左右輪に所定の調整範囲内で設定される所望の分配比率で分配可能な分配比率可変型のLSDである。リアデフ330は、リングギア、サンギア及びピニオンキャリアからなる遊星歯車機構と、差動制限トルクを与える電磁クラッチを備え、この遊星歯車機構のリングギアにデフケースが、サンギア及びキャリアに夫々左右の車軸が連結された構成を採る。また、差動制限トルクは、電磁クラッチに対する通電制御により連続的に制御され、リアデフ330の物理的電気的構成上定まる所定の調整範囲内で、トルクの分配比率が連続的に可変に制御される構成となっている。
リアデフ330は、ECU100と電気的に接続されており、電磁クラッチへの通電制御もECU100により制御される構成となっている。従って、ECU100は、リアデフ330の駆動制御を介して、所望の後輪左右制駆動力差(ここでは、駆動力差である)Fを生じさせることが可能である。尚、リアデフ330の構成は、左右輪に所望の分配比率で駆動力(尚、トルクと駆動力とは一義的な関係にある)を分配可能な限りにおいて、ここに例示されるものに限定されず、公知非公知を問わず各種の態様を有し得る。いずれにせよ、このような左右駆動力配分作用は公知であり、ここでは、説明の煩雑化を防ぐ目的からここではその詳細については触れないこととする。
車両10では、ハンドル12を介してドライバより与えられる操舵入力が、ハンドル12と同軸回転可能に連結され、ハンドル12と同一方向に回転可能な軸である、操舵入力軸としてのアッパーステアリングシャフト13に伝達される。アッパーステアリングシャフト13は、その下流側の端部においてVGRSアクチュエータ400に連結されている。
ここで、図2を参照し、VGRSアクチュエータ400の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、VGRSアクチュエータ400の簡易断面図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
VGRSアクチュエータ400は、ハウジング401、VGRSモータ402、ロック機構403及び減速機構404を備える。
ハウジング401は、VGRSモータ402、ロック機構403及び減速機構404を収容してなるVGRSアクチュエータ400の筐体である。ハウジング401には、前述したアッパーステアリングシャフト13の下流側の端部が固定されており、ハウジング401は、アッパーステアリングシャフト13と一体に回転することが可能である。
VGRSモータ402は、回転子たるロータ402a、固定子たるステータ402b及び駆動力の出力軸たる回転軸402cを有するDCブラシレスモータである。ステータ402bは、ハウジング401内部に固定されており、ロータ402aは、ハウジング401内部で回転可能に保持されている。回転軸402cは、ロータ402aと同軸回転可能となるようにロータ402aに固定されており、ロータ402aと一体に回転可能に構成されると共に、その下流側の端部が減速機構404に連結されている。
減速機構404は、差動回転可能な複数の回転要素(サンギア、キャリア及びリングギア)を有する遊星歯車機構である。この複数の回転要素のうち、第1の回転要素たるサンギアは、VGRSモータ402の回転軸402cに連結されており、また、第2の回転要素たるキャリアは、ハウジング401に連結されている。そして第3の回転要素たるリングギアが、操舵出力軸としてのロアステアリングシャフト14に連結されている。
このような構成を有する減速機構404では、ハンドル12の操作量に応じたアッパーステアリングシャフト13の回転速度(即ち、キャリアに連結されたハウジング401の回転速度)と、VGRSモータ402の回転速度(即ち、サンギアに連結された回転軸402cの回転速度)とにより、残余の一回転要素たるリングギアに連結されたロアステアリングシャフト14の回転速度が一義的に決定される。この際、回転要素相互間の差動作用により、VGRSモータ402の回転速度を増減制御することによって、ロアステアリングシャフト14の回転速度を増減制御することが可能となる。即ち、VGRSモータ402及び減速機構404の作用により、アッパーステアリングシャフト13とロアステアリングシャフト14とは相対回転可能に構成されている。また、減速機構404における各回転要素の構成上、VGRSモータ402の回転速度は、各回転要素相互間のギア比に応じて定まる所定の減速比に従って減速された状態でロアステアリングシャフト14に伝達される。
このように、車両10では、アッパーステアリングシャフト13とロアステアリングシャフト14とが相対回転可能であることによって、アッパーステアリングシャフト13の回転角たる操舵角MAと、ロアステアリングシャフト14の回転量に応じて一義的に定まる(後述するラックアンドピニオン機構のギア比も関係する)前輪舵角δfとの比たる操舵伝達比が、予め定められた範囲で連続的に可変に制御される構成となっている。即ち、各前輪は、本発明に係る「操舵輪」の一例である。
尚、減速機構404は、ここに例示した遊星歯車機構のみならず、他の態様(例えば、アッパーステアリングシャフト13及びロアステアリングシャフト14に夫々歯数の異なるギアを連結し、各ギアと一部分で接する可撓性のギアを設置すると共に、係る可撓性ギアを波動発生器を介して伝達されるモータトルクにより回転させることによって、アッパーステアリングシャフト13とロアステアリングシャフト14とを相対回転させる態様等)を有していてもよいし、遊星歯車機構であれ上記と異なる物理的、機械的、又は機構的態様を有していてよい。
尚、図示は省略するが、VGRSモータ402には、例えばロータリーエンコーダ等の回転センサが付設されており、回転軸402cとハウジング401との回転位相差δvgrsを検出可能に構成されている。この回転センサは、ECU100と電気的に接続されており、検出された回転位相差δvgrsは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
ロック機構403は、ロックホルダ403a、ロックバー403b及びソレノイド403cを備えた、本発明に係る「ロック機構」の一例である。
ロックホルダ403aは、VGRSモータ402のロータ402aに固定され、ロータ402aと一体回転可能な円板状の部材である。ロックホルダ403aの外周部には、周方向に沿って複数の凹部が形成されている。
ロックバー403bは、VGRSアクチュエータ400のハウジング401に設けられた固定部位に一端部が固定され、且つ当該固定部位を軸支点として回動可能に構成されてなるレバー状の係合部材である。ロックバー403bの他端部には、ロックホルダ403aの外周部に形成された凹部と嵌合可能な凸部が形成されており、ロックバー403bは、当該凸部とロックホルダ403aの外周部に形成された凹部とが嵌合するロック位置から、これらが相互に離間するロック解除位置までの範囲で回動可能に構成されている。
ソレノイド403cは、ロックバー403bを回動させるための駆動力を付与可能な電磁アクチュエータである。ソレノイド403cは、その駆動力の付与によって、ロックバー403bを先に述べたロック位置とロック解除位置との間で回動させることが可能に構成されており、ロック機構403は、その動作状態として、ロックバー403bの凸部とロックホルダ403aの凹部とが嵌合してなるロック状態と、これらが相互に離間してなるロック解除状態とを採ることが可能に構成される。尚、ソレノイド403cは、ECU100と電気的に接続されており、その駆動状態がECU100によって制御される構成となっている。
ロック機構403がロック状態にある場合、ハウジング401とロータ402aとが物理的に固定されるため、これらが連結された減速機構404の二個の回転要素の回転速度が等しくなる。このため、ロアステアリングシャフト14と連結された残余の一回転要素の回転速度も一義的に決定される。その結果、ロック機構403がロック状態にある場合、アッパーステアリングシャフト13とロアステアリングシャフト14とは相対回転不能となり、先に述べた操舵伝達比は一義的に固定される。反対に、ロック機構403がロック解除状態にある場合、ロータ402aの回転は、ハウジング401による制約を受けないから、アッパーステアリングシャフト13とロアステアリングシャフト14とは相対回転可能となり、操舵伝達比は可変となる。
尚、以下の説明では、ロック機構403がロック状態及びロック解除状態にあることを適宜、「VGRSアクチュエータ400がロック状態及びロック解除状態にある」等と表現することとする。
尚、VGRSアクチュエータ400は、ECU100と電気的に接続された不図示のVGRS駆動装置により駆動される。VGRS駆動装置は、VGRSモータ402のステータ402bに対し通電可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。VGRS駆動装置は、後述するバッテリ800と電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりVGRSモータ402に駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、VGRS駆動装置は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
図1に戻り、車両10において、ロアステアリングシャフト14の回転は、ラックアンドピニオン機構に伝達される。ラックアンドピニオン機構は、ロアステアリングシャフト14の下流側端部に接続された不図示のピニオンギア及び当該ピニオンギアのギア歯と噛合するギア歯が形成されたラックバー15を含む操舵伝達機構であり、ピニオンギアの回転がラックバー15の図中左右方向の運動に変換されることにより、ラックバー15の両端部に連結されたタイロッド及びナックル(符号省略)を介して操舵力が各操舵輪に伝達される構成となっている。
EPSアクチュエータ500は、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを含むDCブラシレスモータとしてのEPSモータを備えた、本発明に係る「操舵トルクアシスト手段」の一例たる電動パワーステアリング装置である。
このEPSモータは、不図示の電気駆動装置を介した当該ステータへの通電によりEPSモータ内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にアシストトルクTAを発生可能に構成されている。
一方、EPSモータの回転軸たるモータ軸には、不図示の減速ギアが固定されており、この減速ギアはまた、ロアステアリングシャフト14に設けられた減速ギアと直接的に又は間接的に噛合している。このため、本実施形態において、EPSモータから発せられるアシストトルクTAは、ロアステアリングシャフト14の回転をアシストするトルクとして機能する。このため、アシストトルクTAが、ステアリングホイル12を介してアッパーステアリングシャフト13に与えられるドライバ操舵トルクMTと同一方向に付与された場合には、ドライバの操舵負担は、アシストトルクTAの分だけ軽減される。
尚、VGRSアクチュエータ400とEPSアクチュエータ500とは、相互に一体化されたアクチュエータとして構成されていてもよい。
車両10には、操舵角センサ16及び操舵トルクセンサ17が備わる。
操舵角センサ16は、アッパーステアリングシャフト13の回転量を表す操舵角MAを検出可能に構成された角度センサである。操舵角センサ16は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵角MAは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
操舵トルクセンサ17は、ドライバからハンドル12を介して与えられるドライバ操舵トルクMTを検出可能に構成されたセンサである。より具体的に説明すると、アッパーステアリングシャフト13は、上流部と下流部とに分割されており、図示せぬトーションバーにより相互に連結された構成を有している。係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。このトーションバーは、車両10のドライバがハンドル12を操作した際にアッパーステアリングシャフト13の上流部を介して伝達される操舵トルク(即ち、ドライバ操舵トルクMT)に応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつ下流部に操舵トルクを伝達可能に構成されている。従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。操舵トルクセンサ17は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算してドライバ操舵トルクMTに対応する電気信号として出力可能に構成されている。操舵トルクセンサ17は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたドライバ操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
尚、操舵トルクの検出方式は、この種のトーションバー方式に限定されず、他の方式が採用されてもよい。例えば、EPSアクチュエータ500にトルクセンサが組み込まれる構成もまた一般的であり、ドライバ操舵トルクMTを特定するにあたっては、このトルクセンサの検出値を流用する、或いはこのトルクセンサの検出値に基づいて推定する等の手法が採用されてもよい。この場合、EPSアクチュエータ500と別体として構成される操舵トルクセンサ17は必ずしも搭載される必要はない。
ECB600は、車両10の前後左右各輪に個別に制動力を付与可能に構成された、本発明に係る「制動システム」の一例たる電子制御式制動装置である。ECB600は、ブレーキアクチュエータ610並びに左前輪FL、右前輪FR、左後輪RL及び右後輪RRに夫々対応する制動装置620FL、620FR、620RL及び620RRを備える。
ブレーキアクチュエータ610は、制動装置620FL、620FR、620RL及び620RRに対し、夫々個別に作動油を供給可能に構成された油圧制御用のアクチュエータである。ブレーキアクチュエータ610は、マスタシリンダ、電動オイルポンプ、複数の油圧伝達通路及び当該油圧伝達通路の各々に設置された電磁弁等から構成されており、電磁弁の開閉状態を制御することにより、各制動装置に備わるホイルシリンダに供給される作動油の油圧を制動装置各々について個別に制御可能に構成されている。作動油の油圧は、各制動装置に備わるブレーキパッドの押圧力と一対一の関係にあり、作動油の油圧の高低が、各制動装置における制動力の大小に夫々対応する構成となっている。
ブレーキアクチュエータ610は、ECU100と電気的に接続されており、各制動装置から各車輪に付与される制動力は、ECU100により制御される構成となっている。
車両10は、車載カメラ18及び車速センサ19を備える。
車載カメラ18は、車両10のフロントノーズに設置され、車両10の前方における所定領域を撮像可能に構成された撮像装置である。車載カメラ18は、ECU100と電気的に接続されており、撮像された前方領域は、画像データとしてECU100に一定又は不定の周期で送出される構成となっている。ECU100は、この画像データを解析し、例えば、レーンキープ制御や軌跡追従制御等の各種車両挙動制御に必要な各種データを取得可能である。
車速センサ19は、車両10の速度たる車速Vを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ19は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ARSアクチュエータ700は、左後輪RL及び右後輪RRの舵角である後輪舵角δを、ハンドル12を介してドライバが与える操舵入力とは独立して変化させることが可能な、本発明に係る「後輪舵角可変手段」の一例たる後輪操舵用アクチュエータである。即ち、これら各後輪もまた、本発明に係る「操舵輪」の一例である。
ARSアクチュエータ700は、ARSモータと減速ギア機構とを内蔵しており、このARSモータの駆動回路は、ECU100と電気的に接続されている。従って、ECU100は、この駆動回路の制御により、ARSモータの出力トルクであるARSトルクTarsを制御することが可能である。
一方、減速ギアは、このARSモータのトルクを、減速を伴ってリアステアロッド20に伝達可能に構成されている。
リアステアロッド20は、左後輪RL及び右後輪RRと、夫々ジョイント部材21RL及び21RRを介して連結されており、ARSトルクTarsによりリアステアロッド20が図示左右一方向に駆動されると、各後輪が一方向に転舵する構成となっている。
尚、ARSアクチュエータ700は、回転運動をストローク運動に変換可能な直動機構を備えていてもよい。この種の直動機構が備わる場合、リアステアロッド20は、この直動機構の左右方向のストローク運動に応じて後輪の舵角を変化させてもよい。
尚、後輪舵角可変手段の実践的態様は、後輪舵角δrを所定の範囲で可変とし得る限りにおいて、図示ARSアクチュエータ700のものに限定されない。
ARSアクチュエータ700には、ARSモータのロータを回転不能に固定可能な、本発明に係る「ロック機構」の他の一例たるARSロック機構(不図示)が備わっており、電気的に接続されたECU100により制御される構成となっている。ARSロック機構によりARSモータのロータの回転が固定された場合、後輪舵角δrは、その時点の値に固定される。尚、ARSアクチュエータ700は、ハンドル12と物理的に連結されている訳ではないが、ECU100は、操舵角MA及び車速V等に応じて予め定められた後輪舵角δrが得られるようにARSアクチュエータ700を制御しており、ARSロック機構の作用により、操舵角MAと後輪舵角δrの関係が一義的に固定されることに変わりはない。
尚、本実施形態に係る車両10は、前後輪の舵角をドライバ側からの操舵入力から独立して制御するためのVGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ700の他に、前後輪の左右制駆動力差を変化させることが可能なECB600及び駆動力分配装置300並びにアシストトルクTAを付与可能なEPSアクチュエータ500を備えるが、このような車両構成は、例えば、ヨーレートγ、スリップ角β或いは操舵反力トルクT等の各種車両状態量を相互に独立して制御するための状態制御量(δf、δr、Ff、Fr及びTA等)の制御が可能であることを示すものであり、本発明に係る車両が採り得る一構成例に過ぎない。例えば、本発明に係る車両は、車両10で言えばVGRSアクチュエータ400又はARSアクチュエータ700とEPSアクチュエータ500との二つの装置が最低限あればよい。
次に、図3を参照し、車両10における電力供給系統について説明する。ここに、図3は、車両10の電力供給系統に係るブロック図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、車両10は、バッテリ800を備える。バッテリ800は、本発明に係る「電力供給源」の一例として機能する公知の車載用直流12Vバッテリである。バッテリ800には、バッテリ電圧値Vbatt(即ち、本発明に係る「供給電圧」の一例である)を検出可能な電圧センサ810が備わる。電圧センサ810は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたバッテリ電圧値Vbattは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
車両10において、バッテリ800は、VGRSアクチュエータ400、ARSアクチュエータ700及びEPSアクチュエータ500からなる操舵システムとECB600(制動システム)とを含むシャシーシステム全体で共有される電力供給源である。
尚、車両10には、ECB600の消費電流値たるECB消費電流値Ibrkを検出可能な電流センサ820が備わる。電流センサ820は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたECB消費電流値Ibrkは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
また、車両10には、VGRSアクチュエータ400の消費電流値たるVGRS消費電流値Ivgrsを検出可能な電流センサ830が備わる。電流センサ830は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたVGRS消費電流値Ivgrsは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
また、車両10には、ARSアクチュエータ700の消費電流値たるARS消費電流値Iarsを検出可能な電流センサ840が備わる。電流センサ840は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたARS消費電流値Iarsは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
また、車両10には、EPSアクチュエータ500の消費電流値たるEPS消費電流値Iepsを検出可能な電流センサ850が備わる。電流センサ850は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたEPS消費電流値Iepsは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
尚、バッテリ800とこのシャシーシステムとの間の電力供給系統には、バッテリ800から、その正常時且つ無負荷時に供給される直流12V電圧を、各装置の動作電圧まで昇圧する昇圧装置が介装されるが、ここでは、説明の煩雑化を防ぐ目的から図示及びその説明を省略することとする。
また、車両10には不図示の外気温センサが付設されており、夫々車両10の車外温度tempを検出可能に構成されている。この外気温センサは、ECU100と電気的に接続されており、検出された外気温tempは、ECU100により一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
尚、車両10は、不図示のオルタネータを備える。オルタネータは、エンジン200のクランク軸と略一体に回転するロータを備え、ロータが、通電された状態でステータ内を回転することにより、三相交流電力を生成可能に構成される。この三相交流電力は、整流手段により直流電力に変換され、上記各種デバイス(ECB600、VGRS400、ARS700及びEPS500)を含む電装補機類及びバッテリ800に供給される構成となっている。オルタネータの発電電力は、内蔵されたレギュレータにより上限カットされる稼動領域以外はエンジン200の機関回転速度NEに応じて可変であり、機関回転速度NEが高い程、大きい発電電力を得ることができる。
また、バッテリ800には、このオルタネータによる充電に際してバッテリ800に入力される入力電流Iinと、電装補機類への電力供給に伴いバッテリ800から出力される出力電流Ioutとを検出可能なセンサが付設されており、夫々ECU100と電気的に接続されている。ECU100は、この入力電流Iin及び出力電流Ioutに基づいて、バッテリ800の充放電収支を推定する構成となっている。また、ECU100は、この入力電流Iinに基づいて、或いはエンジン200の機関回転速度NEに基づいて、オルタネータの発電量(発電電力値)を推定する構成となっている。
<実施形態の動作>
続いて、本実施形態の動作について説明する。
始めに、図4を参照し、ECU100により実行される操舵システム制御処理の詳細について説明する。ここに、図4は、操舵システム制御処理のフローチャートである。操舵システム制御処理は、バッテリ800の電力供給能力が何らかの理由により低下した場合において車両10の操舵フィーリングの悪化を抑制する処理である。
図4において、先ずバッテリ電圧値Vbattが取得される(ステップS101)。次に、ECB消費電流値Ibrkが取得される(ステップS102)。次に、パラメータとして車速V及び外気温tempが取得される(ステップS103)。
続いて、シャシーシステム許容電流値Ichslimが取得される(ステップS104)。シャシーシステム許容電流値Ichslimは、予め実験的に、経験的に又は理論的に設定された、シャシーシステム全体で使用可能な電流の上限値であり、本実施形態ではROMに上記車速V及び外気温tempに応じた固定値として格納されているものとする。
一例を述べれば、シャシーシステム許容電流値Ichslimは、車速Vが高い程、段階的に高く設定される。これは、高車速域程、ECB600の電力消費が大きくなる傾向があるためであり、その分を予見して嵩上げする意味合いがある。一方、シャシーシステム許容電流値Ichslimは、外気温tempが高い程、段階的に低く設定される。これは、外気温tempが高い程、エアコンディショナ等の電力消費が増加する傾向があるためであり、そのエアコンディショナ消費分を予見して確保しておく意味合いがある。但し、このような他の電装補機類の電力消費傾向とは別に、外気温が過度に低い或いは高い場合、バッテリ800の充放電効率又は単位時間当たりの充放電量が低下することもある。係る事情に鑑み、シャシーシステム許容電流値Ichslimは、この種の上下限値に挟まれた常用の温度領域以外の冷温領域又は高温領域において当該常用の温度領域と較べて小さく設定されてもよい。
尚、バッテリ800は、エンジン200の稼動域において、前述したようにオルタネータにより充電されている。このオルタネータの発電量は先述したようにECU100により推定されるが、オルタネータの発電量が十分に確保されている状況においては、シャシーシステム許容電流値Ichslimをより大きく設定しても実践上問題ないとするのは妥当である。そこで、本実施形態では、予め実験的に、経験的に又は理論的に策定された基準に従って区分されたオルタネータの発電量の範囲毎に、上記格納されたシャシーシステム許容電流値Ichslimに乗じるべき補正係数(補正係数>1)が用意されており、ECU100は、この補正係数に基づいた演算処理によって、随時このシャシーシステム許容電流値Ichslimを補正する構成となっている。
尚、この補正係数は、例えば、オルタネータの発電量が最も小さい区分に属する場合には1であり、発電量が大きくなる程大きくなる。尚、無論、予めこのようなオルタネータの発電量を勘案したシャシーシステム許容電流値IchslimがROMに格納されていてもよい。更には、オルタネータ発電量が機関回転速度NEに応じて可変であるところ、オルタネータ発電量に替えて、機関回転速度NEが参照されても実践上問題はない。
次に、操舵システム許容電流値Istlimが取得される(ステップS105)。操舵システム許容電流値Istlimは、下記(1)式に従って設定される。
Istlim=Ichslim−Ibrk・・・(1)
即ち、(1)式の意味するところは、シャシーシステム全体で使用可能な電流のうち、車両の安全性を確保するためにECB600の動作に必要な電流を確保する点にある。尚、上記(1)の関係からして、上述したように外気温temp、車速V及び機関回転速度NE又はオルタネータ発電量に基づいてシャシーシステム許容電流値Ichslimが可変であることに伴い、操舵システム許容電流値Istlimもまたこれらに対して可変となる。
操舵システム許容電流値Istlimが取得されると、操舵システム消費電流値Istが下記(2)式に従って算出される(ステップS106)。
Ist=Ieps+Ivgrs+Iars・・・(2)
即ち、操舵システム消費電流値Istとは、操舵システム、即ち、EPSアクチュエータ500と、VGRSアクチュエータ400とARSアクチュエータ700とからなるシステムにおける消費電流の加算値である。
これらの取得が終了すると、ECU100は、バッテリ電圧値Vbattが操舵システム作動保証電圧値Vstn未満であるか否かを判定する(ステップS107)。尚、上述したように、本実施形態では、バッテリ電圧値Vbattが、バッテリ800の電力供給能力を特定するための判断指標として利用される。従って、操舵システム作動保証電圧値Vstnは、本発明に係る「基準」の一例である。バッテリ電圧値Vbattが操舵システム作動保証電圧値Vstn以上である場合(ステップS107:NO)、即ち、バッテリ電圧値Vbattが例え正常時の無負荷電圧相当値(無負荷電圧値又は無負荷電圧昇圧後の電圧値)より低下していたとしても、実践上操舵システムを作動させるのに問題のない値が確保されている場合、処理はステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。
尚、操舵システム作動保証電圧値Vstnは、VGRSアクチュエータ400の動作を直ちに停止すべきものとして設定されたVGRS保護設定電圧値Vvgrslimと、EPSアクチュエータ500の動作を直ちに停止すべきものとして設定されたEPS保護設定電圧値Vepslimとのうち高い方であるVGRS保護設定電圧値Vvgrslimに、操舵システム全体が最大電流値で駆動された場合にバッテリ800の内部抵抗により生じる電圧降下分を加算した値よりも高い値である。
一方、バッテリ電圧値Vbattが操舵システム作動保証電圧値Vstn未満である場合(ステップS107:YES)、ECU100は、操舵システム消費電流値Istが、操舵システム許容電流値Istlimよりも大きいか否かを判定する(ステップS108)。操舵システム消費電流値Istが、操舵システム許容電流値Istlim以下である場合(ステップS108:NO)、操舵システムの動作を制限する必要はないため、処理はステップS110に移行され、中立位置ロック処理が実行される。尚、中立位置ロック処理については後述する。
一方、操舵システム消費電流値Istが、操舵システム許容電流値Istlimよりも大きい場合(ステップS108:YES)、ECU100は、EPS出力制限処理を実行する(ステップS109)。EPS出力制限処理とは、操舵システム消費電流値Istが、操舵システム許容電流値Istlim(或いは、それよりも所定値又は所定割合だけ小さな値)となるように、EPSアクチュエータ500の電流消費を節減する処理である。即ち、ステップS109では、舵角可変手段としてのVGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ700を確実に動作させ得る電力猶予を獲得した上で、EPSアクチュエータ500によるドライバ操舵トルクMTのアシストが可及的に継続される。EPS出力制限処理が実行されると、処理はステップS110に移行される。
ここで、図5を参照し、ステップS110に係る中立位置ロック処理の詳細について説明する。ここに、図5は、中立位置ロック処理のフローチャートである。
図5において、ECU100は、前輪と後輪の各々について、オフセンタ角δofsを算出する(ステップS201)。オフセンタ角とは、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ700の各々における、ハンドル中立位置に対する操舵輪の中立位置からの乖離量である。
オフセンタ角δofsが算出されると、VGRSアクチュエータ400とARSアクチュエータ700とのうち優先すべき一方が判定される(ステップS202)。具体的には、ステップS201で算出されたオフセンタ角δofcが大きい方の装置が優先対象とされる。これは、オフセンタ角δofcが大きい方が、操舵フィーリング悪化への寄与が大きいためである。特に、何らかの理由でバッテリ電圧値Vbattが激減する等して、VGRS保護設定電圧値又はARS保護設定電圧値(本実施形態ではこれらは等しいとする)を割り込み、これらが即時停止されてしまった場合に、オフセンタ角δofsの大きい装置がより操舵フィーリングを悪化させ得るため、オフセンタ角δofsの大きい装置から中立位置一致に係る措置が講じられるのである。
優先すべき一方の装置が判定されると、制御対象装置として先ずこの優先すべき一方の装置が設定される(ステップS203)。制御対象装置が設定されると、相対角目標値をゼロとして舵角の相対角制御が開始される(ステップS204)。
尚、舵角の相対角とは、ハンドル12と機械的に連結された前輪(VGRS)であれば、ハンドル12に連動して回転するアッパーステアリングシャフト13の回転角に対するロアステアリングシャフト14の回転角、即ちVGRS相対角δvgrs(即ち、前輪の実舵角は必ずしもゼロでない)であり、ハンドル12に機械的に連結されていない後輪(ARS)であれば、後輪舵角δrそのものである。
相対角制御が開始されると、相対角の絶対値が中立判定基準値δlock未満にまで低下したか否かが判定される(ステップS205)。相対角絶対値が中立判定基準値以上であれば(ステップS205:NO)、処理はステップS204に戻される。
尚、中立判定基準値δlockは、一形態としてゼロ(この場合、「未満」ではなく「以下」が適当である)であってもよいが、ハンドル12が中立位置に戻された場合に、操舵輪(前輪又は後輪)の舵角が概ね舵角中立点まで復帰して、車両10が実践上問題ない範囲で略直進走行状態を維持し得る(即ち、操舵フィーリングの悪化が顕在化しない)限りにおいて、ゼロよりも大きい値であってよい。このような値は、例えば予め実験的に、経験的に又は理論的に定めておくことができる。
相対角絶対値が中立判定基準値δlock未満にまで低下すると(ステップS205:YES)、制御対象装置が各装置に付設されるロック機構(ロック機構403又はARSロック機構)によりロックされる(ステップS206)。制御対象装置のロックが完了すると、制御対象装置に係るロック完了フラグFLAGlockが、ロック完了を示す「1」に設定され(ステップS207)、処理がステップS208に移行される。ロックが完了すると、操舵角MAに対する操舵輪の舵角変化は一義的(後輪の場合、ハンドル12に連結されていないため舵角変化は無い)となり、意図せぬ変化が生じることはない。
尚、ここでは、相対角絶対値が中立判定基準値未満に低下したことをロック準備が完了したか否かの判断条件としたが、相対角絶対値が中立判定基準値未満に低下してからの経過時間が所定時間に達したことをもってロック準備完了と判断してもよい。
ステップS208では、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ700の双方がロックされたか否かが判定され、一方のロックが未だ完了していない場合(ステップS208:NO)、処理がステップS203に戻されて、一連の処理により他方の装置に対する相対角制御が開始される。双方のロックが完了すると(ステップS208:YES)、中立位置ロック処理が終了する。
図4に戻り、中立位置ロック処理が終了すると、ステップS109で開始されたEPS出力制限処理が終了され(ステップS111)、舵角可変装置の中立位置ロックのために一時的に制限されていたEPSアクチュエータ500による通常の操舵トルクアシストが復活する。操舵システム制御処理は以上のように実行される。
ここで、操舵システム制御処理の特徴について図6を参照して説明する。ここに、図6は、操舵システム制御処理の特徴を視覚的に表した図である。
図6において、縦軸はバッテリ電圧値Vbattを表している。バッテリ電圧値Vbattが操舵システム作動保証電圧値Vstn未満にまで低下すると、バッテリ電圧値VbattがVGRS保護設定電圧値Vvgrslim(或いはARS保護設定電圧値Varslim)以上の電圧領域において、図示ハッチング表示部分のように、EPS出力制限処理とVGRSアクチュエータ500及びARSアクチュエータ700の中立位置ロック処理が実行される。
即ち、本実施形態に係る操舵システム制御処理によれば、バッテリ電圧Vbattが低下しつつも舵角可変手段を即時停止させる必要のない電圧領域において、操舵システム消費電流値Istと操舵システム許容電流値Istlimとの相対関係に応じて、本来動作を優先すべきEPSアクチュエータ500の電流消費を一時的に制限し、操舵システムに許容される電流の枠内で電流を譲り合うことによって、迅速且つ確実に舵角可変手段の中立位置ロックを完遂せしめることができる。従って、ハンドル12が中立位置に戻った場合に前輪或いは後輪に舵角変化が残存することによる車両の偏向や、ハンドル12の操作が継続している過程における意図しない舵角変化による車両の偏向等が防止され、これらに起因する操舵フィーリングの悪化を好適に抑制することができるのである。
尚、バッテリ電圧値VbattがVGRS保護設定電圧値Vvgrslim(ARS保護設定電圧値Varslim)以下にまで低下すると、VGRSアクチュエータ400及びARSアクチュエータ700は即時停止され、EPSアクチュエータ500は、最低出力でアシストの維持が図られる。また、バッテリ電圧値VbattがEPS保護設定電圧値Vepslim以下にまで低下すると、EPSアクチュエータ500による操舵トルクのアシストが即時停止される。更にバッテリ電圧値Vbattが低下してECB保護設定電圧Vbrklim以下にまで低下すると、ECB600が即時停止される。このように、本実施形態によれば、車両10の走行安全性への寄与が大きい装置程、保護設定電圧が低く設定され、可能な限り制御の維持が図られる。このため、車両10の安全性が好適に確保される。
尚、上述したように、本実施形態では、バッテリ電圧値Vbattが、バッテリ800の電力供給能力を特定するための判断指標として利用される。然るに、バッテリ800の電力供給能力を判断するにあたっての判断指標は、必ずしもバッテリ電圧Vbattに限定されない。例えば、バッテリ800は、エンジン200の稼動域において、前述したようにオルタネータにより充電されている。
ここで、バッテリ800の充放電収支が正側(即ち、充電量>放電量)に傾いている場合、バッテリ800は余剰な電力を保有していると考えることができ、逆に、バッテリ800の充放電収支が負側(即ち、充電量<放電量)に傾いている場合、バッテリ800の電力供給能力は低下していると考えることができる。
即ち、バッテリ800の電力供給能力を特定するにあたり、バッテリ800の充放電収支は有効な参照要素となり得る。実践的運用面から言えば、例えば、バッテリ800の充放電収支に基準値(即ち、本発明に係る「基準」の他の一例である)を設定し、当該基準値よりも負側に充放電収支が傾いている場合には、バッテリ800の電力供給能力が低下していると判定することができる。この基準値は、例えばゼロ点であってもよいし、ゼロ点近傍の負値であってもよいし(この場合、操舵システムの動作許可域が拡大する)、ゼロ点近傍の正値であってもよい(この場合、システム保護の観点からはより安全である)。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の操舵制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明は、例えば、車両を目標走行路に追従させる機能を有する車両に利用可能である。
FL、FR、RL、RR…車輪、10…車両、11…プロペラシャフト、12…ステアリングホイル、13…アッパーステアリングシャフト、14…ロアステアリングシャフト、15…ラックバー、16…操舵角センサ、17…操舵トルクセンサ、100…ECU、200…エンジン、300…駆動力分配装置、310…センターデファレンシャル機構、320…フロントデファレンシャル機構、330…リアデファレンシャル機構、400…VGRSアクチュエータ、500…EPSアクチュエータ、600…ECB、610…ブレーキアクチュエータ、620FL、620FR、620RL、620RR…制動装置、700…ARSアクチュエータ、800…バッテリ。

Claims (8)

  1. ハンドルの回転角たる操舵角と操舵輪の舵角との関係を変化させることが可能な舵角可変手段及びドライバ操舵トルクをアシスト可能な操舵トルクアシスト手段を少なくとも含む操舵システムと、前記操舵システムに対し電力を供給する電力供給源とを備えた車両における操舵制御装置であって、
    前記電力供給源における前記電力の供給能力を特定する供給能力特定手段と、
    前記操舵システムの消費電流値を特定する消費電流特定手段と、
    前記特定された供給能力が基準に対して低下した場合において、前記特定された消費電流値が前記操舵システムの最大許容電流値より大きい場合に、前記操舵トルクアシスト手段の電流消費を制限する制限手段と、
    前記操舵トルクアシスト手段の電流消費が制限された状態において、前記ハンドルの中立位置と前記操舵輪の中立位置とが一致するように前記舵角可変手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記供給能力特定手段は、前記電力供給源の供給電圧値に基づいて前記供給能力を特定する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 前記供給能力特定手段は、前記電力供給源の充放電収支に基づいて前記供給能力を特定する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の操舵制御装置。
  4. 前記舵角可変手段は、前記関係を一義的に固定するロック機構を備えており、
    前記制御手段は、前記ハンドルの中立位置と前記操舵輪の中立位置とを一致させた後に、前記関係が一義的固定されるように前記ロック機構を制御する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の操舵制御装置。
  5. 前記制限手段は、前記最大許容電流値に応じて前記電流消費を制限する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の車両の操舵制御装置。
  6. 前記舵角可変手段は、前輪を前記操舵輪とする前輪舵角可変手段と、後輪を前記操舵輪とする後輪舵角可変手段とを含み、
    前記制御手段は、前記前輪舵角可変手段と前記後輪舵角可変手段とのうち、前記ハンドルの中立位置に対する前記操舵輪における前記操舵輪の中立位置からのずれ量が大きい一方を優先して制御する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の操舵制御装置。
  7. 前記車両は、内燃機関及びオルタネータを備え、
    前記最大許容電流値は、車速、外気温、前記内燃機関の機関回転速度又は前記オルタネータの発電量に応じて可変である
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の操舵制御装置。
  8. 前記車両は、前記電力供給源を前記操舵システムと共有する制動システムを備え、
    前記最大許容電流値は、前記操舵システムと前記制動システムを少なくとも含むシャシーシステム全体で使用可能な電流値から前記制動システムが使用する電流値を差し引いた値である
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の車両の操舵制御装置。
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