JP5407964B2 - 印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法 - Google Patents

印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法に関する。
近年、印刷機の高速化が進み、それに伴ってインキ用樹脂には、ミスチング抑制、乾燥性向上等の高速印刷に必要な適性の向上が求められており、このため、この目的に適うインキ用樹脂の改良は、樹脂の分子量、粘度、及び軟化点を、何れも高い方向に推移させている。
この要望に応えるべく該樹脂の改良が様々の角度から進められて来たが、現実の製造現場における反応終点管理は、前記分子量や軟化点ではなく、その到達した粘度によって行われる場合が多い。
上記樹脂の改良を行うため、使用される原料の割合を注意深く調整することにより対応を行ってきた。
例えば、特許文献1では、ロジン類とポリオール類とのエステル化反応物であるロジンエステル類と、レゾール型フェノール類と、カルボキシル基または水酸基、および二重結合をもつ石油樹脂とを反応させて得られるロジン変性フェノール樹脂を用いて、印刷インキ用ワニス製品を調整する方法が開示されている。本文献において、ロジン変性フェノール樹脂は、ワニス製品となる前段階の物質であり、0011段落には、「レゾール型フェノール成分の使用量は特に限定はされないが、ロジンエステル成分の使用量と石油樹脂成分の使用量あわせて100重量部に対し通常20〜120重量部であり、より好ましくは下限が40重量部、上限が80重量部である」との開示や「レゾール型フェノール成分の使用量が20重量部未満の場合、ワニス粘度が低下する傾向がある」との開示があり、所望するワニス粘度を実現するには、レゾール型フェノール樹脂成分の使用量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
特許文献2では、ロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを無溶剤下160〜240℃で反応させてなるロジン変性フェノール樹脂(A1)、および/または、ロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを無溶剤下160〜280℃で反応させてなり、かつ、240℃を越える温度での反応時間が1時間未満であるロジン変性フェノール樹脂(A2)を、有機溶剤中、160〜240℃でレゾール型フェノール樹脂(B)と鎖伸長反応させてなることを特徴とする印刷インキワニス用樹脂溶液が開示されており、本文献の0064段落には、「ロジン変性フェノール樹脂100部にAFソルベント7号25部を加えて200℃に温度を保持したまま、レゾール型樹脂溶液30部を加えて同温度に更に3時間保持し、得られた反応混合物溶液に同量のトルエンを加えた場合の溶液の25℃におけるガードナー粘度がI−J〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は13万であった。〕になるまで反応させて印刷インキワニス用樹脂溶液とし、この時点で系内の反応液100部に対してダイズ油32部、AFソルベント7号68部およびBHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.2部を加え200℃で1時間攪拌混合した後、粘度(25℃における気泡粘度。以下、同様。)が6000〜7500dPa.sの範囲に入る様に160℃でゲル化剤であるエチル・アセト・アセテートアルミニウムジノルマルブチレートを0.5〜1.5部の範囲で必要な量を加えて1時間加熱攪拌して、本発明の印刷インキワニスを得たこと」が開示されている。ここにおいても所望するワニス粘度を実現するには、ゲル化剤の添加量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
特許文献3では、ロジンエステル樹脂と、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物とを、溶剤を含む系内で140〜240℃で縮合させることを特徴とする、印刷インキ用樹脂ワニスの製造方法が開示されており、本文献にはロジン変性フェノール樹脂ワニスの製造に関し、0031〜0033段落に、「撹拌器、水分離器付き還流冷却器及び温度計を装着した4つ口フラスコに、ハリエスターKH−145(ハリマ化成(株)製、酸価20、軟化点100℃のガムロジンペンタエリスリトールエステル)435部と、製造例1で製造したレゾール型フェノール樹脂422部(固形分75%)と、溶剤としての日石AF7号ソルベント200部とを投入し、窒素ガスを吹き込み攪拌しながら加熱し、樹脂を溶解して均一状態とする。その後更に加熱し、溶剤のキシレンと、ロジンとフェノールホルムアルデヒド樹脂との縮合反応により生じた水を、水分離器付き還流冷却器で回収しながら、200℃まで昇温する。同温度で4時間クッキングした後、日石AF7号ソルベント550部を追加して添加し、更に30分クッキングすることにより、粘度56Pa.S、n−ヘキサントレランス3.2g/g、MW16万の樹脂ワニス1450g(樹脂固形分は50%)を得た」との実施例が開示されている。ここでも所望とするワニス粘度を実現するには、投入する溶剤量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
特許文献4では、ロジン類とフェノール樹脂と多価アルコールから得られたロジン変性フェノール樹脂35〜50重量%と、炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルフェノールとアルデヒド類から得られた縮合度が3〜20核体のフェノール樹脂0.1〜5重量%と、比重が0.78以上、沸点が200℃以上の石油系溶剤30〜60重量%と、乾性油類10〜50重量%と、ゲル化剤0.1〜2重量%とを加熱反応させてなる印刷用インキゲルワニスが開示されており、本文献においても、所望のワニス粘度を得るには、原料であるロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、石油系溶剤、乾性油類、及びゲル化剤添加量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
しかし、上記特許文献及び上記以外の公知技術であっても、公知慣用の原料であるロジン変性フェノール樹脂、溶剤類、油類、ゲル化剤等の、各種原料を一定の割合で添加することによって、安定した粘度品質のワニス製品が得られたとはいえない状況であった。
上記原料には、それぞれにいわゆるロットぶれが存在し、ロットによって成分や粘度等の各種物性が変動することが知られている。特に自然採取原料であるロジンでは季節によっても水分等の成分が変動することで知られ、かかる状況にありながらも安定した粘度品質を実現しようとすれば、生産単位毎に工程内で逐次粘度の到達点を確認しつつ、粘度が不足しないように、かつ超過しないように原料添加量や工程条件を調節しながら、注意深く生産を遂行する必要があった。反応が進み過ぎて粘度の値が規格で定めた数値を超過した場合には、目的とする性能が発揮されないことにより不良品として扱われるので好ましくない。
このような事情からこれまでの製造方法では、反応終点付近になると複数回サンプリングを行い、反応途上の粘度値を確認すると共に、粘度が不足している場合には粘度上昇の要素となる原料を逐次投入する方法によって生産を行っていた。この逐次投入の必要性こそが、長年にわたり生産合理化が進まず、生産時間短縮(スループット)向上が図られない最大の要因となっていた。
そこで、樹脂の製造工程を反応液の粘度測定によって管理する方法が検討されてきた。
製造途上にある印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度測定は、通常ガードナーホルト法により行われる。この方法は、反応液を一部採取し、必要に応じて希釈溶剤等にて希釈を行った後に、試料中の気泡の移動速度を標品と比較することにより粘度の測定を行うものであり、測定された粘度に定量性が乏しい上に、気泡の移動速度を目視により行うためにバラツキが大きく、リアルタイム性のある反応工程管理を行う場合には不向きと言える方法であった。
一方、反応液の粘度を検出する方法としては攪拌翼にかかるトルクを測定する方法がある。反応の進行に伴って反応釜内に生成される物質の分子量が増大し、それに伴って粘度が上昇し攪拌翼にかかる回転負荷が増大する。この負荷の増大はトルクの上昇となって現れることから、トルクを測定することによって反応の進行や最終到達粘度等を予測することが可能となる。
トルクを測定する手段としては、回転軸の原動側と従動側の間に歪を検出するための弾性体から成る継ぎ手を設け、この弾性体の歪量を電気抵抗の変化に変換して検出する半導体センサー方式、継ぎ手の捻れを交流信号の位相差に変換して検出する位相差方式、その他にも磁歪方式、圧電方式等の各種装置が知られている。これらの装置に共通することは、何れもトルク検出装置の一部として設けた弾性体にトルクの大きさに比例した変形を起こさせ、更にこの変形量を前述の各種検出方式を用いて電気信号に変換するというものである。こうした公知慣用装置では、電動機容量が大きくなると歪検出のための弾性体も頑丈な構造が要求されるばかりでなく、前記反応製品を扱う化学工場等では、d2G4等の防爆設備基準を満たすための数々の工夫が要求されるため、大掛かり且つ複雑なものにならざるを得なかった。
従来の回転トルク或いは粘度の検出方法、又はこれらの検出装置としては、例えば、特許文献5には、試料との相対回転により受ける粘性によって発生するトルクを測定するようにした回転粘度計用トルク検出器に関して記載があり、中心部に被計測流体内で回転するロータが受けるトルクにより回転する軸を固定し、前記中心部から延びる平板状のボビンプレートと、前記ボビンプレートにおいて少なくともコイルの電流が中心軸から離れる方向の部分と近づく方向の部分を備えるように巻回し、外部から通電可能なコイルと、前記各コイルを上下から挟んで対向し、互いに磁極が異なる各々一対の永久磁石と、前記ボビンプレートの回転位置に対応した光または影の位置を検出する受光部材と、前記受光部材の受光位置信号に応じて前記ボビンプレートの回転前の位置に戻すように前記コイルへの通電量を制御し、該通電量によりトルクを求める手段を備えたことを特徴とする回転粘度計用トルク検出器が記載されている。
粘度を測定する手段としては、例えば、特許文献6には、ゴム等の試料の粘性抵抗を測定する粘度測定装置についての記載があり、互いに対向して離接され当接時に試料室を形成する上部および下部ダイスと、いずれか一方のダイスを貫通する軸を有し、前記試料室内で回転されるロータとを備え、前記試料室内に試料を充填しない状態で前記ロータを回転させ、ロータに作用する反トルクを検出器で検出して検出器のゼロ点調節を行うとともに、前記試料室内に試料を充填してロータを回転させ、試料の粘性抵抗によってロータに作用する反トルクを前記検出器で検出して試料の粘性抵抗を測定する粘度測定装置において、前記ロータの頂面には、試料非充填時の前記反トルクを低減すべく前記ロータの回転中心軸上において前記試料室の壁面とほぼ点接触可能な当接部が設けられていることを特徴とする粘度測定装置が記載されている。
特許文献7には、回転の生成と発生トルクの測定、或いは、その逆の組み合わせで試料の粘性等を測定する回転粘度計について記載があり、回転粘度計の回転軸の軸線と駆動用モータの駆動軸線を一致させ、前記回転軸を直接駆動する駆動用モータを備えた回転粘度計であって、前記駆動用モータはオープンループによる回転制御を行うステッピングモータであり、前記ステッピングモータの各相の電流を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、ステッピングモータに流す電流の内、1相のみの電流を振動させて、モータに回転変位振動を発生させることを特徴とする直接駆動モータを用いた回転粘度計が記載されている。
しかし、これまでのトルク測定法或いは粘度測定法においては、特定の測定装置を導入する必要があり、化学工場等において既設の反応釜設備にトルク検出装置等を設置する場合には、生産を停止して設備を解体し当該設備固有の取り付け部品等を用いる必要があるため、製造コストへの影響も大きく、合理化目的のトルク検出装置等導入を一層困難なものとしていた。
上記事情から、トルク検出装置を用いずにトルクを検出する方法が種々検討されてきた。例えば、特許文献8には、誘導電動機の二次抵抗の温度変化による影響を抑圧する制御技術を確立することを目的とし、電動機の回転速度または一次電圧・電流を用いた関数演算により発生トルクを推定する二つの方法が明らかにされている。一つは電動機慣性モーメントと電動機摩擦係数を定数としてトルクと角速度を変数とした微分方程式を解くことによってトルクを推定する方法、もう一つは誘導電動機の極対数、相互インダクタンス、二次インダクタンス、一次電流、及び二次磁束とから公知関係式によりトルクを推定する方法である。
前者の方法では、前記方程式の解を得るためには慣性モーメントの検出が必要になるが、反応釜の攪拌翼を回転させる場合、負荷が刻々と変化して行くので慣性モーメントも変化し、更に回転系の慣性モーメントを計測するのは容易ではないため実施には困難が伴い、測定した慣性モーメントを用いて精度高く回転トルクの検出を行うことは実質不可能である。
後者では、電圧又は電流のみの計測量から関数演算によりトルクを推定するが必ずしも一つの関数式で実現象を正確に記述し得ないこと、該計測誤差がそのままトルク推定誤差に直結すること、摩擦に起因する損失トルク及び交流電源の周波数変化の影響等が考慮されないこと等から誤差が生じる問題点があった。
特許文献9では、誘導電動機の可変速制御装置に関する発明を開示しており、発明構成要件の一つとして一次電流検出値に基づいてトルクを演算によって求める方法を明らかにしているが、本方法においても前記特許文献8と同様の問題が生じる可能性がある。
特許文献10には、画像形成装置に関する発明を開示しており、発明構成要件の一つとして直流モータの回転速度を一定に制御することを目的に電流、電圧、又は電力の何れかによってトルクを検知する方法を記載している。当該方法では、トルクが前記何れかの変数と比例関係にあることを利用してトルクを検知しているものの、摩擦に起因する損失トルク等による影響が考慮されないため誤差が大きくなる問題点がある。
特許文献11には、電力、電流、電圧、及び回転速度の計測量からトルクを求める方法が開示されているが、インバータ電源で駆動する誘導電動機においてこの方法を適用すると、誘導電動機への負荷の大きさによって予期せぬ誤差が生じ信頼性の乏しいものであった。
以上のように、これまでの反応液の粘度を検出する方法においては、検出装置を反応容器に設置することが必要でありそのための費用が必要となったり、検出装置を設置しない方法においても各種検出値の測定が困難となったり、或いは検出値を用いて演算を行った場合では検出値の誤差が大きい等、様々の課題に直面することになる。その一方、特別の検出装置を必要とすることなく、各種測定パラメータを用いて精度高く回転トルクの演算を行う方法、更には該回転トルク検出値からバラツキの少ない反応液粘度を検出する方法は知られていなかった。
また、反応液粘度を検出する装置において、予め定められた製造単位あたりの標準仕込み量と、当該製造単位における実仕込み量が異なる場合に、両者の仕込み量の差に基づいて反応液粘度値を補正することによる仕込み量の補正手段を有する反応液粘度検出装置、更に、反応液の検出粘度が、予め定められた値を超えたときに反応終点と判定する判定機能を有する反応液粘度検出方法についても、これまで知られていなかった。
特許第3894249号公報 特開2005-272694号公報 特開平10-088052公報 特開平08-283643公報 特開2005−55410号広報 特許2800693号公報 特開2008−020465号公報 特許2654547号公報 特開2005‐102467号公報 特開2004‐258419号公報 特開昭60‐82826号広報
本発明の課題は、前記背景技術に鑑み、公知慣用のトルク検出装置や化学工場等の防爆区域に大掛かりな計測設備を設けることなく、大幅な生産時間短縮が可能であり、かつ効率的な印刷インキワニス用樹脂溶液の生成を可能とする該ワニス用樹脂溶液の生成方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明者らは、
2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させることによって、印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する方法であって、
1)印刷インキワニス用樹脂溶液を生成するための反応容器に前記2以上の原料をそれぞれ所定量一括して投入する工程と、
2)前記鎖伸張反応を行う鎖伸張反応工程と、
3)前記鎖伸張反応の終点判断を行うため、印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度を検出する工程と、を有し、且つ前記原料の一括投入後においては反応終点に至るまでの間に原料の追加投入を行わないことによって、工程時間が大幅に短縮された印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法を完成するに至った。
更に、本発明の特徴は、前記反応液の粘度を検出する工程が、
インバータ駆動電動機を動力源として、攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行う前記反応容器を含む反応装置に設置された、反応液粘度を検出するための粘度検出装置であって、
)前記電動機に供給されている電力を検出する電力検出手段
)前記電動機に供給されている電流を検出する電流検出手段
)前記電動機に供給されている電圧を検出する電圧検出手段
)前記回転軸の速度を検出する回転速度検出手段
)前記インバータ出力周波数を検出する周波数検出手段
の各手段を有し、
各手段で検出される検出値により得られる電動機投入電力(P)、損失電力(P)、
角速度(ω)を基に、式(1)
T=(P―P)/ω 式(1)
により回転トルク(T)を求め、該回転トルクから反応液の粘度を演算することを特徴と
する粘度検出装置を有するものである。
本発明によれば、公知慣用のトルク検出装置や化学工場等の防爆区域に大掛かりな計測設備を設けることなく、大幅な生産時間短縮が可能であり、かつ効率的な印刷インキワニス用樹脂溶液の生成を可能とする該ワニス用樹脂溶液の生成方法を提供することができる。
本発明の実施態様の一例を示す図面である。 反応容器の横から見た断面を示す図面である。 本発明の実施例を説明する図面である。 一般的な反応液の粘度の温度特性を模式的に示す図面である。 反応容器(9)への製品の投入量を変化させて検出した式(19)の値を模式的な曲線で示した図面である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法で用いる原料には、ロジンエステル樹脂、多価アルコール類、レゾール型フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などがあり、ここで得られた印刷インキワニス用樹脂溶液は、乾性油、半乾性油などと加熱混合させるか、或いは更にゲル化剤と反応させることによって印刷インキワニスにすることができる。前記ロジンエステル樹脂としては、例えば、ロジン類を多価アルコールでエステル化して得られるものが挙げられる。ここで用いるロジン類としては、レゾール型フェノール樹脂と反応しうるもの、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、酸変性ロジン、および、これらロジン類を蒸留等により精製したもの等が挙げられ、なかでもレゾール型フェノール樹脂との反応性に優れ、高粘度のロジン変性フェノール樹脂が得られることなどから、ガムロジンが好ましい。前記酸変性ロジンとしては、二塩基酸またはその無水物で変性したものが好ましい。二塩基酸またはその無水物としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられ、なかでもフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられ、なかでもグリセリン、ペンタエリスリトールが好ましい。
また、ロジンエステル樹脂の製造方法としては、例えば、ロジン類と多価アルコールとをエステル化触媒に存在下、200〜300℃、好ましくは250〜285℃でエステル化反応させる方法が挙げられる。この際のロジン類と多価アルコールの使用比率は、通常、ロジン類中のカルボン酸1モル当量に対し、多価アルコール中の水酸基が1.5モル当量以下となる比率が好ましく、なかでも0.8〜1.1モル当量となる比率が特に好ましい。こうして得られるロジンエステル樹脂は、酸価が70mgKOH/g〜18mgKOH/g以下、及び水酸基価が50mgKOH/g以下となるように調節されたものであることが好ましい。
前記レゾール型フェノール樹脂としては、特に限定はないものの、フェノール類とホルムアルデヒドを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア水溶液等のアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物や、ノボラック型フェノール樹脂のレゾール化物等が挙げられ、なかでもフェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)をF/P(モル比)が1.5〜3.0となる範囲でアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物が好ましい。これらレゾール型フェノール樹脂の平均核体数としては、通常平均1〜10核体のものを通常用いるが、なかでも平均3〜6核体のものを主な成分とするものが好ましい。重量平均分子量としては、200〜1600のものが挙げられるが、なかでも700〜1300のものが好ましい。
前記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、アミルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、ビスフェノールAなどが挙げられ、なかでもp−tert−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール等のパラ位に炭素原子数4〜12の置換基を持つアルキルフェノールが好ましい。また、ホルムアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドの供給物質が包含され、ホルムアルデヒド、バラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
前記ロジン変性フェノール樹脂としては、例えば、ロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを無溶剤下160〜240℃で反応させてなるロジン変性フェノール樹脂がある。160℃未満の温度で反応させてなるロジン変性フェノール樹脂は、ロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂の反応が遅く、反応系内の粘度も高くなり工業的に適さない。
前記ロジンエステル樹脂と前記レゾール型フェノール樹脂を用いて印刷インキワニス用樹脂溶液を得るには、例えば、両者の使用比率を、ロジンエステル樹脂100質量部に対してレゾール型フェノール樹脂が15〜100質量部、好ましくは18〜50質量部となるようにし、重量平均分子量(Mw)が2000以上、好ましくは4000〜80000となるように反応させることが望ましい。この際の反応時間は通常0.5〜20時間、好ましくは1〜12時間である。この反応に際しては、通常150〜240℃、好ましくは180〜230℃に加熱したロジンエステル樹脂と、通常60〜150℃、好ましくは90〜140℃に加熱したレゾール型フェノール樹脂を、それぞれ反応容器内に投入し、無溶剤下、160〜240℃、好ましくは180〜230℃で反応させる。投入後の温度が200℃未満の場合には、200〜230℃に昇温して反応させることが好ましい。このようにして得られたロジン変性フェノール樹脂は、更に溶剤中160〜240℃で、レゾール型フェノール樹脂と鎖伸長反応させることによって目的物である印刷インキワニス用樹脂溶液にすることができる。
前記溶剤としては、平版印刷インキ用溶剤として使用可能なものが挙げられ、なかでも沸点160℃以上の炭化水素系溶剤が好ましく、例えば、パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族成分含有パラフィン系溶剤等の沸点200℃以上の石油系溶剤が挙げられる。具体例としては、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号〔以上、新日本石油(株)製〕、IPソルベント2028、IPソルベント2835〔以上、出光石油化学(株)製〕等が挙げられる。これらのうち、最近の環境、衛生面への配慮から芳香族成分の含有量は、1質量%以下のものが、好ましい。
このようにして得られた印刷インキワニス用樹脂溶液は、乾性油および/または半乾性油と160〜240℃で混合させるか、或いは更にその後、印刷インキワニス用樹脂溶液100質量部に対して、0.1〜5質量部のゲル化剤と反応させることによって印刷インキワニスにすることができる。この際には、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂等の石油樹脂を併用しても良い。
ここで前記乾性油としては、ヨウ素価130以上の動植物油、例えばアマニ油、オイチシカ油、サフラワー油、エノ油、キリ油、脱水ヒマシ油およびこれらの重合体等が挙げられる、前記半乾性油としては、ヨウ素価100〜130の動植物油、例えば綿実油、大豆油、米ヌカ油、コーン油、ゴマ油、ナタネ油やこれらの重合体等が挙げられる。また前記ゲル化剤としては、例えば有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、有機亜鉛化合物、有機力ルシウム化合物等が挙げられる。有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート化合物が挙げられ、なかでもアルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、エチル・アセト・アセテートアルミニウムジイソプレピレート、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート、エチルアセチルアセテートアルミニウム−n−ブチレート、アルミニウムトリスエチルアセチルアセテートなどが挙げられる。
前記無溶剤下で行われるロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂との反応にせよ、前記溶剤下で行われるロジン変性フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との反応にせよ、所定温度の下で生成される樹脂溶液には、反応の進行に伴い継続的な粘度の上昇が起こり、遂には、それ以上は上昇することのない飽和状態を示すようになる。この飽和した粘度の値は、同じ原料を用いて印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する場合であっても、原料のロットむら等に起因してかなりのバラツキが伴うので、この値を基準にして粘度の規格範囲を定めることは安定生産上困難である。
このため飽和粘度の値は、予め目標とする粘度の値の上限を超えるように配合を調節しておき、反応進行中の粘度が前記規格の範囲に到達した時に、溶剤や乾性油等を一斉に投入することによって反応容器内の温度を低下させて反応を停止させる方法が採用される。
本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法では、上記原料を一定比率で前記反応容器の中に添加すれば、安定した粘度品質のワニス用樹脂溶液が得られるとは限らないことを前提とするので、反応液の粘度を検出する手段が設けられることが必須である。
そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、化学工場の防爆区域に大掛かりな計測設備を設けることなく以下の粘度検出工程を行えば、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明の反応液の粘度を検出する工程は、
インバータ駆動電動機を動力源として、攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行う前記反応容器を含む反応装置に設置された、反応液粘度を検出するための粘度検出装置であって、
)前記電動機に供給されている電力を検出する電力検出手段
)前記電動機に供給されている電流を検出する電流検出手段
)前記電動機に供給されている電圧を検出する電圧検出手段
)前記回転軸の速度を検出する回転速度検出手段
)前記インバータ出力周波数を検出する周波数検出手段
の各手段を有し、
各手段で検出される検出値により得られる電動機投入電力(P)、損失電力(P)、
角速度(ω)を基に、式(1)
T=(P―P)/ω 式(1)
により回転トルク(T)を求め、該回転トルクから反応液の粘度を演算することを特徴と
する粘度検出装置を有するものである。



本発明の反応液粘度検出装置の特徴は、回転トルクが、投入電力をP、電動機の回路定数等及び電動機負荷に応じて決まる各種損失電力をPとすると、両者の差分P−P(P)が機械動力P=Tω(Tは回転トルク、ωは回転軸の角速度)に変換されることになるので、回転トルク(T)は単位時間当たりの電力損失と角速度の値から、一般式(1)

T=(P−P)/ω 式(1)

として求めることができることに着目した点にある。
即ち、本発明における印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法で用いる反応液粘度検出装置は、トルク演算に必要な電流、電圧、電力等の計測量が各種要因で変動することがあったとしても、エネルギーの入出力の総和がゼロになるということ、及びインバータ出力周波数を検出するための周波数検出手段から検出される周波数に着目することによって、演算結果の精度が格段に高くなることを見出した。
本発明に用いる印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法で用いる上記反応液粘度検出装置は、予め定められた前記反応容器での製造単位あたりの標準仕込み量と、当該製造単位における実仕込み量が異なる場合に、両者の仕込み量の差に基づいて反応液粘度値を補正することによる仕込み量の補正手段を有し、該反応液の検出粘度が、予め定められた値を超えたときに反応終点と判定する判定機能を有することを特徴とする。
前記P(W)は、投入電力計測値を用いる。測定には通常公知の電力測定機器を用いることができる。電力測定機器は、用いられる電動機の種類によって、使い分けを行うことが必要で、例えば、電動機が単相回路である場合は単相用電力計、3相電動機である場合は3相用電力計を用いる。
また、P(W)は、電力を検出する電力検出手段、電流を検出する電流検出手段、電圧を検出する電圧検出手段、回転軸の速度を検出する回転速度検出手段及びインバータ出力周波数を検出するための周波数検出手段から得られる測定値によって、所定の演算から得られる各種損失電力の総和として算出された値を用いる。
電動機の損失には、電動機に対する負荷の大きさに依存せずに発生する固定損と、負荷の大きさに依存する変動損があることが知られており、前者固有損は電動機に固有の値であり、一義的に決定することが可能である。
後者変動損は、運転中の電圧値、電流値及び軸回転速度と、電動機に固有の回路定数を用い、所定演算を行うことにより求めることができる。ここで回路定数は、電動機メーカーから提供される試験表によっても、電動機の負荷試験による計測値によっても得ることができる。
当該所定演算を、具体的に説明する。
(W)を構成する損失電力としては、一次電流損、二次電流損、渦電流損、ヒステリシス損、機械損、浮遊損の総和として表され、各々以下の一般式(2)、(3)、(9)、(10)、(11)、(12)で表される。

一次電流損=一次巻線抵抗×(一相一次電流)×電動機の相数(単位 W) 式(2)

二次電流損=二次巻線抵抗×(一相二次電流)×電動機の相数(単位 W) 式(3)
前記一相二次電流の値(単位アンペア)は三相誘導電動機のL型等価回路の採用によって、次の一般式(4)によって求められる。
二次電流=一相電圧計測値/((一次巻線抵抗+(二次次巻線抵抗/すべり))+(一次巻線リアクタンス+二次巻線リアクタンス)1/2 (単位 A) 式(4)
前記一次及び二次巻線リアクタンスの値(単位Ω)は、定格周波数における値なのでインバータ運転時の周波数の値によって次の一般式(5)、(6)によって求められる。
一次巻線リアクタンス=定格周波数における一次巻線リアクタンス×(インバータ出力周波数計測値/定格周波数)(単位 Ω) 式(5)

二次巻線リアクタンス=定格周波数における二次巻線リアクタンス×(インバータ出力周波数計測値/定格周波数)(単位 Ω) 式(6)

式(4)におけるすべりの値は、次の一般式(7)によって求められる。
すべり=(同期回転速度−回転速度計測値)/同期回転速度(単位 min−1)式(7)

式(7)における同期回転速度は次の一般式(8)によって求められる。
同期回転速度=120×インバータ出力周波数計測値/極数(単位 min−1)式(8)

渦電流損 =渦電流損×(一相電圧計測値/定格相電圧) (単位 W) 式(9)

ヒステリシス損=ヒステリシス損×(一相電圧計測値/定格相電圧)/(インバータ出力周波数計測値/定格周波数) (単位 W) 式(10)

機械損≒(機械損)×回転速度計測値/定格回転速度 (単位 W) 式(11)

浮遊損=固定損 (単位 W) 式(12)
機械出力(P)は、Pから上記各損失電力を差し引いた値であるので、

=P−(一次電流損+二次電流損+渦電流損+ヒステリシス損+機械損+浮遊損) (単位 W) 式(13)
で表される。
従って、電動機の回転トルクは、

回転トルク=機械出力(P)/(2π×回転速度計測値/60)
(単位 Nm) 式(14)

で求めることができる。
ここで、回転速度計測値は、公知慣用の回転速度計測計を用いて、通常の方法により測定することができる。
負荷の時間変動が速い場合は、各手段における計測タイミングのズレがエネルギーの入出力の総和がゼロになるというエネルギー保存則の前提を崩してしまうため、各検出手段における計測は同期的に行われることが望ましい。但し、負荷の変動が緩やかであって、全ての計測値を採取し終えるまでの間は実質的に変化がないと言えるような場合はこの限りではない。
本発明の特徴は、電動機が誘導電動機であってインバータを介して動作することであり、実施にあたっては、その出力周波数を他の計測量である電力、電圧、電流等と共に同期的に計測し、損失を求める各種変数に組み込めばよい。本願の反応液粘度検出装置においては、ヒステリシス損の検出にインバータ出力周波数を検出するための周波数計測値を組み込むことにより、検出される反応液粘度の変動(バラツキ)を小さくすることが可能となり、反応工程管理上好ましいものとなる。
更に、負荷の時間変動が激しい場合には、前記検出手段の他に、各手段に対して一斉に検出指令を出すための同期信号発生手段が設けられて、各検出手段による計測が同期的に行われるようにすることもできる。
本発明により検出された回転トルク(T)から反応液粘度を検出するには、例えば以下の手順に従って行うことができる。
ニュートンの式によれば、厚さhの液体を間にはさんだ2枚の面積Aの平面が相対速度Uで運動する時発生する力Fは、ηが粘度を表すとして、
F=ηAU/h (単位 N) 式(15)
で表される。
ここで、図2に表される反応容器において、rは攪拌翼半径、lは攪拌翼が反応液に没している長さ、nは回転数、Fは距離rにおいて攪拌翼に発生する力、gは攪拌翼と反応釜との距離を表すとすると、上記式(15)式は、攪拌翼の構造上の細部の凹凸を無視すれば近似的に、以下の式(16)のように表される。

F=η(2πrl・2πrn)/g (単位 N) 式(16)
従って、
回転トルクTは、

T=F・r=η(2πrl・2πrn)/g・r(単位 Nm) 式(17)

であるので、ηについて求めると
η=T・g/(2πrl・2πrn・r) (単位 Nm−2・s) 式(18)

ここで、T、N以外は反応容器及び攪拌翼の寸法によって決定される定数なので改めて

η=κT/n (単位 Pa.s) 式(19)

と表すことができ、式(19)によって反応液粘度を求めることができる。つまり、粘度ηはトルク/回転速度に比例する量である。
以上の本発明の回転トルク演算方法を採用した反応液粘度検出装置は、電動機を動力源とする軸の回転トルクを検出し、更に反応液粘度を検出するための装置であって、前記電動機に供給されている電力を検出する電力検出手段、電流を検出する電流検出手段、電圧を検出する電圧検出手段、回転軸の速度を検出する回転速度検出手段及びインバータ出力周波数を検出するための周波数検出手段とを有し、更には、電動機の内部温度を検出する温度検出装置とを有し、前記各手段で得られた検出情報に基づき所定の演算を行うことにより回転トルクを求め、更に反応液粘度演算手段を有することを特徴とするものであり、前記電力、電圧、電流、角速度、及び電動機の内部温度の各検出手段としては公知慣用の計測装置を用いることができる。
前記演算手段には、ノート型、ディスクトップ型等の各種パーソナルコンピュータ、或いはプロセスコンピュータ等の公知慣用演算処理機能を有する手段を用いることができる。前記演算手段並び前記各検出手段との間にはRS−232C、GP−IP、USB、ISA、PCI等の公知慣用のデータ通信機能があってもよいし、また前記同期信号発生手段が前記コンピュータ等からの命令で代用されるものであってもよい。
図1は、本は発明のトルク検出装置を示し、図中の各符号は、(符号の説明)に記載のものを表す。
図1は動力源である電動機が単相回路であることを想定したものであるが、対象が三相誘導電動機である場合には、公知慣用の三相用の電力計が用いられるべきこと、また、その場合、電圧及び電流共に相毎に計測され、トルクを算出する演算も相毎に行われて合成されるべきことは言うまでもない。また対象とする電動機が直流電源で駆動する直流電動機であっても本発明を同様に適用することができる。
本発明のトルク検出装置で、減速機(10)の従動軸(12)の側のトルクを求める場合は、負荷(9)の原因となる内容物が空の状態で原動軸(11)のトルクToを予め求める。ここでのトルクToは減速機(10)で発生する損失トルクと従動軸(12)以下に繋がる軸受け等で発生する機械損失トルクを合計したものとなる。仮に減速機(10)の減速比率がA(従動軸回転速度に対する原動軸回転速度比)である場合は、従動軸トルクは演算式A(T−To)として求めることができる。この演算もまた演算手段であるPC(5)によって行われる。
原動側、従動側何れの側のトルクを求める場合にせよ、各計器での測定は(5)のPCからの命令で一斉に同期的に行われ、(6)の通信ケーブルを通じて当該計測情報を(5)のPCに戻される。(5)のPCは予めプログラム内に格納している電動機の固定損失及び電動機の回路定数を用い、前記計測情報に基づいてトルクを算出するための演算を行い、結果を画面や内部の情報記録手段等に出力する。
以上のような手順を経ることにより、オペレータはPC画面上に表示された回転トルク値をリアルタイムで知ることができる。
次に、前記反応液粘度検出装置において、反応液の温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段で得られた温度値に基づき反応液粘度値を補正する粘度補正手段について説明する。
一般に、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成においては、反応進行に伴い、内容物の分子量は徐々に増加し、それに伴い反応液粘度も上昇する。通常、製品には製品固有の許容粘度範囲(規格粘度幅)が定められていて、最終到達粘度は当該範囲に含まれることが要求される。反応釜の温度制御は、釜の内容積が大きくなるほど精度維持が難しくなり、実質的な制御精度は±3〜±5℃が限界と言われる。
一方、化学重合製品の粘度はアレニウス型と呼ばれる温度の指数型関数であることが知られており、温度変化に対しては大きく急激に変動する。一般に、反応温度を一定に維持することは困難であるとの前提から、本発明の装置で得られる粘度の値も、上記温度変動の影響を受けて増減することになるので、その結果、反応液に固有の粘度値を一義的に決めることができない。
上記を鑑み、本発明の装置においては、上記温度変化を伴ったとしても、前記反応液固有の粘度値を得るために、前記反応容器内の反応液温度を検出する温度検出手段(16)と、当該手段で得られた温度値に基づき反応液粘度値を補正する温度補正手段とを設けることによって、予め定めた特定の温度における粘度に補正した値を出力することができる。
以下、具体的に手段を説明する。
図4は、一般的な反応液(以下、製品Aという)の粘度の温度特性を模式的に示した図であり、またToは当該製品Aが製造されるときの標準温度を表す。縦軸は、本発明原理である式(19)に基づいて得られた粘度の、温度Toおける値を100としたときの異なる温度における相対値(以下%粘度)を表したものである。当該曲線は、予め、例えばガードナーホルト法等の粘度測定装置を用いて、製品Aに係る粘度の温度特性を測定した結果を基に作成することができる。そして、本発明における温度補正は、図4に示す温度曲線を、例えば、2〜3次等の多項式形式で(5)のPC内部のメモリーに予め記憶させておいて、数値100を温度計測手段によって得られた値の%粘度で除した値(以下、温度補正係数という)を、式(19)で得られた値に積算することによって行われる。ここで、多項式はその種類は問わないが、粘度と温度の関係を誤差少なく表すものであればよい。
仮に、製品Aを製造しているときの反応容器内の液温が標準温度Toであった場合には、%粘度値は100なので、温度補正係数の値は1となり、これを式(19)によって得られる値に積算するが、この場合には値は変化しない。同様に液温が標準温度Toよりも高いT’であった場合、%粘度は図4の曲線に沿って得られる100よりも小さい値η’となるので、温度補正係数の値は1よりも大きい値となる。これを式(19)で得られた値に積算することによって、実際に温度T’で検出された粘度値を、標準温度Toでの値に換算して出力することが可能となる。
次に、前記反応液粘度検出装置において、予め定められた前記反応容器での製造単位あたりの標準仕込み量と、当該製造単位における実仕込み量が異なる場合に、両者の仕込み量の差に基づいて反応液粘度値を補正することによる仕込み量の補正手段について説明する。ここで、仕込み量とは、仕込みの重量を指しても、仕込みの容量を指してもどちらであってもよいが、通常は仕込みの重量である。
反応製品は反応容器(9)に原料等を投入して行われるが顧客需要や生産計画等の都合で、生産単位当たりの生産量が一定であるとは限らない。反応容器内に投入される原料の合計量が増減する場合は、式(14)によって得られるトルクが増減し、それに基づいて式(19)で得られる粘度もまた増減することになり、反応液に固有の粘度値を一義的に決めることができない。
しかし、本発明が採用する装置においては、上記仕込み量の増減があったとしても前記反応液固有の粘度値を得ることができるようにするために、仕込み量の増減に伴う上記変化を補正する仕込み量補正手段が設けられる。図5は、反応容器(9)に製品Aの投入量Wを変化させて検出した式(19)の値を模式的な曲線で示したものである。当該曲線は、予め、例えばガードナーホルト法等の粘度測定装置を用いて、製品Aに係る粘度と仕込み量の関係を測定した結果を基に作成することができる。縦軸は、本発明原理である式(19)に基づいて得られた粘度の、標準仕込み量Woおける値を100としたときの他仕込み量における相対値(以下、%粘度という)を表したものである。
本発明における仕込み量補正は、図5に示す曲線を、例えば、2〜3次等の多項式形式で(5)のPC内部のメモリーに予め記憶させておいて、数値100を、当該生産における仕込み量時の%粘度で除した値(以下、仕込量補正係数という)を求め、これを式(19)で得られた値に積算することによって行われる。ここで、多項式はその種類は問わないが、粘度と仕込み量の関係を誤差少なく表すものであればよい。
仮に、製品Aを製造しているときの反応容器への仕込み量が標準仕込み量Woであった場合には、%粘度値は100なので、仕込み量補正係数の値は1となり、これを式(19)によって得られる値に積算するが、この場合には値は変化しない。同様に仕込み量が標準量Woよりも高いW’であった場合、%粘度は図5の曲線に沿って100よりも大きい値η’となるので、仕込み量補正係数の値は1よりも小さい値となる。これを式(19)で得られた値に積算することによって、実際には温度W’で検出された粘度の値であっても、標準仕込み量Woでの値に換算して出力することが可能となる。
また、反応終点と判定する手段は、前記手段に従って算出された反応液の検出粘度が、予め定められた値を超えたときに反応終点と判定することにより行われる。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例)印刷インキワニス用樹脂溶液の製造
反応容器(容量12m)を含む反応装置を用い、溶剤存在下でロジン変性フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂を反応させて印刷インキワニス用樹脂溶液を生成させる例を具体的に説明する。
(装置構成)
図3は反応装置の構成を示す図であり、
(4)角速度検出手段
(5)演算手段(コンピュータ)
(6)データ通信線
(7)電源
(8)電動機
(9)反応容器
(9a)反応液
(9b)従動軸に固定された攪拌翼
(10)減速機
(11)原動軸
(12)従動軸
(13)計測器パッケージ(三相電力計、電圧計、電流計、周波数計)
(14)制御盤
(15)インバータ
(16)温度検出手段(樹脂)
(17)温度検出手段(電動機コイル)

をそれぞれ示し、何れも公知慣用の設備並びに機器類である。尚、前記制御盤はインバータ(住友重機HF−430)を内包する場内の非防爆指定区域に設けられている。本実施例において計測器パッケージは当該制御盤内、PCはLANケーブルを介して当該制御盤に隣接する室内に設けられている。前記計測器パッケージにせよ、前記PCにせよ、何れもd2G4等の防爆技術基準を満たすものではない。但し、回転速度計としては本質安全防爆構造の反応缶攪拌機用回転計SBF−14型(サムタク株式会社)が攪拌軸に対して取り付けられている。
本実施例の前記三相誘導電動機は、次の特性を有するものである。即ち、
極数は、4極、
20℃における一次巻線抵抗は、0.0226Ω、
一次巻線リアクタンスは、0.0903Ω、
20℃における二次巻線抵抗は、0.0213Ω、
二次巻線リアクタンスは、0.1443Ω、
鉄損は、270W(渦電流損175W、ヒステリシス損95W)、
機械損は、95W、
浮遊損は、227Wであり、
定格電圧は、200V、
定格周波数50Hzの下で、
定格出22kW、
である。
また、前記三相誘導電動機の回転軸と攪拌翼が備えられた攪拌軸との間には、
減速比が29、
の減速ギアが取り付けられている。
本実施例における仕込み条件は以下の通りであり、レゾール型フェノール樹脂の配合量は、従来法である段階的に投入して当該樹脂溶液を生成する場合よりやや多く定められている。
Figure 0005407964
尚、反応温度は、200℃±3℃である。
反応容器を含む反応装置に備えられている攪拌翼を回転させながら、溶剤とロジン変性フェノール樹脂を上記部数だけ予め投入して、200℃の温度に保持した後、160℃に予熱しておいたレゾール型フェノール樹脂を上記部数一括で投入した。一括投入した後は、当該発明の方法が採用する粘度検出装置が示す粘度値が徐々に上昇し、投入してから1時間経過後には予め定めた粘度値、即ち、反応終点に到達したため、乾性油及び溶剤を所定量投入することにより反応を停止させて、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成を終了した。尚、ロジン変性フェノール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂は、何れも公知慣用の方法で得られる原料である。
尚、当該印刷インキワニス用樹脂溶液の仕込み量補正曲線から得られる仕込み量補正係数の値は1.09である。当該溶液を生成する場合の標準反応温度は200℃であり、本実施例における反応温度は197℃であった。また当該溶液の温度補正曲線から得られる197℃における温度補正係数の値は、0.97である。
前記計測パッケージは、本発明構成要素の一部を成し本実施例ではクランプ電力計CW240(横河メータ&インスツルメンツ株式会社)を用いた。この計測器は三相交流回路の電力計、電圧計4チャンネル、電流計4チャンネル及び周波数計の、合わせて4つの機能を一つのユニットに組み込んだものである。同様の計測機能であればこのCW240以外の計測器であっても用いることができる。
前記PCは前記計測パッケージから通信手段を通じてデータ入手し、所定演算を行って回転トルクを算出する演算機能と、各計測手段に対して一斉に計測タイミング信号を発する同期信号発生手段を兼ねる。各計測手段はPCからの指令で一斉に、単位時間あたり所定回数の計測を行い、その平均値をPCが取り込んで回転トルクを算出する。
(回転トルクの演算)
次に、回転トルク演算手順を次に示す。
三相電力計測値として、
=6100W、
一相電圧計測値としてV=119.1V、
一相電流計測値としてI=31.1A、二相、三相の電圧及び電流の計測値として共に一相と同じ値、
周波数計測値としてf=49.21Hz、
攪拌翼回転速度計測値としてN=50.42(min−1
電動機内部温度70℃、
が、それぞれ得られた場合で説明する。
前記三相誘導電動機の回路定数や損失特性が計測された時の基本量を先ず求める。
定格相電圧=200/31/2=115.5(V)
定格同期速度=120×50/4=1500(min−1
次に前記運転時における基本料として同期速度とすべりを求める。
巻線コイルの温度が計測で得られた前記電動機内部温度70℃に等しいと見做し、当該温度における巻線の抵抗値を求めると、

一次巻線抵抗 =0.0226×(234.5+70)/(234.5+20)
=0.0270 (Ω)
二次巻線抵抗 =0.0213×(234.5+70)/(234.5+20)
=0.0255 (Ω)

リアクタンスは周波数に比例するので運転時のインバータ周波数での値に換算すると、
一次巻線リアクタンス =0.0903×(49.21/50)
=0.0889 (Ω)
二次巻線リアクタンス =0.1443×(49.21/50)
=0.1420 (Ω)

運転時同期速度=120×49.21/4=1476.30 (min−1
回転速度計測値=50.42×29=1462.18 (min−1
すべり=(1476.30−1462.18)/1476.30=0.00956

二次電流I=115.5/((0.0270+0.0255/0.00956)+((0.0889+0.1420)×49.21/50)1/2=42.7 (A)
以上の結果と、前記計測データとから各損失と攪拌トルクは以下の手順で求められる。

一次電流損P=一次巻線抵抗×一相電流の二乗×3相分
=0.0270×31.1×3=78.3 (W)

二次電流損P=二次巻線抵抗×一相二次電流の二乗×3相分
=0.0255×42.7×3=139.5 (W)

渦電流損 P=175×(119.1/115.5)=186.1(W)

ヒステリシス損P=95×(119.1/115.5)/(49.21/50)
=102.6 (W)

機械損 P≒95×1462.18/1500=92.6 (W)

浮遊損 P=227 (W)
以上から、
機械出力P=P−(P+P+P+P+P+P
=6100−(78.3+139.5+186.1+102.6+92.6+227)
=6100−826
=5274 (W)

電動機角速度=2π×1462.18/60=153.119(rad/sec)

電動機回転トルク=5274/153.119=34.44(Nm)

攪拌軸トルク=34.44×29=999(Nm)

と求めることができる。
反応釜に原料等を投入する前の空の状態において減速機出力トルクを検出した時の値は85Nmであったので、

反応液に起因する正味トルク=999−85=914(Nm)

として求められる。このようにして減速機を含む回転系全体のトルク損失を考慮する場合は、反応釜内の内容物が空の状態で運転したときの空運転トルクToを求めておいてこれを定数として扱い、正味攪拌トルクは、本発明の方法で得たトルクから差し引くことによって求められる。
また、前記で求めた仕込み量補正係数、及び温度補正係数の値を用いて、以下のように、補正後の粘度を求めることができる。

攪拌軸角速度=電動機角速度/減速比
=153.119/29=5.280(rad/sec)

補正前粘度 η=914/5.280=173.1(Pa・s)
仕込み量補正後粘度 η1=173.1×1.08=186.9(Pa・s)
温度補正後粘度 η2=186.9×0.97=181.3(Pa・s)
本実施例は、各相の電圧、電流が共に等しい三相平衡状態を想定して行ったが、三相平衡状態でない場合では、相毎に一次電流損や二次電流損を求めてそれぞれ合計すればよい。
上記トルク算出に用いた巻線抵抗の値は、電動機運転中の値が用いられることがトルクの検出精度上望ましく、必要に応じて公知慣用の温度計測手段を電動機内部に設けその温度計測値に基づき、上記抵抗値を温度補正して用いればよい。
算出した粘度の値は、PCの画面上にグラフィック及び数値表示させることにより、反応中の粘度変化をほぼリアルタイムに把握することができたので、反応停止のタイミング誤差が生じることはなかった。原料のレゾール型フェノール樹脂の一括投入から僅か1時間のうちに反応終点に到達し、生成された印刷インキワニス用樹脂溶液のガードナーホルト粘度計による計測値はKが得られた。この粘度測定結果は、後述の比較例で述べる前記レゾール型フェノール樹脂を段階的に投入して生成した印刷インキワニス用樹脂溶液の値と同じ粘度値であった。このようにして安定した粘度品質の印刷インキワニス用樹脂を得ることができた。
尚、本実施例で使用したPC機種は、DELL DIMENSION 9200C(製品名)であるが、これに限られるものではない。
(比較例)
表1と同様の配合組成でロジン変性フェノール樹脂と溶剤の仕込みを行い、レゾール型フェノール樹脂の投入は以下のように段階的に実施した。
一回目に400kgを投入してから2時間経過後に、反応容器から樹脂溶液のサンプリングを行い、ガードナーホルト粘度計を用いて粘度検査を行なった。その結果、E2−Fが得られたが、目標粘度はKのため、続いて二回目の投入38kgを実施した。1時間経過後に再びサンプリングによる粘度検査を一回目の時と同様に行った。その結果、I2−Jが得られたので、続いて三回目の投入5kgを行った。投入から40分経過後の粘度検査の値が目標のKに到達したので、この結果を確認出来次第に、反応を停止させた。このようにして印刷インキワニス用樹脂溶液の生成を終了したが、反応終点に至るまでに要した時間は、前記粘度検査に要した時間を含めて都合4時間40分であった。また、レゾール型フェノール樹脂の累積投入量は443kgであり、前記実施例の一括投入の場合と比較してやや少ないものであった。
本実施例においては、溶剤の存在下でロジン変性フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂を原料とする例を示したに過ぎないが、これらの原料やその配合部数は、印刷インキワニス用樹脂溶液、引いては印刷インキワニス製品の配合設計に応じて選択されるべきものである。しかしながら、どのように選択されたにせよ、溶剤存在下で複数原料が投入されたことより粘度上昇が伴う全ての工程において、本発明の方法は広く利用することができるのである。
以上のように、本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法によれば、大幅な工程の時間短縮が図られると共に、反応途上の粘度をリアルタイムで監視することができるようになるので、反応終点の判断が容易となり、反応を停止させるタイミングが正確になされるようになる。更には、安定した粘度品質の印刷インキワニス用樹脂溶液の大量生産が容易になされるようになる。
本発明は、印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する方法であって、大幅間工程時間短縮が図られる方法を提供するものであると共に、安定した粘度品質の生成方法を提供するものである。
(1)電力検出手段
(2)電圧検出手段
(3)電流検出手段
(4)角速度検出手段
(5)演算手段(コンピュータ)
(6)データ通信線
(7)電源
(8)電動機
(9)反応容器
(9a)反応液
(9b)従動軸に固定された攪拌翼
(10)減速機
(11)原動軸
(12)従動軸
(13)計測器パッケージ(三相電力計、電圧計、電流計、周波数計)
(14)制御盤
(15)インバータ
(16)温度検出手段(樹脂)
(17)温度検出手段(電動機コイル)

Claims (9)

  1. 2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させることによって、印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する方法であって、
    1)印刷インキワニス用樹脂溶液を生成するための反応容器に前記2以上の原料をそれぞれ所定量一括して投入する工程と、
    2)前記鎖伸張反応を行う鎖伸張反応工程と、
    3)前記鎖伸張反応の終点判断を行うため、印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度を検出する工程と、
    を有し、
    前記反応液の粘度を検出する工程が、
    インバータ駆動電動機を動力源として、攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行う前記反応容器を含む反応装置に設置された、反応液粘度を検出するための粘度検出装置であって、
    a)前記電動機に供給されている電力を検出する電力検出手段
    b)前記電動機に供給されている電流を検出する電流検出手段
    c)前記電動機に供給されている電圧を検出する電圧検出手段
    d)前記回転軸の速度を検出する回転速度検出手段
    e)前記インバータ出力周波数を検出する周波数検出手段
    の各手段を有し、
    各手段で検出される検出値により得られる電動機投入電力(P )、損失電力(P )、
    角速度(ω)を基に、式(1)
    T=(P ―P )/ω 式(1)
    により回転トルク(T)を求め、該回転トルクから反応液の粘度を演算する粘度検出装置を有するものであり、
    且つ前記原料の一括投入後においては反応終点に至るまでの間に原料の追加投入を行わないことを特徴とする印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  2. 前記粘度検出装置において、前記電動機の内部温度を検出する温度検出手段を更に有することを特徴とする請求項に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  3. 前記損失電力(P)が、一次電流損、二次電流損、渦電流損、ヒステリシス損、機械損、及び浮遊損の総和である請求項1又は2に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  4. 前記電力検出手段、電流検出手段、電圧検出手段、回転速度検出手段、周波数検出手段での検出を同期的に行う請求項1〜3の何れかに記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  5. 前記粘度検出装置が、
    f)反応液の温度を検出する温度検出手段
    g)前記温度検出手段で得られた温度値に基づき反応液の粘度値を補正する粘度補正手段の各手段を更に有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  6. 前記粘度検出装置が、
    予め定められた前記反応容器での製造単位あたりの標準仕込み量と、当該製造単位における実仕込み量が異なる場合に、両者の仕込み量の差に基づいて反応液粘度値を補正することによる仕込み量の補正手段を更に有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  7. 前記反応容器を用いて反応液を攪拌するに際し、
    該反応液の検出粘度が、予め定められた値を超えたときに反応終点と判定する判定機能を更に有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  8. 前記電動機が誘導電動機である請求項1〜7の何れかに記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  9. 前記2以上の原料が、すくなくともロジン変性フェノール樹脂と、レゾール型フェノール樹脂とで構成される請求項1〜8の何れかに記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
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