JP5817624B2 - 印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法、及び生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法に関する。
近年、印刷機の高速化が進み、それに伴ってインキ用樹脂には、ミスチング抑制、乾燥性向上等の高速印刷に必要な適性の向上が求められており、このため、この目的に適うインキ用樹脂の改良は、樹脂の分子量、粘度、及び軟化点を、何れも高い方向に推移させている。
この要望に応えるべく該樹脂の改良が様々の角度から進められて来たが、現実の製造現場における反応終点管理は、前記分子量や軟化点ではなく、その到達した粘度によって行われる場合が多い。
上記樹脂の改良を行うため、使用される原料の割合を注意深く調整することにより対応を行ってきた。
例えば、特許文献1では、ロジン類とポリオール類とのエステル化反応物であるロジンエステル類と、レゾール型フェノール類と、カルボキシル基または水酸基、および二重結合をもつ石油樹脂とを反応させて得られるロジン変性フェノール樹脂を用いて、印刷インキ用ワニス製品を調整する方法が開示されている。本文献において、ロジン変性フェノール樹脂は、ワニス製品となる前段階の物質であり、0011段落には、「レゾール型フェノール成分の使用量は特に限定はされないが、ロジンエステル成分の使用量と石油樹脂成分の使用量あわせて100重量部に対し通常20〜120重量部であり、より好ましくは下限が40重量部、上限が80重量部である」との開示や「レゾール型フェノール成分の使用量が20重量部未満の場合、ワニス粘度が低下する傾向がある」との開示があり、所望するワニス粘度を実現するにはレゾール型フェノール樹脂成分の使用量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
特許文献2では、ロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを無溶剤下160〜240℃で反応させてなるロジン変性フェノール樹脂(A1)、および/または、ロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを無溶剤下160〜280℃で反応させてなり、かつ、240℃を越える温度での反応時間が1時間未満であるロジン変性フェノール樹脂(A2)を、有機溶剤中、160〜240℃でレゾール型フェノール樹脂(B)と鎖伸長反応させてなることを特徴とする印刷インキワニス用樹脂溶液が開示されており、本文献の0064段落には「ロジン変性フェノール樹脂100部にAFソルベント7号25部を加えて200℃に温度を保持したまま、レゾール型樹脂溶液30部を加えて同温度に更に3時間保持し、得られた反応混合物溶液に同量のトルエンを加えた場合の溶液の25℃におけるガードナー粘度がI−J〔樹脂分の重量平均分子量(Mw)は13万であった。〕になるまで反応させて印刷インキワニス用樹脂溶液とし、この時点で系内の反応液100部に対してダイズ油32部、AFソルベント7号68部およびBHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.2部を加え200℃で1時間攪拌混合した後、粘度(25℃における気泡粘度。以下、同様。)が6000〜7500dPa.sの範囲に入る様に160℃でゲル化剤であるエチル・アセト・アセテートアルミニウムジノルマルブチレートを0.5〜1.5部の範囲で必要な量を加えて1時間加熱攪拌して、本発明の印刷インキワニスを得た」ことが開示されている。ここにおいても所望するワニス粘度を実現するには、ゲル化剤の添加量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
特許文献3では、ロジンエステル樹脂と、フェノールホルムアルデヒド初期縮合物とを、溶剤を含む系内で140〜240℃で縮合させることを特徴とする、印刷インキ用樹脂ワニスの製造方法が開示されており、本文献にはロジン変性フェノール樹脂ワニスの製造に関し、0031〜0033段落に、「撹拌器、水分離器付き還流冷却器及び温度計を装着した4つ口フラスコに、ハリエスターKH−145(ハリマ化成(株)製、酸価20、軟化点100℃のガムロジンペンタエリスリトールエステル)435部と、製造例1で製造したレゾール型フェノール樹脂422部(固形分75%)と、溶剤としての日石AF7号ソルベント200部とを投入し、窒素ガスを吹き込み攪拌しながら加熱し、樹脂を溶解して均一状態とする。その後更に加熱し、溶剤のキシレンと、ロジンとフェノールホルムアルデヒド樹脂との縮合反応により生じた水を、水分離器付き還流冷却器で回収しながら、200℃まで昇温する。同温度で4時間クッキングした後、日石AF7号ソルベント550部を追加して添加し、更に30分クッキングすることにより、粘度56Pa.S、n−ヘキサントレランス3.2g/g、MW16万の樹脂ワニス1450g(樹脂固形分は50%)を得た」との実施例が開示されている。ここでも所望とするワニス粘度を実現するには、投入する溶剤量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
特許文献4では、ロジン類とフェノール樹脂と多価アルコールから得られたロジン変性フェノール樹脂35〜50重量%と、炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルフェノールとアルデヒド類から得られた縮合度が3〜20核体のフェノール樹脂0.1〜5重量%と、比重が0.78以上、沸点が200℃以上の石油系溶剤30〜60重量%と、乾性油類10〜50重量%と、ゲル化剤0.1〜2重量%とを加熱反応させてなる印刷用インキゲルワニスが開示されており、本文献においても、所望のワニス粘度を得るには、原料であるロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、石油系溶剤、乾性油類、及びゲル化剤添加量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
しかし、上記特許文献及び上記以外の公知技術であっても、公知慣用の原料であるロジン変性フェノール樹脂、溶剤類、油類、ゲル化剤等の、各種原料を一定の割合で添加することによって、安定した粘度品質のワニス製品が得られたとはいえない状況であった。
上記原料には、それぞれにいわゆるロットぶれが存在し、ロットによって成分や粘度等の各種物性が変動することが知られている。特に自然採取原料であるロジンでは季節によっても水分等の成分が変動することで知られ、かかる状況にありながらも安定した粘度品質を実現しようとすれば、生産単位毎に工程内で逐次粘度の到達点を確認しつつ、粘度が不足しないように、かつ超過しないように原料添加量や工程条件を調節しながら、注意深く生産を遂行する必要があった。反応が進み過ぎて粘度の値が規格で定めた数値を超過した場合には、目的とする性能が発揮されないことにより不良品として扱われるので好ましくない。このような事情からこれまでの製造方法では、反応終点付近になると複数回サンプリングを行い、反応途上の粘度値を確認すると共に、粘度が不足している場合には粘度上昇の要素となる原料を逐次投入する方法によって生産を行っていた。この逐次投入の必要性こそが、長年にわたり生産合理化が進まず、生産時間短縮(スループット)向上が図られない最大の要因となっていた。
そこで、樹脂の製造工程を反応液の粘度測定によって管理する方法が検討されてきた。
製造途上にある印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度測定は、通常ガードナーホルト法により行われる。この方法は、反応液を一部採取し、必要に応じて希釈溶剤等にて希釈を行った後に、試料中の気泡の移動速度を標品と比較することにより粘度の測定を行うものであり、測定された粘度に定量性が乏しい上に、気泡の移動速度を目視により行うためにバラツキが大きく、リアルタイム性のある反応工程管理を行う場合には不向きと言える方法であった。
一方、反応液の粘度を検出する方法としては攪拌翼にかかるトルクを測定する方法がある。反応の進行に伴って反応釜内に生成される物質の分子量が増大し、それに伴って粘度が上昇し攪拌翼にかかる回転負荷が増大する。この負荷の増大はトルクの上昇となって現れることから、トルクを測定することによって反応の進行や最終到達粘度等を予測すること
が可能となる。
トルクを測定する手段としては、回転軸の原動側と従動側の間に歪を検出するための弾性体から成る継ぎ手を設け、この弾性体の歪量を電気抵抗の変化に変換して検出する半導体センサー方式、継ぎ手の捻れを交流信号の位相差に変換して検出する位相差方式、その他にも磁歪方式、圧電方式等の各種装置が知られている。これらの装置に共通することは、何れもトルク検出装置の一部として設けた弾性体にトルクの大きさに比例した変形を起こさせ、更にこの変形量を前述の各種検出方式を用いて電気信号に変換するというものである。こうした公知慣用装置では、電動機容量が大きくなると歪検出のための弾性体も頑丈な構造が要求されるばかりでなく、前記反応製品を扱う化学工場等では、d2G4等の防爆設備基準を満たすための数々の工夫が要求されるため、大掛かり且つ複雑なものにならざるを得なかった。
従来の回転トルク或いは粘度の検出方法、又はこれらの検出装置としては、例えば、特許文献5には、試料との相対回転により受ける粘性によって発生するトルクを測定するようにした回転粘度計用トルク検出器に関して記載があり、中心部に被計測流体内で回転するロータが受けるトルクにより回転する軸を固定し、前記中心部から延びる平板状のボビンプレートと、前記ボビンプレートにおいて少なくともコイルの電流が中心軸から離れる方向の部分と近づく方向の部分を備えるように巻回し、外部から通電可能なコイルと、前記各コイルを上下から挟んで対向し、互いに磁極が異なる各々一対の永久磁石と、前記ボビンプレートの回転位置に対応した光または影の位置を検出する受光部材と、前記受光部材の受光位置信号に応じて前記ボビンプレートの回転前の位置に戻すように前記コイルへの通電量を制御し、該通電量によりトルクを求める手段を備えたことを特徴とする回転粘度計用トルク検出器が記載されている。
粘度を測定する手段としては、例えば、特許文献6には、ゴム等の試料の粘性抵抗を測定する粘度測定装置についての記載があり、互いに対向して離接され当接時に試料室を形成する上部および下部ダイスと、いずれか一方のダイスを貫通する軸を有し、前記試料室内で回転されるロータとを備え、前記試料室内に試料を充填しない状態で前記ロータを回転させ、ロータに作用する反トルクを検出器で検出して検出器のゼロ点調節を行うとともに、前記試料室内に試料を充填してロータを回転させ、試料の粘性抵抗によってロータに作用する反トルクを前記検出器で検出して試料の粘性抵抗を測定する粘度測定装置において、前記ロータの頂面には、試料非充填時の前記反トルクを低減すべく前記ロータの回転中心軸上において前記試料室の壁面とほぼ点接触可能な当接部が設けられていることを特徴とする粘度測定装置が記載されている。
特許文献7には、回転の生成と発生トルクの測定、或いは、その逆の組み合わせで試料の粘性等を測定する回転粘度計について記載があり、回転粘度計の回転軸の軸線と駆動用モータの駆動軸線を一致させ、前記回転軸を直接駆動する駆動用モータを備えた回転粘度計であって、前記駆動用モータはオープンループによる回転制御を行うステッピングモータであり、前記ステッピングモータの各相の電流を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、ステッピングモータに流す電流の内、1相のみの電流を振動させて、モータに回転変位振動を発生させることを特徴とする直接駆動モータを用いた回転粘度計が記載されている。
しかし、これまでのトルク測定法或いは粘度測定法においては、特定の測定装置を導入する必要があり、化学工場等において既設の反応釜設備にトルク検出装置等を設置する場合には、生産を停止して設備を解体し当該設備固有の取り付け部品等を用いる必要があるため、製造コストへの影響も大きく、合理化目的のトルク検出装置等導入を一層困難なものとしていた。
上記事情から、トルク検出装置を用いずにトルクを検出する方法が種々検討されてきた。例えば、特許文献8には、誘導電動機の二次抵抗の温度変化による影響を抑圧する制御技術を確立することを目的とし、電動機の回転速度または一次電圧・電流を用いた関数演算により発生トルクを推定する二つの方法が明らかにされている。一つは電動機慣性モーメントと電動機摩擦係数を定数としてトルクと角速度を変数とした微分方程式を解くことによってトルクを推定する方法、もう一つは誘導電動機の極対数、相互インダクタンス、二次インダクタンス、一次電流、及び二次磁束とから公知関係式によりトルクを推定する方法である。
前者の方法では、前記方程式の解を得るためには慣性モーメントの検出が必要になるが、反応釜の攪拌翼を回転させる場合、負荷が刻々と変化して行くので慣性モーメントも変化し、更に回転系の慣性モーメントを計測するのは容易ではないため実施には困難が伴い、測定した慣性モーメントを用いて精度高く回転トルクの検出を行うことは実質不可能である。
後者では、電圧又は電流のみの計測量から関数演算によりトルクを推定するが必ずしも一つの関数式で実現象を正確に記述し得ないこと、該計測誤差がそのままトルク推定誤差に直結すること、摩擦に起因する損失トルク及び交流電源の周波数変化の影響等が考慮されないこと等から誤差が生じる問題点があった。
特許文献9では、誘導電動機の可変速制御装置に関する発明を開示しており、発明構成要件の一つとして一次電流検出値に基づいてトルクを演算によって求める方法を明らかにしているが、本方法においても前記特許文献8と同様の問題が生じる可能性がある。
特許文献10には、画像形成装置に関する発明を開示しており、発明構成要件の一つとして直流モータの回転速度を一定に制御することを目的に電流、電圧、又は電力の何れかによってトルクを検知する方法を記載している。当該方法では、トルクが前記何れかの変数と比例関係にあることを利用してトルクを検知しているものの、摩擦に起因する損失トルク等による影響が考慮されないため誤差が大きくなる問題点がある。
特許文献11には、電力、電流、電圧、及び回転速度の計測量からトルクを求める方法が開示されているが、インバータ電源で駆動する誘導電動機においてこの方法を適用すると、誘導電動機への負荷の大きさによって予期せぬ誤差が生じ信頼性の乏しいものであった。
以上のように、これまでの反応液の粘度を検出する方法においては、検出装置を反応容器に設置することが必要でありそのための費用が必要となったり、検出装置を設置しない方法においても各種検出値の測定が困難となったり、或いは検出値を用いて演算を行った場合では検出値の誤差が大きい等、の課題に直面することになる。
そこで本発明者等は、特許文献12において、インバータで駆動される誘導電動機を動力源として撹拌翼を回転することにより反応液の撹拌を行う反応器に設置される反応液粘度検知装置を提案している。
特許文献12では、特別の検出装置を必要とすることなく、各種測定パラメータを用いて精度高く回転トルクの演算を行う方法、更には該回転トルク検出値からバラツキの少ない反応液粘度を検出する方法が示されており、この方法を採用した粘度検知装置は、以下の1)〜5)の各手段を有し、各計測器で計測される値から求められる投入電力(P)、損失電力(P)、角速度(ω)を基に、
T=(P−P)/ω
により回転トルク(T)を求め、この回転トルクから反応液粘度を演算することを特徴としている。
1)誘導電動機に供給されている電力を計測する電力計測器
2)誘導電動機に供給されている電流を計測する電流計測器
3)誘導電動機に供給されている電圧を計測する電圧計測器
4)誘導電動機の回転軸の速度を計測する回転速度計測器
5)インバータ出力周波数を計測する周波数計測器
特許文献12の粘度検知は、上記1)〜5)の各手段で得られた計測値に基づき、高い精度で回転トルクが検知でき、その結果として高い精度で反応液の相対的な粘度を知ることができる。
ところで、この粘度検知装置は回転速度を知るのに実体としての計測器を必要不可欠としている。回転速度を計測する機器には、計測の仕方に応じて接触式(機械式)と非接触式(光学式、電磁式)、計測信号の処理法に応じてはデジタル式とアナログ式、更には、使用場所に応じては防爆式と非防爆式とにそれぞれ分類され、何れも慣用機器として知られている。
例えば、接触式と非接触式を兼ね備えたデジタルハンディタコメータ(小野測器HT−5500)、可視光方式のタコハイテスタ(日置電機FT3405)、電磁式回転計測器(日置電機MP−200)、防爆回転計測器(小野測器RP−200)などが知られており、これらの計測器は用途に応じて適切に選択されることによって何れも高精度かつ安全に使用可能なものである。
印刷インキワニス用樹脂溶液のように、可燃液体を含む反応液を扱う製造所で用いられる回転速度計測器は、防爆基準を満たす必要がある。防爆基準を満たす回転速度計測器は高価であり、当該粘度計の設置コストを上げるばかりでなく納期も長く、かつ設置時には生産停止も伴うために普及が図りにくいという問題があった。したがって、回転速度計測器を用いることなく、誘導電動機の回転速度を検知することが望まれる。
特許第3894249号公報 特開2005-272694号公報 特開平10-088052公報 特開平08-283643公報 特開2005−55410号広報 特許2800693号公報 特開2008−020465号公報 特許2654547号公報 特開2005‐102467号公報 特開2004‐258419号公報 特開昭60‐82826号広報 特開2010−190882号公報
本発明の課題は、前記背景技術に鑑み、化学工場等の防爆区域に、公知慣用の実体としてのトルク検出装置や回転速度検知装置を用いることもなく、粘度による終点管理を行いつつ、工程時間が大幅に短縮された印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明者らは、
2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させて印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する方法において、印刷インキワニス用樹脂溶液を生成するための反応容器に前記2以上の原料をそれぞれ所定量一括して投入する工程と、前記鎖伸張反応を行う鎖伸張反応工程と、前記鎖伸張反応の終点判断を行うため印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度を検出する工程とを有し、かつ前記原料の一括投入後においては反応終点に至るまでは原料の追加投入を行わず、
且つ前記粘度検出工程は、誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を伴い、しかも反応液の粘度を検知する方法が以下の3つの過程、即ち、
1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力PLが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=Ns(1−S)(Nsは電動機定数)を求めるステップIと、
前記一次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIIと、
電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=Ns(1−S)(Nsは電動機定数)を求めるステップIIIとを有する回転速度検知過程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値Nを基に、下記式
T=(P−(A+B))/(2π×N/60)
により、回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、αを前記攪拌翼の構造等で決定される定数(攪拌系定数)とした場合に、下記式
η=αT/N(単位Pa・S)
より粘度ηを求める粘度検知過程、を設けることで工程時間が大幅に短縮された印刷インキワニス用樹脂溶液の製造方法を完成するに至った。
更に、本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する装置は、
2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させることによる、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成装置であって、
該装置は誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行うものであり、さらに該装置は前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、及び電圧周波数を含む計測情報を取得する情報取得部と、
前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、
前記演算処理部は、以下に記載の1)、2)及び3)の各過程で規定される処理、即ち、
1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=Ns(1−S)(Nsは電動機定数)を求めるステップIと、
前記一次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIIと、
電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=Ns(1−S)(Nsは電動機定数)を求めるステップIIIとを有する回転速度検知過程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値Nを基に、下記式
T=(P−(A+B))/(2π×N/60)
により回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、αを前記攪拌翼の構造等で決定される定数(攪拌系定数)とした場合に、下記式
η=αT/N(単位Pa・S)
により粘度ηを求める粘度検知過程、
の各過程を実行することを特徴とするものである。
本発明によれば、公知慣用のトルク検出装置や化学工場等の防爆区域に大掛かりな計測設備を設けることなく、且つ実体としての回転速度計測設備を設けることなく、大幅な生産時間短縮が可能であり、かつ効率的な印刷インキワニス用樹脂溶液の生成を可能とする該ワニス用樹脂溶液の生成方法を提供することができる。
誘導電動機のすべりSと機械出力PMの関係を示すグラフである。 撹拌翼が設けられた容器の各種寸法を説明する断面図である。 実施形態に係る反応液の撹拌装置の概略構成を示す図である。 本発明を適用して検知された回転速度(二次近似値N)と実回転速度を併記した回転速度チャートを示す。 本発明を適用して検知された反応液の粘度と特許文献1を適用して検知された反応液の粘度を併記した粘度チャートを示す。 本発明を適用して検知された反応液の粘度と特許文献1の手順で検知された反応液の粘度の相関分析を示すグラフである。 一般的な反応液の粘度の温度特性を模式的に示す図面である。 反応容器(9)への製品の投入量を変化させて検出した式(13)の値を模式的な曲線で示した図面である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法で用いる原料には、ロジンエステル樹脂、多価アルコール類、レゾール型フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などがあり、ここで得られた印刷インキワニス用樹脂溶液は、乾性油、半乾性油などと加熱混合させるか、或いは更にゲル化剤と反応させることによって印刷インキワニスにすることができる。前記ロジンエステル樹脂としては、例えば、ロジン類を多価アルコールでエステル化して得られるものが挙げられる。ここで用いるロジン類としては、レゾール型フェノール樹脂と反応しうるもの、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、酸変性ロジン、および、これらロジン類を蒸留等により精製したもの等が挙げられ、なかでもレゾール型フェノール樹脂との反応性に優れ、高粘度のロジン変性フェノール樹脂が得られることなどから、ガムロジンが好ましい。前記酸変性ロジンとしては、二塩基酸またはその無水物で変性したものが好ましい。二塩基酸またはその無水物としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられ、なかでもフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられ、なかでもグリセリン、ペンタエリスリトールが好ましい。
また、ロジンエステル樹脂の製造方法としては、例えば、ロジン類と多価アルコールとをエステル化触媒に存在下、200〜300℃、好ましくは250〜285℃でエステル化反応させる方法が挙げられる。この際のロジン類と多価アルコールの使用比率は、通常、ロジン類中のカルボン酸1モル当量に対し、多価アルコール中の水酸基が1.5モル当量以下となる比率が好ましく、なかでも0.8〜1.1モル当量となる比率が特に好ましい。こうして得られるロジンエステル樹脂は、酸価が70mgKOH/g〜18mgKOH/g 以下、及び水酸基価が50mgKOH/g 以下となるように調節されたものであることが好ましい。
前記レゾール型フェノール樹脂としては、特に限定はないものの、フェノール類とホルムアルデヒドを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア水溶液等のアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物や、ノボラック型フェノール樹脂のレゾール化物等が挙げられ、なかでもフェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)をF/P(モル比)が1.5〜3.0となる範囲でアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物が好ましい。これらレゾール型フェノール樹脂の平均核体数としては、通常平均1〜10核体のものを通常用いるが、なかでも平均3〜6核体のものを主な成分とするものが好ましい。重量平均分子量としては、200〜1600のものが挙げられるが、なかでも700〜1300のものが好ましい。
前記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、アミルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、ビスフェノールAなどが挙げられ、なかでもp−tert−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール等のパラ位に炭素原子数4〜12の置換基を持つアルキルフェノールが好ましい。また、ホルムアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドの供給物質が包含され、ホルムアルデヒド、バラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
前記ロジン変性フェノール樹脂としては、例えば、ロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂とを無溶剤下160〜240℃で反応させてなるロジン変性フェノール樹脂がある。160℃未満の温度で反応させてなるロジン変性フェノール樹脂は、ロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂の反応が遅く、反応系内の粘度も高くなり工業的に適さない。
前記ロジンエステル樹脂と前記レゾール型フェノール樹脂を用いて印刷インキワニス用樹脂溶液を得るには、例えば、両者の使用比率を、ロジンエステル樹脂100質量部に対してレゾール型フェノール樹脂が15〜100質量部、好ましくは18〜50質量部となるようにし、重量平均分子量(Mw)が2000以上、好ましくは4000〜80000となるように反応させることが望ましい。この際の反応時間は通常0.5〜20時間、好ましくは1〜12時間である。この反応に際しては、通常150〜240℃、好ましくは180〜230℃に加熱したロジンエステル樹脂と、通常60〜150℃、好ましくは90〜140℃に加熱したレゾール型フェノール樹脂を、それぞれ反応容器内に投入し、無溶剤下、160〜240℃、好ましくは180〜230℃で反応させる。投入後の温度が200℃未満の場合には、200〜230℃に昇温して反応させることが好ましい。このようにして得られたロジン変性フェノール樹脂は、更に溶剤中160〜240℃で、レゾール型フェノール樹脂と鎖伸長反応させることによって目的物である印刷インキワニス用樹脂溶液にすることができる。
前記溶剤としては、平版印刷インキ用溶剤として使用可能なものが挙げられ、なかでも沸点160℃以上の炭化水素系溶剤が好ましく、例えば、パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族成分含有パラフィン系溶剤等の沸点200℃以上の石油系溶剤が挙げられる。具体例としては、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号〔以上、新日本石油(株)製〕、IPソルベント2028、IPソルベント2835〔以上、出光石油化学(株)製〕等が挙げられる。これらのうち、最近の環境、衛生面への配慮から芳香族成分の含有量は、1質量%以下のものが、好ましい。
このようにして得られた印刷インキワニス用樹脂溶液は、乾性油および/または半乾性油と160〜240℃で混合させるか、或いは更にその後、印刷インキワニス用樹脂溶液100質量部に対して、0.1〜5質量部のゲル化剤と反応させることによって印刷インキワニスにすることができる。この際には、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂等の石油樹脂を併用しても良い。
ここで前記乾性油としては、ヨウ素価130以上の動植物油、例えばアマニ油、オイチシカ油、サフラワー油、エノ油、キリ油、脱水ヒマシ油およびこれらの重合体等が挙げられる、前記半乾性油としては、ヨウ素価100〜130の動植物油、例えば綿実油、大豆油、米ヌカ油、コーン油、ゴマ油、ナタネ油やこれらの重合体等が挙げられる。また前記ゲル化剤としては、例えば有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、有機亜鉛化合物、有機力ルシウム化合物等が挙げられる。有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート化合物が挙げられ、なかでもアルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、エチル・アセト・アセテートアルミニウムジイソプレピレート、エチルアセチルアセテートアルミニウムジ−n−ブチレート、エチルアセチルアセテートアルミニウム−n−ブチレート、アルミニウムトリスエチルアセチルアセテートなどが挙げられる。
前記無溶剤下で行われるロジンエステル樹脂とレゾール型フェノール樹脂との反応にせよ、前記溶剤下で行われるロジン変性フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との反応にせよ、所定温度の下で生成される樹脂溶液には、反応の進行に伴い継続的な粘度の上昇が起こり、遂には、それ以上は上昇することのない飽和状態を示すようになる。この飽和した粘度の値は、同じ原料を用いて印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する場合であっても、原料のロットむら等に起因してかなりのバラツキが伴うので、この値を基準にして粘度の規格範囲を定めることは安定生産上困難である。
このため飽和粘度の値は、予め目標とする粘度の値の上限を超えるように配合を調節しておき、反応進行中の粘度が前記規格の範囲に到達した時に、溶剤や乾性油等を一斉に投入することによって反応容器内の温度を低下させて反応を停止させる方法が採用される。
本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法では、上記原料を一定比率で前記反応容器の中に添加すれば、安定した粘度品質のワニス用樹脂溶液が得られるとは限らないことを前提とするので、反応液の粘度を検出する手段が設けられることが必須である。
以下、添付図面をも参照しながら本発明を構成している、実体としての粘度計や回転速度計を設けることなく粘度検知過程の詳細に説明する。
[すべりSと機械出力PMについて]
すべりSは、よく知られているように、同期速度をN、回転子の回転速度(誘導電動機の実回転速度)Nとすると、下記式(1)により特定される。
S=(N―N)/N …式(1)
なお、式(1)をNで解くと式(1’)の通りである。
N=N(1−S) …式(1')
つまり、すべりSが特定できれば、誘導電動機の回転速度を得ることができる。そこで、本発明者は誘導電動機の回転速度を求めるのにすべりSを利用することにした。なお、すべりSは誘導電動機に伴って提供される基本的な特性である。
このすべりSと機械出力PMの関係が図1に示されているが、定格機械出力PM、定格すべりSの範囲まで、つまり実用的な定格速度以下の運転においてではすべりSと機械出力PMはほぼ比例し直線的な関係にあり、以下の式(2)の関係が成立する。
この式(2)におけるκは誘導電動機に固有の定数であり、定格すべりSに対する定格機械出力PMの比PM/Sとして与えられる。
したがって、機械出力PMが判れば、すべりSが求められ、さらに回転速度(あるいは角速度)を求めることができる。
PM=κ×S …式(2)
ところで、誘導電動機への投入電力Pは誘導電動機による機械出力PMのほかに損失(損失電力)として消費されるので、以下の式(3)が成り立つ。
PM=P−P …式(3)
ここで、誘導電動機の損失Pは、一次銅損、二次銅損、鉄損、機械損、及び浮遊損からなることが知られている。そして、一次銅損は固定子巻線の電気抵抗によるジュール熱、二次銅損は回転子巻線の電気抵抗によるジュール熱、に起因してそれぞれ発生する損失である。また、鉄損はヒステリシ損と渦電流損とから成り何れも回転磁界発生に起因する損失である。さらに、機械損は軸の回転によって生ずる摩擦や空気抵抗に起因する損失であり、浮遊損は誘導電機によって決まる固有損失であり定数として扱われる。浮遊損以外の損失は、誘導電導機を運転している時の電圧、電流、電源周波数、回転速度、及び電導機回路定数を使って演算で求めることができる(特許文献12 段落[0028]〜[0040])。なお、各損失の要素を以下に示しておく。
[損失Pの要素]
一次銅損:∝ (一次電流I)
渦電流損:∝ (一次電圧V)
ヒステリシス損:∝ (一次電圧V)/ (周波数f)
二次銅損:∝ (二次電流I) → φ(I,V,ω)
機械損:∝ (角速度ω)
浮遊損:一定
以上の損失Pの各成分は、回転速度(角速度ω)に依存しないもの(非依存損失成分A)と依存するもの(依存損失成分B)とに区分できる。そして、非依存損失成分Aは、特許文献1が備えている電流計測器、電圧計測器により特定することができる。したがって、式(3)は式(3’)と示すことができる。
PM=P−(A+B) …式(3’)
[非依存損失成分A] 一次銅損,渦電流損,ヒステリシス損,浮遊損
[依存損失成分B] 二次銅損,機械損
したがって、依存損失成分Bを除外(B=B=0)し、損失電力として非依存損失成分Aだけを考慮して機械出力PMの一次近似値PMを下記の式(4)により求めることができる。
PM=P−A …式(4)
こうして、機械出力(一次近似値)が求められたので、上記の式(2)を適用することによりすべりの一次近似値Sは下記の式(5)により求められる。
=PM/κ=PM×S/P …式(5)
さらに式(1')を適用することにより、下記の式(6)により、すべりの一次近似値Sに対応する回転速度の一次近似値Nを求めることができるのである。ここで、Nは同期速度である。
=N(1−S) …式(6)
以上までが、本発明のステップIに対応する説明であり、以下では本発明のステップII、IIIに関して説明する。なお、ステップIで得られる回転速度の一次近似値Nは、使用目的によっては、回転速度の検知結果として扱うこともできる。
ステップIIは、ステップIで得られた回転速度の一次近似値Nに対応する依存損失成分の一次近似値Bを、誘導電動機の等価回路の解析で得られる公知の関係式から、φ(N)として求める。
続くステップIIIでは、非依存損失成分A及び依存損失成分の一次近似値Bを式(3)に代入することにより得られる機械出力の二次近似値PMが以下の式(7)により与えられる。さらに一次近似の処理と同様にして、式(8)及び式(9)を経て、回転速度の二次近似値Nを求めることができる。この二次近似値Nは、二次近似値Bではあるものの依存損失成分が考慮されているので、一次近似値Nよりも実回転速度に対する精度が高い。
PM=P−(A+B) …式(7)
=PM/κ=PM×S/P …式(8)
=N(1−S) …式(9)
以上のようにして、ステップIで一次近似速度を得、ステップIIではその速度に対応する回転速度に依存する損失電力を求め、ステップIIIではその損失分を全体の損失電力に組み入れることによって二次近似速度を求める。
二次近似速度から三次近似速度を得るには、ステップIIに戻り前回の一次近似速度Nを二次近似速度Nに置き換え、このときの速度に対応する損失電力Bを求める。次のステップIIIではステップIで得た依存損失成分Bを全体の損失電力に組み入れ、それに対応する回転速度を求めればよい。
三次から四次に進む手順もステップII、ステップIIIを順次同様に繰り返すことで行うことができる。
本発明においては前記繰り返しの回数を多くするほど、損失電力Pの値が真の値に近づいていくことになるので、それによって得られる回転速度もより正確な値に近づいて行く。ただし、本発明は、次数を高くすることを必須な要件とするものではない。後述する実施例に示されるように、二次近似速度により、回転速度検知の目的を十分に達成することができる。
なお、n次近似機械出力、n次近似回転速度及びn次近似依存損失成分の一般式を示すと以下の通りである。
PM=P−(A+B(n−1)) …n次近似機械出力
=N(1−S) …n次近似回転速度
=φ(N) …n次近似依存損失成分
なお、以上の一般式のnは1以上の整数であり、Bはゼロと見做す。
[粘度測定]
以下、本実施形態の速度検知方法を、反応液の粘度を測定する方法及び装置に適用する例について説明する。なお、粘度を検知する過程で、当該誘導電動機の回転トルクTが検知される。
本実施形態において粘度を測定するには、投入電力P、損失電力P、角速度(ω)を基に下記式(10)により誘導電動機の回転トルクTを求め、さらに回転トルクTを基に下記式(11)により粘度ηを求める。特許文献12においても式(10)及び式(11)を用いて回転トルクT及び粘度ηを求めているが、本実施形態は、式(10)の損失電力P及び角速度ωが以上説明した速度検知方法で得られた回転速度に基づく点で、特許文献12と相違する。以下、具体的に説明する。
T=(P−P)/ω …式(10)
η=αT/N (単位Pa・S) …式(11)
[投入電力P(W)]
本実施形態において、誘導電動機の回転トルクTを求めるために投入電力Pが必要である。
投入電力Pとしては、投入電力計測値を用いる。計測には公知の電力計測器を用いることができる。電力計測器は、用いられる誘導電動機の種類によって、使い分けを行うことが必要で、例えば、誘導電動機が単相回路である場合は単相用電力計、3相誘導電動機である場合は3相用電力計を用いる。
[損失電力P(W)]
また、誘導電動機の回転トルクTを求めるために損失電力Pが必要である。
損失電力Pは、前述したように、一次銅損(∝(一次電流I))、渦電流損(∝ (一次電圧V))、ヒステリシス損(∝ (一次電圧V)/(周波数f))、二次銅損(∝ φ(I,V,ω))、機械損(∝ (角速度ω))及び浮遊損(一定)を含んでいる。
[非依存損失成分A(W)]
これらの中で、一次銅損、渦電流損及びヒステリシス損は、電流を計測する電流計測器、電圧を計測する電圧計測器及びインバータ出力周波数を計測するための周波数計測器から得られる計測値によって算出される。より具体的には、回転駆動中の電圧値、電流値及び周波数と、誘導電動機に固有の回路定数を用い、所定演算を行うことにより求めることができる。ここで回路定数は、電動機メーカーから提供される試験表によっても、又は、誘電電動機の負荷試験による計測値によっても得ることができる。また、浮遊損は、誘電電動機に固有の値(固定損(単位W)として提供される。
一次銅損、渦電流損及びヒステリシス損は、各々以下の一般式で表される。
一次銅損=一次巻線抵抗×(一相電流)×誘電電動機の相数式
渦電流損=定格電圧で運転時の渦電流損×(一相電圧計測値/定格相電圧)(単位W)
ヒステリシス損=定格電圧及び定格周波数で運転時のヒステリシス損×(一相電圧計測値 / 定格相電圧)/(インバータ出力周波数計測値/定格周波数)(単位Hz)
[依存損失成分B(W)]
これに対して、二次銅損及び機械損は、誘電電動機の回転速度に依存する成分であり、前述した依存損失成分Bを用いることができる。ただし、一次近似回転速度Nを求める段階では依存損失成分Bは得られていないので、損失電力Pは非依存損失成分Aだけを含むが、二次近似以降になると、損失電力Pは非依存損失成分Aに加えて依存損失成分B、B…を含むことになる。
依存損失成分Bである二次銅損及び機械損については、以上の他に、n次近似回転速度Nから求めることもできる。つまり、二次銅損及び機械損は角速度ωを変数としているところ、角速度ωは回転速度Nとω=2πN(rad/s )の関係にあるので、n次近似回転速度Nを二次銅損及び機械損の各々関係式に代入すれば、二次銅損及び機械損を求めることができる。
[機械出力PM(W),回転トルクT(N・m)]
機械出力PMは、投入電力Pから各損失電力を差し引いた値であるが、本実施形態では、前述のように、一般式:PM=P−(A+B(n−1))で求められる。
従って、誘電電動機の回転トルクTは、前述したn次近似回転速度Nnをも用いて前述した式(10)により求め、得られた回転トルクT、n次近似回転速度Nを用いて前述した式(11)により液状物の粘度ηを以下のように求めることができる。
=(P−P)/ω=PM=PM/(2π×N/60) …式(10)
η=αT/N(単位Pa・S) …式(11)
ここでαは前記攪拌翼の構造等で決定される定数である。
以下、式(11)について言及しておく。
ニュートンの式によれば、厚さhの液体を間に挟んだ2枚の面積Aの平面が相対速度Uで運動する時発生する力Fは、ηが粘度を表すとして、以下の式(12)で表される。
F=ηAU/h(単位N) …式(12)
ここで、図2に表される反応容器において、rは撹拌翼半径、Lは撹拌翼が撹拌対象である液状物に没している長さ、Nは回転数、Fは距離rにおいて撹拌翼に発生する力、gは撹拌翼と反応釜との距離を表すとすると、上記式(12)式は以下の式(13)のように表される。
F=η(2πrL・2πrN)/g …式(13)
従って、
回転トルク(T)=F・r=η(2πrl・2πrN)/g・r(単位N・m)
であるので、
η=T・g/(2πrl・2πrN・r)となる。
しかるに、T、N以外は反応容器及び撹拌翼の寸法によって決定される定数なので、これをαと表記することにすると、粘度ηは式(11)のように表され、本実施形態により、相対的に液状物の粘度を求めることができる。
η=αT/N …式(11)
本実施形態は、その実施にあたっては、その出力周波数を他の計測量である電力、電圧、電流等と共に同期的に計測し、損失を求める各種変数に組み込めばよい。本実施形態においては、ヒステリシス損の検知にインバータ出力周波数を検知するための周波数計測値を組み込むことにより、検知される反応液粘度の変動(バラツキ)を小さくすることが可能となり、反応工程管理上好ましいものとなる。
[同期計測]
本実施形態において、負荷の時間変動が速い場合は、各計測器における計測タイミングのズレがエネルギーの入出力の総和がゼロになるというエネルギー保存則の前提を崩してしまうため、各計測器における計測は同期的に行われることが望ましい。但し、負荷の変動が緩やかであって、全ての計測値を採取し終えるまでの間に計測値が実質的に変化しないと言えるような場合はこの限りではない。
さらに負荷の時間変動が激しい場合には、計測器の他に、各計測器に対して一斉に計測指令を出すための同期信号発生手段が設けられて、各計測器による計測が同期的に行われるようにすることもできる。
以上の本実施形態による回転速度及び回転トルクの検知方法は、適用される具体的な用途は限定されるものでなく、その一例として反応液の粘度検知が挙げられる。反応の進行に応じて反応液の粘度が変動するので、粘度を検知することにより、反応の進行状況を把握することができる。この場合、誘電電動機を動力源とする軸の回転速度、回転トルクを検知し、更に反応液粘度を検知するための装置であって、誘電電動機に供給されている電力を計測する電力計測器、電流を計測する電流計測器、電圧を計測する電圧計測器、及びインバータ出力周波数を計測するための周波数計測器を備える。そして、各手段で得られた計測情報に基づき所定の演算を行うことにより回転速度、回転トルクを求め、さらに液状物の粘度を演算により求める演算処理部を備えるものである。電力、電圧、電流及び周波数の各計測器としては公知慣用の計測器を用いることができる。
この演算処理部には、ノート型、ディスクトップ型等の各種パーソナルコンピュータ、或いはプロセスコンピュータ等の公知慣用の演算処理機能を有する手段を用いることができる。これら演算処理部並び各計測器との間にはRS−232C、GP−IP、USB、ISA、PCI等の公知慣用のデータ通信機能があってもよいし、また前述した同期信号発生手段がコンピュータ等からの命令で代用されるものであってもよい。
以下、本実施形態による回転速度(回転トルク,粘度)検知方法を実行する検知装置1の一例について、図3を参照しながら説明する。
検知装置1は、反応釜12内に投入された液状物、例えば化学反応製品を誘導電動機9により回転駆動される撹拌翼13の回転速度を検知するものである。
検知装置1は、計測部2と演算処理部5を備えている。
計測部2は、三相交流回路の電力計、電圧計4チャンネル、電流計4チャンネル及び周波数計の、合わせて4つの機能を一つのユニットに組み込んでパッケージ化されたものであり、電圧引き込み線6及び電流引き込み線7により三相交流回路と接続されている。なお、計測部2は各計測器が個別に設けられていてもよいことはいうまでもない。
なお、図3は撹拌翼13の動力源である誘導電動機9が三相回路であることを想定したものであり、公知慣用の三相用の電力計が用いられるべきこと、また、その場合、電圧及び電流共に相毎に計測され、回転速度を算出する演算も相毎に行われて合成されるべきことは言うまでもない。また対象とする誘導電動機が単層回路の場合、又は直流電源で駆動する直流電動機であっても本発明を同様に適用することができる。
演算処理部5は、例えばパーソナルコンピュータから構成され、計測部2の動作を制御するとともに、計測部2で計測された電力値、電圧値、電流値及び周波数を取得して、上述した誘導電動機9の回転速度、回転トルクを求めるための演算処理を行うとともに、その結果に基づいて液状物の粘度を求める演算処理を行う。
計測部2において、各計測器における計測は、通信ケーブル8を介して、演算処理部5からの命令で一斉に同期的に行われる。演算処理部5は、回転速度、回転トルク、反応液の粘度を求めるための演算処理を実行するプログラム及び誘導電動機9の固定損失等の演算処理に必要な情報を保持しており、計測情報に基づいて回転速度を算出するための演算を行い、結果を画面や内部の情報記録手段等に出力する。
誘導電動機9は、減速機10を介して撹拌軸11と接続され、この撹拌軸11には撹拌翼13が取り付けられる。撹拌翼13は反応釜12内に配置され、反応釜12に投入される被反応物を誘導電動機9の回転にしたがって撹拌する。誘導電動機9は、三相電源15からの電力がインバータ14を介して供給される。
以上の構成を有する検知装置1によると、オペレータは演算処理部5のモニタ画面上に表示された回転速度値、回転トルク値及び反応液の粘度をリアルタイムで知ることができる。
なお、本発明における回転速度検知は、電動機出力とすべりの高い直線性を利用して行うので直線性が崩れる大出力領域(定格出力を超える)では誤差が大きくなる。しかしながら産業界における誘電電動機の使用実態、特に、化学反応を伴う樹脂製造の工程においては、誘電電動機の大多数が定格出力以下、更には定格出力の50%前後で使用されているので上記誤差が問題になることは殆どない。
[巻線抵抗の温度補正]
ところで、一次銅損を求める際に巻線抵抗の値を用いるが、巻線抵抗は、通常基準温度(20℃)での値が提供される。したがって、一次銅損を求めるにあたっては、実際の運転温度で補正した値を用いると回転速度、ひいては回転トルク及び反応液の粘度の検知精度をより高めることができる。
この温度補正については、特許文献12に記載された手順に準じて行えばよいので、ここでの再掲は省略する。以下に示す空トルク補正、粘度の温度補正、粘度の仕込み量の補正についても同様であり、ここでの再掲は省略する。
[空トルク補正]
式(10)によって求められるトルクは、反応釜の内容物が空の場合であっても減速機や軸受けの機械摩擦など発生している成分(以下、空トルク、と称す)を含む。そこで製造時に採用する攪拌速度における空トルクを予め検知しておいてこれを定数として扱い、式(11)で粘度を求める際に検知トルクの値から当該定数を差し引くことで粘度の検知精度をより高めることができる。
[粘度の温度補正]
一般に反応温度は製品毎によって決められるので反応釜には温度制御機能が備えられる。温度制御誤差の粘度影響が無視できる場合にはこの補正は不要であるが現実には±1〜3℃程度の誤差は避けられないので、予め定められる温度(標準反応温度)での値に補正した値を用いると検知精度を高めることができる。
[粘度の仕込み量の補正]
また、本実施形態において、予め定められた反応釜での製造単位あたりの標準仕込み量と、当該製造単位における実仕込み量が異なる場合に、両者の仕込み量の差に基づいて反応液粘度値を補正することで検知精度を高めることができる。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
先ず、本発明において採用される回転速度検知の具体的手順を説明する。以下は、印刷インキワニス用樹脂溶液同様、反応によって粘度上昇がおこる樹脂溶液の製造に適用した例である。なお、この反応液の製造には、図3に示す装置を用いた。誘導電動機9の仕様は以下の通りである。
三相誘導電動機(Y結線)の仕様
容量:37kW 定格速度:毎分1479回転(定格すべり0.014)
定格電圧:220V 定格電流:124A 定格周波数:50Hz
極数:4
一次巻線抵抗:0.0328Ω
一次巻線リアクタンス:0.0446Ω(定格周波数時)
二次巻線抵抗:0.0130Ω
二次巻線リアクタンス:0.0430Ω(定格周波数時)
抵抗計測基準温度:20℃ 抵抗温度係数:234.5
機械損:160W(定格速度時)
鉄損:465W(ヒステリシス損230W、渦電流損235W)
浮遊損:382W 撹拌軸減速比:29:1
また、反応液は、ジエチレングリコールに、トルエンジイソシアネート(2,4体:2,6体=95以上:5以下)を分割的に投入することによって重合反応を促進して得られるポリウレタン樹脂製品である。
当該反応は発熱反応であるため、原料であるトルエンジイソシアネートを一括投入すると爆発的に反応が起こるので、安全性への配慮から少量ずつ分割投入して製造が行われる。当該製品を本実施例で用いる反応釜12で製造する場合の標準仕込み量は5000kgであり、本実施例での仕込み量は4500kgである。また仕込み量補正曲線から得られる仕込み量補正係数の値は1.09である。当該製品を製造する場合の反応中の標準温度は80℃であり、本実施例での反応温度は78℃であった。また当該製品の温度補正曲線から得られる78℃における温度補正係数の値は、0.97であった。
計測部2は、クランプ電力計CW240(横河メータ&インスツルメンツ株式会社)を用いた。この計測器は三相交流回路の電力計、電圧計4チャンネル、電流計4チャンネル及び周波数計の、合わせて4つの機能を一つのユニットに組み込んだものである。同様の計測機能であればこのCW240以外の計測器であっても用いることができる。
演算処理部(PC)5は、計測部2から通信手段を通じてデータを入手し、所定演算を行って回転速度、回転トルクを算出する演算機能と、各計測手段に対して一斉に計測タイミング信号を発する同期信号発生手段を兼ねる。各計測手段は演算処理部5からの指令で一斉に、単位時間あたり所定回数の計測を行い、その平均値を演算処理部5が取り込んで回転速度、回転トルクを算出する。
図4は、上記手順を適用して検知された回転速度(二次近似値N 図中の「1」)と実回転速度(図中の「2」)を併記した回転速度チャートを示す。また、図5は、上記手順を適用して検知された回転粘度(図中の「1」)と特許文献1に開示された手順で検知された粘度(図中の「2」)を併記した回転トルクチャートを示す。特に、回転速度が急激に変化した場合でも、検知された回転速度が実回転速度に追従されていることは特筆される。
図4が示すように、本実施例において検知された回転速度は、実回転速度との差異が小さく、実回転速度を反映していることがわかる。
また、図5が示すように、本実施例において検知された粘度は、特許文献1の手順で検知された粘度と若干の差異があるものの、反応工程における粘度の相対的変化を検知する上では、十分な精度を有している。そして、この相対的な粘度の変化を検知することにより、反応液の粘度を検知する目的は十分に達成される。なお、図5における粘度単位の表記は、校正された一般の粘度計が出力するものと区別するために、接頭語rを付加して便宜的にrPa.Sを用いている。rPa.Sで表される相対粘度は、数値上は誘導電動機、減速器及び攪拌翼から成る攪拌系固有のものとなるので、攪拌系が変わればその値も全体的に大きくなったり小さくなったりすることはある。しかしながら当該系内における粘度の相対的変化を検知する上での支障はない。
(本発明の方法と管理値との相関性の検討)
本実施例において検知された反応液粘度と特許文献1の手順で検知された反応液粘度の相関分析を行った結果を図6に示す。データの収集にあたり、3〜4ロット分の反応を用いた。本実施例における直線性は寄与率0.999(相関係数の二乗)を超え、極めて良好である。
(実施例2)
反応容器(容量12m)を含む反応装置を用い、溶剤存在下でロジン変性フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂を反応させて印刷インキワニス用樹脂溶液を生成させる例を具体的に説明する。
(装置構成)
反応装置の基本構成は図3と同様である。
本実施例の前記三相誘導電動機は、次の特性を有するものである。即ち、
極数は、4極、
一次巻線抵抗は、0.0226Ω、
一次巻線リアクタンスは、0.0903Ω、
二次巻線抵抗は、0.0213Ω、
二次巻線リアクタンスは、0.1443Ω、
鉄損は、270W(渦電流損175W、ヒステリシス損95W)、
機械損は、95W、
浮遊損は、227Wであり、
定格電圧は、200V、
定格周波数50Hzの下で、
定格回転速度1465mi−1
定格出22kW、
である。
また、前記三相誘導電動機の回転軸と攪拌翼が備えられた攪拌軸との間には、
減速比が29、
の減速ギアが取り付けられている。
本実施例における仕込み条件は以下の通りであり、レゾール型フェノール樹脂の配合量は、従来法である段階的に投入して当該樹脂溶液を生成する場合よりやや多く定められている。
Figure 0005817624
尚、反応温度は、200℃±3℃である。
反応容器を含む反応装置に備えられている攪拌翼を回転させながら、溶剤とロジン変性フェノール樹脂を上記部数だけ予め投入して、200℃の温度に保持した後、160℃に予熱しておいたレゾール型フェノール樹脂を上記部数一括で投入した。一括投入した後は、当該発明の方法が採用する粘度検出装置が示す粘度値が徐々に上昇し、投入してから1時間経過後には予め定めた粘度値、即ち、反応終点に到達したため、乾性油及び溶剤を所定量投入することにより反応を停止させて、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成を終了した。尚、ロジン変性フェノール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂は、何れも公知慣用の方法で得られる原料である。
尚、当該印刷インキワニス用樹脂溶液の仕込み量補正曲線から得られる仕込み量補正係数の値は1.09である。当該溶液を生成する場合の標準反応温度は200℃であり、本実施例における反応温度は197℃であった。また当該溶液の温度補正曲線から得られる197℃における温度補正係数の値は、0.97である。
前記計測パッケージは、本発明構成要素の一部を成し本実施例ではクランプ電力計CW240(横河メータ&インスツルメンツ株式会社)を用いた。この計測器は三相交流回路の電力計、電圧計4チャンネル、電流計4チャンネル及び周波数計の、合わせて4つの機能を一つのユニットに組み込んだものである。同様の計測機能であればこのCW240以外の計測器であっても用いることができる。
前記PCは前記計測パッケージから通信手段を通じてデータ入手し、所定演算を行って回転トルクを算出する演算機能と、各計測手段に対して一斉に計測タイミング信号を発する同期信号発生手段を兼ねる。各計測手段はPCからの指令で一斉に、単位時間あたり所定回数の計測を行い、その平均値をPCが取り込んで回転トルクを算出する。
(回転トルクの演算)
次に、回転トルク演算手順を次に示す。
三相電力計測値として、
=6100W、
一相電圧計測値としてV=119.1V、
一相電流計測値としてI=31.1A、二相、三相の電圧及び電流の計測値として共に一相と同じ値、
周波数計測値としてf=49.21Hz、
攪拌翼回転速度計測値としてN=50.42 (mi−1
が、それぞれ得られた場合で説明する。
前記三相誘導電動機の基本量を先ず求める。
定格相電圧=200/31/2=115.5 (V)

定格同期速度=120×50/4=1500 (mi−1
定格すべりS=(1500−1465)/1500=0.02333
電動機定数κ=22/ 0.02333=942.9 (kW)
次に前記運転時における基本量として同期速度とすべりを求める。
また二次電流の算出にあたっては三相誘導電動機におけるL型等価回路を採用する。
運転時同期速度=120×49.21/4=1476.3 (mi−1
[ステップI] 一次近似回転連速度Nの算出
ヒステリシス損∝運転電圧V/運転周波数f
=95×(119.1/200)×(50/49.21)
=34.2 (W)
渦電流損 ∝運転電圧V
=175×(119.1/200)
=62.1 (W)
浮遊損 =227 (W)
一次電流損P=一次巻線抵抗×一相電流の二乗×3相分
=0.0226×31.1×3
=65.6 (W)
損失A =34.2+62.1+227+65.6
=388.9 (W)
出力の一次近似値PM1=6100−388.9
=5711.1 (W)
一次近似すべりS=5.7111/942.9=0.00606
一次近似回転速度N=1476.30(1−0.00606)
=1467.4 (mi−1
[ステップII] 一次近似回転速度Nに基づく損失Bの算出
二次電流I =115.5/((0.0226+0.0213/0.00606)+((0.0903+0.1443)×49.21/50)1/2
=32.6 (A)
二次電流損P=二次巻線抵抗×一相二次電流の二乗×3相分
=0.0213×32.6×3
=67.9 (W)
機械損 ∝運転回転速度
=95×(1476.3/1465)
=95.7 (W)
損失B =67.9+95.7
=163.6 (W)
[ステップIII] 二次近似回転速度Nの算出
二次近似値機械出力PM =P−(A+B
=6100−(388.9+163.6)
=5694.8 (W)
=5.6948 (kW)
二次近似すべりS =PM
=5.6948/942.9
=0.00604
二次近似値回転速度N =Ns(1−S
=1476.3(1−0.00604)
=1467.4 (mi−1
[トルク算出]
T=(P−(A+B1))/(2πN/60)
=(6100−(388.9+163.6))/(2π×1467.4/60)
=36.10 (Nm)
攪拌軸トルク=36.10×29=1047 (Nm)
と求めることができる。
反応釜に原料等を投入する前の空の状態において減速機出力トルクを検出した時の値は 85Nmであったので、
反応液に起因する正味トルク=1047−85=962(Nm)
として求められる。このようにして減速機を含む回転系全体のトルク損失を考慮する場合は、反応釜内の内容物が空の状態で運転したときの空運転トルクToを求めておいてこれを定数として扱い、正味攪拌トルクは、本発明の方法で得たトルクから差し引くことによって求められる。
また、前記で求めた仕込み量補正係数、及び温度補正係数の値を用いて、以下のように、補正後の粘度を求めることができる。
攪拌軸角速度=電動機角速度/減速比
=2π×1467.4/60/29=5.299 (rad/sec)
便宜上、攪拌系定数α=1と見做すと、各段階における粘度は次のように求められる。
補正前粘度 η=962/5.299=181.5 (Pa・s)
仕込み量補正後粘度 η1=181.5×1.08=196.0 (Pa・s)
温度補正後粘度 η2= 196.0×0.97=190.1 (Pa・s)
本実施例は、各相の電圧、電流が共に等しい三相平衡状態を想定して行ったが、三相平衡状態でない場合では、相毎に一次電流損や二次電流損を求めてそれぞれ合計すればよい。
上記トルク算出に用いた巻線抵抗の値は、電動機運転中の値が用いられることがトルクの検出精度上望ましく、必要に応じて公知慣用の温度計測手段を電動機内部に設けその温度計測値に基づき、上記抵抗値を温度補正して用いればよい。
算出した粘度の値は、PCの画面上にグラフィック及び数値表示させることにより、反応中の粘度変化をほぼリアルタイムに把握することができたので、反応停止のタイミング誤差が生じることはなかった。原料のレゾール型フェノール樹脂の一括投入から僅か1時間のうちに反応終点に到達し、生成された印刷インキワニス用樹脂溶液のガードナーホルト粘度計による計測値はKが得られた。この粘度測定結果は、後述の比較例で述べる前記レゾール型フェノール樹脂を段階的に投入して生成した印刷インキワニス用樹脂溶液の値と同じ粘度値であった。このようにして安定した粘度品質の印刷インキワニス用樹脂を得ることができた。
尚、本実施例で使用したPC機種は、DELL DIMENSION 9200C(製品名)であるが、これに限られるものではない。
(比較例)
表1と同様の配合組成でロジン変性フェノール樹脂と溶剤の仕込みを行い、レゾール型フェノール樹脂の投入は以下のように段階的に実施した。
一回目に400kgを投入してから2時間経過後に、反応容器から樹脂溶液のサンプリングを行い、ガードナーホルト粘度計を用いて粘度検査を行った。その結果、E2−Fが得られたが、目標粘度はKのため、続いて二回目の投入38kgを実施した。1時間経過後に再びサンプリングによる粘度検査を一回目の時と同様に行った。その結果、I2−Jが得られたので、続いて三回目の投入5kgを行った。投入から40分経過後の粘度検査の値が目標のKに到達したので、この結果を確認出来次第に、反応を停止させた。このようにして印刷インキワニス用樹脂溶液の生成を終了したが、反応終点に至るまでに要した時間は、前記粘度検査に要した時間を含めて都合4時間40分であった。また、レゾール型フェノール樹脂の累積投入量は443kgであり、前記実施例の一括投入の場合と比較してやや少ないものであった。
本実施例においては、溶剤の存在下でロジン変性フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂を原料とする例を示したに過ぎないが、これらの原料やその配合部数は、印刷インキワニス用樹脂溶液、引いては印刷インキワニス製品の配合設計に応じて選択されるべきものである。しかしながら、どのように選択されたにせよ、溶剤存在下で複数原料が投入されたことより粘度上昇が伴う全ての工程において、本発明の方法は広く利用することができるのである。
以上のように、本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法によれば、大幅な工程の時間短縮が図られると共に、反応途上の粘度をリアルタイムで監視することができるようになるので、反応終点の判断が容易となり、反応を停止させるタイミングが正確になされるようになる。更には、安定した粘度品質の印刷インキワニス用樹脂溶液の大量生産が容易になされるようになる。
本発明は、印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する方法であって、大幅間工程時間短縮が図られる方法を提供するものであると共に、安定した粘度品質の生成方法を提供するものである。
1 検知装置
2 計測部
5 演算処理部
6 電圧引込み線
7 電流引込み線
8 通信ケーブル
9 誘導電動機
10 減速機
11 攪拌軸
12 反応釜
13 撹拌翼
14 インバータ
15 三相電源

Claims (4)

  1. 2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させることによる印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法であって、
    印刷インキワニス用樹脂溶液を生成するための反応容器に前記2以上の原料をそれぞれ所定量一括して投入する工程と、前記鎖伸張反応を行う鎖伸張反応工程と、前記鎖伸張反応の終点判断を行うため印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度を検出する工程とを有し、かつ前記原料の一括投入後においては反応終点に至るまでに原料の追加投入を行わないことを特徴とし、
    さらに、前記粘度を検出する工程は、誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を伴い、しかも反応液の粘度を検知する方法が以下の各過程を含むことを特徴とする印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
    1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力PLが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、
    前記一次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIIと、
    電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIとを有する回転速度検知過程。
    2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値Nを基に、下記式
    T=(P−(A+B))/(2π×N/60)
    により、回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
    3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、αを前記攪拌翼の構造等で決定される定数(攪拌系定数)とした場合に、下記式
    η=αT/N(単位Pa・S)
    により、粘度ηを求める粘度検知過程。
  2. 前記1)回転速度検知過程として、n次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIVと、
    前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+B)とみなし、
    前記電動機について前記既知である出力PM(n+1)とすべりS(n+1)との関係式
    PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=N(1−S(n+1))(Nは電動機定数)を求めるステップV(ただし、nは2以上の整数)を、前記ステップIIIで前記二次近似値Nが得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す、請求項1に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
  3. 2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させることによる、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成装置であって、
    該装置は誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行うものであり、さらに該装置は前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、及び電圧周波数を含む計測情報を取得する情報取得部と、
    前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、
    前記演算処理部は、以下に記載の1)、2)及び3)の各過程で規定される処理を実行する、
    印刷インキワニス用樹脂溶液の生成装置。
    1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、
    前記一次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIIと、
    電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIとを有する回転速度検知過程。
    2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値Nを基に、下記式
    T=(P−(A+B))/(2π×N/60)
    により回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
    3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、αを前記攪拌翼の構造等で決定される定数(攪拌系定数)とした場合に、下記式
    η=αT/N(単位Pa・S)
    により粘度ηを求める粘度検知過程。
  4. 前記前記演算処理部は、
    前記1)で規定される処理を実行する際に、ステップI〜IIIに加えn次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIVと、
    前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+B)とみなし、
    前記電動機について前記既知である出力PM(n+1)とすべりS(n+1)との関係式PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=NS(1−S(n+1))(NSは電動機定数)を求めるステップVとを(ただし、nは2以上の整数)、
    前記ステップIIIで前記二次近似値Nが得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す処理を実行する、請求項3に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成装置。
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