JP5817624B2 - 印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法、及び生成装置 - Google Patents
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Description
この要望に応えるべく該樹脂の改良が様々の角度から進められて来たが、現実の製造現場における反応終点管理は、前記分子量や軟化点ではなく、その到達した粘度によって行われる場合が多い。
例えば、特許文献1では、ロジン類とポリオール類とのエステル化反応物であるロジンエステル類と、レゾール型フェノール類と、カルボキシル基または水酸基、および二重結合をもつ石油樹脂とを反応させて得られるロジン変性フェノール樹脂を用いて、印刷インキ用ワニス製品を調整する方法が開示されている。本文献において、ロジン変性フェノール樹脂は、ワニス製品となる前段階の物質であり、0011段落には、「レゾール型フェノール成分の使用量は特に限定はされないが、ロジンエステル成分の使用量と石油樹脂成分の使用量あわせて100重量部に対し通常20〜120重量部であり、より好ましくは下限が40重量部、上限が80重量部である」との開示や「レゾール型フェノール成分の使用量が20重量部未満の場合、ワニス粘度が低下する傾向がある」との開示があり、所望するワニス粘度を実現するにはレゾール型フェノール樹脂成分の使用量を適宜調節する必要があることが示唆されている。
製造途上にある印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度測定は、通常ガードナーホルト法により行われる。この方法は、反応液を一部採取し、必要に応じて希釈溶剤等にて希釈を行った後に、試料中の気泡の移動速度を標品と比較することにより粘度の測定を行うものであり、測定された粘度に定量性が乏しい上に、気泡の移動速度を目視により行うためにバラツキが大きく、リアルタイム性のある反応工程管理を行う場合には不向きと言える方法であった。
一方、反応液の粘度を検出する方法としては攪拌翼にかかるトルクを測定する方法がある。反応の進行に伴って反応釜内に生成される物質の分子量が増大し、それに伴って粘度が上昇し攪拌翼にかかる回転負荷が増大する。この負荷の増大はトルクの上昇となって現れることから、トルクを測定することによって反応の進行や最終到達粘度等を予測すること
が可能となる。
T=(PI−PL)/ω
により回転トルク(T)を求め、この回転トルクから反応液粘度を演算することを特徴としている。
1)誘導電動機に供給されている電力を計測する電力計測器
2)誘導電動機に供給されている電流を計測する電流計測器
3)誘導電動機に供給されている電圧を計測する電圧計測器
4)誘導電動機の回転軸の速度を計測する回転速度計測器
5)インバータ出力周波数を計測する周波数計測器
特許文献12の粘度検知は、上記1)〜5)の各手段で得られた計測値に基づき、高い精度で回転トルクが検知でき、その結果として高い精度で反応液の相対的な粘度を知ることができる。
2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させて印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する方法において、印刷インキワニス用樹脂溶液を生成するための反応容器に前記2以上の原料をそれぞれ所定量一括して投入する工程と、前記鎖伸張反応を行う鎖伸張反応工程と、前記鎖伸張反応の終点判断を行うため印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度を検出する工程とを有し、かつ前記原料の一括投入後においては反応終点に至るまでは原料の追加投入を行わず、
且つ前記粘度検出工程は、誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を伴い、しかも反応液の粘度を検知する方法が以下の3つの過程、即ち、
1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPLとし、かつ、前記損失電力PLが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PM1とみなし、前記誘導電動機について既知である出力PM1とすべりS1との関係式PM1=κS1(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N1=Ns(1−S1)(Nsは電動機定数)を求めるステップIと、
前記一次近似値N1に基づいて損失電力B1を求めるステップIIと、
電動機の出力の二次近似値PM2をP−(A+B1)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PM2とすべりS2との関係式PM2=κS2(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N2=Ns(1−S2)(Nsは電動機定数)を求めるステップIIIとを有する回転速度検知過程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B1、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N2を基に、下記式
T=(P−(A+B1))/(2π×N2/60)
により、回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、αを前記攪拌翼の構造等で決定される定数(攪拌系定数)とした場合に、下記式
η=αT/N(単位Pa・S)
より粘度ηを求める粘度検知過程、を設けることで工程時間が大幅に短縮された印刷インキワニス用樹脂溶液の製造方法を完成するに至った。
2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させることによる、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成装置であって、
該装置は誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行うものであり、さらに該装置は前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、及び電圧周波数を含む計測情報を取得する情報取得部と、
前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、
前記演算処理部は、以下に記載の1)、2)及び3)の各過程で規定される処理、即ち、
1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPLとし、かつ、前記損失電力PLが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PM1とみなし、前記誘導電動機について既知である出力PM1とすべりS1との関係式PM1=κS1(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N1=Ns(1−S1)(Nsは電動機定数)を求めるステップIと、
前記一次近似値N1に基づいて損失電力B1を求めるステップIIと、
電動機の出力の二次近似値PM2をP−(A+B1)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PM2とすべりS2との関係式PM2=κS2(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N2=Ns(1−S2)(Nsは電動機定数)を求めるステップIIIとを有する回転速度検知過程。
T=(P−(A+B1))/(2π×N2/60)
により回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
η=αT/N(単位Pa・S)
により粘度ηを求める粘度検知過程、
の各過程を実行することを特徴とするものである。
本発明の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法で用いる原料には、ロジンエステル樹脂、多価アルコール類、レゾール型フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などがあり、ここで得られた印刷インキワニス用樹脂溶液は、乾性油、半乾性油などと加熱混合させるか、或いは更にゲル化剤と反応させることによって印刷インキワニスにすることができる。前記ロジンエステル樹脂としては、例えば、ロジン類を多価アルコールでエステル化して得られるものが挙げられる。ここで用いるロジン類としては、レゾール型フェノール樹脂と反応しうるもの、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、酸変性ロジン、および、これらロジン類を蒸留等により精製したもの等が挙げられ、なかでもレゾール型フェノール樹脂との反応性に優れ、高粘度のロジン変性フェノール樹脂が得られることなどから、ガムロジンが好ましい。前記酸変性ロジンとしては、二塩基酸またはその無水物で変性したものが好ましい。二塩基酸またはその無水物としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられ、なかでもフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
前記レゾール型フェノール樹脂としては、特に限定はないものの、フェノール類とホルムアルデヒドを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア水溶液等のアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物や、ノボラック型フェノール樹脂のレゾール化物等が挙げられ、なかでもフェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)をF/P(モル比)が1.5〜3.0となる範囲でアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物が好ましい。これらレゾール型フェノール樹脂の平均核体数としては、通常平均1〜10核体のものを通常用いるが、なかでも平均3〜6核体のものを主な成分とするものが好ましい。重量平均分子量としては、200〜1600のものが挙げられるが、なかでも700〜1300のものが好ましい。
[すべりSと機械出力PMについて]
すべりSは、よく知られているように、同期速度をNS、回転子の回転速度(誘導電動機の実回転速度)Nとすると、下記式(1)により特定される。
なお、式(1)をNで解くと式(1’)の通りである。
つまり、すべりSが特定できれば、誘導電動機の回転速度を得ることができる。そこで、本発明者は誘導電動機の回転速度を求めるのにすべりSを利用することにした。なお、すべりSは誘導電動機に伴って提供される基本的な特性である。
ここで、誘導電動機の損失PLは、一次銅損、二次銅損、鉄損、機械損、及び浮遊損からなることが知られている。そして、一次銅損は固定子巻線の電気抵抗によるジュール熱、二次銅損は回転子巻線の電気抵抗によるジュール熱、に起因してそれぞれ発生する損失である。また、鉄損はヒステリシ損と渦電流損とから成り何れも回転磁界発生に起因する損失である。さらに、機械損は軸の回転によって生ずる摩擦や空気抵抗に起因する損失であり、浮遊損は誘導電機によって決まる固有損失であり定数として扱われる。浮遊損以外の損失は、誘導電導機を運転している時の電圧、電流、電源周波数、回転速度、及び電導機回路定数を使って演算で求めることができる(特許文献12 段落[0028]〜[0040])。なお、各損失の要素を以下に示しておく。
一次銅損:∝ (一次電流I1)2
渦電流損:∝ (一次電圧V)2
ヒステリシス損:∝ (一次電圧V)2/ (周波数f)
二次銅損:∝ (二次電流I2)2 → φ(I1,V,ω)
機械損:∝ (角速度ω)
浮遊損:一定
[依存損失成分B] 二次銅損,機械損
こうして、機械出力(一次近似値)が求められたので、上記の式(2)を適用することによりすべりの一次近似値S1は下記の式(5)により求められる。
さらに式(1')を適用することにより、下記の式(6)により、すべりの一次近似値S1に対応する回転速度の一次近似値N1を求めることができるのである。ここで、NSは同期速度である。
S2=PM2/κ=PM2×S0/P0 …式(8)
N2=NS(1−S2) …式(9)
本発明においては前記繰り返しの回数を多くするほど、損失電力PLの値が真の値に近づいていくことになるので、それによって得られる回転速度もより正確な値に近づいて行く。ただし、本発明は、次数を高くすることを必須な要件とするものではない。後述する実施例に示されるように、二次近似速度により、回転速度検知の目的を十分に達成することができる。
Nn=NS(1−Sn) …n次近似回転速度
Bn=φ(Nn) …n次近似依存損失成分
なお、以上の一般式のnは1以上の整数であり、B0はゼロと見做す。
以下、本実施形態の速度検知方法を、反応液の粘度を測定する方法及び装置に適用する例について説明する。なお、粘度を検知する過程で、当該誘導電動機の回転トルクTが検知される。
η=αT/N (単位Pa・S) …式(11)
本実施形態において、誘導電動機の回転トルクTを求めるために投入電力Pが必要である。
投入電力Pとしては、投入電力計測値を用いる。計測には公知の電力計測器を用いることができる。電力計測器は、用いられる誘導電動機の種類によって、使い分けを行うことが必要で、例えば、誘導電動機が単相回路である場合は単相用電力計、3相誘導電動機である場合は3相用電力計を用いる。
また、誘導電動機の回転トルクTを求めるために損失電力PLが必要である。
[非依存損失成分A(W)]
これらの中で、一次銅損、渦電流損及びヒステリシス損は、電流を計測する電流計測器、電圧を計測する電圧計測器及びインバータ出力周波数を計測するための周波数計測器から得られる計測値によって算出される。より具体的には、回転駆動中の電圧値、電流値及び周波数と、誘導電動機に固有の回路定数を用い、所定演算を行うことにより求めることができる。ここで回路定数は、電動機メーカーから提供される試験表によっても、又は、誘電電動機の負荷試験による計測値によっても得ることができる。また、浮遊損は、誘電電動機に固有の値(固定損(単位W)として提供される。
一次銅損=一次巻線抵抗×(一相電流)2×誘電電動機の相数式
渦電流損=定格電圧で運転時の渦電流損×(一相電圧計測値/定格相電圧)2(単位W)
ヒステリシス損=定格電圧及び定格周波数で運転時のヒステリシス損×(一相電圧計測値 / 定格相電圧)2/(インバータ出力周波数計測値/定格周波数)(単位Hz)
これに対して、二次銅損及び機械損は、誘電電動機の回転速度に依存する成分であり、前述した依存損失成分Bnを用いることができる。ただし、一次近似回転速度N1を求める段階では依存損失成分Bnは得られていないので、損失電力PLは非依存損失成分Aだけを含むが、二次近似以降になると、損失電力PLは非依存損失成分Aに加えて依存損失成分B1、B2…を含むことになる。
機械出力PMは、投入電力Pから各損失電力を差し引いた値であるが、本実施形態では、前述のように、一般式:PMn=P−(A+B(n−1))で求められる。
Tn=(P−PL)/ω=PMn/ωn=PMn/(2π×Nn/60) …式(10)
ηn=αTn/Nn(単位Pa・S) …式(11)
ここでαは前記攪拌翼の構造等で決定される定数である。
ニュートンの式によれば、厚さhの液体を間に挟んだ2枚の面積Aの平面が相対速度Uで運動する時発生する力Fは、ηが粘度を表すとして、以下の式(12)で表される。
ここで、図2に表される反応容器において、rは撹拌翼半径、Lは撹拌翼が撹拌対象である液状物に没している長さ、Nは回転数、Fは距離rにおいて撹拌翼に発生する力、gは撹拌翼と反応釜との距離を表すとすると、上記式(12)式は以下の式(13)のように表される。
従って、
回転トルク(T)=F・r=η(2πrl・2πrN)/g・r(単位N・m)
であるので、
η=T・g/(2πrl・2πrN・r)となる。
本実施形態において、負荷の時間変動が速い場合は、各計測器における計測タイミングのズレがエネルギーの入出力の総和がゼロになるというエネルギー保存則の前提を崩してしまうため、各計測器における計測は同期的に行われることが望ましい。但し、負荷の変動が緩やかであって、全ての計測値を採取し終えるまでの間に計測値が実質的に変化しないと言えるような場合はこの限りではない。
ところで、一次銅損を求める際に巻線抵抗の値を用いるが、巻線抵抗は、通常基準温度(20℃)での値が提供される。したがって、一次銅損を求めるにあたっては、実際の運転温度で補正した値を用いると回転速度、ひいては回転トルク及び反応液の粘度の検知精度をより高めることができる。
[空トルク補正]
式(10)によって求められるトルクは、反応釜の内容物が空の場合であっても減速機や軸受けの機械摩擦など発生している成分(以下、空トルク、と称す)を含む。そこで製造時に採用する攪拌速度における空トルクを予め検知しておいてこれを定数として扱い、式(11)で粘度を求める際に検知トルクの値から当該定数を差し引くことで粘度の検知精度をより高めることができる。
[粘度の温度補正]
一般に反応温度は製品毎によって決められるので反応釜には温度制御機能が備えられる。温度制御誤差の粘度影響が無視できる場合にはこの補正は不要であるが現実には±1〜3℃程度の誤差は避けられないので、予め定められる温度(標準反応温度)での値に補正した値を用いると検知精度を高めることができる。
また、本実施形態において、予め定められた反応釜での製造単位あたりの標準仕込み量と、当該製造単位における実仕込み量が異なる場合に、両者の仕込み量の差に基づいて反応液粘度値を補正することで検知精度を高めることができる。
先ず、本発明において採用される回転速度検知の具体的手順を説明する。以下は、印刷インキワニス用樹脂溶液同様、反応によって粘度上昇がおこる樹脂溶液の製造に適用した例である。なお、この反応液の製造には、図3に示す装置を用いた。誘導電動機9の仕様は以下の通りである。
容量:37kW 定格速度:毎分1479回転(定格すべり0.014)
定格電圧:220V 定格電流:124A 定格周波数:50Hz
極数:4
一次巻線抵抗:0.0328Ω
一次巻線リアクタンス:0.0446Ω(定格周波数時)
二次巻線抵抗:0.0130Ω
二次巻線リアクタンス:0.0430Ω(定格周波数時)
抵抗計測基準温度:20℃ 抵抗温度係数:234.5
機械損:160W(定格速度時)
鉄損:465W(ヒステリシス損230W、渦電流損235W)
浮遊損:382W 撹拌軸減速比:29:1
また、反応液は、ジエチレングリコールに、トルエンジイソシアネート(2,4体:2,6体=95以上:5以下)を分割的に投入することによって重合反応を促進して得られるポリウレタン樹脂製品である。
本実施例において検知された反応液粘度と特許文献1の手順で検知された反応液粘度の相関分析を行った結果を図6に示す。データの収集にあたり、3〜4ロット分の反応を用いた。本実施例における直線性は寄与率0.999(相関係数の二乗)を超え、極めて良好である。
反応容器(容量12m3)を含む反応装置を用い、溶剤存在下でロジン変性フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂を反応させて印刷インキワニス用樹脂溶液を生成させる例を具体的に説明する。
反応装置の基本構成は図3と同様である。
極数は、4極、
一次巻線抵抗は、0.0226Ω、
一次巻線リアクタンスは、0.0903Ω、
二次巻線抵抗は、0.0213Ω、
二次巻線リアクタンスは、0.1443Ω、
鉄損は、270W(渦電流損175W、ヒステリシス損95W)、
機械損は、95W、
浮遊損は、227Wであり、
定格電圧は、200V、
定格周波数50Hzの下で、
定格回転速度1465mi−1、
定格出22kW、
である。
また、前記三相誘導電動機の回転軸と攪拌翼が備えられた攪拌軸との間には、
減速比が29、
の減速ギアが取り付けられている。
前記PCは前記計測パッケージから通信手段を通じてデータ入手し、所定演算を行って回転トルクを算出する演算機能と、各計測手段に対して一斉に計測タイミング信号を発する同期信号発生手段を兼ねる。各計測手段はPCからの指令で一斉に、単位時間あたり所定回数の計測を行い、その平均値をPCが取り込んで回転トルクを算出する。
次に、回転トルク演算手順を次に示す。
三相電力計測値として、
PI=6100W、
一相電圧計測値としてV=119.1V、
一相電流計測値としてI=31.1A、二相、三相の電圧及び電流の計測値として共に一相と同じ値、
周波数計測値としてf=49.21Hz、
攪拌翼回転速度計測値としてN=50.42 (mi−1)
が、それぞれ得られた場合で説明する。
定格相電圧=200/31/2=115.5 (V)
定格同期速度=120×50/4=1500 (mi−1)
定格すべりS0=(1500−1465)/1500=0.02333
電動機定数κ=22/ 0.02333=942.9 (kW)
また二次電流の算出にあたっては三相誘導電動機におけるL型等価回路を採用する。
ヒステリシス損∝運転電圧V2/運転周波数f
=95×(119.1/200)2×(50/49.21)
=34.2 (W)
渦電流損 ∝運転電圧V2
=175×(119.1/200)2
=62.1 (W)
浮遊損 =227 (W)
一次電流損P1=一次巻線抵抗×一相電流の二乗×3相分
=0.0226×31.12×3
=65.6 (W)
損失A =34.2+62.1+227+65.6
=388.9 (W)
出力の一次近似値PM1=6100−388.9
=5711.1 (W)
一次近似すべりS1=5.7111/942.9=0.00606
一次近似回転速度N1=1476.30(1−0.00606)
=1467.4 (mi−1)
二次電流I2 =115.5/((0.0226+0.0213/0.00606)2+((0.0903+0.1443)×49.21/50)2)1/2
=32.6 (A)
二次電流損P2=二次巻線抵抗×一相二次電流の二乗×3相分
=0.0213×32.62×3
=67.9 (W)
機械損 ∝運転回転速度
=95×(1476.3/1465)
=95.7 (W)
損失B1 =67.9+95.7
=163.6 (W)
[ステップIII] 二次近似回転速度N2の算出
二次近似値機械出力PM2 =P−(A+B1)
=6100−(388.9+163.6)
=5694.8 (W)
=5.6948 (kW)
二次近似すべりS2 =PM2/κ
=5.6948/942.9
=0.00604
二次近似値回転速度N2 =Ns(1−S2)
=1476.3(1−0.00604)
=1467.4 (mi−1)
[トルク算出]
T=(P−(A+B1))/(2πN2/60)
=(6100−(388.9+163.6))/(2π×1467.4/60)
=36.10 (Nm)
攪拌軸トルク=36.10×29=1047 (Nm)
と求めることができる。
反応液に起因する正味トルク=1047−85=962(Nm)
として求められる。このようにして減速機を含む回転系全体のトルク損失を考慮する場合は、反応釜内の内容物が空の状態で運転したときの空運転トルクToを求めておいてこれを定数として扱い、正味攪拌トルクは、本発明の方法で得たトルクから差し引くことによって求められる。
=2π×1467.4/60/29=5.299 (rad/sec)
便宜上、攪拌系定数α=1と見做すと、各段階における粘度は次のように求められる。
補正前粘度 η=962/5.299=181.5 (Pa・s)
仕込み量補正後粘度 η1=181.5×1.08=196.0 (Pa・s)
温度補正後粘度 η2= 196.0×0.97=190.1 (Pa・s)
尚、本実施例で使用したPC機種は、DELL DIMENSION 9200C(製品名)であるが、これに限られるものではない。
表1と同様の配合組成でロジン変性フェノール樹脂と溶剤の仕込みを行い、レゾール型フェノール樹脂の投入は以下のように段階的に実施した。
2 計測部
5 演算処理部
6 電圧引込み線
7 電流引込み線
8 通信ケーブル
9 誘導電動機
10 減速機
11 攪拌軸
12 反応釜
13 撹拌翼
14 インバータ
15 三相電源
Claims (4)
- 2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させることによる印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法であって、
印刷インキワニス用樹脂溶液を生成するための反応容器に前記2以上の原料をそれぞれ所定量一括して投入する工程と、前記鎖伸張反応を行う鎖伸張反応工程と、前記鎖伸張反応の終点判断を行うため印刷インキワニス用樹脂溶液を生成する反応液の粘度を検出する工程とを有し、かつ前記原料の一括投入後においては反応終点に至るまでに原料の追加投入を行わないことを特徴とし、
さらに、前記粘度を検出する工程は、誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を伴い、しかも反応液の粘度を検知する方法が以下の各過程を含むことを特徴とする印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。
1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPLとし、かつ、前記損失電力PLが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PM1とみなし、前記誘導電動機について既知である出力PM1とすべりS1との関係式PM1=κS1(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N1=NS(1−S1)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、
前記一次近似値N1に基づいて損失電力B1を求めるステップIIと、
電動機の出力の二次近似値PM2をP−(A+B1)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PM2とすべりS2との関係式PM2=κS2(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N2=NS(1−S2)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIとを有する回転速度検知過程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B1、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N2を基に、下記式
T=(P−(A+B1))/(2π×N2/60)
により、回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、αを前記攪拌翼の構造等で決定される定数(攪拌系定数)とした場合に、下記式
η=αT/N(単位Pa・S)
により、粘度ηを求める粘度検知過程。 - 前記1)回転速度検知過程として、n次近似値Nnに基づいて損失電力Bnを求めるステップIVと、
前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+Bn)とみなし、
前記電動機について前記既知である出力PM(n+1)とすべりS(n+1)との関係式
PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=NS(1−S(n+1))(NSは電動機定数)を求めるステップV(ただし、nは2以上の整数)を、前記ステップIIIで前記二次近似値N2が得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す、請求項1に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法。 - 2以上の原料を、溶剤を含む系内で鎖伸張反応させることによる、印刷インキワニス用樹脂溶液の生成装置であって、
該装置は誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行うものであり、さらに該装置は前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、及び電圧周波数を含む計測情報を取得する情報取得部と、
前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、
前記演算処理部は、以下に記載の1)、2)及び3)の各過程で規定される処理を実行する、
印刷インキワニス用樹脂溶液の生成装置。
1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPLとし、かつ、前記損失電力PLが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PM1とみなし、前記誘導電動機について既知である出力PM1とすべりS1との関係式PM1=κS1(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N1=NS(1−S1)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、
前記一次近似値N1に基づいて損失電力B1を求めるステップIIと、
電動機の出力の二次近似値PM2をP−(A+B1)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PM2とすべりS2との関係式PM2=κS2(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N2=NS(1−S2)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIとを有する回転速度検知過程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B1、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N2を基に、下記式
T=(P−(A+B1))/(2π×N2/60)
により回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、αを前記攪拌翼の構造等で決定される定数(攪拌系定数)とした場合に、下記式
η=αT/N(単位Pa・S)
により粘度ηを求める粘度検知過程。 - 前記前記演算処理部は、
前記1)で規定される処理を実行する際に、ステップI〜IIIに加えn次近似値Nnに基づいて損失電力Bnを求めるステップIVと、
前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+Bn)とみなし、
前記電動機について前記既知である出力PM(n+1)とすべりS(n+1)との関係式PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=NS(1−S(n+1))(NSは電動機定数)を求めるステップVとを(ただし、nは2以上の整数)、
前記ステップIIIで前記二次近似値N2が得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す処理を実行する、請求項3に記載の印刷インキワニス用樹脂溶液の生成装置。
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