JP5168609B2 - 反応液の粘度を検知する方法、反応液の粘度検知装置、反応生成物を得る方法及び反応生成物を得るための製造装置 - Google Patents

反応液の粘度を検知する方法、反応液の粘度検知装置、反応生成物を得る方法及び反応生成物を得るための製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、誘導電動機を動力源として用いた反応液の粘度を検知する方法、反応液の粘度検知装置、反応生成物を得る方法及び反応生成物を得るための製造装置に関する。
本発明者等は、インバータで駆動される誘導電動機を動力源として撹拌翼を回転することにより反応液の撹拌を行う反応器に設置される反応液粘度検知装置を提案している(特許文献1)。この検知装置は、以下の1)〜5)の各手段を有し、各計測器で計測される値から求められる投入電力(P)、損失電力(P)、角速度(ω)を基に、T=(P−P)/ωにより回転トルク(T)を求め、この回転トルクから反応液粘度を演算することを特徴としている。
1)電動機に供給されている電力を計測する電力計測器
2)電動機に供給されている電流を計測する電流計測器
3)電動機に供給されている電圧を計測する電圧計測器
4)電動機の回転軸の速度を計測する回転速度計測器
5)インバータ出力周波数を計測する周波数計測器
前記4)で用いる回転速度を計測する機器は、計測の仕方に応じて接触式(機械式)と非接触式(光学式、電磁式)、計測信号の処理法に応じてはデジタル式とアナログ式、更に使用場所に応じては防爆式と非防爆式とにそれぞれ分類され何れも慣用機器として知られている。取り分け化学反応によって製造されるウレタン、ワニス、フェノール等の各樹脂の製造所においては防爆式の計測器の使用が義務付けられる。
回転速度計測器の公知慣用なものとしては、接触式と非接触式を兼ね備えたデジタルハンディタコメータ(小野測器HT-5500)、可視光方式のタコハイテスタ(日置電機FT3405)、電磁式回転計測器(日置電機MP-200)、防爆回転計測器(小野測器RP-200)などが一般的であり、これらの計測器は用途に応じて適切に選択されることによって何れも高精度かつ安全に使用可能なものである。
これらの回転速度計測器の用途は広範にわたるが、例えば電動機の出力軸の回転速度を計測するのに用いられる。
特許文献1の粘度検知は、上記1)〜5)の各手段で得られた計測値に基づき、高い精度で回転トルクが検知でき、その結果として高い精度で反応液の相対的な粘度を知ることができるものであるが、特許文献1の粘度検知装置は回転速度を知るのに実体としての計測器を必要不可欠としている。ところが、反応液を扱う製造所で用いられる回転速度計測器は防爆基準を満たす必要がある。防爆基準を満たす回転速度計測器は高価であり、当該粘度計の設置コストを上げるばかりでなく納期も長く、かつ設置時には生産停止も伴うために普及が図りにくいという問題があった。したがって、回転速度計測器を用いることなく、電動機の回転速度を検知することが望まれる。
特開2010−190882号公報
本発明者等は、このような背景に鑑み、実体としての回転速度検知器も、粘度計検知器も用いることなく、副生成物を反応系外に大量に排出し、系内の反応液の質量が経時的に変化したとしても、反応生成物を得る工程における粘度を高精度で検知することが可能となり、効率のよい反応液の粘度を検出する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記反応液の粘度を検出する方法を用いた反応粘度検装置を提供する事と目的とする。
また、本発明は、上記反応液の粘度を検出する方法を用いた反応液の製造方法を提供するものである。
更に、本発明は、上記反応液の粘度を検出する方法を用いた反応液の製造装置を提供するものである。
本発明者は、誘導電動機(以下、電動機と略記する)のすべり(slip)に着目した。つまり、すべりSは、よく知られているように、回転磁界の回転速度(同期速度)Nsと、回転子の回転速度(電動機の実回転速度)Nにより特定される。そして、電動機において、すべりSと機械出力PMは、定格機械出力P、定格すべりSの範囲までは、ほぼ比例関係にある。したがって、すべりSと機械出力PMの関係に基づいてすべりSを求めることにより、電動機の回転速度を求めることができることになる。尚、以下、回転速度の単位は1分間あたりの回転数min−1として扱う。
ところが、機械出力PMは未知の値である。特許文献1にも記載されているように、機械出力PMは投入電力Pから損失電力Pを減じることで求められるものであり、この損失電力Pを求めるには電動機の回転速度が必要だからである。したがって、単純には、すべりSと機械出力PMの関係に基づいて電動機の回転速度を求めることはできない。
そこで本発明者は、損失電力Pが、電動機の回転速度に依存しない成分(以下、「非依存損失成分A」と言うことがある)と、電動機の回転速度に依存する成分(以下、「依存損失成分B」と言うことがある)の2つに区分できることに着目した。そして、依存損失成分Bを除いて非依存損失成分Aだけを損失電力Pとして算出された機械出力PMの近似値を、すべりSと機械出力PMの関係に適用することで電動機の回転速度が求めることが出来ると考えた。
この考えを基に、投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する方法であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、前記一次近似値Nに基づいて、前記損失電力Bを求めるステップIIと、前記電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIと、を含む方法により、得られるNが検知された回転速度として扱うことができ、回転速度計器を用いることなく回転速度を検知できる事を見出した(知見1)。
上記知見1において、検知する回転速度について、より精度の高い回転速度が要求される場合には、ステップIIIで得られた二次近似値N(二次近似速度)を、ステップIIの一次近似値N(一次近似速度)に置き換え、ステップII、IIIを順次繰り返す。
つまり、本発明は、n次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIVと、電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+B)とみなし、電動機について既知である出力PM(n+1)とすべりS(n+1)との関係式PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=NS(1−S(n+1))(NSは同期速度)を求めるステップVと、を備える。ただし、ここでのnは2以上の整数である。そして、ステップIIIで二次近似値Nが得られた後に、ステップIVとステップVを、予め定められた回数だけ繰り返す。こうして得られる三次近似速度、四次近似速度、…、n次近似速度は、次数に応じて、実際の電動機の回転速度(実回転速度)に対する精度が高くなる。もっとも、いくつの次数まで近似速度を求めるかは、目的によって定められるものであり、目的によっては二次近似速度でも実回転速度に対して十分に満足できることがある。後述する実施例に示すように、反応液の粘度検出においては、二次近似速度であっても実回転速度を十分に反映することを確認している。
また、本発明者らは、誘導電動機を動力源として、撹拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の撹拌を行う際の前記反応液の粘度を検出する方法であって、
前記損失電力A、前記知見1のステップIで得られた前記損失電力B、及びステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値Nを基に、下記式
T=(P−(A+B))/(2π×N/60)
で回転トルクを求め、この回転トルクTから下記式
η=κT/N(単位Pa・S)
により粘度ηを求めることができる事を見出した(知見2)。
ここで、反応液粘度ηを求めるには、このようにして求めた(n+1)次近似値N(n+1)を用い後述する式(10−2)においてB→B、N→N(n+1)の置き換えを行って回転トルクTを求め、更にその値を後述する式(11)に代入して求めればよい。
反応液の質量が反応の進行に伴い刑事的に変化する系、例えば、フェノールとホルムアルデヒドと反応させ場合は、縮合水が大量に発生し、この水を系外に排出する。このような場合は、前記知見2基づいて反応液の粘度を検出しようとすると、上記式は系内の反応液の質量の減少を考慮していない為、実際には大量の水が排出されたことにより容器内の樹脂粘度が増加しているにも拘わらず、質量が減少したことにより攪拌翼の回転トルクは低下することがある。その為、上記知見2で得られた計算式を用いて得られる粘度は実体より小さくなってしまう。
そこで、前記知見2において回転トルクを求める際に反応系内の反応物の質量補正を行うことにより、回転トルクを正確に得ることができ、その結果、反応物の粘度も正確に得られることが分かった。そして、この質量補正は前記回転トルクを求める式に式F(W)/F(W)をかけることにより行える事が分かった(知見3)。ここで、(W)は予め定められた製造単位における標準時の反応液の質量を表し、(W)は当該反応液の粘度を検知する時点の反応液の質量を表す。F(W)〔ここで、(W)は(W)または(W)である〕は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを実測し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。〕
本発明は上記知見1〜3を基に完成したものである。即ち、本発明は、反応液の質量が反応の進行に伴い経時的に変化する系内で、2種以上の原料から反応生成物を得る工程における反応液の粘度を検知する方法であって、
反応生成物を得る工程が誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を含むものであり、反応液の粘度を検知する方法が以下の過程を含むことを特徴とする反応液の粘度を検知する方法を提供するものである。
1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、前記一次近似値Nに基づいて、前記損失電力Bを求めるステップIIと、前記電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知過程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N、及びトルクTと反応液の質量Wの関係を表す関数式T=F(W)を基に、下記式
T=(P−(A+B))/(2π×N/60)×F(W)/F(W
〔(W)は予め定められた製造単位における標準時の反応液の質量を表し、(W)は当該反応液の粘度を検知する時点の反応液の質量を表す。また、F(W)〔ここで、(W)は(W)または(W)である〕は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを実測し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。〕
により回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、下記式
η=κT/N(単位Pa・S)
により粘度ηを求める粘度検知過程。
また、本発明は、前記誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行う反応器に設置され、反応液の粘度を検知する装置であって、
前記装置は、
前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、電圧周波数、及び反応液質量を含む計測情報を取得する情報取得部と、
前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、
前記演算処理部は、前記に記載の1)、2)及び3)で規定される処理を実行することを特徴とする反応液の粘度検知装置を提供するものである。
また、本発明は、反応液の質量が反応の進行に伴い経時的に変化する系内で、2種以上の原料から反応生成物を得る方法であって、該方法は誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を伴い、しかも反応液の粘度を検知する方法が以下の過程を含むことを特徴とする反応生成物を得る方法を提供するものである。
1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、前記一次近似値Nに基づいて、前記損失電力Bを求めるステップIIと、前記電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知過程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N、及びトルクTと反応液の質量Wの関係を表す関数式T=F(W)を基に、下記式
T=(P−(A+B))/(2π×N/60)×F(W)/F(W
〔(W)は予め定められた製造単位における標準時の反応液の質量を表し、(W)は当該反応液の粘度を検知する時点の反応液の質量を表す。また、F(W)〔ここで、(W)は(W)または(W)である〕は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを実測し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。〕
により回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、下記式
η=κT/N(単位Pa・S)
により粘度ηを求める粘度検知過程。
更に本発明は、反応液の質量が反応の進行に伴い経時的に変化する系内で、2種以上の原料から反応生成物を得る製造装置であって、該装置は誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行うもので、しかも該装置は前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、電圧周波数、及び反応液質量を含む計測情報を取得する情報取得部と、
前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、 前記演算処理部は、前記に記載の1)、2)及び3)で規定される処理を実行する、
ことを特徴とする反応生成物を得る製造装置を提供するものである。
本発明は、上記の通り、反応液の粘度検知装置を提供する。この検知装置は、電動機に供給されている電力、電流、電圧及び電圧周波数を含む計測情報を取得する情報取得部と、計測情報に基づいて回転速度を演算により求める演算処理部と、を備える。この演算処理部は、上述したステップI、ステップII及びステップIIIに規定される処理を含む回転速度検知過程と、更には回転トルク検知過程と、粘度検知過程の、各過程を実行する。
また三次近似速度、四次近似速度、…、n次近似速度を求めるための演算、n次近似速度を用いる場合の回転トルク検知過程、粘度検知過程もまた演算処理部が行うことができることはいうまでもない。
本発明によれば、実体としての速度計測器を用いることなく高精度で回転速度を検知することが可能となる。また本発明の防爆構造の計測器を用いる必要がないので、反応液粘度検知装置を作製するコストを低く抑えることができるとともに、納期を短縮できる。しかも、反応液の質量が経時的に変化する反応系(例えば、フェノールとホルムアルデヒドと反応させるフェノール樹脂の製造系)においても、粘度を高精度で検知することが可能となり、目的の反応生成物を得ることができる。
電動機のすべりSと機械出力PMの関係を示すグラフである。 撹拌翼が設けられた容器の各種寸法を説明する模式的な断面図である。 実施形態に係る反応液の撹拌装置の概略構成を示す図である。 本発明が適用する検知法(二次近似値N)で得られた回転速度と実回転速度を併記した速度チャートを示す。 本発明を適用して検知された反応液の粘度と、特許文献1を適用して検知された反応液の粘度を併記した粘度チャート、および反応過程で貯蔵タンク19に送られた縮合水の質量を、質量計測器20で計測した際の計測チャートを示す。 トルクTと反応液の質量Wの関係を表す関数式T=F(W)を表わすグラフである。
以下、添付図面をも参照しながら本発明を詳細に説明する。
本発明の反応液の粘度を検知する方法における1)の過程は、誘導電動機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸の回転速度を検知する過程である。この過程は以下のステップI〜IIIの過程を含む。
ステップI:投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分[P−A]を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップ。なお、NSは同期速度と呼ばれる電動機定数である。
ステップII:ステップIで得た一次近似値Nに基づいて、損失電力Bを求めるステップ。
ステップIII:前記電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップ。ここで、得られるNが、検知された回転速度の二次近似値として扱われる。
以下、上記ステップIを詳細に説明する。
[すべりSと機械出力PMについて]
すべりSは、よく知られているように、同期速度をN、回転子の回転速度(誘導電動機の実回転速度)Nとすると、下記式(1)により特定される。
S=(N―N)/N …式(1)
なお、式(1)をNで解くと式(1')の通りである。
N=N(1−S) …式(1')
つまり、すべりSが特定できれば、誘導電動機の回転速度を得ることができる。そこで、本発明者は誘導電動機の回転速度を求めるのにすべりSを利用することにした。なお、すべりSは誘導電動機に伴って提供される基本的な特性である。
このすべりSと機械出力PMの関係が図1に示されているが、定格機械出力PM、定格すべりSの範囲まで、つまり実用的な定格速度以下の運転においてではすべりSと機械出力PMはほぼ比例し直線的な関係にあり、以下の式(2)の関係が成立する。
この式(2)におけるκは誘導電動機に固有の定数であり、定格すべりSに対する定格機械出力PMの比PM/Sとして与えられる。
したがって、機械出力PMが判れば、すべりSが求められ、さらに回転速度(あるいは角速度)を求めることができる。
PM=κ×S …式(2)
ところで、誘導電動機への投入電力Pは誘導電動機による機械出力PMのほかに損失(損失電力)として消費されるので、以下の式(3)が成り立つ。
PM=P−P …式(3)
ここで、誘導電動機の損失Pは、一次銅損、二次銅損、鉄損、機械損、及び浮遊損からなることが知られている。そして、一次銅損は固定子巻線の電気抵抗によるジュール熱、二次銅損は回転子巻線の電気抵抗によるジュール熱、に起因してそれぞれ発生する損失である。また、鉄損はヒステリシ損と渦電流損とから成り何れも回転磁界発生に起因する損失である。さらに、機械損は軸の回転によって生ずる摩擦や空気抵抗に起因する損失であり、浮遊損は誘導電機によって決まる固有損失であり定数として扱われる。浮遊損以外の損失は、誘導電導機を運転している時の電圧、電流、電源周波数、回転速度、及び電導機回路定数を使って演算で求めることができる(特許文献1 段落[0028]〜[0040])。なお、各損失の要素を以下に示しておく。
[損失Pの要素]
一次銅損:∝ (一次電流I)
渦電流損:∝ (一次電圧V)
ヒステリシス損:∝ (一次電圧V)/(周波数f)
二次銅損:∝ (二次電流I) → φ(I,V,ω)
機械損:∝ (角速度ω)
浮遊損:一定
以上の損失Pの各成分は、回転速度(角速度ω)に依存しないもの(非依存損失成分A)と依存するもの(依存損失成分B)とに区分できる。そして、非依存損失成分Aは、特許文献1が備えている電流計測器、電圧計測器により特定することができる。したがって、式(3)は式(3')と示すことができる。
PM=P−(A+B) …式(3')
[非依存損失成分A] 一次銅損,渦電流損,ヒステリシス損,浮遊損
[依存損失成分B] 二次銅損,機械損
したがって、依存損失成分Bを除外(B=B=0)し、損失電力として非依存損失成分Aだけを考慮して機械出力PMの一次近似値PMを下記の式(4)により求めることができる。
PM=P−A …式(4)
こうして、機械出力(一次近似値)が求められたので、上記の式(2)を適用することによりすべりの一次近似値Sは下記の式(5)により求められる。
=PM/κ=PM×S/P …式(5)
さらに式(1')を適用することにより、下記の式(6)により、すべりの一次近似値Sに対応する回転速度の一次近似値Nを求めることができるのである。ここで、Nは同期速度である。
=N(1−S) …式(6)
以上までが、本発明のステップIに対応する説明であり、以下では本発明のステップII、IIIに関して説明する。なお、ステップIで得られる回転速度の一次近似値Nは、使用目的によっては、回転速度の検知結果として扱うこともできる。
ステップIIは、ステップIで得られた回転速度の一次近似値Nに対応する依存損失成分の一次近似値Bを、誘導電動機の等価回路の解析で得られる公知の関係式から、φ(N)として求める。
続くステップIIIでは、非依存損失成分A及び依存損失成分の一次近似値Bを式(3)に代入することにより得られる機械出力の二次近似値PMが以下の式(7)により与えられる。さらに一次近似の処理と同様にして、式(8)及び式(9)を経て、回転速度の二次近似値Nを求めることができる。この二次近似値Nは、二次近似値Bではあるものの依存損失成分が考慮されているので、一次近似値Nよりも実回転速度に対する精度が高い。
PM=P−(A+B) …式(7)
=PM/κ=PM×S/P …式(8)
=N(1−S) …式(9)
以上のようにして、ステップIで一次近似速度を得、ステップIIではその速度に対応する回転速度に依存する損失電力を求め、ステップIIIではその損失分を全体の損失電力に組み入れることによって二次近似速度を求める。
二次近似速度から三次近似速度を得るには、ステップIIに戻り前回の一次近似速度Nを二次近似速度Nに置き換え、このときの速度に対応する損失電力Bを求める。次のステップIIIではステップIIで得た依存損失成分Bを全体の損失電力に組み入れ、それに対応する回転速度を求めればよい。
三次から四次に進む手順もステップII、ステップIIIを順次同様に繰り返すことで行うことができる。
本発明においては前記繰り返しの回数を多くするほど、損失電力Pの値が真の値に近づいていくことになるので、それによって得られる回転速度もより正確な値に近づいて行く。ただし、本発明は、次数を高くすることを必須な要件とするものではない。後述する実施例に示されるように、二次近似速度により、回転速度検知の目的を十分に達成することができる。
なお、n次近似機械出力、n次近似回転速度及びn次近似依存損失成分の一般式を示すと以下の通りである。
PM=P−(A+B(n−1)) …n次近似機械出力
=N(1−S) …n次近似回転速度
=φ(N) …n次近似依存損失成分
なお、以上の一般式のnは1以上の整数であり、Bはゼロと見做す。
本発明の反応液の粘度を検知する方法における2)過程は、誘導電動機を動力源とした攪拌翼の回転トルク検知過程である。
ここで、回転トルクTは、投入電力Pと損失電力Pと誘導発電機の回転軸の角速度(ω)を用いて、以下の式により求めることができる。
T=(P−P)/ω…式(10)
式10は、反応系内の反応液の容量に変化がないことを前提にしている。その為、反応の経過に伴い反応液の質量が大きく変化する系、例えば、フェノールとホルムアルデヒドとを反応させてフェノール樹脂を製造する系では、縮合水が大量に発生する。その為、フェノール樹脂の製造方法では、フェノールとホルムアルデヒドとの反応を進行させる間、生成する上記縮合水及び未反応物を、反応容器内の減圧等により反応系外へ排出しつつ、縮合反応によって更に生成物の増粘を図っている。このような場合、単に上記式(10)に基づいて前記攪拌翼のトルクを求めると、反応系内の容量が大きく減少している為、容器内の反応液の粘度が増加しているにも関わらず、攪拌翼の回転トルクは寧ろ低下することもある為、後述する3)過程の粘度過程において、得られる粘度の値が真の粘度よりも小さくなる問題がある。
そこで、式(10)に反応液の容量(質量)の変化を考慮すると式(10)は下記の式になる。
T=(P−P)/ω×〔F(W)/F(W)〕…式(10−1)
ここで、前記(W)は予め定められた製造単位における標準時の反応液の質量を表し、(W)は後述する3)過程で当該反応液の粘度を検知する時点の反応液の質量を表す。また、F(W)〔ここで、(W)は(W)または(W)である〕は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを実測し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。〕
式(10−1)により、系の容量(質量)の変化を加味する事により、正確な回転トルクを得られるようになる。そして、式(10−1)を更に、1)過程における二次近似値を用いて表すと
T=(P−(A+B))/(2π×N/60)×〔F(W)/F(W)〕…式(10−2)となる。
式(10−2)により、攪拌翼の回転トルクを算出する際に、系の容量(質量)の変化を加味する事により、正確な回転トルクを得られるようになった。
以下、トルクTと反応液の質量Wの関係を表わす関数式T=F(W)について言及する。関数式F(W)は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを計測(実測)し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。回帰精度が高ければ多項式に限定する必要はなく、例えば、指数関数や、有理関数であっても良い。何れにせよ、この関数式は一般には図6に示すような形をとり、曲線の形は反応釜容量、攪拌翼形状、釜内に投入される液状物の粘性、回転速度によって変わるので、データ採りをする際には、実際に製造するときの攪拌翼回転速度で、かつ実際に製造される反応液の粘度と同等、或いは中心的な値を持つ液状物によって行うことで上記換算誤差を最小限に押さえることができる。
関数式F(W)を求めるもう一つの方法としては、流動解析に基づくシミュレーションがある。この解析に際しては、反応釜容量、攪拌翼形状の寸法、液状物の粘性、回転速度等を入力情報として用いると、実測したときと極めて近い値が得られることを本発明者らは確認している。解析用ソフトしては公知慣用の、例えば、FLUENT(アンシス社)やSTAR−CD(CDアダプコ社)等を用いることができる。
本発明の3)過程は、前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、下記式
η=κT/N(単位Pa・S)
により粘度ηを求める粘度検知を検知する過程である。ここで、κは反応釜や攪拌翼等によって決まる比例定数である。尚、粘度の検知目的が相対的な変化(絶対値でなく)である場合はκ=1として扱ってもよい。
以下に、上記で用いた用語[投入電力P(W)]、[損失電力P(W)]、[非依存損失成分A(W)]、[依存損失成分B(W)]、[機械出力PM(W)、回転トルクT(N・m)]について、詳細に説明する。
[投入電力P(W)]
本実施形態において、電動機の回転トルクTを求めるために投入電力Pが必要である。
投入電力Pとしては、投入電力計測値を用いる。計測には公知の電力計測器を用いることができる。電力計測器は、用いられる電動機の種類によって、使い分けを行うことが必要で、例えば、電動機が単相回路である場合は単相用電力計、3相電動機である場合は3相用電力計を用いる。
[損失電力P(W)]
また、誘導電動機の回転トルクTを求めるために損失電力Pが必要である。
損失電力Pは、前述したように、一次銅損(∝(一次電流I))、渦電流損(∝ (一次電圧V))、ヒステリシス損(∝ (一次電圧V)/(周波数f))、二次銅損(∝ φ(I,V,ω))、機械損(∝ (角速度ω))及び浮遊損(一定)を含んでいる。
[非依存損失成分A(W)]
これらの中で、一次銅損、渦電流損及びヒステリシス損は、電流を計測する電流計測器、電圧を計測する電圧計測器及びインバータ出力周波数を計測するための周波数計測器から得られる計測値によって算出される。より具体的には、回転駆動中の電圧値、電流値及び周波数と、電動機に固有の回路定数を用い、所定演算を行うことにより求めることができる。ここで回路定数は、電動機メーカーから提供される試験表によっても、又は、電動機の負荷試験による計測値によっても得ることができる。また、浮遊損は、電動機に固有の値(固定損(単位W)として提供される。
一次銅損、渦電流損及びヒステリシス損は、各々以下の一般式で表される。
一次銅損=一次巻線抵抗×(一相電流)×電動機の相数式
渦電流損=定格電圧で運転時の渦電流損×(一相電圧計測値/定格相電圧)(単位W)
ヒステリシス損=定格電圧及び定格周波数で運転時のヒステリシス損×(一相電圧計測値/定格相電圧)/(インバータ出力周波数計測値/定格周波数)(単位Hz)。
[依存損失成分B(W)]
これに対して、二次銅損及び機械損は、電動機の回転速度に依存する成分であり、前述した依存損失成分Bを用いることができる。ただし、一次近似回転速度Nを求める段階では依存損失成分Bは得られていないので、損失電力Pは非依存損失成分Aだけを含むが、二次近似以降になると、損失電力Pは非依存損失成分Aに加えて依存損失成分B、B…を含むことになる。
依存損失成分Bである二次銅損及び機械損については、以上の他に、n次近似回転速度Nから求めることもできる。つまり、二次銅損及び機械損は角速度ωを変数としているところ、角速度ωは回転速度Nとω=2πN[rad/s]の関係にあるので、n次近似回転速度Nを二次銅損及び機械損の各々関係式に代入すれば、二次銅損及び機械損を求めることができる。
[機械出力PM(W),回転トルクT(N・m)]
機械出力PMは、投入電力Pから各損失電力を差し引いた値であるが、本実施形態では、前述のように、一般式:PM=P−(A+B(n−1))で求められる。
従って、電動機の回転トルクTは、前述したn次近似回転速度Nnをも用いて前述した式(10)により求め、得られた回転トルクTは以下のように求めることができる。
=(P−P)/ω=PM/ω=PM/(2π×N/60) …式(10−3)
ところで、このようにして求めたトルクは、仮に、反応生成物の粘性抵抗が同じでも容器内の液位(反応生成物の質量)の変化によって値が当然変るものなので、普遍性のある物性表現とするには甚だ不都合である。そこで当該製造装置で製造する反応生成物(製品)毎に、標準液位(標準生産質量)を予め定めておき、製造過程で生成物質量が時々刻々変化する場合であっても、すべからく標準液位のときの値に換算する必要がある。
そこでトルクTと反応液の質量Wの関係を表わす関数式T=F(W)を導入し、標準生産質量Woのときの値に換算したものとするために、式(10−3)を改めて次のように書き直す。
n=PM/(2π×N/60)×F(Wo)/F(W1) …式(10−4)
このようにした求めたトルクから反応生成物粘度は以下のように求めることができる。
η=κT/N(単位Pa・S) …式(11)
以下、式(11)について言及しておく。
ニュートンの式によれば、厚さhの液体を間に挟んだ2枚の面積Aの平面が相対速度Uで運動する時発生する力Fは、ηが粘度を表すとして、以下の式(12)で表される。
F=ηAU/h(単位N) …式(12)
ここで、図2に表される反応容器において、rは撹拌翼半径、Lは撹拌翼が撹拌対象である液状物に没している長さ、Nは回転数、Fは距離rにおいて撹拌翼に発生する力、gは撹拌翼と反応釜との距離を表すとすると、上記式(12)式は以下の式(13)のように表される。
F=η(2πrL・2πrN)/g …式(13)
従って、
回転トルク(T)=F・r=η(2πrl・2πrN)/g・r(単位N・m)
であるので、
η=T・g/(2πrl・2πrN・r)となる。
しかるに、T、N以外は反応容器及び撹拌翼の寸法によって決定される定数なので改めて、粘度ηは式(11)のように表され、本実施形態により、相対的に液状物の粘度を求めることができる。
η=κT/N …式(11)
本発明において、反応液の粘度をより高い精度で検知する必要がある場合は、前記1)回転速度検知過程として、n次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIVと、前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+B)とみなし、
前記電動機について前記既知である出力PM(n+1)とすべりS(n+1)との関係式PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=N(1−S(n+1))(Nは電動機定数)を求めるステップVとを(ただし、nは2以上の整数)、
前記ステップIIIで前記二次近似値Nが得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す回転速度検値過程を用いるのが好ましい。そして、このようにして求めた(n+1)次近似値N(n+1)を用い式(10−2)においてB→B、N→N(n+1)の置き換えを行って回転トルクTを求め、更にその値を式(11)に代入して求めればよい。
本実施形態は、その実施にあたっては、その出力周波数を他の計測量である電力、電圧、電流等と共に同期的に計測し、損失を求める各種変数に組み込めばよい。本実施形態においては、ヒステリシス損の検知にインバータ出力周波数を検知するための周波数計測値を組み込むことにより、検知される反応液粘度の変動(バラツキ)を小さくすることが可能となり、反応工程管理上好ましいものとなる。
[同期計測]
本実施形態において、負荷の時間変動が速い場合は、各計測器における計測タイミングのズレがエネルギーの入出力の総和がゼロになるというエネルギー保存則の前提を崩してしまうため、各計測器における計測は同期的に行われることが望ましい。但し、負荷の変動が緩やかであって、全ての計測値を採取し終えるまでの間に計測値が実質的に変化しないと言えるような場合はこの限りではない。
さらに負荷の時間変動が激しい場合には、計測器の他に、各計測器に対して一斉に計測指令を出すための同期信号発生手段が設けられて、各計測器による計測が同期的に行われるようにすることもできる。
以上の本実施形態による反応液の粘度を検知する方法及び反応生成物を得る方法は、反応の進行に応じて反応液の容積(質量)変化する反応系においても、精度良く粘度を検知することができる。本発明の反応液の粘度を検知する装置は、前記誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行う反応器に設置され、反応液の粘度を検知する装置であって、前記装置は、前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、電圧周波数、及び反応液質量を含む計測情報を取得する情報取得部と、前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、前記演算処理部は、請求項1に記載の1)、2)及び3)で規定される処理を実行することを特徴とする反応液の粘度検知装置を有する装置である。また、本発明の反応生成物の製造装置は、反応液の質量が反応の進行に伴い経時的に変化する系内で、2種以上の原料から反応生成物を得る製造装置であって、該装置は誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行うもので、しかも該装置は前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、電圧周波数、及び反応液質量を含む計測情報を取得する情報取得部と、前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、前記演算処理部は、請求項1に記載の1)、2)及び3)で規定される処理を実行する、ことを特徴とする反応生成物を得る製造装置である。これらの製造装置は、例えば、電動機に供給されている電力を計測する電力計測器、電流を計測する電流計測器、電圧を計測する電圧計測器、及びインバータ出力周波数を計測するための周波数計測器を備える。そして、各手段で得られた計測情報に基づき所定の演算を行うことにより回転速度、回転トルクを求め、さらに液状物の粘度を演算により求める演算処理部を備えるものである。電力、電圧、電流及び周波数の各計測器としては公知慣用の計測器を用いることができる。
この演算処理部には、ノート型、ディスクトップ型等の各種パーソナル・コンピュータ、或いはプロセスコンピュータ等の公知慣用の演算処理機能を有する手段を用いることができる。これら演算処理部並び各計測器との間にはRS−232C、GP−IP、USB、ISA、PCI等の公知慣用のデータ通信機能があってもよいし、また前述した同期信号発生手段がコンピュータ等からの命令で代用されるものであってもよい。
本発明の反応液の粘度を検知する方法や反応生成物を得る方法は反応の過程で反応液の質量が変化する溶液の粘度の検知や、反応の過程で反応液の質量が変化する反応系により反応生成物を得る方法に適用するのが好ましい。このような反応系としては、例えば、フェノール樹脂を製造する系が挙げられる。
フェノール樹脂はフェノール類(F)とアルデヒド類(P)とを反応させて得られる。通常、フェノール類(F)とアルデヒド類(P)とを反応させる際には、例えばノボラック型フェノール樹脂を製造する際は、モル比〔(F)/(P)〕が0.5〜1.0となるようにフェノール類(F)とアルデヒド類(P)とを反応系に仕込み、酸性触媒を用いて反応させる。また、レゾール型フェノール樹脂を製造する際は、モル比〔(F)/(P)〕が1〜3となるようにフェノール類(F)とアルデヒド類(P)とを反応系に仕込み、塩基性触媒を用いて反応させる。
ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂のいずれを製造する際にも反応の際に縮合水が発生し、反応の継続と共に縮合水を反応系外へ排出するため、反応の進行状況により、反応液の容積(質量)が刻々と変化する。その為、本発明の反応液の製造方法が粘度を正確に把握できるため好適に使用することができる。
前記フェノール類としては、例えば、1価フェノール、多価フェノール、可溶性リグノセルロース物質等が挙げられる。1価フェノールとしては、例えば、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、エチルフェノール、iso−プロピルフェノール、キシレノール、3,5−キシレノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール;o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−ヨードフェノール、m−ヨードフェノール、p−ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール;o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール等のアミノフェノール;o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,4,6−トリニトロフェノール等のニトロ化フェノール;ナフトール等が挙げられる。
多価フェノールとしては、例えば、レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等が挙げられる。
可溶性リグノセルロース物質としては、例えば、リグノセルロース材料と1価フェノールおよび/または多価フェノールとの加熱反応により得られる溶液状ないしペースト状の物質を例示することができる。ここでリグノセルロース材料としては、オガ屑、木粉、木材チップ、単板クズ、合板切りクズ、樹皮などの植物繊維素材;ワラ、モミガラ、コーヒー豆カス、バガス絞りカス、ビートパルプなどのセルロース類;リグニン類等を主成分とする植物由来の各種材料が挙げられる。
アルデヒド類としては、アルデヒド並びに分解するとアルデヒドを生成する化合物が挙げられ、例えば、ホルマリン、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンツアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サルチルアルデヒド等を例示することができる。
前記酸性触媒としては、例えばシュウ酸、硫酸、塩酸、リン酸、フェノールスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸亜鉛、酢酸マンガンなどの金属塩触媒等が挙げられる。
塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;石灰等の酸化物;亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;リン酸ナトリウム等のリン酸塩;アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジン等のアミン類などを例示することができる。
フェノール樹脂は、前記フェノール類(F)とアルデヒド類(P)による加熱重合を酸性触媒又は塩基性触媒下で行う事により製造することができる。加熱重合を行う際には通常、集合開始時から水が反応系内に含まれる。この水は通常使用するアルデヒド類が含む水である。加えて、反応の進行に伴いフェノール類とアルデヒド類の反応により縮合水が発生する。フェノール樹脂を製造する際には、これらの水を系外へ排出しつつ重合を進めていく。その為、上記の通り反応液の質量が反応の進行に伴い変化する。
フェノール樹脂の製造工程は、例えば、フェノール類とアルデヒド類による加熱重合を酸性触媒又は塩基性触媒下で行わせる第一工程(以下、単に第一工程)と、反応容器内の減圧によって原料に含まれる水分、未反応物、その他の揮発分を系外に排出させることで、縮合反応が促進され、その際生じる縮合水も合わせて系外に排出・除去させることで系内樹脂が増粘される第二工程(以下、単に第二工程)とを有する。また、第一工程のみで製造されるフェノール樹脂も数多く存在する。以下、第一工程と第二工程を有する製造方法について詳述する。
フェノール樹脂の製造工程で使用する溶媒としては通常、水が用いられる。必要に応じて、更にメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−アミルアルコール、iso−アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブチノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、トリメチルノニルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、アビエチルアルコール、次アセトンアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、ジエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メチルオキシド、シクロヘキサノン、ショウノウ等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;1,4ジオキサン等のエーテル類;ジエチルセロソルブ、ジエチルカルビトール、エチルラクテート、イソプロピルラクテート、ジグリコールジアセテート、ジメチルホルムアミド等の水可溶性有機溶剤などを単独で又は2種以上の混合物として添加使用できる。アセトン等は溶剤であると同時に、アルキルレゾルシンの錯化剤としても作用し、より穏やかな反応をもたらす。
以上のような第一工程のみで樹脂製造工程を終了する場合も多い。第一工程で製造工程を終了する場合でも、引き続き第二工程へと移行する場合においても、第一工程の終点判断は容器内の樹脂粘度が、樹脂用途と性能を考慮して予め定められた値に到達したかで判断することができる。第一工程で製造工程を終了する場合でも、引き続き第二工程へと移行する場合においても、第一工程における反応液の粘度は、本発明の反応液の粘度を検出する方法において、前記WとWを共に同量とすることで得ることができる。
第一工程の反応温度としては、通常50〜110℃であり、反応時間は1〜10時間である。第一工程を終了した後は、反応容器内を減圧によって水分、未反応物、その他の揮発分を系外に排出させつつ縮合反応によって更に増粘を図る第二工程へと進む。
第二工程を必要とする樹脂製造工程では、以上の第一工程を終了後、反応容器内を減圧によって原料に含まれる水分、未反応物、その他の揮発分を系外に排出させることで、縮合反応が促進され、その際生じる縮合水も合わせて系外に排出・除去させることで、系内樹脂が更に増粘する第二工程へと進む。第二工程の反応終点判断は、容器内の樹脂粘度が、樹脂用途と性能を考慮して予め定められた値に到達したかで判断することができる。
従来、粘度測定を行う際は一旦減圧を解除し、攪拌翼の回転も停止させ、製品途上樹脂を採取(サンプリング)して行うので、作業効率の悪いものと言わざるを得なかった。一方、前記攪拌翼の回転トルクから粘度を検知しようとすれば、大量の成分が排出されることにより容器内にある樹脂粘度は増加しているにも拘らず、攪拌翼の回転トルクは寧ろ低下することもあるために、上述粘度検知装置が出力する値は実体より小さくなり、信頼性の乏しいものと言わざるを得ないものであった。
本発明は上記のような問題を解決し、反応の過程で反応液の容積(質量)が変化する場合でも正確に反応液の粘度を得ることができる。
以下、本実施形態による反応液の粘度検知過程及び反応液生成方法の一例について、図3を参照しながら説明する。
検知装置1は、反応釜12内に投入された液状物、例えば化学反応製品を誘導電動機9により回転駆動される撹拌翼13の回転速度を検知するものである。
検知装置1は、計測部2と演算処理部5を備えている。
計測部2は、三相交流回路の電力計、電圧計、電流計及び周波数計の4つの機能を有する。市販される計測器は、これらが一つのユニットとしてパッケージ化されたものが多く、電圧引き込み線6及び電流引き込み線7により三相交流回路と接続されている。尚、計測部は各計測器が個別に設けられていてもよいことはいうまでもない。
尚、図3は撹拌翼13の動力源である誘導電動機9が三相回路であることを想定したものであり、公知慣用の三相用の電力計が用いられるべきこと、また、その場合、電圧及び電流共に相毎に計測され、回転速度を算出する演算も相毎に行われて合成されるべきことは言うまでもない。また対象とする電動機が単相回路の場合、又は直流電源で駆動する直流電動機であっても本発明を同様に適用することができる。
演算処理部5は、例えばパーソナル・コンピュータから構成され、計測部の動作を制御するとともに、計測部2で計測された電力値、電圧値、電流値及び周波数を取得して、上述した誘導電動機9の回転速度、回転トルクを求めるための演算処理を行うとともに、その結果に基づいて液状物の粘度を求める演算処理を行う。
計測部において、各計測器における計測は、通信ケーブル8を介して、演算処理部5からの命令で一斉に同期的に行われる。演算処理部5は、回転速度、回転トルク、反応液の粘度を求めるための演算処理を実行するプログラム及び誘導電動機9の固定損失等の演算処理に必要な情報を保持しており、計測情報に基づいて回転速度を算出するための演算を行い、結果を画面や内部の情報記録手段等に出力する。
誘導電動機9は、減速機10を介して撹拌軸11と接続され、この撹拌軸11には撹拌翼13が取り付けられる。撹拌翼13は反応釜12内に配置され、反応釜12に投入される被反応物を誘導電動機9の回転にしたがって撹拌する。誘導電動機9には、インバータ14を介して三相電源15から電力が供給される。尚、インバータ14を介することなく、三相電源15から誘導電動機9に直接的に電力供給するものであってもよい。
反応釜12内に投入された液状物は、反応の進行に伴い発生する反応副生成物、例えば縮合水を、配管16を通して復水器17に導き、更に配管18を通して貯蔵タンク19に一次貯蔵される。反応釜の外に排出された質量は、質量計測器20で計測され、その計測情報は通信ケーブル21を通して演算処理部5に送られる。
反応液の粘度を検知する時点の反応液質量Wは、反応釜12内に投入された液状物の総質量から、質量計測器20で計測された質量を差し引くことによって求められる。
以上の構成を有する検知装置1によると、オペレータは演算処理部5のモニタ画面上に表示された回転速度値、回転トルク値及び反応液の粘度をリアルタイムで知ることができる。
[巻線抵抗の温度補正]
ところで、一次銅損を求める際に巻線抵抗の値を用いるが、巻線抵抗は、通常基準温度(20℃)での値が提供される。したがって、一次銅損を求めるにあたっては、実際の運転温度で補正した値を用いると回転速度、ひいては回転トルク及び反応液の粘度の検知精度をより高めることができる。この温度補正については、特許文献1に記載された手順に準じて行えばよいので、ここでの再掲は省略する。
[空トルク補正]
式(10−2)によって求められるトルクは、反応釜の内容物が空の場合であっても減速機や軸受けの機械摩擦など発生している成分(空トルク、と称す)を含む。そこで製造時に採用する攪拌速度における空トルクを予め検知しておいてこれを定数扱いとし、式(11)で粘度を求める際に検知トルクの値から当該定数を差し引くことで粘度精度をより高めることができる。これについても特許文献1に記載された手順に準じて行えるので、ここの再掲は省略する。
[粘度の温度補正]
一般に反応温度は製品毎によって決められるので反応釜には温度制御機能が備えられる。温度制御誤差の粘度影響が無視できる場合にはこの補正は不要であるが現実には±1〜3℃程度の誤差は避けられないので、予め定められる温度(標準反応温度)での値に補正した値を用いると検知精度を高めることができる。これについても特許文献1に記載された手順に準じて行えるので、ここの再掲は省略する。
[粘度の仕込み量の補正]
また、本実施形態において、予め定められた反応釜での製造単位あたりの標準仕込み量と、当該製造単位における実仕込み量が異なる場合に、両者の仕込み量の差に基づいて反応液粘度値を補正することによる仕込み量の補正を行うこともできる。この仕込み量の補正についても、特許文献1に記載された手順に準じて行えるので、ここでの再掲は省略する。
尚、本発明における回転速度検知は、電動機出力とすべりの高い直線性を利用して行うので直線性が崩れる大出力領域(定格出力を超える)では誤差が大きくなる。しかしながら産業界における電動機使用実態、特に、化学反応による樹脂製造の工程においては、大多数が定格出力以下、更には定格出力の50%前後で使用されているので上記誤差が問題になることは殆どない。
以下、フェノール樹脂を含む反応液の製造に本発明を適用した例を説明する。なお、この反応液の製造には、図3に示す装置を用いた。誘導電動機9の仕様は以下の通りである。
三相誘導電動機(Y結線)の仕様
容量:15kW 定格速度:毎分1460回転(定格すべり0.0266)
定格電圧:200V 定格電流:57A 定格周波数:50Hz
極数:4
一次巻線抵抗:0.0943Ω
一次巻線リアクタンス:0.725Ω(定格周波数時)
二次巻線抵抗:0.0130Ω
二次巻線リアクタンス:0.0320Ω(定格周波数時)
抵抗計測基準温度:20℃ 抵抗温度係数:234.5
機械損:70W(定格速度時)
鉄損:335W(設計値:ヒステリシス損115W、渦電流損120W)
浮遊損:132W 撹拌軸減速比:17:1
また、フェノール樹脂の原料は、フェノール64重量部及び41.5%濃度ホルマリン74.8重量部の割合で用いた。触媒としては、48%濃度水酸化ナトリウム水溶液1.41重量部用いた。具体的な使用量は、フェノール4609.4kg、41.5%濃度ホルマリン5387.8kg、48%濃度水酸化ナトリウム水溶液101.52kgである
上記原料及び触媒を図3に示す反応釜12に投入し、80℃にて6〜8時間反応させた後、減圧下にて40〜60℃の範囲で脱水及びフェノール樹脂の増粘を行った。
比較例は、上記と同様の原料と反応条件を用い、前記特許文献に示す方法にてフェノール樹脂を製造した。
実施例で用いた図3に示す計測部2は、遠隔計測監視システム2300(日置電機)を用いた。この計測器は、計測モジュールを適宜選択することによって三相交流回路の電力計、電圧計、電流計及び周波数計の、合わせて4つの機能を一つのユニットに組み込んだものである。同様の計測機能であればこれ以外の計測器であっても用いることができる。
演算処理部(PC)5は、計測部2から通信手段を通じてデータを入手し、所定演算を行って回転速度、回転トルクを算出する演算機能と、各計測手段に対して一斉に計測タイミング信号を発する同期信号発生手段を兼ねる。各計測手段は演算処理部5からの指令で一斉に、単位時間あたり所定回数の計測を行い、その平均値を演算処理部5が取り込んで回転速度、回転トルク、粘度を算出する。
本実施例において、本発明の反応液の粘度を検知する方法における1)過程中の、トルクTと反応液の質量Wの関係を表す関数式T=F(W)は、図7におけるトルクTと反応液質量(W)の関係を表すグラフから回帰させて得た。
具体的には T = 0.000,000,003*W−0.000,084,8*W-0.919,3*W−2,140.9である。
尚、この関数式において、仕込み量が基準値(Wo=10,097kg)である時の基準トルクToは1,255Nmである。
図4は、本発明の反応液の粘度を検出する方法における1)の過程で得られる回転速度(二次近似値N 図中の「1」)と実回転速度(図中の「2」)を併記した回転速度チャートを示す。この図から、本実施例において検知された回転速度は、実回転速度との差異が小さく、実回転速度を反映していることがわかる。
図5は本発明を適用して検知された反応液の粘度と、特許文献1を適用して検知された反応液の粘度を併記した粘度チャート、並びに反応の進行と共に経時的に変化(低減)した質量のチャートを示す。図5が示すように、特許文献1の手順で検知された粘度では、時刻120分から380分にかけて実際には縮合による粘度増加が起こっているにも拘らず、実態と合致しない減少傾向を示している。同時に、この間には約3000kgの縮合水が、ほぼ直線的に反応釜の外に排出されているのが読み取れる。一方、本発明を適用して検知された粘度チャートでは、前段階で実施するトルクの計算に際し、排出によって起こる反応液の質量変化を考慮に入れるので、予め定めた標準時の質量に換算した値を常に示すものとなり、その効果により実情によく合致した検知結果が得られる。
尚、図5における粘度単位の表記は、校正された一般の粘度計が出力するものと区別するために、接頭語rを付加して便宜的にrPa.Sを用いている。rPa.Sで表される相対粘度は、数値上は電動機、減速器及び攪拌翼から成る攪拌系固有のものとなり、従って、攪拌系が変わればその値も全体的に大きくなったり小さくなったりすることはある。しかしながら当該系内における粘度の相対的変化を検知する上での支障はない。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されない。
つまり、図4に示される回転速度は二次近似値であるが、本発明による回転速度は三次近似値以上の値まで求めることを許容し、また、そのような回転速度に基づいて回転トルク、粘度を求めることを許容する。
次に、検知された回転速度(回転トルク)を用いてさらに検知される対象は、反応液の粘度に限るものではなく、いかなる用途に適用することもできる。
更に、製造の対象とする反応生成液もフェノール樹脂に限定されるものでなく、反応の進行に伴い反応液の質量が経時的に変化する、いかなる反応液の製造にも適用することを許容する。
1 検知装置
2 計測部
5 演算処理部
9 誘導電動機
12 反応釜
13 撹拌翼
14 インバータ
15 三相電源
19 貯蔵タンク
20 質量計測器

Claims (9)

  1. 反応液の質量が反応の進行に伴い経時的に変化する系内で、2種以上の原料から反応生成物を得る工程における反応液の粘度を検知する方法であって、
    反応生成物を得る工程が誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を含むものであり、反応液の粘度を検知する方法が以下の過程を含むことを特徴とする反応液の粘度を検知する方法。
    1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、
    前記一次近似値Nに基づいて、前記損失電力Bを求めるステップIIと、
    前記電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知過程。
    2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N、及びトルクTと反応液の質量Wの関係を表す関数式T=F(W)を基に、下記式
    T=(P−(A+B))/(2π×N/60)×F(W)/F(W
    〔(W)は予め定められた製造単位における標準時の反応液の質量を表し、(W)は当該反応液の粘度を検知する時点の反応液の質量を表す。また、F(W)〔ここで、(W)は(W)または(W)である〕は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを実測し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。〕
    により回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
    3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、下記式
    η=κT/N(単位Pa・S)
    により粘度ηを求める粘度検知過程。
  2. 前記1)回転速度検知過程として、n次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIVと、前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+B)とみなし、
    前記電動機について前記既知である出力PM(n+1)とすべりS(n+1)との関係式PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=N(1−S(n+1))(Nは電動機定数)を求めるステップVとを(ただし、nは2以上の整数)、
    前記ステップIIIで前記二次近似値Nが得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す回転速度検地過程を用いる、請求項1に記載の反応液の粘度を検知する方法。
  3. 反応液の質量が反応の進行に伴い経時的に変化する系内で、2種以上の原料から反応生成物を得る工程における反応液の粘度を検知する方法であって、反応生成物を得る工程が誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を含むものであり、反応液の粘度を検知する方法が以下の過程を含むことを特徴とする反応液の粘度を検知する装置において、
    前記装置は、
    前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、電圧周波数、及び反応液質量を含む計測情報を取得する情報取得部と、
    前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、
    前記演算処理部は、1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、
    前記一次近似値Nに基づいて、前記損失電力Bを求めるステップIIと、
    前記電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知過程、
    2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N、及びトルクTと反応液の質量Wの関係を表す関数式T=F(W)を基に、下記式
    T=(P−(A+B))/(2π×N/60)×F(W)/F(W
    〔(W)は予め定められた製造単位における標準時の反応液の質量を表し、(W)は当該反応液の粘度を検知する時点の反応液の質量を表す。また、F(W)〔ここで、(W)は(W)または(W)である〕は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを実測し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。〕
    により回転トルクTを求める回転トルク検知過程、
    3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、下記式
    η=κT/N(単位Pa・S)
    により粘度ηを求める粘度検知過程、
    で規定される処理を実行することを特徴とする反応液の粘度検知装置。
  4. 前記演算処理部は、
    前記1)で規定される処理を実行する際に、ステップI〜IIIに加えn次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIVと、
    前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+B)とみなし、
    前記電動機について前記既知である出力PM(n+1)とすべりS(n+1)との関係式PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=NS(1−S(n+1))(NSは電動機定数)を求めるステップVとを(ただし、nは2以上の整数)、
    前記ステップIIIで前記二次近似値Nが得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す処理を実行する、請求項3に記載の反応液の粘度検知装置。
  5. 反応液の質量が反応の進行に伴い経時的に変化する系内で、2種以上の原料から反応生成物を得る方法であって、該方法は誘導電導機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を伴い、しかも反応液の粘度を検知する方法が以下の過程を含むことを特徴とする反応生成物を得る方法。
    1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、
    前記一次近似値Nに基づいて、前記損失電力Bを求めるステップIIと、
    前記電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知過程。
    2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N、及びトルクTと反応液の質量Wの関係を表す関数式T=F(W)を基に、下記式
    T=(P−(A+B))/(2π×N/60)×F(W)/F(W
    〔(W)は予め定められた製造単位における標準時の反応液の質量を表し、(W)は当該反応液の粘度を検知する時点の反応液の質量を表す。また、F(W)〔ここで、(W)は(W)または(W)である〕は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを実測し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。〕
    により回転トルクTを求める回転トルク検知過程。
    3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、下記式
    η=κT/N(単位Pa・S)
    により粘度ηを求める粘度検知過程。
  6. 前記1)回転速度検知過程として、n次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIVと、前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+B)とみなし、
    前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=N(1−S(n+1))(Nは電動機定数)を求めるステップVとを(ただし、nは2以上の整数)、
    前記ステップIIIで前記二次近似値Nが得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す回転速度検地過程を用いる、請求項5に記載の反応生成物を得る方法。
  7. 前記反応生成物としてフェノール樹脂を得る、請求項5または6に記載の反応生成物を得る方法。
  8. 反応液の質量が反応の進行に伴い経時的に変化する系内で、2種以上の原料から反応生成物を得る製造装置であって、
    該装置は誘導電動機を動力源として攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行うもので、しかも該装置は前記電動機に供給されている電力、電流、電圧、電圧周波数、及び反応液質量を含む計測情報を取得する情報取得部と、
    前記計測情報に基づいて、前記反応液の粘度を演算により求める演算処理部と、を備え、
    前記演算処理部は、1)投入電力Pが供給されているときの損失電力をPとし、かつ、前記損失電力Pが回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとからなる、誘導電動機における回転速度を検知する過程であって、前記電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PMとみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から前記回転速度の一次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIと、
    前記一次近似値Nに基づいて、前記損失電力Bを求めるステップIIと、前記電動機の出力の二次近似値PMをP−(A+B)とみなし、前記電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM=κS(κは電動機定数)から回転速度の二次近似値N=NS(1−S)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知過程、
    2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知過程のステップIで得られた前記損失電力B、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N、及びトルクTと反応液の質量Wの関係を表す関数式T=F(W)を基に、下記式
    T=(P−(A+B))/(2π×N/60)×F(W)/F(W
    〔(W)は予め定められた製造単位における標準時の反応液の質量を表し、(W)は当該反応液の粘度を検知する時点の反応液の質量を表す。また、F(W)〔ここで、(W)は(W)または(W)である〕は、当該反応系において、反応液の質量を変化させたときのトルクを実測し、そのデータに対して多項式回帰させた数式である。〕
    により回転トルクTを求める回転トルク検知過程、
    3)前記回転トルク検知過程で得られた回転トルクを基に、下記式
    η=κT/N(単位Pa・S)
    により粘度ηを求める粘度検知過程、
    で規定される処理を実行する、ことを特徴とする反応生成物を得る製造装置。
  9. 前記演算処理部は、
    前記1)で規定される処理を実行する際に、ステップI〜IIIに加えn次近似値Nに基づいて損失電力Bを求めるステップIVと、
    前記電動機の出力の(n+1)次近似値PM(n+1)をP−(A+B)とみなし、
    前記電動機について前記既知である出力M(n+1)とすべりS(n+1)との関係式PM(n+1)=κS(n+1)(κは電動機定数)から回転速度の(n+1)次近似値N(n+1)=NS(1−S(n+1))(NSは電動機定数)を求めるステップVとを(ただし、nは2以上の整数)、
    前記ステップIIIで前記二次近似値Nが得られた後に、予め定められた回数だけ繰り返す処理を実行する、請求項8に記載の反応生成物を得る製造装置。
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