JP5406782B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

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Description

本発明は、第1電極、第2電極、及び当該両電極間に形成される可変抵抗体を有し、電気抵抗の変化により情報を記憶する不揮発性の可変抵抗素子を備えてなるメモリセルを行方向及び列方向に夫々複数配列してなるメモリセルアレイを有する半導体記憶装置に関し、より詳細には、高集積かつ省電力可能なメモリセルアレイに関する。
近年、フラッシュメモリに代わる、高速動作可能な次世代不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM:Nonvolatile Random Access Memory) として、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetic RAM)、PCRAM(Phase Change RAM)、RRAM(Resistance RAM)(登録商標)等の様々なデバイス構造が提案され、高性能化、高信頼性化、低コスト化、及び、プロセス整合性という観点から、激しい開発競争が行われている。これらの不揮発性メモリの中でもRRAMは、高速書き換えが可能であり、かつ、材料に単純な二元系の金属酸化物が使用可能なため作製が容易で既存のCMOSプロセスとの親和性が高いという利点がある。
低コストという点では、単純な2端子型の不揮発性メモリが、メモリセル面積が4Fのクロスポイント構造のメモリセルアレイを実現できる点で有利である。当該2端子型不揮発メモリとしては、RRAM、PCRAM、スピン注入型MRAMなどが挙げられる。
クロスポイント構造のメモリセルアレイの最も単純な構成は、メモリセル内に選択素子を持たない1R型のメモリセルからなるものである。図14と図15に、1R型メモリセルからなる1R型のメモリセルアレイの例(回路構成図)を、書き換え及び読み出し時の印加電圧と併せて示す。ビット線(B1〜B3)と、ワード線(W1〜W3)と、それらの交点上に可変抵抗素子R(R11〜R33)がマトリクス状に配置されることで、メモリセルアレイが構成されている。選択メモリセルの可変抵抗素子に書き換え及び読み出しを行なう最も簡単な方法は、図14に示されているように、選択メモリセル(例えば、R22)につながるビット線、ワード線間にのみ電圧VSLを印加するものであるが、非選択のメモリセルにも電流(リーク電流)が流れるため、消費電流が増大し、読み出しが難しくなるという問題がある。この問題を低減する駆動方法として、非選択ビット線、非選択ワード線にも電圧を印加するものがあり、例えば1/2バイアス法が挙げられる。
1/2バイアス法では、図15に示されるように、選択メモリセル(例えば、R22)の行或いは列の何れか一方のみが同一の半選択メモリセルには選択メモリセルへ印加される書き換え電圧或いは読み出し電圧の半分が印加される。しかしながらこの方式であっても、アレイ規模が大きくなると、この半選択電圧によるディスターブ、半選択メモリセルに流れる電流(リーク電流)による消費電流増大といった問題が生じる可能性がある。半選択メモリセルに流れる総電流はアレイ規模に比例して大きくなり、それに伴い駆動回路の電流駆動能力を高める必要が生じ、結果、駆動回路を大きくする必要が生じる。更に、半選択メモリセルに流れる総電流が大きくなると、ビット線、ワード線での電圧降下が無視できない程度に大きくなってくる。1/2バイアス法では、理想的には、選択メモリセルと半選択メモリセルにしか電流は流れないが、上記電圧降下が生じると、理想的な電位分布がくずれ、非選択メモリセルにも電流が流れるようになってしまう。個々の非選択メモリセルに夫々流れる電流がわずかであっても、アレイ全体では無視できなくなり、消費電流の増大をもたらす。これを抑制するには、アレイブロック規模を小さく限定する必要があるが、面積利用効率の悪化をもたらし結果的に高コストを招くこととなる。
上記問題を回避するための構成として、1D1R型のメモリセルアレイが提案されている。これは、非線形素子と可変抵抗素子を直列接続したものをメモリセルとしたものである。非線形素子としては、例えば、特許文献1及び特許文献2のpnダイオード、特許文献3のバリスタ、特許文献4のMIM(Metal-Insulator-Metal)素子、特許文献5のシリコン窒化膜等を用いることができる。
特開2006−140489号公報 特開2007−165873号公報 特開2006−203098号公報 米国特許第6753561号明細書 特開2008−235637号公報
低ビットコストの不揮発性メモリを実現するためには、メモリセルの大きさを小さくし、アレイ規模を大きくしなくてはならない。メモリセルを小さくするには、可変抵抗素子と非線形素子の両者を小さくする必要があり、高電流密度で電流を流すことのできる非線形素子が要求される。
一方、アレイ規模が大きくなると、半選択メモリセルに流れる総電流はアレイ規模に比例して大きくなるため、消費電力が増大する。低消費電力の不揮発性メモリを実現するためには、半選択メモリセルに流れるリーク電流を効率的に抑制できるように、非線形素子は、印加電圧を下げると急峻に電流が遮断される電流電圧特性を有している必要がある。
上記特許文献1〜5の各例においては、非線形素子の電流駆動能力が不十分であるか、或いは現実的な電流駆動能力を実現するための素子構造が明らかでないとともに、クロスポイント構造のメモリセルアレイで用いる際に必要な遮断特性について明らかとなっていない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、十分な電流駆動能力と遮断特性を有する非線形素子を有するメモリセルからなる、低消費電力で高集積の不揮発性半導体記憶装置を提供することである。
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極と直接接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子と、第1導電体と第2導電体の間に絶縁体を挟持してなる非線形素子と、を備え、前記可変抵抗素子と前記非線形素子が前記第2電極と前記第1導電体を接続することにより直列に接続されたメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、行方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか一方に、所定の基準電位を、行方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか一方に、前記基準電位を基準としてVSL/2[V]を、
列方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL[V]を、列方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL/2[V]を、夫々印加し、前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2導電体間に印加される書き換え電圧の絶対値VSLのうち、前記可変抵抗素子に印加される電圧の割合をxとし、前記絶縁体の膜厚をd[nm]とし、y=10×VSL/dとすると、前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと、前記第1導電体と前記第2導電体の少なくとも何れか一方のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]が、a+by+c以下で、かつ、a+by+c以上であり、ここで、a=−3.09×10−3(1−x)、b=1.32×10−1(1−x)、c=4.10×10−2、a=−8.83×10−3+1.70×10−5+5.94×10−4x−2.31×10−3、b=4.94×10−1+3.53×10−2+5.87×10−2x+7.54×10−2、c=7.62×10−1+5.03×10−2+9.24×10−2x+4.97×10−2であることを第1の特徴とする。
上記第1の特徴の不揮発性半導体記憶装置に依れば、書き換え電圧VSL、絶縁体の膜厚d、書き換え電圧VSLのうち可変抵抗素子に分圧される割合x、及び、上記のエネルギー差が上述の関係式を満足することにより、30nm×30nm〜100nm×100nmの大きさの微細な可変抵抗素子に、同程度の大きさの非線形素子を通じて0.1MA/cm〜10MA/cmの書き替え電流を流すことができ、かつ、32×32程度以上の、1Kbit以上のメモリセルアレイの1/2バイアス法による書き換えにおいて、半選択メモリセルに流れる電流の総和を、選択メモリセルに流れる電流と同程度以下にすることができる。これにより、半選択メモリセルに流れるリーク電流が抑えられ、低消費電力で、かつ高集積の不揮発性メモリを実現できる。また、上記非線形素子は電流の向きによらず、同様の非線形特性を持たせることができるため、書き込み、消去に互いに逆向きの電流を用いるMRAM、RRAM等に用いることが可能である。
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と直接及び前記第2電極と絶縁体を介して間接に接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子を有するメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、行方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか一方に、所定の基準電位を、行方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか一方に、前記基準電位を基準としてVSL/2[V]を、列方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL[V]を、列方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL/2[V]を、夫々印加し、前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2電極間に印加される書き換え電圧の絶対値VSLのうち、前記可変抵抗体に印加される電圧の割合をxとし、前記絶縁体の膜厚をd[nm]とし、y=10×VSL/dとすると、前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと前記第2電極のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]、或いは、前記絶縁体の伝導帯の底と前記可変抵抗体の伝導帯の底とのエネルギー差[eV]の少なくとも何れか一方が、a+by+c以下で、かつ、a+by+c以上であり、ここで、a=−3.09×10−3(1−x)、b=1.32×10−1(1−x)、c=4.10×10−2、a=−8.83×10−3+1.70×10−5+5.94×10−4x−2.31×10−3、b=4.94×10−1+3.53×10−2+5.87×10−2x+7.54×10−2、c=7.62×10−1+5.03×10−2+9.24×10−2x+4.97×10−2であることを第2の特徴とする。
上記第2の特徴の不揮発性半導体記憶装置は、可変抵抗体と第2電極との間に絶縁体を挿入した素子をメモリセルとして用いるもので、当該素子は、書き換え電圧の印加により抵抗状態が不揮発的に変化し、可変抵抗素子としてのメモリ動作を行うことができると同時に、非線形素子としての機能も発揮するように構成されている。即ち、可変抵抗体と第2電極が夫々、絶縁体を挟持する導電体の役割を有している。上記第1の特徴の不揮発性半導体記憶装置と同様に、書き換え電圧VSL、絶縁体の膜厚d、書き換え電圧VSLのうち可変抵抗体に分圧される割合x、及び、上記のエネルギー差が上述の関係式を満足することにより、半選択メモリセルに流れるリーク電流が抑えられ、低消費電力で、かつ高集積の不揮発性メモリを実現できる。
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極と直接接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子と、第1導電体と第2導電体の間に絶縁体を挟持してなる非線形素子と、を備え、前記可変抵抗素子と前記非線形素子が前記第2電極と前記第1導電体を接続することにより直列に接続されたメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、行方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか一方に、所定の基準電位を、行方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか一方に、前記基準電位を基準としてVSL×2/3[V]を、列方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL[V]を、列方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL/3[V]を、夫々印加し、前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2導電体間に印加される書き換え電圧の絶対値VSLのうち、前記可変抵抗素子に印加される電圧の割合をxとし、前記絶縁体の膜厚をd[nm]とし、y=10×VSL/dとすると、前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと、前記第1導電体と前記第2導電体の少なくとも何れか一方のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]が、a+by+c以下で、かつ、a+by+c以上であり、ここで、a=−3.09×10−3(1−x)、b=1.32×10−1(1−x)、c=4.10×10−2、a=−1.84×10−3+6.81×10−4+4.99×10−4x−1.20×10−3、b=2.26×10−1−7.02×10−2+3.20×10−2x+3.89×10−2、c=5.23×10−1−1.48×10−1+6.40×10−2x+2.54×10−2であることを第3の特徴とする。
上記第3の特徴の不揮発性半導体記憶装置に依れば、書き換え電圧VSL、絶縁体の膜厚d、書き換え電圧VSLのうち可変抵抗素子に分圧される割合x、及び、上記のエネルギー差が上述の関係式を満足することにより、30nm×30nm〜100nm×100nmの大きさの微細な可変抵抗素子に、同程度の大きさの非線形素子を通じて0.1MA/cm〜10MA/cmの書き替え電流を流すことができ、かつ、32×32程度以上の、1Kbit以上のメモリセルアレイの1/3バイアス法による書き換えにおいて、半選択メモリセルに流れる電流の総和を、選択メモリセルに流れる電流と同程度以下にすることができる。これにより、半選択メモリセルに流れるリーク電流が抑えられ、低消費電力で、かつ高集積の不揮発性メモリを実現できる。また、上記非線形素子は電流の向きによらず、同様の非線形特性を持たせることができるため、書き込み、消去に互いに逆向きの電流を用いるMRAM、RRAM等に用いることが可能である。
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と直接及び前記第2電極と絶縁体を介して間接に接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子を有するメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、行方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか一方に、所定の基準電位を、行方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか一方に、前記基準電位を基準としてVSL×2/3[V]を、列方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL[V]を、列方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL/3[V]を、夫々印加し、前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2電極間に印加される書き換え電圧の絶対値VSLのうち、前記可変抵抗体に印加される電圧の割合をxとし、前記絶縁体の膜厚をd[nm]とし、y=10×VSL/dとすると、前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと前記第2電極のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]、或いは、前記絶縁体の伝導帯の底と前記可変抵抗体の伝導帯の底とのエネルギー差[eV]の少なくとも何れか一方が、a+by+c以下で、かつ、a+by+c以上であり、ここで、a=−3.09×10−3(1−x)、b=1.32×10−1(1−x)、c=4.10×10−2、a=−1.84×10−3+6.81×10−4+4.99×10−4x−1.20×10−3、b=2.26×10−1−7.02×10−2+3.20×10−2x+3.89×10−2、c=5.23×10−1−1.48×10−1+6.40×10−2x+2.54×10−2であることを第4の特徴とする。
上記第4の特徴の不揮発性半導体記憶装置は、可変抵抗体と第2電極との間に絶縁体を挿入した素子をメモリセルとして用いるもので、当該素子は、書き換え電圧の印加により抵抗状態が不揮発的に変化し、可変抵抗素子としてのメモリ動作を行うことができると同時に、非線形素子としての機能も発揮するように構成されている。即ち、可変抵抗体と第2電極が夫々、絶縁体を挟持する導電体の役割を有している。上記第3の特徴の不揮発性半導体記憶装置と同様に、書き換え電圧VSL、絶縁体の膜厚d、書き換え電圧VSLのうち可変抵抗体に分圧される割合x、及び、上記のエネルギー差が上述の関係式を満足することにより、半選択メモリセルに流れるリーク電流が抑えられ、低消費電力で、かつ高集積の不揮発性メモリを実現できる。
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、更に、上記第1乃至第4の何れかの特徴に加えて、(1−x)VSL/dが1以下であることを第5の特徴とする。
上記第5の特徴の不揮発性半導体記憶装置に依れば、非線形素子に印加される電界が10MV/cm程度以下に抑えられるため、信頼性の高い動作が可能となる。
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極と直接接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子と、第1導電体と第2導電体の間に絶縁体を挟持してなる非線形素子と、が前記第2電極と前記第1導電体を接続することにより直列に接続されたメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2導電体間に印加される書き換え電圧の絶対値をVSL[V]、前記絶縁体の膜厚をd[nm]とすると、前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと、前記第1導電体と前記第2導電体の少なくとも何れか一方のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]が、(0.5VSL/d+0.1)以上で、かつ、(VSL/d+0.1)以下であることを第6の特徴とする。
上記第6の特徴の不揮発性半導体記憶装置に依れば、書き換え電圧VSL、絶縁体の膜厚d、及び、上記のエネルギー差が上述の関係式を満足することにより、30nm×30nm〜100nm×100nmの大きさの微細な可変抵抗素子に、同程度の大きさの非線形素子を通じて0.1MA/cm〜10MA/cmの書き替え電流を流すことができ、かつ、32×32程度以上の、1Kbit以上のメモリセルアレイにおいて、半選択メモリセルに流れる電流の総和を、選択メモリセルに流れる電流と同程度以下にすることができる。これにより、半選択メモリセルに流れるリーク電流が抑えられ、低消費電力で、かつ高集積の不揮発性メモリを実現できる。また、上記非線形素子は電流の向きによらず、同様の非線形特性を持たせることができるため、書き込み、消去に互いに逆向きの電流を用いるMRAM、RRAM等に用いることが可能である。
上記目的を達成するための本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と直接及び前記第2電極と絶縁体を介して間接に接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子を有するメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2電極間に印加される書き換え電圧の絶対値をVSL[V]、前記絶縁体の膜厚をd[nm]とすると、前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと前記第2電極のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]、或いは、前記絶縁体の伝導帯の底と前記可変抵抗体の伝導体の底とのエネルギー差[eV]の少なくとも何れか一方が、(0.5VSL/d+0.1)以上で、かつ、(VSL/d+0.1)以下であることを第7の特徴とする。
上記第7の特徴の不揮発性半導体記憶装置は、可変抵抗体と第2電極との間に絶縁体を挿入した素子をメモリセルとして用いるもので、当該素子は、書き換え電圧の印加により抵抗状態が不揮発的に変化し、可変抵抗素子としてのメモリ動作を行うことができると同時に、非線形素子としての機能も発揮するように構成されている。即ち、可変抵抗体と第2電極が夫々、絶縁体を挟持する導電体の役割を有している。第1の特徴の不揮発性半導体記憶装置と同様に、書き換え電圧VSL、絶縁体の膜厚d、及び、上記のエネルギー差が上述の関係式を満足することにより、半選択メモリセルに流れるリーク電流が抑えられ、低消費電力で、かつ高集積の不揮発性メモリを実現できる。
更に、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第6又は第7の何れかの特徴に加えて、VSL/dが1以下であることを第8の特徴とする。
上記第8の特徴の不揮発性半導体記憶装置に依れば、非線形素子に印加される電界が10MV/cm程度以下に抑えられ、信頼性の高い動作が可能となる。
更に、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第1、第3及び第6のうち何れかの特徴に加えて、前記第1導電体と前記第2導電体が同一の材料で構成されることを第9の特徴とする。
上記第9の特徴の不揮発性半導体記憶装置に依れば、可変抵抗素子に互いに逆向きの電流を流す場合にも、夫々の電流の向きに対して、非線形素子のオン電圧を同じにでき、駆動を容易にできる。
更に、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第1乃至第9の何れかの特徴に加えて、前記絶縁体の膜厚dが5nm以下であることを第10の特徴とする。
上記第10の特徴の不揮発性半導体記憶装置に依れば、非線形素子のオン電圧が5V程度以下の低電圧となるので、メモリセルアレイを低電圧で駆動でき、さらに低消費電力とできる。
更に、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、上記第1乃至第10の何れかの特徴に加えて、前記絶縁体のバンドギャップが5eV以上であることを第11の特徴とする。
上記第11の特徴の不揮発性半導体記憶装置に依れば、非線形素子の耐圧を高くすることができ、信頼性の高い動作が可能となる。
従って、本発明に依れば、十分な電流駆動能力と遮断特性を有する非線形素子を有するメモリセルからなる、低消費電力で高集積の不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
本発明に係る不揮発性半導体装置(本発明装置)の概略の構成ブロック図。 本発明装置のメモリセルアレイの回路構成と1/2バイアス法におけるメモリ動作時の印加電圧を示す図。 MIM素子の電圧印加時の電子状態を模式的に示す図。 本発明装置のメモリセルアレイの構成例。 本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例。 本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例。 本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例。 本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例。 本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例。 非線形素子の電流密度の計算結果を示す図。 必要な電流密度を得るための非線形素子に印加される電界Eと障壁高さφの関係を示す図。 必要なカットオフ比を得るための非線形素子に印加される電界Eと障壁高さφの関係を示す図。 本発明装置で用いる非線形素子が満足すべき非線形素子に印加される電界Eと障壁高さφの関係を示す図。 従来の1R型のメモリセルアレイの回路構成とメモリ動作時の印加電圧を示す図。 従来の1R型のメモリセルアレイの回路構成とメモリ動作時の印加電圧を示す図。 第2実施形態において、本発明装置で用いる非線形素子が満足すべきVSL/dと障壁高さφの関係式を二次曲線でフィッティングした際の係数のx依存性を示す図。 第2実施形態において、本発明装置で用いる非線形素子が満足すべきVSL/dと障壁高さφの関係式をx=0.1の場合に例示する図。 本発明装置のメモリセルアレイの回路構成と1/3バイアス法におけるメモリ動作時の印加電圧を示す図。 第3実施形態において、本発明装置で用いる非線形素子が満足すべきVSL/dと障壁高さφの関係式を二次曲線でフィッティングした際の係数のx依存性を示す図。 第3実施形態において、本発明装置で用いる非線形素子が満足すべきVSL/dと障壁高さφの関係をx=0.1の場合に例示する図。
以下において、本発明の一実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置(以下、適宜「本発明装置100」と称す)につき、図面を参照して説明する。尚、以降に示す図面では、適宜、要部が強調して示されており、図面上の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致するものではない。
本発明装置100の概略の構成ブロック図を図1に示す。図1に示すように、本発明装置100は、可変抵抗素子及び非線形素子を備えたメモリセルを行方向及び列方向に夫々複数マトリクス状に配列してなるメモリセルアレイ101の周辺に、ビット線デコーダ102、ワード線デコーダ103、読み出し回路104、電圧スイッチ回路105、電圧発生回路106、及び、制御回路107を備えて構成される。
メモリセルアレイ101は、図2の回路図に示されるように、列方向に延伸し、メモリセルを行方向に選択するm本のビット線(列選択線)B1〜Bmと、行方向に延伸し、メモリセルを列方向に選択するn本のワード線(行選択線)W1〜Wnの各交点上に配置されたm×n個のメモリセルからなるクロスポイント構造のメモリセルアレイである。より具体的には、メモリセルアレイ101は、例えば、同一列のメモリセルの可変抵抗素子の第1電極同士を接続して列方向に延伸させ各ビット線B1〜Bmとし、同一行のメモリセルの非線形素子の第2導電体同士を接続して行方向に延伸させ各ワード線W1〜Wnとする。また、メモリセルアレイ101は、複数のサブアレイの集合で構成し、アドレスの一部をサブアレイの選択に用いる構成としてもよい。当該m本のビット線及び当該n本のワード線の交点上には、可変抵抗素子R(R11〜Rmn)と非線形素子S(S11〜Smn)を直列に接続したメモリセルC(C11〜Cmn)が、m×nのマトリクス状に配置されることで、メモリセルアレイ101が構成されている。
可変抵抗素子R(R11〜Rmn)は、第1電極と第2電極の間に可変抵抗体を挟持してなる二端子型の素子であり、当該第1電極と第2電極を両端子として両端子間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の抵抗状態が不揮発的に保持されることで、当該二以上の抵抗状態を情報の記憶に用いることができる。
また、非線形素子S(S11〜Smn)は、第1導電体と第2導電体の間に絶縁体を挟持してなる二端子型のMIM素子であり、可変抵抗素子Rの第2電極と非線形素子Sの第1導電体を接続することにより、可変抵抗素子Rと非線形素子Sとを直列に接続することでメモリセルが構成される。
非線形素子に電圧VSLが印加された場合の非線形素子の電子状態を模式的に図3に示す。電圧VSLが印加されることにより、第1導電体から、絶縁体中の三角ポテンシャル型のトンネル障壁を超えて、第2導電体へ電子がトンネルし、電流が流れる。ここで、非線形素子は、障壁高さ(導電体のフェルミ準位Eと絶縁体の伝導帯の底とのエネルギー差)φ、印加電圧VSL、絶縁体の膜厚dとの関係が、下記の数1及び数2を満足するように構成されている。
[数1]
φ≧0.5VSL/d+0.1
[数2]
φ≦VSL/d+0.1
これにより、理由については後述するが、0.1MA/cm〜10MA/cmの書き替え電流を流すことが可能であり、かつ、アレイサイズが32×32程度以上の、つまり、メモリ容量が1Kbit以上のメモリセルアレイにおいて、半選択メモリセルに流れるリーク電流が選択メモリセルに流れる電流と同程度以下に抑えられ、低消費電力で、かつ高集積の本発明装置100が実現される。
ビット線デコーダ102とワード線デコーダ103は、メモリセルアレイ101内のメモリセルを行単位、列単位、または、メモリセル単位で選択するメモリセル選択回路として機能し、アドレス線109から制御回路107に入力されたアドレス信号に対応するメモリセルを、読み出し対象或いは書き換え対象のメモリセルとして選択する。即ち、ワード線デコーダ103は、アドレス線109に入力されたアドレス信号に対応するメモリセルアレイ101のワード線を選択し、ビット線デコーダ102は、アドレス線109に入力されたアドレス信号に対応するメモリセルアレイ101のビット線を選択する。
読み出し回路104は、選択メモリセルに接続するワード線と各ビット線間に流れる読み出し電流のうち、ビット線デコーダ102で選択された選択ビット線を流れる読み出し電流を電圧変換して、読み出し対象のメモリセルの記憶データの状態を判定し、その結果を制御回路107に転送し、データ線110へ出力する。
電圧スイッチ回路105は、電圧発生回路106によって生成される、メモリセルアレイ101の読み出し、書き込み、消去の各メモリ動作時にワード線及びビット線に印加するための電圧の夫々を、各メモリ動作に応じて切り替え、メモリセルアレイ101に供給する電圧供給回路として機能する。
制御回路107は、メモリセルアレイ101の書き換え動作(書き込み動作と消去動作)と読み出し動作における各制御を行う。また、制御回路107は、アドレス線109から入力されたアドレス信号、データ線110から入力されたデータ入力(書き込み時)、制御信号線108から入力された制御入力信号に基づいて、ワード線デコーダ103、ビット線デコーダ102、電圧スイッチ回路105、メモリセルアレイ101の読み出し、書き込み、及び、消去動作を制御する。図1に示す例では、制御回路107は、図示しないが一般的なアドレスバッファ回路、データ入出力バッファ回路、制御入力バッファ回路としての機能を具備している。
尚、ビット線デコーダ102、ワード線デコーダ103、読み出し回路104、電圧スイッチ回路105、電圧発生回路106、及び、制御回路107の各回路の具体的な構成については、種々の公知の構成が利用可能であり、本発明の本旨ではないので説明を省略する。
本発明装置のメモリセルアレイの構成例を図4に示す。図4に示されるメモリセルアレイ101aは、ワード線20とビット線21の各交点上に、第1電極10、可変抵抗体11、第2電極12からなる可変抵抗素子と、第1導電体13、絶縁体14、第2導電体15からなる非線形素子が順に積層された構成となっている。可変抵抗素子には、抵抗変化型メモリ(RRAM)のほか、スピン注入MRAM、相変化型メモリ(PCRAM)、固体電解質メモリ等の二端子型不揮発メモリを用いることができる。
本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例を図5に示す。図5に示されるメモリセルアレイ101bは、図4の構成において非線形素子の第1導電体13と可変抵抗素子の第2電極12を共通とし、構造を簡略化した構成である。
本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例を図6に示す。図6に示されるメモリセルアレイ101cは、図5の構成を更に簡略化したものであり、非線形素子の第2導電体15とワード線20を共通とした構成である。
本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例を図7に示す。図7に示されるメモリセルアレイ101dは、図6の構成を更に簡略化したものであり、可変抵抗素子の第1電極10とビット線21を共通とした構成である。
上記図4〜図7に示されるメモリセルアレイにおいては、絶縁体14の伝導体の底のエネルギーと第2導電体15(ワード線20)のフェルミ準位とのエネルギー差から算出される障壁高さφ、或いは、絶縁体14の伝導帯の底のエネルギーと第1導電体13(可変抵抗体の第2電極12)のフェルミ準位とのエネルギー差から算出される障壁高さφの少なくとも何れか一方が、上述の数1及び数2を満足するように絶縁体材料、可変抵抗体材料、第1導電体材料(第2電極の材料)、及び、第2導電体材料(ワード線の材料)が選択されることで、十分な電流駆動能力と遮断特性を有する非線形素子を有するメモリセルからなる、低消費電力で高集積のメモリセルアレイが構成されている。
本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例を図8に示す。図8に示されるメモリセルアレイ101eは、図7の構成を更に簡略化したものであり、可変抵抗素子の第2電極12を省略し、可変抵抗素子の可変抵抗体11と非線形素子の第1導電体13を共通とした構成である。別の見方をすると、本構成例は、可変抵抗体と第2電極(ワード線20)の間に絶縁体14を挿入した素子を、夫々、ワード線20とビット線21の交点上に配置した構成であり、当該素子は書き換え電圧の印加により抵抗状態が不揮発的に変化し、可変抵抗素子としてのメモリ動作を行うことができると同時に、非線形素子としての機能も発揮するように構成されている。絶縁体14の伝導帯の底のエネルギーとワード線20のフェルミ準位とのエネルギー差から算出される障壁高さφ、或いは、絶縁体14の伝導帯の底と可変抵抗体11の伝導帯の底とのエネルギー差から算出される障壁高さφの少なくとも何れか一方が、上述の数1及び数2を満足するように絶縁体材料、可変抵抗体材料、及びワード線の材料が選択されることで、当該素子は十分な電流駆動能力と遮断特性を有し、低消費電力で高集積のメモリセルアレイが構成されている。
更に、本発明装置のメモリセルアレイの他の構成例を図9に示す。図9に示されるメモリセルアレイ101fは、非線形素子の第2導電体を兼ねる面状のワード線30に直交するように、円柱状の絶縁体31を積層させ、更にその内側に、非線形素子の第1導電体を兼ねる可変抵抗体32が、更にその内側に可変抵抗素子の第1電極を兼ねるビット線33を配置した構造であり、3次元的に高集積化が可能である。メモリセルアレイ101fは、垂直方向に絶縁膜と面上のワード線30を交互に積層し、フォトリソグラフィとエッチングによって、面上のワード線に対して垂直に穴を形成し、穴の内壁に、CVD法等により、絶縁体31、可変抵抗体32、ビット線33を順に成膜することによって形成できる。
上記図9に示されるメモリセルアレイも、図8に示されるメモリセルアレイと同様、メモリセルは書き換え電圧の印加により抵抗状態が不揮発的に変化し、可変抵抗素子としてのメモリ動作を行うことができると同時に、非線形素子としての機能も発揮するように構成されている。絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと面上のワード線のフェルミ準位とのエネルギー差から算出される障壁高さφ、或いは、絶縁体の伝導帯の底と可変抵抗体の伝導帯の底とのエネルギー差から算出される障壁高さφの少なくとも何れか一方が、上述の数1及び数2を満足するように絶縁体材料、可変抵抗体材料、及びワード線の材料を選択することにより、十分な電流駆動能力と遮断特性を有するメモリセルが構成され、低消費電力で高集積のメモリセルアレイが構成されている。
次に、本発明装置100のメモリセルアレイ内の非線形素子に必要な電流駆動能力について説明する。
MIM素子において、導電体間に電圧VSLを印加し、導電体間に挟まれた絶縁体の膜厚をd、当該絶縁体によるトンネル障壁を三角ポテンシャル(図3の電子状態の図を参照)として、電流密度を計算した例を図10に示す。大きな電流密度は、絶縁体の膜厚dを薄くするか、障壁高さφを小さくすることで得られる。
必要な電流密度Jを得るための印加電界Eと障壁高さφの関係を計算したものを図11に示す。高印加電界、低障壁高さほど高電流密度を実現できることが分かる。
次に、上記メモリセルアレイを省電流駆動するための条件について説明する。
書き換え時において、当該メモリセルアレイを1/2バイアス法で駆動する場合、半選択メモリセルの非線形素子には選択メモリセルの非線形素子に印加される電圧のおよそ半分程度の電圧が印加される。即ち、選択メモリセルに電圧VSLを印加すると、(m+n−2)個の半選択メモリセルには1/2VSLが印加され、リーク電流が生じる。ここで、書き込み時に選択メモリセルの非線形素子に流れる電流をISL、個々の半選択メモリセルの非線形素子に流れる電流をIHSとする。各半選択メモリセルに流れるリーク電流量は、メモリセルの可変抵抗素子の抵抗状態に依存するが、可変抵抗素子の抵抗状態が低抵抗状態の半選択メモリセルに流れる電流をIHS (L)とすると、全リーク電流は、最悪の場合(m+n−2)IHS (L)となる。
当該全リーク電流は可能な限り小さくすることが望ましく、少なくとも選択素子に流れる電流ISL程度以下とすべきである。即ち、以下の数3に示す関係式が満足される必要がある。
[数3]
(m+n−2)IHS (L)<ISL
リーク電流が多いと、無駄に電流を消費するだけでなく、リーク電流のため駆動回路の電流駆動能力を高める必要が生じ、駆動回路が大きくなってしまう。例えば、図2では、非線形素子S22と可変抵抗素子R22からなるメモリセルC22を書き換え対象のメモリセルとして選択した場合を例として示しているが、ワード線W2から各ビット線に供給される全電流は、最大でISL+IHS (L)(m−1)となり、この電流を十分供給できるだけの能力がワード線側の駆動回路に必要となる。ビット線B2から各ワード線に供給される電流についても同様である。全リーク電流を小さくするには、IHSを小さくするか、mおよびnを小さくすればよいが、m、nを小さくすると、所望の記憶容量を実現するためにメモリセルアレイを多数の小さなサブアレイで構成することとなり、周辺回路部の面積が大きくなり、ビットコストの増大を招いてしまう。したがって、IHSを十分小さくする必要がある。
上記数3から、ISL/IHSを大きくすることが省電力駆動に必須であることが分かる。書き込み動作時においてメモリセルアレイを1/2バイアス法で駆動する場合、半選択メモリセルの非線形素子には選択メモリセルの非線形素子に印加される電圧のおよそ半分程度の電圧が印加される。即ち、可変抵抗素子の抵抗状態に依らず、書き込み動作時に選択メモリセルに印加される電圧VSL、及び、半選択メモリセルに印加される電圧VSL/2の殆どが非線形素子に印加されるとすると、非線形素子に流れる電流の電流密度Jは電界Eの関数で表されるので、数3より、下記の数4が導かれる。ここで、J(E)/J(0.5E)をカットオフ比と呼ぶことにする。
[数4]
J(E)/J(0.5E)>m+n−2
MIM素子において、導電体間に挟まれた絶縁体の膜厚をd、絶縁体によるトンネル障壁を三角ポテンシャル(図3の電子状態の図を参照)として、トンネル電流密度を計算し、必要なカットオフ比を得るための印加電界E(=VSL/d)と障壁高さφとの関係を計算したものを図12に示す。低印加電界、高障壁高さほど高カットオフ比を実現できる。
従って、高電流密度の非線形素子を実現するには非線形素子に印加される電界を高く、障壁高さを低くする必要があり、高カットオフ比の非線形素子を実現するには非線形素子に印加される電界を低く、障壁高さを高くする必要がある。即ち、高電流密度と高カットオフ比はトレードオフの関係にある。
実用的な可変抵抗素子への書き込み電流として10μA以上が必要であり、更に、低消費電力の点から100μA以下がより望ましい。非線形素子の面積を30nm角〜100nm角とすると、およそ0.1MA/cm以上の電流密度が必要であり、およそ10MA/cm以下の電流密度がより望ましい。一方、サブアレイサイズが1Kbitのメモリセルアレイを実現するには、メモリセルを32×32のマトリクス状に配置する必要があり、上記数4により、100程度のカットオフ比を持つ非線形素子が必要となる。
しかしながら、図13の斜線部分で示される、図11の電流密度0.1MA/cmで示される曲線を上限とし、図12のカットオフ比100で示される曲線を下限とする領域では、上記0.1MA/cm以上の電流密度で、かつ、上記100以上のカットオフ比を持つ非線形素子を実現可能となる。この領域は、およそ、2つの直線φ=0.05E+0.1、φ=0.1E+0.1で挟まれた領域となる。障壁高さφの単位はeV、印加電界Eの単位はMV/cmである。書き込み時に選択メモリセルに印加される電圧をVSL[V]すると、大部分は非線形素子に印加される。絶縁体の厚さをd[nm]とすると、単位換算後の印加電界E(=VSL/d)は10VSL/d[MV/cm]となるので、上記の領域は、直線φ=0.5VSL/d+0.1と直線φ=VSL/d+0.1に挟まれた領域となる。これは、上記数1及び数2の両関係式を満足する領域である。
従って、障壁高さφと印加電界Eとの関係が上記領域内に収まるように、書き換え電圧VSL、非線形素子に用いる絶縁体の膜厚d、障壁高さφを選択することにより、十分な電流駆動能力と遮断特性を有する非線形素子を有するメモリセルからなる、低消費電力で高集積のメモリセルアレイを設計することが可能になる。
1つの設計例を以下に示す。例えば、VSLを4[V]、dを5[nm]と設定すると、図13から、障壁高さφは、0.5〜0.9eVの範囲内で、可変抵抗素子の抵抗状態を変化させるのに必要な電流密度に応じて設定することができる。例えば、1MA/cmの電流密度であれば、0.7eV程度のφとすればよい。非線形素子の絶縁体の膜厚dについては、非線形素子のオン電圧を使用しやすい低電圧とするために5nm程度以下とするのがより好ましい。
次に、非線形素子に用いる導電体材料及び絶縁体材料を選択する。具体的な絶縁体材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ランタン、酸化イットリウムなどを用いることができる。絶縁体のバンドギャップ(伝導帯の底のエネルギーと価電子帯の頂上のエネルギーとのエネルギー差)と耐電界にはおよそ相関があり、バンドギャップが大きいほうが耐電界が大きくなる。図13で示されるような数MV/cm程度の高電界で使用するには、5eV程度以上のバンドギャップをもつ材料から選択することがより好ましい。
また、信頼性確保のため、非線形素子に印加される電界が10MV/cm以下になるように設計することが好ましく、VSL/dを1以下とすることが好ましい。
一方、導電体材料としては、当該導電体のフェルミ準位と絶縁体の伝導帯の底とのエネルギー差が、上述の設定された障壁高さφの範囲内となるような導電体材料を選択する。
上記の絶縁体材料においては、伝導帯の底のエネルギーは、真空準位から−1〜−4eVの範囲で様々であるが、多くは2.5eV程度以下である。図13から、障壁高さφを0.5eV〜0.9eV程度の範囲内で選択すると、導電体材料の仕事関数は3.4eV程度以下と比較的小さいものが必要となる。金属単体の仕事関数は、例えば、H.B. Michaelson, "The work function of the elements and its periodicity", Journal of Applied Physics, Vol. 48, pp. 4729, 1977年などにまとめられているので、そこから適切な金属を選べばよい。単体金属以外の材料で仕事関数が小さいものは、トリウムタングステン(2.6eV)、バリウムタングステン(1.6eV)、或いは、酸化バリウム(1eV)、酸化ストロンチウム(1.3eV)などのアルカリ土類の酸化物、ホウ化ランタン(2.5eV)、ホウ化セリウム(2.5eV)などの希土類元素のホウ化物、酸化トリウム(2.7eV)等が挙げられる。尚、括弧内に仕事関数値を示した。
尚、上記絶縁体材料の中でも、酸化タンタルのように、伝導帯の底のエネルギーと真空準位との差が大きい(4eV程度)ものについては、導電体材料として、一般に使用しやすい、仕事関数が4〜5eVの金属や化合物を用いることができる。
絶縁体を挟む第1導電体と第2導電体のうち、少なくとも一方について上記の条件が満たされれば、条件を満たす一方の導電体から他方の導電体へ電子がトンネルし、上述の必要な電流密度及びカットオフ比を満足する電流が流れる。また、書き換え、読み出し時に双方向の電流を流す場合、夫々の電流の向きによって必要な電流密度が異なる場合は、第1導電体と第2導電体に使用する材料を異ならせ、電圧非印加時の第1導電体と第2導電体のフェルミ準位を異なるものとしてもよい。導電体に半導体を用いる場合には、半導体の伝導帯の底のエネルギーを便宜上フェルミ準位と読み替え、上記指針に従って非線形素子を構成すればよい。ここでは、絶縁体材料として酸化タンタル(真空準位からの伝導体の底のエネルギー−4eV)を、第1導電体と第2導電体の材料として夫々タングステン(仕事関数4.5eV)、コバルト(仕事関数5eV)を選択すると、タングステンに正バイアスをかけた場合のオン電流をコバルト電極に正バイアスをかけた場合のそれよりも小さくできる。
上述のように、書き換え電圧VSL、及び非線形素子の絶縁体の膜厚dを設定し、必要な障壁高さφの範囲を求め、当該求められた障壁高さφの範囲を満足するような絶縁体材料及び導電体材料を選択することにより、十分な電流駆動能力と遮断特性を有する非線形素子を有するメモリセルからなる、低消費電力で高集積のメモリセルアレイを設計することができる。
〈第2実施形態〉
上述の第1実施形態では、1/2バイアス法で書き換え電圧を印加する際、選択メモリセルに印加される電圧VSLの大部分が非線形素子に印加されるとして、数1及び数2により規定される、望ましい非線形素子の障壁高さφと印加電界Eとの関係(図13の斜線部分の領域)を導いたが、より好ましくは、VSLの一部が可変抵抗素子にも印加されるとして、非線形素子の障壁高さφと印加電界Eとの関係をより精確に求めることが望ましい。
ここで、書き換え電圧VSLのうち可変抵抗素子に印加される電圧をVとし、x=V/VSLとする。選択メモリセルの非線形素子にはVSL−V=(1−x)VSLが印加され、これにより非線形素子に印加される電界は、y=VSL/dとおくと、(1−x)yとなる。
このため、非線形素子の障壁高さφと印加電界Eとの関係は、電流密度との関係では、図11においてEを(1−x)yに置き換えたものに等しくなる。即ち、電流密度が0.1MA/cmである場合の非線形素子の障壁高さφと印加電界Eを表す式をφ(E)とすると、φ(E)は、第1実施形態(x=0)ではVSL/d(=E)の関数であったところ、より精確にはφ((1−x)y)となる。
従って、x=0におけるφ(E)を二次関数として、φ(E)=a+bE+cで近似すると、書き換え電圧の一部が可変抵抗素子にも印加される場合のφ(y,x)は、下記の数5で表される。
[数5]
φ(y,x)=a(x)y+b(x)y+c(x),
(x)=a(1−x)
(x)=b(1−x),
(x)=c
図11の電流密度が0.1MA/cmである場合の非線形素子の障壁高さφと印加電界Eを表す式を二次曲線でフィッティングし、最小自乗法によりパラメータ(a,b,c)を求めると、a=−3.09×10−3,b=1.32×10−1,c=4.10×10−2を得た。ここで、障壁高さφの単位は[eV]、印加電界Eの単位は[MV/cm]である。電圧VSLの単位を[V]、絶縁体の厚さdの単位を[nm]として、y(=VSL/d)[V/nm]を単位換算すると,y=10VSL/d[MV/cm]となる。
次に、書き換え電圧の一部が可変抵抗素子にも印加される場合の、カットオフ比が100以上を満足する非線形素子の障壁高さφとVSL/dとの関係について説明する。選択メモリセルの非線形素子にはVSL−Vが印加され、半選択メモリセルにはVSL/2の大部分が印加されるため、y=VSL/dとおくと、カットオフ比は、J((1−x)y)/J(y/2)となる。
複数の異なるxに対して、カットオフ比を計算し、カットオフ比が100となる非線形素子の障壁高さφ[eV]とy[MV/cm]を表す式をφ(y、x)として、φをyについて二次曲線(φ=a(x)y+b(x)y+c)として最小自乗法でフィッティングした場合の各フィッティングパラメータ(a,b,c)がxに対してどのように変化するかを計算したものを図16に示す。6つの異なるxに対して求めたフィッティングパラメータが図中のマーカー(四角)に対応し、それらを三次関数でフィッティングした結果を実線で示す。何れも、三次関数で精度良くフィッティングすることができた。当該三次関数としてフッティングされたパラメータ(a,b,c)の夫々の関数形を数6に示す。尚、x>0.23の範囲では、カットオフ比が100以上で、かつ電流密度が0.1MA/cm以上を満足する障壁高さφとyの解は存在しないため、フィッティングの精度を上げるため0≦x≦0.23の範囲でフィッティングを行なっている。
[数6]
φ(y,x)=a(x)y+b(x)y+c(x),
(x)=−8.83×10−3+1.70×10−5+5.94×10−4x−2.31×10−3
(x)=4.94×10−1+3.53×10−2+5.87×10−2x+7.54×10−2
(x)=7.62×10−1+5.03×10−2+9.24×10−2x+4.97×10−2
数5及び数6より、xが決まれば、各パラメータ(a,b,c,a,b,c)が定まり、電流密度が0.1MA/cm以上で、かつカットオフ比が100以上となるために障壁高さφ[eV]とy[MV/cm]が満足すべき関係が求まる。例えば、x=0.1の場合に、0.1MA/cm以上の電流密度で、かつ、当該カットオフ比が100以上となるために、非線形素子の障壁高さφとyが満足すべき関係を図17の斜線部に示す。図17の斜線部の領域は、電流密度が0.1MA/cmを満足する曲線φを上限とし、カットオフ比が100を満足する曲線φを下限とする領域である。曲線φを細い実線で示し、それを二次曲線(φ=a+by+c)としてフィッティングした結果を太い点線で示す。また、曲線φを細い実線で示し、それを二次曲線(φ=a+by+c)としてフィッティングした結果を太い点線で示す。両曲線φ、φ共に、二次曲線で十分に再現することができていることが分かる。
従って、書き換え電圧VSLのうち可変抵抗素子に分圧される割合xから、満足すべき障壁高さφとVSL/dとの関係を求めることができ、当該障壁高さφとVSL/dとの関係を満足するように、書き換え電圧VSL、非線形素子に用いる絶縁体の膜厚d、障壁高さφを選択することにより、第1実施形態と同様、十分な電流駆動能力と遮断特性を有する非線形素子を有するメモリセルからなる、低消費電力で高集積のメモリセルアレイを設計することが可能になる。
〈第3実施形態〉
上述の第1及び第2実施形態では、1/2バイアス法で書き換え電圧を印加する場合について説明したが、これは1/3バイアス法で書き換え電圧を印加する場合についても同様である。
1/3バイアス法におけるメモリセルの電圧印加条件を図18に示す。1/3バイアス法では、図18に示されるように、行方向に選択されたメモリセルには、選択ビット線(ここでは、B2)を介して所定の基準電位(0V)を、行方向に非選択のメモリセルには、非選択ビット線を介してVSL×2/3を、夫々印加する。一方、列方向に選択されたメモリセルには、選択ワード線(ここでは、W2)を介してVSLを、列方向に非選択のメモリセルには、非選択ワード線を介してVSL/3を、夫々印加する。この結果、選択メモリセル(例えば、R22)の行或いは列の何れか一方のみが同一の半選択メモリセルには、絶対値が選択メモリセルへ印加される書き換え電圧VSLの1/3の電圧が印加される。従って、選択メモリセルに電圧VSLを印加すると、(m+n−2)個の半選択メモリセルには1/3VSLが印加され、リーク電流が生じる。アレイ規模が大きくなると、この半選択電圧によるディスターブ、半選択メモリセルに流れる電流(リーク電流)による消費電流増大といった問題が生じる可能性がある。
リーク電流は可能な限り小さくすることが望ましいため、書き込み時に選択メモリセルの非線形素子に流れる電流ISL、個々の半選択メモリセルの非線形素子に流れる電流IHSは、やはり上記数3に示される関係式を満足すべきであり、ISL/IHSを大きくすることが省電力駆動に必須である。選択メモリセルの非線形素子にはVSL−V=(1−x)VSLが印加され、半選択メモリセルにはVSL/3の大部分が印加されるため、y=VSL/dとおくと、数3より、上記数4に代えて、下記の数7が導かれる。
[数7]
J((1−x)y)/J(y/3)>m+n−2
ここで、数7の左辺J((1−x)y)/J(y/3)が1/3バイアス法におけるカットオフ比に相当する。第1実施形態と同様、サブアレイサイズが1Kbitのメモリセルアレイを実現するには、メモリセルを32×32のマトリクス状に配置する必要があり、上記数7により、少なくとも100程度のカットオフ比を持つ非線形素子が必要となる。
複数の異なるxに対して、1/3バイアス法におけるカットオフ比を計算し、カットオフ比が100となる非線形素子の障壁高さφ[eV]とy[MV/cm]を表す式をφ(y、x)として、φをyについて二次曲線(φ=a(x)y+b(x)y+c)として最小自乗法でフィッティングした場合の各フィッティングパラメータ(a,b,c)がxに対してどのように変化するかを計算したものを図19に示す。夫々の異なるxに対して求めたフィッティングパラメータが図中のマーカー(四角)に対応し、それらを三次関数でフィッティングした結果を実線で示す。何れも、三次関数で精度良くフィッティングすることができた。当該三次関数としてフッティングされたパラメータ(a,b,c)の夫々の関数形を数8に示す。尚、x>0.48の範囲では、カットオフ比が100以上で、かつ電流密度が0.1MA/cm以上を満足する障壁高さφとyの解は存在しないため、フィッティングの精度を上げるため0≦x≦0.48の範囲でフィッティングを行なっている。
[数8]
φ(y,x)=a(x)y+b(x)y+c(x),
(x)=−1.84×10−3+6.81×10−4+4.99×10−4x−1.20×10−3
(x)=2.26×10−1−7.02×10−2+3.20×10−2x+3.89×10−2
(x)=5.23×10−1−1.48×10−1+6.40×10−2x+2.54×10−2
一方、電流密度が0.1MA/cmとなる非線形素子の障壁高さφとVSL/d(=y)との関係式φ(y,x)は、書き換えの際の電圧印加条件が1/2バイアス法か1/3バイアス法かには依らず、上記数5で表される。
数5及び数8より、xが決まれば、各パラメータ(a,b,c,a,b,c)が定まり、1/3バイアス法において、電流密度が0.1MA/cm以上で、かつカットオフ比が100以上となるために障壁高さφ[eV]とy[MV/cm]が満足すべき関係が求まる。例えば、x=0.1の場合に、0.1MA/cm以上の電流密度で、かつ、当該カットオフ比が100以上となるために、非線形素子の障壁高さφとyが満足すべき関係を図20の斜線部に示す。図20の斜線部の領域は、電流密度が0.1MA/cmを満足する曲線φを上限とし、カットオフ比が100を満足する曲線φを下限とする領域である。曲線φを細い実線で示し、それを二次曲線(φ=a+by+c)としてフィッティングした結果を太い点線で示す。また、曲線φを細い実線で示し、それを二次曲線(φ=a+by+c)としてフィッティングした結果を太い点線で示す。両曲線φ、φ共に、二次曲線で十分に再現することができていることが分かる。
従って、1/3バイアス法による書き換えにおいても、書き換え電圧VSLのうち可変抵抗素子に分圧される割合xから、満足すべき障壁高さφとVSL/dとの関係を求めることができ、当該障壁高さφとVSL/dとの関係を満足するように、書き換え電圧VSL、非線形素子に用いる絶縁体の膜厚d、障壁高さφを選択することにより、第1実施形態と同様、十分な電流駆動能力と遮断特性を有する非線形素子を有するメモリセルからなる、低消費電力で高集積のメモリセルアレイを設計することが可能になる。
上述の実施形態は本発明の好適な実施形態の一例である。本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形実施が可能である。
本発明は、不揮発性半導体記憶装置に利用可能であり、特に電圧印加によって抵抗状態が遷移し、当該遷移後の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子を備えてなる不揮発性半導体記憶装置に利用可能である。
10: 第1電極
11,32: 可変抵抗体
12: 第2電極
13: 第1導電体
14,31: 絶縁体
15: 第2導電体
20,30: ワード線
21,33: ビット線
100: 本発明に係る不揮発性半導体記憶装置(本発明装置)
101,101a〜101f: メモリセルアレイ
102: ビット線デコーダ
103: ワード線デコーダ
104: 読み出し回路
105: 電圧スイッチ回路
106: 電圧発生回路
107: 制御回路
108: 制御信号線
109: アドレス線
110: データ線
,b,c,a,b,c,a,b,c:フィッティングパラメータ
B1〜Bm: ビット線
11〜Cmn: メモリセル
d: 絶縁体の膜厚
: フェルミ準位
11〜Rmn: 可変抵抗素子
11〜Smn: 非線形素子
SL: 選択メモリセルに印加される電圧
W1〜Wn: ワード線
x: 選択メモリセルに印加される電圧VSLのうち、可変抵抗素子に分圧される割合
y: VSL/d
φ: 障壁高さ

Claims (11)

  1. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極と直接接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子と、
    第1導電体と第2導電体の間に絶縁体を挟持してなる非線形素子と、を備え、
    前記可変抵抗素子と前記非線形素子が前記第2電極と前記第1導電体を接続することにより直列に接続されたメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、
    行方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか一方に、所定の基準電位を、
    行方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか一方に、前記基準電位を基準としてVSL/2[V]を、
    列方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL[V]を、
    列方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL/2[V]を、夫々印加し、
    前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2導電体間に印加される書き換え電圧の絶対値VSLのうち、前記可変抵抗素子に印加される電圧の割合をxとし、
    前記絶縁体の膜厚をd[nm]とし、
    y=10×VSL/dとすると、
    前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと、前記第1導電体と前記第2導電体の少なくとも何れか一方のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]が、a+by+c以下で、かつ、a+by+c以上であり、
    =−3.09×10−3(1−x)
    =1.32×10−1(1−x)、
    =4.10×10−2
    =−8.83×10−3+1.70×10−5+5.94×10−4x−2.31×10−3
    =4.94×10−1+3.53×10−2+5.87×10−2x+7.54×10−2
    =7.62×10−1+5.03×10−2+9.24×10−2x+4.97×10−2
    であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と直接及び前記第2電極と絶縁体を介して間接に接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子を有するメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、
    行方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか一方に、所定の基準電位を、
    行方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか一方に、前記基準電位を基準としてVSL/2[V]を、
    列方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL[V]を、
    列方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL/2[V]を、夫々印加し、
    前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2電極間に印加される書き換え電圧の絶対値VSLのうち、前記可変抵抗体に印加される電圧の割合をxとし、
    前記絶縁体の膜厚をd[nm]とし、
    y=10×VSL/dとすると、
    前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと前記第2電極のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]、或いは、前記絶縁体の伝導帯の底と前記可変抵抗体の伝導帯の底とのエネルギー差[eV]の少なくとも何れか一方が、a+by+c以下で、かつ、a+by+c以上であり、
    =−3.09×10−3(1−x)
    =1.32×10−1(1−x)、
    =4.10×10−2
    =−8.83×10−3+1.70×10−5+5.94×10−4x−2.31×10−3
    =4.94×10−1+3.53×10−2+5.87×10−2x+7.54×10−2
    =7.62×10−1+5.03×10−2+9.24×10−2x+4.97×10−2
    であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  3. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極と直接接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子と、
    第1導電体と第2導電体の間に絶縁体を挟持してなる非線形素子と、を備え、
    前記可変抵抗素子と前記非線形素子が前記第2電極と前記第1導電体を接続することにより直列に接続されたメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、
    行方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか一方に、所定の基準電位を、
    行方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか一方に、前記基準電位を基準としてVSL×2/3[V]を、
    列方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL[V]を、
    列方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2導電体の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL/3[V]を、夫々印加し、
    前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2導電体間に印加される書き換え電圧の絶対値VSLのうち、前記可変抵抗素子に印加される電圧の割合をxとし、
    前記絶縁体の膜厚をd[nm]とし、
    y=10×VSL/dとすると、
    前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと、前記第1導電体と前記第2導電体の少なくとも何れか一方のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]が、a+by+c以下で、かつ、a+by+c以上であり、
    =−3.09×10−3(1−x)
    =1.32×10−1(1−x)、
    =4.10×10−2
    =−1.84×10−3+6.81×10−4+4.99×10−4x−1.20×10−3
    =2.26×10−1−7.02×10−2+3.20×10−2x+3.89×10−2
    =5.23×10−1−1.48×10−1+6.40×10−2x+2.54×10−2
    であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  4. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と直接及び前記第2電極と絶縁体を介して間接に接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子を有するメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、
    行方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか一方に、所定の基準電位を、
    行方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか一方に、前記基準電位を基準としてVSL×2/3[V]を、
    列方向に選択された前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL[V]を、
    列方向に非選択の前記メモリセルの前記第1電極または前記第2電極の何れか他方に、前記基準電位を基準としてVSL/3[V]を、夫々印加し、
    前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2電極間に印加される書き換え電圧の絶対値VSLのうち、前記可変抵抗体に印加される電圧の割合をxとし、
    前記絶縁体の膜厚をd[nm]とし、
    y=10×VSL/dとすると、
    前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと前記第2電極のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]、或いは、前記絶縁体の伝導帯の底と前記可変抵抗体の伝導帯の底とのエネルギー差[eV]の少なくとも何れか一方が、a+by+c以下で、かつ、a+by+c以上であり、
    =−3.09×10−3(1−x)
    =1.32×10−1(1−x)、
    =4.10×10−2
    =−1.84×10−3+6.81×10−4+4.99×10−4x−1.20×10−3
    =2.26×10−1−7.02×10−2+3.20×10−2x+3.89×10−2
    =5.23×10−1−1.48×10−1+6.40×10−2x+2.54×10−2
    であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  5. (1−x)VSL/dが1以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極と直接接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子と、
    第1導電体と第2導電体の間に絶縁体を挟持してなる非線形素子と、が前記第2電極と前記第1導電体を接続することにより直列に接続されたメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、
    前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2導電体間に印加される書き換え電圧の絶対値をVSL[V]、
    前記絶縁体の膜厚をd[nm]とすると、
    前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと、前記第1導電体と前記第2導電体の少なくとも何れか一方のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]が、(0.5VSL/d+0.1)以上で、かつ、(VSL/d+0.1)以下であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  7. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と直接及び前記第2電極と絶縁体を介して間接に接続する可変抵抗体を備え、前記第1電極と前記第2電極間に電圧を印加することにより抵抗状態が二以上の異なる状態間で遷移し、当該遷移後の一の抵抗状態が不揮発的に保持される可変抵抗素子を有するメモリセルを複数、夫々行及び列方向にマトリクス状に配置してなるメモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置であって、
    前記メモリセルアレイ内の前記メモリセルの中から書き換え対象の選択メモリセルを選択し、前記選択メモリセルに記憶されている情報の書き換えを行う際に、
    前記選択メモリセルの前記第1電極と前記第2電極間に印加される書き換え電圧の絶対値をVSL[V]、
    前記絶縁体の膜厚をd[nm]とすると、
    前記絶縁体の伝導帯の底のエネルギーと前記第2電極のフェルミ準位とのエネルギー差[eV]、或いは、前記絶縁体の伝導帯の底と前記可変抵抗体の伝導帯の底とのエネルギー差[eV]の少なくとも何れか一方が、(0.5VSL/d+0.1)以上で、かつ、(VSL/d+0.1)以下であることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  8. SL/dが1以下であることを特徴とする請求項6又は7の何れか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  9. 前記第1導電体と前記第2導電体が同一の材料で構成されることを特徴とする請求項1、3及び6のうち何れか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  10. 前記絶縁体の膜厚dが5nm以下であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  11. 前記絶縁体のバンドギャップが5eV以上であることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
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