JP5406555B2 - 板状セリア粒子の製造方法 - Google Patents
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前記混合液の温度を10〜75℃の範囲内に20時間以上維持することにより炭酸セリウム粒子を析出及び成長せしめて、平均一次粒子径が20〜100μmであり且つ平均厚みが0.2〜4μmである単結晶の板状炭酸セリウム八水和物粒子を得る工程と、
前記板状炭酸セリウム八水和物粒子を焼成して板状セリア粒子を得る工程と、
を含んでおり、
前記平均一次粒子径が、走査型電子顕微鏡により観察した任意の20個の前記板状炭酸セリウム八水和物粒子における外接円の直径の平均値を算出することにより測定したものである、
ことを特徴とする方法である。
前記混合液の温度を10〜75℃の範囲内に20時間以上維持することにより炭酸セリウム粒子を析出及び成長せしめて、平均一次粒子径が20〜100μmであり且つ平均厚みが0.2〜4μmである単結晶の板状炭酸セリウム八水和物粒子を得る工程(第2の工程)と、
前記板状炭酸セリウム八水和物粒子を焼成して板状セリア粒子を得る工程(第3の工程)と、
を含むことを特徴とする方法である。
先ず、2mol/Lの硝酸セリウム水溶液0.05Lと、0.5mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液0.6Lと、溶媒として蒸留水0.35Lとを混合して混合液を得た。得られた混合液においては、セリウム濃度が0.1mol/Lであり、ナトリウム濃度が0.3mol/Lであった。
炭酸セリウム八水和物粒子凝集物(関東化学社製)を大気中にて温度400℃で1時間焼成して比較のための板状セリア粒子を得た。
2mol/Lの硝酸セリウム水溶液0.05Lと、0.25mol/Lの炭酸カリウム水溶液0.6Lと、溶媒として蒸留水0.35Lとを混合して混合液を得た。得られた混合液においては、セリウム濃度が0.1mol/Lであり、カリウム濃度が0.3mol/Lであった。そして、実施例1で用いた混合液に代えて得られた混合液を用いた以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得た。
蒸留水1L中に硝酸セリウム0.1mol及び炭酸水素ナトリウム0.3molを添加し、溶解せしめて混合液を得た。得られた混合液においては、セリウム濃度が0.1mol/Lであり、ナトリウム濃度が0.3mol/Lであった。そして、実施例1で用いた混合液に代えて得られた混合液を用いた以外は実施例1と同様にして比較のための板状セリア粒子を得た。
溶媒として蒸留水0.15L及びエタノール0.2Lを用いて混合液を得た以外は実施例1と同様にして板状セリア粒子を得た。
溶媒として蒸留水0.15L及びメタノール0.2Lを用いて混合液を得た以外は実施例1と同様にして板状セリア粒子を得た。
溶媒として、蒸留水0.33L及びエチレングリコール0.02L(実施例4)、蒸留水0.31L及びエチレングリコール0.04L(実施例5)、蒸留水0.29LL及びエチレングリコール0.06L(実施例6)、又は蒸留水0.25L及びエチレングリコール0.10L(実施例7)を用いて混合液を得た以外は実施例1と同様にして板状セリア粒子を得た。
2mol/Lの硝酸セリウム水溶液0.05Lに代えて2mol/Lの塩化セリウム水溶液0.05L(比較例4)又は2mol/Lの硝酸アンモニウムセリウム水溶液0.05L(比較例5)を用いて混合液を得た以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得た。
混合液の温度を25℃で1時間維持することにより、混合液中において炭酸セリウム粒子を析出させた以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得た。なお、得られたセリア粒子をSEMにて観察したところ、得られたセリア粒子は不定形の粒子であることが確認された。
混合液の温度を150℃で24時間維持することにより、混合液中において炭酸セリウム粒子を析出させた以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得た。なお、得られたセリア粒子をSEMにて観察した。得られた板状セリア粒子のSEM写真を図12に示す。図12に示すように、得られたセリア粒子は、平均一次粒子径が1μm以下の八面体微粒子であることが確認された。
混合液の温度を3℃で20時間維持することにより、混合液中において炭酸セリウム粒子を析出させた以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得た。なお、得られたセリア粒子をSEMにて観察した。得られた板状セリア粒子のSEM写真を図13に示す。また、図13における任意の20個の板状セリア粒子を観察し、板状セリア粒子の平均一次粒子径及び平均厚みを測定した。その結果、板状セリア粒子の平均一次粒子径は12.9μmであり、平均厚みは0.76μmであり、アスペクト比は17.0であることが確認された。
混合液中のセリウム濃度を0.1mol/Lとし、ナトリウム濃度を0.45mol/Lとした以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得た。なお、得られたセリア粒子をSEMにて観察したところ、得られたセリア粒子は細長い棒状の粒子であることが確認された。
混合液中のセリウム濃度を0.1mol/Lとし、ナトリウム濃度を0.01mol/Lとした以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得ること試みたが、沈殿剤の量が不足のため、収率が顕著に低下することが確認された。
混合液中のセリウム濃度を0.001mol/Lとし、ナトリウム濃度を0.3mol/Lとした以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得た。なお、得られたセリア粒子をSEMにて観察した。得られた板状セリア粒子のSEM写真を図14に示す。図14に示すように、得られたセリア粒子は不定形の粒子であることが確認された。
混合液中のセリウム濃度を1.0mol/Lとし、ナトリウム濃度を0.3mol/Lとした以外は実施例1と同様にして比較のためのセリア粒子を得た。なお、得られたセリア粒子をSEMにて観察した。得られた板状セリア粒子のSEM写真を図15に示す。図15に示すように、得られたセリア粒子においては、粒子が凝集していることが確認された。
実施例1及び比較例1で得られた板状セリア粒子の光沢率を測定することにより、板状セリア粒子の光輝性を評価した。すなわち、板状セリア粒子をアセトン中に分散し、真空ろ過装置に設置したメンブレンフィルター上に流し込み、ろ過し、乾燥することによって、平坦な表面を持つ試料を調製した。そして、光沢計(日本電色工業社製、型番「PG−1M」)を用いて、試料表面での20度、60度及び80度鏡面の光沢度を任意の5箇所で測定し、その平均値を算出した。得られた結果を表2に示す。なお、比較のために板状雲母粒子(山口雲母工業所製、商品名「Y−3000」、平均一次粒子径:23μm、アスペクト比:70)の光沢率を測定し、その結果を表2に示す。また、実施例1及び比較例1で得られた板状セリア粒子及び板状の雲母粒子における、平均一次粒子径、平均厚み及びアスペクト比を表2に示す。
実施例1で得られた板状セリア粒子の200〜800nmの波長領域における透過率を測定することにより、板状セリア粒子の紫外線遮断性及び可視光透過性を評価した。すなわち、板状セリア粒子を用いて厚みが14μmのシート状物を作製して試料とした。そして、分光光度計(Shimadzu社製)を用いて、試料の各波長での透過率(分光反射率)を測定した。得られた結果を図16に示す。図16に示す結果からも明らかなように、実施例1で得られた板状セリア粒子は、200〜300nmの波長領域における透過率が35%以下であり、十分な紫外線遮断性を有し、しかも、400〜800nmの波長領域における透過率が80%以上であり、十分な可視光透過性を有するものであることが確認された。
Claims (4)
- 硝酸セリウム溶液と炭酸水素ナトリウム溶液とを水を含有する溶媒中においてセリウム濃度が0.008〜0.15mol/Lとなり且つナトリウム濃度が0.1〜0.4mol/Lとなるように混合して混合液を得る工程と、
前記混合液の温度を10〜75℃の範囲内に20時間以上維持することにより炭酸セリウム粒子を析出及び成長せしめて、平均一次粒子径が20〜100μmであり且つ平均厚みが0.2〜4μmである単結晶の板状炭酸セリウム八水和物粒子を得る工程と、
前記板状炭酸セリウム八水和物粒子を焼成して板状セリア粒子を得る工程と、
を含んでおり、
前記平均一次粒子径が、走査型電子顕微鏡により観察した任意の20個の前記板状炭酸セリウム八水和物粒子における外接円の直径の平均値を算出することにより測定したものである、
ことを特徴とする板状セリア粒子の製造方法。 - 前記溶媒が、水と、アルコール系溶媒からなる群から選択される少なくとも一つの有機溶媒との混合溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の板状セリア粒子の製造方法。
- 前記溶媒中における、前記水に対する前記有機溶媒の体積比率(有機溶媒/水)が1/99〜50/50であることを特徴とする請求項2に記載の板状セリア粒子の製造方法。
- 前記板状炭酸セリウム八水和物粒子のアスペクト比(平均一次粒子径/平均厚み)が10〜70であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の板状セリア粒子の製造方法。
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