JPH11181405A - 酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法 - Google Patents

酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法

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JPH11181405A
JPH11181405A JP34924297A JP34924297A JPH11181405A JP H11181405 A JPH11181405 A JP H11181405A JP 34924297 A JP34924297 A JP 34924297A JP 34924297 A JP34924297 A JP 34924297A JP H11181405 A JPH11181405 A JP H11181405A
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cerium oxide
particles
polishing
insulating film
substrate
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JP34924297A
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Toranosuke Ashizawa
寅之助 芦沢
Hiroto Otsuki
裕人 大槻
Masato Yoshida
誠人 吉田
Hiroki Terasaki
裕樹 寺崎
Yasushi Kurata
靖 倉田
Jun Matsuzawa
純 松沢
Kiyohito Tanno
清仁 丹野
Takashi Sakurada
剛史 桜田
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SiO2 絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研
磨する酸化セリウム研磨剤を提供する。 【解決手段】TEOS−CVD法等で作製したSiO2
絶縁膜を形成させたSiウエハを、原料に90体積%以
上が一次粒子径3〜60μmで凝集粒子径の中央値が2
0〜100μmの炭酸セリウムを使用して製造した酸化
セリウムを含み、酸化セリウム粒子径の中央値が150
〜600nmである酸化セリウム粒子を媒体に分散させ
たスラリーを含む酸化セリウム研磨剤で研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化セリウム研磨
剤及び基板の研磨法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造工程において、
プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成される
SiO2 絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するための化学
機械研磨剤として、コロイダルシリカ系の研磨剤が一般
的に検討されている。コロイダルシリカ系の研磨剤は、
シリカ粒子を四塩化珪素を熱分解する等の方法で粒成長
させ、アルカリ溶液でpH調整を行って製造している。
しかしながら、この様な研磨剤は、無機絶縁膜の研磨速
度が充分な速度を持たず、実用化には低研磨速度という
技術課題がある。
【0003】一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表
面研磨剤として、酸化セリウム研磨剤が用いられてい
る。酸化セリウム粒子は、シリカ粒子やアルミナ粒子に
比べ硬度が低く、したがって研磨表面に傷が入りにくい
ことから仕上げ鏡面研磨に有用である。また、酸化セリ
ウムは、強い酸化剤として知られるように化学的活性な
性質を有している。この利点を活かし、絶縁膜用化学機
械研磨剤への適用が有用である。しかしながら、ガラス
表面研磨用酸化セリウム研磨剤は、不純物を多く含有す
るためそのまま半導体用研磨剤として適用することはで
きない。さらに、ガラス表面研磨用酸化セリウム研磨剤
をそのまま無機絶縁膜研磨に適用すると、酸化セリウム
粒子径(一次粒子や凝集粒子)が大きく、そのため絶縁
膜表面に目視で観察できる研磨傷が入ってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、SiO2
縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能な
酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の酸化セリウム研
磨剤は、酸化セリウム粒子、分散剤、及び水を含むもの
である。酸化セリウム粒子は、炭酸セリウムを原料とし
て製造したもので、炭酸セリウムは全体の90体積%以
上が一次粒子径3〜60μmであるものが使用される。
炭酸セリウムは、板状結晶の凝集体が好ましく、凝集体
の平均粒子径が20〜100μmであることが好まし
い。本発明の酸化セリウム研磨剤を構成する酸化セリウ
ム粒子は、粒子径の中央値が150〜600nmである
ことが好ましい。出発原料である炭酸セリウムの一次粒
子径は走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製
S−900型)による観察で測定する。粒子の長径と短
径を求め長径と短径の積の平方根をその粒子の粒子径と
する。出発原料である炭酸セリウム凝集体の粒子径又は
酸化セリウム研磨剤に含まれる酸化セリウム粒子の粒子
径は、レーザー回折法(例えば測定装置、Malver
n Instruments社製 Mastersize
r Microplus、光源He−Neレーザー、粒
子の屈折率1.9285、吸収0で測定)で測定する。
中央値は、体積粒子径分布の中央値であり、粒子径の細
かいものからその粒子の体積割合を積算していき50%
になったときの粒子径を意味する。すなわち、ある区間
Δの粒子径の範囲に体積割合Vi%の量の粒子が存在す
るとき、区間Δの平均粒子径をdiとすると粒子径di
の粒子がVi体積%存在するとする。粒子径diの小さ
い方から粒子の存在割合Vi(体積%)を積算してい
き、Vi=50%になったときのdiを中央値とする。
酸化セリウム研磨剤中の酸化セリウム粒子は、99体積
%以上が3000nm以下であることが好ましい。本発
明の基板の研磨法は、上記の酸化セリウム研磨剤で所定
の基板、例えばSiO2 絶縁膜が形成された基板で研磨
することを特徴とするものである。本発明は、炭酸セリ
ウムを原料に用いて製造した酸化セリウム粒子を含む酸
化セリウム研磨剤が、SiO2 絶縁膜等の被研磨面を傷
なく高速に研磨することを見い出したことによりなされ
たものである。
【0006】
【発明の実施の形態】炭酸セリウムは、八水和物として
結晶化するが、これを空気中等の酸素含有雰囲気中で加
熱すると、分解して酸化セリウムが生成する。このとき
の重量減少は50%に及ぶが分解後の酸化セリウムは、
原料の炭酸セリウムの形態を保持している。したがっ
て、熱分解直後の酸化セリウムは、相対密度が約50%
に低下しており、強度の低い酸化セリウムが得られる。
そこで本発明によれば、炭酸セリウムを用いて酸化セリ
ウムを製造し、これを酸化セリウム研磨剤に使用するこ
とで、SiO2 絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨
できる酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法が得られ
る。本発明で用いる酸化セリウム粒子は、炭酸セリウム
を原料とし、炭酸セリウムは全体の90体積%以上が一
次粒子径3〜60μmである。炭酸セリウムは板状結晶
の凝集体が好ましく、凝集体の平均粒子経が20〜10
0μmであることが好ましい。炭酸セリウムは水和物と
して結晶化するため、本発明で用いる炭酸セリウムは水
和物をさす。本発明の酸化セリウム研磨剤を構成する酸
化セリウム粒子は、粒子径の中央値が150〜600n
mであることが好ましい。酸化セリウム研磨剤中の酸化
セリウム粒子は、99体積%以上が3000nm以下で
あることが好ましい。また、半導体チップ研磨に使用す
ることから、アルカリ金属およびハロゲン類の含有率
は、10ppm以下に抑えることが好ましい。
【0007】本発明において、酸化セリウム粉末を作製
する方法として、焼成法が使用できる。焼成温度は、6
00℃以上900℃以下が好ましい。上記の方法により
製造された酸化セリウム粒子は凝集しているため、機械
的に粉砕することが好ましい。粉砕方法として、ジェッ
トミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式
粉砕方法が好ましい。ジェットミルは、例えば化学工学
論文集第6巻第5号(1980)527〜532頁に説
明されている。
【0008】本発明における酸化セリウムスラリーは、
例えば上記の特徴を有する酸化セリウム粒子とポリアク
リル酸アンモニウム塩を含む分散剤と水からなる組成物
を分散させることによって得られる。ここで、酸化セリ
ウム粒子の濃度に制限はないが、懸濁液の取り扱いやす
さから0.5以上20重量%以下の範囲が好ましい。ま
た、分散剤として、半導体チップ研磨に使用することか
ら、Na、K等のアルカリ金属および、ハロゲン、イオ
ウを含まないものとして、ポリアクリル酸アンモニウム
塩が好ましい。また、ポリアクリル酸アンモニウム塩と
水溶性有機高分子類(ポリグリセリン脂肪酸エステル
等)、水溶性陰イオン性界面活性剤(アルキルエーテル
カルボン酸塩)、水溶性非イオン性界面活性剤(ポリエ
チレングリコールモノステアレート等)、水溶性アミン
類(モノエタノールアミン等)から選ばれた少なくとも
1種類を含む2種類以上の分散剤を使用してもよい。こ
れらの分散剤添加量は、スラリー中の粒子の分散性およ
び沈降防止、さらに研磨傷と分散剤添加量との関係か
ら、酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01以
上2.0重量部以下の範囲が好ましい。ポリアクリル酸
アンモニウム塩の分子量(重量平均分子量)は、100
0〜10000が好ましく、3000〜8000がより
好ましい。これらの酸化セリウム粒子を水中に分散させ
る方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他にホ
モジナイザ−、超音波分散機、ビーズミル、遊星ボール
ミル、振動ミル等を用いることができる。分散後のスラ
リー中の大きな凝集粒子を分級により除去する方法とし
ては、沈降分離法、液体サイクロン、フィルターろ過等
を用いることができる。
【0009】本発明の酸化セリウム研磨剤は、上記スラ
リ−をそのまま使用してもよいが、N,N−ジエチルエ
タノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、
アミノエチルエタノ−ルアミン等の添加剤を添加して研
磨剤とすることができる。
【0010】本発明の酸化セリウム研磨剤が使用される
無機絶縁膜の作製方法として、低圧CVD法、プラズマ
CVD法等が挙げられる。低圧CVD法によるSiO2
絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4 、酸
素源として酸素:O2 を用いる。このSiH4 −O2
酸化反応を400℃程度以下の低温で行わせることによ
り得られる。場合によっては、CVD後1000℃また
はそれ以下の温度で熱処理される。高温リフローによる
表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときに
は、SiH4 −O2 −PH3 系反応ガスを用いることが
好ましい。プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では、
高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有す
る。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2
つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSi
4 、酸素源としてN2 Oを用いたSiH4 −N2 O系
ガスとテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用
いたTEOS−O2 系ガス(TEOS−プラズマCVD
法)が挙げられる。基板温度は250℃〜400℃、反
応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。このよう
に、本発明のSiO2 絶縁膜にはリン、ホウ素等の元素
がド−プされていても良い。
【0011】所定の基板として、半導体基板すなわち回
路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、
回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板
上に、SiO2 絶縁膜層が形成された基板が使用でき
る。このような半導体基板上に形成されたSiO2 絶縁
膜層を、上記酸化セリウム研磨剤で研磨することによっ
て、SiO2 絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板
全面に渡って平滑な面とする。ここで、研磨する装置と
しては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッ
ド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り
付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用でき
る。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタ
ン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限がない。
また、研磨布には、スラリーが溜まる様な溝加工を施す
ことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の回
転速度は、半導体が飛び出さない様に100rpm以下
の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は、研磨
後に傷が発生しない様に1kg/cm2 以下が好まし
い。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で
連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨
布の表面が常にスラリーで覆われていることが好まし
い。
【0012】研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く
洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着
した水滴を払い落としてから乾燥させることが好まし
い。このようにして平坦化されたSiO2 絶縁膜層の上
に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間
および配線上に再度上記方法によりSiO2 絶縁膜を形
成後、上記酸化セリウム研磨剤を用いて研磨することに
よって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に
渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すこと
により、所望の層数の半導体を製造する。
【0013】本発明の酸化セリウム研磨剤は、半導体基
板に形成されたSiO2 絶縁膜だけでなく、所定の配線
を有する配線板に形成されたSiO2 絶縁膜、ガラス、
窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プ
リズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス
及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチン
グ素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ
等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザLE
D用サファイア基板、SiC、GaP、GaAs等の半
導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等
を研磨するために使用される。このように本発明におい
て所定の基板とは、SiO2 絶縁膜が形成された半導体
基板、SiO2 絶縁膜が形成された配線板、ガラス、窒
化ケイ素等の無機絶縁膜が形成された基板、フォトマス
ク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機
導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路
・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端
面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結
晶、青色レ−ザLED用サファイア基板、SiC、Ga
P、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス
基板、磁気ヘッド等を含む。
【0014】
【実施例】実施例1 (酸化セリウム粒子の作製1)出発原料に板状結晶の凝
集した炭酸セリウムを使用した。走査型電子顕微鏡観察
により一次粒子の長径、短径を測定し、直径を長径×短
径の平方根で求めたところ、この炭酸セリウムの一次粒
子は、90体積%以上が直径3〜60μmの板状結晶で
あった。炭酸セリウムの凝集粒子径は、レーザー光回折
法(測定装置:Malvern Instrument
s社製 Mastersizer Microplu
s、光源He−Neレーザー、粒子の屈折率1.928
5、吸収0で測定)で測定したところ、中央値が31μ
mであった。炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に
入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより、
黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で
相同定を行ったところ、酸化セリウムであることを確認
した。焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。焼
成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、
酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化
セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央
値が190nm、最大値が500nmであった。焼成粉
末についてX線回折精密測定を行い、その結果について
リートベルト法(RIETAN−94)による解析で、
一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの値が0.0
80、等方的微少歪みを表わす構造パラメーター:Yの
値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをジ
ェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子につい
て走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同
等サイズの小さな粒子の他に、1μmから3μmの大き
な粉砕残り粒子と0.5から1μmの粉砕残り粒子が混
在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではな
い。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結
果についてリートベルト法(RIETAN−94)によ
る解析で、一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの
値が0.085、等方的微少歪みを表わす構造パラメー
ター:Yの値が0.264であった。この結果、粉砕に
よる一次粒子径変量は殆どなく、また粉砕により粒子に
歪みが導入されていた。さらに、BET法による比表面
積測定の結果、10m2 /gであることがわかった。
【0015】(酸化セリウム粒子の作製2)酸化セリウ
ム粒子の作製1で用いたのと同じ炭酸セリウム水和物2
kgを白金製容器に入れ、750℃で2時間空気中で焼
成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この
粉末をX線回折法で相同定を行ったところ、酸化セリウ
ムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜10
0μmであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡
で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。
粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したとこ
ろ、その分布の中央値が141nm、最大値が400n
mであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行
い、その結果についてリートベルト法(RIRTAN−
94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメー
ター:Xの値が0.101、等方的微少歪みを表わす構
造パラメーター:Yの値が0.223であった。酸化セ
リウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行
った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、1
μmから3μmの大きな粉砕残り粒子と0.5から1μ
mの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一
次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精
密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RI
ETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構
造パラメーター:Xの値が0.104、等方的微少歪み
を表わす構造パラメーター:Yの値が0.315であっ
た。この結果、粉砕による一次粒子径変量は殆どなく、
また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらに、
BET法による比表面積測定の結果、16m2 /gであ
ることがわかった。
【0016】(酸化セリウムスラリーの作製)上記作製
1、2の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アン
モニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8
977gを混合し、撹拌しながら超音波分散を10分間
施した。得られたスラリーを1μmフィルターでろ過を
し、さらに脱イオン水を加えることにより3wt%研磨
剤を得た。スラリーpHは8.3であった。スラリー粒
子の粒度分布をレーザー回折法を用いて調べたところ、
中央値が共に200nmであった。最大粒子径は、78
0nm以上の粒子が0体積%であった。スラリーの分散
性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーの
ゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてあ
る測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に1
0Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷
を持ったスラリー粒子は、その電荷と反対の極を持つ電
極側に移動する。この移動速度を求めることにより、粒
子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定
の結果、それぞれマイナスに荷電し、−50mV、−6
3mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認
した。
【0017】(絶縁膜層の研磨)保持する基板取り付け
用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、TEOS−プ
ラズマCVD法で作製したSiO2 絶縁膜を形成させた
Siウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パ
ッドを貼り付けた定盤上に、絶縁膜面を下にしてホルダ
ーを載せ、さらに加工荷重が300g/cm2 になるよ
うに重しを載せた。定盤上に、上記の酸化セリウムスラ
リー(固形分:3重量%)を50cc/minの速度で
滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶
縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外し
て、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20
分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水
滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。
光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を
測定した結果、この研磨によりそれぞれ600nm、5
80nm(研磨速度:300nm/min、290nm
/min)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一
の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡
を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見ら
れなかった。
【0018】実施例2 (酸化セリウム粒子の作製)実施例1で用いたのと同じ
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、700
℃で2時間空気中で焼成することにより、黄白色の粉末
を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行っ
たところ、酸化セリウムであることを確認した。焼成粉
末粒子径は30〜100μmであった。焼成粉末粒子表
面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウム
の粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次
粒子径を測定したところ、その分布の中央値が50n
m、最大値が100nmであった。焼成粉末についてX
線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト
法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を
表わす構造パラメーター:Xの値が0.300、等方的
微少歪みを表わす構造パラメーター:Yの値が0.35
0であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを
用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子
顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小
さな粒子の他に、2μmから4μmの大きな粉砕残り粒
子と0.5から1.2μmの粉砕残り粒子が混在してい
た。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕
粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果につい
てリートベルト法(RIETAN−94)による解析
で、一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの値が
0.302、等方的微少歪みを表わす構造パラメータ
ー:Yの値が0.412であった。この結果、粉砕によ
る一次粒子径変量は殆どなく、また粉砕により粒子に歪
みが導入されていた。さらに、BET法による比表面積
測定の結果、40m2 /gであることがわかった。
【0019】(酸化セリウムスラリーの作製)上記作製
の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウ
ム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977
gを混合し、撹拌しながら超音波分散を10分間施し
た。得られたスラリーを2μmフィルターでろ過をし、
さらに脱イオン水を加えることにより3wt%研磨剤を
得た。スラリーpHは8.0であった。スラリー粒子の
粒度分布をレーザー回折法を用いて調べたところ、中央
値が510nmで、最大粒子径は1440nm以上の粒
子が0%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒
子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べ
た。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化
セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加
した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー
粒子は、その電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。
この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求
めることができる。ゼータ電位測定の結果、マイナスに
荷電し、−64mVと絶対値が大きく分散性が良好であ
ることを確認した。
【0020】(絶縁膜層の研磨)保持する基板取り付け
用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、TEOS−プ
ラズマCVD法で作製したSiO2 絶縁膜を形成させた
Siウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パ
ッドを貼り付けた定盤上に、絶縁膜面を下にしてホルダ
ーを載せ、さらに加工加重が300g/cm2 になるよ
うに重しを載せた。定盤上に、上記の酸化セリウムスラ
リー(固形分:3重量%)を35cc/minの速度で
滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶
縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外し
て、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20
分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水
滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。
光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を
測定した結果、この研磨により740nm(研磨速度:
370nm/min)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に
渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、
光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確
な傷は見られなかった。
【0021】比較例 実施例と同様にTEOS−CVD法で作製したSiO2
絶縁膜を形成させたSiウエハについて、市販シリカス
ラリー(キャボット社製、商品名SS225)を用いて
研磨を行った。この市販スラリーのpHは10.3で、
SiO2 粒子を12.5wt%含んでいるものである。
研磨条件は実施例と同一である。その結果、研磨による
傷は見られず、また均一に研磨がなされたが、2分間の
研磨により150nm(研磨速度:75nm/min)
の絶縁膜層しか削れなかった。
【0022】
【発明の効果】本発明の研磨剤により、SiO2 絶縁膜
等の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺崎 裕樹 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 倉田 靖 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 松沢 純 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社筑波開発研究所内 (72)発明者 丹野 清仁 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 桜田 剛史 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体の90体積%以上が一次粒子径3〜6
    0μmの炭酸セリウムを原料に用いて製造した酸化セリ
    ウム粒子を含有する酸化セリウム研磨剤。
  2. 【請求項2】炭酸セリウムは板状結晶の凝集体からな
    り、凝集体粒子径の中央値が20〜100μmである請
    求項1記載の酸化セリウム研磨剤。
  3. 【請求項3】粒子径の中央値が150〜600nmであ
    る酸化セリウムを含む請求項1又は2記載の酸化セリウ
    ム研磨剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜3各項記載の酸化セリウム研磨
    剤で所定の基板を研磨することを特徴とする基板の研磨
    法。
  5. 【請求項5】所定の基板がSiO2 絶縁膜が形成された
    基板である請求項4記載の基板の研磨法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005028571A (ja) * 2004-08-30 2005-02-03 Hitachi Chem Co Ltd 酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法
JP2010195599A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Tohoku Univ 板状セリア粒子の製造方法
CN104149039A (zh) * 2014-07-09 2014-11-19 华侨大学 一种在超细磨料表面涂覆氧化硅的方法

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