JP5403062B2 - 耐久性害虫忌避剤および害虫忌避性樹脂組成物 - Google Patents

耐久性害虫忌避剤および害虫忌避性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、耐熱性、耐溶剤性に優れ長時間効果を持続できる害虫忌避剤および害虫忌避性樹脂組成物に関する。より具体的には、樹脂成形品や合成繊維への練り込み加工が可能な耐熱性、耐溶剤性を有する耐久性害虫忌避剤であり、得られる害虫忌避性樹脂組成物は長期間使用したり、洗濯を行っても害虫忌避効果が持続する耐久持続性に優れたものである。
従来、害虫忌避剤として知られている薬剤の殆どは、揮発性や昇華性があり、これを繊維製品や樹脂成形品、電子機器、印刷インキなどの加工製品に応用しようとした時、加工時の熱や溶剤等により瞬時に放散してしまい、効果が減失するとともに、人体や環境に悪影響を及ぼすものであった。
このような問題に対して、特開平3−161402号公報には、ピレスロイド系防虫忌避剤を合成樹脂中に練り込んだプレ−トの片側を金属箔で覆う事により薬剤の放出を抑えるゴキブリ忌避材が開示されているが、形状が限定されることで用途も限られ、成形や加工の際にかかる熱や溶剤に対しての抵抗力は改良されてないので、プレ−トの片側を覆っても反対側から薬剤が簡単に放出・減失されてしまうという欠点は改善されなかった。
また、特開2000−161402号公報には、ピレスロイド系化合物を層状リン酸塩や層状珪酸塩に担持させ、耐熱性、持続性を付与する忌避剤が開示されている。ピレスロイド系化合物は殺虫効果はあるが、室温では忌避効果が弱いことや耐性虫の出現、安全性などに問題もあり、用途範囲は限定されている。
特開平09−031245号公報には、結晶水結合能力を有する吸水性無機物質に有機機能付与剤を担持せしめたことを特徴とする徐効性機能付与剤の提案がなされており、N,N−ジエチル−m−トルアミドを合成ハイドロタルサイトまたはY型ゼオライトに吸尽処理することでポリプロピレン樹脂に250℃で練り込み加工し、耐候試験500時間後にも効果の持続性を有する例示がある。しかし、N,N−ジエチル−m−トルアミドは合成ハイドロタルサイトの層間やY型ゼオライトの孔内に容易に固定化されるものではないため、この吸尽処理は薬剤に十分な耐久性を与えるものではなく、単純な薬剤と無機担持物との混合の範疇に留まる不完全な処理であった。
単なる基体表面への物理吸着現象を利用する複合体は、吸着力によって多少の徐放性を示すことはあっても、物理吸着は結晶構造の変化や化学的な結合という大きなエネルギーを伴うものではないので、耐熱温度の大きな変化や著しい耐久性を現すことはできないということである。実際に、この吸尽処理は、十分な耐久性を有しているとは言い難く、成形温度や成形滞留時間を長くすると発泡を引き起こしたり、成形品を長期室内保管するとブリードアウトなどを生じる問題もあった。
さらに、平成17年8月24日の厚生労働省発 薬食安発第0824003号によれば、N,N−ジエチル−m−トルアミドの安全性について注目すべきであることの通達があったことから、耐久性のみならず、安全性についても、より安全性の高い害虫忌避剤が必要とされている。
単なる固体表面への物理吸着現象によらない例として、特開2007−291097号公報には、層間に陽イオン交換能をもつ粘土鉱物を主原料として、層間にある層間水と交換して、アルカリもしくはアルカリ土類金属と生理活性機能をもつ有機化合物との組合せにおいて、層間に該有機化合物が安定ないし準安定な状態で導入されていることを特徴とする粘土鉱物系複合材料の提案がなされている。具体的には粘度鉱物であるモンモリロナイトの層間に、害虫忌避剤であるN,N−ジエチル−m−トルアミドを複合化することで長期にわたって防虫機能を維持することが可能な粘土鉱物系複合材料が例示されている。
この処理では複合体の粉末X線回折分析によって、有機薬剤が粘土鉱物の層間に入っていることが確かめられているが、室温での安定性に優れるものの、耐熱性の面では優れておらず、十分な耐久性を有しているとは言えなかった。また、天然の粘土鉱物を原料に使用するため、樹脂が着色する問題もあった。すなわち、層状構造を有する無機化合物の層間に有機薬剤を含ませるという試みはあったものの、無機化合物と有機薬剤との選択が良くなかったために、複合体の耐久性は不十分であり、着色の問題もあったということである。
特開平3−161402号公報 特開2000−302613号公報 特開平9−031245号公報 特開2007−291097号公報
耐熱性および耐溶剤性に優れ、樹脂成形品や合成繊維への練り込みが可能な耐久性害虫忌避剤、および、長期間使用したり、洗濯を行っても害虫忌避効果が長期間持続する耐久持続性に優れた害虫忌避性樹脂組成物を提供することが、本発明の課題である。
上記の課題を解決するために、本発明では、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを必須成分とする害虫忌避薬剤を、特定の層状珪酸塩に担持することにより、高い耐熱性と持続性を兼ねそなえる耐久性害虫忌避剤を完成し、該耐久性害虫忌避剤と樹脂とを含む害虫忌避性樹脂組成物を完成した。
本発明の耐久性害虫忌避剤は、耐熱性が高く、樹脂への練り込みを容易に行うことができ、また忌避効果の持続性も兼ね備えているので、様々な樹脂に長期間、優れた害虫忌避性能を付与することが可能である。
実施例1−4で得られた耐久性害虫忌避剤1−4の粉末X線回折図形である。 比較例1−1で得られた比較害虫忌避剤1−1の粉末X線回折図形である。 実施例1−8で得られた耐久性害虫忌避剤1−8の熱重量変化を示す熱分析測定チャートである。 比較例1−1で得られた比較害虫忌避剤1−1の熱重量変化を示す熱分析測定チャートである。 実施例2−1で得られた耐久性害虫忌避剤2−1の粉末X線回折図形である。 比較例2−1で得られた比較害虫忌避剤2−1の粉末X線回折図形である。 実施例2−7で得られた耐久性害虫忌避剤2−7の熱重量変化を示す熱分析測定チャートである。 比較例2−1で得られた比較害虫忌避剤2−1の熱重量変化を示す熱分析測定チャートである。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の耐久性害虫忌避剤は、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを必須成分として含む害虫忌避薬剤を、下記式[1]で示される層状珪酸塩の層内に担持させたものである。

(M1a〔Mgb,(M2c〕(Si410)(A)2 [1]

ただし、(M1)はCaおよび/またはZnであり、(M2)はLiおよび/またはNaであり、(A)はFおよび/またはOHを意味する。
また、2a+2b+c=6であり、0.001<c≦0.55である。
<害虫忌避薬剤>
本発明で使用する害虫忌避薬剤は、害虫忌避効果が高くかつ安全性の高い、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを必須成分として含むものである。N,N−ジエチル−m−トルアミドは、DEETとも略称される害虫忌避薬剤であり、N−エチル基の部分が炭素数1〜3の他のアルキル基で置換されたものやp−トルアミド等の置換異性体が含まれていてもよい。N,N−ジエチル−m−トルアミドは常温で液体であり、そのまま用いても、皮膚に直接噴霧できるほどの安全性も兼ね備えている。効能としては、蚊、蚋、ダニ、虱、サシハエ、南京虫、蚤、ツツガムシ、ヤマビルなどに対する優れた害虫忌避の効果を有する。しかし、N,N−ジエチル−m−トルアミドは、溶剤として樹脂を溶解する性質があり、皮膚や衣服等に付着したものが樹脂製の機械部品や樹脂製ボタン、ファスナー等に接触すると表面を溶解して美観を損ねたり、強度を低下させるなどの欠点があり、また、そのままでは耐熱性や耐水性に劣るという欠点も知られている。
1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは、ピカリジン、イカリジン等の名称でも呼ばれ、害虫忌避効果が高くかつ安全性の高い害虫忌避薬剤である。1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは、沸点272℃、引火点142℃である常温で液体の物質である。欧米では、虫除けスプレーとして利用されている一般的な防虫剤であり、皮膚に直接噴霧できるほどの安全性も兼ね備えている。効能としては、蚊、蚋、ダニ、虱、サシハエ、南京虫、蚤、ツツガムシ、ヤマビルなどに対する優れた防虫忌避の効果を有する。
害虫忌避薬剤として、N,N−ジエチル−m−トルアミドまたは1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルのどちらか一方を用いるとき、N,N−ジエチル−m−トルアミドを用いた方が耐水性が優れており好ましい。
一方、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは安全性が高く、本発明における耐久性害虫忌避剤の耐熱性が、N,N−ジエチル−m−トルアミドを単独で用いたものよりも高くなる点で好ましい。これらのいずれか一方の害虫忌避薬剤を用いた耐久性害虫忌避剤どうしを併用することは差し支えなく、その性能は両方の耐久性害虫忌避剤の性能の和となる。
また、害虫忌避薬剤として、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルを併用混合して耐久性害虫忌避剤を製造したとき、得られる耐久性害虫忌避剤の初期性能は、両方の耐久性害虫忌避薬剤の平均的な値となるが、耐水試験後、あるいは耐熱試験後の性能は、別々の耐久性害虫忌避剤を併用する場合にくらべて優れており、層状珪酸塩に両方の害虫忌避薬剤を混合して担持させる製造方法をとったとき、耐久性害虫忌避剤に耐水および耐熱性能の向上効果が生じる。
害虫忌避薬剤として、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つの他に含んでも良いものは、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、p−ジクロロベンゼン、ジ−n−ブチルサクシネート、カラン−3,4−ジオール、1−メチルプロピル2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボキシラート、p−メンタン−3,8−ジオール、3−(N−n−ブチル−N−アセチル)アミノプロピオン酸エチルエステル、p−メンタン−3,8−ジオールなどが例示できる。本発明においては害虫忌避薬薬剤の中でN,N−ジエチル−m−トルアミド、並びに1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの合計量は50質量%以上を占めることが好ましい。
<層状珪酸塩>
本発明における層状珪酸塩は下記式[1]で示される特定の成分からなるものであり、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを層内に適度に担持することができるほか、多くの害虫忌避薬剤を同様に層内に担持することができる。

(M1a〔Mgb,(M2c〕(Si410)(A)2 [1]

ただし、(M1)はCaおよび/またはZnであり、(M2)はLiおよび/またはNaであり、(A)はFおよび/またはOHを意味する。式[1]における(A)は、少なくともその一部がFであることが好ましい。また、2a+2b+c=6であり、0.001<c≦0.55である。
層状珪酸塩とは、結晶層単位が互いに積み重なって層状構造をなしている珪酸塩であり、その成分や結晶構造のほか、純度や粒度などが異なる天然物と合成物がある。具体的な層状珪酸塩としては、カオリン族、スメクタイト族、タルクーパイロフィライト族、バーミキュライト族、雲母族、脆雲母族、緑泥石族、蛇紋石族、層間欠損型雲母族など多種類ある。
これらの層状珪酸塩の中で本発明において使用できる層状珪酸塩としては、式[1]で示される、タルクの一部をフッ素およびNaで置換した合成フッ素雲母および、バイデライト、ヘクトライト、サポナイトなどのスメクタイト族の中の一部のもののみである。
本発明に用いることができる具体的な層状珪酸塩としては、各種雲母、イーストライト、ポリリシオナイト、セラドン石の成分を調整した下記式[2]で示される化合物、またはヘクトライト、サポナイト、ソーコライト、スチーブンライト、スインホルダイト、バイデライト、ノントロナイト、ボルコンスコアイトなどの成分を調整した下記式[3]で示される白色物質が挙げられる。

(M1a〔Mgb,(Na)c〕(Si410)F2 [2]

ただし、(M1)はCaおよび/またはZnであり、2a+2b+c=6であり、0.001<c≦0.55である。

式[2]において、aの好ましい値は0.2<a<3であり、より好ましくは0.22<a<0.3である。また、bの好ましい値は2.3<b<2.8であり、より好ましくは2.5<b<2.6である。cの好ましい値は、0.001<c<0.3である。

(M1a〔Mgb,(Li)c〕(Si410)(A)2 [3]

ただし、(M1)はCaおよび/またはZnであり、(A)はFおよび/またはOHを意味する。また、2a+2b+c=6であり、0.001<c≦0.55である。
式[3]において、aの好ましい値は0.2<a<3であり、より好ましくは0.22<a<0.3である。また、bの好ましい値は2.5<b<3であり、より好ましくは2.55<b<2.58である。cの好ましい値は、0.15<c<0.5であり、より好ましくは0.25〜0.4である。式[3]における(A)は、少なくともその一部がFであることが好ましい。
層状珪酸塩は、天然品は粉末が着色しているため樹脂等に加工した際に着色を生じるため、白色または淡色である合成品が好ましい。
層状珪酸塩の含有成分の調整は、イオン交換で行うことができる。イオン交換の方法は特に制限はなく、従来から知られている如何なる方法も採用できる。例えば、層状珪酸塩のカルシウムイオン含有量を増やすためには、塩化カルシウムなどの水溶性カルシウム水溶液に浸漬した後、脱イオン水やエタノール等の溶媒で十分に洗浄することによりカルシウムイオンの含有量を増やすことができる。層状珪酸塩の層間にカルシウムイオンが入ったことにより、カルシウムイオンと交換されて出てきた交換性陽イオンを、洗浄によって除去することによって、本発明の耐久性害虫忌避剤の耐候性、耐熱性が向上する。洗浄が十分に進んだことは、洗浄液の電気伝導度を測定することにより知ることができる。好ましくは洗浄液の電気伝導度が500μS/cm以下、より好ましくは200μS/cm以下、更に好ましくは100μS/cm以下になるまで洗浄を行なうことである。また、層状珪酸塩を炭酸カルシウムや硝酸カルシウムなどと混合した後、加熱処理してイオン交換を行う方法もある。この場合も好ましくは洗浄することである。
本発明における層状珪酸塩の粒径、含水量、陽イオン交換容量は、特に制限されない。プラスチックやゴムあるいは繊維等への練り込み加工に使用する場合は、平均粒径10μm以下の粉末が好ましく、より好ましくは平均粒径0.1〜7μmの粉末であり、更に、粒度分布が狭く、均一な粒径であることがより好ましい。また、耐久性害虫忌避剤とした場合に充分な忌避効果を発揮させるために、陽イオン交換容量が0.1meq/g以上であることが好ましく、より好ましくは0.5meq/g以上である。これらの層状珪酸塩は1種類のみを用いてもよいが、徐放性のコントロールをするために2種類以上を併用することもできる。
平均粒径は、例えば脱イオン水に超音波分散させてレーザー回折式粒度分布計で測定することができ、体積基準の平均粒径を採用するのが一般的である。含水量はカールフィッシャー法などで容易に測定できる。なお、陽イオン交換容量(通常CECと略される)は、乾燥試料の一定質量あたりに保持される交換性陽イオンのミリグラム等量を表示する数値であり、例えば酢酸アンモニウム溶液浸出法等の周知の方法で決定できる。
本発明における式[1]で示される層状珪酸塩のみが、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つをその層間に適度に保持することが可能であり、N,N−ジエチル−m−トルアミドN,N−ジエチル−m−トルアミドおよび/または1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの耐熱性や耐溶剤性を向上する一方、害虫忌避効果の持続的効果も兼ね備えることができる。この適度の保持性は、層状珪酸塩の構成成分と、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つが層内に導入された後の層状珪酸塩の層間隔によって制御することが可能である。
上記の、層内に導入された後の層状珪酸塩の層間隔は、CuのKα線を用いる一般的な粉末X線回折測定において、回折図形における(002)面のピークが、2θ=5.0°〜6.3°(すなわち、結晶面間隔d=14.0〜17.7オングストロームであることを意味する。)であることが好ましく、5.2〜6.0°(すなわち、結晶面間隔d=14.7〜17.0オングストロームであることを意味する。)がより好ましい。層間隔が狭すぎると、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルがいずれも放出され難くなり、害虫忌避効果が十分に発揮され難くなる。一方、層間隔が広がりすぎると、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルがいずれも放出されやすくなり、害虫忌避剤の耐熱性が低下するため好ましくない。なお、オングストローム(Å)は10−10mまたは0.1nmの長さを意味する慣用単位である。
層間隔を示すX線回折のピーク強度が大きいことは、層の均一性が高く、一定の層間隔を持つ結晶が多く存在することを意味するから、害虫忌避剤の耐熱性は良くなるので好ましい。層状珪酸塩の層間隔を示す粉末X線回折図形における(002)面のピークのX線カウント数は、Cu管球を用い40kV、150mAの測定条件で1,000cps以上となることが好ましく、より好ましくは5,000cps以上であり、さらに好ましくは20,000cps以上である。
<担持方法>
本発明における特定の層状珪酸塩へのN,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルいずれかひとつの担持方法は、特に制限はなく、基本的には層状珪酸塩とN,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを均一に混合することで実施できる。N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの混合物はいずれも室温で液状であるので、層状珪酸塩と混合攪拌し、その後加熱、粉砕を行うことで担持が可能である。混合の際には、層状珪酸塩に対して0.5〜5%の溶剤を添加して混合することが好ましい。好ましい溶剤は炭素数3以下のアルコールまたは水であり、より好ましくは水である。また、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを溶解した溶液と層状珪酸塩を混合撹拌した後、ろ過、乾燥、粉砕することにより、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを層状珪酸塩に担持することも可能である。
本発明における層状珪酸塩へのN,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つの好ましい担持量は、多い方が害虫忌避の効果は大きくなりやすいが、あまり担持量が多すぎると、層状珪酸塩に担持しきれなかったN,N−ジエチル−m−トルアミドおよび/または1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルが変色などを引き起こして耐熱性が低下することがある。好ましい担持量は、層状珪酸塩1gに対して、N,N−ジエチル−m−トルアミドならびに1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの合計量として0.3〜1.2mmolであり、さらに好ましくは、0.5〜1.0mmolである。
本発明の耐久性害虫忌避剤には、安全性や耐久性を損なわない限り殺虫剤や天然精由を併用することも可能である。殺虫剤の具体的な例としては、3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル dl−シス/トランス−クリサンテマ−ト(商品名アレスリン)、3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−シス/トランス−クリサンテマ−ト(商品名ピナミンフォルテ)、d−3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−トランス−クリサンテマ−ト(商品名エキスリン)、3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−トランス−クリサンテマ−ト(一般名バイオアレスリン)、N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)−メチル dl−シス/トランス−クリサンテマ−ト(一般名フタルスリン)、5−ベンジル−3−フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマ−ト(一般名レスメトリン)、5−(2−プロパルギル)−3−フリルメチル クリサンテマ−ト(一般名フラメトリン)、3−フェノキシベンジル2,2−ジメチル−3−(2’,2’−ジシクロロ)ビニルシクロプロパン カルボキシレ−ト(一般名ペルメトリン)、3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマ−ト(一般名フェノトリン)、α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマ−ト、1−エチニル−2−メチル−ペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマ−ト(一般名エムペントリン)、o−フェニルフェノ−ル、o−フェニルフェノ−ルナトリウム、p−t−オクチルフェノ−ル、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジル、チモ−ル、ジフェニルチモ−ル、クロロフェン、パラベン、アルキルパラベン、クレゾ−ル、トリクロサン、ビオゾ−ル、フェノ−ル、パラクロロフェノ−ル、およびクロルキシレノ−ル、等が挙げられる。このうち、好ましいのは、弱いながらも害虫忌避性能を兼ね備えるペルメトリンである。
併用できる天然精油の具体例としては、桂皮油、タイム・ホワイト油、クローブ・バッド油、シナモン・リーフ油、ラベンダー・フレンチ油、レモングラス油、ペパーミント油、ベルガモット油、ティートゥリー油、ゼラニウム油、シトロネラ油、ローズ油、レモン油、ユーカリ油、オリガヌム油、シンナムアルデヒド、オイゲノール、サリチル酸メチル、シトラール、アリルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、リナロール、メントール、ゲラニオール、チモール、テルピネオール、およびヒノキチオール等が例示される。この中で好ましいのはユーカリ油であり、その有効成分はPMD(p−メンタン−3,8−ジオール)として知られている。
上記の、殺虫剤や天然精油の少なくとも1種類を、本発明の耐久性害虫忌避剤にそのまま併用しても良く、あらかじめ他の担体あるいは本発明と同じ担体に複合化してから併用してもよいが、好ましくは、本発明のN,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つと同様に、層状珪酸塩の層内に担時されることであり、その場合は安全性や耐久性が損なわれることがない。ただし、併用するものの層状珪酸塩への親和性が、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つよりも著しく高い場合、あまり多量に併用すると、層内に担持されたN,N−ジエチル−m−トルアミドおよび/または1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルを押し出してしまう可能性があるため、併用する薬剤の質量の合計はN,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つよりも少ないことが必須であり、好ましくは1/2以下である。
本発明の耐久性害虫忌避剤を樹脂と配合することにより害虫忌避性樹脂組成物を容易に得ることができる。用いることができる樹脂の種類は特に制限はなく、天然樹脂、合成樹脂、半合成樹脂のいずれであってもよく、また熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。具体的な樹脂としては成形用樹脂、繊維用樹脂、ゴム状樹脂のいずれであってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアセタ−ル、ポリカ−ボネイト、PBT、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマ−、ポリエステルエラストマ−、メラミン、ユリア樹脂、四フッ化エチレン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、レ−ヨン、アセテ−ト、アクリル、ポリビニルアルコ−ル、キュプラ、トリアセテ−ト、ビニリデンなどの成形用または繊維用樹脂、天然ゴム、シリコ−ンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、ブタジエンゴム、合成天然ゴム、ブチルゴム、ウレタンゴムおよびアクリルゴムなどのゴム状樹脂がある。また、本発明の耐久性害虫忌避剤を天然繊維の繊維と複合化させて、害虫忌避性繊維を作製することもできる。
本発明の耐久性害虫忌避剤を樹脂へ配合し、害虫忌避性樹脂組成物とする加工方法は、公知の方法がどれも採用できる。例えば、(1)耐久性害虫忌避剤粉末と樹脂とが付着しやすくするための添着剤や害虫忌避剤粉末の分散性を向上させるための分散剤を使用し、ペレット状樹脂またはパウダー状樹脂をミキサーで直接混合する方法、(2)前記のようにして混合して、押し出し成形機にてペレット状に成形した後、その成形物をペレット状樹脂に配合する方法、(3)耐久性害虫忌避剤をワックスを用いて高濃度のペレット状に成形後、そのペレット状成形物をペレット状樹脂に配合する方法、(4)耐久性害虫忌避剤をポリオ−ルなどの高粘度の液状物に分散混合したペ−スト状組成物を調製後、このペーストをペレット状樹脂に配合する方法などがある。
上記の害虫忌避性樹脂組成物の成形には、各種樹脂の特性に合わせてあらゆる公知の加工技術と機械が使用可能であり、適当な温度または圧力で加熱および加圧または減圧しながら混合、混入または混練りの方法によって容易に調製することができ、それらの具体的操作は常法により行えば良く、塊状、スポンジ状、フィルム状、シート状、糸状またはパイプ状或いはこれらの複合体など、種々の形態に成形加工できる。
本発明の耐久性害虫忌避剤を材料に配合して成形することができ、成形体の形状は、公知の成形法により、粒子、繊維、フィルム、シート、板或いはブロック等の種々の形状のいずれでもあり得る。
本発明の耐久性害虫忌避剤の害虫忌避性樹脂組成物における配合割合は、多い方が害虫忌避性の持続性が向上する傾向があるが、あまり多いと成型品の強度等の樹脂特性が低下するため、害虫忌避性樹脂組成物100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、0.3〜20重量部がより好ましい。
<用途>
本発明の耐久性害虫忌避剤を配合した害虫忌避製品の具体的な用途として、ネット、カーペット、カーテン、網戸、衣類等の繊維製品;皮革;冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、食器乾燥器、掃除機、空調機、テレビ、電話等の電化製品;壁紙、タイル、煉瓦、コンクリート、ネジ、目地等の建築材料;衣装ケース、テント、シート、ごみ箱等の日曜雑貨品;トイレタリー用品;各種コーティング材、塗料及び接着剤等がある。
以下に実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明する。
層状珪酸塩の結晶性および、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つが層間に担持されたかどうかの確認は、粉末X線回折装置(リガク社製RINT2400V型)によりX線40kv/150mAの条件でCuKα線による粉末X線回折測定を行い、得られた粉末X線回折図から確認した。この測定条件で、2θ=5.0〜6.3°に表れる回折ピークは層状珪酸塩における面間隔d=14.0〜17.7オングストロームの層間隔の(002)面の結晶面を意味する。
<平均粒径の測定>
耐久性害虫忌避剤の粒度分布と平均粒径の測定は耐久性害虫忌避剤を脱イオン水に分散し、70Wの超音波で2分以上処理を行った後、レーザー回折式粒度分布計で測定し、結果を体積基準で解析した。なお、粒度分布の含有率%は、この解析方法から全粒子中の体積%を意味するが、耐久性害虫忌避剤の密度が一定であるので、質量%と同じ意味を持つ。具体的にはマルバーン社製レーザー回折式粒度分布測定装置「MS2000」により測定した。
(参考例1)層状珪酸塩Aの調製
0.1mol/リットル濃度のCaCl2水溶液1.0Lに、層状珪酸塩であるナトリウム型フッ素置換合成雲母Na0.5(Mg2.5Na0.5)(Si410)F2 100.0gを加え60℃で4時間撹拌(300rpm)を行い懸濁させ、層状珪酸塩のイオン交換性ナトリウムイオンをカルシウムイオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で濾液の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、ついで115℃で2時間乾燥、粉砕して平均粒径5μmである層状珪酸塩A(構造式:Ca0.25(Mg2.5Na0.5)(Si410)F2)を得た。
(参考例2)層状珪酸塩Bの調製
0.1mol/リットル濃度のZnCl2水溶液1.0Lに、層状珪酸塩であるナトウム型フッ素置換合成雲母Na0.5(Mg2.5Na0.5)(Si410)F2)100.0gを加え、60℃で4時間撹拌(300rpm)を行い懸濁させ、層状珪酸塩のイオン交換性ナトリウムイオンを亜鉛イオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で濾液の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、ついで115℃で2時間乾燥、粉砕して平均粒径5μmである層状珪酸塩B(構造式:Zn0.25(Mg2.5Na0.5)(Si410)F2)を得た。
(参考例3)層状珪酸塩Cの調製
0.1mol/リットル濃度のCaCl2水溶液1.0Lに、層状珪酸塩であるナトリウム型合成ヘクトライト(構造式:Na0.33(Mg2.67Li0.33)(Si410)(OH)2)100.0gを加え、60℃で4時間撹拌(300rpm)を行い懸濁させ、層状珪酸塩のイオン交換性ナトリウムイオンをカルシウムイオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で濾液の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、ついで115℃で2時間乾燥、粉砕して平均粒径6μmである層状珪酸塩C(構造式:Ca0.165(Mg2.67Li0.33)(Si410)(OH)2)を得た。
(参考例4)層状珪酸塩Dの調製
0.1mol/リットル濃度のMgCl2・6H2O水溶液1.0Lに、層状珪酸塩であるナトリウム型フッ素置換合成雲母100.0gを加え、60℃で4時間撹拌(300rpm)を行い懸濁させ、層状珪酸塩のイオン交換性ナトリウムイオンをマグネシウムイオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で濾液の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、ついで115℃で2時間乾燥、粉砕して平均粒径5μmである層状珪酸塩D(構造式:Mg0.25(Mg2.5Na0.5)(Si410)F2)を得た。
(参考例5)層状珪酸塩Eの調製
0.1mol/リットル濃度のAlCl3・6H2O水溶液1.0Lに、層状珪酸塩であるナトリウム型フッ素置換合成雲母100.0gを加え、60℃で4時間撹拌(300rpm)を行い懸濁させ、層状珪酸塩のイオン交換性ナトリウムイオンをアルミニウムイオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で濾液の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、ついで115℃で2時間乾燥、粉砕して平均粒径5μmであるアルミニウム型層状珪酸塩(構造式:Al0.5/3(Mg2.5Na0.5)(Si410)F2)を得た。
(参考例6)層状珪酸塩Fの調製
0.1mol/リットル濃度のCaCl2水溶液1.0Lに、層状珪酸塩であるモンモリロナイト精製物(構造式:(Na,Ca)0.33(Al1.67Mg0.33)(Si410)(OH)2)100.0gを加え、60℃で4時間撹拌(300rpm)を行い懸濁させ、層状珪酸塩のイオン交換性ナトリウムイオンをカルシウムイオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で濾液の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、ついで115℃で2時間乾燥、粉砕して平均粒径2μmであるカルシウム型層状珪酸塩C(構造式:Ca0.165(Al1.67Mg0.33)(Si410)(OH)2)を得た。
(参考例7)層状珪酸塩Jの調製
0.1mol/リットル濃度のCaCl2水溶液1.0Lに、層状珪酸塩であるモンモリロナイト精製物(構造式:Na0.33Mg3(Si3.67Al0.3310)(OH)2)100.0gを加え、60℃で4時間撹拌(300rpm)を行い懸濁させ、層状珪酸塩のイオン交換性ナトリウムイオンをカルシウムイオンに置換した。得られた懸濁液をイオン交換水で濾液の電導度が100μS/cm以下となるまで洗浄し、ついで115℃で2時間乾燥、粉砕して平均粒径7μmであるカルシウム型層状珪酸塩D(構造式:Ca0.165Mg3(Si3.67Al0.3310)(OH)2)を得た。
[実施例1−1]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド0.32g(2mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−1を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=6.74°(d=13.1オングストローム)に、強度が16000cpsのピークを有した。
CHN元素分析計(柳本製作所製MT−5型)を用いて、耐久性害虫忌避剤1−1を酸素/He混合ガス中950℃で燃焼させたガスの分析結果から含有窒素分を求め、窒素分がN,N−ジエチル−m−トルアミドに由来するとして分子量をかけて計算したところ、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量は、3.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。
また、熱分析によって、担持されたN,N−ジエチル−m−トルアミドが、耐熱性を獲得していることを確認した。熱分析はセイコーインスツルメンツ製TG/DTA220型を用い、空気雰囲気、測定温度は30℃〜600℃、昇温速度は20℃/分とした。測定を空気中で行ったので、揮発や酸化分解も含めたトータルでの空気中での耐熱性が評価されるうえ、比表面積の大きな多孔体の表面に付着しているだけのN,N−ジエチル−m−トルアミドは比較的低温で酸化分解されて重量が減少することが考えられるのに対して、無機層状化合物の層間に隙間なく詰まったN,N−ジエチル−m−トルアミドは揮発も酸化分解もし難く、より高い温度まで重量が保たれることが期待される。例えば図3と図4の比較から明らかなように、担持された薬剤が急激に失われる変曲点の温度を見るだけでも、本発明の耐久性害虫忌避剤の耐熱性が高いことは明らかだが、数字で比較し易いように、担持された薬剤成分の1/3が減量した温度を熱分析の測定結果から読み取って「耐熱性」として表1に示した。
[実施例1−2]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド0.53g(3mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−2を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.82°(d=15.2オングストローム)に、強度が22500cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、5.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[実施例1−3]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.1g(6mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−3を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.82°(d=15.2オングストローム)に、強度が44000cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、10.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[実施例1−4]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−4を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.82°(d=15.2オングストローム)に、強度が66000cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[実施例1−5]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド2.1g(13mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−5を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=4.74°(d=18.6オングストローム)に、強度が79000cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、20.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[実施例1−6]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、エタノール0.5gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.1g(6mmol)を添加し、乳鉢でよく混合し、90℃で1時間乾燥して、耐久性害虫忌避剤1−6を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.80°(d=15.2オングストローム)に、強度が23500cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、10.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[実施例1−7]
参考例2で得た層状珪酸塩B 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.1g(6mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−7を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.74°(d=15.4オングストローム)に、強度が70000cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、10.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[実施例1−8]
参考例2で得た層状珪酸塩B 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−8を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.74°(d=15.4オングストローム)に、強度が66000cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[実施例1−9]
参考例2で得た層状珪酸塩B 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド2.1g(13mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−9を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.04°(d=17.5オングストローム)に、強度が32000cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、20.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[実施例1−10]
参考例3で得た層状珪酸塩C 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤1−10を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.36°(d=16.5オングストローム)に、強度が1700cpsのピークを有した。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−1]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、N,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−1を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=7.06°(d=12.5オングストローム)に、強度が12000cpsのピークを有した。このdは、N,N−ジエチル−m−トルアミドを添加する前の層状珪酸塩Aの粉末X線測定の結果と同一であり、添加したN,N−ジエチル−m−トルアミドは層状珪酸塩Aの層間には全く入っていないことを意味する。しかし、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致したことから、N,N−ジエチル−m−トルアミドは層状珪酸塩Aの表面に付着していることが示唆される。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。この時の熱分析のチャートを図4に示したが、同じ担持量15%の実施例1−8の熱分析チャート(図3)と比較すれば差は歴然としており、表1の耐熱性の値にも差が現れている。
[比較例1−2]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、ヘキサン0.5gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、90℃で2時間乾燥して、比較害虫忌避剤1−2を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=7.06°(d=12.5オングストローム)に、強度が5000cpsのピークを有した。このdは、N,N−ジエチル−m−トルアミドを添加する前の層状珪酸塩Aの粉末X線回折図形と同一であり、添加したN,N−ジエチル−m−トルアミドは層状珪酸塩Aの層間には全く入っていないことを意味する。しかし、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致したことから、N,N−ジエチル−m−トルアミドは層状珪酸塩Aの表面に付着していることが示唆される。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−3]
層状珪酸塩であるナトリウム型フッ素置換合成雲母(コープケミカル製、ソマシフME−100:NaMg2.5(Si4O10)F2)10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−3を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=7.06°(d=12.5オングストローム)に、強度が2000cpsのピークを有した。、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−4]
参考例4で得た層状珪酸塩D 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−4を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.04°(d=17.5オングストローム)に、強度が12000cpsのピークを有した。このdは、N,N−ジエチル−m−トルアミドを添加する前の層状珪酸塩Dの粉末X線回折図形と同一であり、添加したN,N−ジエチル−m−トルアミドは層状珪酸塩Dの層間には全く入っていないことを意味する。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−5]
参考例5で得た層状珪酸塩E 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−5を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.66°(d=15.6オングストローム)に、強度が12000cpsのピークを有した。このdは、N,N−ジエチル−m−トルアミドを添加する前の層状珪酸塩Eの粉末X線回折図形と同一であり、添加したN,N−ジエチル−m−トルアミドは層状珪酸塩Eの層間には全く入っていないことを意味する。実施例1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−6]
参考例6で得た層状珪酸塩F 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−6を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.8°(d=15.2オングストローム)に、強度が68000cpsのピークを有した。このdは、N,N−ジエチル−m−トルアミドを添加する前の層状珪酸塩Fの粉末X線回折図形と同一であり、添加したN,N−ジエチル−m−トルアミドは層状珪酸塩Fの層間には全く入っていないことを意味する。実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−7]
参考例7で得た層状珪酸塩J 10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−7を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.16°(d=17.1オングストローム)に、強度が900cpsのピークを有した。このdは、N,N−ジエチル−m−トルアミドを添加する前の層状珪酸塩Jの粉末X線回折図形と同一であり、添加したN,N−ジエチル−m−トルアミドは層状珪酸塩Jの層間には全く入っていないことを意味する。実施例1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−8]
シリカゲル10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−8を得た。比較害虫忌避剤1−8では、粉末X線回折測定を行わなかったが、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−9]
Y型ゼオライト(Na0.58Al0.58Si1.34O3.84・2.5H2O)を350℃で24時間加熱処理して、窒素中で常温になるまで放置した。このもの10.0gに対して、N,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−9を得た。比較害虫忌避剤1−9では、粉末X線回折測定を行わなかったが、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、30.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−10]
合成ハイドロタルサイト(Mg2.5Al2(OH)13・CO3・mH2O)を350℃で24時間加熱処理して、窒素中で常温になるまで放置した。このもの10.0gに対して、N,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−10を得た。比較害虫忌避剤1−10では、粉末X線回折測定を行わなかったが、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、30.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−11]
ケイ酸アルミニウム(協和化学製、キョーワード700:Al2O3・9SiO2・H2O)10.0gに対し、脱イオン水0.2gとN,N−ジエチル−m−トルアミド1.7g(9mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤1−11を得た。比較害虫忌避剤1−11では、粉末X線回折測定を行わなかったが、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、15.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−12]
脱イオン水100mlにピレスロイド化合物であるα−シアノ−3−フェノキシベンジルd−シス/トランス−クリサンテマ−トを0.4g、ポリオキシエチレンオクチルエ−テル30gを溶解し、無機層状化合物のα−リン酸ジルコニウムを1gを加えた後40℃で48時間振盪した。その後、固相を濾別し、脱イオン水によって未反応の薬剤を洗浄した後150℃で2時間乾燥し、α―リン酸ジルコニウムに23質量%のα−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマ−トが担持された比較害虫忌避剤1−12を得た。比較害虫忌避剤1−12では、粉末X線回折測定を行わなかったが、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、23.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−13]
ジメチルスルフィド100mlに実施例1−1と同じα−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマ−トを0.4gを溶解し、銅を重量で13%含有する銅置換α−リン酸ジルコニウムを1gを加えた後40℃で48時間振盪した。その後、固相を濾別し、ジメチルスルフィドによって未反応の薬剤を洗浄した後150℃で2時間乾燥し、銅型リン酸ジルコニウムに20質量%のα−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマ−トが担持された比較害虫忌避剤1−13を得た。比較害虫忌避剤1−13では、粉末X線回折測定を行わなかったが、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、20.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較例1−14]
参考例1で得た層状珪酸塩A 42.5gにピレスロイド化合物として1−エチニル−2−メチル−ペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマ−トを7.5g加え、ボ−ルミルで24時間混合した後、120℃で2時間加熱し、その後室温に冷却した。得られた複合体をアセトニトリルで洗浄し、100℃で真空乾燥し1−エチニル−2−メチル−ペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマ−トを11質量%含む比較害虫忌避剤1−14を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=7.06°(d=12.5オングストローム)に、強度が10000cpsのピークを有した。このdは、1−エチニル−2−メチル−ペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマ−トを添加する前の層状珪酸塩Aの粉末X線回折図形と同一であり、添加した1−エチニル−2−メチル−ペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマ−トは層状珪酸塩Aの層間には全く入っていないことを意味する。また、実施例1−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有窒素分を測定し、N,N−ジエチル−m−トルアミドの担持量を算出したところ、11.0質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表1に示した。
[比較参考例1−1]
害虫忌避薬剤として用いたN,N−ジエチル−m−トルアミドを比較参考例1−1とした。N,N−ジエチル−m−トルアミドは液体であり、無機物を併用しないので粉末X線回折測定は行わなかった。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求めた結果を表1に示した。
<樹脂成形性の評価>
実施例1−1〜1−10で調製した耐久性害虫忌避剤と、比較例1−1〜1−14で調製した比較害虫忌避剤および比較参考例1−1をポリエチレン樹脂(日本ユニカー製PE−NUC−8350)に混合した。例えば実施例1−1の耐久性害虫忌避剤は、害虫忌避剤薬剤の担持量3質量%であるので、表2に示す樹脂組成物中の忌避剤添加量が5%のとき、害虫忌避剤薬剤の添加量は0.15質量%と算出され、樹脂組成物中の忌避剤添加量が10%のとき、害虫忌避剤薬剤の添加量は0.3質量%と算出される。
こうして、樹脂組成物中の、害虫忌避剤薬剤の添加量が0.3質量%または0.15%、0.6%になるように、樹脂組成物への各忌避剤の添加量を調整して樹脂組成物を製造し、平面プレートを射出成形し、樹脂に練り込みが可能かどうか評価した。成形には名機製作所製M−50A(II)−DMを用い、成形温度250℃で、10cm四方、厚さ2mmのプレートを成形した。また、5分間滞留し、成型時に発泡、異臭、変色などがないかを確認した。結果を表2に示す。
比較例1−12〜1−14で調製した害虫忌避性樹脂組成物については、ポリエチレン樹脂に害虫忌避剤薬剤として0.3%になるように添加して成形し、同様の評価を行った。また、何も添加しないで同様に成形したプレートを作製し、比較参考例1−2とした。
<忌避性能の評価>
実施例1−1〜1−10及び比較例1−1〜1−14で調製した害虫忌避剤および比較参考例1−1を、それぞれポリエチレン樹脂(日本ユニカー製PE−NUC−8350)に害虫忌避薬剤が、樹脂組成物全体の0.3質量%となるように添加して成形したプレートを直径4cm弱の円状に切り取り、防ダニ性の試験を行った。試験は、JIS L 1920「繊維製品の防ダニ性能試験方法」に基づき、侵入阻止法で行った。防ダニ性試験の結果(忌避率)を表2に示す。
<忌避性能持続性評価>
実施例1−1〜1−10及び比較例1−1〜1−14で調製した害虫忌避剤および比較参考例1−1を、それぞれポリエチレン樹脂(日本ユニカー製PE−NUC−8350)に害虫忌避剤成分で0.3%添加して成形したプレートを、81℃の乾燥機内で48時間保持した。これを直径4cm弱の円状に切り取り、防ダニ性の試験を行った。試験は、JIS L 1920「繊維製品の防ダニ性能試験方法」に基づき、侵入阻止法で行った。防ダニ性試験の結果(忌避率)を表2に示す。
<忌避性能の耐水持続性評価>
実施例1−1〜1−10及び比較例1−1〜1−14で調製した害虫忌避剤および比較参考例1−1を、それぞれポリエチレン樹脂(日本ユニカー製PE−NUC−8350)に、樹脂に対して0.3質量%添加した害虫忌避性樹脂組成物を用いて平面プレートを射出成形した。この平面プレートを50℃の温水に16時間浸漬して耐水持続性試験を行った。試験後の平面プレートを直径4cm弱の円盤状に切り取り、防ダニ性の試験を行った。試験は、JIS L 1920「繊維製品の防ダニ性能試験方法」に基づき、侵入阻止法で行った。防ダニ性試験の結果(忌避率)を表2に示す。
<害虫忌避剤の性状>
Figure 0005403062
表1中で「−」は測定をしていないことを表す。
<害虫忌避性樹脂組成物の性能>
Figure 0005403062
表2中で「−」は測定をしていないことを表す。
[実施例2−1]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル0.53g(2mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤2−1を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.84°(d=15.1オングストローム)に、強度が88000cpsのピークを有した。
CHN元素分析計(柳本製作所製MT−5型)を用いて、耐久性害虫忌避剤2−1を酸素/He混合ガス中950℃で燃焼させたガスの分析結果から含有炭素分を求め、炭素分が1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルに由来するとして分子量をかけて計算したところ、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量は、5質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。
また、熱分析によって、担持された1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルが、耐熱性を獲得していることを確認した。熱分析はセイコーインスツルメンツ製TG/DTA220型を用い、空気雰囲気、測定温度は30℃〜600℃、昇温速度は20℃/分とした。測定を空気中で行ったので、揮発や酸化分解も含めたトータルでの空気中での耐熱性が評価されるうえ、比表面積の大きな多孔体の表面に付着しているだけの1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは比較的低温で酸化分解されて重量が減少することが考えられるのに対して、無機層状化合物の層間に隙間なく詰まった1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは揮発も酸化分解もし難く、より高い温度まで重量が保たれることが期待される。例えば図7と図8の比較から明らかなように、担持された薬剤が急激に失われる変曲点の温度を見るだけでも、本発明の耐久性害虫忌避剤の耐熱性が高いことは明らかだが、数字で比較し易いように、担持された薬剤成分の1/3が減量した温度を熱分析の測定結果から読み取って「耐熱性」として表3に示した。
[実施例2−2]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.1g(5mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤2−2を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.82°(d=15.2オングストローム)に、強度が120000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、10質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−3]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.7g(8mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤2−3を得た。この粉末X線回折を測定したところ、2θ=5.26°(d=16.8オングストローム)に、強度が120000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、15質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−4]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル2.5g(10mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−4を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=5.26°(d=16.8オングストローム)に、強度が92000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、20質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−5]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル3.3g(14mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−5を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=5.18°(d=17.0オングストローム)に、強度が80000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、25質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−6]
参考例1で得た層状珪酸塩B 10.0gに対し、純水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル0.53g(2mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−6を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=5.98°(d=14.8オングストローム)に、強度が31000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、5質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−7]
参考例2で得た層状珪酸塩B 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.1g(5mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−7を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=5.98°(d=14.8オングストローム)に、強度が70000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、10質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−8]
参考例2で得た層状珪酸塩B 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.7g(8mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−8を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=5.98°(d=14.8オングストローム)に、強度が75000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、15質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−9]
参考例2で得た層状珪酸塩B 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル2.5g(10mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−9を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=4.78°(d=18.5オングストローム)に、強度が70000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、20質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−10]
参考例3で得た層状珪酸塩C 10.0gに対し、脱イオン水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル3.3g(14mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−10を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=4.66°(d=18.9オングストローム)に、強度が150000cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、25質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−11]
参考例3で得た層状珪酸塩C10.0gに対し、純水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.1g(5mmol)をそれぞれ添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−11を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=5.84°(d=15.1オングストローム)に、強度が4200cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、10質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[実施例2−12]
参考例3で得た層状珪酸塩C10.0gに対し、純水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.7g(8mmol)をそれぞれ添加し、乳鉢でよく混合して、害虫忌避剤2−12を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=5.56°(d=15.9オングストローム)に、強度が5200cpsのピークを有した。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、15質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[比較例2−1]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.7g(8mmol)をそれぞれ添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避剤2−1を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=7.06°(d=12.5オングストローム)に、強度が12000cpsのピークを有した。このdは、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルを添加する前の層状珪酸塩Aの粉末X線測定の結果と同一であり、添加した1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは層状珪酸塩Aの層間には全く入っていないことを意味する。しかし、実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、15質量%であり、添加量から計算される担持量と一致したことから、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは層状珪酸塩Aの表面に付着していることが示唆される。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。この時の熱分析のチャートを図8に示したが、実施例2−7の熱分析チャート(図7)と比較すれば差は歴然としており、表3の耐熱性の値にも差が現れている。
[比較例2−2]
参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに対し、ヘキサン0.5gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.7g(8mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、90℃で2時間乾燥して、比較害虫忌避剤2−2を得た。このものの粉末X線回折を行ったところ、2θ=7.06°(d=12.5オングストローム)に、強度が10000cpsのピークを有した。このdは、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルを添加する前の層状珪酸塩Aの粉末X線測定の結果と同一であり、添加した1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは層状珪酸塩Aの層間には全く入っていないことを意味する。しかし、実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、15質量%であり、添加量から計算される担持量と一致したことから、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルは層状珪酸塩Aの表面に付着していることが示唆される。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[比較例2−3]
シリカゲル10.0gに対し、純水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.7g(8mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避組成物3を得た。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、15質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[比較例2−4]
ケイ酸アルミニウム(協和化学製、キョーワード700)10.0gに対し、純水0.2gと1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル1.7g(8mmol)を添加し、乳鉢でよく混合して、比較害虫忌避組成物4を得た。実施例2−1と同様に、CHN元素分析計を用いて含有炭素分を測定し、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの担持量を算出したところ、15質量%であり、添加量から計算される担持量と一致した。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求め、表3に示した。
[比較参考例2−1]
防虫成分として用いた1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルを比較参考例2−1とした。無機物を併用しないので粉末X線回折測定は行わなかった。また、熱分析を行って耐熱性の数字を求めた結果を表3に示した。
<樹脂成形性の評価>
実施例2−1〜2−12で調製した耐久性害虫忌避剤と、比較例2−1〜2−4で調製した比較害虫忌避剤および比較参考例2−1をポリエチレン樹脂(日本ユニカー製PE−NUC−8350)に混合した。例えば実施例2−1の耐久性害虫忌避剤は、害虫忌避剤薬剤の担持量が5質量%であるので、表4に示す樹脂組成物中の忌避剤添加量が3%のとき、害虫忌避剤薬剤の添加量は0.15質量%と算出され、樹脂組成物中の忌避剤添加量が10%のとき、害虫忌避剤薬剤の添加量は0.3質量%と算出される。
こうして、樹脂組成物中の、害虫忌避剤薬剤の添加量が0.1質量%〜0.9質量%の各濃度になるように、樹脂組成物への各忌避剤の添加量を調整して樹脂組成物を製造し、平面プレートを射出成形し、樹脂に練り込みが可能かどうか評価した。成形には名機製作所製M−50A(II)−DMを用い、成形温度250℃で、10cm四方、厚さ2mmのプレートを成形した。また、5分間滞留し、成型時に発泡、異臭、変色などがないかを確認した。結果を表4に示す。また、何も添加しないで同様に成形したプレートを作製し、比較参考例2−2とした。
<忌避性能の評価>
実施例2−1〜2−4で調製した耐久性害虫忌避剤と、比較例2−1〜2−4で調製した比較害虫忌避剤および比較参考例1を、それぞれポリエチレン樹脂(日本ユニカー製PE−NUC−8350)に害虫忌避剤成分として全体の0.3質量%添加して成形したプレートを直径4cm弱の円状に切り取り、防ダニ性の試験を行った。試験は、JIS L 1920「繊維製品の防ダニ性能試験方法」に基づき、侵入阻止法で行った。防ダニ性試験の結果(忌避率)を表4に示す。
<忌避性能持続性評価>
実施例2−1〜2−12で調製した耐久性害虫忌避剤と、比較例2−1〜2−4で調製した比較害虫忌避剤および比較参考例2−1を、それぞれポリエチレン樹脂(日本ユニカー製PE−NUC−8350)に害虫忌避剤成分で0.3%添加して成形したプレートを、81℃の乾燥機内で48時間保持した。これを直径4cm弱の円状に切り取り、防ダニ性の試験を行った。試験は、JIS L 1920「繊維製品の防ダニ性能試験方法」に基づき、侵入阻止法で行った。防ダニ性試験の結果(忌避率)を表4に示す。
<忌避性能の耐水持続性評価>
実施例2−1〜2−12で調製した耐久性害虫忌避剤と、比較例2−1〜2−4で調製した比較害虫忌避剤および比較参考例2−1を、それぞれポリエチレン樹脂(日本ユニカー製PE−NUC−8350)に、樹脂に対して0.3質量%添加した害虫忌避性樹脂組成物を用いて平面プレートを射出成形した。この平面プレートを50℃の温水に16時間浸漬して耐水持続性試験を行った。試験後の平面プレートを直径4cm弱の円盤状に切り取り、防ダニ性の試験を行った。試験は、JIS L 1920「繊維製品の防ダニ性能試験方法」に基づき、侵入阻止法で行った。防ダニ性試験の結果(忌避率)を表4に示す。
<害虫忌避剤の性状>
Figure 0005403062
表3中で「−」は測定をしていないことを表す。
<害虫忌避性樹脂組成物の性能>
Figure 0005403062

表4中で「−」は測定をしていないことを表す。
表1〜4から、本発明の耐久性害虫忌避剤は、耐熱性に優れ、樹脂に練り込みが可能であり、樹脂組成物は害虫忌避性能に優れ、かつ害虫忌避効果の持続性に優れていることがわかる。
[実施例3−1]
実施例1−2で得られた耐久性害虫忌避剤1−2と、実施例2−1で得られた耐久性害虫忌避剤2−1とを等重量に混合したものを耐久性害虫忌避剤3−1として、害虫忌避薬剤の合計が、樹脂組成物全体の0.3質量%となるように実施例1−2と同様に成形したプレートを用いて、防ダニ性の試験、忌避性能持続性評価、忌避性能の耐水持続性評価を行い、結果を表5に示した。
[実施例3−2]
N,N−ジエチル−m−トルアミド0.27g(1.5mmol)と1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル0.27g(1mmol)との混合物を脱イオン水0.2gに添加した後、参考例1で得た層状珪酸塩A 10.0gに加えて乳鉢でよく混合して、耐久性害虫忌避剤3−2を得た。これを耐久性害虫忌避剤3−1と同様に、防ダニ性の試験、忌避性能持続性評価、忌避性能の耐水持続性評価を行い、結果を表5に示した。
<害虫忌避性樹脂組成物の性能>
Figure 0005403062
表5の結果は、害虫忌避薬剤として、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの混合物を使用して耐久性害虫忌避剤を製造したとき、樹脂組成物の耐水試験後、あるいは耐熱試験後の性能は、別々の耐久性害虫忌避剤を併用する場合にくらべて優れていることを示した。
また、本発明とは担持方法が異なったり、担持体が異なるものでは、成形時の耐熱性や害虫忌避性能の持続性のいずれかが劣っており、樹脂に練り込んで使用できないことがわかる。
本発明の耐久性害虫忌避剤は、耐熱性、持続性共に優れているので、樹脂に練り込み可能である。合成繊維への練り込み、衣類、ネット、網戸、カーペット、カーテンや、衣装ケース、テント、シート、家電製品、農具などに使用可能である。
図1、図2、図5、図6の横軸はX線回折角度2θ(単位 °)、縦軸は回折強度(単位 cps)を示す。
図3、図4、図7、図8の横軸は温度(単位 ℃)、縦軸は熱重量変化(単位 %)を示し、昇温開始温度(30℃)での害虫忌避剤の重量に対する熱重量減少率に対応する。


Claims (7)

  1. N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを必須成分とする害虫忌避薬剤を、下記式[1]で示される層状珪酸塩の層内に担持させた耐久性害虫忌避剤。

    (M1a〔Mgb,(M2c〕(Si410)(A)2 [1]

    ただし、(M1)はCaおよび/またはZnであり、(M2)はLiおよび/またはNaであり、(A)はFおよび/またはOHを意味する。
    また、2a+2b+c=6であり、0.001<c≦0.55である。
  2. 層状珪酸塩の粉末X線回折図形において、層間隔を示す(002)面のピークが、2θ=5.0°〜6.3°の範囲内にある請求項1に記載の耐久性害虫忌避剤。
  3. 層状珪酸塩が下記式[2]で示される白色物質である請求項1または2に記載の耐久性害虫忌避剤。

    (M1a〔Mgb,(Na)c〕(Si410)F2 [2]

    ただし、(M1)はCaおよび/またはZnであり、2a+2b+c=6であり、0.001<c≦0.55である。
  4. 層状珪酸塩が下記式[3]で示される白色物質である請求項1または2に記載の耐久性害虫忌避剤。

    (M1a〔Mgb,(Li)c〕(Si410)(A)2 [3]

    ただし、(M1)はCaおよび/またはZnであり、(A)はFおよび/またはOHを意味する。また、2a+2b+c=6であり、0.001<c≦0.55である。
  5. 層状珪酸塩1gに対するN,N−ジエチル−m−トルアミド、並びに1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステルの合計担持量が、0.3〜1.2mmolである請求項1〜4のいずれかに記載の耐久性害虫忌避剤。
  6. 層状珪酸塩に対して、0.5〜5質量%の脱イオン水と、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、N,N−ジエチル−m−トルアミドおよび1−ピペリジンカルボン酸−2−(2−ヒドロキシエチル)−1−メチルプロピルエステル、の中から選択されるいずれか一つを添加して、混合する、請求項1〜5のいずれかに記載の耐久性害虫忌避剤の製造方法。



  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の耐久性害虫忌避剤を含有することを特徴とする害虫忌避性樹脂組成物。
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