JP2008024670A - 害虫駆除剤 - Google Patents

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小百合 横田
Shigemi Miyamoto
茂実 宮本
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Abstract

【課題】安全性が高く、優れた害虫忌避及び防除効果を示す害虫駆除剤を提供する。
【解決手段】式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物を有効成分とする害虫駆除剤である。
Figure 2008024670

【選択図】なし

Description

本発明は、害虫駆除剤に関する。更に詳しくは、本発明は、式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物を有効成分とする害虫駆除剤に関するものである。
従来、害虫対策には、ナフタリン、p−ジクロルベンゼン等の昇華性化合物、ペルメトリン、フェネトリン等のピレスロイド系化合物、フタル酸エステル、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド(DEET)等の害虫忌避剤が使用されてきた。
しかしながら、環境や人体に対する安全性を考慮した場合、天然に存在する物質を有効成分とすることが望ましい。
天然存在する物質として各種精油類が試され、ホースラディシュ油を用いた衣料用防虫剤(例えば、特許文献1)、ペニーロイヤル油を用いた衣料用防虫剤(例えば、特許文献2)等が提案されてきた。
これらの防虫剤は、天然精油を用いているため、安全性については特に問題はないが、害虫に対する効果は十分とはいえない。
特開平11−228323号公報 特開2000−51587号公報
本発明は、安全性が高く、優れた害虫忌避効果及び防除(殺虫)効果を示す新規な害虫駆除剤を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、安全性が高く、優れた害虫忌避及び防除効果を示す新規な害虫駆除剤を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のビシクロラクトン系化合物が、安全性が高く、かつ優れた害虫駆除活性を有することを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、
1.式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物を有効成分とする害虫駆除剤、
Figure 2008024670
2.鞘翅目害虫であるゾウムシ、網翅目害虫であるチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ、鱗翅目害虫であるノシメマダラメイガ、スジマダラメイガ、コナマダラメイガ、室内塵性ダニであるコナダニ、ヒョウヒダニ、チリダニ、ツメダニ、イエダニの忌避剤である上記1に記載の害虫駆除剤、
3.ノシメマダラメイガの忌避剤である上記2に記載の害虫駆除剤、
4.チョコレート用包装材に用いる上記3に記載の害虫駆除剤、
5.室内塵性ダニの殺ダニ剤である上記1に記載の害虫駆除剤
を提供するものである。
本発明の害虫駆除剤は、鞘翅目害虫、網翅目害虫、網翅目害虫及び鱗翅目害虫の忌避剤として有効であると共に安全性が高い。更に、本発明の害虫駆除剤は、室内塵性ダニの忌避剤として、又、有効成分の濃度が高いときは殺ダニ剤として有効であると共に安全性が高い。
本発明の害虫駆除剤は、式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物を有効成分とするものである。
本発明の害虫駆除剤とは、害虫忌避剤及び防除(殺虫)剤を意味する。
本発明の式(A)の化合物は立体異性体を包含するものであり、その代表的異性体としては、ジヒドロネぺタラクトンが挙げられる。
また、本発明の式(B)の化合物は立体異性体を包含するものであり、その代表的異性体としては、マタタビラクトンが挙げられる。
上記ジヒドロネぺタラクトン立体異性体の混合物及びマタタビラクトン立体異性体の混合物は、共にマタタビ(Actinidia Polygama)等の植物中に見出されるラクトン系化合物である〔Bull.Chem.Soc.Jpn.53,3683−3686(1980)〕であることが知られている。
また、マタタビラクトン立体異性体の混合物は、アルゼンチンアリ(Iridomyrmex Humilis Mayr)の肛門腺の分泌物から得られたイリドミルメシンとイソイリドミルメシンの混合物〔目、村井、礒江、玄、林、日本化学雑誌、90、507−528(169)〕であることが知られている。
従って、ジヒドロネぺタラクトン立体異性体の混合物及びマタタビラクトン立体異性体の混合物は、上記天然物から抽出、精製して本発明に用いることができる。
また、ジヒドロネぺタラクトン立体異性体の混合物は、ネペタラクトンを酸化白金触媒、パラジウム触媒等の存在下、水素添加することにより合成することができる。
式(A)の化合物及び式(B)の化合物の混合物は、以下に示す反応式(式中、R1はメチル基、エチル基又はトリクロロエチル基、R2はメチル基又はエチル基を示す。)に従い、(A)〜(G)工程によって合成することができる。
Figure 2008024670
[(A)工程]
この工程は、シクロペンテン誘導体(化合物1)を脱ブトキシカルボニル化して、2−アルコキシカルボニル−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(化合物2)を得る工程である。
脱ブトキシカルボニル化反応は、ベンゼンやトルエンなどの適当な溶媒中において、シクロペンテン誘導体(化合物1)を、p−トルエンスルホン酸などの酸の存在下に80〜100℃程度の温度で加熱処理することにより、実施することができる。
反応終了液を中和・水洗後、溶媒を留去した後、減圧蒸留に付すことにより、2−アルコキシカルボニル−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(化合物2)を得ることができる。
[(B)工程]
この工程は、前記(A)工程で得られた2−アルコキシカルボニル−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(化合物2)を水素添加して、2−アルコキシカルボニル−3−メチルシクロペンタン−1−オン(化合物3)を得る工程である。
水素添加反応は、アルコール系溶媒などの適当な溶媒中において、Pd/C触媒などの水素添加触媒の存在下、例えば、常圧で20〜30℃程度の温度にて水素添加することにより、実施することができる。
反応終了後、触媒をろ過し、溶媒を留去した後、減圧蒸留に付すことにより、2−アルコキシカルボニル−3−メチルシクロペンタン−1−オン(化合物3)を得ることができる。
[(C)工程]
この工程は、前記(B)工程で得られた2−アルコキシカルボニル−3−メチルシクロペンタン−1−オン(化合物3)に、シアノ酢酸アルキルエステル(エステル部分のアルキル基:メチル基又はエチル基)を反応させて、2−(シアノ−アルコキシカルボニルメチレン)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物4)を得た後、水素添加して2−(シアノ−アルコキシカルボニルメチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物5)を得る工程である。
化合物3とシアノ酢酸アルキルエステルとの反応は、例えば、化学量論的量より若干過剰量のシアノ酢酸アルキルエステルを用い、ピペリジンなどの触媒の存在下に室温で反応させることにより実施される。
反応終了後、エーテルなどの有機溶媒と水を加え、酸性にした後、有機層を分取し、洗浄した後、溶媒を留去すると2−(シアノ−アルコキシカルボニルメチレン)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物4)が得られる。
次いで、この化合物4を、エタノールなどのアルコール系溶媒中において、Pd/Cなどの水素添加触媒の存在下、例えば、常圧で、20〜30℃程度の温度で水素添加反応を行う。
反応終了後、触媒をろ過し、溶媒を留去した後、減圧蒸留に付すことにより、2−(シアノ−アルコキシカルボニルメチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物5)を得ることができる。
[(D)工程]
この工程は、前記(C)工程で得られた2−(シアノ−アルコキシカルボニルメチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物5)のシアノ−アルコキシカルボニルメチル基にメチル基を導入して、2−(1−シアノ−1−アルコキシカルボニルエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物6)を得る工程である。
メチル基の導入反応は、例えば、テトラヒドロフランなどの適当な溶媒中において、化合物5をNaHなどで処理した後、これに、ハロゲン化メチルなどのメチル化剤を30〜50℃程度の温度で反応させることにより、実施することができる。
反応終了後、溶媒を留去した後、残渣に水を加え、酸性にしてからエーテルなどの有機溶媒で抽出する。
抽出液を洗浄後、溶媒を留去することにより、2−(1−シアノ−1−アルコキシカルボニルエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物6)を得ることができる。
この化合物6は、精製することなく、次の反応に供してもよい。
[(E)工程]
この工程は、前記(D)工程で得られた2−(1−シアノ−1−アルコキシカルボニルエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物6)に、脱アルコキシカルボニル化処理を施して、2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物7)を得る工程である。
脱アルコキシカルボニル化処理は、例えば、化合物6を、ジメチルスルホキシドなどの適当な溶媒中、NaClの存在下、160〜200℃程度の温度で加熱処理する方法を用いることができる。
反応終了後、溶媒を留去した後、水を加え、更にエーテルなどの有機溶媒で抽出する。
抽出液を洗浄後、溶媒を留去し、減圧蒸留に付すことにより、2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物7)を得ることができる。
[(F)工程]
この工程は、前記(E)工程で得られた2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物7)を加水分解処理して、2−(1−カルボキシエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸(化合物8)を得た後、脱水反応させて4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1,3−ジオン(化合物9)を得る工程である。
加水分解処理は、例えば、プロピレングリコールなどの適当なアルコール系溶媒と水との混合溶媒中において、化合物7を水酸化アルカリなどの存在下に130〜150℃程度の温度で加熱することにより実施することができる。
反応終了後、酸性にしてから、トルエンなどの適当な溶媒で抽出処理し、抽出液を洗浄した後、溶媒を留去することにより、2−(1−カルボキシエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸(化合物8)が得られる。
次いで、この化合物8に、無水酢酸などの脱水剤を加え、130〜170℃程度の温度で加熱処理して脱水反応させた後、脱水剤を蒸留回収後、減圧蒸留に付すことにより、4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1,3−ジオン(化合物9)を得ることができる。
[(G)工程]
この工程は、前記(F)工程で得られた4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1,3−ジオン(化合物9)を還元処理して、4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1−オン〔式(A)の化合物〕及び4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−3−オン〔式(B)の化合物〕の混合物を得る工程である。
還元処理は、例えば、テトラヒドロフランなどの適当な溶媒中において、化合物9を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤により、0〜10℃程度の温度で還元処理する方法を用いることができる。
反応終了後、水を加え、酸性にした後、有機層を分取し、一方、水層は酢酸エチルなどの適当な溶媒で抽出処理し、得られた抽出層と前記有機層とを合一する。
次いで、これを洗浄後、溶媒を留去した後、減圧蒸留に付すことにより、式(A)の化合物と式(B)の化合物の混合物を得ることができる。
この混合物を精製することにより、式(A)の化合物と式(B)の化合物を分離することもできる。
更に、式(B)の化合物は、以下に示す反応式(式中、R1はメチル基、エチル基又はトリクロロエチル基)に従い、(A’)〜(B’)工程によって合成することができる。
Figure 2008024670
[(A’)工程]
この工程は、上記で得られた2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸アルキルエステル(化合物7)のアルキルエステル基を還元し、2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンチルメタノール(化合物10)を得る工程である。
還元処理は、例えば、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等を用いることにより、実施することができる。
反応終了後、酸性にしてから、酢酸エチルなどの適当な溶媒で抽出処理し、抽出液を洗浄した後、溶媒を留去し、減圧蒸留することにより、2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンチルメタノール(化合物10)が得られる。
[(B’)工程]
この工程は、前記(A’)工程で得られた2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンチルメタノール(化合物10)を加水分解閉環処理して、式(B)の化合物を得る工程である。
前記加水分解閉環処理は、例えば、プロピレングリコールなどの適当なアルコール系溶媒と水との混合溶媒中において、化合物10を水酸化アルカリなどの存在下に130〜150℃程度の温度で加熱することにより実施することができる。
反応終了後、酸性にしてから、トルエンなどの適当な溶媒で抽出処理し、抽出液を洗浄した後、溶媒を留去することにより、式(B)の化合物が得られる。
本発明の害虫駆除剤は、以下の害虫に卓効を示す。
本発明において、害虫駆除とは、害虫の忌避、及びダニの忌避及び/又は殺ダニを意味するものである。
鞘翅目害虫:コクゾウムシ等のゾウムシ類等
網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
鱗翅目害虫:ノシメマダラメイガ、スジマダラメイガ、コナマダラメイガ等
室内塵性ダニ類:コナダニ類、ヒョウヒダニ類、チリダニ類、ツメダニ類、イエダニ類等
鱗翅目害虫であるノシメマダラメイガは、穀類、穀粉やその製品、チョコレート、菓子、ペット飼料に年3〜4回発生し、安全で、有効な駆除剤がないのが現状である。
本発明において、式(A)の化合物及び/又は式(B)の化合物(以下、有効成分と呼称することがある。)を、そのまま害虫駆除剤として用いることもできるが、有効成分を適当な溶剤に溶解させた液状製剤、それをスプレー容器に充填したスプレー製剤、多孔質物質等に含浸させた固形製剤などの形態が挙げられる。
なお、固形製剤には、紙、不織布等に含浸させたシート製剤、樹脂へ含浸又は練り込みした樹脂成形体製剤なども含まれるものである。
有効成分を液状製剤に製剤化する際に用いられる担体としては、例えば、水;メタノ−ル、エタノ−ル、グリセリン、ポリエチレングリコ−ル等のアルコ−ル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ−テル類、へキサン、ケロシン、パラフィン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類が挙げられる。
該液状製剤には、更に通常の乳化剤、展着・湿潤剤、懸濁化剤、保存剤、噴射剤等の製剤用補助剤等を添加、配合することもでき、更に通常の塗膜形成剤を配合することもできる。
具体的には、例えば、石鹸類、ポリオキシエチレンオレイルエ−テル等のポリオキシエチレン脂肪酸アルコ−ルエ−テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ−テル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエ−テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、高級アルコ−ルの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリ−ルスルホン酸塩等の乳化剤;グリセリン、ポリエチレングリコ−ル等の展着・湿潤剤、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロ−ス、アラビアガム、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ベントナイト等の懸濁化剤、パラオキシ安息香酸エステル等の保存剤、ジメチルエ−テル、クロロフルオロカ−ボン類、炭酸ガス等の噴射剤、ニトロセルロ−ス、アセチルセルロ−ス、アセチルブチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス誘導体、酢酸ビニル樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアルコ−ル等の塗膜形成剤を挙げることができる。
有効成分を含浸させて固形成形体に製剤化する際に用いられるものとして、多孔質物質としてはシリカ等、樹脂としてはエチレン−メチル(メタ)アクリレ−ト共重合体、エチレン−エチルアクリレ−ト共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチル(メタ)アクリレ−ト共重合体等のエチレンと極性基を有する単量体との共重合体等を挙げることができる。
有効成分を多孔質物質に含有させる方法としては、有効成分をそのまま、適当な溶剤に溶解させたものを多孔質物質に含浸させてもよいし、又は有効成分を多孔質物質に含浸させた後、熱可塑性樹脂と溶融混練して得ることもできる。
この場合、通常の熱可塑性樹脂の成形に用いられる射出成形、インフレ−ション成形、紡糸等の溶融成形法によりフィルム、シ−ト、ネット等、所望の成形品に加工することができる。
上記の製剤中の有効成分の含有量は、剤形や適用方法等により異なるが、通常、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜2質量%である。
有効成分の含有量が上記範囲内であると、害虫駆除活性が顕著である。
本発明の害虫駆除剤には、更に他の殺虫剤、害虫忌避剤、共力剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、その他の香料、色素、顔料等の添加剤等を配合することもできる。
本発明において、有効成分又はその製剤品は、害虫駆除効果が必要とされる害虫侵入区域内の適当な場所に散布、噴霧、塗布、設置することにより施用する。
また、有効成分を含浸させた紙又は樹脂成形体等により害虫駆除対象物を包装することによっても害虫駆除効果を発揮しうる。
害虫駆除方法については、対象害虫によりその方法が異なる。
ゴキブリを対象とした場合、例えば、有効成分の液剤をフィルムに塗布したり、有効成分を多孔質物質に含浸した固形製剤をプラスチックに練りこんでフィルムや成型品とし、ゴキブリが発生する箇所に置いて駆除することができる。
ダニを対象とした場合、例えば、有効成分の液剤をバインダーと共に寝装具等に加工したり、フィルムに加工し、畳やカーペットの下に敷くことによって駆除することができる。
コクゾウムシやノシメマダラメイガ等を対象とした場合、例えば、有効成分の液剤を包装材に処理したり、固形製剤を練り込んだフィルムで包装材をシュリンクして使用することによって駆除することができる。
上記害虫駆除方法にあたっては、防カビ剤、防藻剤、防炎剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、再帰性反射物等の機能加工剤を併用することもできる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
参考例1
市販のキャットニップ精油(Nepeta cataria HE,General Aromatics AC)0.7gをエチルアルコール50mLに溶解し、5質量%パラジウム/C触媒(50質量%含水、NEケムキャト社製)0.40gの存在下、常圧で1時間水素添加をした。
セライトを用いて触媒をろ過し、溶媒を留去後、油状物0.58gを得た。
この油状物はガスマス分析により、ジヒドロネペタラクトンの立体異性体の混合物〔MS(EI):168(15%,M+),153(58),126(35),113(69),95(36),81(100),67(55)〕)を主成分として含むことを確認した。
参考例2
下記の反応式に従って、式(A)の化合物と式(B)の化合物の混合物を合成した。
Figure 2008024670
(1)2−エトシキカルボニル−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(化合物2a)の合成
4−tert−ブトキシカルボニル−2−エトキシカルボニル−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(化合物1a)17.3gをベンゼン100mLに溶解しパラトルエンスルホン酸一水和物2.0gを加え、2時間加熱還流した。
冷却後、反応液を10質量%炭酸ナトリウム水溶液で洗った。
次いで、飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去し、減圧蒸留に付し、bp91−96℃(27Pa)の油状物7.0g(収率65%)を得た。
油状物の分析結果を以下に示す。
元素分析:C9123:計算値C;64.27%,H;7.19%、測定値C;64.20%,H;7.13%
IRν(CHCl3):1760,1735,1650cm-1
1H−NMR(CDCl3,60MHz):δ1.35(t,3H,J=7Hz),1.82−2.86(m,4H),2.38(s,3H),4.32(q、2H,J=7Hz)。
(文献値に一致。A.B.Smith,III,S.J.Branca,N.N.Pilla,andM.A.Guaciaro.J.Org.Chem.,47,1855−1869(1982))
(2)2−エトキシカルボニル−3−メチルシクロペンタン−1−オン(化合物3a)の合成
上記(1)で得た2−エトキシカルボニル−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン(化合物2a)95gをエタノール600mLに溶解し、5質量%Pd/C(含水)8gを加え、常圧で20〜30℃にて水素添加反応を行った。
8時間で水素13.093Lを吸収した。
触媒をろ過した後、溶媒を留去した。
減圧蒸留し、bp42−61℃(13Pa)の油状物86gを得た。
(3)2−(シアノ−メトキシカルボニルメチレン)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(化合物4a)の合成
上記(2)で得た2−エトキシカルボニル−3−メチルシクロペンタン−1−オン(化合物3a)100g(0.59mol)にシアノ酢酸メチル70g(1.2当量)及びピペリジン13g(0.25当量)を加え、窒素雰囲気下室温で17時間攪拌した。
エーテル600mL及び水100mLを反応液に加え、4モル/L HClで酸性とした。
有機層を取り、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。精製することなく、次の水素添加反応に供した。
溶媒を留去して得られた化合物の分析結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3,60MHz):δ1.20(d,3H,J=7Hz),1.25(t,3H,J=7Hz),1.72−3.38(m,6H),3.80(s,3H),4.17(q,2H)
IRν(neat):2228,1732,1624cm-1
MS(EI):251(2%,M+),220(8),205(86),190(46),177(100),164(77),146(49),132(66),118(26),104(15),91(30),77(21),65(9)
(4)2−(シアノ−メトキシカルボニルメチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(化合物5a)の合成
上記(3)で得た2−(シアノ−メトキシカルボニルメチレン)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(化合物4a)に5質量%Pd/C(含水)8g及びエタノール500mLを加え、常庄で20〜30℃にて水素添加反応を行った。
水素14.331Lを吸収した。
触媒をろ過し、溶媒を留去した後、未反応の2−エトキシカルボニル−3−メチルシクロペンタン−1−オン〔bp55−59℃(12Pa)〕14.4gを回収した。
蒸留残渣として油状物124.9gを得た。
油状物の分析結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3,60MHz):δ0.89−1.58(m,6H),1.58−3.23(m,8H),3.79(s,3H),4.16(q,2H,J=7Hz)
IRν(neat):2249,1753,1724,1665,1626cm-1
MS(EI):253(0.2%,M+),222(8),208(39),193(10),179(15),127(8),109(19),81(100)
(5)2−(1−シアノ−1−メトキシカルボニルエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(化合物6a)の合成
55質量%NaH19.4gをTHF1000mLに懸濁し、氷水で冷却しながら、上記(4)で得た2−(シアノ−メトキシカルボニルメチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(化合物5a)124.9g(THF200mLに溶解)を2時間で滴下した。反応温度は6〜9℃。
滴下後、40℃水浴で加温しながら、ヨウ化メチル65gを30分間で滴下した。
40℃で1時間半攪拌した後、加温を止め、溶媒を留去した。
残渣に水400mLを加え、4モル/L HClで酸性にしエーテル(200mL×4)で抽出した。
有機層を集め、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去した。精製することなく直ちに次の反応に用いた。
溶媒を留去して得られた化合物の分析結果を以下に示す。
Bp88−92℃/12Pa
1H−NMR(CDCl3,60MHz):δ0.88−1.46(m,6H),1.46−3.02(m,7H),1.72(s,3H),3.85(s,3H),4.16(q,2H,J=7Hz)
IRν(neat):2245,1744cm-1
MS(EI):267(0.4%,M+),252(1),236(5),222(38),207(15),193(6),178(9),166(9),155(31),134(10),109(21),81(100)
(6)2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(7a)の合成
上記(5)で得た2−(1−シアノ−1−メトキシカルボニルエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(化合物6a)にNaCl30g及びジメチルスルホキシド(DMSO、含水1.6質量%)400mLを加え、180℃のオイルバスで2時間加熱攪拌した後、DMSOを減圧下回収した。
水400mLを加え食塩を溶解した後、エーテル400mL及び300mLで抽出した。
有機層を集め、水洗の後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去後、減圧蒸留に付し油状物bp60−62℃(6.7Pa)43.0gを得た。
油状物の分析結果を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3,60MHz):δ0.83−1.51(m,9H),1.51−3.12(m,8H),4.15(q,2H,J=7Hz)
IRν(neat):2240,1728,1655cm-1
MS(EI):209(1%,M+),194(2),181(4),164(31),154(30),136(18),126(18),115(44),108(11),95(13),81(100),67(14),55(24),41(13)
MS(EI,高分解能):C1219NO2:測定値209.1411;計算値209.1416
(7)4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1,3−ジオン(化合物9)の合成
上記(6)で得た2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(化合物7a)20gに、水酸化カリウム32gと水30mLを含む溶液及びプロピレングリコール80mLを加え、140℃のオイルバスで3時間半加熱攪拌した。
冷却後、水100mLを加えた後、濃塩酸を加え酸性とし、トルエン100mL×4で抽出した。
有機層を集め、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去後、得られた2−(1−カルボキシエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸(化合物8)に無水酢酸80mLを加え、150℃のオイルバスで1時間加熱攪拌した。
無水酢酸を減圧下、回収した後、減圧蒸留に付し、4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1,3−ジオン(化合物9)bp79−84℃(2.7Pa)7.9gを得た。
この化合物の分析結果を以下に示す。
IRν(neat):1806,1767cm-1
MS(EI):110(44%),95(59),81(100),67(96),56(43),41(25)
(8)4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1−オン〔式(A)の化合物〕及び4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−3−オン[式(B)化合物]の合成
NaBH43.74gをTHF(蒸留)100mLに懸濁し、上記(7)で得た4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1,3−ジオン(化合物9)18g(THF50mL溶液)を1時間で滴下した。反応温度は4〜9℃。
氷水バスをはずし、室温で1時間攪拌した。
氷水バスで冷却し、水30mLを20分間で滴下した。反応温度は10℃。
更に4モル/L HClを加え酸性とした。
有機層を分取し、水層は酢酸エチル100mL×3で抽出した。
有機層を集め、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去後、減圧蒸留に付し、油状物bp64−84℃(6.7Pa)9.2gを得た。
この油状物はガスマス分析により、式(A)の化合物〔MS(EI):168(8%,M+),153(69),139(5),126(21),123(14),113(100),109(12),95(35),81(83),69(29),67(52),55(16),41(27)〕と、式(B)の化合物〔MS(EI):168(2%,M+),109(31),95(53),81(100),68(44),67(75),55(19),41(24)〕のほぼ等量混合物であることを確認した。
文献値(T.Sakai,K.Nakajima,andT.Sakan,Bull.Chem.Soc.Jpn.,53,3683−3686(1980))と一致した。
参考例3
下記の反応式に従って、式(B)の化合物を合成した。
Figure 2008024670
(1)2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンチルメタノール(化合物10)の合成
上記で得た2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンタンカルボン酸エチル(化合物7a)10gをTHF80mLに溶解し、氷水バスを用いて10℃以下に冷却した。
この溶液に、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム・トルエン溶液(約3.6モル/L)30mLを30分間で滴下した。
滴下後、氷水バスをはずし、室温で1時間攪拌した。
その後、4モル/L塩酸150mLを加え、分離した有機層を分取した。
水層は酢酸エチル300mLで抽出した。有機層を集め、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムを加え乾燥した。
溶媒を留去した後、減圧蒸留〔bp81〜85℃(6.7Pa)〕に付し、2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンチルメタノール(化合物10)3.4gを得た。
この化合物の分析結果を以下に示す。
IRν(neat):3300,2210cm-1
MS(EI):167(30%,M+),152(16),138(11),112(100)
(2)式(B)の化合物の合成
2−(1−シアノエチル)−5−メチルシクロペンチルメタノール(化合物10)3.4gに、水酸化カリウム16gと水10mLを含む溶液及びプロピレングリコール40mLを加え、140℃オイルバスで1時間加熱攪拌した。
室温まで冷却した後、反応液を氷100gに注ぎ込み、濃塩酸25mLを加え酸性とした。
エーテル100mLで抽出した。有機層を集め、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去後、減圧蒸留〔bp80〜88℃(6.7Pa)〕に付し、油状物1.8gを得た。
この油状物はガスマス分析により、式(B)の化合物〔MS(EI):168(3%,M+),109(33),95(54),81(100),67(72),55(18),41(20)〕であることを確認した。
実施例1
1.試料調製
参考例1のジヒドロネぺタラクトン立体異性体の混合物、参考例2の式(A)の化合物と式(B)の化合物の混合物、参考例3の式(B)の化合物を用いて、表1の配合量でエタノール溶液を調製した後、該エタノール溶液にろ紙(No.2:東洋濾紙株式会社製)を浸漬後、風乾し、試料1〜3とした。試料1〜3の有効成分の着量は140g/m2であった。別に、該エタノール溶液に浸漬しなかったろ紙を試料4とした。
Figure 2008024670
2.ダニ忌避試験〔インテリアファブリックス性能評価協議会の防ダニ試験方法(侵入阻止法)に準じた。〕
外径約90mm、高さ約20mmのガラスシャーレに、生存ヤケヒョウダニ数約3,000匹を含む量のダニ培地を均一に広げ、直径100mm以上の昆虫用粘着トラップ上に置き、その中央に外径約45mm、高さ約15mmのガラスシャーレを置いた。このガラスシャーレには予めガラスシャーレの内径と同じ大きさに切り抜いた上記試料1〜3を敷き、中心に直径約10mmの範囲内に誘引用にダニ未接種培地を置いた。これを粘着トラップごと飽和食塩水の入った食品保存用プラスチック製容器に入れ密封した。次に、この食品保存用プラスチック製容器を全暗状態の恒温器中に静置し、容器内が25±1℃、75±5%RHを維持している状態で24±1時間飼育の後、シャーレ内を水洗してダニを回収の後計数した、下記式により忌避率を算出した。
試料4についても同様に試験を行った。
忌避率(%)=〔1−(処理区の生存ダニ数)/(対照区の生存ダニ数)〕×100
対照区とは、試料4を用いた場合を意味する。
なお、試験は3回行い、その合計値である。得られた結果を表2に示す。
また、以下の害虫に対する忌避率は、上記式において、生存ダニ数を対象とする生存害虫数に置き換えて算出した
Figure 2008024670
ジヒドロネぺタラクトン立体異性体の混合物、式(A)の化合物と式(B)の化合物の混合物、式(B)の化合物の1質量%エタノール溶液に浸漬した試料1〜3を用いた場合、ダニが死亡した。
3.ノシメマダメイガ幼虫忌避試験
高さ6.5cm、横16cm、縦11.5cmのプラスチック製容器に、試料1〜3で作ったシェルター(5×7cmの紙を蛇腹に折り、5×5cmの大きさにしてその上に米ぬか0.05gを載せた。)を置いた。試料4で同様のシェルターを作成し、容器内に対にして設置した。このプラスチック製容器の中央にノシメマダメイガ幼虫10匹を入れて蓋をして、25±1℃の恒温器に入れ、24時間後に各シェルター内に移動した幼虫の数を計数した。その結果を表3に示す。
なお、試験は2回行い、その合計値である。
Figure 2008024670
実施例2
1.試料調製
参考例1のジヒドロネぺタラクトン立体異性体の混合物、参考例2の式(A)の化合物と式(B)の化合物の混合物、参考例3の式(B)の化合物を用いて、有効成分10質量%、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(ぺネロールSP−18:松本油脂製薬株式会社製)5質量%、水85質量%の乳化物を調製した。
別に、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル5質量%、水95質量%の乳化物を調製した。
上記乳化物とバインダー(アクリル樹脂;固形分30質量%:大和化学工業株式会社製)を表4の割合で配合し、処理液1〜3を調製した。
綿ブロード(目付け:120g/cm2)を上記処理液に浸漬した後、絞り率100%で絞った。80℃で風乾した後、130℃で2分間熱処理を行い、試料1〜3とした。
別に、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル5質量%、水95質量%の乳化物を調製し、処理液4とした。
綿ブロードを上記処理液に浸漬した後、絞り率100%で絞った。80℃で風乾した後、130℃で2分間熱処理を行い、試料4とした。
Figure 2008024670
2.ダニ忌避試験
実施例1と同様にダニ忌避試験を行った。得られた結果を表5に示す。
Figure 2008024670
実施例3
1.試料調製
参考例1のジヒドロネぺタラクトン立体異性体の混合物、参考例2の式(A)の化合物と式(B)の化合物の混合物、参考例3の式(B)の化合物を各々50質量%、シリカ(吸油量:130mL/100g、ミズカシルP−527:水澤化学工業株式会社製)50質量%を用い、乳鉢中で混合・粉末化した。
上記粉末20g、ポリプロピレン樹脂(プライムポリプロJ−700G:プライムポリマー株式会社製)ペレット1kgをビニル袋に入れ、混合後(静電気により、粉末が樹脂ペレット表面に付着)、二軸押出機を用いて混練し、コンパウンドを得た。このコンパウンドを射出成型機を用いてプレートとし、表6に示す試料1〜3とした。
別に、シリカ粉末20g、ポリプロピレン樹脂ペレット1kgから、同様にしてプレートを作成し、試料4とした。
Figure 2008024670
2.ゴキブリ忌避試験〔(財)日本環境衛生センターの試験方法(検体を処理したシェルター中への提試虫の潜伏状況から効力を判定する方法)に準じた。〕
高さ20cm、横26cm、縦15cmの紙製で内部を樹脂加工した容器中に、70×70mmに切った試料1〜3及び試料4を対にして置いた。試料の上に同大のベニア板の4辺に角材を貼り付け、試料面とベニア板との間に5mmの隙間ができるようにしたシェルターを置いた。容器の中央部には水を含ませた脱脂綿と固形飼料を置き、チャバネゴキブリが自由に摂取できるようにした。ゴキブリの逃亡を防止するため、容器内壁にワセリンを薄く塗った後に、ゴキブリ20匹を入れた。試験開始24時間後に試料1〜3及び試料4のシェルターに潜伏するゴキブリの数を計数し、忌避効果を判定した。その結果を表7に示す。
なお、試験は3回行い、その合計値である。
Figure 2008024670
本発明の害虫駆除剤は、広範囲の害虫用忌避剤、ダニ忌避剤及び/又は殺ダニ剤として有効であると共に安全性が高い。

Claims (5)

  1. 式(A)で表される化合物及び式(B)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物を有効成分とする害虫駆除剤。
    Figure 2008024670
  2. 鞘翅目害虫であるゾウムシ、網翅目害虫であるチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ、鱗翅目害虫であるノシメマダラメイガ、スジマダラメイガ、コナマダラメイガ、室内塵性ダニであるコナダニ、ヒョウヒダニ、チリダニ、ツメダニ、イエダニの忌避剤である請求項1に記載の害虫駆除剤。
  3. ノシメマダラメイガの忌避剤である請求項2に記載の害虫駆除剤。
  4. チョコレート用包装材に用いる請求項3に記載の害虫駆除剤。
  5. 室内塵性ダニの殺ダニ剤である請求項1に記載の害虫駆除剤。
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