JP2009242279A - 粘土鉱物系複合材料及びその徐放性制御方法 - Google Patents

粘土鉱物系複合材料及びその徐放性制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機化合物−粘土鉱物系複合材料の徐放性制御する方法を提供する。
【解決手段】 層間に陽イオン交換能をもつスメクタイト属粘土鉱物を主原料として用い、その層間にある層間水を熱処理によって除き、層間が復水する前に、直ちに生理活性機能を有する有機化合物を接触させて層間に導入し、有機化合物が気化によって徐々に放出される粘土鉱物系複合材料を製造する方法において、生理活性機能をもつ有機化合物の接触プロセスの前に、粘土鉱物の表面に疎水性基を結合させることを特徴とし、有機化合物−粘土鉱物系複合材料の表面疎水性基により、水蒸気(水分子)の粘土鉱物層間への進入を抑制し、結果として有機化合物の層間における安定化を高め、結果として有機化合物の放出を遅延させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、生理活性機能を有する粘土鉱物系複合材料に関するものであり、更に詳しくは、防虫・昆虫忌避機能、抗微生物機能、鮮度維持機能、芳香機能等の生理活性機能を有する有機化合物を、無機物である粘土鉱物と複合一体化し、その有機化合物蒸気を徐放する、生理活性機能を有する粘土鉱物系複合材料及びその製造方法に関するもので、特にその徐放性の制御方法に関するものである。本発明は、業務用、産業用及び人の生活の場において、その安定した徐放性により、人を含めた生態系にやさしく、かつ機能・効果の安定性、持続性にも優れた機能性物質とその製造方法を提供するものである。
従来、防虫・昆虫忌避剤、抗菌・防カビ剤等の抗微生物剤、野菜、果物等の生鮮食料品の鮮度維持剤及び芳香剤等は、液体、固体の別を問わず、それぞれ実用上の適した形態に加工され用いられている。このような製品にあっては、その有効成分を保持し、効果を持続させ、ハンドリング上の利便性をもたらす目的で、無機物を担体として一体化して用いることが多く、例えば、タルク、粘土、蝋石、石灰石、珪藻土、パーライト、軽石などの無機粉体がしばしば用いられる。
例えば、防虫・昆虫忌避剤としては、有効成分である天然物精油や合成農薬を、天然・合成繊維やガラス繊維、ゼオライト、タルク、珪藻土、石灰、シリカゲル、活性炭等を担体として用いた例がある(特許文献1)。また、生鮮食料品の鮮度維持を目的とした例としては、ケイヒ酸及びその誘導体と酸化チタンを混合したもの(特許文献2)や、タルクを担体としてニンニク、唐辛子成分、ワサビ成分、シソ成分などを複合化した例(特許文献3)がある。また、抗菌・防カビ剤等の抗微生物剤にあっては、カテキン類、サポニン類、タンニン(酸)をバーミキュライトやベントナイトに担時した機能性材料が提案されている(特許文献4)。
担体として用いられる、タルク、カオリン、蝋石等担体の役割は、前記のように、その表面に有効成分を付着・吸着させ、業務用、産業用及び家庭用に用いられた際に、効果の及ぶ範囲を限定したり、有効成分の担体への親和性により残効性を付与し、あるいはハンドリング性を含めて、種々の形態に加工する際の利便性を確保することにある。しかしながら、こうした無機質担体への有効成分の親和性は、素材への付着、吸着現象に基づくものであるために、利用に際して何らかの洗浄操作を受けると、有効成分は、担体から比較的に容易に移動し、その残効性は乳剤等に比べると一般に劣っている。また、有効成分の保持力が強くないことで、有効成分の徐放性も達成できていなかった。
また、こうした点を解決すべく、近年、スメクタイトやバーミキュライト等の層間にイオン交換能をもつ無機層状化合物を担体として、その層間に特定の化合物を導入した組成物が提案されている(特許文献5など)。層間に導入されるゲスト化合物として、銀、銅、亜鉛等の抗菌力を有する金属イオンと、防カビなどの機能を持つ有機化合物を錯体化して導入すると、抗菌と防カビの双方の機能を併せもつ無機・有機複合材料を作ることができる。
また、アルミニウムやジルコニウム等の金属水酸化物カチオンを、前記の金属イオン−有機化合物錯体と併せて層間に導入すると、その耐熱性が大幅に高められることが分かっている(特許文献6)。更に、生理活性機能をもつ物質として、植物成長調節機能、病害虫防除機能、抗微生物機能等をもつ有機化合物を、適当な金属イオンとの組み合わせにおいて、無機層状化合物の層間に導入する方法が提案されている(特許文献7)。
このようなイオン交換能をもつ無機層状化合物への生理活性物質の導入は、解離していない有機化合物を金属イオンと組み合わせて、金属錯体イオン化することで達成される。有機化合物と陽イオンとが錯体を形成するためには、両者が錯体を形成するための条件、すなわち錯体としての安定度を具備する必要があり、そうした条件を備えていない有機化合物と金属イオンを組み合わせて、これらを無機層状化合物の層間へ導入することは通常は困難と考えられている。
また、金属イオンには、前記の銀、銅、亜鉛の他、鉄、ニッケル、コバルトなどの遷移金属イオンがしばしば選ばれるが、金属イオン種によっては安全性や衛生上の理由から、その用途が制限されることもある。アルカリ金属、アルカリ土類金属のなかで制約の少ないイオン種も存在するが、こうした金属イオン種が中心金属となって安定な有機金属錯体を形成することはあまり期待できない。このように、陽イオン交換型の無機層状化合物をホスト化合物とする場合、金属イオンと有機化合物の組み合わせには、錯体の安定性の他に、金属イオン種の安全・衛生上の制約という課題も存在する。
このような問題を解決した方法として、特許文献8では、陽イオン交換能を有する粘土鉱物に熱処理を施して、層間にある層間水を予め完全に脱水し、層間水が復水する前に、直ちに有機化合物もしくはその溶液と接触させることにより、該有機化合物を層間に導入する方法が提案されている。この方法では、粘土鉱物の層間に導入する有機化合物として、常温で揮発性の有機化合物を用いると、有機化合物が気体となって粘土鉱物の層間から徐々に放出される有機化合物−粘土鉱物系複合材料(以下粘土鉱物系複合材料)を作製することができる。
上記の方法を適用することの出来る有機化合物として、昆虫忌避機能、抗微生物機能、鮮度維持機能及び芳香機能のいずれかを有する桂皮油、タイム・ホワイト油、クローブ・バッド油、シナモン・リーフ油、ラベンダー・フレンチ油、レモングラス油、ペパーミント油、ベルガモット油、ティートゥリー油、ゼラニウム油、シトロネラ油、ローズ油、レモン油、ユーカリ油、オリガヌム油、シンナムアルデヒド、オイゲノール、サリチル酸メチル、シトラール、アリルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、リナロール、メントール、ゲラニオール、チモール、テルピネオール、ヒノキチオール、ジエチルトルアミドが挙げられている。
特許文献8には、上記の方法によって得られる粘土鉱物系複合材料の有機化合物徐放性について記述されており、該複合材料粉末を25℃で空気流に接触させたときの炭素含有量変化を実際に計測し、その値が空気流接触3h後の初期の炭素含有量(以下初期炭素含有量)の半分になる接触時間をもって炭素半減期と定義し、徐放期間の指標として提示している。
特許文献8に示されている粘土鉱物系複合材料からの有機化合物の炭素半減期(有機化合物の半減期)を有機化合物に対して示すと、シンナムアルデヒド:655h、オイゲノール:750h、シトラール:1600h、ベンジルイソチオシアネート:150h、リナロール:350h、ゲラニオール:340h、テルピネオール:130h、ヒノキチオール:3400hなどとなっている。
こうした粘土鉱物系複合材料による有機化合物の徐放は、まず粘土鉱物層間の金属イオンに分子内極性をもつ有機化合物が配位することにより、有機化合物が粘土鉱物層間へ導入され、次に有機化合物が金属イオンの束縛を離れて層間から離脱することによって起こると考えられる。有機化合物の離脱を促すもう一つの原因は空気中の水蒸気の存在と考えられている。すなわち、粘土鉱物層間の金属イオンには、元々、水分子が配位しており、加熱により一時的に脱水しているが、水分子の分子内極性は上記の有機化合物のそれよりも大きく、従って相対的に水分子の方が粘土鉱物層間において安定である(有機化合物は準安定である)。したがって、空気中の水分子が粘土鉱物粒子に付着あるいは吸着し、さらに粘土鉱物層間へ移動すると、水分子は層間に準安定的に存在する有機化合物を排除して、水分子がこれに代わることになると考えられる。すなわち空気中の水蒸気の存在が有機化合物の徐放を促すことになると考えられる。
特開2002−173407号公報 特開平11−332460号公報 特開平10−210958号公報 特開2000−271201号公報 特開2002−327090号公報 特開2002−20158号公報 特開2005−281263号公報 特開2007−291097号公報
上記のように、粘土鉱物系複合材料から徐放する有機化合物は、元々、準安定に粘土鉱物層間に保持されており、水蒸気など空気中の水分子の接近によって、その安定性はさらに影響を受ける状態にある。粘土鉱物系複合材料による有機化合物の徐放の期間は、炭素半減期を指標として表されるが、その値は有機化合物の種類により130hから3500hに及んでおり、そのうちのあるものは徐放期間があまりに短く実用上の障害となる。すなわち実用的な炭素半減期は700h以上が必要と考えられており、徐放期間を延長する方策が求められていた。
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上述の課題を解決することが可能な粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、粘土鉱物の表面に疎水性基を結合させることにより、粘土鉱物系複合材料への水分子の接近を抑制し、さらには粘土鉱物層間からの有機化合物の徐放を遅延させることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的課題から構成される。
(1)層間に陽イオン交換能をもつ粘土鉱物を主原料とし、層間にある層間水を生理活性機能を有する有機化合物で交換して、粘土鉱物系複合材料を製造する方法において、該粘土鉱物を予め熱処理することにより層間水を排除した後に、該粘土鉱物の層間が復水する前に、粘土鉱物の表面に疎水性基を結合させ、さらに該粘土鉱物を有機化合物もしくはその溶液と直ちに混合することにより、該粘土鉱物の層間に導入した有機化合物の層間からの放出を遅延することを特徴とする粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
(2)粘土鉱物として、スメクタイト族粘土鉱物を用いることを特徴とする粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
(3)熱処理後の粘土鉱物に導入する有機化合物として、昆虫忌避機能、抗微生物機能、鮮度維持機能、芳香機能を有する有機化合物を用いることを特徴とする請求項5に記載の粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
(4)昆虫忌避機能、抗微生物機能、鮮度維持機能及び芳香機能のいずれかを有する有機化合物が、桂皮油、タイム・ホワイト油、クローブ・バッド油、シナモン・リーフ油、ラベンダー・フレンチ油、レモングラス油、ペパーミント油、ベルガモット油、ティートゥリー油、ゼラニウム油、シトロネラ油、ローズ油、レモン油、ユーカリ油、オリガヌム油、シンナムアルデヒド、オイゲノール、サリチル酸メチル、シトラール、アリルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、リナロール、メントール、ゲラニオール、チモール、テルピネオール、ヒノキチオール、ジエチルトルアミドの少なくとも1つ以上であることを特徴とする粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
(5)粘土鉱物の層間陽イオンが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、又はマグネシウムであることを特徴とする請求項5に記載の粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
(6)粘土鉱物の表面に結合させる疎水性基が、シリル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基であることを特徴とする粘土鉱物系複合材料。
(7)前記(1)から(6)のいずれかに記載の粘土鉱物系複合材料を機能性素材として使用したことを特徴とする粘土鉱物系複合材料。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、層間に陽イオン交換能をもつ粘土鉱物を主原料とし、層間にある層間水と、生理活性を有する有機化合物を交換して、該有機化合物を粘土鉱物層間に導入し、該有機化合物が粘土鉱物の層間から徐々に放出される性質をもつ粘土鉱物系複合材料において、該有機化合物の放出を遅延させる効果をもたらす方法に係るものである。すなわち、本発明は粘土鉱物の層間にある層間水を、生理活性を有する有機化合物で交換し、粘土鉱物系複合材料を製造するのに際し、該粘土鉱物を予め熱処理することにより層間水を排除した後に、粘土鉱物の表面に疎水性基を結合させ、次に該粘土鉱物の層間が復水する前に、表面に疎水性基を結合させた該粘土鉱物を有機化合物もしくはその溶液と直ちに混合することにより、該粘土鉱物の層間に有機化合物を導入することを特徴とする。
更に、本発明は、上記の粘土鉱物系複合材料を機能性素材として使用したことを特徴とする機能性製品の点に特徴を有するものである。本発明では、粘土鉱物の層間陽イオンは、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウムであることが好ましいが、それ以外の、例えば鉄、亜鉛などの金属イオンが層間に入っている場合でも、有機化合物を容易に層間に導入することができるため、本発明は、そうした金属イオンと有機化合物の組み合わせを排除するものではない。
以下、煩雑さを避けるために、ホスト化合物である粘土鉱物としてスメクタイトを、また、その中でも特にモンモリロナイトをとりあげて本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、主原料の粘土鉱物であるモンモリロナイトとは、SiO四面体シートがAlO(OH)八面体シートをサンドイッチ状に挟んだ、いわゆる2:1型といわれる結晶構造をもった粘土鉱物である。モンモリロナイト結晶の八面体シートのAlが一部2価のMgやFeで置換されることで、粘土層間はマイナス電荷を帯びている。このマイナス電荷を電気的に中和するために、その層間には層間カチオンと呼ばれる陽イオンが入っている。
モンモリロナイトの場合、その層間カチオンはナトリウムイオンであることが多いので、以下、元々の層間陽イオンをナトリウムイオンに固定して説明を行う。このナトリウムイオンは系外の有機あるいは無機の陽イオンと比較的容易に交換できるため、モンモリロナイトに適当な金属錯体カチオンを接触させることにより、その層間に元々存在したナトリウムイオンに代えて金属錯体カチオンを導入することができる。導入された金属錯体カチオンは、モンモリロナイト粒子が分散媒中にあっても、その層間内で比較的安定な状態に保たれるため、分散媒への金属錯体カチオンの溶出は徐々に起こる。すなわち徐放性を有している。
上記のイオン交換反応において、金属錯体イオンがナトリウムイオンと交換した場合、層間にあった水分子もナトリウムイオンと同様に交換されて粘土層間から排除される。一方、水分子が粘土層間から排除されるのは、必ずしも層間カチオンの交換に伴ってのみ行われるのではない。層間水とグリセリンやエチレングリコールの交換反応は良く知られている現象である。しかし、この場合、粘土層間のナトリウムイオンに変化は起こらない。従って、先行文献(特開2005−281263号公報)でも、層間陽イオンと水分子の交換反応はそれぞれ独立に行うことができることが示されている。
モンモリロナイトは15Å粘土鉱物と呼ばれているが、空気中では、水分子層は3枚まで層間に入ることが知られている。層間に含まれる水分子層の数によって対応する底面間隔はそれぞれ、10Å(0枚)、12〜13Å(1枚)、14〜16Å(2枚)、18〜19Å(3枚)となっている。繰り返しになるが、前記のように水分子層は層間の金属イオンに水和(配位)することで層間に取り込まれており、金属錯体が層間に入るためには、水分子と錯形成分子の交換が必要となる。水分子に代わり錯形成分子が層間に入った方が層間化合物としての安定性が高い場合でも、水分子と錯形成分子との交換には、ある程度の時間を必要とし、交換反応時の温度を上げて反応を促進するなどの処置もとられる。また、水分子と比較して層間での安定性が低い錯形成分子の場合は、これまでは交換反応は起こり難いと考えられていた。
特許文献8は、このような水分子と錯形成分子である有機化合物の交換を起こりやすくし、通常では層間での安定性を欠くと考えられる有機化合物をも、粘土鉱物層間内へ導入したことが記載されている。例えば、モンモリロナイトを220℃以上に加熱して、粘土層間の水分子を完全に排除し、粘土層間の復水(層間への水分子の再進入)が起こる前に、層間に導入すべき有機化合物を直ちに接触させることにより、錯形成分子を粘土層間に導入したことが記載されている。
分子内の極性があまり強くない極性有機化合物の場合は、層間水との交換は、通常、起こり難いが、特許文献8の方法を適用すると、層間への準安定な導入が可能となる。すなわち、層間水を排除したモンモリロナイトを、テルペン類などの極性のあまり強くなく、室温で気化する性質の有機化合物もしくはその溶液に、遊星ボールミルなどの密封容器中で直ちに接触、混合することにより、有機化合物をモンモリロナイト層間へ導入することができる。こうして得られた粘土鉱物系複合材料は充分に安定ではなく、粒子が空気中にある場合、有機化合物蒸気が徐々に空気中に放出される。すなわち、気体の徐放性を有している。
生理活性機能をもつ天然物精油の中に、モンモリロナイトに対して、こうした性質をもたらす有機化合物が数多く見出されており、桂皮油、タイム・ホワイト油、クローブ・バッド油、シナモン・リーフ油、ラベンダー・フレンチ油、レモングラス油、ペパーミント油、ベルガモット油、ティートゥリー油、ゼラニウム油、シトロネラ油、ローズ油、レモン油、ユーカリ油、オリガヌム油、シンナムアルデヒド、オイゲノール、サリチル酸メチル、シトラール、アリルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、リナロール、メントール、ゲラニオール、チモール、テルピネオール、ヒノキチオール、ジエチルトルアミドなどの有機化合物とモンモリロナイトの接触による実施例が報告されている。
特許文献8による方法では、粘土鉱物系複合材料において、室温で気化する有機化合物をモンモリロナイトの層間に導入することにより達成される徐放性を、炭素半減期(粘土鉱物系複合材料の初期炭素含有量が1/2になる時間)で示すと、シンナムアルデヒド:655h、オイゲノール:750h、シトラール:1600h、ヒノキチオール:3400hのように、有機化合物の気化時間を著しく長く維持することができるが、ベンジルイソチオシアネート:150h、リナロール:350h、ゲラニオール:340h、テルピネオール:130hなど、気化時間が相対的に短い有機化合物の場合もあることが記載されている。昆虫忌避、植物鮮度保持などの用途に用いる場合、その実用的な徐放性は炭素半減期で700h程度と考えられている。
このように、粘土鉱物層間からの徐放期間が長くない原因としては、有機化合物の分子内極性が元々強くないことや、粘土鉱物層間における立体的配置の影響などが考えられるが、その他に空気中の水蒸気が層間へ復水することにより、層間の有機化合物が相対的に不安定となり、層間から放出されることである。空気中の水蒸気、すなわち湿度は、材料を実用に供するに当たり、一定に維持・制御することが困難であり、水蒸気の影響を排除するためには、水蒸気の粘土鉱物系複合材料への接近を抑制することが必要となる。
従って本発明は、生理活性を有する有機化合物のホスト化合物としての粘土鉱物の表面に、トリメチルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、テトラエトキシシランなどのシランカップリング剤を用いてシリル基を結合させ、粘土鉱物表面にもたらされた表面疎水性により、空気中の水蒸気が粘土鉱物の層間へ接近するのを抑制し、結果的に粘土鉱物層間からの有機化合物の放出を遅延させるものである。
本発明における粘土鉱物はスメクタイト属であり、その代表例としてとりあげたモンモリロナイトは、SiO四面体シートがAlO(OH)八面体シートをサンドイッチ状に挟んだ、いわゆる2:1型といわれる結晶構造をもっていることを先に述べた。粘土粒子はこの基本構造である扁平なシートが多数重なって構成されており、粘土粒子の扁平な表面にはSiO四面体シートが、また粘土粒子の端面にはSiO四面体シートの他にAlO(OH)八面体シートが露出している。従って、SiO四面体シートにはシラノール基が、またAlO(OH)八面体シートにはアルミノール基が存在することになるが、端面におけるSiO四面体、AlO(OH)八面体は、それぞれSi、Al原子によって共有されない酸素原子を有しており、そのためにシート表面に比べて水酸基を生じやすい状態にある。このように粘土粒子の表面、端面は、厳密にはその結晶構造に起因する状態の差異が存在するが、本発明においてシランカップリング剤が反応する粘土鉱物の表面とは、上記の表面、端面の区別をせずに指していることを申し添える。
粘土鉱物表面への反応に資するシランカップリング剤には、トリメチルクロロシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、テトラエトキシシランなどが用いられるが、粘土鉱物と反応し、その表面に疎水性基をもたらすことのできるシランならば、その種類を問うものではない。上記のシランカップリング剤を用いた場合には、粘土鉱物表面の水酸基はこれらと反応し、結果的にトリメチルシリル基、オクタデシルジメチルシリル基、トリエトキシシリル基などのシリル基が粘土鉱物表面に共有結合によって導入されることになる。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明は、粘土鉱物の層間にある層間水を、生理活性を有する有機化合物で交換し、粘土鉱物系複合材料を製造するのに際し、該粘土鉱物を予め熱処理することにより層間水を排除した後に、粘土鉱物の表面に疎水性基を結合させ、次に該粘土鉱物の層間が復水する前に、表面に疎水性基を結合させた該粘土鉱物を有機化合物もしくはその溶液と直ちに混合することにより、該粘土鉱物の層間に有機化合物を導入するため、粘土鉱物の表面に疎水性基が、また、粘土鉱物の層間には生理活性をもつ有機化合物が導入された材料の構造を実現することができる。
(2)粘土鉱物系複合材料の層間からの有機化合物の気化は、強い極性をもつ水分子の存在によって早められ、結果として有機化合物の徐放期間が短くなるが、粘土鉱物の表面に導入された疎水性基は、水蒸気の粘土鉱物層間への進入を抑制し、結果として有機化合物の徐放期間の延長に寄与することができる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例により何ら限定されるものではない。
(TMSの導入)
遊星ボールミル容器にトルエン2mlを加え、これにトリメチルモノクロロシラン((CHSiCl、以下TMSと表記する。)0.02、0.03、0.3、0.5、1.0mlをそれぞれ加えた。次に230℃で3h熱処理を施したモンモリロナイト(クニミネ工業製、クニピアF)4g及びメノウボールを加え、回転数500rpmで15分間混合した。遊星ボールミル容器から試料を回収し、80℃で2h加熱したのち、CHNコーダー(カルロエルバ社製元素分析装置1108型)にて試料の炭素、窒素含有量を測定した。表1に測定結果を示す。
表1 TMSを接触させたモンモリロナイト試料の炭素含有量
表1が示すように、モンモリロナイトに対して添加するTMSの量を段階的に増やしても、モンモリロナイトの表面に残るTMS、すなわちシリル基は、炭素含有量として0.2〜0.27mass%に止まっていることが分かる。炭素含有量を基に、単位面積あたりのシリル基導入量を求めると、3.2TMS基/nmである。
(ODSの導入)
遊星ボールミル容器にトルエン2mlをとり、これに白色粉末のオクタデシルジメチルクロロシラン(C1837(CHSiCl、以下ODSと表記する。)を0.1g加え溶解させた。以下、実施例1と同様に、熱処理を施したモンモリロナイト粉末と接触させて試料を得た。この試料を80℃、110℃、180℃で熱処理した後、CHNコーダーで炭素含有量を測定した。結果を表2に示す。
表2 ODSを接触させて得た試料の炭素含有量
表2が示すように、試料に対するODS添加量を炭素添加量として換算すると1.9mass%であるが、接触後に得られた試料の炭素含有量は、試料の熱処理温度80、110,180℃と上げることにより、1.1、0.25、0.29mass%と減少した。従って、試料に残存する未反応のODSを除くためには、110℃以上の熱処理が必要であることが分かる。試料の炭素含有量を基に単位面積あたりのODS導入量を計算すると、 ODS基/nmである。
(TMS処理のBITC導入試料における効果)
遊星ボールミル容器にトルエン2mlをとり、これにTMS0.03gを加えて溶解させた後、230℃で3h熱処理を施したモンモリロナイト粉末及びメノウボールを加え、直ちに500rpmで5分間、内容物を混合した。装置停止後に蓋をとり、ベンジルイソチオシアネート(CNS、以下BITC)1.4gを内容物に対して添加し、直ちに蓋をして、内容物を500rpmで15分間混合した。以上とは別に、遊星ボールミル容器にBITC1.4gをとり、これに230℃で3h熱処理を施したモンモリロナイト粉末及びメノウボールを加え、500rpmで15分間混合し試料を得た。このようにして得られた2種類の試料(前者をTMS−BITC接触試料、後者をBITC接触試料と呼称する。)それぞれ1gを、ガラス製のシャーレに展開し、これをドラフトチャンバー内にて25℃に温度調節したシリコンラバーヒーター上に置き、空気流と接触させた。接触開始3時間後に各試料を採取し、CHNコーダーにより炭素含有量を測定した。このときの値を初期炭素含有量とした。ドラフトチャンバー内における空気流との接触を、上記と同様にその後も継続し、各試料中の炭素含有量の経日変化を測定した。測定結果を図1に示す。
試料の初期炭素含有量はBITC接触試料で14.4mass%、TMS−オイゲノール接触試料が14.1mass%と概ね同程度の値であったが、炭素含有量の減少は前者が早く、約130hで初期炭素含有量の半分が失われた。一方、TMS−BITC接触試料では初期炭素含有量その半分が失われるのに700h余りを要している。このようにBITCのホスト化合物であるモンモリロナイトを、予めTMS処理することにより、BITC接触試料中の炭素含有量の減少(層間化合物の放出量)を抑制し、徐放期間を伸ばすことができることが分かる。なお、モンモリロナイト層間へのBITCの導入に伴い、その層間距離が0.95nmから1.13nmへと拡がることを薄膜X線回折により確認している。
(種々の有機化合物における効果)
遊星ボールミル容器にトルエン2mlをとり、これにTMS0.03gを加えて溶解させた後、230℃で3h熱処理を施したモンモリロナイト粉末及びメノウボールを加え、直ちに500rpmで5分間、内容物を混合した。装置停止後に蓋をとり、ゲラニオール(C1018O)1.2gを内容物に対して添加し、直ちに蓋をして、内容物を500rpmで15分間混合した。以上とは別に、遊星ボールミル容器にゲラニオール1.2gをとり、これに230℃で3h熱処理を施したモンモリロナイト粉末及びメノウボールを加え、500rpmで15分間混合し試料を得た。このようにして得られた2種類の試料(前者をTMS−BITC接触試料、後者をBITC接触試料と呼称する。)それぞれ1gを、ガラス製のシャーレに展開し、これをドラフトチャンバー内にて25℃に温度調節したシリコンラバーヒーター上に置き、空気流と接触させた。接触開始3時間後に各試料を採取し、CHNコーダーにより炭素含有量を測定した。このときの値を初期炭素含有量とした。ドラフトチャンバー内における空気流との接触を、上記と同様にその後も継続し、各試料中の炭素含有量の経日変化を測定し、初期炭素含有量が1/2になる期間、すなわち炭素半減期を求めた。
また、ゲラニオールと同様に、シンナムアルデヒド(C0、(E)−3−フェニルプロペナール)、シトロネラール(C1018O)、ローズ油(フェニルエチルアルコール:C10O、シトロネロール:C1020O、ゲラニオールが主成分)、ゼラニウム油(シトロネロール、ゲラニオール、リナロール:C1018Oが主成分)、シナモン・リーフ油(オイゲノール、カリオフィレン:C1524、リナロールが主成分)の各1.2gを上記と同様に操作して、その炭素半減期を求めた。さらに、TMS処理に変えてODS処理後に上記の有機化合物とモンモリロナイトを、上記と同様に接触させてODS−有機化合物接触試料を作製した。結果をまとめて表3に示す。これらの有機化合物では、モンモリロナイトに直ちに接触させた場合よりも、粘土鉱物をTMS処理、もしくはODS処理した後に、これらの有機化合物を接触させた方が、炭素半減期、すなわち徐放期間が延長されることが分かる。
表3 有機化合物−粘土鉱物系複合材料の徐放性におけるTMS、ODS処理の効果
以上、詳述したように、本発明は、粘土鉱物系複合材料に係るものであり、防虫・昆虫忌避機能、抗微生物機能、鮮度維持機能、芳香機能等の生理活性機能を有する有機化合物を、無機物である粘土鉱物と複合一体化し、その有機化合物蒸気を徐放する、生理活性機能を有する粘土鉱物系複合材料及びその製造方法に関するもので、特にその徐放性の制御方法に関するものである。本発明は、人の営みに密接した生活・環境分野において、また、農業生産・加工・流通の分野において、その安定した徐放性により、人を含めた生態系にやさしく、かつ機能・効果の安定性、持続性にも優れた、上記生理活性機能をもつ材料を提供する。このように、本発明は、生活者、生産者にとって新たな環境をもたらすことができる点において、高い技術的意義を有する。
本発明に係る各試料中の炭素含有量の経日変化測定結果を示す図である。

Claims (7)

  1. 層間に陽イオン交換能をもつ粘土鉱物を主原料とし、層間にある層間水を、生理活性機能を有する有機化合物で交換して、粘土鉱物系複合材料を製造する方法において、該粘土鉱物を予め熱処理することにより層間水を排除した後に、該粘土鉱物の層間が復水する前に、粘土鉱物の表面に疎水性基を結合させ、さらに該粘土鉱物を有機化合物もしくはその溶液と直ちに混合することにより、該粘土鉱物の層間に導入した有機化合物の層間からの放出を遅延することを特徴とする粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
  2. 粘土鉱物として、スメクタイト族粘土鉱物を用いることを特徴とする請求項1に記載の粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
  3. 熱処理後の粘土鉱物に導入する有機化合物として、昆虫忌避機能、抗微生物機能、鮮度維持機能、芳香機能を有する有機化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載の粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
  4. 昆虫忌避機能、抗微生物機能、鮮度維持機能及び芳香機能のいずれかを有する有機化合物が、桂皮油、タイム・ホワイト油、クローブ・バッド油、シナモン・リーフ油、ラベンダー・フレンチ油、レモングラス油、ペパーミント油、ベルガモット油、ティートゥリー油、ゼラニウム油、シトロネラ油、ローズ油、レモン油、ユーカリ油、オリガヌム油、シンナムアルデヒド、オイゲノール、サリチル酸メチル、シトラール、アリルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、フェニルエチルイソチオシアネート、リナロール、メントール、ゲラニオール、チモール、テルピネオール、ヒノキチオール、ジエチルトルアミドの少なくとも1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
  5. 粘土鉱物の層間陽イオンが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、又はマグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載の粘土鉱物系複合材料の徐放性制御方法。
  6. 粘土鉱物の表面に結合させる疎水性基が、シリル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基であることを特徴とする請求項1に記載の粘土鉱物系複合材料。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の粘土鉱物系複合材料を機能性素材として使用したことを特徴とする粘土鉱物系複合材料。
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