JP5401686B2 - 車輪ハブ駆動ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、単一車輪のハブに、車軸、該車軸駆動用のモータ、及び変速装置を一体的に備えた車輪ハブ駆動ユニットに関する。
近年のハイブリッド型乗用車等に適用される各車輪のハブごとに設けられる車輪ハブ駆動ユニットとして、該車輪の中心軸たる車軸、該車軸駆動用のモータ、該車軸に駆動連結される減速装置、及び、該モータと減速装置との間に介設される高/低変速装置を備えた車輪ハブ駆動ユニットが、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されて公知となっている。
上記特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示される車輪ハブ駆動ユニットのうち、特許文献1、特許文献2に開示される車輪ハブ駆動ユニットは、モータの出力軸と車軸とが同一軸芯上になく、互いに平行に配置されているので、ユニット全体が車軸の径方向に拡張されている。そして、該モータ出力軸と該車軸との間に高/低変速装置としての高速ギア列と低速ギア列とが介設されている。
これに対し、特許文献3の車輪ハブ駆動ユニットでは、モータの回転中心と車軸(スピンドル)とが同一軸芯上に配置されているので、該車軸の径方向の拡張を抑えたコンパクトな構造となっており、ユニットの伝動装置全体を、車両本体側に固設されるハブケースに収納し、該ハブケースを車輪のリム内に配設したものとなっている。該モータは電動モータであって、その固定子を該ハブケースに固定し、回転子を、該スピンドルとその周りの該ハブケースの間に配置されるロータに固定しており、該ロータを該モータの出力部材としている。
さらに、特許文献3の車輪ハブ駆動ユニットには遊星ギア機構が備えられ、該遊星ギア機構は、車軸(スピンドル)にサンギアを固設し、遊星ギアキャリアを該ロータと一体回転自在に係合している。また、該スピンドルの中心軸孔に、別のモータ駆動で該スピンドルの軸芯方向に進退可能に挿入されるシフトドラムを設けている。遊星ギア機構のリングギアに係脱可能なリングギア用クラッチ部材(ドッグリング)がハブケースに相対回転不能かつ軸芯方向摺動自在に係合され、該リングギア用クラッチ部材を、該シフトドラムに押接される第一シフトレバーに連係している。また、遊星ギア機構の遊星ギアキャリアに係脱可能なキャリア用クラッチ部材(ドッグリング)がサンギアに相対回転不能かつ軸芯方向摺動自在に係合され、該キャリア用クラッチ部材を、該シフトドラムに押接される第二シフトレバーに連係している。該シフトドラムの軸芯方向の移動によって、第一・第二シフトレバーの回動位置が変化し、リングギアとハブとの係脱、及び遊星ギアキャリアとサンギアとの係脱が制御される。
該シフトドラムを高速位置にすると、リングギアはハブより離間され、遊星ギアキャリアがサンギアに係合されるので、該ロータが該車軸(スピンドル)にロックされる。すなわち、該車軸が該ロータと同一速度で回転する。該シフトドラムを低速位置にすると、リングギアがハブケースに係合し、遊星ギアキャリアがサンギアより離間するので、該サンギアは、固定されたリングギアに抗して遊星ギアを回転することとなり、該車軸は該ロータよりも遅く回転する。また、該シフトドラムを中立位置にすると、リングギアがハブケースより離間し、遊星ギアキャリアがサンギアより離間するので、車軸はロータに対し遊転自在となる。
特許第3584106号公報 特開2002−147596号公報 米国特許出願公開第2007/0084664号明細書
コンパクト性の確保、すなわち、車軸の径方向の拡張を抑えて、車輪のリム内にも収納可能な構造とするには、特許文献3のように、モータの回転軸芯と車軸とを同一軸芯上に配置することが好ましい。しかし、特許文献3の車輪ハブ駆動ユニットでは、ハブケース・ロータ・車軸間に介設される遊星ギア機構が一つのみ(すなわち、サンギア及びリングギアがそれぞれ一つ)であるものの、リングギアとハブとの間にリングギア用クラッチ部材(ドッグリング)、遊星ギアキャリアとサンギアとの間にキャリア用クラッチ部材(ドッグリング)を、それぞれに介設する必要があり、両クラッチ部材、両クラッチ部材にそれぞれ連係される第一・第二シフトレバー、該車軸たるスピンドルに挿入されるシフトドラムより構成されるシフト機構が複雑である。
すなわち、シフトドラムが高速位置の時には、リングギア用クラッチ部材をリングギアより離間させ、キャリア用クラッチ部材を遊星ギアキャリアに係合させるように、シフトドラムが中立位置の時には、両クラッチ部材を該リングギア・遊星ギアキャリアそれぞれから離間させるように、また、シフトドラムが低速位置の時には、リングギア用クラッチ部材をリングギアに係合させ、キャリア用クラッチ部材を遊星ギアキャリアより離間させるように、それぞれのシフトドラム位置に対応した第一・第二シフトレバーの回動位置を現出するためには、該第一・第二シフトレバーに押接されるシフトドラムの形状を工夫し、かつ、第一・第二シフトレバーのシフトレバーへの押接位置を工夫する等、シフト機構について、精密性及び複雑性が要求され、高コストの要因となる。
請求項1においては、車両本体に固設されるハブケースに、車輪の車軸と、該車軸と同一軸芯上に延設される出力軸を有するモータと、該車軸に出力する低速用遊星ギア機構及び高速用遊星ギア機構とを収納し、該低速用遊星ギア機構のサンギアである低速サンギア及び該高速用遊星ギア機構のサンギアである高速サンギアの両方を、該出力軸上に相対回転自在に設け、該出力軸上に、相対回転不能かつ軸芯方向摺動自在なシフタを備えており、該シフタは、その該出力軸上の摺動により、該出力軸の動力を該高速用遊星ギア機構に伝達する高速位置と、該出力軸の動力を該低速用遊星ギア機構に伝達する低速位置とに切換可能であり、前記シフタが前記高速サンギアに対し係脱可能であるとともに、前記低速サンギアと前記出力軸との間にワンウェイクラッチを介設し、該シフタが前記高速位置にある時、該シフタは該高速サンギアに相対回転不能に係合し、該シフタが前記低速位置にある時、該シフタは該高速サンギアより相対回転自在に離間し、前記出力軸より該ワンウェイクラッチを介して該低速用遊星ギア機構に、前記モータの出力が伝達される車輪ハブ駆動ユニットである。
請求項2においては、前記シフタの位置切換は自動制御されるものである。
請求項3においては、前記シフタは、前記車輪ハブ駆動ユニットを備えた車両の実際の走行速度とアクセル操作位置との関係をもとに、前記高速位置と前記低速位置との間での切換を自動制御されるものである。
請求項4においては、前記シフタは、前記モータにかかる負荷が所定値以上になると、前記高速位置より前記低速位置へと自動的に切り換えられるものである。
請求項5においては、前記車輪の停止時に、前記自動制御にて、前記シフタが前記低速位置に保持されるものである。
請求項6においては、前記シフタは、さらに、作業者の任意で位置制御可能であり、前記車輪ハブ駆動ユニットを備えた車両に、該シフタを作業者の任意で位置制御する手動モードか、該シフタの位置を自動制御する自動モードか、を選択可能なモード選択手段を設けているものである。
請求項7においては、前記シフタは、前記手動モードを設定している時も、前記車軸の回転数が所定値以下にならないと、前記高速位置から前記低速位置への位置切換ができないものである。
請求項8においては、前記ハブケースの少なくとも一部が前記車輪のリム内に配設されるものである。
請求項9においては、前記モータを電動モータとしたものである。
請求項10においては、前記モータは、前記車輪の回転力を該車輪の制動時に電気エネルギーに変換する回生機能を有しているものである。
請求項11においては、前記モータを油圧モータとしたものである。
請求項12においては、前記の低速・高速両遊星ギア機構と前記車軸との間に、減速機構が介設されているものである。
請求項1の如く構成することにより、以下のような効果を奏する。
すなわち、本発明の車輪ハブ駆動ユニットは、モータ軸の出力軸と、車軸とが同一軸芯上に配置されていて、該出力軸及び車軸の径方向のコンパクト性が確保される。そして、変速装置として、低速用遊星ギア機構と高速用遊星ギア機構との二つの遊星ギア機構を備えつつ、そのシフト機構において、軸芯方向に摺動制御する部材としては、該出力軸に相対回転不能かつ軸芯方向摺動可能に設けるシフタのみですみ、少なくとも低速状態または高速状態のいずれかを現出するには、該シフタと該低速サンギアまたは該高速サンギアとを係脱可能に構成するだけですむ。前記の、特許文献3に開示した従来の車輪ハブ駆動ユニットのシフト機構では、高速状態・低速状態の各状態を現出するのに、シフトドラムと両クラッチ部材の三つの部材の摺動位置を決めなければならない複雑な構成となっていたが、これに比べ、本発明の車輪ハブ駆動ユニットのシフト機構は簡素で経済的な構成となっている。
また、請求項1の如く構成することにより、前記車輪ハブ駆動ユニットの第二様態の効果として、シフタの切換位置は高速位置と低速位置との2位置ですみ、位置制御が容易になる。
また、シフタの高速位置と低速位置との間に中立位置を設定しなくてすむので、出力軸の軸芯方向における車輪ハブ駆動ユニットのコンパクト化にもつながる。また、シフタに対し、高速サンギアにのみ係脱部を構成すればよく、低速サンギアにはシフタに対する係脱部はいらないので、低速サンギアの構成を簡素にする。
請求項2の如く構成することにより、車輪の回転速度や負荷状態、また、モータの負荷状態等、様々な状態に応じて、低速状態または高速状態が自動的に現出され、急激な速度変化によるショックや高負荷状態やエンジン停止等の不測の事態を回避できる。
請求項3の如く構成することにより、前記シフタの自動制御を、車両の実際の走行速度とアクセル操作位置との関係をもとに行うことで、アクセル操作位置に見合う高速用遊星ギア機構または低速用遊星ギア機構のいずれかのギア比で、効率よく目標の走行速度を現出でき、また、高速設定中に不測に走行速度がアクセル操作位置に見合わない値まで低下すれば、該アクセル操作位置を実際にその低下した走行速度に見合う位置まで変更するのを待つまでもなく、シフタを低速位置に切り換えて、高トルクの低速用遊星ギア機構での動力伝達を行い、トルク不足によるエンジン停止等の事態を回避する。
請求項4の如く構成することにより、モータにかかる負荷が所定値以上になると高速位置から低速位置にシフタを自動的に切り換えることで、モータへの過負荷を回避し、モータの耐久性を高めることができる。
請求項5の如く構成することにより、前記車輪停止時にて、該シフタを低速位置に保持することで、車両発進時に、該車輪を、高トルクの低速遊星ギア機構を介しての動力伝達で駆動することができ、円滑で確実な発進が可能である。
請求項6の如く構成することにより、車両にモード切換手段を設けて、自動制御モードと手動制御モードとを現出可能とすることで、車両の運転者が手動制御モードを選択して任意で車輪ハブ駆動ユニットの高速状態・低速状態のいずれかを選択することが可能となる。
請求項7の如く構成することにより、前記手動制御モードを設定している時でも、車軸の回転数が所定値以下にならないと前記高速位置から前記低速位置への位置切換ができないようにすることで、該車軸回転数が高いにもかかわらず運転者がシフタを低速位置にする操作をして不測に走行速度が急低下する事態や、モータに出力側から車軸の高回転による急激な負荷をかけてしまうという事態を回避できる。
請求項8の如く構成することにより、以上のうちいずれかの構成の車輪ハブ駆動ユニットにおいて、モータを電動モータとすることで、これを適用した車両を、例えばハイブリッド式車両とし、エンジンの燃料消費を抑制でき、二酸化炭素等、有害ガスの排出の少ない車両とすることが可能である。
請求項9の如く構成することにより、モータを電動モータとし、該モータにてエネルギー回生を行う車輪ハブ駆動ユニットにおいては、制動時に電動モータの駆動等に必要な電気エネルギーを自然に蓄えることができる。
請求項10の如く構成することにより、特にはエネルギー回生を高速設定時の車輪制動時に行うことで、車輪の高回転により効率よくエネルギー回生を行うことができる。
請求項11の如く構成することにより、以上のうちいずれかの構成の車輪ハブ駆動ユニットにおいて、モータを油圧モータとすることで、これを適用した車両を、例えばハイブリッド式車両とし、エンジンの燃料消費を抑制でき、二酸化炭素等、有害ガスの排出の少ない車両とすることが可能である。また、電動モータの場合には必要である充電手段を不要とする。
請求項12の如く構成することにより、以上のうちいずれかの構成の車輪ハブ駆動ユニットにおいて、前記遊星ギアキャリアと車軸との間に減速機構を介設することで、遊星ギア機構自体は大きなギア比を確保するためにサイズを大きくする必要がなく、また、減速機構自体も、遊星ギアキャリアと車軸との間での介設で、両遊星ギア機構に共有させることができ、コンパクト性を確保できる。
本発明に係る車輪ハブ駆動ユニットDを左右後輪駆動用に備えた車両の実施例である芝刈機100の平面略図である。 低速位置L、中立位置N、高速位置Hの3位置に切換可能なシフタ21を備えた車輪ハブ駆動ユニットD1の正面断面図である。 車輪ハブ駆動ユニットD1のスケルトン図である。 シフタ21を低速位置Lにした時の車輪ハブ駆動ユニットD1の部分拡大正面断面図である。 シフタ21を中立位置Nにした時の車輪ハブ駆動ユニットD1の部分拡大正面断面図である。 シフタ21を高速位置Hにした時の車輪ハブ駆動ユニットD1の部分拡大正面断面図である。 シフタアクチュエータの制御ブロック図である。 様々な設定や条件に対応するシフタの制御フローチャート図である。 図8のフローチャートより続く、自動モード設定時のシフタの高/低速切換時の動作制御を示すフローチャート図である。 低速位置L、高速位置Hの2位置に切換可能なシフタ34を備えた車輪ハブ駆動ユニットD2の正面断面図である。 車輪ハブ駆動ユニットD2のスケルトン図である。 シフタ34を高速位置Hにした時の車輪ハブ駆動ユニットD2の部分拡大正面断面図である。 シフタ34を低速位置Lにした時の車輪ハブ駆動ユニットD2の部分拡大正面断面図である。 車輪ハブ駆動ユニットD3のスケルトン図である。 トロイダルCVTを用いた車輪ハブ駆動ユニットD4のスケルトン図である。 トロイダルCVTを用いた車輪ハブ駆動ユニットD5のスケルトン図である。 モータ出力軸を車軸に対し偏心させた車輪ハブ駆動ユニットD6のスケルトン図である。 モータ出力軸を車軸に対し偏心させた車輪ハブ駆動ユニットD7のスケルトン図である。 モータ出力軸を車軸に対し偏心させた車輪ハブ駆動ユニットD8のスケルトン図である。 車軸の軸芯方向に見た場合の、車輪リム内に配置した車輪ハブ駆動ユニットD6、D7、D8のいずれかの、ギア配置を示す略図である。 車軸の軸芯方向に見た場合の、車輪リム内に配置した車輪ハブ駆動ユニットD6、D7、D8のいずれかの、他のギア配置を示す略図である。
図1における、本発明に係る車輪ハブ駆動ユニットDを備えた車両の実施例としての芝刈機100の構成について説明する。該芝刈機100は、左右各駆動輪(後輪)102の駆動用に、左右一対の車輪ハブ駆動ユニットDを備えている。各車輪ハブ駆動ユニットDは、後述の如くモータや変速機構等を収納するハブケース1を有し、該ハブケース1にて、後記車軸を回転自在に支持し、該車軸上に、駆動輪102のハブとなるハブ2を固設している。各車輪ハブ駆動ユニットDのハブケース1は、芝刈機100の車体フレーム101の左右各側板部101aに固設され、各側板部101aより左右外方へと該ハブケース1を突設し、その左右外端より突出する車軸の外端に固設されるハブ2を、駆動輪102のリム102b内に配置している。駆動輪102は、タイヤ102a、該タイヤ102a内周部に取り付けた環状のリム102b、及び該リム102bの円形開口内に固設されているホイル102cよりなり、該ハブ2は、該リム102b内のホイル102cに締止されている。
ここで、図2等をもとに、車輪ハブ駆動ユニットD(図2に図示されるのは、車輪ハブ駆動ユニットDの一構成例である車輪ハブ駆動ユニットD1)におけるハブケース1の構造、及び、該車輪ハブ駆動ユニットDにおけるハブ2の支持構造について説明しておく。該ハブケース1は、ブレーキケース部材11、内側カバー部材12、モータケース部材13、シフタケース部材14、減速ギアケース部材15、車軸ケース部材16、外側カバー部材17を、後述の車軸4(及びこれと同一軸芯上の後述のモータ出力軸5)の軸芯方向に沿って、車両の左右内側から外側へと、この順に配置し、接合してなる。なお、以後の車輪ハブユニットD(D1、D2を含む)の説明において、「軸芯方向」とは、車軸4(及びモータ出力軸5)の軸芯方向を指すものとし、「軸芯方向外側」とは、該軸芯方向におけるハブ2寄り側、「軸芯方向内側」とは、該軸芯方向におけるハブ2と反対側を指すものとする。
ハブケース1のシフタケース部材14の外周部の軸芯方向途中には段差面14aが形成されており、シフタケース部材14、減速ギアケース部材15、車軸ケース部材16に、該段差面14aより軸芯方向のボルト10を螺入して、該ケース部材14・15・16を締結している。さらに、図1に示すように、この段差面14aを、車体フレーム101の左右各側板部101aの外側面に当接させる状態にして、該ハブケース1を各側板部101aに固設しており、各側板部101aの左右外側に、該ハブケース1の減速ギアケース部材15、車軸ケース部材16、外側カバー部材17を配し、各側板部101aの左右内側に、該ハブケース1のモータケース部材13、内側カバー部材12、ブレーキケース部材11を配するものとしている。なお、該段差面14aに側板部101aを当接した状態で、図2に示すボルト10にて、該側板部101aを、該ケース部材14・15・16と共締めにしてもよい。
図2等に示すように、車軸4は、その軸芯方向途中部にて、軸受20を介してハブケース1の車軸ケース部材16内にて軸支され、その軸芯方向外端部を外側カバー部材17より突出し、該突出端部上にハブ2を固設している。なお、ハブ2は該車軸4の突出端部にキー嵌合し、該車軸4の外端に形成したネジ部4cに螺装したナット3にて該ハブ2を該車軸4に係止している。このハブ2を、前述のとおり、駆動輪102のリム102b内に配置し、該リム102b内のホイル102cにボルト締止することで、該車輪ハブ駆動ユニットDに、駆動輪102を取り付けている。
図1における芝刈機100の構造の説明に戻る。車体フレーム101前端の左右各端部には、前輪としてのキャスタ110が支持されている。車体フレーム101の前後途中部の下方には、図示せぬ回転刃等を内装するモアユニット103が配置されており、該モアユニット103の後方にて、該車体フレーム101上に、本体カバー104が搭載されていて、該本体カバー104内における、該車体フレーム101の左右両側板101a・101a間にて、エンジン105、発電機106、バッテリ107が配設されている。なお、エンジン105には、ラジエータ105aやラジエータファン105b等が付設されている。
発電機106は、エンジン105にて駆動されて発電し、その電力を、左右各車輪ハブ駆動ユニットDのハブケース1(モータケース部材13)内に配設される各車輪駆動用の後述の電動モータに供給する。芝刈機100には、ペダルやレバー等のアクセル操作具43(図1で図示せず。図7参照)が備えられており、該アクセル操作具43の操作により、例えばエンジン105の回転数や発電機106の出力用電圧を変化させることで、該発電機106から両車輪ハブ駆動ユニットDのモータに供給される電力を変化させ、これにより、左右両駆動輪102の回転速度を変化させて、芝刈機100の走行速度を変化させる。また、芝刈機100には図示せぬ旋回操作具(丸形ハンドル等)が備えられており、該旋回操作具の操作方向や操作量等に応じて、左右両車輪ハブ駆動ユニットDのモータへと供給される電力に差を設け、これにより、左右の駆動輪102を差動させて、芝刈機100を旋回する。なお、アクセル操作具43や旋回操作具の操作状態を示す信号に基づいての発電機106の電圧制御等のため、例えば発電機106に組み入れる等の手段で、該芝刈機100に図示せぬコントローラが設けられている。
発電機106から出力される余剰の電力は、バッテリ107に蓄積される。また、各車輪ハブ駆動ユニットDの電動モータは、駆動輪102の制動時に、該駆動輪102の回転を、該電動モータ駆動用等に用いる電気エネルギーに変換する回生機能を有しており、変換した電気エネルギーをバッテリ107に蓄積するものである。特に、車輪ハブ駆動ユニットDの高速設定時(すなわち、後述のシフタ21またはシフタ34を高速位置Hにしている時)における制動時に、高速設定時での駆動輪102の高速回転力をエネルギー源とすることで、高いエネルギー回収効率が確保できる。
なお、モアユニット103には、回転刃駆動用のギア機構を収納するギアボックス103aが付設されており、該ギアボックス103a内のギア機構駆動用のモータ108が、該本体カバー104内における、該車体フレーム101の左右両側板101a・101a間に配設され、該モータ108の出力軸と該ギアボックス103aの入力軸とが、ユニバーサルジョイント付き伝動軸109にて連結されている。
次に、車輪ハブ駆動ユニットDの第一構成例として、図2〜図6に示す車輪ハブ駆動ユニットD1について説明する。ケース部材・カバー部材11・12・13・14・15・16・17よりなるハブケース1の構造、ハブケース1の車軸ケース部材16による車軸4の支持構造、ハブ2の車軸4に対する取付構造等については、既に説明したとおりである。
モータケース部材13の内周面に、複数の電機子巻線を環状に並列してなる環状の固定子(ステータ)6aを固設し、該環状の固定子6a内の開口内に回転子(ロータ)6bを配置し、該固定子6aの内周面に該回転子6bの外周面を対峙させて、電動モータ6を構成している。
該回転子6aの中心より、軸芯方向外側に車両の左右外側に向かって水平に、回転子6aと一体回転自在のモータ出力軸5が、シフタケース部材14の車両左右内側端に支持される軸受18を介して、シフタケース部材14内および減速ギアケース部材15内へと延設されている。さらに、該モータ出力軸5は、該回転子6aの中心より、反対側の車両の左右内側にも向かって、内側サイドカバー12に支持される軸受12aを介してブレーキケース部材11内へと延設されており、ブレーキケース部材11内では、該モータ出力軸5を被制動軸として、これにブレーキ7が周設されている。該ブレーキ7は、該ブレーキケース部材11内に形成した車両内側向き開口状の凹部内に配設されており、該凹部の開口は、該ブレーキケース部材11の車両内側向きの側面に取り付けたカバー板11aにて覆われており、ブレーキ7を操作するブレーキ操作軸8が該ブレーキ7より該カバー板11aを介してハブケース1の外側に突出され、該ハブケース1外側における該ブレーキ操作軸9の端部にブレーキアーム9が固設されている。該ブレーキアーム9は、車両(芝刈機100)の図示せぬブレーキ操作具(ブレーキペダル等)にリンク機構にて機械的に連係されるか、または、ブレーキ用アクチュエータに連係される。
接合し合う減速ギアケース部材15の軸芯方向外端、および車軸ケース部材16の軸芯方向内端の内周面にて、軸受19を介して、車軸4の内端フランジ4aが軸支されており、該モータ出力軸5の先端ピン部5bが、該車軸4の内端フランジ4aの中心部に形成した凹部4bに相対回転自在に嵌入されている。車軸4は該内端フランジ4aより、該モータ出力軸5と同一軸芯上にて車両(芝刈機100)の左右外側(ハブ2側)に水平に延設され、前述の如く、車軸4の軸芯方向途中部が軸受20を介して車軸ケース部材16内にて軸支され、該車軸4は、外端カバー部材17を介して、ハブケース1の外側へと延出し、前述の如く、ハブ2が該車軸4の突出外端に固設されている。
ハブ2は、前述の如く駆動輪102のホイル102cに締止されるべく、駆動輪102のリム102b内に配置される。さらに、ハブケース1の少なくとも一部、本構成例では、外側カバー部材17及び車軸ケース部材16が、リム102b内に配置されて、駆動輪102と車両本体との間における車輪ハブ駆動ユニットD1の延伸長を短縮し、車両(芝刈機100)の左右方向のコンパクト化を図っている。
シフタケース部材14及び減速ギアケース部材15内において、高速サンギア25、中立スリーブ26、低速サンギア27が、互いに相対回転自在に、軸芯方向外側に向かってこの順に隣接配置され、それぞれ、該モータ出力軸5に相対回転自在に外嵌されている。各サンギア25・27には、キー溝状の各ラッチ溝25a・27aが形成されていて、モータ出力軸5の外周面に臨んでおり、また、中立スリーブ26は、該モータ出力軸5の外周面に臨む環状のラッチ溝26aを備えている。
また、モータ出力軸5にはシフタ21が外嵌されている。図3〜6に示すように、該シフタ21は、フォーク嵌合用の環状溝22aを有する摺動リング部材22と、先端にラッチ23aを形成したキー部材23とを一体状に組み合わせてなるものである。摺動リング部材22は、高速サンギア25の軸芯方向内側(モータ6寄り側)にて、軸芯方向摺動自在にモータ出力軸5に外嵌されており、該摺動リング部材22に組み付けたキー部材23を、モータ出力軸5の外周面に軸芯方向延伸状に形成したキー溝5a内に嵌入することで、該シフタ21をモータ出力軸5に相対回転不能かつ軸芯方向摺動自在に係合している。
シフタ21のキー部材23は、その軸芯方向内側端部にて摺動リング部材22に係止され、軸芯方向外側へと弾性を有して延伸し、その先端に形成したラッチ23aが、該シフタ21の軸芯方向の摺動により、サンギア25・27及び中立スリーブ26のラッチ溝25a・27a・26aのいずれか一つに嵌入可能となっている。なお、各サンギア25・27のラッチ溝25a・27aは、そのサンギアの回転中に該ラッチ溝がキー溝5aに合致した時に、そのラッチ溝にラッチ23aが嵌入可能である。図4の如く、低速サンギア27のラッチ溝27aにラッチ23aが嵌入する時のシフタ21の位置を低速位置L、図5の如く、中立スリーブ26のラッチ溝26aにラッチ23aが嵌入する時のシフタ21の位置を中立位置N、図6の如く、高速サンギア25のラッチ溝25aにラッチ23aが嵌入する時のシフタ21の位置を高速位置Hとしている。
摺動リング部材22の環状のフォーク溝21cにフォーク24先端の嵌合ピン24aが該フォーク溝21cに沿って摺動自在に嵌入されている。フォーク24の基端(上端)は枢支軸24bを介してシフタケース部材14の壁部に枢支されており、該枢支軸24bの外端は、該ハブケース1より突出しており、該枢支軸24bの外端に、該枢支軸24bを中心として該フォーク24と一体に回動自在に操作アーム24cが取り付けられている。該操作アーム24cは、車両(芝刈機100)に設けたシフタアクチュエータ47(図7参照)に連係されている。
ここで、図7のシフタ制御システムについて説明する。シフタアクチュエータ47は、例えば電気アクチュエータや油圧アクチュエータであり、コントローラ40にて制御される。車両(芝刈機100)には、自動モード/手動モード選択用のモード選択操作具(レバー、ダイヤル等)及び低速/高速/中立選択用の変速操作具(レバー、ペダル等)が設けられている。図7の構成例では、モード選択操作具を、自動モード位置Aと手動モード位置Mとに切換可能なモード選択スイッチ41としており、変速操作具を、低速位置L42、中立位置N42、高速位置H42の3位置に切換可能な変速レバー42としている。モード選択スイッチ41及び変速レバー42それぞれの操作位置を示す信号は、それぞれの操作位置を検出するセンサ41a・42aより発信されて、コントローラ40に入力される。さらに、自動モード選択時のシフタ制御のために、アクセル操作具(レバー、ペダル等)の操作位置(アクセル開度)APを検出するアクセルセンサ43、車速(駆動輪102の回転速度)VSを検出する車速センサ44、モータの負荷MLを検出する負荷センサ45、及び旋回操作具の操作位置(丸形ハンドルの回動角度等)を検出するステアリングセンサ46の検出信号が、コントローラ40に入力される。コントローラ40は、これらの信号に応じて、シフタアクチュエータ47を制御する。
手動モードを選択する(モード選択スイッチ41を手動モード位置Mにする)と、作業者の任意の変速レバー42による設定に応じて、シフタ21が該低速位置L、中立位置N、高速位置Hのいずれかに配置される。自動モードを選択すれば(モード選択スイッチ41を自動モード位置Aにすれば)、変速レバー42の位置にかかわらず、アクセル開度AP(アクセルセンサ43にて検出される、前記のアクセル操作具の操作位置)と車速VS(車速センサ44にて検出される、たとえば駆動輪102の実際の回転速度)との関係に応じて、自動的に低速位置L、高速位置H、中立位置Nのいずれかにシフタ21が配置される。なお、手動モード設定時にも、変速レバー42での設定にかかわらず強制的にシフタ21を制御する場合もある。自動モード設定時等において、どのような状態の時にシフタ21をどの位置に配置するかについては、後に図8、図9を用いて詳述する。
低速サンギア27と車軸4の内端フランジ4aとの間にて、減速サンギア31がモータ出力軸5に相対回転自在に外嵌されており、減速サンギア31のボス端部が軸芯方向内側に延伸され、該延伸ボス端部の外周面上には遊星ギアキャリア30を相対回転不能に外嵌している。遊星ギアキャリア30には、モータ出力軸5と平行な遊星ギア軸29が植設されており、該遊星ギア軸29上に、遊星ギア部材28が相対回転自在に外嵌されている。遊星ギア部材28には、高速サンギア25に常時噛合する高速遊星ギア28aと、低速サンギア27に常時噛合する低速遊星ギア28bとが形成されている。すなわち、高速遊星ギア28aと低速遊星ギア28b同士は一体回転自在(相対回転不能)となっている。また、減速ギアケース部材15の内周面には、低速遊星ギア28bに常時噛合するリングギア(インターナルギア)15aが形成されている。
こうして、高速サンギア25と高速遊星ギア28aとを噛合してなる高速遊星ギア列と、低速サンギア27と低速遊星ギア28bとを噛合してなる低速遊星ギア列とが構成されており、該低速・高速各遊星ギア列のサンギア25・27がそれぞれ、シフタ21に対し係脱可能となっている。また、該低速・高速両遊星ギア列は、遊星ギア部材28、遊星ギアキャリア30、リングギア15aを共有している。こうして、遊星ギア部材28には、車両の車体(芝刈機100の車体フレーム101)に固設されたハブケース1による回転抑制力がリングギア15aを介して入力される一方で、シフタ21を前記高速位置Hにした場合は該高速遊星ギア列(ギア25・28a)を介して、シフタ21を前記低速位置Lにした場合には該低速遊星ギア列(ギア27・28b)を介して、モータ出力軸5の回転動力が入力される。遊星ギア部材28は、該リングギア15aからの入力と、該高速遊星ギア列または該低速遊星ギア列からの入力とをもとに、モータ出力軸5の軸芯を中心に公転し、遊星ギアキャリア30及び減速サンギア31が、該遊星ギア部材28の公転に連れて、モータ出力軸5の軸芯を中心として回転する。
なお、シフタ21を低速位置Lにしている時は、高速サンギア25は、モータ出力軸5にて駆動される低速サンギア27及び遊星ギア部材28の回転に連れて、該モータ出力軸5上にて遊転している。一方、シフタ21を高速位置Hにしている時は、低速サンギア27は、モータ出力軸5にて駆動される高速サンギア25及び遊星ギア部材28の回転に連れて、該モータ出力軸5上にて遊転している。シフタ21を中立位置Nにしている時は、中立スリーブ28がモータ出力軸21と一体に回転するのみで、該モータ出力軸21の回転動力は、低速遊星ギア列にも高速遊星ギア列にも伝達されず、すなわち、遊星ギア部材28には伝達されず、該遊星ギア部材28には、リングギア15aからの回転抑制力のみが入力される。
車軸4の内端フランジ4aに、該モータ出力軸5と平行な遊星ギア軸33が支持されていて、該ギア軸33を介して、遊星ギア32が該車軸4の内端フランジ4aに枢支されている。該遊星ギア32は、減速サンギア31と常時噛合するとともに、減速ギアケース部材15の内周面に形成されたリングギア(インターナルギア)15bと常時噛合している。すなわち、減速サンギア31、遊星ギア32、リングギア15bよりなる遊星ギア機構を、該車輪ハブ駆動ユニットD1の減速機構として、低速・高速遊星ギア機構の車軸4への出力部材である遊星ギアキャリア30と、車軸4との間に介設している。遊星ギア32には、該遊星ギアキャリア30と同期回転するサンギア31からの入力と、リングギア15bを介しての、車体(車体フレーム101)に固設されるハブケース1(減速ギアケース部材15)からの回転抑制力とが入力されて、両入力をもとに、遊星ギア32がモータ出力軸5の軸芯を中心として公転し、該車軸4の内端フランジ4aが、この減速ギア機構としての遊星ギア機構における遊星ギアキャリアとして、該遊星ギア32の公転に連れて回転する。これにより、車軸4が該内端フランジ4aと一体に回転する。
以上の如き構成の車輪ハブ駆動ユニットD1を備えた車両(芝刈機100)における様々な車両の状態に対応しての、前記コントローラ40によるシフタ21の位置制御について、図8、図9のフローチャートより説明する。まず、図8に示すように、前記のモード選択スイッチ41を手動モード位置Mにすることにより、手動モードを選択している場合(ステップS01、M)は、作業者が、変速レバー42を、低速位置L42、高速位置H42、中立位置N42のいずれに任意設定しているかに応じて、シフタ21が低速位置L、高速位置H、中立位置Nのいずれかに配置される(ステップS02)。ただし、該手動モード選択時において、該変速レバー42を高速位置H42に設定している場合(ステップS03、YES)に、車速VS、すなわち、車輪(駆動輪102)の回転速度が、所定値VS1より高い場合(ステップS04、NO)は、該変速レバー42をロックし、低速位置L42へのシフトはできないようにしている(ステップS05)。或いは、変速レバー42自体は低速位置L42に切り換わるものの、シフタ21は高速位置Hのままで、実際の車速VSが低下して所定値VS1以下となった時点でシフタ21が低速位置Lと切り換わるものとしてもよい。
図8に示すように、モード選択スイッチ41を自動モード位置Aにして、自動モードを選択している場合(ステップS01、A)は、基本的に、実際の車速VS(車速センサ44にて検出)に対しての、作業者が任意で設定する前記のアクセル操作具の操作位置AP(アクセルセンサ43にて検出)の相対比AP/VSをもとに、シフタ21が高速位置Hか低速位置Lかに配置される(ステップS12)。例えば、AP/VSの通常値の範囲を設定しておき、実際に検出されるAP/VSの値が該通常値の範囲内であれば、シフタ21は高速位置Hで保持され、アクセル操作位置APに比して車速VSが異常に低下してAP/VSの値が通常範囲の上限値を超えて高くなった場合は、シフタ21を低速位置Lに切り換えることで、該低速遊星ギア列を介しての高トルクの動力により車輪102を駆動する。また、アクセル操作位置APに比して車速VSが異常に増大してAP/VSの値が通常範囲の下限値を下回った場合も、シフタ21を高速位置Hから低速位置Lへと切り換えることで、車速VSを強制的に低下させる。
ここで、図9に示すように、この自動モード設定時におけるAP/VSに基づくシフタ21の低速位置L・高速位置H間でのシフトの途中には、該シフタ21は、現在の低速位置Lまたは高速位置Hから離れた(ステップS13、YES)後、中立位置Nにて待機し(ステップS14)、目標の速度段(高速段または低速段)設定用の高速サンギア25または低速サンギア27の回転速度(高速位置Hが目標の時は、高速サンギア25の回転速度HS。低速位置Lが目標の時は、低速サンギア27の回転速度LS)がモータ出力軸5の回転速度MSと同一となった時点で、該中立位置Nから目標の高速位置Hまたは低速位置Lへとシフトされる。これにより、ラッチ23aを目標の速度段設定用のサンギア25または27に係合した時の急激な速度変化やショックなく、円滑な変速が可能となる。例えば、車輪102の回転速度の異常低下がもとで、シフタ21を高速位置Hから低速位置Lへとシフトする場合に、該高速位置Hから離れたシフタ21を中立位置Nに一旦保持し、この間に、アクセル操作具の操作位置を移動させてモータ6及びモータ出力軸5の回転速度を低下させる。低下したモータ出力軸5の回転速度が、低速サンギア27の実際の回転速度まで落ちた時点で、シフタ21は中立位置Nから低速位置Lへとシフトされる。この時点で、ラッチ23aは、モータ出力軸5と略同じ速度で回転している低速サンギア27のラッチ溝27aへと嵌入されるので、該ラッチ23aの嵌合時に殆ど車速VSやモータ6の回転速度MLが変化することはない。
AP/VSの値が通常であれば、アクセル操作具を中立位置に戻して車両を停止させるまでシフタ21が高速位置Hのままであることも考えられる。しかし、車両停止中にシフタ21が高速位置Hに保持されたままであると、その後に高速設定のままで車両を発進させることとなり、高速遊星ギア列のトルクでは発進用としてはトルク不足である可能性がある。そこで、車両が停止する、すなわち、車速VSが0になる(ステップS06、YES)と、その後の停止中は、シフタ21を低速位置Lに保持し、その後の発進操作時に、低速遊星ギア列の高トルクで円滑に車両を発進させるようにする。或いは、車両停止中に、シフタ21を中立位置に保持することとし、不測の発進操作で車両が予期せず発進してしまうという事態を回避するようにしてもよい(ステップS07)。
また、高速設定による車両の走行中において、前述のAP/VSの値に基づいてのシフタ21の低速位置Lへのシフト以外に、コントローラ40は、いくつかの条件を認識すると、自動的にシフタ21を低速位置Lへとシフトする。まず、コントローラに入力される入力手段や検出手段からの信号のいずれかに異常があると認識した場合(ステップS08、YES)である。この場合に、シフタ21を強制的に低速位置Lにシフトする(ステップS11)ことで、すばやく車両を低速走行させ、危険性を回避するとともに、該減速により作業者に異常を認識させることもできる。
また、旋回時(ステアリングセンサ46の検出信号により車両が旋回中であることが確認される時)の車速VSが所定値VS2以上であることが認識される(ステップS09、YES)と、シフタ21は自動的に低速位置Lにシフトされ(ステップS11)、強制的に旋回時の車速VSを低下させ、これにより、旋回時の車両の安全性や安定した旋回性を確保する。
さらに、車輪側からモータ6へとかかる負荷トルクMLが所定値ML1以上であることが認識される(ステップS10、YES)と、シフタ21は自動的に低速位置Lにシフトされ(ステップS11)、車輪の回転速度を低下させて、該車輪からの負荷トルクを低減する。これにより、モータ6の過負荷による損傷や耐久性の低下を回避する。
次に実施例である、図10〜図13に示す車輪ハブ駆動ユニットD2について、車輪ハブ駆動ユニットD1と異なる点のみ説明する。なお、図10〜図13において、車輪ハブ駆動ユニットD1の各要素を指すのに用いた符号と同じ符号は、該車輪ハブ駆動ユニットD1の各要素と同じまたは同等の機能を有する要素を指すものである。また、図14〜図21に示す他の車輪ハブ駆動ユニットD3〜D8についても同様であり、同じ符号を付した要素については、特に必要としない限り、説明を省略する。
実施例である車輪ハブ駆動ユニットD2において、高速サンギア36がモータ出力軸5に相対回転自在に外嵌され、これに隣接して、低速サンギア38が、その内周面に沿って配設されるワンウェイクラッチ37を介して、モータ出力軸5に外嵌されている。そして、該低速サンギア38と軸芯方向反対側にて、高速サンギア36に隣接して、モータ出力軸5上にシフタ34が配置されている。シフタ34は、モータ出力軸5の外周面上にスプラインハブ35を固設し、該スプラインハブ34の外周面に形成されるスプラインに、摺動リング部材22の内周面に形成したスプラインを係合して、該スプラインハブ34上に該摺動陸部材22を相対回転不能かつ軸芯方向摺動自在に外嵌してなるスプラインタイプのものである。また、高速サンギア36の該摺動リング部材22への対峙側端部に、クラッチ歯部36aが形成されている。遊星ギア部材28の高速遊星ギア28aが高速サンギア36に、低速遊星ギア28bが低速サンギア38に、それぞれ常時噛合しており、ギア36・28aにて高速遊星ギア列が、ギア38・28bにて低速遊星ギア列が、それぞれ構成されている。
シフタ34は、スプラインハブ35上における摺動リング部材22の軸芯方向摺動により、低速位置Lと高速位置Hとに切換可能となっている。図12に示すように、摺動リング部材22が高速サンギア36のクラッチ歯部36aから外れてスプラインハブ35のみに噛合している状態を、シフタ34の低速位置Lとしており、図13に示すように、摺動リング部材22をスプラインハブ35及びクラッチ歯部36aに噛合した状態を、シフタ34の高速位置Hとしている。
シフタ34が高速位置Hにある時、該摺動リング部材22及びスプラインハブ35を介して高速サンギア36がモータ出力軸5に相対回転不能に係合する。遊星ギア部材28には、高速遊星ギア列(ギア36・28a)を介してモータ出力軸5の回転力を受けるとともに、ハブケース1よりリングギア15aを介して回転抑制力を受け、その結果としての遊星ギアキャリア30の回転が、減速ギア機構としての減速サンギア31及び減速遊星ギア32を介して、車軸4へと伝達される。なお、減速遊星ギア32は、前記同様に、ハブケース1よりリングギア15bを介して回転抑制力を受ける。
一方、シフタ34が低速位置Lにある時、該高速サンギア36は、モータ出力軸5上にて遊転自在であり、その間、低速サンギア38には、ワンウェイクラッチ37を介してモータ出力軸5の回転力が伝達される。ここで、ワンウェイクラッチ37は、モータ出力軸5の回転速度が低速サンギア38の回転速度を下回る間は、モータ出力軸5の回転力を低速サンギア38に伝達しない構成となっている。言い換えると、モータ出力軸5の回転速度が低速サンギア38の回転速度と同期して初めてモータ出力軸5の回転力を低速サンギア38へと伝達する。
すなわち、前記の車輪ハブ駆動ユニットD1では、図9(ステップS15)に示すように、コントローラ40によりシフタアクチュエータ47を制御することで、モータ出力軸5と、目標とした低速サンギア27の回転速度LSとが同期するまで、シフタ21を低速位置Lにはせずに中立位置Nに保持する構成としているが、本実施例の車輪ハブ駆動ユニットD2では、このようなアクチュエータの制御を必要とせずに、ワンウェイクラッチ37を上述のように構成することで、シフタ34は、低速位置Lに保持されている間に、モータ出力軸5の回転が低速サンギア38の回転と同期するまでは、低速遊星ギア列にも高速遊星ギア列にもモータ出力軸5の回転力を伝達しない中立状態を保持し、モータ出力軸5の回転が低速サンギア38の回転と同期した時点で、低速遊星ギア列にモータ出力軸5の回転力に伝達する低速設定状態に自然と切り替わる。したがって、車輪ハブ駆動ユニットD2が低速状態に移行する際に、ショックを感じるような急激な車速変化やエンジン負荷を回避することができる。
つまり、シフタ34の切換位置は高速位置H及び低速位置Lのみであって、中立位置は存在しないが、前記のワンウェイクラッチ37の構成により、モータ出力軸5及び低速サンギア38の回転速度の検出に基づくコントローラ40によるシフタ34制御用アクチュエータ47の制御は、シフタ34の高速位置Hと低速位置Lとの間の切換のみについて行われる。すなわち、車輪ハブ駆動ユニットD1では、中立状態から低速状態に移行するには、モータ出力軸5と低速サンギア27との回転速度の比較に基づくシフタ21の位置制御を要するが、車輪ハブ駆動ユニットD2では、前記のワンウェイクラッチ37の構成により、シフタ34を低速位置Lにしたまま、中立状態から低速状態への移行が可能であり、モータ出力軸5の回転速度と低速サンギア38の回転速度とを検出或いは算出するための検出手段も不要である。このように、車輪ハブ駆動ユニットD2では、シフタ34の位置切換のための回転数の検出や様々な条件の検出は、シフタ34を高速位置Hとするか低速位置Lにするかについてのみ行えばよく、シフタ34の自動制御構成を簡素化する。
なお、図8に示す車輪ハブ駆動ユニットD1のシフタ21の制御は、走行中の、車速VSに対するアクセル操作位置APの関係に基づいてシフタ21を中立位置Nにシフトし得る点(ステップS12)、及び、車両停止時にシフタ21を中立位置Nに保持し得る点(ステップS07)を除けば、車輪ハブ駆動ユニットD2における高速/低速2位置切換式のシフタ34の制御にも適用できる。
以下、車輪ハブ駆動ユニットの他の構成例について説明する。図14に示す車輪ハブ駆動ユニットD3は、車輪ハブ駆動ユニットD1と同様に、キータイプのシフタ21を有する、3位置切換式シフト機構を有するものであるが、車輪ハブ駆動ユニットD1の電動モータ6が、回転子6bの外周面に沿って固定子6aを配置して、固定子6aと回転子6bとの間のエアギャップを、モータ回転軸芯である出力軸5の径方向に配置した、ラジアルエアギャップタイプの電動モータであるのに対し、車輪ハブ駆動ユニットD3の電動モータ6は、一対の円盤状の回転子6b・6bの間に固定子6aを配置して、固定子6aと回転子6bとの間のエアギャップを、出力軸5の軸芯方向に配置した、アキシャルエアギャップタイプの電動モータとなっている。なお、図10〜図13に示すスプラインタイプのシフタ34を有する2位置切換式シフト機構を有する車輪ハブ駆動ユニットD2についても、図示のラジアルエアギャップタイプの電動モータ6を、車輪ハブ駆動ユニットD3のようなアキシャルエアギャップタイプの電動モータに置き換えてもよい。また、アキシャルエアタイプ電動モータとラジアルエアタイプ電動モータとを組み合わせて、車輪ハブ駆動ユニットのモータとして用いてもよい。
また、車輪ハブ駆動ユニットD1・D2において、ハブケース1(減速ギアケース部材15)に、低速遊星ギア28aに噛合するリングギア15aと、減速遊星ギア32に噛合するリングギア15bとを、別々に形成しているが、車輪ハブ駆動ユニットD3では、該ハブケース1(減速ギアケース部材15)に、低速遊星ギア28a及びリングギア15aの両方に噛合する一体のリングギア15cを形成している。このように、低速遊星ギア列と高速遊星ギア列とを有する変速機構の遊星ギアに噛合するリングギアと、該変速機構下流側の減速ギア列の遊星ギアとを一体化することで、ハブケース1におけるリングギアの加工を容易化することができる。なお、車輪ハブ駆動ユニットD3の一体型リングギア15cは、前述のように3位置切換式シフト機構を有するものへの適用となっているが、車輪ハブ駆動ユニットD2のように、2位置切換式シフト機構を有するものへの適用としてもよい。
図15に示す車輪ハブ駆動ユニットD4、及び図16に示す車輪ハブ駆動ユニットD5は、電動モータ6の出力軸5と車軸4とを同一軸芯上に配置するとともに、変速機構として、トロイダルCVT(無段変速装置)50を備えた構造のものである。電動モータ6はラジアルエアギャップタイプでもアキシャルエアギャップタイプでも、或いは両タイプを組み合わせたものでもよい。トロイダルCVT50は、入力側ディスク50aと出力側ディスク50bとの間のパワーローラー50cの傾斜を変更することで入力側ディクス50aに対する出力側ディクス50bの回転速度比を変化させるものである。入力側ディスク50aにはモータ出力軸5の軸芯方向外側端が固定されている。
図15の車輪ハブ駆動ユニットD4において、減速機構として、上流側の第一遊星ギア機構と、下流側の第二遊星ギア機構の、二連の遊星ギア機構を備えている。トロイダルCVT50の出力側ディスク50bから、モータ出力軸5及び車軸4と同一軸芯上にて、軸芯方向外側に、該出力側ディクス50bに固定された変速出力軸(第一減速入力軸)51が延設されており、該第一遊星ギア機構は、該変速出力軸51に固設した第一サンギア52と、ハブケース1の内周面に形成した第一リングギア(インターナルギア)54とを、第一遊星ギア53に常時噛合してなるものである。該第一遊星ギア53は、第一遊星ギア機構の出力部材たる第一遊星ギアキャリア55に支持されており、該第一遊星ギアキャリア55からは、該第一遊星ギアキャリア55に固定された第一減速出力軸(第二減速入力軸)56を、車軸4と同一軸芯上にて、軸芯方向外側に延設している。
該第二遊星ギア機構は、該第一減速出力軸56に固設した第二サンギア57と、ハブケース1の内周面に形成した第二リングギア(インターナルギア)59とを、第二遊星ギア58に常時噛合してなるものである。該第二遊星ギア58は、第二遊星ギア機構の出力部材たる第二遊星ギアキャリア60に支持されており、該第二遊星ギアキャリア60からは、該第二遊星ギアキャリア60に固定された車軸4を軸芯方向外側に延設している。なお、図2や図10に示すように、第二遊星ギアキャリア60を、車軸4の内端フランジ4aとしてもよい。
こうして、第一減速ギア機構において、第一遊星ギア53は、第一サンギア52を介してトロイダルCVT50の出力軸51の回転力を受ける一方、第一リングギア54からは回転抑制力を受け、該第一サンギア52の回転を減速し、遊星ギアキャリア55及び第一減速出力軸56を介して、第二減速ギア機構に出力する。そして、第二減速ギア機構において、第二遊星ギア58は、第二サンギア57を介して、第一減速ギア機構の出力たる第一減速出力軸56の回転力を受ける一方、第二リングギア59からは回転抑制力を受け、該第二サンギア57の回転を減速し、遊星ギアキャリア60を介して、車軸4に出力する。
図16の車輪ハブ駆動ユニットD5において、減速機構として、高減速型の遊星ギア機構を備えている。トロイダルCVT50の出力側ディスク50bから、モータ出力軸5及び車軸4と同一軸芯上にて、軸芯方向外側に、該出力側ディクス50bに固定された変速出力軸(減速入力軸)61が延設されており、該変速出力軸61には、サンギア62・65が固設されている。サンギア62は、ハブケース1に支持された遊星ギア63が常時噛合しており、該遊星ギア63は、さらに、リングギア部材64の第一リングギア(インターナルギア)64aに常時噛合している。リングギア部材64にはさらに、第二リングギア(インターナルギア)64bが形成されていて、該第二リングギア64bとサンギア65とを遊星ギア66に常時噛合させている。該遊星ギア66は、減速機構の出力部材たる遊星ギアキャリア67に支持されており、該遊星ギアキャリア67からは、該遊星ギアキャリア67に固定された車軸4を軸芯方向外側に延設している。なお、図2や図10に示すように、遊星ギアキャリア67を、車軸4の内端フランジ4aとしてもよい。
こうして、遊星ギアキャリア67に支持された遊星ギア66は、サンギア65を介して、トロイダルCVT50の出力たる変速出力軸61の回転力を受ける一方、変速出力軸61に固設したサンギア62、ハブケース1に支持した遊星ギア63、リングギア64a・64bを介して、大きな回転抑制力を受け、サンギア65の回転を大幅に減速し、遊星ギアキャリア67を介して車軸4に出力する。
次に、モータ出力軸5と車軸4とを異芯配置(同一軸芯上にない)した車輪ハブ駆動ユニットD6・D7・D8について説明する。図17に示す車輪ハブ駆動ユニットD6では、ハブケース1内におけるモータ6の出力軸5上に、低速ギア71及び高速ギア72が相対回転自在に設けられ、該低速サンギア71・72間にて、シフタ73が相対回転不能かつ摺動自在に出力軸5に外嵌されている。シフタ73は、その軸芯方向摺動により、低速ギア71と係合して該低速ギア71を出力軸5に相対回転不能に係止する低速位置Lと、高速ギア72と係合して該高速ギア72を出力軸5に相対回転不能に係止する高速位置Hと、いずれのギア71・72にも係合せず両ギア71・72を出力軸5に対し相対回転自在とする中立位置Nとに切り換えられる3位置切換式となっている。
該車輪ハブ駆動ユニットD6のハブケース1内にて、減速ギア軸74がモータ出力軸5と平行に支持されており、該減速ギア軸74に、低速ギア71と常時噛合する低速ギア75と、高速ギア72と常時噛合する高速ギア76とが設けられている。該減速ギア軸74の端部にはピニオン77が設けられていて、ファイナル大ギア78に常時噛合している。ファイナル大ギア78の中心からは、該ファイナル大ギア78に固設される車軸4が軸芯方向外側に延設されている。
図18に示す車輪ハブ駆動ユニットD7では、ハブケース1内におけるモータ6の出力軸5上に、高速ギア82が相対回転自在に外嵌合され、また、ワンウェイクラッチ83を介して低速ギア84が出力軸5に外嵌されている。反低速ギア84側における高速ギア82の端部にはクラッチ歯部82aが形成されており、モータ出力軸5に相対回転不能かつ軸芯方向摺動自在に設けたシフタ81のクラッチ歯部81aと係脱可能となっている。シフタ81は、その軸芯方向の摺動により、クラッチ歯部81aを高速ギア82のクラッチ歯部82aに噛合させた高速位置Hと、該クラッチ歯部81aを該クラッチ歯部82aより外した低速位置Lとに切り換えられる2位置切換式となっている。
該車輪ハブ駆動ユニットD7のハブケース1内にて、減速ギア軸85がモータ出力軸5と平行に支持されており、該減速ギア軸85に、高速ギア82と常時噛合する高速ギア86と、低速ギア84と常時噛合する低速ギア87とが設けられている。該減速ギア軸85の端部にはピニオン88が設けられていて、ファイナル大ギア89に常時噛合している。ファイナル大ギア89の中心からは、該ファイナル大ギア89に固設される車軸4が軸芯方向外側に延設されている。
図19に示す車輪ハブ駆動ユニットD8は、変速機構として、ハブケース1内に、ベルト式CVT(無段変速装置)90を備えている。ハブケース1内におけるモータ6の出力軸5上には、ベルト式CVT90の入力側プーリ91が固設され、該出力軸5と平行にハブケース1内に軸支された減速軸94に、ベルト式CVT90の出力側プーリ93が固設されていて、両プーリ91・93間に、ゴムや金属等よりなるベルト92が巻装されて、ベルト式CVT90を構成している。該減速軸94の端部にはピニオン95が設けられていて、ファイナル大ギア96に常時噛合している。ファイナル大ギア96の中心からは、該ファイナル大ギア89に固設される車軸4が軸芯方向外側に延設されている。
以上の車輪ハブ駆動ユニットD6・D7・D8は、それぞれ、ハブケース1を、図17〜図19に示すように車両(芝刈機100)の車体フレーム101(側板部101a)に固設しており、該ハブケース1より突出する車軸4を、駆動輪102の中心軸として、該駆動輪102のリム102b内に配置している。
ここで、図20、図21に示すように、該車軸4の軸芯方向に見た場合に、モータ出力軸5上の最大径ギア(ユニットD6では高速ギア72、ユニットD7では高速ギア82)と、各減速ギア軸74・85上の最大径ギア(ユニットD6では低速ギア75、ユニットD7では低速ギア87)とが、各車輪ハブ駆動ユニットD6・D7のハブケース1の内周面1aである円周に対する内接円として配置される。また、車輪ハブ駆動ユニットD8においては、該車軸4の軸芯方向に見た場合に、モータ出力軸5上の入力側プーリ91と、減速軸94上の出力側プーリ93とが、ハブケース1の内周面1aである円周に対する内接円として配置される。このようなレイアウトにおいて、各ファイナル大径ギア78・89・96の中心軸であって、かつ、駆動輪102の中心軸である車軸4を、該ハブケース1の内周面1aとしての円周内に配置することで、ハブケース1が、軸芯方向で見て、リム102bからはみ出すことなく、該リム102b内に納まり、該駆動輪102に取り付けた場合の該車輪ハブ駆動ユニットD6・D7・D8のコンパクト化を実現する。
なお、該軸芯方向に見て、車軸4を、図20のように、モータ出力軸5と各減速軸74・85・94とを結ぶ線CL上に配置しても、或いは、図21のように、該線CLよりずれた位置に配置してもよい。
以上の車輪ハブ駆動ユニットD1〜D8では、モータを電動モータ6としているが、これに代えて、油圧モータを有するものとしてもよい。油圧モータは、例えば、モータ出力軸5の軸芯方向に摺動するピストンを有するアキシャルピストンタイプのものとすることが考えられる。この場合に、油圧モータの容積を画定する斜板を固定斜板としてもよいし、可動斜板として該油圧モータを可変容積型とし、該モータ下流側に配置される低速ギア列・高速ギア列よりなる変速機構の高/低速シフトと、該可動斜板の制御とを併用して多様な変速を可能なものとしてもよい。
1 ハブケース
2 ハブ
4 車軸
4a 内端フランジ(減速機構の遊星ギアキャリア)
5 モータ出力軸
6 電動モータ
15a リングギア(インターナルギア)
15b リングギア(インターナルギア)
21 シフタ
25 高速サンギア
26 中立スリーブ
27 低速サンギア
28 遊星ギア部材
28a 高速遊星ギア
28b 低速遊星ギア
30 遊星ギアキャリア
31 減速サンギア
32 減速遊星ギア
34 シフタ
36 高速サンギア
37 ワンウェイクラッチ
38 低速サンギア

Claims (12)

  1. 車両本体に固設されるハブケースに、車輪の車軸と、該車軸と同一軸芯上に延設される出力軸を有するモータと、該車軸に出力する低速用遊星ギア機構及び高速用遊星ギア機構とを収納し、
    該低速用遊星ギア機構のサンギアである低速サンギア、及び該高速用遊星ギア機構のサンギアである高速サンギアの両方を、該出力軸上に相対回転自在に設け、
    該出力軸上に、相対回転不能かつ軸芯方向摺動自在なシフタを備えており、
    該シフタは、その該出力軸上の摺動により、該出力軸の動力を該高速用遊星ギア機構に伝達する高速位置と、該出力軸の動力を該低速用遊星ギア機構に伝達する低速位置とに切換可能であり、
    前記シフタが前記高速サンギアに対し係脱可能であるとともに、前記低速サンギアと前記出力軸との間にワンウェイクラッチを介設し、
    該シフタが前記高速位置にある時、該シフタは該高速サンギアに相対回転不能に係合し、該シフタが前記低速位置にある時、該シフタは該高速サンギアより相対回転自在に離間し、前記出力軸より該ワンウェイクラッチを介して該低速用遊星ギア機構に、前記モータの出力が伝達されることを特徴とする車輪ハブ駆動ユニット。
  2. 前記シフタの位置切換は自動制御されることを特徴とする請求項1記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  3. 前記シフタは、前記車輪ハブ駆動ユニットを備えた車両の実際の走行速度とアクセル操作位置との関係をもとに、前記高速位置と前記低速位置との間での切換を自動制御されることを特徴とする請求項2記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  4. 前記シフタは、前記モータにかかる負荷が所定値以上になると、前記高速位置より前記低速位置へと自動的に切り換えられることを特徴とする請求項2記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  5. 前記車輪の停止時に、前記自動制御にて、前記シフタが前記低速位置に保持されることを特徴とする請求項2記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  6. 前記シフタは、作業者の任意で位置制御可能であり、前記車輪ハブ駆動ユニットを備えた車両に、該シフタを作業者の任意で位置制御する手動モードか、該シフタの位置を自動制御する自動モードか、を選択可能なモード選択手段を設けていることを特徴とする請求項2記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  7. 前記シフタは、前記手動モードを設定している時も、前記車軸の回転数が所定値以下にならないと、前記高速位置から前記低速位置への位置切換ができないことを特徴とする請求項6記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  8. 前記ハブケースの少なくとも一部が、前記車輪のリム内に配設されることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちいずれか一項に記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  9. 前記モータを電動モータとしたことを特徴とする請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  10. 前記モータは、前記車輪の回転力を該車輪の制動時に電気エネルギーに変換する回生機能を有していることを特徴とする請求項9記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  11. 前記モータを油圧モータとしたことを特徴とする請求項1〜請求項8のうちいずれか一項に記載の車輪ハブ駆動ユニット。
  12. 前記低速・高速両遊星ギア機構と前記車軸との間に、減速機構が介設されていることを特徴とする請求項1〜請求項11のうちいずれか一項に記載の車輪ハブ駆動ユニット。
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