JP2002127983A - エンジン付き小型二輪車の変速装置 - Google Patents

エンジン付き小型二輪車の変速装置

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JP2002127983A
JP2002127983A JP2000328368A JP2000328368A JP2002127983A JP 2002127983 A JP2002127983 A JP 2002127983A JP 2000328368 A JP2000328368 A JP 2000328368A JP 2000328368 A JP2000328368 A JP 2000328368A JP 2002127983 A JP2002127983 A JP 2002127983A
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Japan
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engine
hub
shift
pedal
transmission
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JP2000328368A
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English (en)
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Takeshi Nagase
猛 長瀬
Yusuke Sasaki
祐助 佐々木
Hiromi Fukuda
博美 福田
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でペダル操作性等を低下させるこ
となく、ペダル踏力によりエンジンを始動させることが
できるエンジン付き小型二輪車を提供する。 【解決手段】 後輪を駆動するペダルを備えるととも
に、該後輪をエンジンにより駆動可能とし、該後輪車軸
に回転可能に装着されたハブに駆動力を伝達する変速ギ
ヤ機構を備え、前記エンジンは前記ペダルからの踏力に
より始動するエンジン付き小型二輪車の変速装置であっ
て、前記変速ギヤ機構は、前記駆動力の入力側(キャリ
ヤ86)と前記ハブ(インサートハブ94)との連結を
遮断するニュートラル機構(爪101、ガイド棒10
3、斜面105)を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペダル駆動の自転
車の踏力を補助するエンジンを備えたエンジン付き小型
二輪車に関し、特にその変速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ペダル駆動自転車の変速装置は、後輪車
軸に変速ギヤ機構を設け、ハンドルに設けた切換えレバ
ー等の操作子によりシフトワイヤを介して複数段の変速
シフト位置を選択して切換える。変速ギヤ機構として、
単に径の異なるギヤを並列させたものや遊星歯車機構を
用いたものがある。このような変速ギヤ機構において、
ペダルからの駆動力は、いずれかの選択されたシフト位
置のギヤを介して後輪の車軸に装着されたハブに伝達さ
れ、このハブを回転させて後輪タイヤを回転させる。
【0003】例えば遊星歯車機構を用いた変速装置にお
いては、駆動入力側のスプロケットに結合されたキャリ
ヤに遊星ギヤを支持し、サンギヤを複数段にしていずれ
かを選択可能とし、リングギヤをハブに装着して後輪を
駆動する。この場合、シフトワイヤに連結されたシフト
機構によりいずれかのサンギヤが必ず選択されるか、或
はいずれのサンギヤにも噛合わない位置では遊星ギヤを
支持するキャリヤとハブを直結させて駆動入力をスプロ
ケット側からハブに直接伝達している。したがって、駆
動力が遮断されるニュートラル位置は持っていない。
【0004】一方、ペダル駆動の自転車にエンジンを搭
載した動力補助自転車が実用化されている。このような
エンジン付き小型二輪車において、ペダル踏力によりエ
ンジンを始動させるように構成してスタータモータ等の
部品点数の削減や構成の簡素化を図ったエンジン付き小
型二輪車が開発されている。この場合、エンジン始動時
にペダル駆動により後輪が回転しないように、後輪ハブ
への駆動力の伝達を遮断する必要がある。従来のペダル
駆動の自転車構造では、変速装置にニュートラル位置が
ないため、ハブへの駆動力を遮断するためのニュートラ
ル機構を設ける必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ニュー
トラル機構をペダル駆動軸に設けると、左右ペダル間の
車幅が広くなってペダル操作がしにくくなり運転性を低
下させる。また、変速ギヤを操作するシフトワイヤとは
別にニュートラル機構を駆動するワイヤが必要になり構
造が複雑になる。
【0006】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、簡単な構成でペダル操作性等を低下させることな
く、ペダル踏力によりエンジンを始動させることができ
るエンジン付き小型二輪車の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、後輪を駆動するペダルを備えるととも
に、該後輪をエンジンにより駆動可能とし、該後輪車軸
に回転可能に装着されたハブに駆動力を伝達する変速ギ
ヤ機構を備え、前記エンジンは前記ペダルからの踏力に
より始動するエンジン付き小型二輪車の変速装置であっ
て、前記変速ギヤ機構は、前記駆動力の入力側と前記ハ
ブとの連結を遮断するニュートラル機構を有することを
特徴とするエンジン付き小型二輪車の変速装置を提供す
る。
【0008】この構成によれば、後輪に装着された変速
ギヤ機構にニュートラル機構が設けられるため、ペダル
駆動軸にニュートラル機構を設ける場合のようにペダル
間隔を広げてペダル操作性を低下させることはなく、始
動時にハブへの駆動力伝達を遮断した状態でペダルを円
滑に駆動でき、また変速ギヤのシフトワイヤをそのまま
用いてニュートラル機構を動作させることができ構造が
簡単になる。
【0009】好ましい構成例では、前記変速ギヤ機構は
遊星歯車機構からなり、該遊星歯車機構は、後輪の車軸
廻りに回転して変速位置を選択するシフトカム機構を有
し、該シフトカム機構は、遊星歯車機構の変速位置を超
えて車軸廻りに回転することにより車軸に沿って移動
し、該シフトカム機構が車軸に沿って移動することによ
り、駆動力の入力側と前記ハブとの連結を遮断するよう
に構成した。
【0010】この構成によれば、後輪車軸に装着した遊
星歯車機構において、例えば駆動入力側のスプロケット
に結合されたキャリヤに遊星ギヤを支持し、サンギヤを
複数段にしていずれかを選択可能とし、リングギヤをハ
ブに装着して後輪を駆動し、サンギヤの選択はシフトワ
イヤの操作でシフトカム機構を回転させて行われる。通
常運転時は、シフトワイヤによりシフトカム機構を回転
させていずれかのサンギヤを選択し、エンジン始動時に
は、このシフトワイヤをそのまま操作してサンギヤの選
択位置を超えてシフトカム機構を回転させることにより
このシフトカム機構が車軸方向に移動し、このシフトカ
ム機構によりキャリヤとハブ間の連結部の係合を解除し
てニュートラル状態とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態
に係るエンジン付き小型二輪車の全体構成図である。車
体1は、ハンドル2のステアリング軸部を保持するヘッ
ドパイプ3と、このヘッドパイプ3の後部に固定された
メインフレーム4とからなるフレーム構造を有する。ヘ
ッドパイプ3に左右フロントフォーク5が連結され、こ
れらフロントフォーク5が前輪6を支持する。メインフ
レーム4は、ヘッドパイプ3の後方で左右2本に分かれ
その間に燃料タンク7が装着される。メインフレーム4
の後端部に、ピボット8を介してV字形状のリヤフレー
ム9の下フレーム9aが連結され、その上側部分のメイ
ンフレームにショックアブソーバ10が取付けられる。
このショックアブソーバ10にリヤフレーム9の上フレ
ーム9bの端部が連結される。リヤフレーム9の後端部
は後輪11の車軸12に固定される。車軸12にハブ1
3が回転可能に装着され、チェーン14から駆動力を伝
達されて後輪11を車軸12廻りに回転させる。
【0012】車体中央部のメインフレーム4の下側にエ
ンジン15が設けられる。エンジン15の後側にエンジ
ン出力を伝達する第1トランスミッション16が結合さ
れ、その後側にカップリング17を介して第2トランス
ミッション18が結合される。第2トランスミッション
18は、エンジン出力とともにペダル19からの踏力を
選択または合力して出力し、チェーン14を介して後輪
11を駆動する。ペダル19からの踏力は、ペダル軸2
0に装着されたペダルギヤ21からチェーン(不図示)
を介して増速され、第2トランスミッション18に入力
される。
【0013】第2トランスミッション18は、メインフ
レーム4に固定され支持される。エンジン15は、その
重心付近の左右両側でメインフレーム4に固定されたブ
ラケット108によりゴムマウント109を介してメイ
ンフレーム4から吊下げられた状態で支持される。エン
ジン15の後端部側は、カップリング17に設けたリン
グ状のゴムマウント(不図示)により支持される。22
は排気管、23はマフラー、24はスタンドである。
【0014】メインフレーム4の左右外側は車体カバー
で覆われ、その下部も車体カバー25で覆われる。この
車体カバー25に連続してエンジン側面が車体カバー2
6で覆われる。フロントフォーク5の前側に前部フロン
トフェンダー27が設けられ、フロントフォーク5の後
側の車体カバー25に後部フロントフェンダー28が設
けられる。これらの前部フロントフェンダー27および
後部フロントフェンダー28によりフロントフェンダー
29が形成される。
【0015】車体中央部のメインフレーム4に、後方に
向けてサドル支持部材30が固定される。このサドル支
持部材30は、下が開いた断面コ字状の部材であり、そ
の後端部でサドル31の支柱32を高さ調整可能に支持
する。この支柱32の下方に前述のショックアブソーバ
10が配設されている。サドル支持部材30の内側に
は、エアクリーナ33が配設される。サドル31の支柱
32の後方にはリヤフェンダー34が取付けられる。
【0016】図2は、上記エンジン15の出力側に結合
された第1トランスミッション16の詳細構成図であ
る。エンジン15(図1)のクランク軸35の端部にセ
レーション38が形成されるとともに、遠心クラッチ3
7を介して第1トランスミッション16のシャフト36
が連結される。遠心クラッチ37は、セレーション38
に噛合うクラッチキャリヤ39と、このクラッチキャリ
ヤ39に設けたスプリング40と、スプリング40によ
り内側に付勢されたシュー41と、これらを囲むハウジ
ング42とからなる。ハウジング42は、シャフト36
に連結されている。クランク軸35が回転すると、クラ
ッチキャリヤ39が回転してスプリング40に抗して遠
心力によりシュー41が外側に移動する。所定の回転数
以上になると、シュー41がハウジング42に圧接して
回転力をシャフト36側に伝達する。
【0017】この遠心クラッチ37に連結して遊星減速
機構43が設けられる。遊星減速機構43は、シャフト
36に固定されたサンギヤ44と、このサンギヤ44に
噛合う遊星ギヤ45と、遊星ギヤ45を保持するキャリ
ヤ46と、遊星ギヤ45に噛合うリングギヤ47とから
なる。遠心クラッチ37のハウジング42は、サンギヤ
44に噛合っている。リングギヤ47は、ゴムダンパ4
8を介してこの第1トランスミッション16のアウタケ
ーシング49に固定される。この遊星減速機構43の背
面はカバー50で塞がれる。アウタケーシング49内に
は、油面51で示すように、オイルがその下部に溜まっ
ている。このオイルは、カバー50に形成した孔(不図
示)を介して遊星減速機構43内に進入し、内部を回動
する遊星ギヤ45を介して内部全体にオイルが供給され
る。このようなカバー50を設けることにより、オイル
が確実に遊星減速機構43内に閉じ込められ、少ないオ
イル量で遊星減速機構43に対し確実にオイルによる潤
滑作用を施すことができる。また、このカバー50によ
り、オイルがアウタケーシング49内全体に飛散してブ
リーザパイプ51を介して流失することが防止される。
【0018】遊星減速機構43のキャリヤ46はワンウ
ェイクラッチ52を介してシャフト36に装着されてい
る。これにより、通常運転時には、エンジン側からの回
転により遊星減速機構43を介してシャフト36を回転
させ、逆方向には回転させない。したがって、シャフト
36が相対的に逆方向に回転した場合(シャフト36が
エンジンと同方向にエンジンより速く回転する場合)に
遊星減速機構43は空転する。これにより、後述のエン
ジン始動時に、ペダル踏力によりシャフト36を回転さ
せた場合に、シャフト36の回転により遊星減速機構4
3および遠心クラッチ37は動作することなく空転し、
後述の始動用ローラー式ワンウェイクラッチ53を介し
て回転力がエンジンに伝達される。
【0019】遊星減速機構43の後方のシャフト36に
はドッグクラッチ54が装着される。このドッグクラッ
チ54は、軸方向にスライド可能な爪55と、この爪5
5が係合するクラッチホイル56からなり、爪55とク
ラッチホイル56との係合および離間によりエンジンと
の連結をON/OFFするものである。爪55は、スプ
リング57により一定方向に付勢されたレバー58を介
してスライド操作される。
【0020】ドッグクラッチ54が噛合った状態で、ク
ラッチホイル56が回転し、カップリング17のゴムダ
ンパ59を介して第2トランスミッション18(図1)
側のカプラホイル65を回転させる。これにより、第2
トランスミッション18のシャフト60にエンジン回転
が伝達される。カップリング17にはリング状のゴムマ
ウント61が装着され、第1トランスミッション16の
端部を防振およびシールして保持する。
【0021】前述の遠心クラッチ37のハウジング42
内には、エンジン始動時用のローラー式ワンウェイクラ
ッチ53が装着される。このワンウェイクラッチ53
は、クランク軸35のセレーション38に噛合うクラッ
チホイル62と、シャフト36に固定されたクラッチハ
ブ63と、ワンウェイローラ64とからなる。
【0022】エンジン始動時に、ペダル踏力によりシャ
フト36が回転すると、前述のように、遠心クラッチ3
7および遊星減速機構43はワンウェイクラッチ52の
作用で空転し、ローラー式ワンウェイクラッチ53を介
してシャフト36の回転がクランク軸35に伝達され
る。これにより、クランク軸35が強制回転されエンジ
ンが始動する。エンジンが始動して、エンジンによるク
ランク軸35の回転数がペダル踏力によるシャフト36
の回転数より大きくなると、ワンウェイクラッチ52の
作用で、遠心クラッチ37および遊星減速機構43がシ
ャフト36に対し回転力を伝達し、始動用のローラー式
ワンウェイクラッチ53は空転する。これにより通常の
運転状態に移行する。
【0023】図3は第2トランスミッション18の構成
図であり、図4はそのA−A断面図である。前述のよう
に、カップリング17を介して第1トランスミッション
側から第2トランスミッション18のシャフト60にエ
ンジン回転が伝達される。シャフト60の端部に傘歯車
のピニオン66(図3)が形成され、これに噛合うベベ
ルホイル67(図4)を回転させる。ベベルホイル67
の回転はワンウェイクラッチ68を介して出力スプロケ
ット69に伝達される。このワンウェイクラッチ68に
より、エンジンの回転がペダルに伝達されることが防止
され、逆にペダルからの回転はエンジンおよび出力スプ
ロケット69に伝達される。これにより、エンジン駆動
での走行中にエンジン回転によるペダルの回転が防止さ
れるとともに、エンジン始動時にペダルの回転によりエ
ンジンを回転させることができる。また、エンジンを停
止またはドッグクラッチ54(図2)をOFFにした状
態でのペダル踏力による走行およびエンジン駆動力より
ペダル踏力が大きくなったときのペダルでの走行が可能
になる。
【0024】ペダル軸20に装着されたペダル19(図
1)の回転は、ペダルギヤ21(図1)および不図示の
チェーンを介して増速されてペダルスプロケット70に
伝達され、ペダル駆動軸71を回転させる。
【0025】ペダル駆動軸71の回転は遊星増速機構7
2を介してさらに増速され、前述のワンウェイクラッチ
68を介してエンジン側および出力スプロケット69に
伝達される。この遊星増速機構72は、ペダル駆動軸7
1とともに回転するサンギヤ73と、このサンギヤ73
に噛合いピン74でキャリヤ75に支持された複数の遊
星ギヤ76と、これらの遊星ギヤ76が噛合う外側のリ
ングギヤ77とからなる。このリングギヤ77の回転が
前述のワンウェイクラッチ68を介してエンジン側およ
び出力スプロケット69に伝達される。
【0026】遊星増速機構72のサンギヤ73には、2
本の第1アーム78および第2アーム79が固定され
る。第1アーム78の端部にはスロットルワイヤ80が
連結される。第2アーム79の端部は、ローラ81(図
4)を介してトルク反力スプリング82(図3)に連結
される。トルク反力スプリング82にはダンパ83が備
わる。
【0027】ペダル踏力によるトルクがエンジンのトル
クより大きくなると、このペダル踏力のトルクにより、
サンギヤ73がトルク反力スプリング82に抗して矢印
F方向(図3)に回転し、第1アーム78を介してスロ
ットルワイヤ80を引張る。これによりスロットル(不
図示)が開いてエンジン出力が大きくなる。エンジン出
力が大きくなってトルクが増加すると、ペダル踏力によ
るトルクが小さくなり、スプリング82によりサンギヤ
73が元に戻る方向に回転し、スロットルワイヤ80を
戻してエンジン出力を下げる。このとき、ダンパ83の
作用により、スプリング82の伸縮動作が緩和され急激
なスロットルの開閉動作が防止される。この場合、エン
ジントルクが小さくその出力増加が必要なときにはスロ
ットルを速やかに開いてエンジン出力要求に速やかに追
従させ、エンジン出力が増加してこれを低下させるとき
にはスロットルを徐々に閉じて急激な速度低下を防止
し、滑らかに速度を移行させて安定した走行状態を保つ
ことができる。ダンパ83自体は、油圧その他適当な公
知の構造のものを用いることができる。
【0028】図5は後輪車軸部分の断面図であり、図6
はその左側面図である。左右リヤフレーム9間に車軸1
2が固定して保持され、この車軸12上にカラー84を
介して被駆動スプロケット85が回転可能に装着され
る。この被駆動スプロケット85に対し、前述の出力ス
プロケット69(図4)からチェーン14(図1)を介
して駆動力が伝達される。この被駆動スプロケット85
にキャリヤ86が結合されて回転する。キャリヤ86
は、ピン87を介して遊星ギヤ88を回転可能に支持す
る。遊星ギヤ88は外周側でリングギヤ89に噛合うと
ともに、内周側で3つの第1、第2、第3サンギヤ9
0,91,92と噛合う。リングギヤ89は、ワンウェ
イクラッチ93を介してインサートハブ94に連結され
る。インサートハブ94は、ハブ13のハブ外枠13a
に固定される。
【0029】上記第1、第2および第3のサンギヤ9
0,91,92に対応してそれぞれラチェット95が設
けられる。この3つのラチェット95のうちいずれか
が、円筒状のシフトカム96の内面に設けたカム(不図
示)により選択され、そのラチェットに対応したサンギ
ヤを介して回転力が伝達される。
【0030】この第1、第2および第3のサンギヤ9
0,91,92の選択はシフトフォーク97により行わ
れる。すなわち、シフトフォーク97がシフトカム96
に設けたピン98を介してシフトカム96を車軸12廻
りに回転させる。これにより、シフトカム96の内面の
カム(不図示)によりサンギヤが選択される。シフトフ
ォーク97は、車軸12とともに固定保持されたパネル
ホイル106にシフト軸99を介して回転可能に装着さ
れる。シフト軸99のパネルホイル106の外側部分に
は、シフトアーム100が装着され不図示のシフトワイ
ヤが連結される。このシフトワイヤを操作することによ
り、シフトアーム100を介してシフトフォーク97が
回転し、サンギヤが選択される。
【0031】本実施形態では、3つのラチェット95の
いずれも動作しない位置(いずれのサンギヤ90,9
1,92も動作しない位置)を設け、この位置では、キ
ャリヤ86から直接回転力がインサートハブ94に伝達
されるように構成している。これにより、キャリヤに対
する増速比が異なる上記3つのサンギヤ90,91,9
2に対応した2〜4速位置の3段の変速位置と、キャリ
ヤと直結してその増速比が1:1となる1速位置の合計
4速の変速位置が、シフトカム96の回転により選択可
能となる。
【0032】さらに本実施形態では、シフト位置を選択
するシフトカム96を、前述の4段の変速位置を超えて
さらに回転させることにより、ニュートラル位置となっ
て、キャリヤ86からハブ13への回転伝達が遮断され
る。すなわち、シフトカム96が変速位置を超えて回転
すると、このシフトカム96が車軸12に沿って矢印G
方向にスライドし、その円錐状に開いた拡開端部96a
の内面がキャリヤ86に設けた爪101を押圧する。こ
れにより、爪101が移動してキャリヤ86からの回転
伝達を遮断するように構成されている。シフトカム96
は、コニカルスプリング107により押し戻される方向
に付勢されている。
【0033】図7および図8は、上記ニュートラル機構
の構成例を示し、図7は後輪ハブ内の遊星変速機構部分
の分解斜視図であり、図8はそのシフトカムの部分詳細
図である。
【0034】シフトカム96は、前述のように、シフト
フォーク97(図5)によりピン98を矢印AまたはB
方向に駆動して車軸廻りに回転する。シフトカム96の
内側には、第1、第2および第3のサンギヤ90,9
1,92のカム側を構成するラチェットホイル90a,
91a,92aが並列して車軸廻りに装着される。各ラ
チェットホイル90a,91a,92aに対応してそれ
ぞれラチェット95が配設される。シフトカム96の回
転により、その内周面に形成されたカム面102にラチ
ェット95が係合していずれかのラチェットが選択され
てラチェットホイルと噛合い、そのラチェットホイルに
対応したサンギヤのピニオン側端部90bを介して遊星
ギヤ88が回転する。これにより、変速シフト位置が設
定され、いずれかのサンギヤに対応した増速比で車軸が
駆動される。
【0035】図8は、第1サンギヤ90を構成するラチ
ェットホイル90aにラチェット95が噛合った状態を
示している。シフトカム96がさらに回転して3個のラ
チェット95がすべてラチェットホイルから外れると、
前述のように、キャリヤ86から直接インサートハブ9
4に回転駆動力が伝達される。これにより、合計4段の
変速シフト位置が設定される。このシフトカム96に係
合するガイド棒103が、パネルホイル106に固定さ
れている。シフト動作中、このガイド棒103は、シフ
トカム96に形成されたガイド溝104内を相対的に移
動する(実際にはシフトカム96が回転移動する)。
【0036】シフトカム96がこの4段の変速位置を超
えてさらに回転すると、ガイド溝104の端部に形成さ
れた斜面105がガイド棒103に係合し、シフトカム
96は車軸に沿って、矢印C(図7)方向にスライドす
る。キャリヤ86には、インサートハブ94を貫通した
側の端部に、この例では3個の爪101が装着されてい
る。この爪101は、インサートハブ94に形成された
凹み106に係合してこのインサートハブ94を介して
キャリヤ86とハブ13(図5)とを結合する。この場
合、ワンウェイクラッチ93(図5)を介して増速比の
大きいサンギヤの回転が優先してキャリヤから伝達され
るため、1つでもサンギヤが噛合っていればそのサンギ
ヤの増速比で回転伝達され、全てのサンギヤの係合が外
れたとき(ラチェットが外れたとき)に、前述のよう
に、キャリヤ86から爪101で結合されたインサート
ハブ94に直接回転が伝達される。インサートハブ94
はハブ13内にこれと一体に固定されているため、イン
サートハブ94とハブ13は一体的に回転する。
【0037】前述のように、シフトカム96が矢印C方
向に移動すると、そのテーパ状の拡開端部96aの内面
が、各爪101をその外側から押圧して内側に倒す。こ
れにより、爪101は、インサートハブ94の凹み10
6から外れ、キャリヤ86とインサートハブ94が分離
する。これにより、キャリヤ86からハブ13への回転
伝達が遮断される。このように、シフト位置からの一連
のシフトカムの連続動作により、ニュートラル状態(キ
ャリヤからハブへの回転が遮断される状態)が得られ
る。この変速シフト動作およびニュートラルへの移行動
作は、シフトアーム100(図5、図6)に連結された
シフトワイヤ(不図示)の操作により、シフトフォーク
97を動作させて行うことができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、後輪
に装着された変速ギヤ機構にニュートラル機構が設けら
れるため、ペダル駆動軸にニュートラル機構を設ける場
合のようにペダル間隔を広げてペダル操作性を低下させ
ることはなく、始動時にハブへの駆動力伝達を遮断した
状態でペダルを円滑に駆動でき、また変速ギヤのシフト
ワイヤをそのまま用いてニュートラル機構を動作させる
ことができ構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエンジン付き小型二輪車の全体
図。
【図2】 図1のエンジンの第1トランスミッション部
分の断面図。
【図3】 図1のエンジンの第2トランスミッションを
左側面から見た構成図。
【図4】 図3のA−A部分の断面図。
【図5】 図1の小型二輪車の後輪車軸部分の断面図。
【図6】 図5の車軸部分の左側面図。
【図7】 本発明に係るエンジン付き小型二輪車の変速
機構の分解斜視図。
【図8】 図7の変速機構のシフトカム部分の構成説明
図。
【符号の説明】 1:車体、2:ハンドル、3:ヘッドパイプ、4:メイ
ンフレーム、5:フロントフォーク、6:前輪、7:燃
料タンク、8:ピボット、9:リヤフレーム、9a:下
フレーム、9b:上フレーム、10:ショックアブソー
バ、11:後輪、12:車軸、13:ハブ、14:チェ
ーン、15:エンジン、16:第1トランスミッショ
ン、17:カップリング、18:第2トランスミッショ
ン、19:ペダル、20:ペダル軸、21:ペダルギ
ヤ、22:排気管、23:マフラ、24:スタンド、2
5:車体カバー、26:車体カバー、27:前部フロン
トフェンダー、28:後部フロントフェンダー、29:
フロントフェンダー、30:サドル支持部材、31:サ
ドル、32:支柱、33:エアクリーナ、3:リヤフェ
ンダー、35:クランク軸、36:シャフト、37:遠
心クラッチ、38:セレーション、39:クラッチキャ
リヤ、40:スプリング、41:シュー、42:ハウジ
ング、43:遊星減速機構、44:サンギヤ、45:遊
星ギヤ、46:キャリヤ、47:リングギヤ、48:ゴ
ムダンパ、49:アウタケーシング、50:カバー、5
1:ブリーザパイプ、52:ワンウェイクラッチ、5
3:ローラー式ワンウェイクラッチ、54:ドッグクラ
ッチ、55:爪、56:クラッチホイル、57:スプリ
ング、58:レバー、59:ゴムダンパ、60:シャフ
ト、61:ゴムマウント、62:クラッチホイル、6
3:クラッチハブ、64:ワンウェイローラ、65:カ
プラホイル、66:ピニオン、67:ベベルホイル、6
8:ワンウェイクラッチ、69:出力スプロケット、7
0:ペダルスプロケット、71:ペダル駆動軸、72:
遊星増速機構、73:サンギヤ、74:ピン、75:キ
ャリヤ、76:遊星ギヤ、77:リングギヤ、78:第
1アーム、79:第2アーム、80:スロットルワイ
ヤ、81:ローラ、82:トルク反力スプリング、8
3:ダンパ、84:カラー、85:被駆動スプロケッ
ト、86:キャリヤ、87:ピン、88:遊星ギヤ、8
9:リングギヤ、90:第1サンギヤ、90a:ラチェ
ットホイル、90b:ピニオン側端部、91:第2サン
ギヤ、91a:ラチェットホイル、92:第3サンギ
ヤ、92a:ラチェットホイル、93:ワンウェイクラ
ッチ、94:インサートハブ、95:ラチェット、9
6:シフトカム、97:シフトフォーク、98:ピン、
99:シフト軸、100:シフトアーム、101:爪、
102:カム面、103:ガイド棒、104:ガイド
溝、105:斜面、106:パネルホイル、107:コ
ニカルスプリング、108:ブラケット、109:ゴム
マウント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 博美 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 3J028 EA09 EA22 EB05 EB33 EB35 FC13 FC24 FC38 FC63 FD21 GA10 HA01 HA27 3J067 AB01 AC12 BA02 DA34 FB61 GA05 GA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後輪を駆動するペダルを備えるとともに、
    該後輪をエンジンにより駆動可能とし、該後輪車軸に回
    転可能に装着されたハブに駆動力を伝達する変速ギヤ機
    構を備え、 前記エンジンは前記ペダルからの踏力により始動するエ
    ンジン付き小型二輪車の変速装置であって、 前記変速ギヤ機構は、前記駆動力の入力側と前記ハブと
    の連結を遮断するニュートラル機構を有することを特徴
    とするエンジン付き小型二輪車の変速装置。
  2. 【請求項2】前記変速ギヤ機構は遊星歯車機構からな
    り、 該遊星歯車機構は、後輪の車軸廻りに回転して変速位置
    を選択するシフトカム機構を有し、 該シフトカム機構は、遊星歯車機構の変速位置を超えて
    車軸廻りに回転することにより車軸に沿って移動し、該
    シフトカム機構が車軸に沿って移動することにより、駆
    動力の入力側と前記ハブとの連結を遮断するように構成
    したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン付き小
    型二輪車の変速装置。
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