JP5400339B2 - 電子線応用装置 - Google Patents

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本発明は、走査電子顕微鏡に係り、特に、低加速な電子ビームにより微細な回路パターンなどの試料を高分解能に観察および検査および分析する電子線応用装置に関する。
LSIなどの微小回路形成における欠陥の検出・測長・形状評価は種々の手法が使われている。例えば、光学式の検査装置では微小回路の光学像を生成し、その画像を異常検出のために検査する。しかし、それら光学像では、ごく小さい形状特徴の特定を可能にするには解像度が不十分であり、回路形成上で有害な欠陥と無害な欠陥との区別が不十分である。電子ビーム利用による欠陥検査手法は、コンタクト孔、ゲートおよび配線などの微小な形状特徴と微小欠陥の形状特徴を画像化するのに十分な解像度を備え、さらに、欠陥形状の陰影像コントラストに基づく重度の欠陥の分類検出に利用できる。したがって、電子線応用装置は、最小臨界寸法90nm以下で製造した微小回路の検査の場合は、光学式検査手法に比べてはるかに有利である。LSIなどの微小回路形成における欠陥観察・測長・形状評価に上記電子線応用装置は適用されている。
この電子線応用装置の一例に、二次電子の検出方位角、仰角の選別を行うことにより、レジストや絶縁膜などの欠陥の陰影を強調して効率的に欠陥を検出する方法がある。しかし、LSI形成過程のレジストや、絶縁膜などの検査を行うと、画像形成のための電子線照射により、帯電やダメージが生じる。この帯電により、二次電子の軌道が変化し,観察像に輝度斑(シェーディング)が発生することがある。さらに、電子線照射により、レジストはダメージを受けて収縮する。これらのために、LSIの回路形状と欠陥を正確に観察することはできない。したがって、シェーディングとダメージの無い電子線応用装置を提供することが重要である。
このような電子線応用装置に関し、特許文献1には、コンデンサレンズにより観察分解能を向上する技術が開示される。さらに特許文献2には、開口絞りで観察分解能を向上する技術が開示される。特許文献3、および特許文献4には、コンデンサレンズと対物レンズの設定により観察分解能を向上する技術が開示される。
特開平8-255589号公報 特開2001-148232号公報 特開平1159943号公報 特開2005-203241号公報
電子線による欠陥観察・測長・形状評価おいて、観察試料へのダメージと帯電を抑制するために、電子ビームの照射時のランディングエネルギーを500V以下に下げることが有効であることが知られている。
その際、観察分解能と観察像のコントラストが著しく劣化する。その結果、微細な欠陥観察や測長・形状評価などができない場合が頻繁に生じている。これが、ランディングエネルギーを低加速化するための第1の課題である。
次に、欠陥観察や測長・形状評価を行なうためにランディングエネルギーを選択する作業が生じる。その際、ランディングエネルギーを連続可変にすることで、シェーディングとダメージを抑制した観察条件をオペレータが見つける作業の効率を向上できる。しかし、ランディングエネルギーを変えようとすると、電子ビームの軸や観察倍率などがずれて、欠陥観察や測長・形状評価などができない場合が頻繁に発生する。これが、ランディングエネルギーを低加速化するための第2の課題である。
上述した特許文献1−4では、各ビームランディングで観察分解能を向上することはできるが、上記の第1と第2の課題を両立することはできない。
本発明の目的は、上記の第1と第2の課題を両立することにより、シェーディングとダメージの無い電子線応用装置を提供することにある。
本発明においては、上記の目的を解決するため、電子線応用装置において、電子ビームを所望の加速エネルギーで電子銃から放射し、第1コンデンサレンズにより電子ビームを絞り上で適切な第1の範囲に集束し、第2コンデンサレンズにより電子ビームを対物レンズ上で適切な第2の範囲に集束し、対物レンズで電子ビームを試料に集束し、また試料を搭載するステージには負の電位を印加し、電子ビームの照射時のランディングエネルギーを制御する構成を取る。
好適には、対物レンズには正の電圧(以下、ブースタ電圧)を重畳し集束作用にともなうビームのボケ(収差)を抑制する。対物レンズのように、試料空間に電場と磁場を漏らすことで、レンズ作用空間内に試料を置く対物レンズは、セミインレンズ又はイマージョンレンズである。一方、試料空間に電場と磁場への漏洩を抑制した対物レンズは、アウトレンズである。セミインレンズは、高分解能を優先にしたSEMに、アウトレンズは、試料の観察環境をコントロールするSEMに用いる。本発明は高分解能観察を優先したセミインレンズのSEMの装置構成および制御により好適に適用されるものであるが、アウトレンズに適用することもできる。
電子ビームを照射した上記試料表面からは、二次電子と反射電子が放出される。ステージと対物レンズの間の電場と磁場により二次電子を引き上げて収束する。二次電子は対物レンズを通過して、第1の検出器に取り込まれる。この第1の検出器は電子ビームの軸を中心に輪帯形状の検出領域を有している。電場と磁場の組合せを適切に選択することで、電子ビームを試料に集束し、かつ第1の検出器の検出領域にあわせて二次電子を第3の範囲に集束する。第3の範囲は、二次電子を第1の検出器に照射する領域であり、二次電子の集束ビーム径で表される。
更に、第1の検出器とは異なる観察像を同時に行なうために第2の検出器を搭載する。この第2の検出器は、第1の検出器と電子銃の間に搭載する場合は、第1の検出器の輪帯形状の検出領域の中央部を上記電子ビームと反射電子が通過する。対物レンズにより反射電子を第2の検出器の検出領域に合わせて第4の範囲に集束する。この第4の範囲は、反射電子が第1の検出器の開口部を通過して第2の検出器に衝突する領域であり、反射電子の集束ビーム径で表される。この第2の検出器を複数に分割して信号を検出すると、従来のSEM観察像に加えて陰影像や立体像を同時取得することができる。
一方、セミインレンズのSEMの装置構成により、対物レンズにより反射電子を第1の検出器の検出領域にあわせて第3の範囲に集束し、二次電子を第2の検出器の検出領域に合わせて第4の範囲に集束する場合もある。この場合は、第1の検出器を複数に分割して信号を検出する。この場合、第2の検出器は、第1の検出器の輪帯形状の検出領域の中央部を通過した二次電子を検出する。
さて、第1コンデンサレンズにより第1の範囲を狭くすると、絞りを通過するビーム電流を増大することができる。一方、第2コンデンサレンズにより第2の範囲を狭くすると、電子ビームの試料に集束する開き角を小さくすることができる。
開き角は、電子ビームの試料上の集束ビーム径に影響する。集束ビーム径は、回折収差、色収差、幾何収差と光源径などにより変化する。回折収差は電子の波動性によりビームが広がる現象でありランディングエネルギーと開き角に依存する。色収差は電子ビームの速度分布により対物レンズなどによりビームを集束する際に広がる現象であり、レンズの性能とランディングエネルギーと開き角に依存する。幾何収差は対物レンズなどによりビームを集束する際に広がる現象であり、レンズの性能と開き角に依存する。光源径は上記ランディングエネルギーとビーム電流と開き角に依存して影響が変化する。
回折収差、色収差、幾何収差と光源径は、開き角に依存して影響が変化する。そのため、ランディングエネルギーとビーム電流の組み合わせ毎に、集束ビーム径を最小にする最適な開き角が1つ存在する。この最適開き角は式(1)となる。
Figure 0005400339
ここで、Vaccはランディングエネルギー、ΔVは電子ビームのエネルギー分布、V0は加速エネルギー、Hはプランク定数、Eは電荷素量、Mは電子質量、Ccは色収差、Csは球面収差、Lは光源輝度、Lpは空間電荷効果による光源輝度係数、α0は光源でのビーム開き角、Ipはビーム電流である。
上記の最適開き角αに相当する第2の範囲に集束する第2コンデンサレンズの設定値の計算式又はリストを持つことにより、ランディングエネルギーを連続可変にすることができる。
一方、ランディングエネルギーを減少するためにステージを負電位に増大すると、試料上から放出される二次電子と反射電子をより強く加速するために第3の範囲と第4の範囲が狭くなる。第3の範囲と第4の範囲が変化すると、試料帯電などによる二次電子と反射電子の分別不良が発生し、観察像にシェーディングが発生しやすくなる。電子銃から放射するときの加速エネルギーを下げてランディングエネルギーを減少すると、二次電子の加速は変化しないために第3の範囲は変化せず、反射電子の放出エネルギーが低下するために第4の範囲は狭くなる。第4の範囲が狭くなることにより、反射電子像のコントラストが低下する。ステージの電位と上記加速エネルギーの組み合わせにより、第4の範囲を変化させずにランディングエネルギーを変更することができる。したがって、ランディングエネルギーを変更した際に、最適開き角αと第3の範囲と第4の範囲の最適値を得るためには、加速エネルギーとステージ電位とブースタ電位と第1コンデンサレンズと第2コンデンサレンズの設定値の組み合わせを決定する制御式又はリストが必要である。
第2に、ランディングエネルギーを連続可変にすることで、シェーディングとダメージを抑制した観察条件をオペレータが見つける作業の効率を向上できる。しかし、ランディングエネルギーを変えようとすると、電子ビームの軸や観察倍率などがずれて、欠陥観察・測長・形状評価を阻害する場合が頻繁に発生する。原因は、ランディングエネルギーを連続可変にする際、第1コンデンサレンズと第2コンデンサレンズの焦点距離が変化し、ビーム軸を制御するアライナと偏向器などの偏向量も変化してしまうためである。
制御式又はリストを保持した該電子線応用装置では、観察試料へのダメージと帯電などを抑制するために電子ビームの照射時のランディングエネルギーを下げても、観察像の劣化とコントラストの劣化を同時に抑制することが可能になる。この制御式又はリストは、より好適には加速エネルギーとステージ電位とブースタ電位と第1コンデンサレンズと第2コンデンサレンズと対物レンズの設定を含む。
本発明により、電子ビームの照射時のランディングエネルギーを所望の設定に変更しても、複雑な調整することなく高分解能で高コントラストな観察が可能となる。その結果、観察試料へのダメージと帯電などを抑制し、微細な欠陥観察や測長・形状評価を可能とする電子線応用装置を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳述する。
図1は、本発明の第1の実施例である電子線応用装置の基本構成を示す。本実施例は、第1、第2の検出器で、それぞれ反射電子、二次電子を検出する場合を例示して説明する。
第1の実施例の電子線応用装置は、電子ビーム100を生成する電子源101、電子を引き出す引き出し電極102と引き出し電源103、電子ビームの初期電圧を制御する加速電極104と電子銃電源105、電子ビーム100を集束する対物レンズ106、絞り107に電子ビームを適切な第1の範囲108に集束する第1のコンデンサレンズ109、対物レンズ106に電子ビーム100を適切な第2の範囲110に集束する第2のコンデンサレンズ111、電子ビーム100を偏向する偏向器112、試料113を移動させるステージ114、対物レンズ106に電界を重畳させるブースタ電極115、試料113から放出される二次電子116と反射電子117のうち反射電子117が衝突する左反射板118と右反射板119、二次電子116が衝突する中央反射板120、上記衝突により再放出される二次電子を検出する左検出器121と右検出器122と中央検出器123により構成される。
試料表面へのダメージと帯電などを抑制するために、ステージ電源124により負電圧を印加して電子ビーム100を減速する。上記負電圧により、ランディングエネルギーを減速し、二次電子を加速する。対物レンズ106とステージ114の間の電界を強くすると、色収差と幾何収差を抑制することで観察像の分解能を向上する一方で、左反射板118と右反射板119での反射電子の第3の範囲125と、中央反射板120での二次電子の第4の範囲126が狭くなり観察像のコントラストが変化しやすくなる。試料113上に電子ビーム100を集束すると同時に、左反射板118と右反射板119と中央反射板120の配置に合わせた第3の範囲125と第4の範囲126に設定できるように、対物レンズ106とブースタ電源127を最適化する。
電子線応用装置は、制御部である制御装置201により集中制御をおこなう。表示画面202と入力システム203とネットワーク通信204により、オペレータと制御装置201間のインターフェースを確保する。オペレータが入力システムによりランディングエネルギーまたはビーム電流の変更を要請すると、制御装置201は電子銃電源105とステージ電源124とブースタ電源127と第1のコンデンサレンズと第2のコンデンサレンズと対物レンズ106の設定を適切に変更する。ネットワーク通信204内の各ボックスは、それぞれ対応する電子銃電源105、ステージ電源等の制御回路ブロックを示す。制御装置201、表示画面202、入力システム203はネットワーク通信204に接続された、中央処理部(Central Processing Unit:CPU)、表示部、入力部、記憶部を有するコンピュータシステムなどを用いて構成できることは言うまでもない。
以上の基本構成は、電子線応用装置の一構成例を示しており、例えば、二次電子の集束を助ける制御電極やビーム電流を測定するファラデーカップなどを設けても本実施例の機能を達成することができる。また、偏向器112と第1コンデンサレンズ109と第2コンデンサレンズ111は、一般に静電型と電磁型のタイプがありどちらを選択しても良い。左検出器121と右検出器122と中央検出器123は、軸上検出器を用いることにより左反射板118と右反射板119と中央反射板120の位置に配置し、これらの反射板を省略した構成を取っても良い。
二次電子放出の発生箇所における方位角を複数に選別して検出するために、左反射板と右反射板を複数に分割し、それぞれの反射板に対して新規の検出器を設けることも可能である。対物レンズ106での電子ビーム100の集束に対して干渉しないように、ブースタ電圧127をかける磁極と上記制御電極の電子ビーム100の通過する穴の淵になめらかな傾斜を持たせることも可能である。
図2は、実施例1の電子線応用装置の表示部の表示画面202上に表示される制御画面の一例を示す。観察試料のダメージや帯電を考慮して、オペレータは入力システム203からランディングエネルギーとビーム電流を所望の値に指定する。同図に図示するように、画面上のスライダー206、207を画面上で調整することで、所望のランディングエネルギーとビーム電流を設定できる。設定されたランディングエネルギーとビーム電流の要請値に答えて、制御装置201は、開き角と第3の範囲と第4の範囲が最適値になるような設定を、制御式又はリストにより見出す。なお、図中の208は観察像の表示画面を示す。なお、図面上のスライダー206と207に替えて、調整つまみを入力システム203に設ける装置構成の場合もある。
なお、制御式又はリストは、後で例示して説明するように、初速電圧とステージ電圧とブースタ電圧と第1コンデンサレンズと第2コンデンサレンズと対物レンズの設定値の組み合わせを各ランディングエネルギーと各ビーム電流に対して有する必要がある。
図3は、実施例1の電子線応用装置の制御装置201が行う設定シーケンスの一例を示す。
電子線応用装置の制御装置201は、ウェーハマップと欠陥ファイルの選択(301)とウェーハの装置への導入(302)を行った後、位置合わせ(303)と検査欠陥の選択(304)を行う。検査レシピ選択画面の表示(305)を行った後、検査レシピの選択(306)に進む。以上の作業が終了した後、検査開始(307)に進む。欠陥検査を開始するまでに必要な設定は以上の通りである。
欠陥検査を開始すると、ステージ移動(308)を行った後、SEM像である観察像の取得(309)を実施する。検査終了判定(310)にて、検査継続の場合は検査開始(307)に戻り、検査終了の場合はウェーハの装置からの排出(313)に進む。図示を省略したが、観察像取得(309)で検査手順は分岐し、観察像より欠陥を抽出する工程が同時に進められる。本実施例では、検査開始から検査終了までの単位時間に検出した欠陥の個数が欠陥検出速度であり、検査欠陥の選択(304)で選んだ欠陥のうち、検出できた欠陥の確立が欠陥検出精度である。ウェーハマップと欠陥ファイルの選択とウェーハの装置への導入は順番を入れ替えることができる。位置合わせと検査欠陥の選択(304)と検査レシピ選択画面の表示(305)は順番を入れ替えることができる。ただし、検査レシピの選択(306)は検査レシピの選択画面の表示(305)より後である。
検査終了判定の後に、検査特性値の算出(311)と検査レシピデータベースの書き換え(312)の工程を追加する。検査特性値の算出(311)では、欠陥検出速度および、欠陥検出精度および、帯電ロバスト性および、検出可能な最小欠陥サイズおよび、検査レシピの使用頻度および、帯電傾向などを算出する。検査レシピデータベースの書き換えでは、検査特性値の算出で求めた値を、データベースの検査特性値に書き込む。検査レシピデータベースの書き換え結果は、検査レシピ選択画面の表示に反映される。これにより、検査レシピの構成要素は検査毎に更新され、より正確な検査特性をデータベースに保管することができる。さらに、上記のデータベースをもとに、学習機能により検査特性値を自動的に改善することも可能である。
上記設定シーケンスは検査に適用した場合であり、測長や定点観察などに適用する場合は設定シーケンスが一部異なる。
図4は、実施例1の電子線応用装置の制御式又はリストの一例である設定テーブルの一具体例を示す図である。401は設定テーブルを示し、設定テーブル401の各パラメータは、ランディングエネルギー(eV)とビーム電流の値(pA)の組み合わせによりその値が設定される。各設定テーブル401は、装置設定パラメータとして、初期電圧、第1コンデンサレンズ、第2コンデンサレンズ、対物レンズ、ブースタ電圧、ステージ電圧を有し、それぞれ対応する制御パラメータ、ビーム制御内容は図示の通りである。
ランディングエネルギーは初期電圧とステージ電圧の差により制御させる。ビーム電流の制御は、第1コンデンサレンズにより第1の範囲を制御することで実現する。この際、第1コンデンサレンズはビーム電流と初期電圧に関する制御パラメータの制御式またはリストであるテーブルに記憶された値に従い自動的に制御することができる。ランディングエネルギーにあわせた開き角の制御は、第2コンデンサレンズにより第2の範囲を制御することにより実現する。この際、第2コンデンサレンズは初期電圧と第1コンデンサレンズと対物レンズとブースタ電圧とステージ電圧に関する制御パラメータの制御式またはリストに従い自動的に制御することができる。ランディングエネルギーにあわせた検出信号の制御は、対物レンズとブースタ電圧により第3の範囲と第4の範囲を制御することにより実現する。
このとき、電子銃とステージ電圧の差をランディングエネルギーに固定した状態で、初期電圧を上げることにより、第3の範囲と第4の範囲を制御することもできる。初期電圧を変えると、第1コンデンサレンズと第2コンデンサレンズと対物レンズとブースタ電圧とステージ電圧を変更する必要がある。
このように、各パラメータを別々に制御することができないため、初期電圧と第1の範囲と第2の範囲と第3の範囲と第4の範囲を各ランディングエネルギーと各ビーム電流に対して制御するためには、図4の設定テーブル401に示すようなリストを保持する必要がある。初期電圧と第1コンデンサレンズと第2コンデンサレンズと対物レンズとブースタ電圧とステージ電圧の装置設定を一組とする装置設定パラメータはランディングエネルギーとビーム電流の関数とすることで自由に選択できるようできる。
図5は、第2の実施例の電子線応用装置の基本構成を示す図である。
本実施例の電子線応用装置は、電子ビーム100を生成する電子源101、電子を引き出す引き出し電極102と引き出し電源103、電子ビームの初期電圧を制御する加速電極104と電子銃電源105とからなる電子銃、電子ビーム100を集束する対物レンズ106、絞り107に電子ビームを適切な第1の範囲108に集束する第1のコンデンサレンズ109、対物レンズ106に電子ビーム100を適切な第2の範囲110に集束する第2のコンデンサレンズ111、電子ビーム100を偏向する偏向器112、試料113を移動させるステージ114、対物レンズ106に電界を重畳させるブースタ電極115、試料113から放出される二次電子116と反射電子117が衝突する反射板120、この衝突により再放出される二次電子を検出する検出器123により構成される。
試料表面へのダメージと帯電などを抑制するために、ステージ電源124により負電圧を印加して電子ビーム100を減速する。この負電圧により、ランディングエネルギーを減速し、二次電子を加速する。対物レンズ106とステージ114の間の電界を強くすると、色収差と幾何収差を抑制することで観察像の分解能を向上する一方で、左反射板118と右反射板119での反射電子の第3の範囲125と、中央反射板120での二次電子の第4の範囲126が狭くなり観察像のコントラストが変化しやすくなる。試料113上に電子ビーム100を集束すると同時に、中央反射板120の配置に合わせた第4の範囲126に設定できるように、対物レンズ106とブースタ電源127を最適化する。
電子線応用装置は、制御装置201により集中制御をおこなう。表示画面202と入力システム203とネットワーク通信204により、オペレータと制御装置201間のインターフェースを確保する。オペレータが入力システムによりランディングエネルギーまたはビーム電流の変更を要請すると、制御装置201は電子銃電源105とステージ電源124とブースタ電源127と第1のコンデンサレンズ109と第2のコンデンサレンズ111と対物レンズ106の設定を適切に変更する。
上記基本構成は、本実施例を実現する電子線応用装置の一つの構成例であり、例えば、二次電子の集束を助ける制御電極やビーム電流を測定するファラデーカップなどを設けても本実施例の機能を達成することができる。また、偏向器と第1コンデンサレンズと第2コンデンサレンズは、一般に静電型と電磁型のタイプがありどちらを選択しても良い。検出器123は、軸上検出器を用いることにより反射板120の位置に配置しても良い。
二次電子放出の発生箇所における方位角を複数に選別して検出するために、左反射板と右反射板を複数に分割し、それぞれの反射板に対して新規の検出器を設けることも可能である。対物レンズ106での電子ビーム100の集束に対して干渉しないように、ブースタ電圧127をかける磁極と制御電極の電子ビーム100の通過する穴の淵になめらかな傾斜を持たせることも可能である。
図6は、第3の実施例である電子線応用装置の基本構成を示す図である。
本実施例の電子線応用装置は、実施例1および実施例2における対物レンズ106がセミインレンズであったものをアウトレンズ209に変更した構成のものである。電場と磁場の組合せを変えるために、制御電極210をアウトレンズ209の中に組み込み、二次電子と反射電子の軌道を制御する構成を持つ。
以上詳述してきた本発明によれば、複数の設定パラメータを独立に制御できない装置において、設定値間のトレードオフを考慮して、オペレータが選ぶパラメータを最小限にする制御が可能な電子線応用装置を提供することができる。
本発明の第1の実施例に係わる、電子線応用装置の構成を示す図である。 第1の実施例に係わる、電子線応用装置の制御画面の基本構成を示す図である。 第1の実施例に係わる、電子線応用装置の設定シーケンスを示す図である。 第1の実施例に係わる、電子線応用装置の設定テーブルを示す図である。 第2の実施例に係わる、電子線応用装置の構成を示す図である。 第3の実施例に係わる、電子線応用装置の構成を示す図である。
符号の説明
100…電子ビーム、101…電子源、102…引き出し電極、103…引き出し電源、104…加速電極、105…電子銃電源、106…対物レンズ、107…絞り、108…第1の範囲、109…第1のコンデンサレンズ、110…第2の範囲、111…第2のコンデンサレンズ、112…偏向器、113…試料、114…ステージ、115…ブースタ電極、116…二次電子、117…反射電子、118…左反射板、119…右反射板、120…中央反射板、121…左検出器、122…右検出器、123…中央検出器、124…ステージ電源、125…第3の範囲、126…第4の範囲、127…ブースタ電源、201…制御装置、202…表示画面、203…入力システム、204…ネットワーク通信、205…制御画面、206…ランディングエネルギー設定、207…ビーム電流設定、208…表示画面、209…アウトレンズ、210…制御電極、401…設定テーブル。

Claims (8)

  1. 電子線応用装置であって、
    電子源から生成した電子ビームの初期電圧を制御可能な電子銃と、
    上記電子銃からの上記電子ビームを集束する対物レンズと、
    絞りに上記電子ビームを集束する第1のコンデンサレンズと、
    上記対物レンズに上記電子ビームを集束する第2のコンデンサレンズと、
    上記電子ビームを偏向する偏向器と、
    試料を移動させるステージと、
    上記試料から放出される二次電子或いは反射電子を検出する第1および第2の検出器と、
    上記電子ビームのビーム電流とランディングエネルギーに対応して、上記試料上の上記電子ビームの開き角を設定する制御部とを具備し、
    上記制御部は、前記ランディングエネルギーと前記ビーム電流に対応する、上記初期電圧、上記第1コンデンサレンズ、上記第2コンデンサレンズ、上記対物レンズの設定値、上記対物レンズに重畳するブースタ電圧、上記ステージのステージ電圧を含む装置設定パラメータと、上記二次電子が上記第1の検出器に集束する第3の範囲、および上記反射電子が上記第2の検出器に集束する第4の範囲を含む制御パラメータと、上記開き角の範囲を含むビーム制御内容のリストを備えたテーブルを記憶する記憶部を有し、
    上記装置設定パラメータは、上記ランディングエネルギーおよび上記ビーム電流の関数であり、かつ、上記開き角、上記二次電子が上記第1の検出器に集束する第3の範囲、および上記反射電子が上記第2の検出器に集束する第4の範囲のそれぞれが上記制御パラメータまたは上記ビーム制御内容に記憶された範囲に集束するよう制御され、
    上記リストに基づき、上記電子ビームの加速エネルギー、ステージ電位、ブースタ電位、上記第1コンデンサレンズと上記第2コンデンサレンズの設定値の組み合わせを決定して、制御を行う、
    ことを特徴とする電子線応用装置。
  2. 請求項1に記載の電子線応用装置であって、
    上記検出器は、
    上記試料から放出される上記二次電子と上記反射電子のうち、上記反射電子が衝突する左反射板と右反射板と、
    上記二次電子が衝突する中央反射板と、
    上記衝突により再放出される再放出二次電子を検出する左検出器と右検出器と中央検出器とを備え、
    上記制御部は、上記反射電子を上記左反射板と上記右反射板の位置に、上記二次電子を上記中央反射板の位置に導入するよう、上記対物レンズの設定値、上記対物レンズに重畳するブースタ電圧、および上記ステージのステージ電圧を制御する、
    ことを特徴とする電子線応用装置。
  3. 請求項2に記載の電子線応用装置であって、
    上記左検出器と上記右検出器と上記中央検出器として軸上検出器を用いる、
    ことを特徴とする電子線応用装置。
  4. 請求項1に記載の電子線応用装置であって、
    表示部を更に有し、
    上記制御部は、上記表示部に上記ビーム電流と上記ランディングエネルギーを表示して設定する画面を表示するよう制御する、
    ことを特徴とする電子線応用装置。
  5. 電子ビームを生成する電子源、
    上記電子源から上記電子ビームを引き出す引き出し電極と引き出し電源、
    上記電子ビームの初期電圧を制御する加速電極と電子銃電源、
    上記電子ビームを集束する対物レンズ、
    絞りに上記電子ビームを適切な第1の範囲に集束する第1のコンデンサレンズ、
    上記対物レンズに上記電子ビームを適切な第2の範囲に集束する第2のコンデンサレンズ、
    上記電子ビームを偏向する偏向器、
    試料を移動させるステージ、
    上記対物レンズに電界を重畳させるブースタ電極、
    上記試料から放出される二次電子と反射電子のうち反射電子が衝突する左反射板と右反射板と二次電子が衝突する中央反射板、
    上記衝突により再放出される二次電子を検出する左検出器と右検出器と中央検出器、
    上記試料上に上記電子ビームを集束すると同時に、上記再放出される二次電子を上記左反射板と上記右反射板と上記中央反射板の配置に合わせた第3の範囲と第4の範囲に設定し、且つ上記電子ビームのビーム電流とランディングエネルギーと上記試料上の上記電子ビームの開き角を設定する制御部、を具備し、
    上記制御部は、上記ランディングエネルギーと上記ビーム電流に対応する、上記初期電圧、上記第1コンデンサレンズ、上記第2コンデンサレンズ、上記対物レンズの設定値、上記対物レンズに重畳するブースタ電圧、上記ステージのステージ電圧を含む装置設定パラメータと、上記第1の範囲、上記第2の範囲、上記第3の範囲、及び上記第4の範囲を含む制御パラメータと、上記開き角の範囲を含むビーム制御内容のリストを備えたテーブルを記憶する記憶部を有し、
    上記装置設定パラメータは、上記ランディングエネルギーおよび上記ビーム電流の関数であり、かつ、上記開き角、上記第3の範囲、および上記反射電子が上記第4の範囲のそれぞれが上記制御パラメータまたは上記ビーム制御内容に記憶された範囲に集束するよう制御され、
    上記リストに基づき、上記電子ビームの加速エネルギー、ステージ電位、ブースタ電位、上記第1コンデンサレンズと上記第2コンデンサレンズの設定値の組み合わせを決定して、制御を行う、
    ことを特徴とする電子線応用装置。
  6. 請求項5に記載の電子線応用装置であって、
    上記左検出器と上記右検出器と上記中央検出器に軸上検出器を用いて上記左反射板と上記右反射板と上記中央反射板の位置に配置する、
    ことを特徴とする電子線応用装置。
  7. 請求項5に記載の電子線応用装置であって、
    上記左反射板と上記右反射板と上記左検出器と上記右検出器は、上記中央反射板及び中央検出器と上記試料との間に設置される、
    ことを特徴とする電子線応用装置。
  8. 請求項5に記載の電子線応用装置であって、
    表示部を更に有し、上記制御部は、上記表示部に上記ビーム電流と上記ランディングエネルギーを表示して設定する画面を表示するよう制御する、
    ことを特徴とする電子線応用装置。
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