JP5399962B2 - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池のガスシールに関する技術であり、燃料電池内部に2種のガス(燃料ガスおよび空気等の酸化剤ガス)を分離した状態で導入して発電を行う固体酸化物形燃料電池及びその製造方法に関する。
従来より、固体酸化物形燃料電池として、例えば平板状の固体酸化物体(固体電解質体)の一方の側に燃料ガスに接する燃料極を設けるとともに、他方の側に酸化剤ガスに接する空気極を設け、更に燃料極や空気極に到る流路等を設けて単セルを構成し、この単セルとインターコネクタ板とを交互に積層してスタック化したものが知られている。
このうち、単セルとしては、燃料極及び空気極を備えた固体酸化物体と、固体酸化物体に接合されて燃料ガスと酸化剤ガスの流路を分離するセパレータと、燃料極の周囲に配置された燃料極フレームと、空気極の周囲に配置された空気極フレームと、単セルの板厚方向の外側に配置されたインターコネクタと、各部材間におけるガスの漏出をシールするシール材等から構成されたものが知られている(特許文献1参照)。
上述したシール材は、高温に耐え、酸化・還元・湿気などの環境下にて長時間安定であることが求められ、更に、燃料電池構成部材に対して化学的に安定で、熱応力が最小限である必要がある。
また、シールを行う方法としては、シール材をシール部に固定する(固定型)もの(rigid seal)と、シール材をシール部にかぶせて外力により密着させる(圧着型)もの(compressive seal)がある。
前者は、シール材の固定方法、燃料電池の運転中や起動・停止時における物理的な損傷、シール部との熱膨張率の差異が問題となる。後者は、シール材をシール部に固定しないため、熱膨張率を厳密に合わせる必要がないが、シール性を維持するため一定の押さえつけが必要となる。
上述した固定型のシール方法に用いられるシール材としては、ガラス−セラミックが、固体酸化物形燃料電池において最も一般的である。
ところが、ガラスの軟化点は、固体酸化物形燃料電池の一般的な使用温度の800〜1000℃と近いため、運転中にガラスの流動性が発生し、形状維持することが困難である。そのため、セラミックス粉末やガラス繊維をガラスに混合して形状保持性を確保する検討がなされている(特許文献2参照)。また、運転温度が高いため、起動、停止の際にガラスが割れやすいことも問題である。この対策として、セラミックス粉末とガラス繊維を含有するガラスシートを形成し、ガスシールをする技術が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、この固定型のシール方法では、いずれにしても耐熱温度が不十分であり、割れやすいという本質的な問題を抱えており、適用範囲が制限されるという問題があった。
特開2009-43550号公報 特開2006-185775号公報 特開2006-512543号公報
Journal of Power Sources 147 (2005) 46-57)
それに対して、圧着型のシール法(いわゆるコンプレッションシール)の場合には、シール部との熱膨張係数を厳密に合わせる必要がないという利点があるが、シール材は押さえつける力に応じて変形しなければならないという特性がある。
つまり、例えばシール材に金属を用いる場合は、変形しやすい材質を使用するか、シール材そのものの形を変形しやすい波型などに加工する必要があり、強度、シール性、化学的安定性に問題が残る。
また、例えばシール材に薄片状粒子からなる雲母を用いる例は、近年報告例が増えてきているが、雲母のみでシールした場合、シール面でのガス漏れが圧倒的に多いという問題がある。そのため、金属やガラスなどの層(compliant layer)を挟んだり、雲母層の粒子間を埋めるために浸透物を利用したり、マイカ結晶間の隙間を埋める検討が多くされているが、十分ではない(非特許文献1参照)。
つまり、この従来技術では、いずれも試験段階では良好なシール性を示すが、熱サイクル時や高温条件に晒されると、漏れ速度が増したり、浸透物が金属と反応したりして、依然改善が必要な状況である。
この様に、上述した圧着型のシール方法では、固定型のシール方法における問題を改善できるが、特に、コンプレッションシール材については、形状安定性及びシール性を両立できるものが無いという大きな問題がある。
具体的には、雲母等のシール材を構成する大きな薄片状粒子同士の絡み合いにより形状安定性が得られるが、薄片状粒子が絡み合うような大きな粒子で構成されたシール材では、シール材表面の凸凹により、水素を取り扱う固体酸化物形燃料電池において、十分なガスシール性を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、形状安定性及びシール性に優れたシール材を備えた固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の固体酸化物形燃料電池は、請求項1に記載の様に、固体酸化物形燃料電池の各構成部材間に配置されて圧着型のガスシールを行うためのガスシール層を備えた固体酸化物形燃料電池において、前記ガスシール層は、薄片状粒子からなるフェロケイ酸塩鉱物を主成分とするとともに、前記各構成部材と接触する第1シール層及び第3シール層と、該第1シール層及び第3シール層に挟まれた第2シール層との3層以上からなり、更に前記第2シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク径は、前記第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク径より大であることを特徴とする。
本発明では、固体酸化物形燃料電池のガスシール層(コンプレッションシール材)の材料として、薄片状粒子が層状に重なりあった層状構造を有するフェロケイ酸塩鉱物を用いているので、他の結晶構造の材料と比較しガスシール性に優れている。
特に本発明では、ガスシール層として、第2シール層の平均フレーク径を第1シール層及び第3フレーク層の平均フレーク径より大きく設定している。
本発明で、第2シール層の薄片状粒子(フレーク状粒子)の平均フレーク径を第1シール層及び第3シール層の薄片状粒子の平均フレーク径より大きくしたのは、平均フレーク径が大きい方が各薄片状粒子の重なりが大きくなり、曲げ方向への変形に強くなるためである。これにより、例えばシール面が波型構造となっている場合、同じ形状の波型構造を有する金属板同士でコンプレッションシール材を加圧しシールすることも可能となる。一方、第1シール層及び第3シール層の薄片状粒子の平均フレーク径は(第2シール層より)小さいので、シール層の表面の凹凸が小さくなり、シール性が向上する。
つまり、本発明では、第2シール層にて、径の大きな薄片状粒子同士が絡み合うことにより形状安定性を確保できるとともに、第1シール層及び第3シール層では、表面の凹凸が小さくなるので、十分なガスシール性を確保することができる。これにより、コンプレッションシールを行う際の形状安定性とガスシール性とを両立させることができる。
この様に、本発明では、それぞれのシール層がもつ短所(形状安定性やガスシール性の不足)を補完することにより、形状安定性とガスシール性とを両立させたガスシール層を工業的にも容易に実現できるという顕著な効果を奏する。
また、本発明は、平板間をガスシールすることに適した技術であるが、完全な平面でなくとも、一部に突部、溝部などがあっても適用でき、安定したガスシール性を有する固体酸化物形燃料電池を実現することができる。
更に、ガスシール層の種類によっては、ガスシール層がシール面と接触し化学反応を起こす可能性があるが、三層構造とすることで、設計自由度が大きくなり、より信頼性の高いコンプレッションシールを導入した固体酸化物形燃料電池を実現することができる。
ここで、前記薄片状粒子とは、厚み方向と垂直な平面方向に大きく広がる(厚みより外径寸法の大きな)フレーク状の粒子である。なお、フェロケイ酸塩鉱物では、薄片状粒子は主として層状結晶から構成されている。
また、前記フレーク径とは、薄片状粒子の平面形状(薄片状粒子の厚み方向に対して垂直な平面に投影した場合の形状)において、最大の寸法であり、平均フレーク径とは、各種のサイズの複数(例えば30個)の薄片状粒子のフレーク径の平均である。
なお、このガスシール層を構成する材料としては、マイカ、バーミキュライト、タルク等が挙げられる。
(2)本発明では、請求項2に記載の様に、第2シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク径を5μmを上回り500μm以下とすることが好ましい。
これは、平均フレーク径が5μm以下の場合には、ガスシール層の変形を許容できなくなって割れ易くなることがあるからであり、500μmを上回る場合には、変形し難くなってコンプレッションシールを好適に行えないことがあるからである。
(3)本発明では、請求項3に記載の様に、第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク厚さは、5nm以上100nm以下であり、且つ、第2シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク厚さより小さいことが好ましい。
つまり、第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク厚さが5nm未満の場合には、両シール層の形成における作製工程が安定し難くなるだけでなく、両シール層が脆くなり変形時に欠陥を生じ易くなるためである。一方、平均フレーク厚さが100nm(特に500nm)を上回る場合には、両シール層の表面が滑らかでなく、特に平滑な面をガスシールすることが難しいからである。また、第1シール層及び第3シール層に、第2シール層の薄片状粒子よりも厚さが薄い薄片状粒子を用いることで、第2シール層表面の凹凸を解消し易くなる。
なお、前記フレーク厚さとは、薄片状粒子を厚み方向に沿って測定した最大厚みであり、平均フレーク厚さとは、各種のサイズの複数(例えば30個)の薄片状粒子のフレーク厚さの平均である。
(4)本発明では、請求項4に記載の様に、第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク径を5μm以下とすることが好ましい。
これにより、第1シール層及び第3シール層の表面が滑らかになり、ガスシール性が向上する。
(5)本発明では、請求項5に記載の様に、第1シール層及び第3シール層の厚さを0.05mm以上0.5mm以下とすることが好ましい。
この範囲の場合には、ガスシール性を効果的に向上できるからである。具体的には、両シール層の厚みが0.05mm未満の場合には、例えば第2シール層の表面の凸凹が第1シール層及び第3シール層に影響し、第1シール層及び第3シール層によるシール性の補完が十分でないことがあるからである。一方、両シール層の厚みが0.5mmを上回る場合には、両シール層の変形に対してひび割れなどが発生し、コンプレッションシールが難しくなることがあるためである。
(6)本発明では、請求項6に記載の様に、第2シール層の厚さを0.3mm以上2.0mm以下とすることが好ましい。
これは、第2シール層の厚みが0.3mm未満の場合には、コンプレッションシールを行う際、第2シール層の弾性変形量が小さく十分なガスシール特性を得られないことがあるからである。一方、第2シール層の厚みが2.0mmを上回る場合には、コンプレッションシールにおける収縮量が過剰であり、逆に燃料電池を組み立てる際に寸法精度を不安定とする要因となりうるからである。また、コンプレッションシール材の粒子間を透過する僅かなガスが累積するため、総合的にガスシール性が悪くなってしまう可能性があるからである。
(7)本発明では、請求項7に記載の様に、第2シール層を構成する薄片状粒子の層状結晶は、面を重ねあわせるように配列されていることが好ましい。
これは、層状結晶の面を重ね合わせた配列がされている方が、第2シール層中の隙間が少なくなることによりガスシール性が良好となるためであり、荷重をかけても組織が壊れにくくシール性が維持できるためである。
(8)本発明では、請求項8に記載の様に、第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の層状結晶は、面を重ね合わせるように配列されていることが好ましい。
これは、層状結晶の面を重ね合わせた配列がされている方が、両シール層中の隙間が少なくなることによりガスシール性が良好となるためであり、荷重をかけても組織が壊れにくくシール性が維持できるためである。
(9)本発明では、請求項9に記載の様に、ガスシール層を構成する各シール層は、Si、Al、Ca、Mgのうち少なくとも1元素を含んでいることが好ましい。
これらの元素は、燃料電池の運転環境における燃料極側の還元状態においても、空気極側の酸化状態においても、安定して存在可能な元素であり、酸化物としての融点が高く安定なためである。
(10)本発明では、請求項10に記載の様に、ガスシール層を構成する各シール層は、400℃以上で運転された場合に、ガラス相が10体積%以下であることが好適である。
燃料電池が運転される高温化では、様々な元素が存在する中、ガラス相が生成しやすいと考えられるが、ガラス相が多く生成した場合(10体積%を上回る場合)には、急な熱サイクルが加わった場合に、ガラス相が割れガスリークが発生する可能性が高いためである。
(11)本発明では、請求項11に記載の様に、ガスシール層を構成する各シール層が、酸素分圧10-15Pa〜0.15atmの環境下において、1MΩcm以上の比抵抗値を有することが好適である。
これは、燃料電池の運転環境下において、1MΩcm以上の比抵抗値を有さない(即ち絶縁性の低い)ガスシール層を用いた場合、電気接続される燃料電池が短絡してしまうからである。
(12)本発明では、請求項12に記載の様に、第2シール層が100GPa以上の弾性率をもつ材料から構成されていることが好適である。
燃料電池運転時に加熱した際、各部材の熱膨張率差によりシール界面にわずかな隙間が生じる事が予想されるが、本発明では、第2シール層の弾性によりガスシール層が膨らみ、その隙間を補って埋める効果を発揮する。
(13)本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法は、請求項13に記載の様に、前記請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、前記第2シール層の両面に、スクリーン印刷によって第1シール層及び第3シール層を形成することを特徴とする。
本発明は、第2シール層として、例えば市販されているシート状コンプレッションシール材を用いる場合、その表面に第1シール層及び第3シール層を形成する最も簡便な手法であり、大量生産にも適した手法である。
(14)本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法は、請求項14に記載の様に、前記請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、前記各シール層をテープキャスティングにより作製し、その後積層することによって前記ガスシール層を形成することを特徴とする。
複数層のシール層について、原料粉末を購入して作製する場合には、本発明の様に、テープキャスティングにて、第1、第2、第3シール層を作製し、それらを積層する方法が、最も簡便な製造方法である。
第1実施形態の固体酸化物形燃料電池の単セルを厚み方向に破断して示す説明図である。 第1実施形態の固体酸化物形燃料電池の単セルを分解して示す斜視図である。 ガスシール層の構造を破断して説明する説明図である。 固体酸化物形燃料電池の動作を示し、(a)は空気極側における空気の流路を示す説明図、(b)は燃料極側における燃料ガスの流路を示す説明図である。 実験例1の実験方法を示す説明図である。 実験例2の実験方法を示す説明図である。
以下、本発明が適用された固体酸化物形燃料電池及びその製造方法の実施形態について図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
a)まず、本実施形態の固体酸化物形燃料電池について、図1に基づいて説明する。
図1は、固体酸化物燃料電池の発電単位である単セル1を示している。なお、図1では、説明のために同一平面(断面)上に無い直交するガス流路を同一図面上に記載してある。
図1に示すように、単セル1の中央部分には、固体電解質を用いた平板状の固体酸化物体2を備え、固体酸化物体2の一方の側に燃料極4が、固体酸化物体2の他方の側に空気極6が設けられている。なお、以下では、燃料極4及び空気極6を一体に備えた固体酸化物体2をセル本体7と称する。
前記空気極6には、多孔質体が用いられ、その材料としては、例えば、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru及びRh等の各種の金属、金属の酸化物、金属の複酸化物等を用いることができる。
前記固体酸化物体2は、酸素イオン導電性酸化物であり、電子導電性はなく、気相の水素と酸素とを物理的に隔離する。この固体酸化物体2の材料としては、例えばZrO2系セラミック、LaGaO3系セラミック、BaCeO3系セラミック、SrCeO3系セラミック、SrZrO3系セラミック、及びCaZrO3系セラミック等が挙げられる。
前記燃料極4には、多孔質体が用いられ、その材料としては、例えば、Ni及びFe等の金属と、Sc、Y等の希土類元素のうちの少なくとも1種により安定化されたジルコニア等のZrO2系セラミック、CeO2系セラミック等のセラミックのうちの少なくとも1種との混合物などが挙げられる。
また、このセル本体7は、燃料極4の厚さを厚く形成して、燃料極4で支持するように構成されており、いわゆる支持膜式といわれる構成である。
図2に示すように、単セル1のセル本体7は、金属製の枠状のセパレータ8に取り付けられており、セパレータ8の中央には貫通窓10が形成されている。貫通窓10は、空気極6よりも大きく、固体酸化物体2よりも小さく形成されており、空気極6が貫通窓10を通して臨むように、セル本体7にセパレータ8が積層して配置されている(ここでは、セル本体7の表面の周囲にセパレータ8が接合されている)。なお、セパレータ8には、その周囲に等間隔で取付孔12が(例えば8個)貫通形成されている。
セパレータ8の表面(セル本体7が配置された反対面:図2上方)には、枠状の空気極フレーム14が積層されている。空気極フレーム14の中央には中抜き孔16が形成され、その周囲に取付孔18がセパレータ8の取付孔12と同じ位置に設けられている。
空気極フレーム14には、後に詳述するガスシール層(シール板)20が積層されている。このガスシール層20は、中央に中抜き孔22が形成された枠状であり、シール性を有すると共に電気絶縁性を有している。また、取付孔24が、セパレータ8の取付孔12と同じ位置に設けられている。
ガスシール層20には、平板状のインターコネクタ板26が積層されており、インターコネクタ板26は、電気導電性を有する金属板等により形成されている。このインターコネクタ板26にも、取付孔28がセパレータ8の取付孔12と同じ位置に設けられている。
なお、インターコネクタ板26と空気極6との間の中抜き孔16、22には、電気導電性を有する集電体30が配置されている。
また、インターコネクタ板26の内側面(図3下方)に、流入溝32と流出溝34とが形成されている。この流入溝32と流出溝34とは、インターコネクタ板26のガスシール層20側の平坦面が溝状に窪まされて、取付孔28と空気極フレーム14の中抜き孔16とが連通されるように形成されたものである。
更に、セパレータ8の裏面(セル本体7が配置された面:図2下方)には、中央に中抜き孔36が形成された枠状の燃料極フレーム38が積層されている。この燃料極フレーム38にも、複数の取付孔40がセパレータ8の取付孔12と同じ位置に設けられている。
前記燃料極フレーム38には、前記ガスシール層20と同様なガスシール層(シール板)41が積層されている。このガスシール層41は、中央に中抜き孔42が形成された枠状であり、シール性を有すると共に電気絶縁性を有している。また、ガスシール層41にも取付孔44が、セパレータ8の取付孔12と同じ位置に設けられている。
ガスシール層41には、平板状のインターコネクタ板46が積層されており、インターコネクタ板46は電気導電性を有する金属板等により形成されている。このインターコネクタ板46にも、取付孔48がセパレータ8の取付孔12と同じ位置に設けられている。
なお、燃料極4とインターコネクタ板46との間には、電気導電性を有する集電体50が配置されている。
また、インターコネクタ板46の内側面(図2上方)に、流入溝52と流出溝54とが形成されている。この流入溝52と流出溝54とは、インターコネクタ板46のガスシール層41側の平坦面が溝状に窪まされて、取付孔48と燃料極フレーム38の中抜き孔36とが連通されるように形成されている。
更に、空気極フレーム14の中抜き孔16内には、封止部材60が収納されている。そして、酸化剤ガスの流れ方向では、集電体30と封止部材60との間に、流入溝32側に流入室64(図1参照)が、流出溝34側に流出室66(図1参照)が形成されるように、収納孔62が形成されている。
なお、インターコネクタ板26の流入溝32は流入室64に連通するように形成されており、インターコネクタ板26の流出溝34は流出室66に連通するように形成されている。
一方、燃料極フレーム38の中抜き孔36内にも、封止部材70が収納されており、この封止部材70の中央に、大収納孔72及び収納孔73が形成されている。
また、燃料ガスの流れ方向では、集電体50と封止部材70との間に、流入溝52側に流入室74(図1参照)が、流出溝54側に流出室76(図1参照)が形成されるように、収納孔73が形成されている。
なお、インターコネクタ板46の流入溝52は流入室74に連通するように形成されており、インターコネクタ板46の流出溝54は流出室76に連通するように形成されている。
そして、インターコネクタ板26、ガスシール層20、空気極フレーム14、セパレータ8、燃料極フレーム38、ガスシール層41、インターコネクタ板46の各取付孔28,24,18,12,40,44,48には、それぞれボルト80が挿入され、これらが積層固定されて単セル1が構成されている。尚、これらが複数交互に積層されて燃料電池が構成されている。
従って、ボルト80によって単セル1が積層方向に押圧されることによって、ガスシール層20、41が、配置された空間のガスシールを行うコンプレッションシール材として機能している。
b)次に、本実施形態の要部であるガスシール層20、41について、図3にて説明する。
なお、ガスシール層20、41は、同じ構造であるので、以下ではガスシール層20を例に挙げて説明する。
図3に示す様に、ガスシール層20は、シート状の第シール層94とその厚み方向の一方の側に積層されたシート状の第1シール層92と他方の側に積層されたシート状の第3シール層96とからなる3層構造のコンプレッションシール材であり、第1〜第3シール層92〜96は、層状結晶を有する薄片状粒子からなるフェロケイ酸塩鉱物で構成されている。
詳しくは、第2シール層94は、100GPa以上の弾性率をもつマイカから構成されており、第1シール層92及び第3シール層96はバーミキュライトから構成されている。
特に、本実施形態では、第2シール層94を構成する薄片状粒子の平均フレーク径は、第1シール層92及び第3シール層96を構成する薄片状粒子の平均フレーク径より大きく設定されている。つまり、第2シール層94を構成する薄片状粒子の平均フレーク径は5μmを上回り500μm以下の範囲であり、第1シール層92及び第3シール層96を構成する薄片状粒子の平均フレーク径は5μm以下に設定されている。
また、第1シール層92及び第3シール層96を構成する薄片状粒子の平均フレーク厚さは5nm〜100nmであり、且つ、第2シール層94を構成する薄片状粒子の平均フレーク厚さより小さい。しかも、第1シール層92及び第3シール層96の厚さは0.05mm〜0.5mmであり、第2シール層94の厚さは0.3mm〜2.0mmである。
更に、第1〜第3シール層92〜96を構成する薄片状粒子の層状結晶は、面を重ねあわせるように配列されており、Si、Al、Ca、Mgのうち少なくとも1元素を含んでいる。
その上、第1〜第3シール層92〜96は、固体酸化物燃料電池が400℃以上で運転された場合に、ガラス相が10体積%以下となる材料からなり、酸素分圧10-15Pa〜0.15atmの環境下において、1MΩcm以上の比抵抗値を有している。
c)次に、前述した本実施形態の固体酸化物型燃料電池の動作について、図4に基づいて簡単に説明する。
単セル1の空気極6側のインターコネクタ板26の流入溝32に連通する各取付孔28,24,18,12,40,44,48には、酸化剤ガスが供給されて、流入溝32から流入室64に流入する。
つまり、インターコネクタ板26の流入溝32に、酸化剤ガスである空気が供給されると、酸化剤ガスは流入溝32から流入室64に流入する。
そして、空気極6に接して流れた酸化剤ガスは、酸素が電子と反応して酸素イオンになり、生成された酸素イオンが固体酸化物体2に移動し、固体酸化物体2の酸素空孔と位置を交換しながら燃料極4側に移動する。空気のうち、酸素が消費された酸化剤ガスは流出室66から流出溝34を通り、排出される。
つまり、インターコネクタ板26の流出溝34に連通する各取付孔28,24,18,12,40,44,48には、流出室66から消費された酸化剤ガスが流出する。
一方、燃料極4側のインターコネクタ板46の流入溝52に連通する各取付孔28,24,18,12,40,44,48には、燃料ガスが供給されて、流入溝52から流入室74に流入する。
つまり、インターコネクタ板46の流入溝52に流入した燃料ガスは、流入溝52から流入室74に流入する。
そして、流入室74から燃料極4に供給され、燃料極4に供給された燃料ガスは、本実施形態では燃料ガスとして用いた水素が酸素イオンと反応して水蒸気と電子を生成する。水素が消費され、生成された水蒸気が燃料ガスに混じり合いながら、流出室76及び流出溝54から、排出される。
つまり、インターコネクタ板46の流出溝54に連通している各取付孔28,24,18,12,40,44,48からは、流出室76から消費された燃料ガスが流出する。
これにより、燃料ガス及び空気を用いて単セル1にて発電が行われ、単セル1を複数積層した燃料電池スタックにおいては、各単セル1間に配置されたインターコネクタ26、46を介して外部に電気が取り出される。
d)次に、固体酸化物形燃料電池のガスシール層20、41の製造方法について説明する。
本実施形態では、第2シール層94の材料として、市販されている0.3mm厚のマイカシートを用いた。このマイカシートを構成する(層状結晶からなる)薄片状粒子の平均フレーク径は、100μmである。
また、5μm粒径(薄片状粒子の平均フレーク径)のバーミキュライトを、バインダーにエチルセルロース、溶媒にブチルカルビトールを用いてペースト化した。
次に、第1シール層92と第3シール層96を形成するために、ペースト化したバーミキュライトを、マイカシートの両面に(それぞれ厚さ0.1mmで)印刷し、乾燥して、3層構造のコンプレッションシール材を作製した。
そして、このコンプレッションシール材をガスシール層20、41として使用した。
e)この様に、本実施形態では、固体酸化物形燃料電池のガスシール層(コンプレッションシール材)20、41の材料として、薄片状粒子が層状に重なりあった層状構造を有するフェロケイ酸塩鉱物を用いるので、他の結晶構造の材料と比較しガスシール性に優れている。
特に本実施形態では、ガスシール層20、41として、第2シール層94の平均フレーク径を第1シール層92及び第3フレーク層96の平均フレーク径より大きく設定している。よって、第2シール層94では、径の大きな薄片状粒子同士が絡み合うことにより形状安定性を確保できるとともに、第1シール層92及び第3シール層96では、表面の凹凸が小さくなるので、十分なガスシール性を確保することができる。これにより、コンプレッションシールを行う際の形状安定性とガスシール性とを両立させることができる。
つまり、本実施形態では、それぞれのシール層がもつ短所を補完することにより、形状安定性とガスシール性とを両立させたガスシール層を工業的にも容易に実現できるという顕著な効果を奏する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
ここでは、第1実施形態とは、ガスシール層の製造方法が異なるので、ガスシール層の製造方法について説明する。
まず、100μmの粒子径(平均フレーク径)のマイカ粉末に、ポリビニルブチラール、アミン系分散剤、可塑剤を適量添加し、エタノールとトルエンを溶媒とし、スラリーとした。得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法によりシートを形成して、第2シール層となる厚さ0.5mmのシート成形体(マイカシート)を得た。
また、5μm粒径(平均フレーク径)のバーミキュライト粉末に、ポリビニルブチラール、アミン系分散剤、可塑剤を適量添加し、エタノールとトルエンを溶媒とし、スラリーとした。得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法によりシートを形成して、第1シール層、第3シール層となる厚さ50μmのシート成形体(バーミキュライトシート)を得た。
このように作製したマイカシートをバーミキュライトシート2枚で挟み込むように配置し、加熱しながら圧力を加えることで、3枚のシート成形体を圧着、一体化して、コンプレッションシート材を作製した。
そして、このコンプレッションシール材をガスシール層として使用した。
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
この実験に使用する試料として、下記表1に示す様に、異なる特性を有するフェロケイ酸塩鉱物系のコンプレッションシール材料を集め、その形状安定性(実験例1)及びガスシール性(実験例2)について調査した。
また、各コンプレッションシール材料の薄片状粒子(フレーク)のフレーク径及びフレーク厚さについては、電子走査型顕微鏡にて、100倍〜5000倍の範囲にて見やすい倍率を選択して、30個の薄片状粒子の最大寸法(平面上における寸法)及び最大厚さを測定し、それを平均した数字を表1中に記載した。
なお、表1においては、試料No.1〜10、15〜20が、請求項1の条件を満たす本発明例(実施例)であり、試料No.11〜14が、請求項1の条件を満たさない比較例である。
<実験例1>
本実験例は、シール材(ガスシール層)の形状安定性を調べたものである。
本実験例では、図5に示す様に、金属製の10cm角×厚さ5cmの平板100を用意した。次に、5cm角のコンプレッションシール材102を半分(2.5cm)平板からはみ出させ、はみ出ていない部分を定規などで押さえ固定した状態で、はみ出た部分の先端を下方に押し下げる形で、折り曲げ角度が30°となるまで変形をさせた。そして、その際に、コンプレッションシール材102の状態(欠陥無く変形するかや、ひび割れるか等)を確認した。
その結果を下記表1に示すが、同表の○は欠陥なく変形したことを示し、形状安定性が高いことを表している。
<実験例2>
本実験は、シール材(ガスシール層)のシール性を調べたものである
本実験例では、図6に示すような治具を作製し、シール性の確認を行った。
具体的には、3種の第1〜第3金属フレーム110、112、114と硬度20のゴムパッキン116にて囲われた空間118内に、(空気が第3金属フレーム114に形成された穴120に通じるように)下方に溝122を形成したφ10mm×高さ5mmの円盤状の金属ブロック124を配置し、また、金属ブロック124の上面に、(第1金属フレーム110に形成された穴130の周囲を囲むように)環状のコンプレッションシール材126を配置した。この状態で、金属ボルト128を締め付けトルク10Nmとなるように締め付けて、治具を一体化した。
このとき、ゴムパッキン116は、そのやわらかい柔軟性により収縮し、コンプレッションシール材126には、締め付けトルクに応じた荷重が加わる設計となっている。
また、第3金属フレーム114に設けられた穴120は、図示しないHeリークディテクタに接続した。このHeリークディテクタは、真空ポンプで吸引しながら、装置内部に導入されてくるHeガスの濃度を検知する構造となっている。
測定は、Heリークディテクタを測定モードにセットした状態で、第1金属フレーム110に設けられた穴130を大気に開放した状態(Heの吹きつけはしない状態)で、コンプレッションシール材126を透過しぬけてきた大気中のHe濃度を検出することによって行い、He濃度の検出量を比較することで、そのシール特性を評価した。
その結果を表1に示すが、ガスシール性の欄にHe検出量の数値を記入した。なお、同表の×は、実施例の試料No.1〜10に比べて、シール性が大きく(2桁程度)劣ることを示し、△は、シール性が実施例の試料No.1〜10と比較例11、13、14との間の性能であることを示している。
Figure 0005399962
この表1から明らかな様に、本発明の範囲の実施例1〜10は、形状安定性及びガスシール性が共に高く好適である。
それに対して、本発明の範囲外の比較例11〜14では、形状安定性及びガスシール性のうち、少なくとも一方の性能が低く好ましくない。
具体的には、比較例1は、(第2シール層のみの)1層構造のコンプレッションシール材を用いたものである。この比較例1は、形状安定性に優れるものの、実施例1〜10に比べて、Heガス検出量が大きく、ガスシール性が劣っていることが分かる。
比較例2は、第1シール層及び第3シール層のみからなるコンプレッションシール材を用いたものである。この比較例2では、ガスシール性については、実施例1〜10と比べて同等の性能を有しているが、形状安定性を調査する試験において、割れて破損してしまった。この結果は、形状安定性を保持するためには、大きな粒子の重なり合った構造が必要であることを示しており、また、細かい粒子を用いた場合は、粒子同士の重なりあいが小さくひび割れ、破損しやすいことを示していると考えられる。
比較例3は、第1シール層及び第3シール層に大きい粒子を用いた結果であり、形状安定性評価において、問題が無かったものの、ガスシール性はよくなかった。これは、比較例1と同様に、大きな粒子がコンプレッションシール材の存在のため、その表面粗度の問題からガスシール性が低下したものと考えられる。
比較例4は、第2シール層に(第1、第3シール層よりも)細かい粒子のコンプレッションシール材を用いた結果であり、形状安定性試験において、第2シール層が破損したものである。この結果は、比較例2と同様に、粒子の重なり合う構造が十分でないために、形状安定性を損なったものと考えられる。
なお、以下では、比較例11〜14よりは性能は良いものの、実施例1〜10より性能が低い実施例15〜20について説明する。
実施例15は、第1シール層及び第3シール層に細かい粒子(フレーク径が0.1μmで、フレーク厚さが5nm未満)のコンプレッションシール材を用いたものである。この例では、ガスシール性は良好であるものの、形状安定性評価において、表面に微小なひび割れが発生した。これは、粒子が細かい時、第1シール層及び第3シール層を形成するために作製したスラリーが不安定であり、各シール層形成段階で、内部に欠陥が発生していたことなどが考えられる。
実施例16は、第2シール層にフレーク径が500μm以上の大きい粒子を用いものである。この例では、大きい粒子が重なり合う構造が強固であるので、固く変形しにくいコンプレッションシール材となっている。
実施例17は、第1シール層及び第3シール層を0.05mmよりも薄く形成したものである。この様に薄すぎると、第2シール層の表面の凸凹を十分に吸収できず、シール性がやや低いことが分かる。
実施例18は、第1シール層及び第3シール層を0.5mmよりも厚く形成したものである。この様に厚くした場合には、形状安定性評価において、微小なひび割れが発生することがある。
実施例19は、第2シール層を0.3mmより薄く形成したものである。この例では、第2シール層における粒子の重なり合いが少ないためか、コンプレッションシール材に、小さな割れが発生した。
実施例20は、第2シール層を2.0mmより厚く形成したものである。この例では、シール層が厚く固いだけでなく、コンプレッションシール材の粒子間を透過する僅かなガスが累積するためか、ガスシール性もやや劣る結果が得られた。
以上、本発明の実施形態等について説明したが、本発明は、前記実施形態等に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、第1シール層と第3シール層とは、同一の構成でも良いし、異なる構成(例えば異なる材質)でも構わない。
1…単セル
8…セパレータ
14…空気極フレーム
20、41…ガスシール層
26、46…インターコネクタ板
38…燃料極フレーム
92…第1シール層
94…第2シール層
96…第3シール層

Claims (14)

  1. 固体酸化物形燃料電池の各構成部材間に配置されて圧着型のガスシールを行うためのガスシール層を備えた固体酸化物形燃料電池において、
    前記ガスシール層は、薄片状粒子からなるフェロケイ酸塩鉱物を主成分とするとともに、前記各構成部材と接触する第1シール層及び第3シール層と、該第1シール層及び第3シール層に挟まれた第2シール層との3層以上からなり、
    更に前記第2シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク径は、前記第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク径より大であることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記第2シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク径が5μmを上回り500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク厚さは、5nm以上100nm以下であり、且つ、第2シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク厚さより小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 前記第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の平均フレーク径が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 前記第1シール層及び第3シール層の厚さが0.05mm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  6. 前記第2シール層の厚さが0.3mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  7. 前記第2シール層を構成する薄片状粒子の層状結晶は、面を重ねあわせるように配列されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  8. 前記第1シール層及び第3シール層を構成する薄片状粒子の層状結晶は、面を重ね合わせるように配列されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  9. 前記ガスシール層を構成する前記各シール層は、Si、Al、Ca、Mgのうち少なくとも1元素を含んでいることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  10. 前記ガスシール層を構成する前記各シール層は、400℃以上で運転された場合に、ガラス相が10体積%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  11. 前記ガスシール層を構成する前記各シール層が、酸素分圧10-15Pa〜0.15atmの環境下において、1MΩcm以上の比抵抗値を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  12. 前記第2シール層が100GPa以上の弾性率をもつ材料から構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  13. 前記請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    前記第2シール層の両面に、スクリーン印刷によって第1シール層及び第3シール層を形成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  14. 前記請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    前記各シール層をテープキャスティングにより作製し、その後積層することによって前記ガスシール層を形成することを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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