JP5398904B2 - 気孔傾斜構造のナノ気孔性層を含む燃料極支持型固体酸化物燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

気孔傾斜構造のナノ気孔性層を含む燃料極支持型固体酸化物燃料電池及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、気孔傾斜構造のナノ気孔性層を含む燃料極支持型固体酸化物燃料電池及びその製造方法に関する。
固体酸化物、すなわちセラミック材料を電解質として使用する固体酸化物燃料電池(solid oxide fuel cell; SOFC)は、他の燃料電池に比べて効率が高く、水素以外にも様々な燃料を使用できるという利点があり、主に大型発電用に開発されてきた。近年、高出力及び高エネルギー密度を有する携帯用電源の需要が高まるにつれて、超小型携帯用電源として小型SOFCの開発にも多くの関心が寄せられている。
大型発電用SOFCの経済性の向上及び超小型SOFCの実現のためには、従来の800〜1000℃に達する作動温度を下げる必要がある。従来の高い作動温度は、界面反応を起こし、電解質、電極、密封材などの構成要素間の熱膨張不整合による性能低下を起こし、使用可能な素材と部品に制約があるので、経済性に劣る。特に、携帯用電源に応用する上で作動温度を下げることは非常に重要である。しかし、作動温度の低下により、電解質の伝導度や触媒の活性が低下して性能の低下が生じるので、これを相殺するための新素材の採用や構造の変化がなされなければならない。
特に、作動温度の低下による電解質の伝導度の減少を補償する上で、電解質の厚さを薄くして抵抗を下げることは、重要な研究分野の1つである。最も多く使用されている電解質であるイットリア安定化ジルコニア(yttria stabilized zirconia; YSZ)の場合、従来の数ミクロンの厚さでは、約700℃以上の作動温度で満足な性能を発揮するが、厚さが1ミクロン以下に減少すると、500℃以下での作動も可能である。
電解質薄膜を使用するためにシリコンウエハなどの緻密な基板上に電解質薄膜を蒸着し、その後MEMS工程により独立型メンブレン(free-standing membrane)を形成して燃料電池を実現する方法が一般的であるが(特許文献1、特許文献2など)、このようなメンブレン型燃料電池は、構造的に非常に脆弱であり、特に、摂氏数百℃の作動温度及び熱サイクルでの熱的・機械的脆弱性を避けられない。よって、熱的・機械的安定性及び長期安定性面では、多孔性構造を有する支持体上に電解質薄膜を形成することが有利である。
しかし、多孔性基板上に電解質薄膜を構成する際に、薄膜の厚さを気孔径より小さくすると、気孔による欠陥が発生する(非特許文献1)。よって、気孔径が数ミクロンに達する従来の多孔性基板上に厚さ1ミクロン以下の緻密な電解質薄膜を形成することは事実上不可能である。一般の燃料極支持体を基板とする場合、開始粉末の大きさもミクロンサイズであり、焼結温度が約1000℃以上に達すると粒径が数ミクロンに達し、このとき、表面粗さと気孔径も数ミクロンに達するが、これをガス透過性の全くない完全緻密な膜で覆うためには、気孔径に相当するかそれ以上の膜厚が要求される。
よって、電解質薄膜を使用するためには、電解質薄膜に直接当接する支持体部分の気孔構造の制御が必須である。これを解決するために、支持体全体がミクロン以下の粒径又は気孔径を有する構造を実現する場合、微細構造を制御するための工程上の制約が多く、非常に複雑な過程を経なければならず、気体の流入が妨げられてSOFCの性能を低下させる原因となることがある。
また、多孔性電極基板の気孔構造と表面粗さを制御するとしても、電解質薄膜形成工程で焼結収縮差や粒成長による薄膜の解体などの欠陥が抑制されなければ、欠陥の発生を防止することができない。乾燥、焼結などの過程で電解質薄膜に発生する収縮が基板の収縮より大きいため、電解質薄膜に引張応力が発生し、欠陥を避けることが困難である。
多孔性支持体を傾斜構造で実現する方法は、特許文献3と特許文献4にも記載されている。しかし、前記特許文献3は、特に空気極支持型管状SOFCにおける電極支持体での拡散と三相界面の向上のために傾斜構造を形成する方法に関するものであって、通常の粉末工程と高い焼結温度(>1300℃)を用いるため、たとえ傾斜構造を形成したとしても、多孔性電極の上部に1ミクロン以内の緻密な電解質薄膜を形成することは不可能である。前記特許文献3の実施例においても、電解質の厚さは100ミクロンであった。前記特許文献4は、Ni−YSZ多孔性基板の下部において高い気孔率を得ると共に、電解質に当接する部分において三相界面を広げるために、ニッケル(Ni)の組成を通常より大きくした下部と、Niの含量を減らした上部とからなる傾斜構造を開示しているが、従来の粉末工程により高温で傾斜構造を形成し、表面粗さ、気孔径、気孔径分布などを調節していないため、上部に電解質薄膜を形成することができない。
米国特許第6638654号明細書 米国特許出願公開第2007/0184322号明細書 米国特許第5114803号明細書 米国特許第6228521号明細書 韓国公開特許第2010−0041348号
DeJonghe et al.,Annu.Rev.Mater.Res.2003.33:169−82
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、多孔性電極上に電解質薄膜(例えば、厚さ約2μm以下、好ましくは約1ミクロン以下の薄膜)を欠陥なく緻密に形成するために、多孔性電極の下部から電解質薄膜まで気孔径が徐々に小さくなるようにして、最終的に電解質薄膜に当接する表面での気孔径を電解質薄膜の厚さより小さくした気孔傾斜構造を有する固体酸化物燃料電池を提供することを目的とする。
また、本発明は、電解質薄膜に当接する多孔性電極部位の表面粗さ、気孔径、気孔径分布などを適切に制御して、多孔性電極と電解質薄膜の界面での焼結収縮差による欠陥の発生を防止する方法を提供することを他の目的とする。
上記目的は本発明の下記構成により達成される。
(1)多孔性燃料極支持体、電解質薄膜、及び前記多孔性燃料極支持体と前記電解質薄膜との間に配置されているナノ気孔性層を含み、
前記電解質薄膜と接触する面の前記ナノ気孔性層の気孔径が、前記多孔性燃料極支持体の気孔径及び前記電解質薄膜の厚さより小さい、
燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
(2)(a)多孔性燃料極支持体上に、電解質用セラミックと電極用金属酸化物の複合薄膜を形成する段階と、
(b)前記複合薄膜を後熱処理する段階と、
(c)後熱処理した前記複合薄膜上に電解質薄膜を形成する段階と、
(d)前記複合薄膜を還元処理してナノ気孔性層を形成する段階と
を含む、前記(1)の燃料極支持型固体酸化物燃料電池の製造方法。
(3)多孔性燃料極支持体上に、電解質用セラミックナノ粉末と金属酸化物ナノ粉末が分散している複合ナノ粉末スラリーを塗布して乾燥及び焼結した後、前記段階(a)を行うことにより、燃料極支持型固体酸化物燃料電池が2段傾斜構造のナノ気孔性燃料極機能層を有するようにする、前記(2)の燃料極支持型固体酸化物燃料電池の製造方法。
(4)(a)多孔性燃料極支持体上に、電解質用セラミックナノ粉末と金属酸化物ナノ粉末が分散している複合ナノ粉末スラリーを塗布して乾燥させることにより、セラミックと金属酸化物の塗布膜を形成する段階と、
(b)前記塗布膜を焼結する段階と、
(c)前記塗布膜上に電解質薄膜を形成する段階と
を含む、前記(1)の固体酸化物燃料電池の製造方法。
本発明によれば、数マイクロレベルの気孔を有する多孔性支持体と、気孔のない緻密質電解質薄膜との間に、数十〜数百ナノメートルレベルの気孔を有するナノ気孔性層を単層又は多層で形成し、前記緻密質電解質薄膜に当接するナノ気孔性層部位の表面粗さ、気孔径、気孔径分布などを適切に制御することにより、大型発電用SOFCの経済性を向上させたり、超小型SOFCを実現することができる。この場合、前記ナノ気孔性層は、SOFCの電極機能層でもよく、電解質層でもよく、電極機能層と電解質層とを含む多層構造でもよい。
また、本発明においては、支持体としての多孔性電極の粒径と気孔径を徐々に変化させて、最終的に電解質に当接する部分の微細構造と気孔径を、その上部に厚さ1ミクロン以下の緻密質電解質薄膜が十分に形成されるように調節することにより、高温でも構造的安定性に優れ、従来の電解質薄膜を用いたSOFCの独立型メンブレン構造の熱的・機械的安定性及び長期安定性面での欠点を解消することができる。
さらに、多孔性電極構造全体をサブミクロン構造で実現した場合の工程の複雑性及び高コストの問題と、気体透過の阻害による性能低下の問題を解決することができる。
特に、このような技術をファインセラミック工程(fine ceramic process)、真空蒸着工程、及び/又は溶液工程などのように集積と大量生産が可能な工程で実現することにより、他技術への移植性、拡張性、及び汎用性(互換性)に非常に優れている。固体酸化物燃料電池だけでなく、多孔性基板上の緻密薄膜構造が求められるセンサ、メンブレンなど、他分野への活用性及び拡張性が大きい。
さらに、本発明による固体酸化物燃料電池は、低温で作動するため、使用可能な物質の制約が少なく、高温で起こる反応などの問題を避けられるので、優れた経済性と信頼性を有する。特に、低温作動が可能であれば、熱管理の負担が少なくなり、小型化により超小型固体酸化物燃料電池を実現することができ、超小型SOFCは、次世代携帯用及び移動型電力供給装置であって、高エネルギー密度と高出力密度を有し、従来の携帯用電源に代替できる大きな経済的価値を有する。
本発明による多孔性燃料極支持体及びナノ気孔性燃料極機能層を含む固体酸化物燃料電池の断面模式図である。 従来のセラミックス工程で製造された通常の固体酸化物燃料電池の断面構造である。 従来の固体酸化物燃料電池の燃料極機能層の還元後の表面微細構造である。 パルスレーザ蒸着(pulsed-laser deposition; PLD)法で基板の温度を700℃に保持して蒸着したNiO−YSZ薄膜の微細構造であり、(a)は後熱処理過程のない場合の微細構造、(b)は還元後の微細構造である。 PLD法で基板の温度を700℃に保持して蒸着したNiO−YSZ薄膜の微細構造であり、後熱処理過程のない場合のNi含量及び還元温度に応じた微細構造の変化を示す写真である。 燃料極支持体を基板として基板の温度を700℃に保持してPLD法で蒸着したNiO−YSZ薄膜を1000℃で後熱処理した後の微細構造である。 図6に示す微細構造を有する試料を600℃で5時間還元した後の微細構造である。 燃料極支持体を基板として基板の温度を700℃に保持してPLD法で蒸着したNiO−YSZ薄膜の後熱処理温度に応じた微細構造の変化を示す写真である。 図8に示す微細構造を有する各試料を600℃で5時間還元した後の微細構造である。 図6に示す微細構造を有する試料を800℃で10時間還元した後の微細構造である。 2段傾斜構造の燃料極支持体上に複合ナノ粉末スラリーを塗布して焼結した試料の断面写真である。 実施例1によりPLD法で真空蒸着したNiO−YSZ薄膜を後熱処理した後のNiO−YSZ薄膜表面の微細構造である。 本発明の実施例1によりPLD法で真空蒸着したNiO−YSZ薄膜を後熱処理し、次いで還元した後のNi−YSZ薄膜表面の微細構造である。 本発明の実施例1によりPLD法でNiO−YSZ薄膜を蒸着し、その薄膜上にYSZ電解質薄膜を1ミクロンの厚さに形成して還元した後の多孔性燃料極支持体、ナノ多孔性燃料極機能層、及び電解質薄膜の断面写真である。 本発明の実施例1によりPLD法でNiO−YSZ薄膜を蒸着し、その薄膜上にYSZ電解質薄膜を1ミクロンの厚さに形成して還元した後の電解質薄膜の表面写真である。 本発明の実施例1によるSOFCと、ナノ気孔性燃料極機能層(F.L.、中間層)のない電解質薄膜を使用して製造したSOFC(比較例1)とのOCVの発生を比較したグラフである。 本発明の実施例1によるSOFCのOCV測定後の単電池の断面微細構造である。 比較例1によるSOFCのOCV測定後の単電池の断面微細構造である。 本発明の実施例2によるSOFCの単電池性能測定後の断面微細構造である。 本発明の実施例2によるSOFCと厚膜電解質SOFCとの出力密度性能の比較結果であって、左のグラフは薄膜電解質出力密度を示す温度別I−V曲線であり、右の表は当該グラフから読み取った出力密度(薄膜電解質単電池)、及び別に測定した厚膜電解質単電池の出力密度のデータである。 本発明の実施例2によるSOFCの30回の熱サイクル特性の測定結果である。 本発明の実施例3によりNiOとYSZの複合ナノ粉末を製造する過程の各段階における走査電子顕微鏡(SEM)写真である(a:GNP法で合成した直後の画像、b:6時間乾式ミリングした後の画像、c:600℃で5時間か焼した後の画像、d:高エネルギーミルで20分間ミリングした後の画像)。 本発明の実施例3によりNiO−YSZ複合ナノ粉末スラリーをスピンコートしてナノ気孔性層を形成した試料の断面(a)及び表面(b)の画像である。 本発明の実施例3においてスクリーン印刷法、スピンコート法、及びパルスレーザ蒸着法(PLD)を順次用いて製造した4段傾斜構造の多孔性燃料極支持体を還元した後の断面微細構造である。 図24に示す微細構造を有する4段傾斜構造の多孔性燃料極支持体上に電解質薄膜、反応抑制層、及び空気極を形成して単電池出力性能を試験した後の断面構造である。 本発明の実施例3による薄膜SOFC単電池の出力性能グラフである。 本発明の実施例4により粉末工程で製造した2段傾斜構造の多孔性燃料極支持体上にNiO−YSZ複合ナノ粉末スラリーをスプレー蒸着し、1200℃で1時間焼結した試料の断面(a)及び表面(b)の画像である。 図27に示す試料の還元後の断面(a)及び表面(b)の画像である。
本発明は、多孔性燃料極支持体、電解質薄膜、及び前記多孔性燃料極支持体と前記電解質薄膜との間に配置されているナノ気孔性層を含み、前記電解質薄膜と接触する面の前記ナノ気孔性層の気孔径が、前記多孔性燃料極支持体の気孔径及び前記電解質薄膜の厚さより小さいものである、燃料極支持型固体酸化物燃料電池に関する。
前記多孔性燃料極支持体は、(1)ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)、白金(Pt)などの金属及びその合金、(2)前記(1)の金属又はその合金と、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(scandia stabilized zirconia; ScSZ)などのドープされたジルコニア、ガドリニウムドープセリア(gadolinium doped ceria; GDC)、サマリウムドープセリア(samarium doped ceria; SDC)などのドープされたセリアなどのSOFC電解質素材のサーメット複合体、並びに(3)ルテニウム酸化物からなる群から選択される材料からなるものでもよいが、これに限定されるものではない。
前記ナノ気孔性層は、電解質用セラミックと金属のサーメット複合体を含むものであって、前記電解質用セラミックは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、ガドリニウムドープセリア(GDC)、サマリウムドープセリア(SDC)、ストロンチウムマンガンドープランタンガレート(strontium manganese-doped lanthanum gallate; LSGM)、及び銀イットリアドープビスマス酸化物(silver yttria-doped bismuth oxide; YDB)からなる群から1種以上選択されるものでもよく、前記金属は、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)、白金(Pt)などの金属又はその合金とのサーメット複合体からなるものでもよいが、これに限定されるものではない。
前記電解質薄膜は、ジルコニウム酸化物(ZrxOy)、セリウム酸化物(CexOy)、ランタンガレート、バリウムセレート(barium cerate)、バリウムジルコネート(barium zirconate)、ビスマス系酸化物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される酸素イオン伝導体(oxygen ion conducting materials)、並びに陽子伝導体(proton conducting materials)から選択されるイオン伝導体であって、具体的な例としては、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、ガドリニウムドープセリア、サマリウムドープセリア、ストロンチウムマンガンドープランタンガレート、及び銀イットリアドープビスマス酸化物からなる群から1種以上選択されるものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
前記燃料極支持型固体酸化物燃料電池の空気極は、(1)白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、ランタンストロンチウムマンガン酸化物(LSM)、ランタンストロンチウム鉄酸化物(LSF)、もしくはランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物(LSCF)などのランタン酸化物系ペロブスカイト、サマリウムストロンチウムコバルト酸化物(SSC)、及びビスマスルテニウム酸化物からなる群から選択される物質、又は(2)前記(1)の物質とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)などのドープされたジルコニア、ガドリニウムドープセリア(GDC)、サマリウムドープセリアなどのドープされたセリアなどのSOFC電解質素材の複合体からなるものでもよいが、これに限定されるものではない。
本発明において、前記ナノ気孔性層の気孔径は、前記多孔性支持体の気孔径より小さい。すなわち、本発明によるSOFCは、前記多孔性支持体において前記ナノ気孔性層を経て前記緻密質電解質薄膜に至るまで気孔径が層毎に小さくなる多層気孔傾斜構造を有する。また、前記電解質薄膜と接触する面のナノ気孔性層の気孔径は、前記電解質薄膜の厚さより小さいが、これは、前記電解質薄膜の陥没又はピンホールを防止するためのものである。
前記ナノ気孔性層の平均気孔径は、30〜300nmであることが好ましい。また、前記電解質薄膜の厚さは、前記電解質薄膜と接触する前記ナノ気孔性層部位の気孔径より大きいが、2μm以下、好ましくは1μm以下である。
SOFCの作動温度を下げるためには、前記緻密質電解質薄膜の厚さを非常に薄く、例えば約2μm以下、好ましくは1μm以下にしなければならないが、このためには、前記電解質薄膜と接触する面の前記ナノ気孔性層の気孔径を数十〜数百ナノメートルレベルに制御し、前記電解質薄膜と接触する面の前記ナノ気孔性層の表面粗さ及び気孔径分布を適切に制御しなければならない。また、SOFCの構造的安定性を確保するためには、多層構造内の各界面での焼結収縮差による欠陥の発生を防止しなければならない。
前記ナノ気孔性層は、必要に応じて、電極部位に形成されてもよく、電解質部位に形成されてもよく、電極部位と電解質部位の両方に形成されてもよい。すなわち、前記ナノ気孔性層は、SOFCの電極機能層(例えば、燃料極機能層)でもよく、電解質層でもよく、電極機能層と電解質層とを含む多層構造でもよい。
また、前記ナノ気孔性層は、単層構造でもよいが、前記電解質薄膜側に行くほど層毎に気孔径が小さくなる気孔傾斜構造を有する2層以上の多層構造でもよい。前記多孔性燃料極支持体も、単層構造でもよいが、前記ナノ気孔性層側に行くほど層毎に気孔径が小さくなる気孔傾斜構造を有する2層以上の多層構造を有するように、気孔径が徐々に小さくなるようにしてもよい。
図1は本発明による燃料極支持型固体酸化物燃料電池の構造を示す。
図1に示すように、本発明による燃料極支持型固体酸化物燃料電池は、多孔性燃料極10、電解質薄膜20、及び空気極30を含み、多孔性燃料極10は、多孔性燃料極支持体11及びナノ気孔性燃料極機能層13を含む。
本発明においては、多孔性燃料極10上に電解質薄膜20(例えば、厚さ約2ミクロン、好ましくは約1ミクロン以下の薄膜)を欠陥なく緻密に形成するために、多孔性燃料極10の下部から電解質薄膜20に至るまで気孔径が徐々に小さくなるようにして、最終的に電解質薄膜20と接触する面での気孔径を電解質薄膜20の厚さより小さくすることが好ましい。この場合、多孔性燃料極10を多層構造にし、各層の気孔径が層毎に徐々に小さくなるようにしてもよい。
図2は従来のバルク工程で実現された固体酸化物燃料電池の断面構造を示す。当該構造においては、緻密な電解質(8YSZ)と多孔性燃料極支持体(NiO/8YSZ)との間に、前記燃料極支持体より気孔率と気孔径の小さい燃料極機能層(F.L.)が挿入されている。図3は従来の固体酸化物燃料電池の燃料極機能層の還元後の表面の様子を示す。還元後、形成された気孔径と粒径が数ミクロンに達することが分かる。下層の前記燃料極支持体より、前記燃料極機能層の構造が緻密になり、気孔径が小さくなることにより、電解質との熱的・機械的・構造的整合性が向上し、厚さ約5〜10ミクロンの電解質膜を安定して形成することができる。しかし、前記燃料極機能層の気孔径が1ミクロンを超えるため、低温作動のために厚さ2ミクロン、好ましくは1ミクロン以下の電解質薄膜を形成しようとするときは、前述した通常の方法で製造された燃料極基板を支持体として使用することができない。
従って、厚さ2ミクロン、好ましくは1ミクロン以下の緻密質電解質薄膜を使用するためには、電解質薄膜が被覆される面(すなわち、前記燃料極機能層の上面)がミクロン以下の気孔径及び粒径と平坦度を有しなければならない。
このために、本発明においては、多孔性燃料極支持体11上に、電解質原料であるセラミック(例えば、YSZ)と燃料極原料である金属酸化物(例えば、NiO)の緻密質複合薄膜を形成し、当該複合薄膜を後熱処理して十分な強度を有するセラミック骨格(skeleton)を形成し、当該複合薄膜上に電解質薄膜20を形成し、その後、その多層構造物を還元処理することにより、燃料極支持体11と電解質薄膜20との間に燃料極支持体11の気孔径より小さいサブミクロンサイズのナノ気孔を有する、セラミックと金属の複合体からなるナノ気孔性燃料極機能層13を形成する。
前記セラミック骨格は、前記複合薄膜を構成するセラミック(例えば、YSZ)が互いに連結された構造的支持体であり、前記複合薄膜が十分な温度(例えば、1000〜1300℃)での後熱処理により十分な強度を有するため、前記還元処理時、金属(例えば、Ni)の凝集や粗大化が防止される。
燃料極機能層13は、真空蒸着により薄膜状に被覆されるので、燃料極機能層13が被覆される面は、表面粗さが小さい(すなわち、滑らかである)ことが好ましい。よって、燃料極機能層13が被覆される面の表面粗さが大きい(すなわち、粗い)場合は、燃料極機能層13の底面に接触するように形成され、燃料極支持体11の気孔径より小さい気孔を有する平坦化層(図示せず)をさらに含んでもよい。前記平坦化層は、燃料極原料物質と電解質原料物質の複合ナノ粉末をスプレー法又はスピンコート法により蒸着し、その後適正な温度(例えば、1000〜1300℃)で焼結することにより得られる。ただし、本発明は、これに限定されるものではない。
このように、本発明による燃料極支持型固体酸化物燃料電池は、数〜数十ミクロンに達する気孔径及び表面粗さを有する多孔性燃料極支持体11において、上層に行くほど徐々に気孔径及び表面粗さが小さくなり、最終的にナノ気孔性燃料極機能層13の上面では気孔径及び表面粗さが数百ナノメートルレベル以下に制御され、燃料極機能層13の上部に1ミクロン以下の緻密な電解質薄膜20を形成することができる。ここで、前記燃料極機能層の平均気孔径は、30〜300nmであることが好ましい。また、前記燃料極機能層の平均粒径は、30〜300nmであることが好ましい。気孔径が30nm以下の場合は、燃料や酸化剤などの気体の到達が円滑でなく、気孔径が300nm以上の場合は、1ミクロン以下の電解質薄膜を形成する際に、薄膜形成自体が難しく、薄膜が形成されたとしてもその後の燃料電池運転過程で熱的・機械的脆弱性を避けることは困難である。ナノ気孔性燃料極機能層13は、真空蒸着により薄膜状に形成されるので、その上部に形成される電解質薄膜20との収縮不整合の問題が発生しない。
また、本発明においては、燃料極支持体11とナノ気孔性燃料極機能層13との気孔径の差が大きすぎる場合は、図1に示すように、燃料極支持体11と燃料極機能層13との間に、燃料極支持体11の気孔径よりは小さく燃料極機能層13の気孔径よりは大きい気孔を有する多孔性中間層15を少なくとも1層さらに含んでもよい。多孔性中間層15は、スクリーン印刷法、スラリーコート法、静電噴霧法(electrostatic spray deposition; ESD)、加圧噴霧法(pressurized spray deposition; PSD)、噴霧熱分解法(spray pyrolysis)などにより形成することができる。
多孔性中間層15は、多孔性燃料極支持体と同じ材料、すなわち(1)ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)、白金(Pt)などの金属及びその合金、(2)前記(1)の金属又はその合金と、YSZ又はScSZなどのドープされたジルコニア、GDC又はSDCなどのドープされたセリアなどのSOFC電解質素材のサーメット複合体、並びに(3)ルテニウム酸化物からなる群から選択される材料からなるものでもよいが、これに限定されるものではない。
本発明による固体酸化物燃料電池の第1の製造方法は、(a)多孔性燃料極支持体上に、電解質用セラミックと電極用金属酸化物の複合薄膜を形成する段階と、(b)前記複合薄膜を後熱処理する段階と、(c)後熱処理した前記複合薄膜上に電解質薄膜を形成する段階と、(d)前記複合薄膜を還元処理してナノ気孔性層を形成する段階とを含む。
前記電解質用セラミックは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、ガドリニウムドープセリア(GDC)、サマリウムドープセリア(SDC)、ストロンチウムマンガンドープランタンガレート(LSGM)、及び銀イットリアドープビスマス酸化物(YDB)からなる群から1種以上選択されるものでもよく、前記電極用金属酸化物は、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属の酸化物でもよい。
前述したように、多孔性燃料極10上に厚さ2ミクロン以下、好ましくは1ミクロン以下の電解質薄膜20を形成する場合は、構造的安定性と効果的な電極活性を得るために、電解質薄膜20と接する燃料極機能層13がナノ気孔性構造を有する必要がある。
このために、本発明においては、前記段階(a)で多孔性燃料極支持体上にセラミックと金属酸化物を真空蒸着することにより複合薄膜を形成する。
例えば、本発明者らは、パルスレーザ蒸着法(PLD)でNiO−YSZ(還元後、40vol.%のNi)薄膜を形成し、これを還元してナノ気孔性構造を得ようとした。すなわち、NiO−YSZ薄膜中のNiOをNiに還元してナノ気孔性構造と電気伝導性を共に得ようとした。しかし、図4に示すように、還元時、Niの強い凝集が発生した。これは、YSZとNiがナノサイズであり、活性が非常に高いため、Ni凝集の駆動力が非常に高く、YSZがNiの凝集を抑制するのに十分な強度を有しないからであると判断された。さらに、図5に示すように、還元温度とNiの含量を変化させてもNiの粗大化を防止することは難しく、所望のナノ気孔性構造も得られなかった。そのうち、Niの粗大化が起こっていない薄膜は電気伝導性がなかった。
そこで、本発明者らは、Niの粗大化の駆動力を減少させ、YSZの連結度及び強度を高めるために、後熱処理を行った。図6はPLD法でNiO−YSZ薄膜を蒸着して1000℃で後熱処理を行った後の微細構造であり、図7は前記後熱処理を行い、次いで600℃で5時間還元した後の微細構造である。図7に示すように、後熱処理を行った後に還元した場合、図4に示す微細構造とは異なり、Niの粗大化が発生しなかった。また、真空蒸着で薄膜を形成したにもかかわらず、柱状構造ではなく、等方性微細構造を有することを確認することができる。これは、本発明者らにより新たに見出されたものであり、混ざり合わない2相以上の複合体を共に蒸着した後に後熱処理を行うと、柱状構造ではなく、等方性構造を有すると判断される。
図8はPLD法でNiO−YSZ薄膜を蒸着した後、後熱処理温度を変化させて粒成長させた微細構造を示す。後熱処理温度が上昇するにつれて粒径が次第に大きくなることを確認することができ、従って、所望のサイズのナノ気孔を有する高温安定性燃料極機能層を得ることができた。図9は図8に示す各試料を600℃で5時間還元した後に得られたナノ気孔性構造である。図10は燃料極支持体上に真空蒸着したNiO−YSZ薄膜を1000℃で後熱処理し、次いで800℃で10時間還元した後の微細構造を示す。図10の微細構造は、図9の左端の微細構造より還元温度が高く、還元時間が長い場合であり、Niの凝集が発生したことを観察することができる。この結果から、後熱処理によりセラミック骨格の強度が十分に確保されない場合、還元温度を上昇させたり還元時間を増加させると、金属の凝集が発生することが確認された。すなわち、相対的に苛酷な環境(高い還元温度及び作動温度、長い還元時間)で金属が粗大化せず、セラミック・金属ナノ複合体が構造的安定性を有するようにするためには、セラミック骨格が十分な強度を有するような温度で後熱処理を行うことが必要である。また、後熱処理温度が1000℃のように相対的に低い場合は、粒成長が少ないためより微細な構造が得られるが、この場合は、還元温度及び還元時間、並びに作動温度(燃料電池の作動において600℃以下の低温作動)を限定する必要性がある。すなわち、このような制限条件を満たす範囲で後熱処理温度、還元温度、及び作動温度を調節することにより、ナノ多孔性構造の自由度を得ることができる。このような観点から、前記後熱処理温度は、1000〜1300℃、好ましくは1100〜1300℃である。1300℃を超える温度で後熱処理した場合は、粒成長が500nm以上となり、従って、気孔径も大きくなるので、上部に1ミクロン以下の電解質膜を形成することは難しいと予想される。
また、1200℃以上で熱処理した場合は、400〜800℃で還元が行われても安定したナノ複合体構造が得られると予想され、1100℃以下で熱処理した場合は、400〜650℃で還元が行われても安定したナノ複合体構造が得られると予想される。
以上、パルスレーザ蒸着法(PLD)を用いて燃料極機能層を真空蒸着した結果について説明したが、前記段階(a)では、パルスレーザ蒸着法以外にも、例えば、化学気相蒸着法(chemical vapor deposition; CVD)を用いてもよく、電子ビーム蒸着法(e-beam evaporation)、熱蒸発法(thermal evaporation)、スパッタリング法などの物理気相蒸着法(physical vapor deposition; PVD)を用いてもよい。
本発明による固体酸化物燃料電池の第1の製造方法は、前記段階(a)の前に、多孔性燃料極支持体11上に、電解質用セラミックナノ粉末と電極用金属酸化物ナノ粉末が均一に分散している複合ナノ粉末スラリーを塗布して乾燥及び焼結する段階をさらに含んでもよい。
この場合、本発明による固体酸化物燃料電池は、多孔性燃料極支持体11とナノ気孔性燃料極機能層13との間に、多孔性燃料極支持体11の気孔とナノ気孔性燃料極機能層13の気孔との中間程度の気孔径を有する多孔性中間層15をさらに含み、従って、燃料気体の流入をより容易にすることができ、薄膜燃料電池の性能と信頼性をさらに向上させることができる。
前記段階(c)において、前記電解質薄膜は、化学気相蒸着法(CVD)、又はパルスレーザ蒸着法(PLD)、電子ビーム蒸着法、熱蒸発法、スパッタリング法などの物理気相蒸着法(PVD)などの真空蒸着法により形成することができる。また、電解質酸化物前駆体を溶解させた電解質塩溶液を静電噴霧法、加圧噴霧法、もしくは噴霧熱分解法などの噴霧法、スピンコート法、又はディッピング法で塗布し、焼結(熱処理)して形成することもできる。
本発明による固体酸化物燃料電池の第1の製造方法は、前記段階(c)の後に、前記電解質薄膜の上部に空気極を形成して単電池構造を完成する段階をさらに含んでもよい。
本発明による固体酸化物燃料電池の第2の製造方法は、(a)多孔性燃料極支持体上に、電解質用セラミックナノ粉末と金属酸化物ナノ粉末が分散している複合ナノ粉末スラリーを塗布して乾燥させることにより、セラミックと金属酸化物の塗布膜を形成する段階と、(b)前記塗布膜を焼結する段階と、(c)前記塗布膜上に電解質薄膜を形成する段階とを含む。
前記多孔性燃料極支持体は、通常のバルク工程で製造されたものであり、数ミクロンサイズの気孔を有するものである。
前記段階(a)においては、前記多孔性燃料極支持体上に、電解質用セラミックナノ粉末と電極用金属酸化物ナノ粉末が均一に分散している複合ナノ粉末スラリーの塗布膜を形成して乾燥させる。前記塗布膜は、焼結後に還元工程が行われることにより、数十〜数百ナノメートルサイズの気孔を有するナノ気孔性層を形成する。
前記複合ナノ粉末スラリーは、アルコール、例えばエタノール、もしくはアセチルアセトンなどの溶媒に、電解質用セラミック、例えばYSZもしくはGDCのナノ粉末と、電極用金属酸化物、例えばNiOのナノ粉末が均一に分散している分散液又はコロイド溶液である。
従来のバルク工程により燃料極機能層を製造する場合は、YSZとNiOを機械的に混合して得られた粉末を使用してスラリーを製造し、これをスクリーン印刷法で燃料極支持体上に塗布していた。しかし、機械的に混合して得られた粉末は、YSZの密度(5.6〜6.0g/cm3)とNiOの密度(7.4g/cm3)の差により、スラリー製造過程でYSZとNiOが分離されるという問題がある。
そこで、本発明においては、電極用金属酸化物と電解質用セラミックが混合された複合ナノ粉末の分散性を向上させ、多成分系材料(例えば、NiOとYSZ)を合成するために、酸化剤と燃料(例えば、グリシン)を用いる自立燃焼合成法(self-sustaining combustion synthesis)、又はグリシン・硝酸塩法(glycine-nitrate process; GNP)で電解質用イオン伝導性セラミック(例えば、YSZ)と電極用金属酸化物(例えば、NiO)を合成して複合粉末を製造することが好ましい。このようにして製造した複合粉末をスーパーアペックスミル(super apex mill)などの高エネルギーミルで粉砕することにより、前記複合ナノ粉末を得る。
複合ナノ粉末は、数十〜数百ナノメートルレベルのサイズを有するので、活性が非常に大きく、凝集する傾向が強い。よって、複合ナノ粉末を溶媒中に均一に分散させることが重要である。本発明においては、分散剤として、PVB(polyvinylbutyral)、PVP(polyvinylpyrrolidone)などのポリマーを使用することにより、非常に優れた分散度を達成することができた。
前記複合ナノ粉末スラリーは、静電噴霧法(ESD)、加圧噴霧法(PSD)、噴霧熱分解法などの噴霧法、スピンコート法、及びディッピング法からなる群から選択される1つ以上の方法で塗布することができる。
前記電解質用セラミックは、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(ScSZ)、ガドリニウムドープセリア(GDC)、サマリウムドープセリア(SDC)、ストロンチウムマンガンドープランタンガレート(LSGM)、及び銀イットリアドープビスマス酸化物(YDB)からなる群から1種以上選択されるものでもよく、前記電極用金属酸化物は、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rd)、白金(Pt)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される金属の酸化物でもよい。
前記段階(b)では、複合ナノ粉末スラリーの塗布膜を焼結するが、焼結により前記セラミックが互いに連結されて構造的支持体としての骨格を形成する。ここで、前記塗布膜を十分な温度、例えば1000〜1300℃で焼結して前記セラミック骨格が十分な強度を有するようにすることにより、その後の還元過程で前記金属の凝集や粗大化を防止することができる。
前記段階(c)において、前記電解質薄膜は、化学気相蒸着法(CVD)、又はパルスレーザ蒸着法(PLD)、電子ビーム蒸着法、熱蒸発法、スパッタリング法などの物理気相蒸着法(PVD)などの真空蒸着法により形成することができる。ただし、真空蒸着法で電解質薄膜を形成する場合は、柱状構造によるマイクロピンホールを防止するために、電解質薄膜の上部にさらなるゾルスピン工程を行う必要があることもある。
前記段階(c)において、前記電解質薄膜の形成は、1種以上の金属酸化物前駆体を溶解させた電解質塩溶液を準備し、その電解質塩溶液を前記複合ナノ粉末スラリーの塗布膜上に静電噴霧法、加圧噴霧法、もしくは噴霧熱分解法などの噴霧法、スピンコート法、又はディッピング法で塗布し、焼結(熱処理)することにより行うこともできる。このための具体的な手順は特許文献5に記載されている。
本発明による固体酸化物燃料電池の第2の製造方法は、前記段階(c)の後に、前記電解質薄膜の上部に空気極を形成して単電池構造を完成し、燃料極を還元する段階をさらに含んでもよい。前記還元により最終的に得られるナノ気孔性層は、電解質用セラミックと、電極用金属酸化物の還元により生成される金属のサーメット複合体を含む。
本発明において、前記ナノ気孔性層は、単層構造を有するようにしてもよく、前記電解質薄膜側に行くほど層毎に気孔径が小さくなる2層以上の多層構造を有するようにしてもよい。前記ナノ気孔性層が多層構造を有する場合、気孔径は、焼結温度と、前記金属酸化物ナノ粉末の大きさや量などを調節することにより調節することができる。
前記多孔性燃料極支持体は、単層構造を有するようにしてもよく、前記ナノ気孔性層側に行くほど層毎に気孔径が小さくなる2層以上の多層構造を有するように、気孔径が徐々に小さくなるようにしてもよい。
このように、本発明によるSOFCは、数〜数十ミクロンに達する気孔径及び表面粗さを有する前記多孔性燃料極支持体において、上層に行くほど徐々に気孔径及び表面粗さが小さくなり、最終的に前記ナノ気孔性層の上面では気孔径及び表面粗さが数百ナノメートルレベル以下に制御され、前記ナノ気孔性層の上部に2ミクロン以下、好ましくは1ミクロン以下の緻密な電解質薄膜を形成することができる。
特に、段階(a)で使用する複合ナノ粉末スラリー中のセラミックナノ粉末と金属酸化物ナノ粉末が多孔性燃料極支持体の粗い表面を埋めるため、前記ナノ気孔性層の上面を非常に滑らかに形成することができる。図11は多孔性燃料極支持体上に複合ナノ粉末スラリーを塗布して焼結した試料の断面構造を示すが、多孔性燃料極支持体の粗い表面がきれいに埋められたことを観察することができる。ここで、前記緻密質電解質薄膜と接する前記ナノ気孔性層の表面での平均気孔径は、20〜500nmであることが好ましい。また、前記ナノ気孔性層の平均粒径は、20〜500nmであることが好ましい。気孔径が20nm未満の場合、燃料、酸化剤などの気体の到達が円滑でなく、気孔径が500nmを超える場合、2ミクロン以下、好ましくは1ミクロン以下の電解質薄膜を形成する際に、薄膜形成自体が難しく、薄膜が形成されたとしてもその後の燃料電池運転過程で熱的・機械的脆弱性を避けることは困難である。また、前記複合ナノ粉末スラリー中のセラミックナノ粉末及び金属酸化物ナノ粉末により、収縮力に対して抵抗性が大きく、前記緻密質電解質薄膜との界面接着力が向上するため、前記緻密質電解質薄膜との収縮不整合の問題が発生しない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、実施例は本発明の例示にすぎず、本発明の範囲が実施例の範囲に限定されるものではない。
〔実施例1:粉末工程で製造した多孔性燃料極支持体と、前記多孔性燃料極支持体上に真空蒸着法で形成した多孔性燃料極機能層とを含むSOFCの製造(2段燃料極気孔傾斜構造)〕
粉末工程で製造したNiO−YSZテープを積層し、1300℃で4時間焼結することにより、多孔性燃料極支持体を製造した。
次に、前記燃料極支持体の温度を700℃に維持し、前記燃料極支持体上に、酸素工程圧力50mtorrでパルスレーザ蒸着法(PLD)によりNiO−YSZターゲットを約2ミクロンの厚さに蒸着した。
次に、蒸着したNiO−YSZ薄膜を1200℃で後熱処理した。後熱処理は、YSZ間の結合力を強化して還元時にNi金属が粗大化することを防止する。この過程で、粒径が初期の約2〜3nmから100nmレベルに成長した。図12は後熱処理したNiO−YSZ薄膜表面の微細構造を示し、図13は後熱処理した後に還元したNi−YSZ薄膜表面の微細構造を示す。図13から、還元後にNiO−YSZ薄膜の表面に100nmレベルの非常に小さい気孔が均一に形成されたことが分かる。実際のSOFCの製造工程では、PLD法でNiO−YSZ薄膜を蒸着し、その薄膜上に電解質を形成し、その後に還元工程を行うが、ここでは、還元後の燃料極機能層の表面を観察するために、電解質を形成する前に還元工程を行い、その結果を図13に示した。
図14及び15はPLD法でNiO−YSZ薄膜を蒸着し、その薄膜上にYSZ電解質薄膜を1ミクロンの厚さに形成して還元した後の構造の断面写真(図14)及び表面写真(図15)である。図14は燃料極機能層の気孔径が上方に行くほど層毎に徐々に小さくなる気孔傾斜構造が正常に形成されたことと、上層の電解質薄膜が破壊や亀裂などの損傷が発生することなく緻密に維持されたことを示し、図15は1ミクロンの厚さを有する電解質薄膜が緻密に形成されたことを示す。
図14及び15に示す構造体を使用したSOFC(実施例1)と、ナノ気孔性燃料極中間層(中間層)のない電解質薄膜を使用したSOFC(比較例1)をそれぞれ製造し、開回路電圧(open circuit voltage; OCV)の発生を測定し、その結果を図16に示した。図16から、本発明の実施例1によるSOFCでは、1Vを超えるOCV値が発生したが、比較例1によるSOFCでは、電解質薄膜が破壊されてOCVが発生していないことが分かる。図17は本発明の実施例1によるSOFCのOCV測定後の単電池の断面微細構造を示し、図18は比較例1によるSOFCのOCV測定後の単電池の断面微細構造を示す。比較例1によるSOFCでは、図18に示すように、多量の欠陥(電解質の破壊)が発生し、電解質薄膜単電池が実現されなかった。
〔実施例2:粉末工程で製造した2段傾斜構造の多孔性燃料極支持体上に真空蒸着法で形成した燃料極機能層を含む薄膜SOFCの製造(3段燃料極気孔傾斜構造)及び性能評価〕
従来の粉末工程によりNiO−YSZ複合体粉末を加圧成形し、仮焼結した後、粉末工程で形成した層に比べて気孔径が小さい層をスクリーン印刷法で形成し、1400℃で3時間焼結することにより、2段気孔傾斜構造の多孔性燃料極支持体を製造した。
次に、前記2段気孔傾斜構造の燃料極支持体の温度を700℃に維持し、酸素工程圧力50mtorrでパルスレーザ蒸着法(PLD)によりNiO−YSZターゲットを用いてNiO−YSZ薄膜を約4〜6ミクロンの厚さに蒸着し、1200℃で後熱処理した。
次に、後熱処理した前記NiO−YSZ薄膜が上部に形成された2段傾斜構造の燃料極支持体の温度を700℃に維持し、前記NiO−YSZ薄膜上に、酸素工程圧力50mtorrでパルスレーザ蒸着法によりYSZターゲットを1ミクロン以下の厚さに蒸着して電解質薄膜を形成し、次いで温度を700℃に維持し、反応抑制層としてGDCを酸素工程圧力50mtorrでパルスレーザ蒸着法により200nmの厚さに蒸着し、その後、空気極としてLSCを常温で酸素工程圧力100mtorrでパルスレーザ蒸着法により1ミクロンの厚さに蒸着し、650℃で後熱処理することにより、SOFC単電池を構成した。
図19は出力性能テスト後の単電池の断面写真である。燃料極支持体の平坦化工程を行っていないため、図21とは異なり、基板の屈曲に沿って単電池の構成要素が若干屈曲していることを観察することができ、1ミクロン以下の電解質薄膜がナノ気孔性燃料極機能層上に形成されていることを観察することができる。
図20及び図21は前記方法で製造した単電池の出力性能と600〜350℃での熱サイクル特性をそれぞれ示す。図20は本発明のSOFC単電池の方が、同一の燃料極支持体及び空気極を含むが燃料極機能層はなく、約8ミクロンの厚さの電解質を有する単電池に比べて、低温での出力性能がはるかに向上したことを示し、図21は本発明のSOFC単電池では30回以上の熱サイクル後もOCVなどの出力性能が回復したことを示す。このような熱的・機械的性能の向上は1ミクロン以下の薄膜電解質を有するSOFCでは現在まで報告されていない。
〔実施例3:粉末工程で製造した2段傾斜構造の多孔性燃料極支持体上に複合ナノ粉末スラリーをスピンコート法で形成した燃料極機能層と、前記燃料極機能層上に真空蒸着法で形成したさらなる燃料極機能層とを含む薄膜SOFCの製造(4段燃料極気孔傾斜構造)及び性能評価〕
実施例2と同様の方法で2段気孔傾斜構造の多孔性燃料極支持体を製造した。
電解質用セラミックナノ粉末と電極用金属酸化物ナノ粉末が分散している複合ナノ粉末スラリーの製造に使用するための複合ナノ粉末は、次のような方法で製造した。
グリシン・硝酸塩法(GNP)の酸化剤としてNiO、Y2O3、及びZrO2の原料としてのNi(NO3)2・6H2O(JUNSEI Co.製)、Y(NO3)3・6H2O(ALDRICH Co.製)、及びN2O7Zr・XH2O(ACROS Co.製)を使用し、燃料としてグリシン(H2NCH2COOH)(DAEJUNG CHEMICAL Co.製)を使用した。NiO/YSZの重量比を56/44に調節し、YSZはY2O3が8mol%固溶したジルコニアとなるようにした。3000mlのビーカーに1500mlの蒸留水を入れ、前記酸化剤を順次溶解して攪拌し続けながら溶解状態を確認した。還元後のNiの含量が40vol%となるようにする比率のNi/YSZ粉末が得られるように金属硝酸塩の量を調節して、500mlのビーカーに分注し、蒸留水が完全に除去されるまで400℃に加熱して自然発火させた。蒸留水が完全に除去されると、金属硝酸塩と結合したグリシンが自然発火してN2、CO2、及びH2Oが生成されて非常に高い熱が発生し、金属酸化物を生成する。反応が終わった後、生成物に残留する炭素や硝酸塩を除去するために、6時間乾式ミリングし、その後600℃で5時間か焼した。か焼した粉末をナノサイズの粒子にするために、スーパーアペックスミル(UAM−015)により4975rpmで20分間ミリングして粉末の平均粒径を約200nmに減少させ、粉末の分散性を向上させるために、粉末にPVP(分子量:10,000)を5wt%添加した。
図22の(a)〜(d)は前記金属酸化物ナノ粉末の製造過程の各段階における走査電子顕微鏡(SEM)写真である。図22の(a)はGNP法で合成された直後の画像、図22の(b)は6時間乾式ミリングした後の画像、図22の(c)は600℃で5時間か焼した後の画像、図22の(d)は高エネルギーミルで20分間ミリングした後の画像である。
体積比1:1のエタノールとアセチルアセトンの混合物に前述した方法で得られたNiO−YSZ複合ナノ粉末を5vol%混合して複合ナノ粉末スラリーを製造し、スラリーに粘度を与えるために、スラリーの総重量に対して10wt%に相当するポリビニルブチラール B29(PVB、分子量=50,000〜80,000)を添加して、最終的に複合ナノ粉末スラリーを完成した。基板に塗布する前に1時間超音波処理することにより、さらに均一に分散させた。
前記多孔性燃料極支持体上に前記製造したNiO−YSZ複合ナノ粉末スラリーをスピンコート法で塗布した。塗布後、200℃で2時間乾燥させ、1200℃で2時間焼結して、ナノ気孔性燃料極機能層を形成した。図23の(a)及び(b)は第1のナノ気孔性燃料極機能層が形成された焼結体の断面及び表面の微細構造である。スピン層の厚さは、1回のコートで2ミクロンが得られ、2〜4ミクロンの範囲となるようにした。コート時間は50秒、回転速度は2500rpmであった。
次に、前記スピンコート層上に、実施例1及び2と同様の方法でパルスレーザ蒸着法(PLD)によりさらなるナノ気孔性燃料極機能層を約2〜4ミクロンの厚さに形成して、4段気孔傾斜構造の多孔性燃料極を得た。
次に、得られた4段傾斜構造の燃料極のさらなるナノ気孔性燃料極機能層上に、実施例2と同様の方法で電解質薄膜、反応抑制層、及び空気極を形成することにより、SOFC単電池を構成した。
図24はスクリーン印刷法、スピンコート法、及びパルスレーザ蒸着法を順次用いて製作した4段気孔傾斜構造の多孔性燃料極を還元した後の断面微細構造である。図24から、ミクロンサイズ、200〜300nmサイズ、約100nmサイズの気孔構造を順次示すことが分かる。図25は図24に示す4段気孔傾斜構造の多孔性燃料極上に電解質薄膜、反応抑制層、及び空気極を形成し、単電池性能を実験した後の断面構造であり、厚さ1ミクロン以下の緻密な電解質薄膜が正常に形成されていることが分かる。
図26は前記4段気孔傾斜構造の多孔性燃料極を使用して製造した薄膜SOFC単電池の性能評価結果を示すものであり、600℃でOCV値が約1.1V、最大出力密度が約800mW/cm2と電池の性能が非常に優れていることが分かる。
〔実施例4:複合ナノ粉末スラリーのエレクトロスプレーデポジション(Electro-Spray Deposition; ESD)によるナノ気孔性層の形成〕
実施例2と同様の方法で2段気孔傾斜構造の多孔性燃料極支持体を製造した。
実施例3の方法で製造したNiO−YSZ複合ナノ粉末を体積比1:1のエタノールとアセチルアセトンの混合物に1wt%混合して複合ナノ粉末スラリーを製造し、1時間超音波処理して均一に分散させた。
前記多孔性燃料極支持体の表面温度を100℃に上昇させ、前記多孔性燃料極支持体上に、前記NiO−YSZ複合ナノ粉末スラリーをエレクトロスプレーデポジション(ESD)法で蒸着した。
図27は粉末工程で製造した2段傾斜構造の多孔性燃料極支持体上にNiO−YSZ複合ナノ粉末スラリーをスプレー蒸着してナノ気孔性層を形成し、1200℃で1時間焼結した試料の断面(a)及び表面(b)の画像をそれぞれ示す。図27の(a)はスクリーン印刷(S/P)で形成された燃料極機能層上にナノ気孔性層が形成されたことを示す。
また、図28は図27に示す試料の還元後の断面(a)及び表面(b)の画像であり、還元後にナノサイズの気孔が非常に均一な分布で形成されていることを確認することができる。
しかし、複合ナノ粉末スラリーのエレクトロスプレーデポジション(ESD)法だけで燃料極機能層を形成した場合は、図28の(b)に示す表面を有するが、当該表面状態は、1ミクロンの電解質薄膜を形成するのに十分な程度の機能層の気孔径、密度などを有しておらず、また、真空蒸着で形成したナノ機能層がなければその上部に厚さ1ミクロン以下の電解質薄膜を形成することが困難である。よって、複合ナノ粉末スラリーのスプレーにより形成されるナノ多孔性機能層の上部には、実施例3と同様に、薄膜工程でさらなるナノ多孔性機能層を蒸着して後熱処理することにより構造を安定化させたナノ複合体からなる燃料極機能層を形成することが好ましい。
代案として、薄膜工程でさらなるナノ多孔性機能層を蒸着するのではなく、複合ナノ粉末スラリーのスプレー蒸着により形成されたナノ気孔性層上に、特許文献5に記載された方法に従って気孔傾斜構造の電解質を形成することにより、多孔性表面構造の問題を解決することもできる。
〔実施例5:複合ナノ粉末スラリーのスピンコートによるナノ気孔性層の形成〕
実施例3の方法で製造したNiO−YSZ複合ナノ粉末スラリーを実施例2の方法で製造した2段傾斜構造の多孔性燃料極支持体上にスピンコート法で塗布した。塗布後、200℃で2時間乾燥させ、1200℃で2時間焼結して、ナノ気孔性燃料極機能層を形成した。
図23は焼結体の断面(a)及び表面(b)の微細構造である。スピン層の厚さは、1回のコートで2ミクロンが得られ、2〜4ミクロンの範囲となるようにした。コート時間は50秒、回転速度は2500rpmであった。図11は当該方法により表面粗さが平坦化した多孔性支持体の写真である。
しかし、複合ナノ粉末スラリーのスピンコート法だけで燃料極機能層を形成した場合は、図23の(b)に示す表面を有するが、当該表面状態は、1ミクロンの電解質薄膜を形成するのに十分な程度の機能層の気孔径、密度などを有しておらず、また、真空蒸着で形成したナノ機能層がなければその上部に厚さ1ミクロン以下の電解質薄膜を形成することが困難である。よって、複合ナノ粉末スラリーのスプレーにより形成されるナノ多孔性機能層の上部には、実施例3と同様に、薄膜工程でさらなるナノ多孔性機能層を蒸着して後熱処理することにより構造を安定化させたナノ複合体からなる燃料極機能層を形成することが好ましい。
代案として、薄膜工程でさらなるナノ多孔性機能層を蒸着するのではなく、複合ナノ粉末スラリーのスプレー蒸着により形成されたナノ気孔性層上に、特許文献5に記載された方法に従って気孔傾斜構造の電解質を形成することにより、多孔性表面構造の問題を解決することもできる。
10 多孔性燃料極
11 多孔性燃料極支持体
13 ナノ気孔性燃料極機能層
15 多孔性中間層
20 電解質薄膜
30 空気極

Claims (17)

  1. 多孔性燃料極支持体、電解質薄膜、及び前記多孔性燃料極支持体と前記電解質薄膜との間に配置されているナノ気孔性層を含み、
    前記電解質薄膜と接触する面の前記ナノ気孔性層の気孔径が、前記多孔性燃料極支持体の気孔径及び前記電解質薄膜の厚さより小さく、
    前記電解質薄膜の厚さが2μm以下である、燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  2. 前記ナノ気孔性層が、電解質用セラミックと金属のサーメット複合体を含むものである、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  3. 前記電解質用セラミックが、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、ガドリニウムドープセリア、サマリウムドープセリア、ストロンチウムマンガンドープランタンガレート、及び銀イットリアドープビスマス酸化物からなる群から1種以上選択されるものである、請求項2に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  4. 前記金属が、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、及びそれらの合金からなる群から1種以上選択されるものである、請求項2に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  5. 前記電解質薄膜が、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、ガドリニウムドープセリア、サマリウムドープセリア、ストロンチウムマンガンドープランタンガレート、及び銀イットリアドープビスマス酸化物からなる群から1種以上選択されるものである、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  6. 前記多孔性燃料極支持体が、(1)ニッケル、ルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、及びそれらの合金、(2)前記(1)の金属又はその合金と、イットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、ガドリニウムドープセリア、又はサマリウムドープセリアのサーメット複合体、並びに(3)ルテニウム酸化物からなる群から選択される材料からなるものである、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  7. 前記多孔性燃料極支持体は、単層構造を有するか、又は前記ナノ気孔性層側に行くほど気孔径が次第に小さくなる気孔傾斜構造を有する2層以上の多層構造を有するものである、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  8. 前記ナノ気孔性層は、単層構造を有するか、又は前記電解質薄膜側に行くほど気孔径が次第に小さくなる気孔傾斜構造を有する2層以上の多層構造を有するものである、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  9. 前記電解質用セラミックは、互いに連結されて構造的支持体としての骨格を形成することにより、金属の凝集を防止する役割を果たすものである、請求項2に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  10. 前記ナノ気孔性層の平均気孔径が30〜300nmである、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  11. 前記ナノ気孔性層の平均粒径が30〜300nmである、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  12. 前記燃料極支持体と前記ナノ気孔性層との間に配置され、前記燃料極支持体の気孔より小さく前記ナノ気孔性層の気孔より大きい気孔を有する多孔性中間層をさらに含む、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池。
  13. (a)多孔性燃料極支持体上に、電解質用セラミックと電極用金属酸化物の複合薄膜を形成する段階と、
    (b)前記複合薄膜を形成した後に後熱処理する段階と、
    (c)後熱処理した前記複合薄膜上に電解質薄膜を形成する段階と、
    (d)前記複合薄膜を還元処理してナノ気孔性層を形成する段階と
    を含む、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池の、製造方法。
  14. 前記複合薄膜が、化学気相蒸着法、又はパルスレーザ蒸着法、電子ビーム蒸着法、熱蒸発法、及びスパッタリング法からなる群から選択される物理気相蒸着法の少なくとも1つの方法で形成されるものである、請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記多孔性燃料極支持体上に、前記電解質用セラミックナノ粉末と前記金属酸化物ナノ粉末が分散している前記複合ナノ粉末スラリーを塗布して乾燥及び焼結した後、前記段階(a)を行うことにより、燃料極支持型固体酸化物燃料電池が2段傾斜構造のナノ気孔性燃料極機能層を有するようにする、請求項13に記載の製造方法。
  16. (a)多孔性燃料極支持体上に、電解質用セラミックナノ粉末と金属酸化物ナノ粉末が分散している複合ナノ粉末スラリーを塗布して乾燥させることにより、セラミックと金属酸化物の塗布膜を形成する段階と、
    (b)前記塗布膜を焼結する段階と、
    (c)前記塗布膜上に電解質薄膜を形成する段階と
    を含む、請求項1に記載の燃料極支持型固体酸化物燃料電池の、製造方法。
  17. 前記複合ナノ粉末スラリーが、静電噴霧法、加圧噴霧法、噴霧熱分解法、スピンコート法、及びディッピング法の1つ以上の方法で塗布されるものである、請求項15又は16
    に記載の製造方法。
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