以下、本発明の一実施形態を、図1〜図15を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、本発明の一実施形態に係る車両運行サービスシステムであるデマンドバスシステム100の構成の概略が模式的に示されている。この図1に示されるように、デマンドバスシステム100は、管理センタ110と、バス車両150j(j=1,…)と、拠点施設170k(k=1,…)に設置された拠点端末装置160kとを備えている。
ここで、管理センタ110は、携帯電話機等の利用者の電話機310から、公衆電話網や移動通信網を介して、バスの利用予約に関するデマンドを受けるとともに、当該デマンドに対する応答を送るようになっている。ここで、電話機310は多数存在するが、図1では、1台が代表的に示されている。
また、管理センタ110は、バス車両150j(j=1,…)へ、運行指示情報を送るようになっている。そして、バス車両150jは、管理センタ110からの運行指示情報に従って、サービス領域SVA内を走行するようになっている。なお、本実施形態では、バス車両の台数を3台としている。
また、管理センタ110は、パーソナルコンピュータ320や、携帯電話機のようにデータ通信機能を有する電話機310からの運行状況情報の問い合わせに応答して、現時点における運行状況情報のうち、後述する混雑度情報及び運行余裕度情報を提示するようになっている。さらに、管理センタ110は、定期的に、上述した混雑度情報及び運行余裕度情報に加えて、拠点施設170k(k=1,…)ごとに、後述する予測待ち時間情報を、拠点端末装置160kへ送るようになっている。なお、以下の説明においては、データ通信機能を有する電話機310及びパーソナルコンピュータ320を総称して、「利用者端末装置310,320」とも呼ぶ。
管理センタ110は、図2に示されるように、電話装置111と、入力装置112と、表示装置113とを備えている。また、管理センタ110は、処理制御部115と、バス通信部117と、利用者端末通信部118と、拠点通信部119とを備えている。
上記の電話装置111は、利用者の電話機310との間で通話通信を行う。この電話装置111を利用して、管理センタ110に駐在するオペレータが、利用者からのバスの利用予約に関するデマンドを受けたり、当該デマンドに対する応答を送ったりするようになっている。ここで、デマンドの内容は、乗降するバス停留所名、乗降人数及び乗車希望時刻等を含んでいる。
入力装置112は、キーボードやマウス等を備えて構成されている。この入力装置112を操作して、オペレータは、利用者からのデマンドの内容や各種指令を処理制御部115へ入力するようになっている。
表示装置113は、液晶ディスプレイパネル等を備えて構成されている。この表示装置113には、操作ガイダンス、入力装置112を利用した入力結果、新たに作成された運行計画候補におけるデマンドに対応する乗車可能時刻等が表示されるようになっている。
なお、オペレータは、表示装置113に表示される入力結果を確認しつつ、入力装置112を操作して、オペレータは、利用者からのデマンドの内容を処理制御部115へ入力するようになっている。
処理制御部115は、管理センタ110全体の動作を制御する。この処理制御部115は、図3に示されるように、記憶部210と、運行計画作成部220と、運行制御部230とを備えている。また、処理制御部115は、混雑度算出部240と、運行余裕度算出部250と、予測待ち時間算出部260とを備えている。
記憶部210は、図4に示されるように、ハードディスク装置等を備えて構成されている。この記憶部210には、予約リスト211、現行運行計画情報212、混雑度情報213、運行余裕度情報214、予測待ち時間情報215等の様々な情報データが記憶されている。なお、以下の説明においては、「混雑度情報213」、「運行余裕度情報214」及び「予測待ち時間情報215」を総称して、「予約可能性情報」と記すものとする。
予約リスト211は、現在の運行計画の作成に際して考慮したデマンドを含む受付デマンド一覧リストである。また、現行運行計画情報212は、現在運用している車両運行計画の情報であり、バス車両150j(j=1,…)のそれぞれに関する個別運行計画の情報を含んでいる。
また、混雑度情報213は、図5に示されるように、現在時刻以降の所定時間帯ごとにおける車両運行システム100としての平均的な混雑度の情報である。ここで、混雑度は、複数段階でランク付けされた情報が登録されるようになっている。本実施形態では、ランク付けは7段階(ランク1〜7)で行われ、ランク数が大きな程、混雑度が高くなるようになっている。
また、運行余裕度情報214は、図6に示されるように、現在時刻以降におけるバス車両150j(j=1,…)のそれぞれの停留所間の運行余裕度の情報である。ここで、運行余裕度は、複数段階でランク付けされた情報が登録されるようになっている。本実施形態では、ランク付けは3段階(小、中、大)で行われるようになっている。
また、予測待ち時間情報215は、図7に示されるように、現在時刻以降における拠点乗降位置ごとに、主な行き先へ向かうデマンドの受付可能状況の時間推移の情報である。ここで、受付可能状況は、複数段階でランク付けされた情報が登録されるようになっている。本実施形態では、ランク付けは3段階(良好、通常、劣悪)で行われるようになっており、何分後の乗車希望のデマンドが、どの段階の受付可能状況となっているかが登録されるようになっている。
なお、「拠点乗降位置」としては、駅、病院、役所等が挙げられる。こうした「拠点乗降位置」は、乗降実績に基づいて、予め定められる。
また、「主な行き先」としては、上記の「拠点乗降位置」の場合と同様に、駅、病院、役所等が挙げられる。こうした「主な行き先」も、乗降実績に基づいて、予め定められる。
図3に戻り、運行計画作成部220は、新たなデマンドの内容を受けると、新たな運行計画候補を作成する。かかる新たな運行計画候補の1つについて、当該新たなデマンドの通知を行った利用者の承諾が取れ、新たな運行計画が決定されると、運行計画作成部220は、記憶部210における予約リストに当該新たなデマンドの内容を追加するとともに、現行運行計画情報212の内容を、決定された新たな運行計画に更新する。
なお、本実施形態では、バス車両150j(j=1,…)に対して、ルート、ダイヤ及び担当エリアは予め設定されていない。そして、運行計画作成部220は、デマンドに応じて、自由な乗降の組み合わせ及び配車計算を行い、最適解を選定して運行計画を作成していくようになっている。
運行制御部230は、記憶部210内の現行運行計画情報212に基づいて、バス車両150j(j=1,…)に通知すべき運行指示を作成する。そして、運行制御部230は、運行指示情報を、対応するバス車両150jへ向けて送る。なお、運行制御部230は、第1所定時間の経過ごとに、記憶部210の現行運行計画情報212をチェックし、新たな運行計画が作成されていた場合に、運行指示を作成し、バス車両150jのそれぞれに送るようになっている。
混雑度算出部240は、記憶部210内の現行運行計画情報212に基づいて、現在時刻以降の所定時間帯ごとに、車両運行システム100としての平均的な混雑度を算出し、記憶部210内の混雑度情報213を更新する。かかる混雑度の算出は、現行運行計画におけるバス車両150jのそれぞれの待機時間に基づいて算出される。混雑度の算出処理の詳細については、後述する。
運行余裕度算出部250は、記憶部210内の現行運行計画情報212に基づいて、現在時刻以降におけるバス車両150jのそれぞれの停留所間の運行余裕度の情報を算出し、記憶部210内の運行余裕度情報214を更新する。かかる運行余裕度の算出は、現行運行計画におけるバス車両150jのそれぞれの停留所間の待機時間と、乗車予約率とに基づいて算出される。運行余裕度の算出処理の詳細については、後述する。
予測待ち時間算出部260は、記憶部210内の現行運行計画情報212に基づいて、現在時刻以降における拠点乗降位置と所定時間帯との組み合わせごとに、主な行き先へ向かうデマンドの予測待ち時間を算出して、予測待ち時間情報215を導出する。そして、算出結果に基づいて、予測待ち時間算出部260は、記憶部210内の予測待ち時間情報215を更新する。かかるデマンドの受付可能状況の時間推移の算出は、拠点乗降位置と所定時間帯との組み合わせごとに、当該拠点乗降地点に対応して定まる主な行き先について仮デマンドを発生させて、デマンドの受付可能状況を算出する。予測待ち時間の算出処理の詳細については、後述する。
図2に戻り、バス通信部117は、移動通信網を介したバス車両150j(j=1,2,…)との間の通信処理を行う。このバス通信部117を介することにより、処理制御部115における運行制御部230は、運行指示をバス車両150jのそれぞれに通知したり、乗車人数情報NRDj情報を受信したりすることができるようになっている。
利用者端末通信部118は、移動通信網又は固定通信網を介した利用者端末装置310,320との間の通信処理を行う。かかる利用者端末装置310,320との間の通信処理に際して、利用者端末通信部118は、定期的に、記憶部210内の混雑度情報213及び運行余裕度情報214に基づいて、一般利用者用情報を作成する。そして、利用者端末装置310,320から情報送信要求を受けると、利用者端末通信部118は、その時点で作成されている一般利用者用情報を、情報送信要求を発行した利用者端末装置310,320へ返送する。
拠点通信部119は、固定通信網を介した拠点端末装置160k(k=1,2,…)との間の通信処理を行う。かかる拠点端末装置160kとの間の通信処理に際して、拠点通信部119は、定期的に、記憶部210内の混雑度情報213、運行余裕度情報214及び予測待ち時間情報215に基づいて、拠点端末装置160kのそれぞれに通知すべき拠点用情報を作成する。そして、拠点通信部119は、作成された情報を、拠点端末装置160kへ送る。
バス車両150j(j=1,…)のそれぞれには、管理センタ110への現在位置情報及び運転手の報告情報の送信や、管理センタ110からの運行指示に応じた処理を行う車載器が搭載されている。この車載器は、通信部151と、制御装置152と、表示装置153、入力装置154とを備えている。
通信部151は、移動体通信網を介した管理センタ110との間の通信制御を行う。この通信部151を利用した通信により、管理センタ110から運行指示を受け、受信した情報を制御装置152に報告する。また、通信部151は、制御装置152からの指令に従って、管理センタ110へ現在位置情報及び運転手の報告情報を送る。
制御装置152は、車載器全体の動作の制御を行う。この制御装置152は、通信部151から運行指示の内容を受けると、当該運行指示の内容の表示画像データを作成する。そして、制御装置152は、作成された表示画像データを表示装置153へ送る。
また、不図示のGPS計測部により計測されたバス車両150jの現在位置が、制御装置152に報告されるようになっている。バス車両150jの現在位置を受けた制御装置152は、その情報を、通信部151を介して、定期的に管理センタ110へ送る。また、制御装置152は、入力装置154を利用して運転手により入力された報告情報を、通信部151を介して、定期的に管理センタ110へ送る。こうしてバス車両150jの現在位置情報や運転手の報告情報を受けた管理センタ110では、それらの情報をバス運行管理に役立てるようになっている。
表示装置153は、液晶ディスプレイパネル等を備えて構成されている。この表示装置153は、制御装置152からの表示画像データに従って、画像表示を行う。また、本実施形態では、入力装置154は、表示装置153の画面上に配置されたタッチパネルとして構成されている。
拠点端末装置160k(k=1,…)のそれぞれは、通信部161と、制御装置162とを備えている。また、拠点端末装置160kのそれぞれは、表示装置163を更に備えている。
通信部161は、固定通信網を介した管理センタ110との間の通信制御を行う。この通信部161を利用した通信により、管理センタ110から拠点用情報を受け、受信した情報を制御装置162に報告する。
制御装置162は、拠点端末装置160k全体の動作の制御を行う。この制御装置162は、通信部161から運行指示の内容を受けると、当該運行指示の内容の表示画像データを作成する。そして、制御装置162は、作成された表示画像データを表示装置163へ送る。
表示装置163は、液晶ディスプレイパネル等を備えて構成されている。この表示装置163は、制御装置162からの表示画像データに従って、画像表示を行う。
[動作]
次に、上記のように構成されたデマンドバスシステム100の動作について、記憶部210内の予約可能性情報の更新処理、及び、拠点端末装置160k(k=1,…)及び利用者端末装置310,320を介した、予約可能性に関する情報の提示処理に主に着目して、説明する。なお、前提として、デマンドバスシステム100は、現行運行計画情報212は既に作成されており、この現行運行計画情報212に基づくバス車両150j(j=1,…)に運行制御が行われているものとする。
<混雑度情報213の更新処理>
まず、記憶部210内の混雑度情報213の更新処理について説明する。
この混雑度情報213の更新処理に際しては、図8に示されるように、まず、ステップS11において、管理センタ110の処理制御部115における混雑度算出部240が、新たな混雑度算出タイミングとなったか否かを判定する。かかる判定に際して、混雑度算出部240は、前回の混雑度更新処理の実行から第1所定時間(例えば、「1時間」)が経過したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、ステップS11の処理が繰り返される。
前回の混雑度更新処理の実行から第1所定時間が経過して、ステップS11における判定の結果が肯定的となると(ステップS11:Y)、処理はステップS12へ進む。このステップS12では、混雑度算出部240が、混雑度算出の対象となる現時点以降における最初の時間帯(例えば、現時点から1時間経過までの時間帯)を設定する。
次に、ステップS13において、混雑度算出部240が、混雑度算出の対象となる時間帯における現行運行計画の部分を、記憶部210内の現行運行計画情報212から読み取る。引き続き、ステップS14において、混雑度算出部240が、読み取られた現行運行計画の部分に基づいて、混雑度算出の対象時間帯におけるバス車両150jのそれぞれの最大待機時間を抽出する。
次いで、ステップS15において、混雑度算出部240が、ステップS14において抽出されたバス車両150jのそれぞれの最大待機時間に基づいて、混雑度算出の対象時間帯における混雑度を算出する。この混雑度算出処理に際しては、図9に示されるように、まず、ステップS21において、混雑度算出部240が、20分以上待機するバス車両が複数あるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS21:Y)処理は、処理はステップS31へ進む。
ステップS31では、混雑度算出部240が、この段階で混雑度算出の対象となっている時間帯の混雑度を混雑度1(良好)と判断する。引き続き、混雑度算出部240は、混雑度算出対象時間帯と、混雑度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS15の処理が終了する。
上述のステップS21における判定の結果が否定的であった場合(ステップS21:N)の場合には、処理は、ステップS22へ進む。このステップS22では、混雑度算出部240が、20分以上待機するバス車両が1台あるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS22:Y)処理は、処理はステップS32へ進む。
ステップS32では、混雑度算出部240が、この段階で混雑度算出の対象となっている時間帯の混雑度を混雑度2(やや良好)と判断する。引き続き、混雑度算出部240は、混雑度算出対象時間帯と、混雑度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS15の処理が終了する。
上述のステップS22における判定の結果が否定的であった場合(ステップS22:N)の場合には、処理は、ステップS23へ進む。このステップS23では、混雑度算出部240が、10分以上待機するバス車両が複数あるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS23:Y)は、処理はステップS33へ進む。
ステップS33では、混雑度算出部240が、この段階で混雑度算出の対象となっている時間帯の混雑度を混雑度2(やや良好)と判断する。引き続き、混雑度算出部240は、混雑度算出対象時間帯と、混雑度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS15の処理が終了する。
上述のステップS23における判定の結果が否定的であった場合(ステップS23:N)の場合には、処理は、ステップS24へ進む。このステップS24では、混雑度算出部240が、10分以上待機するバス車両が1台あるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS24:Y)は、処理はステップS34へ進む。
ステップS34では、混雑度算出部240が、この段階で混雑度算出の対象となっている時間帯の混雑度を混雑度3(やや混雑)と判断する。引き続き、混雑度算出部240は、混雑度算出対象時間帯と、混雑度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS15の処理が終了する。
上述のステップS24における判定の結果が否定的であった場合(ステップS24:N)の場合には、処理は、ステップS25へ進む。このステップS25では、混雑度算出部240が、5分以上待機するバス車両が複数あるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS25:Y)は、処理はステップS35へ進む。
ステップS35では、混雑度算出部240が、この段階で混雑度算出の対象となっている時間帯の混雑度を混雑度4(かなり混雑)と判断する。引き続き、混雑度算出部240は、混雑度算出対象時間帯と、混雑度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS15の処理が終了する。
上述のステップS25における判定の結果が否定的であった場合(ステップS25:N)の場合には、処理は、ステップS26へ進む。このステップS26では、混雑度算出部240が、5分以上待機するバス車両が1台あるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS26:Y)は、処理はステップS36へ進む。
ステップS36では、混雑度算出部240が、この段階で混雑度算出の対象となっている時間帯の混雑度を混雑度5(混雑)と判断する。引き続き、混雑度算出部240は、混雑度算出対象時間帯と、混雑度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS15の処理が終了する。
上述のステップS26における判定の結果が否定的であった場合(ステップS26:N)の場合には、処理は、ステップS27へ進む。このステップS27では、混雑度算出部240が、バス車両150j(j=1〜N)の乗車人数の定員に対する割合の平均が7割以下か否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS27:Y)は、処理はステップS37へ進む。
ステップS37では、混雑度算出部240が、この段階で混雑度算出の対象となっている時間帯の混雑度を混雑度6(大混雑)と判断する。引き続き、混雑度算出部240は、混雑度算出対象時間帯と、混雑度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS15の処理が終了する。
一方、上述のステップS27における判定の結果が否定的であった場合(ステップS27:N)の場合には、処理はステップS38へ進む。このステップS38では、混雑度算出部240が、この段階で混雑度算出の対象となっている時間帯の混雑度を混雑度7(予約困難)と判断する。引き続き、混雑度算出部240は、混雑度算出対象時間帯と、混雑度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS15の処理が終了する。
以上のようにしてステップS15の処理が終了すると、処理は、図8のステップS16へ進む。このステップS16では、混雑度算出部240が、混雑度算出の対象時間帯における最後の時間帯についての混雑度を算出したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS16:N)には、処理はステップS17へ進む。
ステップS17では、混雑度算出部240が、混雑度算出の対象となる現時点以降における次の時間帯を設定する。そして、処理はステップS13へ戻る。以後、ステップS16における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS13〜S17の処理が繰り返される。
ステップS16における判定の結果が肯定的となると(ステップS16:Y)、混雑度算出部240が、内部に保持している混雑度算出対象時間帯と混雑度判断結果とに基づいて、記憶部210内の混雑度情報213を更新する。この後、処理はステップS11へ戻る。
以後、ステップS11〜S17の処理が繰り返される。この結果、記憶部210内の混雑度情報213が、第1所定時間の経過ごとに、定期的に更新される。
<運行余裕度情報214の更新処理>
次に、記憶部210内の運行余裕度情報214の更新処理について説明する。
この運行余裕度情報214の更新処理に際しては、図10に示されるように、まず、ステップS41において、管理センタ110の処理制御部115における運行余裕度算出部250が、新たな運行余裕度算出タイミングとなったか否かを判定する。かかる判定に際して、運行余裕度算出部250は、前回の運行余裕度更新処理の実行から第2所定時間(例えば、「20分」)が経過したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS41:N)には、ステップS41の処理が繰り返される。
前回の運行余裕度更新処理の実行から第2所定時間が経過して、ステップS41における判定の結果が肯定的となると(ステップS41:Y)はステップS42へ進む。このステップS42では、運行余裕度算出部250が、運行余裕度算出の対象となる現時点以降における最初の時間帯(例えば、現時点から1時間経過までの時間帯)を設定する。
次に、ステップS43において、運行余裕度算出部250が、運行余裕度算出の対象となる時間帯における現行運行計画の部分を、記憶部210内の現行運行計画情報212から読み取る。引き続き、ステップS44において、運行余裕度算出部250が、運行余裕度算出の対象となる最初のバス車両(例えば、バス車両1501)を選択する。
次いで、ステップS45において、運行余裕度算出部250が、ステップS44において選択された車両について、運行余裕度算出の対象時間帯における運行余裕度を算出する。この運行余裕度算出処理に際しては、図11に示されるように、まず、ステップS51において、運行余裕度算出部250が、5分以上の待機時間のある地点で区切った乗降地点のシリーズを抽出する。なお、抽出されるシリーズにおける乗降地点の数は、1つの場合もあれば、複数の場合もある。
引き続き、ステップS52において、抽出されたシリーズの数が複数であるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS52:N)には、処理はステップS53へ進む。このステップS53では、運行余裕度算出部250が、選択されているバス車両については、設定されている時間帯については運行余裕度が無いと判断される。引き続き、運行余裕度算出部250は、運行余裕度算出対象時間帯と、選択されているバス車両と、運行余裕度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS45の処理が終了する。
ステップS52における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS52:Y)には、処理はステップS54へ進む。このステップS54では、抽出されたシリーズのうちで、時間的に最初のシリーズにおける最後の待機時間を抽出する。
次に、ステップS55において、ステップS54の抽出結果に基づいて、選択されているバス車両の設定されている時間帯に関する着目シリーズ間における車両別運行余裕度を算出する。かかる車両別運行余裕度算出処理では、図12に示されるように、まず、ステップS61において、運行余裕度算出部250が、抽出待機時間が8分未満か否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS61:Y)には、処理はステップS71へ進む。
ステップS71では、運行余裕度算出部250が、この段階で運行余裕度算出の対象となっている時間帯の選択されたバス車両に関する着目シリーズにおける余裕度を「小」と判断する。引き続き、運行余裕度算出部250は、運行余裕度算出対象時間帯と、選択されたバス車両と、着目シリーズと、運行余裕度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、ステップS55の処理が終了する。
上述のステップS61における判定の結果が否定的であった場合(ステップS61:N)の場合には、処理は、ステップS62へ進む。このステップS62では、運行余裕度算出部250が、抽出待機時間が15分未満であるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS62:Y)には、処理はステップS72へ進む。
ステップS72では、運行余裕度算出部250が、この段階で運行余裕度算出の対象となっている時間帯の選択されたバス車両に関する着目シリーズにおける余裕度を暫定的に「中」と判断する。引き続き、運行余裕度算出部250は、運行余裕度算出対象時間帯と、選択されたバス車両と、着目シリーズと、運行余裕度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、処理はステップS64へ進む。
上述のステップS62における判定の結果が否定的であった場合(ステップS62:N)の場合には、処理は、ステップS73へ進む。このステップS73では、運行余裕度算出部250が、この段階で運行余裕度算出の対象となっている時間帯の選択されたバス車両に関する着目シリーズにおける余裕度を暫定的に「大」と判断する。引き続き、運行余裕度算出部250は、運行余裕度算出対象時間帯と、選択されたバス車両と、着目シリーズと、運行余裕度判断結果とを関連付けて、内部に一時的に保持する。そして、処理はステップS64へ進む。
ステップS64では、運行余裕度算出部250が、着目シリーズにおける最大乗車人数が、選択されているバス車両の乗車定員と同一か否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS64:Y)には、処理はステップS74へ進む。ステップS74では、運行余裕度算出部250が、上述したステップS72,S73で一時的に保持した運行余裕度を、「小」に変更する。そして、ステップS55の処理が終了する。
ステップS64における判定の結果が否定的であった場合(ステップS64:N)には、処理はステップS65へ進む。ステップS65では、運行余裕度算出部250が、着目シリーズにおける最大乗車人数が、選択されているバス車両の乗車定員の8割以上か否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS64:N)には、運行余裕度算出部250が、上述したステップS72,S73で一時的に保持した運行余裕度を変更することなく、ステップS55の処理が終了する。
ステップS65における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS65:Y)には、処理はステップS75へ進む。ステップS75では、運行余裕度算出部250が、上述したステップS72,S73で一時的に保持した運行余裕度を、1ランクダウンさせるように変更する。そして、ステップS55の処理が終了する。
こうしてステップS55の処理が終了すると、処理は、図11のステップS56へ進む。このステップS56では、運行余裕度算出部250が、選択しているバス車両に関して、全シリーズについての車両別運行余裕度を算出した否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS56:N)には、処理はステップS57へ進む。
ステップS57では、運行余裕度算出部250が、次のシリーズにおける最後の待機時間を抽出する。そして、処理はステップS55へ戻る。この後、ステップS56における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS55〜S57の処理が繰り返される。
選択しているバス車両に関して、全シリーズについての車両別運行余裕度が算出され、ステップS56における判定の結果が肯定的となると(ステップS56:Y)、ステップS45の処理が終了する。
以上のようにしてステップS45の処理が終了すると、処理は、図10のステップS46へ進む。このステップS46では、運行余裕度算出部250が、全車両についての運行余裕度を算出したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS46:N)には、処理はステップS47へ進む。
ステップS47では、運行余裕度算出部250が、次のバス車両を選択する。そして、処理はステップS45へ戻る。この後、ステップS46における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS45〜S47の処理が繰り返される。
全車両についての運行余裕度が算出され、ステップS46における判定の結果が肯定的となると(ステップS46:Y)、処理はステップS48へ進む。ステップS48では、運行余裕度算出部250が、運行余裕度算出の対象時間帯における最後の時間帯についての運行余裕度を算出したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS48:N)には、処理はステップS49へ進む。
ステップS49では、運行余裕度算出部250が、運行余裕度算出の対象となる現時点以降における次の時間帯を設定する。そして、処理はステップS43へ戻る。以後、ステップS48における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS43〜S49の処理が繰り返される。
ステップS48における判定の結果が肯定的となると(ステップS48:Y)、運行余裕度算出部250が、内部に保持している運行余裕度算出対象時間帯と、選択されたバス車両と、着目シリーズと、運行余裕度判断結果とに基づいて、記憶部210内の運行余裕度情報214を更新する。この後、処理はステップS41へ戻る。
以後、ステップS41〜S49の処理が繰り返される。この結果、記憶部210内の運行余裕度情報214が、第2所定時間の経過ごとに、定期的に更新される。
<予測待ち時間情報215の更新処理>
次いで、記憶部210内の予測待ち時間情報215の更新処理について説明する。
この運行余裕度情報215の更新処理に際しては、図13に示されるように、まず、ステップS81において、管理センタ110の処理制御部115における予測待ち時間算出部260が、新たな予測待ち時間算出タイミングとなったか否かを判定する。かかる判定に際して、予測待ち時間算出部260は、前回の予測待ち時間更新処理の実行から第3所定時間(例えば、「5分」)が経過したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS81:N)には、ステップS81の処理が繰り返される。
前回の予測待ち時間更新処理の実行から第3所定時間が経過して、ステップS81における判定の結果が肯定的となると(ステップS81:Y)はステップS82へ進む。このステップS82では、予測待ち時間算出部260が、予測待ち時間算出の対象となる拠点(以下、「対象拠点」とも呼ぶ)のうちで最初の対象拠点を設定する。
次に、ステップS83において、設定対象拠点に関して、現時点以降における主要地点へ向かうバス車両への乗車に関する予測待ち時間情報を導出する。この予測待ち時間情報導出処理では、図14に示されるように、まず、ステップS91において、予測待ち時間算出部260が、設定対象拠点を乗車地点とし、当該設定対象拠点に対応して定まる主要地点のうちで最初の主要地点を降車地点とする最初の乗降地点ペアを設定する。
次いで、ステップS92において、予測待ち時間算出部260が、現時点以降における最初の詳細検討時間帯(例えば、現時点から10分経過まで)を設定する。引き続き、ステップS93において、予測待ち時間算出部260が、予測待ち時間算出の対象となる時間帯における現行運行計画情報の部分を、記憶部210内の現行運行計画情報212から読み取る。
次に、ステップS94において、設定された乗降地点ペアについて、予測待ち時間算出の対象時間帯における予測待ち時間を算出する。この予測待ち時間算出処理に際しては、予測待ち時間算出部260が、当該拠点を乗車地点とし、当該対象時間帯の始点時刻を乗車希望時刻とする仮デマンドを発生される。引き続き、予測待ち時間算出部260は、現行運行計画に当該仮デマンドを加えた場合の仮運行計画を作成する。
次いで、予測待ち時間算出部260は、作成された仮運行計画において、仮デマンドを受け付けたために新たに発生した迂回時間が、第4所定時間(例えば、15分)以下であるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合には、予測待ち時間算出部260は、乗車予約ができないと判断し、その旨を、予測待ち時間算出対象時間帯及び設定された乗降地点ペアに関連付けて、内部に一時的に保持する。
一方、迂回時間に関する判定の結果が肯定的であった場合には、予測待ち時間算出部260は、仮運行計画で求められた乗車可能時刻と、当該仮デマンドで指定した乗車希望時刻と差を予測待ち時間と特定する。そして、予測待ち時間算出部260は、特定された予測待ち時間を、予測待ち時間算出対象時間帯及び設定された乗降地点ペアに関連付けて、内部に一時的に保持する。
次に、ステップS95において、予測待ち時間算出部260が、設定されている拠点に関して、最後の対象時間帯の予測待ち時間を算出した否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS95:N)には、処理はステップS96へ進む。
ステップS96では、予測待ち時間算出部260が、予測待ち時間算出の対象となる詳細検討時間帯として、次の詳細検討時間帯を設定する。そして、処理はステップS94へ戻る。以後、ステップS95における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS94〜S96の処理が繰り返される。
設定されている拠点に関して、最後の対象時間帯の予測待ち時間を算出し、ステップS95における判定結果が肯定的となると(ステップS95:Y)、処理はステップS97へ進む。このステップS97では、予測待ち時間算出部260が、上述したステップS94における予測待ち時間の算出結果に基づいて、予測待ち時間情報を導出する。
本実施形態では、予測待ち時間情報の導出に際して、予測待ち時間算出部260は、予約ができなかった、又は、予測待ち時間が15分以上の場合には、予測待ち時間情報として、予約受付状況が「劣悪」と判断する。また、予測待ち時間算出部260は、予測待ち時間が5分以上15分未満の場合には、予測待ち時間情報として、予約受付状況が「通常」と判断する。さらに、予測待ち時間算出部260は、予測待ち時間が5分未満の場合には、予測待ち時間情報として、予約受付状況が「良好」と判断する。
こうして予測待ち時間情報の導出が終了すると、処理はステップS98へ進む。このステップS98では、予測待ち時間算出部260が、当該拠点における全ての乗降地点ペアについて、予測待ち時間情報を導出したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS98:N)には、処理はステップS99へ進む。
ステップS99では、予測待ち時間算出部260が、予測待ち時間算出の対象となる詳細検討時間帯を、次の詳細検討時間帯に設定する。そして、処理はステップS92へ戻る。以後、ステップS98における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS92〜S99の処理が繰り返される。
当該拠点における全ての乗降地点ペアについて予測待ち時間情報を導出し、ステップS98における判定の結果が肯定的となると(ステップS98:Y)、ステップS83の処理が終了する。そして、処理は図13のステップS84へ進む。
ステップS84では、予測待ち時間算出部260が、予測待ち時間算出の対象となる最後の拠点について、予測待ち時間情報を導出したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS84:N)には、処理はステップS85へ進む。
ステップS85では、予測待ち時間算出部260が、予測待ち時間算出の対象となる次の対象拠点を設定する。そして、処理はステップS83へ戻る。以後、ステップS84における判定の結果が肯定的となるまで、ステップS83〜S85の処理が繰り返される。
全ての対象拠点について予測待ち時間情報が導出され、ステップS84における判定の結果が肯定的となると(ステップS84:Y)、予測待ち時間算出部260が、内部に保持している予測待ち時間算出対象時間帯と、設定された対象拠点と、設定された情報ペアと、導出された予測待ち時間情報とに基づいて、記憶部210内の予測待ち時間情報215を更新する。この後、処理はステップS81へ戻る。
以後、ステップS81〜S85の処理が繰り返される。この結果、記憶部210内の予測待ち時間情報215が、第3所定時間の経過ごとに、定期的に更新される。
<利用者端末装置への予約容易性情報の提供処理>
次に、利用者端末装置310,320への予約容易性情報の提供処理について説明する。
かかる処理に際して、利用者端末通信部118は、定期的に、記憶部210内の混雑度情報213及び運行余裕度情報214に基づいて、一般利用者用情報を作成する。ここで、利用者端末通信部118は、第5所定時間(例えば、15分)ごとに、記憶部210内の混雑度情報213及び運行余裕度情報214を読み取る。そして、利用者端末通信部118は、読み取られた混雑度情報213及び運行余裕度情報214に基づいて、デマンドバスシステム100の全体としての予約容易性情報である混雑度情報と、バス車両150j(j=1,2,…)のそれぞれについての予約容易性情報である運行余裕度情報とを、利用者端末装置310,320への提供形態で準備し、内部に保持する。
また、利用者端末通信部118は、利用者端末装置310,320からの予約容易性情報の要求を受けると、予約容易性情報である混雑度情報又は運行余裕度情報を返送する。ここで、利用者端末通信部118は、混雑度情報を指定した予約容易性情報の要求を受けた場合には、予約容易性情報として混雑度情報を、当該要求を行った利用者端末装置へ返送する。こうして返送された混雑度情報の利用者端末装置310,320における表示例が、図15(A)に示されている。
また、利用者端末通信部118は、運行余裕度情報を指定した予約容易性情報の要求を受けた場合には、予約容易性情報として運行余裕度情報を、当該要求を行った利用者端末装置へ返送する。こうして返送された運行余裕度情報の利用者端末装置310,320における表示例が、図15(B)に示されている。
なお、図15(B)では、運行余裕度が高いほど、線幅が太くなる表示を行う例が示されている。また、図15(B)においては記載が省略されているが、運行余裕度が変化する停車予定地点と、その停車予定地点からの出発予定時刻とが、表示されるようになっている。
<拠点端末装置への予約容易性情報の提供処理>
次いで、拠点端末装置160k(k=1,2,…)への予約容易性情報の提供処理について説明する。
かかる処理に際して、拠点通信部119は、定期的に、記憶部210内の混雑度情報213、運行余裕度情報214及び予測待ち時間情報215に基づいて、拠点用情報を作成する。ここで、拠点通信部119は、第6所定時間(例えば、5分)ごとに、記憶部210内の混雑度情報213、運行余裕度情報214及び予測待ち時間情報215を読み取る。
引き続き、拠点通信部119は、上述した利用者端末通信部118の場合と同様に、読み取られた混雑度情報213及び運行余裕度情報214に基づいて、デマンドバスシステム100の全体としての予約容易性情報である混雑度情報と、バス車両150j(j=1,2,…)のそれぞれについての予約容易性情報である運行余裕度情報とを、拠点端末装置160k(k=1,2,…)への提供形態で準備する。また、拠点通信部119は、読み取られた予測待ち時間情報215に基づいて、各拠点におけるデマンド予約の可能性情報を、拠点端末装置160k(k=1,2,…)のそれぞれへの提供形態で準備する。
そして、拠点通信部119は、こうして準備された予約容易性情報を、拠点端末装置160kのそれぞれへ送る。ここで、拠点通信部119は、混雑度情報及び運行余裕度情報については、共通の内容を、拠点端末装置160kのそれぞれへ送る。また、拠点通信部119は、拠点端末装置160kのそれぞれへ、対応するデマンド予約の可能性情報のみを送る。
こうした予約容易性情報を受けた拠点端末装置160kのそれぞれは、混雑度情報、運行余裕度情報及びデマンド予約の可能性情報を表示する。なお、混雑度情報及び運行余裕度情報については、上述した図15(A),(B)に示した態様で、拠点端末装置160kの表示装置163に表示される。また、デマンド予約の可能性情報については、図15(C)の例示される態様で、拠点端末装置160kの表示装置163に表示される。
なお、拠点端末装置160kの表示装置163に表示には、図15(A)〜(C)のそれぞれの表示の順次表示が定期的に繰り返されるようになっている。
以上説明したように、本実施形態のデマンドバスシステム100では、一般のデマンドバスシステムの場合と同様に、利用者からの乗降地点及び希望乗車時刻を含むデマンドに基づいて、運行計画を作成する。そして、作成された運行計画に従って車両運行を行う。
こうして作成され、バス車両運行に適用されている運行計画である現行運行計画に基づいて、導出手段が、新たなデマンドによる乗降車の予約容易性情報を定期的に導出し、利用者に提示される。こうした予約容易性情報としては、所定の時間帯ごとの車両システムとしての混雑情報、所定の時間帯ごとの所定乗降地点間における車両運行の余裕度情報、主要地点間における予測待ち時間情報がある。
こうした予約容易性情報の提示により、利用者は受け付けられる可能性の高い内容のデマンドを送ることができ、迅速に乗車予約を行うことができる。また、デマンドバスシステム100にとっては、利用者からのデマンドが、予約可能である蓋然性の高いものに絞りこまれるので、車両運行システムにおける処理負荷が低減されるとともに、効率的な車両運行が可能となる。
したがって、本実施形態によれば、車両運行の効率性と利用者の利便性とを合理的に調和させることができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、バス車両の数を3台としたが、バス車両の数は任意の数とすることができる。
また、上記の実施形態では、予測待ち時間情報として、複数の時間帯における予測待ち時間を算出し、予測待ち時間の算出結果により、予約受付状況をランク分けするようにした。これに対し、迂回時間が第4所定時間以内となる最短の予測待ち時間のみを算出するようにし、利用者に提示するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、予約容易性情報として、混雑度情報、運行余裕度情報及び予測待ち時間情報の3種を求めるようにした。これに対し、これら3種の情報のうち、任意の1種又は2種を求めるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、サービス提供に使用される車両をバスとするデマンドバスシステムについて本発明を適用したが、サービス提供に使用される車両をバス以外のタクシー等とするデマンドタクシーシステム等の車両運行システムに本発明を適用できることは、勿論である。