JP5398168B2 - 炭化珪素半導体素子の製造方法および製造装置 - Google Patents

炭化珪素半導体素子の製造方法および製造装置 Download PDF

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本発明は、注入イオン種の活性化工程を含む炭化珪素半導体素子の製造方法および製造装置に関する。
炭化珪素パワー半導体素子では、イオン注入による不純物層形成が広く行なわれているが、この注入イオン種を活性化させるための熱処理によって、炭化珪素表面から珪素抜けが起こり、表面荒れが発生することが知られている。この珪素抜けが生じる結果として、炭化珪素半導体表面には炭素過剰層が形成され、この炭素過剰層の存在によって漏れ電流の増大が起こるなど、半導体装置の電気特性に不具合が生じる。これを解決するためには、犠牲酸化を行った後に犠牲酸化膜除去工程が必須となる
ここで言う犠牲酸化は熱酸化であるが、不純物をイオン注入した部位とそうでない部位とで熱酸化の速度が大きく異なる。すなわち、不純物をイオン注入した部位の熱酸化速度は、注入していない部位よりもかなり大きな酸化速度となるため、イオン注入した部位の熱酸化膜が注入していない部位に比べて厚く形成される。
このために、犠牲酸化層をフッ酸などで除去する際に、イオン注入した部位の酸化が深くまで進んでいるために、イオン注入されていない部位に比べて深く掘れてしまう。このような表面の凹凸の存在は、ゲート酸化膜の形成時に膜厚むらを招くため、ゲート絶縁膜の信頼性を損なう。
これに対して、表面荒れを抑制する方法が種々開示されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、フォトレジスト等の有機膜パターンを形成した後、不純物イオンを注入し、その後、有機膜を炭化させることでグラファイト膜を形成し、このグラファイト膜をマスクとして高温熱処理を実施する。このような方法によれば、有機膜を炭化させたグラファイト膜でマスクしているため、マスク下の表面荒れを抑制できる。
上記のように、有機系のグラファイト膜を用いた場合には、有機溶剤に含まれる不純物が炭化珪素基板に拡散することがなく、半導体素子の電気特性に影響が及ばないようにすることができる。
また、炭化珪素のエピタキシャル成長の際、成長ガスにシラン(SiH4)ガスとプロパン(C38)ガスを使用し、エピタキシャル成長終了後、水素ガスとプロパンガスとの混合ガス雰囲気で熱処理工程を行ない、表面荒れを抑制する方法も開示されている(特許文献2参照)。
また、イオン注入後の炭化珪素基板を、炭化珪素で被覆された加熱容器内に入れて加熱することにより、イオン注入された不純物を活性化させるとともに、加熱容器表面から昇華された炭化珪素ガスから、炭化珪素を基板上に堆積させ,表面荒れを防止する方法も開示されている(特許文献3参照)。
特開2005−260267号公報 特開2006−332495号公報 特開2008−034464号公報
然しながら、上記の特許文献1に記載の方法では、グラファイト膜をイオン注入に用いた有機膜パターンで形成しているため、イオン注入のための開口部にはグラファイト膜が形成されず、この部分は保護されない。
従って、グラファイト膜が形成されない開口部は、高温熱処理により珪素が昇華して炭素過剰層が形成され、表面が荒れることになる。このため半導体装置作製時には、この炭素過剰層を除去するために犠牲酸化工程を省くことはできず、上述の表面凹凸化を避けられないと推測される。
また、特許文献2の方法では、成長ガス(シランとプロパンガス)の組成比の管理が難しく、厚さのばらつきや再現性の問題が予想される。また、成長ガスの供給装置等の大型化が予想され、製造装置が高価になる。
また、特許文献3の方法では、加熱容器の表面にコーティングされた炭化珪素層を炭化珪素ソースとしているので、ソース表面の平坦性が悪く、昇華による供給速度が不安定であると予測される。このため、ウェハ面内で均一な厚みを持つ炭化珪素膜を得ることが困難である。
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、活性化熱処理を行なっても表面の凹凸を招かず、かつ清浄な表面を維持することのできる炭化珪素半導体素子の製造方法および簡易な製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の半導体素子の製造方法は、炭化珪素基板にイオン種を注入する工程と、第1の温度にて、第1の場所に前記炭化珪素基板を保持すると共に、前記第1の場所と異なる第2の場所で前記第1の温度より高い第2の温度にて昇華された炭化珪素を、前記炭化珪素基板の表面に炭化珪素を堆積させる工程と、前記第2の場所の温度を前記第2の温度よりも低い第3の温度に低下させるとともに、前記第1の場所において前記第1の温度よりも高い第の温度に前記炭化珪素基板の温度を制御して、注入された前記イオン種を活性化させる熱処理を行なう工程とを具備することを特徴とする。
また、本発明の炭化珪素半導体素子の製造装置は、炭化珪素供給源を保持する供給源保持機構と、前記炭化珪素供給源が設置されると同一の空間内において、炭化珪素基板を保持する基板保持機構と、炭化珪素供給源を1600℃以上の第2の温度に昇温し、前記炭化珪素を昇華させる昇華手段と、前記炭化珪素供給源からの昇華による炭化珪素で前記炭化珪素基板の表面が被覆されるときには、前記炭化珪素基板を第1の温度で保持し、前記炭化珪素が被覆された後に、前記炭素供給源の加熱温度を前記第2の温度より低い第3の温度に低下させるとともに、前記炭化珪素基板を前記第1の温度よりも高い第の温度で熱処理する加熱手段とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、活性化熱処理を行なっても表面の凹凸を招かず、かつ清浄な表面を維持することのできる炭化珪素半導体素子の製造方法および簡易な製造装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる炭化珪素半導体装置の断面図で、ノーマリオフ型のnチャネル・プレーナ型縦型パワーMOSFETを示す。4H-炭化珪素の(0001)面n+型基板11の主表面上には、基板11よりも低い窒素濃度のn-型エピタキシャル層12が形成されている。
-型エピタキシャル層12の表層部にはp型ベース領域13が形成されている。このベース領域13はAlの多段イオン注入によって形成したものであり、1×1017/cm3 以上の濃度になっている。また、p型ベース領域13の表層部には、p型ベース領域13よりも浅いn+型ソース領域14が形成されている。また、n+型ソース領域14とn-型エピタキシャル層12とをつなぐようにp型ベース領域13の表面部にはn-型表面チャネル層15が形成されている。
表面チャネル15の上面およびn+型ソース領域14の上面には熱酸化によってゲート酸化膜16が形成され、このゲート酸化膜16上にゲート電極17が形成されている。ゲート電極17は化学気相成長法(CVD法)により形成されたSiO2 の絶縁膜18で覆われており、この絶縁膜18の上にn+型ソース領域14とp型ベース領域13とが電気的に接続されたソース電極19が形成されて縦型パワーMOSFETが構成されている。
次に、図1に示す縦型パワーMOSFETの製造工程を、図2のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、n-型エピタキシャル層12の形成されたn型4H炭化珪素の半導体基板11を準備する(S1)。
このエピタキシャル層12に、p型ベース領域13を形成する(S2)。より詳細には、エピタキシャル層12上にフォトレジストを塗布する。プリベイクを行った後、アライメントマークを形成するためのガラスマスクを用いて露光し、現像する。ポストベイクを行なった後、アライメントマークを形成するために反応性イオンエッチングを行なう。その後、フォトレジストを除去してから、CVD法でSiO2を堆積させた後に再度フォトレジストを塗布する。プリベイクを行った後に、このSiO2をパターニングするためのガラスマスクを用いて露光し現像する。ポストベイクを行なった後、反応性イオンエッチングによって、後にp型ベース領域13となる領域を露出させる。この状態でp型不純物であるアルミニウム(Al)をイオン注入する。この時の条件は、基板温度を500℃とし、ドーズ量は3×1014/cm2とする。これによってp型ベース領域13が形成される。その後、マスク材として用いたSiO2を除去する。
次にn型ソース領域を14を形成する(S3)。詳細には、全面にCVD法でSiO2を堆積させた後に、フォトレジストを塗布する。プリベイクを行った後に、このSiO2をパターニングするためのガラスマスクを用いて露光し現像する。ポストベイクを行なった後、反応性イオンエッチングによって後にn+型ソース領域14となる領域を露出させる。この状態でn型不純物である燐(P)をイオン注入する。この時の条件は、基板温度を500℃とし、ドーズ量は1×1015/cm2とする。これによってn+型ソース領域14を形成する。その後、マスク材として用いたSiO2を除去する。
次に、表面チャネル層15を形成する(S4)。詳細には、再度全面にCVD法でSiO2堆積させた後に、フォトレジストを塗布する。プリベイクを行った後に、このSiO2をパターニングするためのガラスマスクを用いて露光し、現像する。ポストベイクを行なった後、反応性イオンエッチングによって、後にn-型表面チャネル層15となる領域を露出させる。この状態でn型不純物である窒素(N)をイオン注入する。この時の条件は、基板温度を500℃とし、ドーズ量は4×1014/cm2とする。これによってn-型表面チャネル層15を形成する。その後、マスク材として用いたSiO2を除去する。
次に、p型ベース領域にpコンタクトを形成する(S5)。詳細には、再度全面にCVD法でSiO2を堆積させた後に、フォトレジストを塗布する。プリベイクを行った後に、このSiO2パターニングするためのガラスマスクを用いて露光し、現像する。ポストベイクを行なった後、反応性イオンエッチングによって、後にp-型ベース領域13の内でソース電極19と接触することになる領域のみを露出させる。この状態でp型不純物であるAlをイオン注入する。この時の条件は、基板温度を500℃とし、ドーズ量は1×1015/cm2とする。これによってn+ 型ソース領域14と重ならないように、部分的にベース領域13のp型不純物を高濃度に形成したコンタクト領域を作製する。その後、マスク材として用いたSiO2を除去する。
次に、S2〜S5で注入したイオン種を活性化させるための熱処理工程に入る。本実施形態では、SiC層形成(S6)、熱処理(S7)、SiC層除去(S8)の3つの工程よりなる。この工程の詳細について、図3と図4を用いて説明する。
図3は、第1の実施形態に係わる炭化珪素半導体の製造装置の摸式的断面図を示す。炭化珪素ソース加熱ヒーター21は抵抗加熱ヒーターであって、炭化珪素半導体基板加熱ヒーター22とはそれぞれ独立に電力制御できるようになっている。炭化珪素ソース加熱ヒーター21の内側には炭化珪素保持ボート24が配置され、炭化珪素ソース(炭化珪素供給源)23が保持できるようになっている。本実施形態では、炭化珪素ソースとして、高純度半絶縁性炭化珪素単結晶バルク基板を用い、ソースからの汚染を極力無くすることを目指す。
炭化珪素ソース加熱ヒーター21に並置して、炭化珪素半導体基板加熱ヒーター22が備えられている。炭化珪素半導体基板加熱ヒーター22の内側には炭化珪素半導体基板保持ボート26が配置され、数枚の炭化珪素半導体基板25が一度に処理できる構造となっている。炭化珪素半導体基板25と炭化珪素ソース23は、同一空間内に備えられている。
なお、上記の構成に加え、図4に示すように、炭化珪素半導体基板加熱ヒーター22の上にも、もう1つの炭化珪素ソース加熱ヒーター21´を備えてもよい。このようにすれば、数枚の炭化珪素半導体基板25に対して、炭化珪素の堆積量のばらつきを少なくすることができる。また、炭化珪素半導体基板25の方向は、図3のようにソース23と対峙することに限定されず、図5に示すように、炭化珪素半導体基板25は、同一空間内にあればソース23に対して垂直な方向に並べられていても良い。また、ヒーター21,22を環状に構成し、ソース23、または基板25の一方を回転させるようにしてもよい。
図6は、本実施形態で採用した温度プロファイルを説明するための図であり、グラフの縦軸が炉内位置を示し、左側の炉の構成図と位置が対応している。グラフの横軸は温度である。S6の工程の時には、炭化珪素ソース23の温度が1650℃、炭化珪素半導体基板25の温度が1500℃になるようにそれぞれ炭化珪素ソース加熱ヒーター21と炭化珪素半導体基板加熱ヒーター22とに投入する電力を制御する。
実際にイオン注入などを施した素子作成用の基板を処理する前に、予備実験を実施した。この時には、エピタキシャル成長層のないバルク基板を、炭化珪素半導体基板保持ボート26に設置する。炭化珪素ソース23は、高純度半絶縁性炭化珪素バルク基板を用いる。図4に示すS6の工程の温度プロファイルに達してから、1時間、2時間、3時間それぞれ処理した後に、炭化珪素ソース加熱ヒーター21と炭化珪素半導体基板加熱ヒーター22の投入電力を切る。
冷却してから取り出したバルク基板を劈開し、断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、バルク基板と熱処理による気相成長層とのコントラストが明瞭に観察された。気相成長層の厚みの測定結果より、S6の工程の状態における気相成長層の成長速度を見積もったところ、2μm/h程度であった。実際の素子作成用のプロセスでは、気相成長層が400nmになるようにS6の工程の処理時間を12分程度に調整することとした。
上記の方法では、炭化珪素ソース23から昇華された炭化珪素は、気相の状態で炭化珪素基板25の位置まで輸送され、炭化珪素基板25に堆積する。本実施形態では、この方法を昇華輸送法と呼ぶことにする。
このような気相での昇華輸送法による炭化珪素の供給は、炭化珪素ソースの温度が1600℃を超えると顕著になるが、それ以下の温度では昇華が実用的な速度で観測されなかった。また1650℃よりも温度を上げれば昇華速度は早くなる傾向を認めたが、後に犠牲酸化で除去することを考えると、厚い成長層を形成することは酸化時間を長く要することになる。加えて、短い処理時間では膜厚の制御性・再現性の悪化につながる。このため、ソース温度としては1600〜1650℃程度の温度範囲が最も適当であった。
上述の結果から、S6の工程での保持時間を12分間と決定する。そこで12分間保持したのち、炭化珪素ソース23の温度を1500℃になるように設定温度を下げ、同時に炭化珪素半導体基板25の温度が1600℃になるように、すなわち図4のS7の工程に示したような温度分布になるように投入電力を制御する。具体的には、炭化珪素半導体基板加熱ヒーター22の投入電力を増やし、1600℃に到達させてから5分保持した後、全加熱を終了する。
次に、前記S6の工程において形成した炭化珪素の気相成長層を除去するために、酸化炉において1150℃でドライ酸化を行なう。前記S6の工程で成長した400nmの層を酸化するには、6時間必要であることが前もって行なった酸化速度測定実験によって明らかになっているので、6時間ドライ酸化を行う。ドライ酸化された試料を取り出した後に、フッ酸により酸化膜を除去することにより、高温熱処理時に覆っていた炭化珪素気相成長層を除去する(S8)。
その後、実際の縦型パワーMOSFETを作成する基板に対して、引き続いて以下の工程を施す。即ち、雰囲気温度を1100℃に設定したドライ酸化炉において酸化処理をすることにより、全面にゲート酸化膜16を形成する(S9)。温度を下げる時に、例えば水素と酸素によるパイロジェニック法によってウエット雰囲気にすることにより、効果的に酸化膜の界面準位密度が減少し、チャネル移動度を高くすることができる。
次に、ゲート絶縁膜16の上に、減圧CVD法によって、ポリシリコンを基板温度600℃で堆積させ、ポリシリコンをパターニングすることでゲート電極17を形成する(S10)。続いてゲート絶縁膜17の不要部分を除去した後、低温堆積酸化膜よりなる絶縁膜18を約400℃で成長させ、ゲート絶縁膜17を覆う。更に約1000℃のアニールを施す。
その後、室温でのスパッタによってソース電極19およびドレイン電極20を形成した後(S11)、1000℃でシンターさせることにより、図1に示すようなプレーナ型縦型パワーMOSFETが完成する。
以上説明したように、本実施形態ではイオン注入により導入した不純物を活性化させるための処理を行なう際に、直前に炭化珪素を昇華輸送法によりキャップ材として形成させるので、注入不純物を活性化させる熱処理において、イオン注入部表面での珪素抜けなどの表面劣化を防ぐことが可能となる。
また、フォトレジストを炭化させたキャップ材を用いる場合では、グラファイトキャップ材を除去する際の残渣物による凹凸などが生じるが、本実施形態ではそのような心配はない。
その上、熱処理の際の密着性あるいは形成したグラファイトキャップの緻密性のばらつき、即ち微小なクラックが発生する、あるいは軽石のように気泡を多く含むような材質が出来るなど表面保護機能の低下を心配する必要もなく、確実に表面保護ができる。
また、キャップ材の炭化珪素を除去する時に行なう犠牲酸化は、イオン注入層を大幅に酸化する恐れもない。従って、従来問題となっていたような、イオン注入部が非注入部に比べて深く酸化されることが原因の段差も形成されない。
このように、本実施形態によれば、レジストを炭化させることで形成した炭素層を用いる替わりに、昇華輸送法によって形成された炭化珪素をキャップ材として用いるので、レジストを炭化するときのように、有機物中に気泡が発生するあるいは突沸によるレジストの破損するなどの問題を気にする必要がなく、早い昇温速度で所定温度である1600℃以上に上昇させることができ、時間効率が高くなるという効果が得られる。
また、イオン注入後にキャップ材を形成するため、上記凹凸の発生の恐れもなくなる。更に、キャップ材を除去する際にレジストに含まれる有機溶剤中の不純物が残渣として表面に残り、表面清浄度を下げるという問題も解決される。さらに、ゲート絶縁膜16の膜厚むらも発生せず、ゲート絶縁膜の信頼性の低下、あるいはデバイス特性の劣化を防止することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、複数枚のウエーハを同時に熱処理する炉を使用する場合を例にとって説明したが、1枚処理の炉を用いてもよい。このような場合を、第2の実施形態として説明する。
図7は、第2の実施形態で使用する高周波加熱方式の炉である。グラファイトサセプター41上は高周波加熱コイル42からの誘導電流により加熱され、グラファイトサセプター41上に置いた炭化珪素ソース43が加熱されるようになっている。またグラファイトサセプター41の上には保温および炭化珪素半導体基板44を保持するためのサセプタカバー45が設置されている。
このような装置を用いて高温熱処理をする場合、図6に示すような温度プロファイルを形成するためには、第1の工程(S6の工程)において炭化珪素ソース43の温度を1650℃とした際に、炭化珪素半導体基板44の温度が1500℃になるように、高周波加熱コイル42とグラファイトサセプター41との高さ方向位置関係を調整する。
第2の工程(S7の工程)においては、図6に示すような温度プロファイルは実現できないものの、グラファイトサセプター41を高周波過熱コイル42に対して相対的に下方に移動させる、あるいは投入電力を増加させることの一方、あるいは組み合わせによって炭化珪素半導体基板44の温度を所定の熱処理温度、例えば1600℃にすることができる。但しこの際に炭化珪素ソース43の温度は1600℃よりも高い温度となり、第2の工程においても昇華輸送法による炭化珪素の成長が継続されることになる。
しかしながら、第1の実施形態において説明したように予め第1の工程(S6の工程)と第2の工程(S7の工程)において成長する炭化珪素膜の厚みを計測しておき、例えば400nmに制御したい場合には、第1の工程(S6の工程)の時間を少なくすることによって目的を達することができるので、必ずしも第1の実施形態のS6の工程(図6)の説明で示したような温度プロファイルが必須というわけではない。
上記のように実施しても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例である。第2の実施形態では、第2の工程において炭化珪素ソース43部の温度が炭化珪素半導体基板44の温度よりも高くなる場合について述べた。然しながら、図7における高周波加熱コイル42のターン数を下に行くほど少なくするなどによって、図の縦方向温度勾配を大きく設定してもよい。
より詳細には、第1の工程では、第1の実施形態で述べたのと同様に、炭化珪素ソース43部を1650℃に、炭化珪素半導体基板44部の温度を1500℃にし、所定時間経過させた後、投入電力を一旦下げながらグラファイトサセプター41を高周波加熱コイル42の下端よりも下方まで下降させる。
その後、再度高周波加熱コイル42の投入電力を上昇させることによって、炭化珪素ソース43部の温度を炭化珪素半導体基板44温度よりも低く設定できる。これにより、図6の第2の工程の温度プロファイルに示したような温度環境を作ることが可能である。
このように炭化珪素ソース43部と炭化珪素半導体基板44部の温度をそれぞれの工程において独立に制御できればよく、必ずしも熱処理装置は複数ゾーンの加熱手段を具備しなくとも良い。
以上詳述したように本発明によれば、長時間かけて厚いグラファイトキャップ材を形成する必要もなく、また活性化熱処理後にも残渣物などの残らない清浄な表面を得ることができ、ゲート絶縁膜形成前の状態では必須の表面製浄度を保つことが可能になる。更に犠牲酸化によってイオン注入した表面を除去する必要がなくなるので効率の良いドーズを確保することができ、無用の注入ダメージを避けることができる。以上の効果によってゲート絶縁膜の信頼性の低下、ひいては半導体素子特性の悪化を防止することが可能になる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
第1の実施形態に関わる製造方法により製造した縦型パワーMOSFETの摸式断面図である。 第1の実施形態に関わる製造方法のフローチャートである。 第1の実施形態に関わる炭化珪素半導体素子の製造装置の模式断面図である。 第1の実施形態に係る製造装置の第1の変形例の模式断面図である。 第1の実施形態に係る製造装置の第2の変形例の模式断面図である。 第1の実施形態の製造装置における温度プロファイルの例ある。 第2の実施形態に関わる炭化珪素半導体素子の製造置の模式断面図である。
符号の説明
11…n+ 型4H−炭化珪素半導体基板
12…n型エピタキシャル層
13…p型ベース領域
14…n+ 型ソース領域
15…表面チャネル層
16…ゲート酸化膜
17…ゲート電極
18…絶縁膜
19…ソース電極
20…ドレイン電極
21…炭化珪素ソース加熱ヒーター
22…炭化珪素半導体基板加熱ヒーター
23…炭化珪素ソース
24…炭化珪素保持ボート
25…炭化珪素半導体基板
26…炭化珪素半導体基板保持ボート
41…グラファイトサセプター
42…高周波加熱コイル
43…炭化系ソース
44…炭化珪素半導体基板
45…サセプターカバー

Claims (7)

  1. 炭化珪素基板にイオン種を注入する工程と、
    第1の温度にて、第1の場所に前記炭化珪素基板を保持すると共に、前記第1の場所と異なる第2の場所で前記第1の温度より高い第2の温度にて昇華された炭化珪素を、前記炭化珪素基板の表面に炭化珪素を堆積させる工程と、
    前記第2の場所の温度を前記第2の温度よりも低い第3の温度に低下させるとともに、前記第1の場所において前記第1の温度よりも高い第の温度に前記炭化珪素基板の温度を制御して、注入された前記イオン種を活性化させる熱処理を行なう工程と、
    を具備することを特徴とする炭化珪素半導体素子の製造方法。
  2. 前記注入されたイオン種を活性化させる熱処理を行なう工程は、前記炭化珪素を堆積させる工程の後に行なわれることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
  3. 前記第1及び第3の温度は1550℃未満であり、前記第2及び第4の温度は1550℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体素子の製造方法。
  4. 炭化珪素供給源を保持する供給源保持機構と、
    前記炭化珪素供給源が設置されると同一の空間内において、炭化珪素基板を保持する基板保持機構と、
    炭化珪素供給源を1600℃以上の第2の温度に昇温し、前記炭化珪素を昇華させる昇華手段と、
    前記炭化珪素供給源からの昇華による炭化珪素で前記炭化珪素基板の表面が被覆されるときには、前記炭化珪素基板を第1の温度で保持し、前記炭化珪素が被覆された後に、前記炭素供給源の加熱温度を前記第2の温度より低い第3の温度に低下させるとともに、前記炭化珪素基板を前記第1の温度よりも高い第の温度で熱処理する加熱手段と、
    を具備することを特徴とする炭化珪素半導体素子の製造装置。
  5. 前記昇華手段が、前記炭化珪素供給源を1600℃以上に昇温するとき、前記炭化珪素基板の前記第1の温度が1550℃未満の温度となるように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素半導体素子の製造装置。
  6. 前記加熱手段は、前記第1及び第3の温度を1550℃未満とするように構成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の炭化珪素半導体素子の製造装置。
  7. 記昇華手段と、前記加熱手段は、同一のヒータからなり、前記供給源保持機構および前記基板保持機構との相対位置により、前記供給源保持機構および前記基板保持機構の温度が調節可能に構成されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の炭化珪素半導体素子の製造装置。
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