JP5397043B2 - 光学装置および光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、光学装置および光学機器に関する。
レンズ交換式デジタルカメラなどでは、撮像素子ユニットの光学ローパスフィルタ表面にゴミが付着し、撮影した映像にゴミが写り込んでしまうことがある。このような状況を解消するために、撮像素子と光学系との間に防塵部材を配置して撮像素子の防塵を図ると共に、防塵部材に付着したゴミなどを物理的な振動により除去するシステムが開発されている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来のシステムでは、大きな慣性力が発生しにくい質量の小さな塵埃や、帯電による静電気力を介して付着している塵埃については、効率的に除去することが難しかった。
特開2008−99332号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、塵埃を効果的に除去することが可能な光学装置および光学機器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る光学装置(3)は、
光を透過する基板(18)と、
第1方向に間隔を隔てて前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記基板(18)よりも物体側に備えられ光を透過する第1電極(42a)及び第2電極(42b)と、
前記基板との間に前記第1電極及び前記第2電極を挟むように前記基板よりも物体側に備えられ光を透過する表面層と、
前記第1電極(42a)及び前記第2電極(42b)に位相の異なる交流電圧を出力することにより前記第1方向に沿って移動する進行波状の電界を生じさせる出力回路(28)と、
前記基板(18)に備えられ、前記第1電極(42a)及び前記第2電極(42b)重ならない位置に前記第2方向に平行な振動の節が生じるように前記基板(18)を振動させる振動部材(20)
前記第1方向に沿って移動する進行波状の電界を生じさせるように前記出力回路を制御して前記表面層に付着した塵埃を前記第1方向に移動させる第1塵埃除去制御を行った後、
前記第1電極及び前記第2電極に重ならない位置に前記第2方向に平行な振動の節が生じるように前記振動部材を制御して前記第1電極及び前記第2電極に移動した前記塵埃を除去する第2塵埃除去制御を行う制御部とを含む。
出力回路が第1電極及び第2電極に位相の異なる交流電圧を出力することにより、帯電量の比較的大きい塵埃は除去しやすいが、帯電量の比較的小さい塵埃は、基板上であって、第1電極及び第2電極の各々の短手方向の端部付近に集中しやすい。そこで、振動部材は、第1電極及び第2電極と重ならない位置に振動の節が生じるように基板を振動させる。その結果、第1電極または第2電極の近くに振動の腹が位置するように基板を振動させることができる。振動の腹では、塵埃に加速度が大きく作用するため、基板上の電極の近くに残った塵埃を振動により効果的に除去することができる。したがって、帯電している塵埃や帯電せずに付着している塵埃などを、電気的な力と物理的な振動によって効率的に除去することができる。
前記第1電極(42a)および前記第2電極(42b)がストライプ状に交互に配置されても良い。前記出力回路(28)は、前記基板(18)の表面の電界が変化するように前記交流電圧を出力しても良い。前記基板(18)の表面に進行波状の電界が発生するように前記電界を変化させても良い。発生する前記電界の方向が、重力と垂直な方向であっても良い。
これにより、帯電量の比較的大きい塵埃を基板から離れる方向に浮かせることが可能で、基板から離れた塵埃を重力により落下させることができる。
前記出力回路(28)は、前記第1電極(42a)及び前記第2電極(42b)に出力する前記交流電圧の周波数を変化させても良い。塵埃の重さや大きさ、電極間の距離、塵埃の誘電率などによって、塵埃を基板から離れる方向に浮かせるための最適な周波数は異なる。したがって、交流電圧の周波数を変化させることにより、最適な周波数で塵埃を効果的に除去することができる。
前記出力回路(28)は、前記振動部材(20)が前記基板(18)を振動させる前に、前記交流電圧を出力しても良い。すなわち、前記第1電極(42a)および前記第2電極(42b)に交流電圧を印加した後に、前記振動部材(20)が前記基板(18)を振動させても良い。前記振動部材(20)は、互いに隣り合う前記第1電極(42a)と前記第2電極(42b)との間に振動の節が生じるように前記基板(18)を振動させても良い。前記振動部材(20)が前記基板(18)を振動させたときに隣り合う振動の節と節との間に位置する腹の位置が、前記第1電極(42a)および前記第2電極(42b)の一部とオーバーラップしていても良い。前記振動部材(20)は、前記第1電極(42a)及び前記第2電極(42b)の少なくとも一方の近傍に振動の腹が生じるように前記基板(18)を振動させても良い。前記振動部材(20)は、前記第1電極(42a)及び前記第2電極(42b)の少なくとも一方の短手方向の端部の近傍に振動の腹が生じるように前記基板(18)を振動させても良い。前記第1電極(42a)および前記第2電極(42b)の各々の短手方向端部の位置が、前記振動の腹と一致していても良い。
第1電極および第2電極の各々の短手方向端部の位置と、加速度が最大となる振動の腹の位置とを略一致させることにより、基板上であって、第1電極および第2電極の各々の短手方向端部に残った塵埃を、物理的な振動により効果的に除去することができる。
前記振動部材(20)は、前記第1電極(42a)及び前記第2電極(42b)の少なくとも一方の短手方向の中央の近傍に振動の腹が生じるように前記基板(18)を振動させても良い。前記振動部材(20)が前記基板(18)を振動させたときに振動の節となる位置が、隣り合う前記第1電極(42a)と前記第2電極(42b)との間に位置していても良い。前記第1電極(42a)および前記第2電極(42b)の各々の短手方向の中心位置が、前記振動の腹と一致していても良い。
第1電極及び第2電極の位置を、振動時に加速度が最大となる振動の腹の位置と近く構成させることで、基板上であって、第1電極および第2電極の近くに残った塵埃を、物理的な振動により効果的に除去することができる。さらに、電極の短手方向の幅が比較的長い場合には、基板上であって、電極の短手方向の中央の近傍に残っている塵埃を、物理的な振動により効果的に除去することができる。
振動の節の位置に、前記基板(18)を保持する支持部材(10)が位置しても良い。振動の節の位置に支持部材(10)を配置することにより、振動の節の位置で基板を保持するため、振動を阻害することがない。
本発明に係る光学機器は、上記の光学装置(3)を含む。
なお、上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために、実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学装置を搭載したカメラの全体ブロック図である。 図2(a)は、図1に示すカメラの撮像素子ユニットの平面図、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb断面図である。 図3(a)は、図2に示す撮像素子ユニットに備えられる防塵フィルタを用いた除塵動作を説明するための模式図、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb断面図である。 図4(a)は、防塵フィルタに進行波状の電界を発生させた時にゴミが受ける電気的な力を示す模式図、図4(b)は、図4(a)のIV(b)部拡大図である。 図5(a)は、ゴミが防塵フィルタに付着している様子を示す模式図、図5(b)は、電界を発生させた時にゴミに働く帯電力を示すグラフ、図5(c)は、電界を発生させた時にゴミに働く分極力を示すグラフである。 図6(a)〜図6(c)は、電極付近に塵埃が付着する様子を示す模式図である。 図7(a)は、本実施形態に係る防塵フィルタの平面図、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb断面図である。 図8(a)は、本発明の他の実施形態に係る防塵フィルタの平面図、図8(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb断面図である。 図9(a)は、本発明の他の実施形態に係る防塵フィルタの平面図、図9(b)は、図9(a)のIXb−IXb断面図である。
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係る光学装置を搭載したカメラ3の全体ブロック図である。カメラ3は、カメラボディ5とレンズ鏡筒7を有している。レンズ鏡筒7は、カメラボディ5に対して着脱自在に装着される。なお、カメラ3の説明においては、図1および図2等に示すように、光軸Zおよびカメラボディ5の底面5aと垂直な方向をY軸方向、Z軸およびY軸に直交する方向をX軸方向として説明を行う。X軸、Y軸、Z軸は、相互に垂直になっている。
本実施形態に係る光学装置を搭載したカメラとしては、図1に示すようなレンズ交換式カメラに限定されず、レンズ鏡筒7とカメラボディ5とが一体のカメラであってもよく、カメラの種類は特に限定されない。また、本実施形態に係る光学装置は、スチルカメラに限らず、ビデオカメラ、顕微鏡、携帯電話などの光学機器にも適用できる。
カメラボディ5およびレンズ鏡筒7の内部には、光軸Zに沿って、複数の光学部品が配置されている。図1に示すカメラボディ5には撮像素子ユニット15が配置されており、撮像素子ユニット15の光軸Z方向の前方側(Z軸に沿って被写体側を「Z軸の前方側」または「Z軸の正方向側」と称する)には、シャッタ68が配置してある。シャッタ68の光軸Z方向の前方側には、ミラー70が配置してあり、その前方側には、レンズ鏡筒7に内蔵してある絞り部78および光学レンズ群24が配置してある。
カメラボディ5には、ボディCPU50が内蔵してあり、レンズ接点62を介してレンズCPU80に接続してある。ボディCPU50は、レンズ鏡筒7との通信機能と、カメラボディ5の制御機能を有している。レンズ接点62は、ボディCPU50と、レンズCPU80とを電気的に接続する。ボディCPU50には、カメラボディ5およびレンズ鏡筒7に備えられた電子部品に電力を供給するための電源58が接続してある。
ボディCPU50には、レリーズスイッチ52、ストロボ54、表示部56、EEPROM(メモリ)26、画像処理コントローラ66、AFセンサ60、電圧信号出力回路28などが接続してある。画像処理コントローラ66には、インターフェース回路64を介して、撮像素子ユニット15の撮像素子16が接続してある。画像処理コントローラ66およびインターフェース回路64は、ボディCPU50からの信号に基づき、撮像素子16によって撮像された画像の画像処理を制御する。撮像素子16は、たとえばCCDやCMOS等の固体撮像素子を有する。
表示部56は、主として液晶表示装置などで構成され、出力結果やメニューなどを表示する。レリーズスイッチ52は、撮影のタイミングを操作するスイッチである。レリーズスイッチ52は、ボディCPU50に対して、半押し信号および全押し信号を出力する。ボディCPU50は、レリーズスイッチ52から半押し信号が入力されると、AF制御、AE制御等の撮影準備動作を制御し、レリーズスイッチ52から全押し信号が入力されると、ミラーアップ、シャッタ駆動等の露光動作を制御する。
クイックリターンミラー70は、構図決定の際にファインダーに像を映し出すためのもので、露光中は光路から退避する。クイックリターンミラー70は、不図示のミラー駆動部(例えばDCモータ)により駆動される。
クイックリターンミラー70には、AFセンサ60に光を導くサブミラー70aが連結してある。このサブミラー70aも、露光中は光路から退避する。
シャッタ68は、露光時間を制御する。シャッタ68は、ボディCPU50からの制御に基づき、不図示のシャッタ駆動部(例えばDCモータ)によって駆動される。
AFセンサ60は、オートフォーカス(AF)を行うためのセンサである。このAFセンサ60としては、通常CCDが用いられる。EEPROM26は、ボディCPU50による制御に必要なパラメータ等を記憶しており、必要に応じてボディCPU50に出力する。
図1に示すレンズ鏡筒7には、焦点距離エンコーダ74、距離エンコーダ72、絞り部78、絞り部78を駆動する駆動モータ76、レンズCPU80、レンズ接点62及び光学レンズ群24等が具備してある。
レンズCPU80は、ボディCPU50との通信機能と、レンズ鏡筒7に搭載された電子部品の制御機能とを有している。例えば、レンズCPU80は、焦点距離情報、被写体距離情報等を、レンズ接点62を介してボディCPU50に出力する。また、レンズCPU80には、ボディCPU50から、レリーズ情報、AF情報が入力される。レンズCPU80は、これらの情報に基づき、絞り78の駆動モータ76等を制御することができる。
焦点距離エンコーダ74は、不図示のズームレンズ群の位置情報から、焦点距離を算出し、レンズCPU80に出力する。距離エンコーダ72は、フォーカシングレンズ群の位置情報より被写体距離を算出し、レンズCPU80に出力する。
図1に示すように、カメラボディ5には、電圧信号出力回路28が備えられている。電圧信号出力回路28は、ボディCPU50からの制御信号に基づき、撮像素子ユニット15における防塵フィルタ18に備えられる複数の電極に電圧を出力する。
また、カメラボディ5には、圧電素子駆動回路29が備えられている。圧電素子駆動回路29は、ボディCPU50からの制御信号に基づき、撮像素子ユニット15における防塵フィルタ18に備えられる圧電素子が有する電極に電圧を出力する。
図2(a)は、図1に示すカメラ3に搭載された撮像素子ユニット15の平面図、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb断面図である。図2(a)および図2(b)に示すように、撮像素子ユニット15は、ユニット固定基板14と、ケース12と、防塵フィルタ18と、撮像素子16とを有する。防塵フィルタ18は、後述するように、基材部40と、透明電極42と、表面層44とを有する。図2(a)に示すように、防塵フィルタ18のZ軸正方向の表面には、圧電素子20が配置される。図2(b)に示すように、ユニット固定基板14のZ軸正方向側の表面14aには、撮像素子16とケース12とが設置されている。撮像素子16は、撮像面16aをZ軸正方向側に向けた状態で配置される。ケース12は、Z軸方向から見ると額縁形状を有しており、撮像素子16の周辺を取り囲むように配置される。ケース12は、例えば合成樹脂またはセラミック等の絶縁性の材料を用いて形成される。
図2(a)および図2(b)に示すように、ケース12の内周面には、防塵フィルタ18を取り付けるための取付面12aが形成されており、取付面12aに沿って封止部材17が配置されている。図2(a)に示すように、防塵フィルタ18は、Z軸方向から見て矩形平板形状を有している。防塵フィルタ18は、防塵フィルタ18のX軸方向両端部を加圧するように配置された加圧部材(支持部材)10によって押さえられている。加圧部材10の両端部は、ケース12に対してネジ止めされている。封止部材17は、例えば合成樹脂あるいはゴムなどの弾性部材で構成され、防塵フィルタ18とケース12の間を封止している。撮像素子16は、防塵フィルタ18に対向して設けられ、防塵フィルタ18を透過した光は、撮像素子16の撮像面16aに入射する。
図3(b)に示すように、防塵フィルタ18は、基材部40と、複数の電極42と、表面層44とを有する。防塵フィルタ18におけるZ軸正方向側の表面であって、X軸方向の片方の端部には、圧電素子20がY軸方向に延在するように配置されている。基材部40は、矩形平板状の形状を有しており、Z軸負方向側に設けられた撮像素子16に向かう光を透過させる。防塵フィルタ18における基材部40は、複屈折性を有する複屈折板である。
電極42及び表面層44は、基材部40と同程度の透過率を有することが好ましい。例えば、電極42、表面層44及び基材部40は、入射した可視光の全域(例えば、波長が0.38μm以上、0.75μm以下の光)において、80%以上100%以下の透過率を有することが好ましい。透過率が80%以上100%以下であれば、静止画、動画等の撮影画像を取得するのに十分な光学特性が得られるからである。更に好ましくは、電極42、表面層44及び基材部40は、入射した可視光の全域において、90%以上100%以下の透過率を有することが好ましい。透過率が90%以上100%以下であれば、高精細な静止画の撮影画像を取得するのに十分な光学特性が得られるからである。
また、電極42、表面層44及び基材部40を光が透過することにより撮像素子16に到達する光の光量が低下する場合には、撮像素子16で得られる信号を処理(アナログ処理又はデジタル処理)して撮影画像の光量を実質的に増加させてもよい。
図3(b)に示すように、基材部40のZ軸正方向側の表面40aには、複数の電極42が形成されている。電極42は、例えばITO(酸化インジウムスズ)やZnO(酸化亜鉛)等の光を透過する材料を用いて形成される。電極42は、圧電素子20が取付けられる面を除く基材部40の全体表面に形成されており、後述のように、防塵フィルタ18の表面に付着する塵埃を除去する電界を発生させる。電極42は、図3(a)に示すように、電極42a〜42dで示され、基材部40の表面に沿って帯状に形成されている。本実施形態における防塵フィルタ18において、電極42(42a〜42d)は、図3(a)に示すように、基材部40の短辺40cに略平行な方向に延在するように形成されている。
図3(a)および図3(b)に示すように、複数の電極42は、基材部40の長辺40dに沿って、例えば所定ピッチd1であって、互いの間隔d2が所定間隔となるように配置される。図3(a)に示すように、各電極42(42a〜42d)の一方の端部には、配線部38が接続してあり、電極42(42a〜42d)は、配線部38を介して、図1に示す電圧信号出力回路28に対して電気的に接続されている。本実施形態に係る配線部38はFPC(フレキシブルプリント基板)であるが、電極42(42a〜42d)に電圧信号を伝えるものであれば特に限定されない。
本実施形態における複数の電極42は、第1の電圧信号が入力される第1グループの電極42aと、第2の電圧信号が入力される第2グループの電極42bと、第3の電圧信号が入力される第3グループの電極42cと、第4の電圧信号が入力される第4グループの電極42dによって構成される。
各グループの電極42a,42b,42c,42dは、複数の電極42が延在する方向であるY軸方向とは垂直なX軸方向に沿って、第1グループの電極42a、第2グループの電極42b、第3グループの電極42c、第4グループの電極42dの順番に、所定の間隔を隔てて周期的に配置される。すなわち、図3(a)に示すように、1つの第1グループの電極42a1と、これと同位相の電圧信号が印加される他の1つの第1グループの電極42a2との間には、第1グループの電極42aとは異なる位相の電圧信号が印加される1つの第2グループの電極42bと、1つの第3グループの電極42cと、1つの第4グループの電極42dとが、互いに間隔を隔てて備えられる。第2グループの電極42b、第3グループの電極42c、第4グループの電極42dについても、第1グループの電極42a1,42a2と同様である。
本実施形態に係る防塵フィルタ18は、複数の電極42の表面を覆うように、防塵フィルタ18のZ軸正方向側の表面に設けられた表面層44を有する(図3(b)参照)。表面層44は、絶縁性を有し光を透過する材料によって形成される。
表面層44の屈折率は、電極42の屈折率と近いことが好ましく、とくに、略等しいことが好ましい。また、表面層44における光の分散(屈折率の光の波長による変化)は、電極42における光の分散と近いことが好ましく、とくに、略等しいことが好ましい。このように、電極42と表面層44との光学特性を近づけることで、撮像素子16によって撮像される像に電極42の影が写り込むことを低減することができる。また、表面層44は撥水性を有していてもよく、表面層44が撥水性を有する場合は、防塵フィルタ18に対する塵埃37の付着力を低減することができる。また、表面層44は微細な凹凸を有していてもよく、表面層44が微細な凹凸を有する場合は、防塵フィルタ18に対する塵埃37の付着力(分子間力)を低減することができる。
図3に示すように、圧電素子20は、防塵フィルタ18のZ軸正方向の表面であって、片方のX軸方向端部付近に、基材部40の短辺40cに略平行な方向に延在するように配置されている。したがって、圧電素子20が延在する方向と電極42(42a〜42d)が延在する方向とは、略一致している。圧電素子20は、圧電素子20に電圧を印加するための電極等を有しており、配線部38を介して圧電素子20に電圧を供給可能になっており、図1に示す圧電素子駆動回路29によって駆動される。圧電素子駆動回路29は、防塵フィルタ18に振動の節および振動の腹が生じるように、圧電素子20を駆動する(詳細は後述する)。
次に、上述した防塵フィルタ18に進行波状の電界を発生させて除塵動作を行う仕組みについて、図3(a)を用いて説明する。電圧信号出力回路28は、信号生成部82と、位相調整部84と、増幅部86とを有する。信号生成部82は、所定の周期を有する交流電圧信号を生成し、位相調整部に出力する。位相調整部84は、交流電圧信号の位相を調整し、互いに異なる位相の4つの交流電圧信号を生成し、増幅部86に出力する。
増幅部86は、4つの交流電圧信号を、所定の振幅に増幅した後、駆動電圧信号として出力する。増幅部86は、配線部38を介して、防塵フィルタ18に備えられる電極42(42a〜42d)に、駆動電圧信号を出力する。したがって、電圧信号出力回路28は、互いに位相の異なる第1駆動電圧信号ch1、第2駆動電圧信号ch2、第3駆動電圧信号ch3および第4駆動電圧信号ch4を、防塵フィルタ18に備えられる電極42(42a〜42d)に出力することができる。
配線部38は、第1駆動電圧信号ch1を第1グループの電極42aに伝える第1配線部38aと、第2駆動電圧信号ch2を第2グループの電極42bに伝える第2配線部38bと、第3駆動電圧信号ch3を第3グループの電極42cに伝える第3配線部38cと、第4駆動電圧信号ch4を第4グループの電極42dに伝える第4配線部38dとを有する。
第1〜第4駆動電圧信号ch1〜ch4は、互いに位相が4分の1周期ずつずれた方形波の信号であるが、これに限定されず、正弦波や三角波等の信号であってもよい。
電圧信号出力回路28は、防塵フィルタ18の表面に備えられた複数の電極42に電圧を印加することによって、防塵フィルタ18の表面の電界を変化させることができる。本実施形態に係る防塵フィルタ18は、光を透過する電極42(42a〜42d)が縞状に配置されており、電極42に4相の交流電圧が印加されるため、進行波状の電界を防塵フィルタ18の表面に発生させることができる。
すなわち、防塵フィルタ18の表面には、各グループの電極42a,42b,42c,42dが、X軸方向に沿って周期的に配置されており、各グループの電極42a,42b,42c,42dに対して、それぞれに対応する駆動電圧信号ch1,ch2,ch3,ch4が印加される。これによって防塵フィルタ18の表面には、X軸方向に沿って移動する進行波状の電界が発生し、防塵フィルタ18の表面に存在する塵埃37は、電界から与えられる静電気力によって移動させられる。
本実施形態に係る電極42(42a〜42d)には、4相の駆動電圧信号が印加されるが、本実施形態に係る電極42に印加される駆動電圧信号は、単相であってもよく、2相であってもよい。単相の場合であっても、防塵フィルタ18の表面の電界を変化させて、防塵フィルタ18の表面に存在する塵埃を移動させることができる。また、2相以上であれば、防塵フィルタ18の表面の電界を移動させて、防塵フィルタ18の表面に存在する塵埃を移動させることができる。
しかし、複数の電極42に印加させる駆動電圧信号は、3相以上であることが好ましい。周期的に配置された3以上のグループによって構成される電極42に、各グループに対応する交流電圧信号を印加することによって、防塵フィルタ18の表面に、進行波状の電界を容易に発生させることができる。なお、図示の実施例では、4グループの電極を用いた場合を例にして説明したが、電極グループは、2グループでもよいし、3グループでもよいし、5グループ以上であってもよい。
帯電量の比較的大きい塵埃は、電界の影響を受けやすく、進行波状の電界の発生により防塵フィルタから離れやすい。電界によって塵埃に与えることのできる力は、塵埃の帯電量に比例するためである。しかし、帯電量の比較的小さい塵埃が防塵フィルタから離れるのは、電界から受ける静電気力において、塵埃に働く帯電力が分極力よりも大きい場合である。これを説明するために、塵埃に働く帯電力と分極力との関係を模式的に示したのが、図4(b)である。なお、図4(a)は、図3(a)の(A)に示すタイミングで電界が塵埃に作用する様子について模式的に示しており、図4(b)は図4(a)のIV(b)部拡大図である。図4(b)に示すように、+に帯電している塵埃37aには、分極力よりも帯電力の方が大きく作用しているので、塵埃37aは防塵フィルタ18から離れる方向に移動しようとする。−に帯電している塵埃37bにも、分極力よりも帯電力の方が大きく働いているので、塵埃37bは防塵フィルタ18から離れる方向に移動しようとする。図4(b)に示す塵埃37c〜37eについては、電極42の端部に近い位置ほど分極力が強く働くことを模式的に示している。以上のことから、塵埃に働く分極力よりも帯電力を大きくすれば、塵埃は防塵フィルタから離れる力を受けることが分かる。
そこで、図5(a)に示す所定の大きさの塵埃37に強い帯電力を作用させることにより、塵埃37を防塵フィルタ18から引き離すことを目的として、たとえば図5(b)および図5(c)に示すように表面層44の厚みを薄くして、電界を強くすることが考えられる。図5(b)に示すように、Z軸正方向への帯電力Fczは、電極の端部42e付近においてFczの絶対値が約500nNである。しかし、図5(c)に示すように、塵埃37を防塵フィルタ18に近づける分極力Fpzは、電極の端部42e付近においてFpzの絶対値が約2000nNであり、帯電力よりも強い分極力が塵埃37に働いていることが分かる。なお、塵埃37をX軸方向へ動かそうとする帯電力Fcxは、図5(b)に示すように、電極42,42同士の中間点において最大値Fcxの絶対値が約700nNであり、図5(c)に示すように、電極42,42同士の中間点においてX軸方向への分極力Fpx=0となっている。しかし、上述した分極力Fpzは、電極42,42同士の中間点であっても、Fpzの絶対値が約1400nNであり、やはり帯電力よりも強い分極力が塵埃37に働いていることが分かる。なお、本実施形態で述べる帯電力とは、塵埃の粒子の中心に電荷があると仮定して計算した静電気力である。
以上述べたような原理により、強い電界を発生させて塵埃を除去しようとすると、電極42の端部に帯電量の比較的小さい塵埃が集まることが判明した。この様子を実験的に確認したのが図6であり、図6(a)は、電極幅d3=0.2mm、電極間の間隔d2=0.2mm、表面層44の厚さ4μmを有する防塵フィルタ18aに対し、防塵フィルタ18aが有する電極群にある特定の周波数の駆動電圧信号を印加して電界を発生させた結果を、防塵フィルタ18aのZ軸正方向から見た平面図である。図6(b)は、電極幅d3=0.2mm、電極間の間隔d2=1.0mm、表面層44の厚さ4μmを有する防塵フィルタ18bに対し、防塵フィルタ18bが有する電極群にある特定の周波数の駆動電圧信号を印加して電界を発生させた結果を、防塵フィルタ18bのZ軸正方向から見た平面図である。防塵フィルタ18a,18b上の白い点状で示しているのが塵埃である。なお、図6(c)に示すように、電極幅d3が比較的広い場合には、電極のX軸方向中央付近に塵埃が残る場合があるが、これについては第2実施形態にて詳述する。
図6(a)および図6(b)から分かるように、強い電界を発生させ、特定の周波数で駆動電圧信号を印加すると、電極群を構成する各電極のX軸方向の端部に塵埃が集中する。
そこで本実施形態では、まず、電界の発生によって、帯電量の比較的大きい塵埃を除去すると共に、帯電量の比較的小さい塵埃を、各電極のX軸方向の端部に集中させる(第1段階)。そして、各電極のX軸方向の端部に振動の腹が位置するように圧電素子20を駆動させることにより、面外方向への強い加速度により塵埃を物理的に除去する(第2段階)。
除塵動作の第1段階において、図3(a)において説明したように、電圧信号出力回路28が電極42(42a〜42d)に電圧を印加することにより、進行波状の電界を防塵フィルタ18の表面に発生させる。塵埃の粒径や重さ、電極間の距離、塵埃の誘電率などによって、塵埃を除去するために適切な周波数は異なる。したがって、好ましくは、図4に示す信号生成部82は、生成する交流電圧信号の周期を段階的に変化させることにより、図3(a)に示す第1〜第4駆動電圧信号ch1〜ch4の駆動周波数を変化させる。
周波数が最適な場合に、防塵フィルタ18から離れる方向に浮いた塵埃37は、粒子によっては複数の電極42が延在するY軸方向と垂直な方向に電界による拘束力を受けるが、複数の電極42が延在するY軸と平行な方向には、電界による力は働かない。したがって、発生する電界の方向が、重力と垂直な方向になるように、図3に示すように複数の電極42を防塵フィルタ17の基材部40の短辺40cに略平行な方向に延在するように形成する。これにより、図1に示すカメラ3が正位置の時に除塵動作を行うことで、防塵フィルタ18から浮かせた塵埃37を重力方向へ落下させることができる。
なお、塵埃によっては、上述したように、強い分極力により電極42(42a〜42d)のX軸方向端部に集中しやすい。したがって、この特定箇所に集中させた塵埃を、以下に述べる第2段階で除去する。
図7に基づいて、除塵動作の第2段階について説明する。図7は、図2に示す撮像素子ユニット15に備えられる防塵フィルタ18の平面図(図7(a))および断面図(図7(b))である。第2段階では、図1に示す圧電素子駆動回路29が、図7に示す圧電素子20に電圧を印加することにより、電極42(42a〜42d)のX軸方向端部に振動の腹の少なくとも一部が略一致するように防塵フィルタ18を物理的に振動させる。なお、図7(b)および後述する実施形態で説明を行う図8(b),図9(b)では、振動の腹の位置で除塵される様子を分かりやすく示すために、Z軸方向への振動を誇張して描いてある。
より好ましくは、電極42(42a〜42d)のX軸方向端部に振動の腹のピークが略一致するように防塵フィルタ18を振動させる。振動の腹のピークにおいて、振動時に加速度が最大となるからである。図7に示すような電極42(42a〜42d)の配置である場合には、24次の屈曲振動モードで振動させることが好ましい。振動モードの次数はこれに限定されず、目的に応じて最適な設定にすることができる。
また、図3(a)に示す1つの第1グループの電極42a1と、これと同位相の電圧信号が印加される他の1つの第1グループの電極42a2との間隔は、圧電素子20に電圧を印加した時の防塵フィルタ18の振動波長(または振動波長の整数倍)と略等しいことが好ましい。この場合、第1グループの電極42a1が振動の腹とオーバーラップしている時に、第1グループの他の電極も振動の腹とオーバーラップすることになるためである。第2グループの電極42b、第3グループの電極42c、第4グループの電極42dについても、第1グループの電極42a1,42a2と同様である。
なお、第2段階における電圧の印加によって生じる振動の節の位置に一致するように図2(a)に示す加圧部材(支持部材)10が防塵フィルタ18に接触するようにすることが好ましい。
本実施形態では、第2段階で圧電素子20に電圧を印加することにより、第1段階において電極42(42a〜42d)のX軸方向端部に集中させた塵埃37を防塵フィルタ18から、物理的な振動によって引き剥がして効果的に除去することができる。
また、電圧信号出力回路28が、例えば第1グループの電極42a、第2グループの電極42bに位相の異なる交流電圧を出力することにより、帯電量の比較的大きい塵埃を除去する。帯電量の比較的小さい塵埃は、防塵フィルタ18上であって、電極42a、電極42bの各々の短手方向の端部付近に集中しやすい。そこで、圧電素子20は、電極42a、電極42bの少なくとも一方と重ならない位置に振動の節が生じるように防塵フィルタ18を振動させる。これにより、防塵フィルタ18に残った塵埃を振動により効果的に除去することができる。したがって、帯電している塵埃や帯電せずに付着している塵埃などを、電気的な力と物理的な振動によって除去することができる。
進行波状の電界を発生させることにより、帯電量の比較的大きい塵埃を防塵フィルタ18から離れる方向に浮かせることが可能で、防塵フィルタ18から離れた塵埃を重力により落下させることができる。
また、塵埃の重さや大きさ、電極間の距離、塵埃の誘電率などによって、塵埃を防塵フィルタ18から離れる方向に浮かせるための最適な周波数は異なる。したがって、交流電圧の周波数を変化させることにより、最適な周波数で塵埃を効果的に除去することができる。
さらに、電極42(42a〜42d)の各々の短手方向端部の位置と、加速度が最大となる振動の腹の位置とを略一致させることにより、防塵フィルタ18上であって、電極42(42a〜42d)の各々の短手方向端部に残った塵埃を、物理的な振動により効果的に除去することができる。
また、振動の節の位置に、防塵フィルタ18を保持する加圧部材(支持部材)10を配置して接触させることにより、振動の節の位置で基板を保持するため、振動を阻害することがない。
第2実施形態
第2実施形態では、図8(a)〜図9(b)に示すように、屈曲振動させた時の振動の腹のピークと電極42(42a〜42d)のX軸中央部の位置とが重なるように構成される以外は、図1〜図7に示す第1実施形態と同様であり、重複する説明は省略する。
図8(a)および図8(b)に示すように、防塵フィルタ18は、基材部40と、複数の電極42と、表面層44とを有する。基材部40のZ軸正方向側の表面には、図3(b)に示す防塵フィルタ18と同様に、複数の電極42が形成されている。複数の電極42は、図8(a)に示すように、基材部40の表面に沿って帯状に形成されている。本実施形態における防塵フィルタ18では、電極42(42a〜42d)は、Y軸に略平行な方向に延在するように形成されている。
圧電素子20は、防塵フィルタ18のZ軸正方向の表面であって、片方のX軸方向端部付近に、Y軸に略平行な方向に延在するように配置されている。したがって、圧電素子20が延在する方向と電極42(42a〜42d)が延在する方向とは、略一致している。しかも、本実施形態では、各電極42(42a〜42d)のX軸中央部の位置と、振動時に加速度が最大となる振動の腹のピークの位置とが重なるように構成される。
そこで、本実施形態では、除塵動作の第2段階において、図1に示す圧電素子駆動回路29が、図8(a)に示す配線部38を介して圧電素子20に電圧を印加し、隣り合う電極42同士の間に振動の節が生じるように基材部40を屈曲振動させる。しかも、各電極42(42a〜42d)のX軸中央部の位置と、振動時に加速度が最大となる振動の腹のピークの位置とが略一致するように基材部40を屈曲振動させる。図8に示すように、電極間の間隔d21が比較的狭い場合には、例えば12次の屈曲振動モードで振動させることで、隣り合う電極間に振動の節が生じ、電極42(42a〜42d)のX軸中央部の位置と、振動の腹のピークの位置とが略一致する。また、図9に示すように、電極間の間隔d22が比較的広い場合には、例えば7次の屈曲振動モードで振動させることで、隣り合う電極間に振動の節が生じ、電極42(42a〜42d)のX軸中央部の位置と、振動の腹のピークの位置とが略一致する。なお、屈曲振動モードの次数は特に限定されず、電極42の配置数やピッチなどに応じて変化させれば良い。
このように、本実施形態においても第1実施形態と同様に、除塵動作の第1段階において電界を発生させて塵埃を特定箇所に集中させておき、第2段階において圧電素子20が防塵フィルタ18に物理的な振動を発生させることにより、集まった塵埃を除去する。
なお、図6(c)に示すように、電極幅d3が比較的広い場合には、電極の端部だけでなく、電極のX軸中央付近にも塵埃が残る場合がある。電極幅d3が比較的広い場合には、電極中央付近では、帯電力・分極力が共にゼロに近いためと考えられる。この様子を実験的に示したのが、図6(c)である。図6(c)は、電極幅d3=1.0mm、電極間の間隔d2=1.0mm、表面層44の厚さ4μmを有する防塵フィルタ18cに対し、防塵フィルタ18cが有する電極群にある特定の周波数の駆動電圧信号を印加して電界を発生させた結果を、防塵フィルタ18cのZ軸正方向から見た平面図である。防塵フィルタ18c上の白い点状で示しているのが塵埃である。
図6(c)から分かるように、電極幅d3が比較的広い場合には、強い電界を発生させ、特定の周波数で駆動電圧信号を印加すると、電極群を構成する各電極のX軸方向の端部に塵埃が集中すると共に、電極のX軸中央付近にも塵埃が残りやすい。本実施形態では、各電極のX軸方向中央部と振動の腹のピークの位置とを略一致させるので、このような塵埃を除去することができる。
このように、電極42(42a〜42d)の位置を、振動時に加速度が最大となる振動の腹の位置と近く構成させることで、防塵フィルタ18上であって、電極42(42a〜42d)の近くに残った塵埃を、物理的な振動により効果的に除去することができる。さらに、電極42(42a〜42d)の短手方向の幅が比較的長い場合には、防塵フィルタ18上であって、電極42(42a〜42d)の短手方向の中央の近傍に残っている塵埃を、物理的な振動により効果的に除去することができる。
なお、上述した実施形態では、図2(b)に示すように、防塵フィルタ18の基材部40のZ軸正方向の面40aに複数の電極42が配置される例を示したが、これに限定されるものではない。たとえば、基材部40のZ軸負方向の面40bに、撮像素子16の撮像面16aと対向するように複数の電極42が配置されてもよい。また、圧電素子20も、基材部40のZ軸負方向の面40bに配置されてもよい。さらに、圧電素子20と複数の電極40とが、基材部40のそれぞれ反対側の面40a,40bに配置されてもよい。
なお、配線部38について、圧電素子20への配線と電極42(42a〜42d)への配線は別であっても良い。
また、本実施形態では、防塵フィルタ18を矩形として説明を行ったが、これに限定されず、たとえば円形でもよい。
なお、本実施形態では、図3に示すように1個の圧電素子20が防塵フィルタ18のX軸方向の片方の端部付近に配置される例を示したが、これに限定されない。2個以上の圧電素子をX軸方向の両端部付近に配置してもよい。
また、本実施形態に係る光学装置を搭載した光学機器としては、上述したスチルカメラ、ビデオカメラ、顕微鏡、携帯電話などの他に、太陽電池パネル等にも応用することができる。
15…撮像素子ユニット
16…撮像素子
18…防塵フィルタ
20…圧電素子
28…電圧信号出力回路
29…圧電素子駆動回路
37…塵埃
40…基材部
42…電極
42a…第1グループの電極
42b…第2グループの電極
42c…第3グループの電極
42d…第4グループの電極
44…表面層
50…ボディCPU

Claims (7)

  1. 光を透過する基板と、
    第1方向に間隔を隔てて前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記基板よりも物体側に備えられ光を透過する第1電極及び第2電極と、
    前記基板との間に前記第1電極及び前記第2電極を挟むように前記基板よりも物体側に備えられ光を透過する表面層と、
    前記第1電極及び前記第2電極に位相の異なる交流電圧を出力することにより前記第1方向に沿って移動する進行波状の電界を生じさせる出力回路と、
    前記基板に備えられ、前記第1電極及び前記第2電極に重ならない位置に前記第2方向に平行な振動の節が生じるように前記基板を振動させる振動部材と、
    前記第1方向に沿って移動する進行波状の電界を生じさせるように前記出力回路を制御して前記表面層に付着した塵埃を前記第1方向に移動させる第1塵埃除去制御を行った後、
    前記第1電極及び前記第2電極に重ならない位置に前記第2方向に平行な振動の節が生じるように前記振動部材を制御して前記第1電極及び前記第2電極に移動した前記塵埃を除去する第2塵埃除去制御を行う制御部とを含むことを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載された光学装置であって、
    前記表面層には撥水処理が施されていることを特徴とする光学装置。
  3. 請求項1に記載された光学装置であって、
    前記表面層は表面に凹凸が施されていることを特徴とする光学装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された光学装置であって、
    前記第1電極、前記第2電極及び前記表面層は、光の分散特性が略等しいことを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された光学装置であって、
    前記基板を保持する支持部材は、前記振動の節の位置に備えられていることを特徴とする光学装置。
  6. 請求項1から請求項5までの何れか1項に記載された光学装置であって、
    前記出力回路は、前記第1塵埃除去制御において前記第1電極及び前記第2電極に出力する前記交流電圧の周波数を変化させることを特徴とする光学装置。
  7. 請求項1から請求項6までの何れか1項に記載された光学装置を含むことを特徴とする光学機器。
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