JP5675265B2 - 振動装置及びそれを用いた画像機器 - Google Patents

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Description

本発明は、自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子を備える撮像装置や、スクリーンに投影する画像を表示する表示素子を備える画像投影装置等の、画像形成素子を備える画像機器、及び、そのような画像機器において画像形成素子の前面に配される防塵部材を振動させる振動装置に関する。
近年、撮像素子を用いた撮像装置や液晶等の表示素子を用いた画像投影装置のような、画像形成素子を用いた画像機器において、画質の向上は著しい。そのため、撮像素子や表示素子といった画像形成素子の表面またはその前面に位置する透明部材(光学素子)の表面に塵埃が付着することで、生成する画像に塵埃の影を画像に生じさせてしまうことが、大きな問題となっている。
例えば、カメラ本体に対して撮影光学系を着脱自在となるように構成し、ユーザが所望するとき所望の撮影光学系を任意に着脱し交換することで、単一のカメラ本体において複数種類の撮影光学系を選択的に使用し得るように構成した所謂「レンズ交換可能な」形態のデジタルカメラが、一般に実用化されている。このようなレンズ交換可能なデジタルカメラにおいては、当該撮影光学系をカメラ本体から取り外した際にカメラが置かれた周囲環境に浮遊する塵埃がカメラ本体内に侵入し、あるいは、カメラ本体内部には例えばシャッタ・絞り機構等の機械的に動作する各種の機構が配されていることから、これら各種の機構等からその動作中にゴミ等が発生し、撮像素子の表面やその前面に位置するレンズやカバーガラス等の透明部材(光学素子)の表面に塵埃が付着してしまう場合がある。
また、CRT、液晶等の表示素子に表示した画像を、光源と投影光学系とを用いてスクリーン上に拡大投影し、画像を観賞するといったプロジェクタも実用化されており、そのようなプロジェクタにおいても、表示素子の表面やその前面に位置するレンズやカバーガラス等の透明部材(光学素子)の表面に塵埃が付着して、塵埃の影がスクリーンに拡大投影されてしまうことが発生することもあった。
そこで、そのような画像機器内部の画像形成素子表面やその前面に位置するレンズやカバーガラス等の透明部材(光学素子)の表面に付着した塵埃を除去する機構が各種開発されている。
例えば、特許文献1は、光学ローパスフィルタ410が、撮影光軸方向に複数に分離されており、第1群の光学部材411、第2群の光学部材412、及び第3群の光学部材413によって構成され、そのうち第1群の光学部材411には、その表面に付着した塵埃等の異物を除去するために、圧電素子430によって撮影光軸に対して直交方向の振動が与えられる、光学ローパスフィルタ410、圧電素子430、撮像素子33等がユニット化された撮像ユニット400を開示している。この撮像ユニット400は、第1群の光学部材411を、単結晶構造を持つ水晶からなる複屈折板とすることで、非晶材料であるガラス等に比べて共振の鋭さを示すQ値が高く、振動が減衰しにくい性質を持つので、より効率的に振動させることができる、というものである。
上記特許文献1に開示の撮像ユニット400では、光学ローパスフィルタ410を構成する第1群の光学部材411の上辺には、断面が略L字形状の振動伝達部材431が接着固定され、その対向する下辺には、断面が略L字形状の付勢力伝達部材441が接着固定されている。また、ローパスフィルタ410を保持するローパスフィルタ保持部材420の枠部420aの上辺には、圧電素子430を収納するための収納部421が形成され、圧電素子430は、その一端面が枠部420aに接着等により固定され、電圧の印加による伸縮方向が撮影光軸に対して直交方向(カメラ上下方向)となるように保持されている。また、上記光学部材411は、規制部材460の腕部460cと撮像素子保持部材510との間に配置され、撮像素子保持部材510に対して規制部材460をビス550によって固定されることにより保持される。
特開2008−28674号公報
上記特許文献1に開示の撮像ユニット400では、第1群の光学部材411は、断面が略L字形状の振動伝達部材431が接着固定されているため、この第1群の光学部材411は全体としてもL字状の形状をしている。
しかしながら、別部材同士を接着してL字状の形状としているので、圧電素子430からの振動はその部位で変換されてしまう。そのため、第1群の光学部材411に発生する振動波形を設計する際、接着剤や振動伝達部材431の形状をも考慮して振動の節を狙った保持構造や、適切な保持力量としなければならない。また、接着剤や振動伝達部材431を取り付けるため構造が複雑となり、その分、大型化する。
また、上記光学部材411は、撮像素子保持部材510に固定される際、規制部材460やビス等が必要となり部品点が多くなり、その分、大型化してしまう。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、防塵部材及び圧電素子等の加振部材の取付け構造が簡単で、当該取付け構造を簡単にしても所望の振動波形を防塵部材に発生可能な小型の振動装置、及び、そのような振動装置を用いた画像機器を提供することを目的とする。
本発明の振動装置の一態様は、
光学的な画像を生成するための画像形成素子を保持する画像形成ユニットの前面に配置されていて、当該画像形成素子から入射する光または上記画像形成素子へ入射する光が透過する多角形状をした板状の光透過部と、当該多角形状をした光透過部の全ての辺または全ての辺の近傍から当該画像形成ユニットが位置する方向へ所定角度傾斜して延出する複数の足部と、を有する箱形状の防塵部材と、
上記防塵部材に設けられた足部を支持する支持部材と、
上記複数の足部の少なくとも1つに固定されていて、上記光透過部の面に垂直な振動振幅を付与する加振部材と、
上記防塵部材の足部と上記支持部材との間を密閉するように配置された弾性部材と、
を具備し、
上記防塵部材の上記光透過部及び上記複数の足部は、同一の材料を用いて形成され、
上記防塵部材は、当該防塵部材の足部と支持部材との間に配置された上記弾性部材の弾性力によって保持されている、
ことを特徴とする。
また、本発明の画像機器の一態様は、
光学的な画像を生成するための画像形成素子を保持する画像形成ユニットと、
上記画像形成ユニットの前面に配置されていて、当該画像形成素子から入射する光または上記画像形成素子へ入射する光が透過する多角形状をした板状の光透過部と、当該多角形状をした光透過部の全ての辺または全ての辺の近傍から当該画像形成ユニットが位置する方向へ所定角度傾斜して延出する複数の足部と、を有する箱形状の防塵部材と、
上記防塵部材に設けられた足部を支持する支持部材と、
上記複数の足部の少なくとも1つに固定されていて、上記光透過部の面に垂直な振動振幅を付与する加振部材と、
上記防塵部材の足部と上記支持部材との間を密閉するように配置された弾性部材と、
を具備し、
上記防塵部材の上記光透過部及び上記複数の足部は、同一の材料を用いて形成され、
上記防塵部材は、当該防塵部材の足部と支持部材との間に配置された上記弾性部材の弾性力によって保持されている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、その内の少なくとも1つに加振部材が固定された防塵部材の複数の足部と光透過部とを同一の材料を用いて形成し、それら足部と該足部を支持する支持部材との間に弾性部材を配置して、該弾性部材の弾性力によって防塵部材を保持するように構成したので、防塵部材及び圧電素子等の加振部材の取付け構造が簡単であり、当該取付け構造を簡単にしても、弾性部材は防塵部材の振動を阻害することはないので、所望の振動波形を防塵部材に発生することが可能となる小型の振動装置、及び、そのような振動装置を用いた画像機器を提供することができる。
図1は、本発明の画像機器の第1実施形態としてのデジタルカメラの主に電気的なシステム構成例を概略的に示すブロック図である。 図2は、デジタルカメラの塵埃除去機構を含む撮像ユニットの縦断側面図である。 図3(A)は、第1実施形態としてのデジタルカメラにおける塵埃除去機構の斜視図、図3(B)は、図3(A)でのBB線断面図、図3(C)は図3(B)の断面図の要部を拡大して示す図である。 図4(A)は、塵埃フィルタをレンズ側から見た正面図であり、図4(B)は、防塵フィルタの一部を切り欠いて示す斜視図である。 図5(A)は、防塵フィルタに発生する振動の様子を説明するための防塵フィルタの正面図であり、図5(B)は、図5(A)のBB線断面図であり、図5(C)は、図5(A)のCC線断面図である。 図6は、防塵フィルタに発生する異なる振動の様子を説明するための図である。 図7は、防塵フィルタの振動発生の概念を説明するための図である。 図8は、防塵フィルタの異なる形態を示すための図である。 図9は、防塵フィルタの異なる形態を示すための図である。 図10は、防塵フィルタに発生する定在波を説明するための防塵フィルタの概念図である。 図11(A)は、本発明の第2実施形態としてのデジタルカメラにおける塵埃除去機構の斜視図、図11(B)は、図11(A)でのBB線断面図、図11(C)は図11(B)の断面図の要部を拡大して示す図である。 図12(A)は、第2実施形態としてのデジタルカメラにおける塵埃除去機構の変形例の斜視図、図12(B)は、図12(A)でのBB線断面図、図12(C)は図12(B)の断面図の要部を拡大して示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下に具体的に例示する本発明の画像機器は、光電変換によって画像信号を得る撮像ユニットの塵埃除去機構を有するものであり、ここでは一例として電子カメラ(以下「カメラ」と略称する)の塵埃除去機能に係わる改良技術として説明する。特に、本第1実施形態では、レンズ交換可能な電子カメラ(デジタルカメラ)に関して、図1乃至図3を参照して説明する。尚、図1は、本発明の画像機器の第1実施形態としてのデジタルカメラの主に電気的なシステム構成例を概略的に示すブロック図である。また、図2は、該デジタルカメラの塵埃除去機構を含む撮像ユニットの縦断側面図(図3(A)でのAA線断面図)であり、図3(A)は、本実施形態としてのデジタルカメラにおける塵埃除去機構の斜視図、図3(B)は、図3(A)でのBB線断面図、図3(C)は図3(B)の断面図の要部を拡大して示す図である。
まず、図1を参照して本実施形態におけるデジタルカメラ10のシステム構成例について説明する。
このデジタルカメラ10は、カメラ本体としてのボディユニット100と、アクセサリ装置の一つである交換レンズとしてのレンズユニット200とによりシステム構成されている。
レンズユニット200は、ボディユニット100の前面に設けられた図示しないレンズマウントを介して着脱自在である。レンズユニット200の制御は、自身が有するレンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、“Lucom”と称する)201が行う。ボディユニット100の制御は、ボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、“Bucom”と称する)101が行う。これらLucom201とBucom101とは、ボディユニット100にレンズユニット200を装着した状態において通信コネクタ102を介して互いに通信可能に電気的に接続される。そして、カメラシステムとして、Lucom201がBucom101に従属的に協働しながら稼動するように構成されている。
レンズユニット200は、撮影レンズ202と絞り203を備える。撮影レンズ202は、レンズ駆動機構204内に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動される。絞り203は、絞り駆動機構205内に設けられた図示しないステッピングモータによって駆動される。Lucom201は、Bucom101の指令に基づいてこれら各モータを制御する。
ボディユニット100内には、以下のような構成部材が図示の如く配設されている。例えば、撮影光軸上にフォーカルプレーン式のシャッタ108が設けられている。
また、シャッタ108の先幕と後幕を駆動するばねをチャージするシャッタチャージ機構112と、これら先幕と後幕の動きを制御するシャッタ制御回路113が設けられている。
撮影光軸上には、上述の光学系を通過した被写体像を光電変換するための撮像ユニット116が設けられている。撮像ユニット116は、画像形成素子としての撮像素子であるCCD117とその前面に配設された光学ローパスフィルタ(LPF)118とを含む画像形成ユニットと、防塵部材である防塵フィルタ119とを、ホルダ146を介してユニットとして一体化してなるものである。ここで、光学ローパスフィルタ(LPF)118は水晶等からなる光学素子であり、防塵フィルタ119は水晶、ガラス等の光学素子や透明なプラスチックであっても良い。防塵フィルタ119は、箱状で、振動させることができる透明な部材であれば良い。
上記防塵フィルタ119の周縁部の片側には、圧電素子120が取り付けられている。圧電素子120は、2つの電極を有しており、圧電素子120を駆動手段である防塵フィルタ制御回路121によって、防塵フィルタ119の寸法や材質によって定まる所定の周波数で振動させることで、防塵フィルタ119に所定の振動を発生させ、フィルタ表面に付着した塵埃を除去し得るように構成されている。また、撮像ユニット116に対しては、手ブレ補正用の防振ユニットが付加されている。
また、本実施形態におけるデジタルカメラ10は、CCD117に接続したCCDインターフェース回路122と、液晶モニタ123と、記憶領域として機能するSDRAM124やFlash ROM125などを利用して画像処理する画像処理コントローラ126とを備え、電子撮像機能とともに電子記録表示機能を提供できるように構成されている。また、電子撮像機能には、CCD117で撮影された画像を動画として液晶モニタ123に同時に表示してファインダとして用いるいわゆるスルー画表示機能、動画を記録する動画記録機能を持っている。ファインダ機能については光学式の一眼レフファインダ等を設けても良い。ここで、記録メディア127は、各種のメモリカードや外付けのHDD等の外部記録媒体であり、通信コネクタを介してボディユニット100と通信可能且つ交換可能に装着される。そして、この記録メディア127に撮影により得られた画像データが記録される。
その他の記憶領域としては、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する、例えばEEPROMからなる不揮発性メモリ128がBucom101からアクセス可能に設けられている。
Bucom101には、当該デジタルカメラ10の動作状態を表示出力によってユーザへ告知するための動作表示用LCD129及び動作表示用LED130と、カメラ操作SW131と、ストロボ132を駆動するストロボ制御回路133と、が接続されている。ここで、動作表示用LCD129あるいは動作表示用LED130には、防塵フィルタ制御回路121が動作している期間、防塵フィルタ119の振動動作を表示する表示部が設けられている。カメラ操作SW131は、例えばレリーズSW、モード変更SW及びパワーSWなど、当該デジタルカメラ10を操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群である。さらに、該ボディユニット100内には、電源としての電池134と、該電池134の電圧を、当該デジタルカメラ10を構成する各回路ユニットが必要とする電圧に変換して供給する電源回路135が設けられ、また、外部電源から不図示のジャックを介して電流が供給されたときの電圧変化を検知する電圧検出回路(図示せず)も設けられている。
上述のように構成されたデジタルカメラ10の各部は、概略的には以下のように稼動する。まず、画像処理コントローラ126は、Bucom101の指令に従ってCCDインターフェース回路122を制御してCCD117から画像データを取り込む。この画像データは画像処理コントローラ126でビデオ信号に変換され、液晶モニタ123で出力表示される。ユーザは、この液晶モニタ123の表示画像から、ファインダ画像あるいは撮影画像を確認できる。
SDRAM124は、画像データの一時的保管用メモリであり、画像データが変換される際のワークエリアなどに使用される。また、画像データは、JPEGデータに変換された後、記録メディア127に保管される。ここで、画像データが動画である場合はMPEGデータ等に変換される。
撮影レンズ202の焦点合わせは、撮影レンズ202の位置を順次変更しながら撮像し、撮像画像の最もコントラストの高い位置をBucom101で演算し、通信コネクタ102を通してLucom201に伝達し、Lucom201が撮影レンズ202を位置制御することにより行われる。測光も撮像画像から検出された光量に基づき周知の測光処理が行われる。
次に、図2及び図3を参照してCCD117を含む撮像ユニット116について説明する。
撮像ユニット116は、撮影光学系を透過し自己の光電変換面上に照射された光に対応した画像信号を得る撮像素子としてのCCD117と、CCD117の光電変換面側に配設され、撮影光学系を透過して照射される被写体光束から高周波成分を取り除く光学LPF118と、この光学LPF118の前面側において所定間隔をあけて対向配置された防塵部材である箱形状の防塵フィルタ119と、この防塵フィルタ119の箱形状の側壁部に配設されて防塵フィルタ119に対して所定の振動を与えるための加振部材である圧電素子120と、を備える。
ここで、CCD117のCCDチップ136は、固定板137上に配設されたフレキシブル基板138上に直接実装され、このフレキシブル基板138の両端から出た接続部139a,139bが、主回路基板140に設けられたコネクタ141a,141bを介して主回路基板140側と接続されている。また、CCD117が有する保護ガラス142は、スペーサ143を介してフレキシブル基板138上に固着されている。
また、CCD117と光学LPF118との間には、弾性部材等からなるフィルタ受け部材144が配設されている。このフィルタ受け部材144は、CCD117の前面側周縁部で光電変換面の有効範囲を避ける位置に配設され、光学LPF118の背面側周縁部の近傍に当接している。そして、光学LPF118は、その前面側からの押圧部材145による押圧状態で、フィルタ受け部材144に支持されている。また、CCD117と光学LPF118とを気密的に覆うホルダ146が配設されている。このホルダ146は、撮影光軸周りの略中央部分に矩形状の開口147を有し、この開口147の防塵フィルタ119側の内周部には凸部148が形成され、開口147に対してその後方側からCCD117が配設されている。ここで、該凸部148とCCD117が有する保護ガラス142とによって、上記フィルタ受け部材144の周縁部を挟み込むことで、CCD117と光学LPF118との間を略気密性が保持されるように構成されると共に、光学LPF118は、ホルダ146の内部から前面側に対する抜け止めがなされる。なお、CCD117と光学LPF118との気密状態は、塵埃の侵入によって撮影画像に塵埃が写り込み、当該画像に塵埃の影響の出ることを防止可能なレベルであれば良く、必ずしも気体の侵入を完全に防止するレベルでなくても良い。
一方、防塵フィルタ119は、薄肉箱形状をなし、箱の底面部119aは、全体として多角形の板状(図2及び図3の例は四角形)を成し、少なくとも、最大の振動振幅が得られる位置から放射方向に所定の広がりを持つ領域が、多角形状をした光透過部である結像光線通過エリア149を構成している。また、防塵フィルタ119は、結像光線通過エリア149の全ての辺または全ての辺の近傍つまり底面部119aの全ての端面部からCCD117の方向へ所定の角度だけ傾斜して延出する足部119bを有している。これら底面部119aと足部119bは、同一の材料を用いて形成されている。
そして、ホルダ146は、開口147に上記箱形状の防塵フィルタ119の足部119bを嵌め込むことで、防塵フィルタ119の足部119bを支持する。ここで、足部119bには、ゴム等の弾性部材で構成された額縁状シール部材150が嵌め込まれている。そして、ホルダ146の内周部の開口147側の端部には、その防塵フィルタ119の足部119bに嵌め込まれた額縁状シール部材150を、やはり嵌め込んで保持・固定するための溝部151を全周に形成している。この溝部151は、額縁状シール部材150を嵌め込んだ防塵フィルタ119を光学LPF118の前面に所定間隔あけて保持するための位置決め機能も兼ね備えている。さらに、防塵フィルタ119をホルダ146の所定の位置に嵌め込んだ後、保持部材152を組み込んで、防塵フィルタ119の足部119bを支持する。このようにホルダ146と保持部材152とでなる支持部材によって防塵フィルタ119の足部119bを支持することで、防塵フィルタ119を保持・固定している。なお、ホルダ146は係止部153を、保持部材152は係合部154を、それぞれ備え、ホルダ146の係止部153にて保持部材152の係合部154を係止することで、保持部材152が組み込まれる。額縁状シール部材150は、ゴムや樹脂等の振動減性のある材料で形成されているので、防塵フィルタ119の振動を阻害することなく、その弾性力によって防塵フィルタ119を保持する。また、該額縁状シール部材150により、防塵フィルタ119とLPF118が形成する空間は、塵埃に対して封止されており、外部からこの空間に画像に写ってしまうような塵埃が入り込むことはない。
なお、防塵フィルタ119の足部119bの各々は、加振部材である圧電素子120が配置可能な側壁部119b1と、当該側壁部119b1の一端部に形成されていて、圧電素子120とは接触しない突出部119b2と、を有するものであり、上記側壁部119b1と上記突出部119b2との断面は、略L字状をしている。特に、図2及び図3の例では、上記光透過部である結像光線通過エリア149及び底面部119aは、矩形状をしており、上記側壁部119b1は、当該結像光線通過エリア149及び底面部119aから略垂直に延出し、上記突出部119b2は、当該結像光線通過エリア149及び底面部119aと略平行に当該側壁部119b1から延出している。
また、上記額縁状シール部材150は、当該突出部119b2と上記ホルダ146,保持部材152でなる支持部材との間を密閉する位置に配置されている。そして、上記突出部119b2は、上記支持部材と係合し、上記額縁状シール部材150は、当該突出部119b2と当該支持部材との係合状態を維持する付勢力を発生する位置に配置されている。具体的には、上記額縁状シール部材150は、上記突出部119b2と上記支持部材とによって形成される溝部151に配置されている。
さらに、加振部材である圧電素子120は、矩形状をしており、上記側壁部119b1内に収まるように配置される。この圧電素子120には、フレキシブルプリント基板であるフレキ157が端部に電気接続され、防塵フィルタ制御回路121からの後に述べる所定の電気信号を圧電素子120に入力し、圧電素子120に所定の振動を発生させている。フレキ157は、樹脂と銅箔等で作製されて柔軟性があることから圧電素子120の振動を減衰させることが少ない。また、振動振幅の小さいところ(後に述べる振動の節位置)に設けることで、より振動の減衰を抑えることができる。一方、以下に述べるような手ブレ補正機構を持つ場合、圧電素子120はボディユニット100に対して相対的に移動するので、防塵フィルタ制御回路121がボディユニット100と一体の固定部材にある場合には手ブレ補正機構の動作に従って、フレキ157は変形し、変位する。この場合、フレキ157は柔軟性があり薄いため、有効であり、本実施形態の場合にはフレキ157は1ヶ所からの引き出しで簡単な構成であるので、手ブレ補正機構をもつカメラには最適である。
防塵フィルタ119でその表面から離脱した塵埃は後に述べるように、その振動の慣性力と、重力の作用により、ボディユニット100の下側に落下する。そこで、防塵フィルタ119の下側直近に、粘着材、粘着テープ等で形成された保持材を配設し、落下した塵埃を確実に保持し、再び防塵フィルタ119の表面に戻らないようにすることが好ましい。
次に、簡単に手ブレ補正機能について説明する。この手ブレ補正機構は、図1に示すように、X軸ジャイロ160、Y軸ジャイロ161、防振制御回路162、X軸アクチュエータ163、Y軸アクチュエータ164、X枠165、Y枠166(ホルダ146)、フレーム167、位置検出センサ168及びアクチュエータ駆動回路169から構成され、カメラのX軸回りの手ブレの角速度を検出するX軸ジャイロ160とカメラのY軸周りの手ブレの角速度を検出するY軸ジャイロ161とからの角速度信号から、防振制御回路162により手ブレ補償量を演算し、撮影光軸の方向をZ軸方向とした場合、撮影光軸に直交するXY平面内で直交する第1の方向であるX軸方向及び第2の方向であるY軸方向に、撮像素子であるCCD117を、ブレを補償するように変位移動させるものである。即ち、アクチュエータ駆動回路169から所定の駆動信号を入力するとX軸方向にCCD117を駆動するX軸アクチュエータ163と、同じく、所定の駆動信号を入力するとY軸方向にCCD117を駆動するY軸アクチュエータ164を駆動源として用い、X枠165と撮像ユニット116中のCCD117を搭載したY枠166(ホルダ146)とをフレーム167に対して移動する移動対象物として構成される。ここで、X軸アクチュエータ163及びY軸アクチュエータ164は、電磁回転モータとネジ送り機構等を組み合わせたものや、ボイスコイルモータを用いた直進電磁モータや、直進圧電モータ等が用いられている。尚、位置検出センサ168は、X枠165及びY枠166の位置を検出するものであり、防振制御回路162は該位置検出センサ168での検出結果に基づいて、変位移動可能な範囲を超えてX軸アクチュエータ163及びY軸アクチュエータ164を駆動しないように、アクチュエータ駆動回路169を制御する。
ここで、第1実施形態の塵埃除去機構について図4乃至図10を参照してさらに詳しく説明する。図4(A)は、塵埃フィルタをレンズ側から見た正面図であり、図4(B)は、防塵フィルタの一部を切り欠いて示す斜視図である。図5は、防塵フィルタ119に発生する振動の様子を説明するための図で、特に図5(A)は防塵フィルタ119の正面図、図5(B)は図5(A)のBB線断面図、図5(C)は図5(A)のCC線断面図である。図6は、防塵フィルタ119に発生する図5とは異なる振動の様子を示す図である。図7(A)は、防塵フィルタの振動発生の概念を説明するための防塵フィルタ119の正面図、図7(B)は図7(A)のBB線断面図、図7(C)は図7(A)のCC線断面である。図8及び図9はそれぞれ、防塵フィルタの異なる形態を示す図である。図10は、防塵フィルタ119に発生する定在波を説明するための防塵フィルタ119の概念図(図7(B)に相当)である。
防塵フィルタ119は、薄肉箱形状をなし、箱の底面部119aは、あるいは全体として多角形の板状(本実施形態は四角形)を成すが、円を含む曲線で囲まれた形状であっても構わない。即ち、防塵フィルタ119の底面部119aは、全体として円形を成し、その円の一部を直線状にカットして一辺を持つD形状であっても良いし、四角形の両辺を円弧状に形成し、上下二辺を持つ小判形状としたもののように曲線と直線を組み合わせた形状でも構わない。また、防塵フィルタ119は、底面部119aの全ての端面部から上記画像形成素子の方向へ所定の角度だけ傾斜して延出する足部119bを有しており、これら底面部119aと足部119bとにより箱状防塵フィルタ119は、底面部119a及び側壁部119b1が略均一な厚みとなるような箱形状に形成されている。そして、上述した取り付け手段により、この防塵フィルタ119の透明部(結像光線通過エリア149)が光学LPF118の前面側に所定の間隔をもって対向配置されている。ここで、箱形状の防塵フィルタ119の上記底面部119aと側壁部119b1の両方が、薄く均一な厚みとなっていても良いし、少なくとも上記底面部119aが薄く均一な厚みとなっていれば良い。
また、防塵フィルタ119の側壁部119b1の平面部には、当該防塵フィルタ119の底面部119aに対して振動を与えるための加振部材である圧電素子120が、例えば接着剤による貼着等の手段により配設されている。防塵フィルタ119に圧電素子120を配設することで振動子170が形成され、該振動子170は、圧電素子120に所定の周波電圧を印加すると共振振動し、図5に示すような底面部119aに垂直な屈曲振動を大きな振幅で発生する。
ここで、防塵フィルタ119を構成する足部119b(側壁部119b1)と底面部119aのなす角度は、足部119bと底面部119aを一体成形することを考えると、90°以上が好ましく、また、その投影面積の拡大と剛性を考えると135°程度以下にするのが良い。また、底面部119aと側壁部119b1をつなぐ面は、円筒面に近似した面で構成すると、防塵フィルタ119の剛性はより高いものになり、小型化することができる。さらに、本実施形態では、防塵フィルタ119の底面部119aと足部119bを一体に成形したが、別々の部材で構成して接合しても良い。一方、圧電素子120は、図4では1つしか配置していないが、複数配置しても良いし、防塵フィルタ119の内面(撮像素子側の面)に配置しても良い。
圧電素子120には、特に図示はしていないが、第1の信号電極と、該第1の信号電極に対向した裏面に設けられ、側壁部を通して上記第1の信号電極のある側の面に引き回された第2の信号電極とが形成されている。そして、第1の信号電極と第2の信号電極に、上記導電性パターンを持つフレキ157が電気的に接続されている。夫々の信号電極には、フレキ157を介して接続された防塵フィルタ制御回路121によって所定周期を有する駆動電圧を印加することで、防塵フィルタ119に図5に示す2次元の定在波屈曲振動を発生させることができる。防塵フィルタ119の底面部119aの寸法は、長辺の長さがLA、それに直交する短辺の長さがLBである(図8及び図9の寸法表記に対応)。ここで、図5に示す防塵フィルタ119は、矩形であるので、後述する本願発明の「仮想矩形」と一致する(長辺の長さLAは仮想矩形の辺の長さLFに等しい)。図5に示す屈曲振動は定在波振動を示し、図5(A)で振動の節エリア(振動振幅の小さいエリア)173を示す黒い線状のエリアは、黒が濃いほど振動振幅が小さくなっている。尚、図5(A)中に示すメッシュは、有限要素法での分割メッシュである。
振動速度が大きい場合、図5(A)に示すように節エリア173の間隔が小さいと、節エリア173には大きな面内振動が発生し、節エリア173にある塵埃には面内振動方向に大きな慣性力が発生する(後述する図10の質点Y2の動きを参照。節を中心にY2とY2’の間を円弧振動する)。塵埃の付着面に沿った力が作用するように防塵フィルタ119面を重力に対して平行になる方向に傾けると、慣性力と重力が作用して節エリア173に付着した塵埃も除去することができる。
また、図5(A)での白色のエリアは、振動振幅が大きなエリアを示し、この白色エリアに付着した塵埃は、振動により与えられる慣性力により除去される。振動の節エリア173に付着した塵埃は、異なる周波数の電気信号を圧電素子120に入力し、節エリア173に振幅をもつ別の振動モード(例えば図6に示す振動モード)で加振することによっても除去することができる。
図5に示す屈曲の振動モードは、X方向の屈曲振動と、Y方向の屈曲振動との合成で形成される。この合成の基本状態の様子を示したのが、図7である。2つの圧電素子120、120’を防塵フィルタ119の中心軸Xに対称に配置した振動子170をスポンジ等の振動減衰の殆どない部材の上に置いて自由振動させると、図7に示すような格子状の節エリア173が発生する振動モードが通常簡単に得られる。なお、図7(A)では、節エリア173を破線で示している(線幅方向に振動の最も小さい位置を線として表示)。その場合に、X方向に波長λxの定在波屈曲振動が発生し、且つY方向に波長λyの定在波屈曲振動が発生して、両方の定在波が合成されている状態を示している。その場合に、X方向に波長λxの定在波屈曲振動が発生し、且つY方向に波長λyの定在波屈曲振動が発生して、両方の定在波が合成されている状態を示している。O点をx=0,y=0の原点として取ると、任意の点P(x,y)のZ方向の振動Z(x,y)は、Aを振幅(ここでは一定値としたが、実際には振動モードや圧電素子に入力される電力により変わる)、m、nは振動モードに対応した固有振動の次数で0を含む正の整数、γを任意の位相角とすると、次の(1)式で表される。
Z(x,y)=A・Wmn(x,y)・cos(γ)
+A・Wnm(x,y)・sin(γ) …(1)
但し、
Wmn(x,y)=sin(nπ・x+π/2)・sin(mπ・y+π/2)
Wnm(x,y)=sin(mπ・x+π/2)・sin(nπ・y+π/2)
である。
ここで、例えば、位相角γ=0とすると、上記(1)式は、
Z(x,y)=A・Wmn(x,y)
=A・sin(n・π・x/λx+π/2)
・sin(m・π・y/λy+π/2)
となり、ここでλx=λy=λ=1とする(屈曲の波長を単位長さとしてx,yを表記)と、
Z(x,y)=A・Wmn(x,y)
=A・sin(n・π・x+π/2)
・sin(m・π・y+π/2)
となる。図7は、m=nの場合の振動モードを示し(X方向、Y方向の振動の次数と波長が同じなので防塵フィルタ119の形状は正方形になる)、X方向、Y方向に等間隔で振動の山、節、谷が現れ、碁盤目状に振動の節エリア173が現れている(従来の振動モード)。また、m=0、n=1の振動モードでは、Y方向に平行な辺(辺LB)に対して、平行な山、節、谷が出来る振動になる。以上の碁盤目状あるいは辺に平行な振動モードではX方向、Y方向の振動が独立に現れるだけで、合成されて振動振幅が大きくなることがない。
ここで、防塵フィルタ119の形状を僅かに長方形側にすると、本実施形態のように圧電素子を1つの辺に沿って配置しても、振動振幅が非常に大きくなる振動モードとなる(従来の円形の防塵フィルタと同じレベルの振動振幅が発生する)。このとき、図5の振動モードとなり、防塵フィルタ119が矩形であるにも関わらず、光軸中心に対して、振動振幅の山の稜線174が閉曲線(図5では、ほぼ円形)を構成し、X方向の辺からの反射波と、Y方向の辺からの反射波を効率良く、合成して定在波が作られる。ここで、防塵フィルタ119は、その重心119cを通る第1の仮想線VL1に対して対称な辺を少なくとも一つ持ち、圧電素子120の重心がその第1の仮想線VL1にあるように、圧電素子120を配置している。また、振動振幅の山の稜線174が構成する閉曲線の中心は、最も大きな振動速度、振動振幅を持つ中心振動領域175となり、その重心175aと、該中心振動領域175の重心175aを含む、上記防塵フィルタ119の底面部119aに対して垂直な振動振幅を殆ど持たない節エリア173に囲まれた領域の重心173aとは、ほぼ一致して、同様に上記第1の仮想線VL1上にある。即ち、圧電素子120は、その長手方向の一辺が上記板状の結像光線通過エリア149及び底面部119aの一辺と略平行に配置されていて、当該圧電素子120の長手方向の一辺の中間点と当該板状の結像光線通過エリア149及び底面部119aの一辺の中間点(防塵フィルタ119の重心119c)とを結ぶ第1の仮想線VL1と、当該板状の結像光線通過エリア149及び底面部119aの振動中心(中心振動領域175の重心175a)と当該板状の結像光線通過エリア149及び底面部119aの一辺の中間点(防塵フィルタ119の重心119c)を結ぶ第2の仮想線VL2と、が一致する。但し、圧電素子120を1つのみ配置するため、この中心振動領域175の重心175aは、防塵フィルタ119の重心119cから、上記圧電素子120が配置されている辺側へずれる。
ここで、圧電素子120の重心は駆動電圧を印加しても伸縮しないので、圧電素子120はその重心が節エリアに位置するように取り付けることが望ましい。一方、防塵フィルタ119の側壁部119b1は、発生される振動の振幅方向に延びているため、底面部119aと側壁部119b1の上記第1の仮想線VL1上の境界部分は振動せずに、節エリア173となる。そこで、圧電素子120は、その重心が上記第1の仮想線VL1上の上記境界部分に配置している。この場合、圧電素子120を防塵フィルタ119の底面部119aに配置すると、圧電素子120の短辺方向にはある程度の寸法があるため、上記境界部分に長辺を沿って配置したとしても、重心の位置は振動振幅のある程度大きな位置となってしまう。これに対して、圧電素子120を防塵フィルタ119の側壁部119b1に配置すると、圧電素子120の厚み方向の寸法は小さいため、重心の位置はほぼ上記境界部分となるので、好ましい。
また、図7のように防塵フィルタ119の開放端が底面部の端部であると、圧電素子120を1つのみ配置した場合、対称形状が得にくいため反射する条件がうまく整わず、振動振幅の山の稜線174は同心円を描くとしても、きれいな円形とはなりにくいが、図5のような箱形状の防塵フィルタ119では、底面部119aと側壁部119b1との上記第1の仮想線VL1上及びそれに直交する仮想軸上の夫々の境界部分が節エリア173となることで、きれいな円形が描かれることとなる。
なお、図5に示す振動子170の防塵フィルタ119は、25.0mm(X方向:LA、LF)×24.2mm(Y方向:LB)×4.2mm(Z方向:H)、底面部119a及び側壁部119b1は均一な肉厚0.2mmのガラス板(光学素子)である。なお、上記防塵フィルタ119は、X方向の辺LAを含み、当該LA(25.0mm)を短辺とし、LB(24.2mm)を長辺とする矩形であるので、防塵フィルタ119の底面部119aの面積と同一の面積を有する、本願発明の「仮想矩形」とは一致する。圧電素子120は、16.6mm(X方向)×2.4mm(Y方向)×0.6.mm(厚さ)のチタン酸ジルコン酸鉛のセラミックで作られ、防塵フィルタ119の側壁部119b1に沿って、X方向、Z方向は防塵フィルタ119の側壁部中心を通るX軸に平行な軸及びZ軸に平行な軸に対して軸対称となるように、エポキシ系の接着剤で接着固定されている。このとき、図5で示される振動モードの共振周波数は44kHz付近であり、防塵フィルタ119中央位置に、四角形の防塵フィルタ119が内接する大きさの円形に防塵フィルタを構成した場合にほぼ匹敵する最も大きな振動速度、振動振幅を持つ中心振動領域175が得られる。
また、図6の振動モードは、図5の防塵フィルタ119の加振用周波数を変えることにより発生するモードであり、防塵フィルタ119の重心119cを通る第1の仮想線VL1に対して対称な1つの辺から当該1つの辺に対向して配置されている他方の辺側へ向かって、略同心円状に連続的に位置する振動振幅の山の稜線174が形成される振動モードである。ここで、当該連続する略同心円状の稜線174の中心は、当該防塵フィルタ119の上記1つの辺を挟んで他方の辺とは反対側で、上記第1の仮想線VL1上にある。
図8は、振動子170の変形例を示す図であり、防塵フィルタ119の底面部119aの形状として、円盤状の一部が切り欠かれて一つの辺を形成している。即ち、Y方向の対称軸に対して対称な一辺を持つD形状底面部119aの防塵フィルタ119を使用する。圧電素子120は、この一辺に平行で、且つ、辺の中点(Y方向の対称軸(第1の仮想線VL1))に対して対称に、防塵フィルタ119の側壁部119b1上に配置されている。ここで、防塵フィルタ119の圧電素子120の設置された面は、底面部119aと略135°の角度θをなしている。防塵フィルタ119の形状をこのように形成すると、防塵フィルタ119の中心(防塵フィルタ119の重心119c)に対する形状の対称性が高くなり、より本実施形態の振動状態(同心円状に振動の山が発生する振動モード)が作り易くなる。加えて、形状が、円形よりも小型になることは勿論である。そしてさらに、圧電素子120を側壁部119b1に配置することで、防塵フィルタ119の底面部119aがより小型になり、また、防塵フィルタ119の側壁部119b1の剛性が高くなる。なお、図8では、防塵フィルタの側壁部119b1と底面部119aの角度は、圧電素子120を設置した面のみ直角ではないが、他の円筒側壁部119b1を底面部119aと90°から135°程度の間の角度を持つように構成しても良い。角度を90°よりも大きくしていくと、次第に円板形状の防塵フィルタに近づくので同心円状の山をもつ振動モードを発生し易くなり、より振動速度の高い強力な振動を発生し易くなる。さらに、防塵フィルタ119は箱型にすることで剛性が上がり、板形状では精度良く支持しないと振動中に破損の恐れがあることから板厚を0.5mm程度で構成していたものが、0.3mm以下の肉厚で構成することも可能となる。従って、振動する底面部119aの肉厚が薄く出来ることから、板形状で発生していた振動速度よりも振動速度を高くすることが出来る。一方、防塵フィルタ119を構成する側壁部119b1は、底面部119aの振動方向には剛性が高く、底面部119aの振動方向には殆ど振動しない。
図9は、振動子170の別の変形例を示す図であり、防塵フィルタ119の底面部119aとして、円盤に対称に切り欠きを入れて二辺を平行な小判形状に形成している。即ち、Y方向の対称軸に対して対称な辺を2つ持つ防塵フィルタ119を使用する。また、2つの円弧を形成する面は底面部119aに対して略135°の角をなす斜面を形成しており、図8の防塵フィルタ119よりも小型に形成されている。さらに、側壁部119b1側の防塵フィルタ119の肉厚は、圧電素子120が配置される面以外は底面部119aから滑らかに厚みを増す形状となっている。このように開放端側の肉厚が厚くなっているので、図8の防塵フィルタ119よりも、防塵フィルタ119の固定は安定する。この場合、圧電素子120は、上記2辺に続く2つの側壁部119b1の内、上側の側壁部119b1に配置されている。ここで、圧電素子120の配置されている側壁部119b1の肉厚と底面部119aの肉厚は薄肉で同じなので、圧電素子120で発生する振動が効率的に底面部119aに伝わり、振動速度の大きな強い振動を底面部119aに発生させることができる。なおここで、図9での仮想矩形176の短辺、長辺は、図に示すごとく、底面部119aの短辺、長辺に略一致する。
なお、防塵フィルタ119の材質は、透明なガラスとして説明したが、メタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂でも良い。成形が可能な樹脂、ガラス材料が最適である。
次に、図10を用いて塵埃の除去について詳しく説明する。図10は、図7のBB線断面図と同じ断面を示してある。
図10に矢印177で示す方向に分極された圧電素子120に所定の周波電圧が印加された場合は、振動子170がある時点t0で実線に示した状態となる。振動子170表面の任意の位置yにある質点Yの任意の時刻tでのZ方向の振動zは、振動の角速度ω、Z方向の振幅A、Y=2πy/λ(λ:屈曲振動の波長)として、下記の(2)式の通りに表される。
z=Asin(Y)・cos(ωt) …(2)
この式は、図7での定在波振動を表す。即ち、y=s・λ/2の時(ここで、sは整数)にY=sπとなり、sin(Y)は零になる。従って、時間に関係なくZ方向の振動振幅が零になる節178をλ/2ごとに持つことになり、これは定在波振動である。図10において破線で示した状態は、時間t0の状態に対して振動が逆相となるt=kπ/ωでの状態を示す(ここで、kは奇数)。
次に、防塵フィルタ119上の点Y1の振動は、屈曲定在波の振動の腹179の位置になるので、振動振幅はAとなり、Z方向の点Y1の位置z(Y1)は、
z(Y1)=Acos(ωt) …(3)
となる。
Y1の振動速度Vz(Y1)は、振動の周波数をfとすると、ω=2πfであるので、上記(3)式を時間で微分して、
Vz(Y1)=d(z(Y1))/dt
=−2πf・Asin(ωt) …(4)
となる。Y1の振動加速度αz(Y1)は、上記(3)式をさらに時間で微分して、
αz(Y1)=d(Vz(Y1))/dt
=−4π・Acos(ωt) …(5)
となり、Y1に付着している塵埃180は、上記(5)式の加速度を受けることとなる。
この時、塵埃180の受ける慣性力Fkは、塵埃180の質量をMとして、
Fk=αz(Y1)・M
=−4π・Acos(ωt)・M …(6)
となる。
上記(6)式から、慣性力Fkは、周波数fを上げると、fの2乗に比例して大きくなるので効果的なことが判るが、その時の振動振幅Aが小さいと、いくら周波数を上げたからと言って、慣性力を上げることは出来ない。一般的には、加振の振動エネルギーを発生させる圧電素子120の大きさを一定とすると、所定の振動エネルギーしか発生することができない。従って、同じ振動モードで周波数を上げると振動振幅Aは周波数fの2乗に逆比例し、共振周波数を上げて高次の共振モードにすると、振動振幅は低下し、振動速度が上がらず、振動加速度も上がらない(むしろ、周波数が高くなると、理想的に共振させることが難しく、振動エネルギー損失が大きくなり、振動加速度は下がる)。即ち、単に共振モードで振動を発生させることでは大きな振幅を持つモードにはならず、塵埃除去の効果が著しく悪化してしまう。
防塵フィルタ119が矩形であるにも関わらず、図5に示す本実施形態の振動モードは、振動振幅の山の稜線174が光軸中心に対して閉曲線を構成し、また、図6に示す本実施形態の振動モードは、振動振幅の山の稜線174が辺の中心を取り囲む曲線を構成し、X方向の辺からの反射波と、Y方向の辺からの反射波を効率良く合成して定在波を作っている。一方、図5の振動モードでは、防塵フィルタ119の中心から広がる被写体光が透過するエリアの中央部付近の最大振動速度が最も大きく、図5の振動モードに対して図6の振動モードでは、上記中央部の最大振動速度は50%から70%程度に低下する。
しかし、図6の振動モードであっても、従来の矩形の平板よりも上記中央部の最大振動速度は大きい。
このように振動振幅の山の稜線174が光軸中心に対して閉曲線を構成する振動や辺の中心を取り囲む曲線を構成する振動では、防塵フィルタ119が円盤状の形状の場合に発生する同心円状の振動の振幅と同等の振動振幅が発生できる。単に辺に平行な振動振幅を発生する振動モードでは、本実施形態の数分の1から10分の1程度の振動加速度しか得ることが出来ない。
また、振動振幅の山の稜線174が閉曲線を構成する振動や辺の中心を取り囲む曲線を構成する振動では、振動子170の中心が最も振動振幅が大きく、周辺の閉曲線又は取り囲む曲線ほど振動振幅は小さくなる。これによって、画像の中心ほど塵埃除去の能力が高くなり、振動子170の中心を光軸に合わせることにより、中心の画質が高いところほど塵埃180が写り込まなくなると言った利点もある。
さらに、結像光線通過エリア149内の振動振幅の小さいエリアである節エリア173は圧電素子120に与える駆動周波数を変えることで異なる振動モードで共振させることにより、節178位置を変化させて塵埃180を除去できることは勿論である。
また、圧電素子120を振動させる上記所定の周波数は、振動子170を構成する防塵フィルタ119の形状寸法と圧電素子120の形状寸法、それらの材質や支持の状態によって決まるものであるが、通常、温度は振動子170の弾性係数に影響し、その固有振動数を変化させる要因の1つとなっている。そのため、運用時にその温度を計測して、その固有振動数の変化を考慮するのが好ましい。この場合、温度測定回路(不図示)に接続された温度センサ(不図示)がデジタルカメラ10内に設けられており、温度センサの計測温度から予め決められた振動子170の振動周波数の補正値を不揮発性メモリ128に記憶させ、計測温度と補正値をBucom101に読み込み、駆動周波数を演算して防塵フィルタ制御回路121の駆動周波数とすることによって、温度変化に対しても効率の良い振動を発生することができる。
[第2実施形態]
本実施形態は、防塵フィルタ119の取り付け構造が上記第1実施形態とは異なっている以外は、上記第1実施形態と同様である。よって、防塵フィルタ119の取り付け構造のみを説明し、それ以外の説明は省略する。
図11(A)は、本発明の第2実施形態としてのデジタルカメラにおける塵埃除去機構の斜視図、図11(B)は、図11(A)でのBB線断面図、図11(C)は図11(B)の断面図の要部を拡大して示す図である。
即ち、上記第1実施形態における凸部148の代わりに、本実施形態においては、ホルダ146のレンズ側の開口147端部が、CCD117が有する保護ガラス142との間に上記フィルタ受け部材144の周縁部を挟み込むことで、CCD117と光学LPF118との間を略気密性に保持するよう、全周にわたって開口147側に突出する突出部188として形成され、略L字状の断面を有するようにしている。そして、該突出部188のホルダ146外周側端部には、防塵フィルタ119の足部119bに嵌め込まれた額縁状シール部材150を、やはり嵌め込んで保持・固定するための溝部151を全周に形成している。
また、保持部材152は複数個の係止部189を有し、該係止部189を防塵フィルタ119の突出部119b2と係合させて防塵フィルタ119の足部119bを支持することにより、防塵フィルタ119を保持・固定している。
このように、本実施形態では、防塵フィルタ119に設けられた足部119bを指示する支持部材は、突出部119b2と係合する第1の支持部材としての保持部材152と、上記突出部119b2とともに上記額縁状シール部材150が配置される溝部151を形成する第2の支持部材としてのホルダ146と、から構成される。
図12は、本発明の第3実施形態としてのデジタルカメラにおける塵埃除去機構の変形例を示す図で、特に、図12(A)は、塵埃除去機構の斜視図、図12(B)は、図12(A)でのBB線断面図、図12(C)は図12(B)の断面図の要部を拡大して示す図である。
本変形例は、ホルダ146の突出部188の形状を変更したものである。即ち、突出部188のレンズ側の面を、結像光線通過エリア149及び底面部119aと略平行に側壁部119b1から延出している突出部119b2と平行にするのではなく、溝部151側を頂点とする傾斜を持たせた形状としている。こうすることで、突出部188の頂部が溝部151に対して働く付勢力がより強くなるので、溝部151に嵌め込まれる額縁状シール部材150をより強固に保持・固定でき、気密性をより高めることができる。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、ファインダは液晶モニタを利用したものとなっているが、一眼レフ式の光学ファインダをもつカメラでも勿論良い。
さらに、上述した実施形態では、撮像素子としてCCD117を例に挙げているが、もちろん、CMOSやその他の撮像素子であっても構わない。また、上述した実施形態では、加振部材は圧電素子120としていたが、電歪材料でも、超磁歪材でも勿論良い。
また、振動の際、加振する対象部材に付着している塵埃180をより効率よく振り落とせるよう、その表面に、例えば、透明導電膜であるITO(酸化インジウム・錫)膜、インジウム亜鉛膜、ポリ3,4エチレンジオキシチオフェン膜、吸湿型静電気防止膜である界面活性剤膜、シロキサン系膜、等をコーティング処理しても良い。但し、振動に係わる周波数や駆動時間などは上記膜の部材に対応した値に設定する。
また、本願の一実施形態として記載した光学LPF118を、複屈折性を有する複数枚の光学LPFとして構成しても良い。そして、それら複数枚に構成した光学LPFのうちの最も被写体側に配置された光学LPFを、図2に記載した防塵フィルタ119の代わりに防塵部材(加振対象)として使用しても良い。
また、本願の一実施形態として図2に記載した光学LPF118を有さないカメラとし、防塵フィルタ119を、例えば、光学LPF、赤外カットフィルタ、偏向フィルタ、ハーフミラー等の何れかの光学素子として使用するようにしても良い。
さらに、上記光学LPF118を有さないだけでなく、防塵フィルタ119を、図2記載の保護ガラス142に代用させる構成としても良い。この場合、保護ガラス142とCCDチップ136との防塵・防湿状態を維持するようにすると共に、保護ガラス142を支持しつつ振動させる構成として、図2記載の防塵フィルタ119を支持しつつ振動させる構成を利用すれば良い。なお、保護ガラス142を、光学LPF、赤外カットフィルタ、偏向フィルタ、ハーフミラー等の何れかの光学素子として使用するようにしても良いのはいうまでもない。
尚、本発明を適用する画像機器としては、例示した撮像装置(デジタルカメラ)に限らず、塵埃除去機能を必要とする装置であれば良く、必要に応じて変形実施することで実用化され得る。より、具体的には液晶等の表示素子を用いた画像投影装置における表示素子と光源の間、あるいは表示素子と投影レンズとの間に、本発明の塵埃除去機構を設けても良い。
10…デジタルカメラ、 100…ボディユニット、 101…ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bucom)、 108…シャッタ、 116…撮像ユニット、 117…CCD、 118…光学ローパスフィルタ(LPF)、 119…防塵フィルタ、 119a…底面部、 119b…足部、 119b1…側壁部、 119b2…突出部、 119c…防塵フィルタの重心、 120…圧電素子、 121…防塵フィルタ制御回路、 122…CCDインターフェース回路、 128…不揮発性メモリ、 129…動作表示用LCD、 130…動作表示用LED、 131…カメラ操作SW、 134…電池、 135…電源回路、 136…CCDチップ、 137…固定板、 138…フレキシブル基板、 139a,139b…接続部、 140…主回路基板、 141a,141b…コネクタ、 142…保護ガラス、 143…スペーサ、 144…フィルタ受け部材、 145…押圧部材、 146…ホルダ、 147…開口、 148…凸部、 149…結像光線通過エリア、 150…額縁状シール部材、 151…溝部、 152…保持部材、 153…係止部、 154…係合部、 157…フレキ、 170…振動子、 173…節エリア、 173a…節エリアに囲まれた領域の重心、 174…振動振幅の山の稜線、 175…中心振動領域、 175a…中心振動領域の重心、 176…仮想矩形、 177…分極方向を示す矢印、 178…節、 179…振動の腹、 180…塵埃、 188…突出部、 189…係止部、 200…レンズユニット、 201…レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lucom)、 202…撮影レンズ、 203…絞り。

Claims (18)

  1. 光学的な画像を生成するための画像形成素子を保持する画像形成ユニットの前面に配置されていて、当該画像形成素子から入射する光または上記画像形成素子へ入射する光が透過する多角形状をした板状の光透過部と、当該多角形状をした光透過部の全ての辺または全ての辺の近傍から当該画像形成ユニットが位置する方向へ所定角度傾斜して延出する複数の足部と、を有する箱形状の防塵部材と、
    上記防塵部材に設けられた足部を支持する支持部材と、
    上記複数の足部の少なくとも1つに固定されていて、上記光透過部の面に垂直な振動振幅を付与する加振部材と、
    上記防塵部材の足部と上記支持部材との間を密閉するように配置された弾性部材と、
    を具備し、
    上記防塵部材の上記光透過部及び上記複数の足部は、同一の材料を用いて形成され、
    上記防塵部材は、当該防塵部材の足部と支持部材との間に配置された上記弾性部材の弾性力によって保持されている、
    ことを特徴とする振動装置。
  2. 上記複数の足部の各々は、
    上記加振部材が配置可能な側壁部と、
    当該側壁部の一端部に形成されていて、当該加振部材とは接触しない突出部と、
    を有し、
    上記弾性部材は、当該突出部と上記支持部材との間を密閉する位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の振動装置。
  3. 上記突出部は、上記支持部材と係合し、
    上記弾性部材は、当該突出部と当該支持部材との係合状態を維持する付勢力を発生する位置であって、当該突出部と当該支持部材との間を密閉する位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項2記載の振動装置。
  4. 上記側壁部と上記突出部との断面は、略L字状をしていることを特徴とする請求項2または3記載の振動装置。
  5. 上記弾性部材は、上記突出部と上記支持部材とによって形成される溝部に配置されていることを特徴とする請求項2または3記載の振動装置。
  6. 上記支持部材は、
    上記突出部と係合する第1の支持部材と、
    上記突出部とともに上記弾性部材が配置される溝部を形成する第2の支持部材と、
    を有することを特徴とする請求項2、3または5記載の振動装置。
  7. 上記加振部材は、矩形状をしており、
    当該加振部材は、上記側壁部内に収まるように配置される、
    ことを特徴とする請求項記載の振動装置。
  8. 上記加振部材は、その長手方向の一辺が上記板状の光透過部の一辺と略平行に配置されていて、当該加振部材の長手方向の一辺の中間点と当該板状の光透過部の一辺の中間点とを結ぶ第1の仮想線と、当該板状の光透過部の振動中心と当該板状の光透過部の一辺の中間点を結ぶ第2の仮想線と、が一致することを特徴とする請求項1記載の振動装置。
  9. 上記光透過部は、矩形状をしており、
    上記側壁部は、当該光透過部から略垂直に延出し、
    上記突出部は、当該光透過部と略平行に当該側壁部から延出している、
    ことを特徴とする請求項2記載の振動装置。
  10. 光学的な画像を生成するための画像形成素子を保持する画像形成ユニットと、
    上記画像形成ユニットの前面に配置されていて、当該画像形成素子から入射する光または上記画像形成素子へ入射する光が透過する多角形状をした板状の光透過部と、当該多角形状をした光透過部の全ての辺または全ての辺の近傍から当該画像形成ユニットが位置する方向へ所定角度傾斜して延出する複数の足部と、を有する箱形状の防塵部材と、
    上記防塵部材に設けられた足部を支持する支持部材と、
    上記複数の足部の少なくとも1つに固定されていて、上記光透過部の面に垂直な振動振幅を付与する加振部材と、
    上記防塵部材の足部と上記支持部材との間を密閉するように配置された弾性部材と、
    を具備し、
    上記防塵部材の上記光透過部及び上記複数の足部は、同一の材料を用いて形成され、
    上記防塵部材は、当該防塵部材の足部と支持部材との間に配置された上記弾性部材の弾性力によって保持されている、
    ことを特徴とする画像機器。
  11. 上記複数の足部の各々は、
    上記加振部材が配置可能な側壁部と、
    当該側壁部の一端部に形成されていて、当該加振部材とは接触しない突出部と、
    を有し、
    上記弾性部材は、当該突出部と上記支持部材との間を密閉する位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項10記載の画像機器。
  12. 上記突出部は、上記支持部材と係合し、
    上記弾性部材は、当該突出部と当該支持部材との係合状態を維持する付勢力を発生する位置であって、当該突出部と当該支持部材との間を密閉する位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項11記載の画像機器。
  13. 上記側壁部と上記突出部との断面は、略L字状をしていることを特徴とする請求項12記載の画像機器。
  14. 上記弾性部材は、上記突出部と上記支持部材とによって形成される溝部に配置されていることを特徴とする請求項11または12記載の画像機器。
  15. 上記支持部材は、
    上記突出部と係合する第1の支持部材と、
    上記突出部とともに上記弾性部材が配置される溝部を形成する第2の支持部材と、
    を有することを特徴とする請求項11、12または14記載の画像機器。
  16. 上記加振部材は、矩形状をしており、
    当該加振部材は、上記側壁部内に収まるように配置される、
    ことを特徴とする請求項11記載の画像機器。
  17. 上記加振部材は、その長手方向の一辺が上記板状の光透過部の一辺と略平行に配置されていて、当該加振部材の長手方向の一辺の中間点と当該板状の光透過部の一辺の中間点とを結ぶ第1の仮想線と、当該板状の光透過部の振動中心と当該板状の光透過部の一辺の中間点を結ぶ第2の仮想線と、が一致することを特徴とする請求項10記載の画像機器。
  18. 上記光透過部は、矩形状をしており、
    上記側壁部は、当該光透過部から略垂直に延出し、
    上記突出部は、当該光透過部と略平行に当該側壁部から延出している、
    ことを特徴とする請求項11記載の画像機器。
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