JP2005331829A - 静電シャッタ装置、光学機器及び静電シャッタ装置を有する光学機器並びにカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】カバーガラスの前面に塵埃等が付着しても撮影画像にその影が映り込むことなく、実際にカメラ等の光学機器に搭載可能な静電シャッタ装置、光学機器及び静電シャッタ装置を有する光学機器並びにカメラを提供することである。
【解決手段】固定子29aの長手方向に沿って移動可能な先幕25a、後幕25bが設けられている。そして、この固定子29aとカバーガラス23の間で、該固定子29aの端部には、圧電素子33a〜33dが配設されている。圧電素子33a〜33dに周期的な駆動電圧が印加されると、除去フィルタとなるカバーガラス23が振動されて、該カバーガラス23の表面に付着した水滴や塵挨等が、その表面から弾き飛ばされて除去される。
【選択図】 図5
【解決手段】固定子29aの長手方向に沿って移動可能な先幕25a、後幕25bが設けられている。そして、この固定子29aとカバーガラス23の間で、該固定子29aの端部には、圧電素子33a〜33dが配設されている。圧電素子33a〜33dに周期的な駆動電圧が印加されると、除去フィルタとなるカバーガラス23が振動されて、該カバーガラス23の表面に付着した水滴や塵挨等が、その表面から弾き飛ばされて除去される。
【選択図】 図5
Description
本発明は、静電アクチュエータの原理を用いた静電シャッタ装置、光学機器及び静電シャッタ装置を有する光学機器並びにカメラに関するものである。
従来、カメラ等の光学機器に於けるシャッタ装置に於いては、シャッタ羽根をステップモータで駆動する方式や、スプリング力を利用してシャッタ羽根を開閉させる方式のものが知られている。しかしながら、これらの方式によるものは、シャッタ羽根を駆動する駆動装置の駆動力をシャッタ羽根に伝達するために複雑な構造を必要としていた。
そこで、遮光フィルムで形成したシャッタ幕を静電アクチュエータの原理を用いて駆動することにより、軽量化、低コスト化した、極めて簡単な構造のシャッタ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−220592号公報
ところで、静電アクチュエータの原理を用いたシャッタ装置(以下、静電シャッタ装置と記す)に於いては、シャッタ幕に機械的に連結する部材が存在しないため、駆動電極基板とカバーガラスとをスペーサを介して積層し、それによってシャッタ幕の移動空間を確保する等の構造上の工夫が必要である。
しかしながら、上記特許文献1には、こうした点に関する具体的な開示がなされていない。
そして、上記のような構造の静電シャッタ装置に於いては、カバーガラスの前面に塵埃等が付着した場合、撮影画像にその影が映り込んでしまうという課題が発生する虞れがある。
したがって本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、カバーガラスの前面に塵埃等が付着しても撮影画像にその影が映り込むことなく、実際にカメラ等の光学機器に搭載可能な静電シャッタ装置、光学機器及び静電シャッタ装置を有する光学機器並びにカメラを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、所定ピッチで配置された帯状の駆動用電極が設けられた電極部材と、上記駆動用電極に対向した部位に電位分布を有し、上記駆動用電極に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて上記電極部材に対して相対移動する移動部材と、上記移動部材を上記電極部材とで挟むように配置された保護部材と、少なくとも上記保護部材に振動波を発生させる加振部材と、を具備することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記振動は、上記保護部材の屈曲運動であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記加振部材は、上記保護部材に配置された圧電素子であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に於いて、上記圧電素子は、上記保護部材と上記電極部材の間隔を保つためのスペーサと兼用していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記振動は、超音波領域の振動波であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、光束通過領域の周辺に集塵部材を配置したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、第1の電極部材、第2の電極部材及び保護部材が、スペーサを介して積層されたユニットと、上記ユニット内の上記第1の電極部材と上記第2の電極部材とで形成される空間を移動可能な第1の移動部材と、上記第1の電極部材上に設けられ、上記第1の移動部材に対して静電力を作用させて駆動するための第1の電極部位と、上記ユニット内の上記第2の電極部材と上記保護部材とで形成される空間を移動可能な第2の移動部材と、上記第2の電極部材上に設けられ、上記第2の移動部材に対して静電力を作用させて駆動するための第2の電極部位と、上記保護部材に振動波を発生させる加振部材と、を具備することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか1に記載の発明に於いて、上記移動部材は複数のエレクトレット化部位を有し、該エレクトレット化電圧が上記第1、第2の電極部材に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて、上記第1、第2の電極部材に対して相対移動することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、所定ピッチで配置された帯状の駆動用電極が設けられた電極部材と、上記駆動用電極に対向した部位に電位分布を有し、上記駆動用電極に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて上記電極部材に対して相対移動する移動部材と、上記移動部材を上記電極部材とで挟むように配置された保護部材と、少なくとも上記保護部材に振動波を発生させる加振部材と、を具備することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明に於いて、上記振動は、上記保護部材の屈曲運動であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の発明に於いて、上記加振部材は、上記保護部材に配置された圧電素子であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明に於いて、上記圧電素子は、上記保護部材と上記電極部材の間隔を保つためのスペーサと兼用していることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項9に記載の発明に於いて、上記振動は、超音波領域の振動波であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項9に記載の発明に於いて、光束通過領域の周辺に集塵部材を配置したことを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、所定ピッチで配置された帯状の駆動用電極が設けられた第1及び第2の電極部材と、保護部材が、スペーサを介して積層されたユニットと、上記ユニット内の上記第1の電極部材と上記第2の電極部材とで形成される空間を移動可能な第1の移動部材と、上記第1の電極部材上に設けられ、上記第1の移動部材に対して静電力を作用させて駆動するための第1の電極部位と、上記ユニット内の上記第2の電極部材と上記保護部材とで形成される空間を移動可能な第2の移動部材と、上記第2の電極部材上に設けられ、上記第2の移動部材に対して静電力を作用させて駆動するための第2の電極部位と、上記保護部材に振動波を発生させる加振部材と、を具備することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項9乃至15の何れか1に記載の発明に於いて、上記移動部材は複数のエレクトレット化部位を有し、該エレクトレット化部位が上記第1及び第2の電極部材の駆動用電極に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて、上記第1及び第2の電極部材に対して相対移動することを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、被写体光束が通過する領域を遮蔽する位置に移動可能な移動部材と、上記移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた固定部材と、上記固定部材と共に上記移動部材を挟み込むように配置された保護部材と、上記保護部材に対して所定の振動を加える加振部材と、を具備することを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の発明に於いて、上記振動は、上記保護部材の屈曲運動であることを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項17に記載の発明に於いて、上記加振部材は、上記保護部材に配置された圧電素子で構成されることを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の発明に於いて、上記圧電素子は、上記保護部材と上記固定部材の間隔を保つためのスペーサと兼用していることを特徴とする。
請求項21に記載の発明は、請求項17に記載の発明に於いて、上記振動は、超音波領域の振動波であることを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、請求項17に記載の発明に於いて、上記保護部材に集塵部材が設けられたことを特徴とする。
請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の発明に於いて、上記集塵部材は、上記被写体光束が通過する領域の周辺に配置されることを特徴とする。
請求項24に記載の発明は、被写体を撮像するための撮像素子と、上記被写体の光束が通過する開口を遮蔽する位置に移動可能な移動部材と、該移動部材を静電駆動するための複数の駆動用電極が設けられた固定部材と、を有して上記撮像素子の前面に配置された静電シャッタ装置と、上記シャッタ装置の固定部材と共に上記移動部材を挟み込むように配置された保護部材と、上記保護部材に対して所定の振動を加える加振部材と、を具備することを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、請求項24に記載の発明に於いて、上記振動は、上記保護部材の屈曲運動であることを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項24に記載の発明に於いて、上記加振部材は、上記保護部材に配置された圧電素子であることを特徴とする。
請求項27に記載の発明は、請求項26に記載の発明に於いて、上記圧電素子は、上記保護部材と上記固定部材の間隔を保つためのスペーサと兼用していることを特徴とする。
請求項28に記載の発明は、請求項24に記載の発明に於いて、上記振動は、超音波領域の振動波であることを特徴とする。
請求項29に記載の発明は、請求項24に記載の発明に於いて、上記保護部材に集塵部材が設けられたことを特徴とする。
請求項30に記載の発明は、請求項29に記載の発明に於いて、上記集塵部材は、上記被写体の光束が通過する領域の周辺に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、実際にカメラ等の光学機器に搭載可能な静電シャッタ装置、光学機器及び静電シャッタ装置を有する光学機器並びにカメラを提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
はじめに、本発明に係る静電シャッタ装置の駆動原理について、図1及び図2を参照して説明する。
本シャッタ装置は、基本的に固定子1と移動子2とを備えており、移動子2は固定子1に対して図1(a)及び(b)に於いて左右方向に移動自在に構成されている。そして、固定子1には、被写体からの光像を撮像素子(図示せず)に導くための開口部3が設けられている。更に、この固定子1には、上記移動子2の移動方向と直交する方向に、帯状の複数の延出された駆動電極4が所定の間隔で並設されている。
上記移動子2は、後述する永久分極された、延出された誘導体(以下、エレクトレットと称する)5の部位を複数備えている。
このような構成に於いて、駆動電極4に周波電圧を印加すると、駆動電極4と上述したエレクトレットとの間に吸引力若しくは反発力が発生し、結果的に移動子2が固定子1に対して相対移動する。したがって、移動子2が固定子1の開口部3を、開放若しくは遮蔽するように移動可能にしておけば、これによってシャッタ装置を構成することができる。
図1(a)はシャッタが開の状態を示し、図1(b)はシャッタが閉の状態を示している。尚、固定子1に開口部3は必ずしも必要なものではなく、固定子1を透過部材として、図1(a)に示されるように、駆動電極4が設けられていない領域、すなわち、透過領域を形成しても良い。以下、被写体光束が通過するこのような領域を便宜的に開口部と称する。また、本構成に係るシャッタ装置を、エレクトレットシャッタと称するものとする。
図2は、こうしたエレクトレットシャッタの断面を模式的に示すと共に該エレクトレットシャッタの駆動回路を示した図である。
エレクトレットシャッタ7に於いて、固定子1に並設されたそれぞれの駆動電極4には、駆動回路10からの電圧信号線が接続されている。これらの電圧信号線には、4相の電圧信号が印加されるようになっており、従って、駆動電極4には、4本毎に同一の電圧信号が印加される。図2では、駆動電極4にA、B、C、Dの符号を付してこの電圧信号を区別している。
移動子2には、固定子1との対向面に永久分極された誘導体(エレクトレット)5を複数備えている。
尚、この図は、あくまでも模式図であり、実際のエレクトレットシャッタに於ける電極やエレクトレット化部位の数や配置間隔は、シャッタの大きさ、開口部の面積、エレクトレット化部位の極性、その配置形態、シャッタ装置として要求される駆動分解能、シャッタ最高速度等の様々な要因によって適宜決定されるものである。また、このエレクトレットシャッタの場合、正負の極性を有するエレクトレット化部位が交互に配置されたタイプであるが、何れか一方の極性だけでも実現可能である。
図2の左側には、上述したエレクトレットシャッタ7の構成と共に、エレクトレットシャッタ7に印加する電圧信号を発生するための駆動回路10の構成が示されている。
パルス発生回路12で生成した矩形波列(駆動パルス信号)は、位相器13及び昇圧回路14に供給される。昇圧回路14では、入力された矩形波列が100V程度まで昇圧されると共に、2つの極性を有する電圧信号に分岐されて、駆動電極4A及び4Cに供給される。一方、位相器13に入力された矩形波列は、90°位相が遅れた波形となり、その後、昇圧回路14に入力されて、上述と同様の2つの矩形波列となり、駆動電極4B及び4Dに供給される。
図3は、上記駆動回路10によって作成されて、駆動電極4A〜4Dに印加される電圧信号列の例を示したタイミングチャートである。このうち、図3(a)は駆動電極4A、図3(b)は駆動電極4B、図3(c)は駆動電極4C、図3(d)は駆動電極4Dのタイミングチャートである。
尚、駆動電極4A〜4Dの電圧の状態は、時間t1〜t4の4つの状態が、時間経過に対応して繰り返して変化するものである。
図4(a)〜(d)は、上述したエレクトレットシャッタ7の動作を説明する図である。尚、図4(a)〜(d)に於いて、同図右側方向をエレクトレットの進行方向として、後方側(左側)に正極(プラス)のエレクトレット(エレクトレット化部位)5a、前方側(右側)に負極(マイナス)のエレクトレット(エレクトレット化部位)5bが配列されているものとする。
図4(a)は、図3に示される時間t1に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極4の電圧の状態(極性)を示している。
この状態に於いて、正極のエレクトレット5aは、駆動電極A(正極)から反発力を受け、駆動電極B(負極)から吸引力を受ける。また、負極のエレクトレット5bは、駆動電極C(負極)から反発力を受け、駆動電極D(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(a)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分右方向に移動する。
図4(b)は、時間t2に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極B(正極)から反発力を受け、駆動電極C(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、駆動電極D(負極)から反発力を受け、駆動電極A(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(b)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
同様に、図4(c)は、時間t3に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極C(正極)から反発力を受け、駆動電極D(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、駆動電極A(負極)から反発力を受け、駆動電極B(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(c)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
更に、図4(d)は、時間t4に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極D(正極)から反発力を受け、駆動電極A(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、駆動電極A(負極)から反発力を受け、駆動電極C(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(d)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
上述したように、移動子2は1つの駆動電極ピッチd移動し、この動作が繰り返されることで、移動子2は図4(a)→(b)→(c)→(d)のように右方向(図示矢印F方向)に移動する。尚、移動子2を図の左方向に移動するためには、駆動電極4に印加する電圧の極性を逆に切り替えれば良い。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図5は本発明に係る第1の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの構成を示したもので、(a)は正面図、(b)は断面図である。
図5は本発明に係る第1の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの構成を示したもので、(a)は正面図、(b)は断面図である。
本エレクトレットシャッタユニット(静電シャッタ装置)21は、それぞれ独立して、撮影時に図示矢印F方向に走行する先幕(シャッタ先幕)25aと、後幕(シャッタ後幕)25bとを有するフォーカルプレーンシャッタである。この先幕25a、後幕25bは第1及び第2の移動部材(移動部材)に相当し、上述したエレクトレット5(エレクトレット化部位;図示せず)を備えている。そして、それぞれのエレクトレット5の対向面側には、複数の帯状の延出された電極部材である駆動電極(図5には示されないが、第1の電極部位、第2の電極部位)と、被写体光束が通過する領域である開口部(または透過部)27a、27bが設けられた固定子(固定部材、電極部材)29a、29bが配設されている。
上記先幕25a、後幕25bは、それぞれ固定子29a、29bの長手方向に対して、移動自在に構成されている。そして、上記複数の電極は、図5には示されないが、上記固定子29a、29b上で、上記先幕25a、後幕25bの移動方向と直交する方向に所定の間隔で並設されている。
上記エレクトレットシャッタユニット21の被写体側(図5(b)に於いて左側)と、後述するイメージャ側(図5(b)に於いて右側)には、それぞれカバーガラス23及び24が設けられている。これらのカバーガラス23及び24は、該エレクトレットシャッタユニット21の保護部材を兼用している。尚、少なくとも前面側のカバーガラス23は、反射防止幕が施されていてもよい。
また、固定子29a及び29b上には、先幕25a及び後幕25bの走行方向に沿って、それぞれ先幕25a及び後幕25bの上下にガイド35〜38が設けられている。これらのガイド35〜38は、先幕25a及び後幕25bの走行を補助するためのものである。更に、固定子29a上で、カバーガラス23との間には、その四辺の端部近傍に、加振部材である圧電素子33a〜33dがそれぞれ配設されている。これらの圧電素子33a〜33dは、スペーサとしての機能を兼用している。また、固定子29b上で、該固定子29bと固定子29aの間には、その端部近傍にスペーサ34が配設されている。
ここで、固定子29a、29bは、ガラス等を基板として構成されており、その表面に駆動電極(図示せず)が形成され、更に該駆動電極上に絶縁膜(図示せず)が設けられている。この絶縁膜が施されることにより、隣接する駆動電極間の短絡を防止している。
一方、先幕25a、後幕25bは、ポリイミドやテフロン(登録商標)が基材として用いられており、遮光材料を塗布する等の遮光処理が施されている。これにより、遮光幕としての機能を有することができる。したがって、エレクトレットシャッタユニット21内の光の乱反射を防止することができる。
そして、これら先幕25a、後幕25bとして使用される基材(フィルム膜)の一方の面、この場合駆動電極と対向する面側には、コロナ放電法により複数のエレクトレットが形成されている(これをエレクトレット化するという)。本実施形態に於いては、正負の極性を有するエレクトレット化部位が交互に配置されている(例えば、図4のエレクトレット5a、5b参照)。
尚、上述した固定子29a、29bの開口部27a、27bは、エレクトレットシャッタユニット21に設けられた開口部27と対応する位置に設けられている。これにより、開口部27より取り込まれた被写体光が、光電変換素子であるイメージャ(後述する)に導かれ、このイメージャにより当該被写体の像が光電変換される。
エレクトレットシャッタユニット21は、先幕25a、後幕25bに誘導される電荷を利用するのではなく、エレクトレットに永久分極されている電荷を利用するため、幕の立ち上がり時間を短縮してシャッタ動作を高速化することができる。
加えて、エレクトレットの電荷量は任意に与えることが可能であることから、駆動力が最大となるような最適の電荷量を与えることができ、極めて大きな駆動力を得ることができる。したがって、後述するイメージャのサイズに応じた最適なエレクトレットシャッタユニット21を構成することができる。
更に、先幕25a、後幕25bは素材として樹脂材料を用いることができるため、軽量である。例えば、先幕25a、後幕25bは、10〜20μmの薄い膜で形成することが可能である。それ故、動作に必要な電力量は少なく、且つ静かな動作を実現することができる。
図6は、図5(a)、(b)に示されるように配設された圧電素子33a〜33dによりカバーガラス23上に発生される屈曲運動の様子を説明する図である。
後述する防塵フィルタ駆動回路89により、圧電素子33a〜33dに対して周期的な駆動電圧が印加されると、除去フィルタとなるカバーガラス23の形状が変化する。例えば、振動の節である不動点がカバーガラス23の4つの頂点であるとする。そして、圧電素子33a〜33dに所定の電圧が印加されると、カバーガラス23は、図6に於いて実線で示される部分が振動の節になる。次いで、上記所定の電圧と反対の極性の電圧が印加されると、図6に於いて破線で示される部分が振動の節となり、実線で示される部分が振動の腹に変化して振動する。
このように、4つの不動点からカバーガラス23に振動が生じることにより、当該カバーガラス23の表面に付着した水滴や塵挨等は、その表面から弾き飛ばされるようにして除去される。また、このときの共振周波数は、カバーガラス23の形状や板厚・材質等により決定されるものである。
上記カバーガラス23上の塵埃の除去動作は、例えば撮像開始動作の直前に行われるようにしておくのが好ましいが、これに限られるものではない。
尚、上述した例では、圧電素子はカバーガラス23の4辺に設けられているが、これに限られずに、少なくとも1箇所に配設されるものであればよい。
また、上述した例では、圧電素子をカバーガラス23と固定子29aの間に配設したが、これに限られずに、例えば図7に示されるように、カバーガラスの表面(被写体側)に圧電素子33を配設するようにしてもよい。
第1の実施形態の変形例として、この場合、カバーガラス23と固定子29a(図7には示されない)の間に、防振性の素材で成るスペーサ33が設けられている。このように構成すると、カバーガラス23にのみ上述した振動が発生し、他の部材には振動が生じない。また、カバーガラス23の表面に圧電素子33を配設するので、構造上簡単である。
図8は、このエレクトレットシャッタユニット21が搭載された光学機器としてのデジタル一眼レフカメラの概略配置構成を示した図である。
図6に於いて、このデジタル一眼レフカメラは、ボディユニット50と、このボディユニット50の前面部に、ボディマウント46及びレンズマウント47を介して装着される、例えばアクセサリ装置として交換可能なレンズユニット51と、を有して構成されている。
ボディユニット50内には、レンズユニット51内の図示されないレンズ群の光軸上に、クイックリターンミラー70及びフォーカシングスクリーン71を有したミラーボックスユニット44と、上述したエレクトレットシャッタユニット21等を有した撮像ユニット45を備えている。
上記クイックリターンミラー70は、撮影光路内、光路外に回動可能に設けられるもので、被写体観察時は実線で示される位置に配置され、撮像動作時は二点差線で示される位置に配置される。また、エレクトレットシャッタユニット21は、ミラーボックスユニット44の後方(図8に於いて右側)に配置されている。更に、エレクトレットシャッタユニット21の後方には、光学ローパスフィルタ40と、光電変換素子であるイメージャ42とが配置されている。尚、41はイメージャ42と光学ローパスフィルタ40との間を封止するためのシール部材である。
一方、クイックリターンミラー70で反射された光束は、フォーカシングスクリーン71に結像され、更にペンタプリズム72を介してルーペレンズ73に至る。
いま、図示されない被写体からの光束が、レンズユニット51を介して入射されるとする。被写体観察時は、レンズユニット51を介して入射された光束は、クイックリターンミラー70で反射されて、フォーカシングスクリーン71に結像される。更に、ペンタプリズム72を介してルーペレンズ73を通して、撮影者により正立正像が観察される。このとき、エレクトレットシャッタユニット21の開口部27、27a及び27b(図5(a)、(b)参照)は全閉状態となっている。
そして、撮像動作時は、クイックリターンミラー70が撮影光路外(図8に於いて二点鎖線で示される位置)に退避されるため、レンズユニット50を介して入射される被写体からの光束は、エレクトレットシャッタユニット21に導かれる。このとき、図5(a)に示される矢印F方向に先幕25aが駆動されて、開口部27、27a及び27bは全開状態となる。これにより、上記光束は、開口部27、27a及び27b、光学ローパスフィルタ40を通過してイメージャ42の撮像面で結像される。
そして、所定時間が経過したときに、図5(b)に示される矢印F方向に後幕25bが駆動されて、開口部27、27a及び27bが遮蔽される。これにより、開口部27、27a及び27bは覆われて、完全に遮光された状態となる。その後、先幕25a、後幕25bは、図5(a)に示される初期状態に復帰し、クイックリターンミラー70が撮影光路内(図8に於いて実線で示される位置)に戻って、次の撮像動作に備えて待機する。
図9は、本発明の第1の実施形態に係るエレクトレットシャッタユニットを用いたデジタル一眼レフカメラの電気系のシステム構成を示すブロック図である。
図9に於いて、このカメラシステムは、ボディユニット50と、アクセサリ装置として、例えば交換可能なレンズユニット(すなわちレンズ鏡筒)51と、通信コネクタ56を介して撮影した画像データを記録しておく記録メディア52と、ストロボ通信コネクタ57を介して外付けのストロボユニット53とを有して構成されている。
上記レンズユニット51は、上記ボディユニット50の前面に設けられた、図示されないレンズマウントを介して着脱自在に装着可能である。そして、上記レンズユニット51は、撮影レンズ61a及び61bと、絞り62と、レンズ駆動機構63と、絞り駆動機構64と、レンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lμcomと略記する)65とから構成されている。
上記撮影レンズ61a及び61bは、レンズ駆動機構63内に存在する図示されないDCモータによって、光軸方向に駆動される。絞り62は、絞り駆動機構64内に存在する図示されないステッピングモータによって駆動される。また、Lμcom65は、上記レンズ駆動機構63や絞り駆動機構64等、レンズユニット51内の各部を駆動制御する。このLμcom65は、通信コネクタ55を介して、後述するボディ制御用マイクロコンピュータ85と電気的に接続がなされ、該ボディ制御用マイクロコンピュータ85の指令に従って制御される。
一方、ボディユニット50は、以下のように構成されている。
レンズユニット51内の撮影レンズ61a及び61b、絞り62を介して入射される図示されない被写体からの光束は、クイックリターンミラー70で反射されて、フォーカシングスクリーン71、ペンタプリズム72を介してルーペレンズ73に至る。
上記クイックリターンミラー70の中央部はハーフミラーになっており、該クイックリターンミラー70がダウン(図示の位置)した際に一部の光束が透過する。そして、この透過した光束は、クイックリターンミラー70に設置されたサブミラー75で反射され、自動測距を行うためのAFセンサユニット76に導かれる。尚、上記クイックリターンミラー70のアップ時には、サブミラー75は折り畳まれるようになっている。
上記クイックリターンミラー70の後方には、上述したエレクトレットシャッタユニット21と、イメージャ42を搭載した撮像ユニット45が設けられている。図9には示されないが、上述したように、クイックリターンミラー70が光路より退避した場合、撮影レンズ61a及び61bを通った光束は、撮像ユニット45内のイメージャ42に結像される。
尚、図9に於いては、図面の簡単化のため、エレクトレットシャッタユニット21の前面に圧電素子33が配設されたように示されているが、その位置は図5(b)、図7に示されるように、カバーガラス23に対して何れの位置に配設されていてもよいものである。
このボディユニット50は、また、上記イメージャ42に接続された撮像素子インターフェイス回路80と、記憶領域として設けられたSDRAM82と、液晶モニタ83及び上記通信コネクタ56を介して記録メディア52とが、画像処理を行うための画像処理コントローラ81に接続されている。これらは、電子撮像機能と共に電子記録表示機能を提供できるように構成されている。
上記記録メディア52は、各種のメモリカードや外付けのハードディスクドライブ(HDD)等の外部記録媒体であり、通信コネクタ56を介してカメラボディ50と通信可能、且つ交換可能に装着される。
上記画像処理コントローラ81は、通信コネクタ55と、測光回路86と、AFセンサ駆動回路88と、防塵フィルタ駆動回路89と、シャッタ駆動制御回路90と、不揮発性メモリ(EEPROM)91等と共に、このボディユニット50内の各部を制御するためのボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bμcomと略記する)85に接続されている。
上記Bμcom85には、当該カメラの動作状態を表示出力によって撮影者へ告知するための動作表示用LCD92と、カメラ操作スイッチ(SW)93と、電源回路95を介して電池96とが接続されている。
尚、上記Bμcom85とLμcom65とは、レンズユニット51の装着時に於いて、通信コネクタ55を介して通信可能に電気的接続がなされる。そして、デジタルカメラとしてLμcom65がBμcom85に従属的に協働しながら稼動するようになっている。
上記測光回路86は、上記イメージャ42に取り込まれた光束に基づいて測光処理する回路である。また、上記AFセンサ駆動回路88は、自動測距を行うためのAFセンサとしてのイメージャ42を駆動制御するための回路である。上記防塵フィルタ駆動回路89は、上述したカバーガラス23に配設された圧電素子33a〜33d(または33)を駆動制御するための回路である。また、シャッタ駆動制御回路90は、上記エレクトレットシャッタユニット21の先幕25aと後幕25bの動きを制御すると共に、Bμcom85との間でシャッタの開閉動作を制御する信号とストロボと同調する信号の授受を行う。
不揮発性メモリ91は、その他の記憶領域として、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する記憶手段であり、Bμcom85からアクセス可能に設けられている。
動作表示用LCD92は、当該カメラの動作状態を表示出力によって撮影者へ告知するためのものである。上記カメラ操作スイッチ93は、例えば撮影動作の実行を指示するレリーズスイッチ、撮影モードと画像表示モードを切り替えるモード変更スイッチ及びパワースイッチ等、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群で構成される。
更に、上記電源回路95は、電源としての電池96の電圧VE を、当該カメラシステムの各回路ユニットが必要とする電圧VC に変換して供給するために設けられている。
ストロボユニット53は、閃光発光部101と、DC/DCコンバータ102と、ストロボ制御用マイクロコンピュータ103及び電池104とから成っている。そして、このストロボユニット53は、ストロボ通信コネクタ57を介して、ボディユニット50と通信可能に装着可能である。
このように構成されたデジタル一眼レフカメラの各部は、次のように稼動する。
先ず、画像処理コントローラ81により、Bμcom85の指令に従って撮像素子インターフェイス回路80が制御されて、撮像ユニット45内のイメージャ42から画像データが取り込まれる。この画像データは、一時保管用メモリであるSDRAM82に取り込まれる。このSDRAM82は、画像データが変換される際のワークエリア等に使用される。また、この画像データは、JPEGデータに変換された後には、記録メディア52に保管されるように設定されている。
ミラー駆動機構87は、上述したように、クイックリターンミラー70をアップ(UP)位置とダウン(DOWN)位置へ駆動するための機構である。ミラー駆動機構87によってクイックリターンミラー70がダウン位置にある時、撮影レンズ61a及び61bからの光束は、AFセンサユニット76側とペンタプリズム72側へと分割されて導かれる。
AFセンサユニット76内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路88を介してBμcom85へ送信されて、周知の測距処理が行われる。
一方、ペンタプリズム72に隣接するルーペレンズ73からは、撮影者が被写体を目視することができる。また、上記ペンタプリズム72を通過した光束の一部は、測光回路86内のホトセンサ(図示せず)へ導かれ、ここで検知された光量に基づいて周知の測光処理が行われる。
シャッタ駆動制御回路90では、Bμcom85からシャッタを駆動制御するための信号が受取られると、その信号に基づいてエレクトレットシャッタユニット21が制御される。それと共に、シャッタ駆動制御回路90から、所定のタイミングでBμcom85にストロボを発光させるためのストロボ同調信号が出力される。Bμcom85からは、このストロボ同調信号に基づいて、ストロボユニット53に通信により発光指令信号が出力される。
また、撮影者によって上述したカメラ操作スイッチ93の中のモード変更スイッチが操作されて、撮影モードから画像表示モードへ切り換えられると、記録メディア52に保管された画像データが読み出されて、液晶モニタ83に表示可能である。記録メディア52から読み出された画像データは、画像処理コントローラ81に於いてビデオ信号に変換され、液晶モニタ83にて出力表示される。
電源スイッチ98のオフによって電源回路95の動作が停止された場合には、再び電源スイッチ98がオンにされなければ電源回路の動作は開始されない。
本実施形態のシャッタ装置は、図8に於けるエレクトレットシャッタユニット21とシャッタ駆動制御回路90により構成されている。
次に、図10に示される防塵フィルタ駆動回路89の回路図と、図11のタイムチャートに基づいて、本実施形態に於ける除去フィルタとしてのカバーガラス23の駆動及びその動作について説明する。
防塵フィルタ駆動回路89は圧電素子33(または33a〜33d)の駆動回路であり、図10に示されるような回路構成を有している。また、その各部に於いて、図11のタイムチャートで表す波形信号(Sig1〜Sig4)が生成され、それらの信号に基づいて次のように制御される。
すなわち、防塵フィルタ駆動回路89は、図10に示されるように、N進カウンタ111と、1/2分周回路112と、インバータ113と、複数のMOSトランジスタQ1、Q2、Q3と、トランス114及び抵抗R1とから構成されている。
上記トランス114の1次側に接続されたトランジスタQ2及びトランジスタQ3のオン/オフ切替え動作によって、そのトランス114の2次側に所定周期の信号(Sig4)が発生するように構成されている。この所定周期の信号に基づいて、圧電素子33を駆動させ、カバーガラス23を振動させるようになっている。
また、Bμcom85は、制御ポートとして設けられた2つのIOポートP_PwCont及びIOポートD_NCntと、クロックジェネレータ110を有しており、これらにより、防塵フィルタ駆動回路89を制御している。
そして、この防塵フィルタ駆動回路89により、圧電素子33(33a〜33d)に対して周期的な駆動電圧が印加されると、カバーガラス23に振動が生じる。これにより、カバーガラス23の表面に付着した水滴や塵挨等は、その表面から弾き飛ばされるようにして除去される。
以上のように、第1の実施形態によれば、カバーガラスの前面に塵埃等が付着しても撮影画像にその影が映り込むことがなくなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、矩形のシャッタユニットに設けられたカバーガラスを振動させて塵埃の付着を防止するようにした例について説明したが、これに限られるものではない。以下に述べる第2の実施形態は、例えば円形状のシャッタユニットのカバーガラスを除去フィルタとして形成した例についてのものである。
図12は、本発明に係る第2の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの構成を示した正面図である。
尚、この第2の実施形態は、上述した第1の実施の形態とはカバーガラス及び圧電素子の形状が異なるだけであり、その他の構成及び動作等については、基本的に図5乃至図11に示されたものと同様であるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
図12に於いて、本エレクトレットシャッタユニット(静電シャッタ装置)21aは、それぞれ独立して、撮影時に図示矢印F方向に走行する先幕(シャッタ先幕)25aと、後幕(シャッタ後幕)25bとを有するフォーカルプレーンシャッタである。
上記エレクトレットシャッタユニット21aの被写体側(図12に於いて紙面より手前側)には、円形状のカバーガラス120が設けられている。このカバーガラス120は、エレクトレットシャッタユニット21aの保護部材を兼用している。また、カバーガラス120は、反射防止幕が施されていてもよい。
また、固定子29a及び29b(図12には示されない)上には、先幕25a及び後幕25bの走行方向に沿って、それぞれ先幕25a及び後幕25bの上下にガイド35、36(、37、38)が設けられている。更に、固定子29a上で、カバーガラス120との間には、その円周の端部近傍に、加振手段である圧電素子121が配設されている。この圧電素子121は、スペーサとしての機能を兼用している。
そして、圧電素子121に対して周期的な駆動電圧が印加されると、除去フィルタとなるカバーガラス120の形状が変化する。この場合、カバーガラス120が円形状であるので、その中心方向に向かって、振動の節と腹が繰り返し形成される。このようにして、カバーガラス120に振動が生じることにより、当該カバーガラス120の表面に付着した水滴や塵挨等が、その表面から弾き飛ばされるようにして除去される。
このように構成することにより、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図13は本発明に係る第3の実施形態のエレクトレットシャッタユニットの構成を示したもので、(a)は正面図、(b)は断面図である。
尚、この第3の実施形態は、上述した第1の実施の形態とは集塵電極が加わる以外は、その構成及び基本的な動作等については、基本的に図5乃至図11に示されたものと同様であるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
上述した第1及び第2の実施形態では、カバーガラスの表面に付着した塵埃を、端に弾き飛ばすようにしていたが、この第3の実施形態では、カバーガラス表面から除去した塵埃を、撮影に影響のない部分に吸着させるようにしている。
すなわち、本エレクトレットシャッタユニット(静電シャッタ装置)21bに於いて、カバーガラス23上(図13(b)に於いて左側)には、例えば開口部27の下方に、集塵電極48が設けられている。この集塵電極48は、カバーガラス23の振動により該カバーガラス23の表面に付着していた塵埃を、例えば静電力により吸着するためのものである。
この集塵電極48に吸着された塵埃は、該集塵電極48が開口部27の外側に位置するために、撮像時に影になることがない。
尚、この第3の実施形態では、集塵電極48を開口部27の下方に設けているが、これに限られるものではなく、開口部27の外側であればよいものである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
1、29a、29b…固定子、2…移動子、3、27、27a、27b…開口部、4、4A〜4D、28a、28b…駆動電極、5、5a、5b…永久分極された誘導体(エレクトレット)、7…エレクトレットシャッタ、10…駆動回路、12…パルス発生回路、13…位相器、14…昇圧回路、21、21a、21b…エレクトレットシャッタユニット、23、24、120…カバーガラス、25a…先幕、25b…後幕、27、27a、27b…開口部、33、33a、33b、33c、33d、121…圧電素子、34…スペーサ、35〜38…ガイド、40…光学ローパスフィルタ、50…ボディユニット、51…レンズユニット、52…記録メディア、53…ストロボユニット、61a、61b…撮影レンズ、62…絞り、65…レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lμcom)、70…メインミラー、80…撮像素子インターフェイス回路、81…画像処理コントローラ、85…ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bμcom)、90…シャッタ駆動制御回路、93…カメラ操作スイッチ(SW)、95…電源回路、101…閃光発光部、103…ストロボ制御用マイクロコンピュータ。
Claims (30)
- 所定ピッチで配置された帯状の駆動用電極が設けられた電極部材と、
上記駆動用電極に対向した部位に電位分布を有し、上記駆動用電極に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて上記電極部材に対して相対移動する移動部材と、
上記移動部材を上記電極部材とで挟むように配置された保護部材と、
少なくとも上記保護部材に振動波を発生させる加振部材と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。 - 上記振動は、上記保護部材の屈曲運動であることを特徴とする請求項1に記載の静電シャッタ装置。
- 上記加振部材は、上記保護部材に配置された圧電素子であることを特徴とする請求項1に記載の静電シャッタ装置。
- 上記圧電素子は、上記保護部材と上記電極部材の間隔を保つためのスペーサと兼用していることを特徴とする請求項3に記載の静電シャッタ装置。
- 上記振動は、超音波領域の振動波であることを特徴とする請求項1に記載の静電シャッタ装置。
- 光束通過領域の周辺に集塵部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載の静電シャッタ装置。
- 第1の電極部材、第2の電極部材及び保護部材が、スペーサを介して積層されたユニットと、
上記ユニット内の上記第1の電極部材と上記第2の電極部材とで形成される空間を移動可能な第1の移動部材と、
上記第1の電極部材上に設けられ、上記第1の移動部材に対して静電力を作用させて駆動するための第1の電極部位と、
上記ユニット内の上記第2の電極部材と上記保護部材とで形成される空間を移動可能な第2の移動部材と、
上記第2の電極部材上に設けられ、上記第2の移動部材に対して静電力を作用させて駆動するための第2の電極部位と、
上記保護部材に振動波を発生させる加振部材と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。 - 上記移動部材は複数のエレクトレット化部位を有し、該エレクトレット化電圧が上記第1、第2の電極部材に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて、上記第1、第2の電極部材に対して相対移動することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1に記載の静電シャッタ装置。
- 所定ピッチで配置された帯状の駆動用電極が設けられた電極部材と、
上記駆動用電極に対向した部位に電位分布を有し、上記駆動用電極に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて上記電極部材に対して相対移動する移動部材と、
上記移動部材を上記電極部材とで挟むように配置された保護部材と、
少なくとも上記保護部材に振動波を発生させる加振部材と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置を有する光学機器。 - 上記振動は、上記保護部材の屈曲運動であることを特徴とする請求項9に記載の静電シャッタ装置を有する光学機器。
- 上記加振部材は、上記保護部材に配置された圧電素子であることを特徴とする請求項9に記載の静電シャッタ装置を有する光学機器。
- 上記圧電素子は、上記保護部材と上記電極部材の間隔を保つためのスペーサと兼用していることを特徴とする請求項11に記載の静電シャッタ装置を有する光学機器。
- 上記振動は、超音波領域の振動波であることを特徴とする請求項9に記載の静電シャッタ装置を有する光学機器。
- 光束通過領域の周辺に集塵部材を配置したことを特徴とする請求項9に記載の静電シャッタ装置を有する光学機器。
- 所定ピッチで配置された帯状の駆動用電極が設けられた第1及び第2の電極部材と、保護部材が、スペーサを介して積層されたユニットと、
上記ユニット内の上記第1の電極部材と上記第2の電極部材とで形成される空間を移動可能な第1の移動部材と、
上記第1の電極部材上に設けられ、上記第1の移動部材に対して静電力を作用させて駆動するための第1の電極部位と、
上記ユニット内の上記第2の電極部材と上記保護部材とで形成される空間を移動可能な第2の移動部材と、
上記第2の電極部材上に設けられ、上記第2の移動部材に対して静電力を作用させて駆動するための第2の電極部位と、
上記保護部材に振動波を発生させる加振部材と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置を有する光学機器。 - 上記移動部材は複数のエレクトレット化部位を有し、該エレクトレット化部位が上記第1及び第2の電極部材の駆動用電極に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて、上記第1及び第2の電極部材に対して相対移動することを特徴とする請求項9乃至15の何れか1に記載の静電シャッタ装置を有する光学機器。
- 被写体光束が通過する領域を遮蔽する位置に移動可能な移動部材と、
上記移動部材を静電駆動するための複数の駆動電極が設けられた固定部材と、
上記固定部材と共に上記移動部材を挟み込むように配置された保護部材と、
上記保護部材に対して所定の振動を加える加振部材と、
を具備することを特徴とする光学機器。 - 上記振動は、上記保護部材の屈曲運動であることを特徴とする請求項17に記載の光学機器。
- 上記加振部材は、上記保護部材に配置された圧電素子で構成されることを特徴とする請求項17に記載の光学機器。
- 上記圧電素子は、上記保護部材と上記固定部材の間隔を保つためのスペーサと兼用していることを特徴とする請求項19に記載の光学機器。
- 上記振動は、超音波領域の振動波であることを特徴とする請求項17に記載の光学機器。
- 上記保護部材に集塵部材が設けられたことを特徴とする請求項17に記載の光学機器。
- 上記集塵部材は、上記被写体光束が通過する領域の周辺に配置されることを特徴とする請求項22に記載の光学機器。
- 被写体を撮像するための撮像素子と、
上記被写体の光束が通過する開口を遮蔽する位置に移動可能な移動部材と、該移動部材を静電駆動するための複数の駆動用電極が設けられた固定部材と、を有して上記撮像素子の前面に配置された静電シャッタ装置と、
上記シャッタ装置の固定部材と共に上記移動部材を挟み込むように配置された保護部材と、
上記保護部材に対して所定の振動を加える加振部材と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - 上記振動は、上記保護部材の屈曲運動であることを特徴とする請求項24に記載のカメラ。
- 上記加振部材は、上記保護部材に配置された圧電素子であることを特徴とする請求項24に記載のカメラ。
- 上記圧電素子は、上記保護部材と上記固定部材の間隔を保つためのスペーサと兼用していることを特徴とする請求項26に記載のカメラ。
- 上記振動は、超音波領域の振動波であることを特徴とする請求項24に記載のカメラ。
- 上記保護部材に集塵部材が設けられたことを特徴とする請求項24に記載のカメラ。
- 上記集塵部材は、上記被写体の光束が通過する領域の周辺に配置されることを特徴とする請求項29に記載のカメラ。
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