JP2005338641A - 静電シャッタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャッタ幕が正しく開閉されたか否かを検出することができ、確実な駆動を保証して高速化が可能な静電シャッタ装置を提供することである。
【解決手段】撮像モジュール20は、シャッタユニット21と、撮像ユニット22とで構成されている。上記シャッタユニット21は、先幕25a、後幕25bを有し、エレクトレットを備えている。先幕25a、後幕25bの対向面側には、電極28a、28bと、開口部27a、27bが設けられた固定子29a、29bが配設されている。シャッタユニット21の被写体側には、該シャッタユニット21を覆うように保護部材が固設されており、この保護部材32には、先幕25a、後幕25bの位置を検出するためのフォトリフレクタ37a及び37bが固定されている。
【選択図】 図5
【解決手段】撮像モジュール20は、シャッタユニット21と、撮像ユニット22とで構成されている。上記シャッタユニット21は、先幕25a、後幕25bを有し、エレクトレットを備えている。先幕25a、後幕25bの対向面側には、電極28a、28bと、開口部27a、27bが設けられた固定子29a、29bが配設されている。シャッタユニット21の被写体側には、該シャッタユニット21を覆うように保護部材が固設されており、この保護部材32には、先幕25a、後幕25bの位置を検出するためのフォトリフレクタ37a及び37bが固定されている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、静電アクチュエータの原理を用いた静電シャッタ装置に関するものである。
従来、カメラ等の光学機器に於けるシャッタ装置に於いては、シャッタ羽根をステップモータで駆動する方式や、スプリング力を利用してシャッタ羽根を開閉させる方式のものが知られている。しかしながら、これらの方式によるものは、シャッタ羽根を駆動する駆動装置の駆動力をシャッタ羽根に伝達するために複雑な構造を必要としていた。
そこで、遮光フィルムで形成したシャッタ幕を静電アクチュエータの原理を用いて駆動することにより、軽量化、低コスト化した、極めて簡単な構造のシャッタ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−220592号公報
ところで、こうした静電アクチュエータの原理を用いたシャッタ装置(以下、静電シャッタ装置と記す)は、オープンループ制御であるために、シャッタ幕が正しく開閉されたか否かを検出することができないものであった。そのため、確実な駆動を保証することが可能な速度以上の高速化はできないものであった。
したがって本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、シャッタ幕が正しく開閉されたか否かを検出することができ、確実な駆動を保証して高速化が可能な静電シャッタ装置を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、被写体からの光像を撮像素子に導くための開口部を有し、帯状の複数の電極が所定の間隔で並べられている固定子と、上記固定子の対向面に配された複数のエレクトレット化部位を有し、遮光部材で構成された移動子と、上記固定子の電極に駆動パルスを加えた際に、上記エレクトレット化部位との間に生じる静電力を用いて、移動子を固定子に対して相対移動させる駆動手段と、上記開口部を開放状態にする移動子の第1の位置を検出する第1の検出手段と、上記開口部を遮蔽状態にする移動子の第2の位置を検出する第2の検出手段と、を具備することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、被写体からの光像を撮像素子に導くための開口部を有し、帯状の複数の電極が所定の間隔で並べられている2つの固定子と、上記2つの固定子の対向面に配された複数のエレクトレット化部位を有し、遮光部材で構成された2つの移動子と、上記2つの固定子の電極に駆動パルスを加える駆動回路と、を備え、上記駆動パルスにより、上記2つの移動子を上記2つの固定子に対して相対移動させ、第1の移動子を先幕、第2の移動子を後幕とする静電シャッタ装置に於いて、上記第1の移動子が上記開口部を開放状態にする位置と、上記第1の移動子が上記開口部を遮蔽状態にする位置と、上記第2の移動子が上記開口部を開放状態にする位置と、上記第2の移動子が上記開口部を遮蔽状態にする位置と、を検出する検出手段と、を具備することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明に於いて、上記検出手段は上記第1の移動子と第2の移動子の両方を検出し、上記2つの固定子には検出用の開口部が形成されたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明に於いて、上記検出手段は上記第1の移動子と第2の移動子の両方を検出し、上記2つの固定子には検出用の透過部が形成されたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明に於いて、上記2つの移動子には、位置検出用の孔が形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、被写体からの光像を撮像素子に導くための開口部を有し、帯状の複数の電極が所定の間隔で並べられている固定子と、上記固定子の対向面に配されて遮光部材で構成された移動子と、上記固定子の電極に駆動パルスを加えた際に生じる静電力を用いて、移動子を固定子に対して相対移動させる駆動手段と、上記開口部を開放状態にする移動子の第1の位置を検出する第1の検出手段と、上記開口部を遮蔽状態にする移動子の第2の位置を検出する第2の検出手段と、を具備することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、被写体光束が通過する開口部を有し、所定間隔で配置された帯状の駆動用電極が設けられた電極部を有する固定子と、上記固定子の上記電極部に対向した部位に複数のエレクトレット化部位を有し、上記駆動用電極に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて上記電極部材に対して相対移動する移動子と、上記移動子を上記固定子とで挟むように配置された保護部材と、上記移動子が上記開口部を遮蔽する第1の位置と、上記移動子が上記開口部を開放する第2の位置とを検出可能な検出手段と、を具備することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明に於いて、上記移動子は遮光部材で構成されることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記固定子には上記移動子の位置検出用の開口部が形成されたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記固定子には上記移動子の位置検出用の透過部が形成されたことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記移動子には、位置検出用の孔が形成されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項7乃至11の何れか1に記載の発明に於いて、上記移動子は、第1の移動子と、この第1の移動子が移動した所定時間後に移動する第2の移動子とで構成され、上記検出手段は、上記第1の移動子と第2の移動子の両方の位置を検出することを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、被写体光束が通過する開口部を有する固定子と、上記固定子上に設けられた複数の電極部位と、上記電極部位に駆動パルスを加えた際に発生する静電力を受けて、上記開口部を遮蔽する位置と開放する位置とで移動可能な移動子と、上記被写体光束が通過する領域を有し、上記移動子を上記固定子と共に挟むように配置された保護部材と、上記移動子が上記開口部を遮蔽する第1の位置と、上記開口部を開放する第2の位置とを検出可能な検出手段と、を具備することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明に於いて、上記移動子は遮光部材で構成されることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明に於いて、上記固定子には上記移動子の位置検出用の開口部が形成されたことを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の発明に於いて、上記固定子には上記移動子の位置検出用の透過部が形成されたことを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項14に記載の発明に於いて、上記移動子には、位置検出用の孔が形成されていることを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項13乃至17の何れか1に記載の発明に於いて、上記移動子は、第1の移動子と、この第1の移動子が移動した所定時間後に移動する第2の移動子とで構成され、上記検出手段は、上記第1の移動子と第2の移動子の両方の位置を検出することを特徴とする。
本発明によれば、シャッタ幕が正しく開閉されたか否かを検出することができ、確実な駆動を保証して高速化が可能な静電シャッタ装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
はじめに、本発明に係る静電シャッタ装置の駆動原理について、図1及び図2を参照して説明する。
本シャッタ装置は、基本的に固定子1と移動子2とを備えており、移動子2は固定子1に対して図1(a)及び(b)に於いて左右方向に移動自在に構成されている。そして、固定子1には、被写体からの光像を撮像素子(図示せず)に導くための開口部3が設けられている。更に、この固定子1には、上記移動子2の移動方向と直交する方向に、帯状の複数の延出された駆動電極4が所定の間隔で並設されている。
上記移動子2は、後述する永久分極された、延出された誘導体(以下、エレクトレットと称する)5の部位を複数備えている。
このような構成に於いて、駆動電極4に周波電圧を印加すると、駆動電極4と上述したエレクトレットとの間に吸引力若しくは反発力が発生し、結果的に移動子2が固定子1に対して相対移動する。したがって、移動子2が固定子1の開口部3を、開放若しくは遮蔽するように移動可能にしておけば、これによってシャッタ装置を構成することができる。
図1(a)はシャッタが開の状態を示し、図1(b)はシャッタが閉の状態を示している。尚、固定子1に開口部3は必ずしも必要なものではなく、固定子1を透過部材として、図1(a)に示されるように、駆動電極4が設けられていない領域、すなわち、透過領域を形成しても良い。以下、被写体光束が通過するこのような領域を便宜的に開口部と称する。また、本構成に係るシャッタ装置を、エレクトレットシャッタと称するものとする。
図2は、こうしたエレクトレットシャッタの断面を模式的に示すと共に該エレクトレットシャッタの駆動回路を示した図である。
エレクトレットシャッタ7に於いて、固定子1に並設されたそれぞれの駆動電極4には、駆動回路10からの電圧信号線が接続されている。これらの電圧信号線には、4相の電圧信号が印加されるようになっており、従って、駆動電極4には、4本毎に同一の電圧信号が印加される。図2では、駆動電極4にA、B、C、Dの符号を付してこの電圧信号を区別している。
移動子2には、固定子1との対向面に永久分極された誘導体(エレクトレット)5を複数備えている。
尚、この図は、あくまでも模式図であり、実際のエレクトレットシャッタに於ける電極やエレクトレット部位の数や配置間隔は、シャッタの大きさ、開口部の面積、エレクトレット部位の極性、その配置形態、シャッタ装置として要求される駆動分解能、シャッタ最高速度等の様々な要因によって適宜決定されるものである。また、このエレクトレットシャッタの場合、正負の極性を有するエレクトレット化部位が交互に配置されたタイプであるが、何れか一方の極性だけでも実現可能である。
図2の左側には、上述したエレクトレットシャッタ7の構成と共に、エレクトレットシャッタ7に印加する電圧信号を発生するための駆動回路10の構成が示されている。
パルス発生回路12で生成した矩形波列(駆動パルス信号)は、位相器13及び昇圧回路14に供給される。昇圧回路14では、入力された矩形波列が100V程度まで昇圧されると共に、2つの極性を有する電圧信号に分岐されて、駆動電極4A及び4Cに供給される。一方、位相器13に入力された矩形波列は、90°位相が遅れた波形となり、その後、昇圧回路14に入力されて、上述と同様の2つの矩形波列となり、駆動電極4B及び4Dに供給される。
図3は、上記駆動回路10によって作成されて、駆動電極4A〜4Dに印加される電圧信号列の例を示したタイミングチャートである。このうち、図3(a)は駆動電極4A、図3(b)は駆動電極4B、図3(c)は駆動電極4C、図3(d)は駆動電極4Dのタイミングチャートである。
尚、駆動電極4A〜4Dの電圧の状態は、時間t1〜t4の4つの状態が、時間経過に対応して繰り返して変化するものである。
図4(a)〜(d)は、上述したエレクトレットシャッタ7の動作を説明する図である。尚、図4(a)〜(d)に於いて、同図右側方向をエレクトレットの進行方向として、後方側(左側)に正極(プラス)のエレクトレット(エレクトレット化部位)5a、前方側(右側)に負極(マイナス)のエレクトレット(エレクトレット化部位)5bが配列されているものとする。
図4(a)は、図3に示される時間t1に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極4の電圧の状態(極性)を示している。
この状態に於いて、正極のエレクトレット5aは、駆動電極A(正極)から反発力を受け、駆動電極B(負極)から吸引力を受ける。また、負極のエレクトレット5bは、駆動電極C(負極)から反発力を受け、駆動電極D(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(a)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分右方向に移動する。
図4(b)は、時間t2に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極B(正極)から反発力を受け、駆動電極C(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、駆動電極D(負極)から反発力を受け、駆動電極A(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(b)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
同様に、図4(c)は、時間t3に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極C(正極)から反発力を受け、駆動電極D(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、駆動電極A(負極)から反発力を受け、駆動電極B(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(c)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
更に、図4(d)は、時間t4に切り替わった直後のエレクトレットと駆動電極の電圧の状態を示している。
この状態に於いて、エレクトレット5aは、駆動電極D(正極)から反発力を受け、駆動電極A(負極)から吸引力を受ける。また、エレクトレット5bは、駆動電極A(負極)から反発力を受け、駆動電極C(正極)から吸引力を受ける。このため、移動子2は、図4(d)の右方向に力を受けて、1つの駆動電極ピッチd分移動する。
上述したように、移動子2は1つの駆動電極ピッチd移動し、この動作が繰り返されることで、移動子2は図4(a)→(b)→(c)→(d)のように右方向(図示矢印F方向)に移動する。尚、移動子2を図の左方向に移動するためには、駆動電極4に印加する電圧の極性を逆に切り替えれば良い。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図5は、本発明に係る第1の実施形態の静電シャッタ装置を適用した撮像モジュールの構成を示す組立図であり、図6は図5の構成の撮像モジュールが組み立てられた状態の構成を示した断面図である。
図5は、本発明に係る第1の実施形態の静電シャッタ装置を適用した撮像モジュールの構成を示す組立図であり、図6は図5の構成の撮像モジュールが組み立てられた状態の構成を示した断面図である。
本撮像モジュール20は、シャッタユニット21と、撮像ユニット22とで構成されている。上記シャッタユニット21は、それぞれ独立して走行する先幕(シャッタ先幕)25aと、後幕(シャッタ後幕)25bとを有するフォーカルプレーンシャッタである。この先幕25a、後幕25bは、上述したエレクトレット5(図示せず)を備えている。そして、それぞれのエレクトレット5の対向面側には、複数の帯状の延出された駆動電極(第1の駆動電極部位、第2の駆動電極部位)28a、28bと、開口部(または透過部)27a、27bが設けられた固定子(固定部材)29a、29bが配設されている。
上記先幕25a、後幕25bは、それぞれ固定子29a、29bの長手方向に対して、移動自在に構成されている。そして、上記複数の電極28a、28bは、上記固定子29a、29b上で、上記先幕25a、後幕25bの移動方向と直交する方向に所定の間隔で並設されている。
更に、シャッタユニット21の被写体側(図5、図6に於いて左側)には、開口部(透光部)31を有する保護部材32が、スペーサ33〜36を介して、シャッタユニット21の前面を覆うように固設されている。ここで、固定子29a、29bは、ガラス等を基板として構成されており、その表面に駆動電極28a、28bが形成され、更に駆動電極28a、28b上に絶縁膜(図示せず)が設けられている。この絶縁膜が施されることにより、隣接する駆動電極間の短絡を防止している。
一方、先幕25a、後幕25bは、ポリイミドやテフロン(登録商標)が基材として用いられており、アルミニウム等の金属が蒸着されている。これにより、完全ではないものの、ある程度の遮光性を確保することができる。本実施形態に於いては、このような特性を半透光性と称するものとする。そして、これら先幕25a、後幕25bとして使用される基材(フィルム膜)の一方の面、この場合駆動電極28a、28bと対向する面側には、コロナ放電法により複数のエレクトレットが形成されている(これをエレクトレット化するという)。本実施形態に於いては、正負の極性を有するエレクトレット部位が交互に配置されている(例えば、図4のエレクトレット5a、5b参照)。
また、上記保護部材32には、先幕25a及び後幕25bの位置を検出するべくフォトリフレクタ(PR)37a及び37bが固定されている。これらのフォトリフレクタ37a、37bは、先幕25a及び後幕25bの走行方向に於いて、それぞれ開口部31を挟んだ位置に設けられている。
更に、固定子29aには開口部30aが形成されている。この開口部30aを通じて、固定子29aと固定子29bの間を通過する後幕25bの位置を、フォトリフレクタ37bによって検出することができるようになっている。
尚、フォトリフレクタ37a及び37bによる先幕25a及び後幕25bの位置検出についての詳細は後述する。
撮像ユニット22は樹脂等により構成されるもので、収納容器39内に撮像素子40と信号線41を収容して固定し、収納容器39の被写体側を開口部(透光部)を有するカバーガラス42で覆って構成している。
尚、カバーガラス42に設けられた開口部は、上述した固定子29a、29bの開口部27a、27b、保護部材32に設けられた開口部31と対応する位置に設けられている。これにより、開口部31より取り込まれた被写体光が光電変換素子である撮像素子40に導かれ、この撮像素子40により当該被写体の像が光電変換される。
このように、本撮像モジュール20は、エレクトレットシャッタを用いてシャッタユニット21を構成しているため、その厚さを従来のシャッタユニットと比較して大幅に減少することができ、薄型化することができる。
また、エレクトレットシャッタは、先幕25a、後幕25bに誘導される電荷を利用するのではなく、エレクトレットに永久分極されている電荷を利用するため、幕の立ち上がり時間を短縮してシャッタ動作を高速化することができる。
加えて、エレクトレットの電荷量は任意に与えることが可能であることから、駆動力が最大となるような最適の電荷量を与えることができ、極めて大きな駆動力を得ることができる。したがって、撮像モジュールのサイズに応じた最適なシャッタユニット21を構成することができる。
更に、先幕25a、後幕25bは素材として樹脂材料を用いることができるため、軽量である。例えば、先幕25a、後幕25bは、10〜20μmの薄い膜で形成することが可能である。それ故、動作に必要な電力量は少なく、且つ静かな動作を実現することができる。
図7は、先幕25a、後幕25bの動作及びその位置検出について説明する図である。但し、ここでは説明の簡単化のため、先幕25a、後幕25b、フォトリフレクタ37a及び37bのみ図示している。
図7(a)は初期状態を示すもので、露光開口27は全閉状態となっている。この状態の位置で、先幕25aのフォトリフレクタ37bと対向する位置には、フォトリフレクタ(PR)用反射部24aが設けられている。同様に、そして、後幕25bのフォトリフレクタ37bと対向する位置には、フォトリフレクタ(PR)用反射部24bが設けられている(図7(b)参照)。すなわち、これらのフォトリフレクタ用反射部24a、24bでフォトリフレクタ37a、37bからの光が反射されることで、先幕25a、後幕25bの位置が検出されて特定されるようになっている。
図7(a)に示される初期状態の場合、先幕25aによって露光開口27の全体が覆われており、図示されない撮像ユニット22に対して被写体光が遮蔽される。このとき、フォトリフレクタ37aでは反射光は検出されない(PR37a出力“0”)が、フォトリフレクタ用反射部24aで反射された光がフォトリフレクタ37bで検出される(PR37b出力“1”)。すなわち、下記表1の状態(a)に示されるようになる。
これにより、露光開口27に対して、先幕25aは「閉」状態、後幕25bは「開」状態であることがわかる。
次に、撮像動作の開始指示に応じて、図7(b)に示されるように、先幕25aが図示矢印F1 方向に駆動されて露光開口27は全開状態となる。このとき、上記表1の状態(b)に示されるように、フォトリフレクタ用反射部24aによりフォトリフレクタ37aの出力(PR37a出力)が“1”となり、同様にフォトリフレクタ用反射部24bによりフォトリフレクタ37bの出力(PR37b出力)が“1”となる。これにより、先幕25a、後幕25bとも「開」状態となって、被写体光が図示されない撮像ユニット22に導かれる。
そして、所定時間が経過したときに、図7(c)に示されるように、後幕25bが図示矢印F2 方向に駆動されて露光開口27が遮蔽される。このとき、フォトリフレクタ37bでは反射光は検出されない(PR37b出力“0”)が、フォトリフレクタ用反射部24aで反射された光がフォトリフレクタ37aで検出される(PR37a出力“1”)。すなわち、上記表1の状態(c)に示されるようになる。これにより、露光開口27に対して、先幕25aは「開」状態、後幕25bは「閉」状態であることがわかる。
その後、先幕25aと後幕25bは、図7(a)に示される初期状態に復帰し、次の撮像動作に備えて待機する。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る静電シャッタ装置を用いたカメラの電気系のシステム構成を示すブロック図である。
図8に於いて、このカメラシステムは、ボディユニット50と、アクセサリ装置として、例えば交換可能なレンズユニット(すなわちレンズ鏡筒)51と、通信コネクタ56を介して撮影した画像データを記録しておく記録メディア52と、ストロボ通信コネクタ57を介して外付けのストロボユニット53とを有して構成されている。
上記レンズユニット51は、上記ボディユニット50の前面に設けられた、図示されないレンズマウントを介して着脱自在に装着可能である。そして、上記レンズユニット51は、撮影レンズ61a及び61bと、絞り62と、レンズ駆動機構63と、絞り駆動機構64と、レンズ制御用マイクロコンピュータ(以下、Lμcomと略記する)65とから構成されている。
上記撮影レンズ61a及び61bは、レンズ駆動機構63内に存在する図示されないDCモータによって、光軸方向に駆動される。絞り62は、絞り駆動機構64内に存在する図示されないステッピングモータによって駆動される。また、Lμcom65は、上記レンズ駆動機構63や絞り駆動機構64等、レンズユニット51内の各部を駆動制御する。このLμcom65は、通信コネクタ55を介して、後述するボディ制御用マイクロコンピュータ85と電気的に接続がなされ、該ボディ制御用マイクロコンピュータ85の指令に従って制御される。
一方、ボディユニット50は、以下のように構成されている。
レンズユニット51内の撮影レンズ61a及び61b、絞り62を介して入射される図示されない被写体からの光束は、クイックリターンミラー70で反射されて、フォーカシングスクリーン71、ペンタプリズム72を介して接眼レンズ73に至る。
上記クイックリターンミラー70の中央部はハーフミラーになっており、該クイックリターンミラー70がダウン(図示の位置)した際に一部の光束が透過する。そして、この透過した光束は、クイックリターンミラー70に設置されたサブミラー75で反射され、自動測距を行うためのAFセンサユニット76に導かれる。尚、上記クイックリターンミラー70のアップ時には、サブミラー75は折り畳まれるようになっている。
上記クイックリターンミラー70の後方には、光軸上のフォーカルプレーン式のシャッタユニット21と、光学系を通過した被写体像を光電変換するための撮像素子(CCD)40を収容した撮像ユニット22とを備えた撮像モジュール20が設けられている。図示されないが、クイックリターンミラー70が光路より退避した場合、撮影レンズ61a及び61bを通った光束は、撮像モジュール20内の撮像素子40(図5及び図7参照)に結像される。
このボディユニット50は、また、上記撮像モジュール20内の撮像素子40に接続された撮像素子インターフェイス回路80と、記憶領域として設けられたSDRAM82と、液晶モニタ83及び上記通信コネクタ56を介して記録メディア52とが、画像処理を行うための画像処理コントローラ81に接続されている。これらは、電子撮像機能と共に電子記録表示機能を提供できるように構成されている。
上記記録メディア52は、各種のメモリカードや外付けのハードディスクドライブ(HDD)等の外部記録媒体であり、通信コネクタ56を介してカメラボディ50と通信可能、且つ交換可能に装着される。
上記画像処理コントローラ81は、通信コネクタ55と、測光回路86と、ミラー駆動回路87と、AFセンサ駆動回路88と、駆動手段であるシャッタ駆動制御回路90と、不揮発性メモリ(EEPROM)91等と共に、このボディユニット50内の各部を制御するためのボディ制御用マイクロコンピュータ(以下、Bμcomと略記する)85に接続されている。
上記Bμcom85には、当該カメラの動作状態を表示出力によって撮影者へ告知するための動作表示用LCD92と、カメラ操作スイッチ(SW)93と、電源回路95を介して電池96とが接続されている。
尚、上記Bμcom85とLμcom65とは、レンズユニット51の装着時に於いて、通信コネクタ55を介して通信可能に電気的接続がなされる。そして、デジタルカメラとしてLμcom65がBμcom85に従属的に協働しながら稼動するようになっている。
上記測光回路86は、上記ペンタプリズム72からの光束に基づいて測光処理する回路である。上記ミラー駆動機構87はクイックリターンミラー70を駆動制御する機構であり、AFセンサ駆動回路88は上記AFセンサユニット76を駆動制御するための回路である。また、シャッタ駆動制御回路90は、上記シャッタユニット21の先幕25aと後幕25bの動きを制御すると共に、Bμcom85との間でシャッタの開閉動作を制御する信号とストロボと同調する信号の授受を行う。更に、シャッタ駆動制御回路90には、図8には示されないが、フォトリフレクタ37a、37bを含む検出回路89の検出出力が供給される。
不揮発性メモリ91は、その他の記憶領域として、カメラ制御に必要な所定の制御パラメータを記憶する記憶手段であり、Bμcom85からアクセス可能に設けられている。
動作表示用LCD92は、当該カメラの動作状態を表示出力によって撮影者へ告知するためのものである。上記カメラ操作スイッチ93は、例えば撮影動作の実行を指示するレリーズスイッチ、撮影モードと画像表示モードを切り替えるモード変更スイッチ及びパワースイッチ等、当該カメラを操作するために必要な操作釦を含むスイッチ群で構成される。
更に、電源回路95は、電源としての電池96の電圧VE を、当該カメラシステムの各回路ユニットが必要とする電圧VC に変換して供給するために設けられている。
ストロボユニット53は、閃光発光部101と、DC/DCコンバータ102と、ストロボ制御用マイクロコンピュータ103及び電池104とから成っている。そして、このストロボユニット53は、ストロボ通信コネクタ57を介して、ボディユニット50と通信可能に装着可能である。
このように構成されたデジタルカメラの各部は、次のように稼動する。
先ず、画像処理コントローラ81により、Bμcom85の指令に従って撮像素子インターフェイス回路80が制御されて、撮像モジュール20から画像データが取り込まれる。この画像データは、一時保管用メモリであるSDRAM82に取り込まれる。このSDRAM82は、画像データが変換される際のワークエリア等に使用される。また、この画像データは、JPEGデータに変換された後には、記録メディア52に保管されるように設定されている。
ミラー駆動機構87は、上述したように、クイックリターンミラー70をアップ(UP)位置とダウン(DOWN)位置へ駆動するための機構である。ミラー駆動機構87によってクイックリターンミラー70がダウン位置にある時、撮影レンズ61a及び61bからの光束は、AFセンサユニット76側とペンタプリズム72側へと分割されて導かれる。
AFセンサユニット76内のAFセンサからの出力は、AFセンサ駆動回路88を介してBμcom85へ送信されて、周知の測距処理が行われる。
一方、ペンタプリズム72に隣接する接眼レンズ73からは、撮影者が被写体を目視できる。また、上記ペンタプリズム72を通過した光束の一部は、測光回路86内のホトセンサ(図示せず)へ導かれ、ここで検知された光量に基づいて周知の測光処理が行われる。
シャッタ駆動制御回路90では、Bμcom85からシャッタを駆動制御するための信号が受取られると、その信号に基づいてシャッタユニット21が制御される。それと共に、シャッタ駆動制御回路90から、検出回路89を介してフォトリフレクタ37a、37bが通電される。そして、フォトリフレクタ37a、37bの検出出力が、検出回路89シャッタ駆動制御回路90を介して、検出信号として所定のタイミングでBμcom85に出力される。
シャッタ駆動制御回路90では、Bμcom85からシャッタを駆動制御するための信号が受取られると、その信号に基づいてシャッタユニット21が制御される。それと共に、シャッタ駆動制御回路90から、所定のタイミングでBμcom85にストロボを発光させるためのストロボ同調信号が出力される。Bμcom85からは、このストロボ同調信号に基づいて、ストロボユニット53に通信により発光指令信号が出力される。
また、撮影者によって上述したカメラ操作スイッチ93の中のモード変更スイッチが操作されて、撮影モードから画像表示モードへ切り換えられると、記録メディア52に保管された画像データが読み出されて、液晶モニタ83に表示可能である。記録メディア52から読み出された画像データは、画像処理コントローラ81に於いてビデオ信号に変換され、液晶モニタ83にて出力表示される。
本実施形態のシャッタ装置は、図9に於けるシャッタユニット21と検出回路89及びシャッタ駆動制御回路90により構成されている。
図9は、検出回路とシャッタ駆動制御回路90及びシャッタユニット21との信号接続を示す構成図である。
シャッタユニット21には、上述したように、先幕25aと後幕25bが備えられており、そのそれぞれの幕を駆動するために、シャッタ駆動回路90には、図2に示されたものと同様の構成の位相器112a、112bを含む駆動手段としての駆動回路113a、113bが2系統設けられている。
パルス発生回路111は、Bμcom85からの開閉制御信号に基づいて先幕25aと後幕25bを駆動する。これにより、先幕25a、後幕25bに設けられた永久分極された誘導体(エレクトレット)26a、26bが、駆動電極28a、28bのA〜Dに順次吸引され、先幕25aと後幕25bが駆動される。こうして、図7に示される露光開口27の全開全閉動作が制御される。
また、Bμcom85からリセット信号を受け取ったときは、先幕25aと後幕25bが初期状態に駆動される。更に、パルス発生回路111からは、所定のタイミングでBμcom85にストロボ同調信号が出力される。
上記パルス発生回路111には、更にBμcom85から通電制御信号が供給される。この通電制御信号に応じて、検出回路89内の第1の検出回路89a及び第2の検出回路89bが駆動される。そして、第1の検出回路89a及び第2の検出回路89bに含まれるフォトリフレクタ37a及び37bの出力より、パルス発生回路111を介して検出信号がBμcom85に出力される。
次に、本実施形態に係る静電シャッタ装置を用いた撮像制御方法について説明する。
図10は、Bμcom85の概略の撮影動作手順を示すフローチャートである。この動作は、本カメラシステムの処理手順の内、レリーズ操作から画像データ生成までの動作手順を示している。
撮影者によってカメラ操作スイッチ93内のレリーズ釦が1段押下されると、本ルーチンが開始される。
先ず、ステップS1では、測光処理が実行される。すなわち、測光回路86にて測定された被写体の輝度情報が獲得される。次いで、ステップS2にて、その輝度情報に基づいて露光量演算が実行され、適正な絞り値(AV:aperture value)とシャッタ速度(TV:time value)が算出される。
ステップS3では、AF処理が実行される。つまり、被写体からの光束が、クイックリターンミラー70及びサブミラー75を介してAFセンサユニット76で受光される。この受光された被写体像のずれ量が、AFセンサ駆動回路88を介してBμcom85に出力される。Bμcom85では、被写体像のずれ量からレンズの駆動量が算出され、その値が通信コネクタ55を介してレンズユニット51内のLμcom65に送信される。Lμcom65では、上記レンズ駆動量に基づいて、レンズ駆動機構63を介して撮影レンズ61aが移動されて焦点が調整される。
ここで、ステップS4に於いて、焦点が調整された状態でレリーズ釦が更に(2段)押下されている(2ndレリーズスイッチON)か否かが判断される。レリーズ釦が2段押下されていない場合は、ステップS5に移行してレリーズ釦が1段押下されている状態であるか否かが判断される。ここで、レリーズ釦が1段押下の状態にある場合は、ステップS4へ移行してレリーズ釦が2段押下されるまで待機する。しかし、レリーズ釦が2段押下されていない場合で、レリーズ釦が1段押下されていない場合は、撮影者は撮影動作を中止したものと判断されて本ルーチンが終了する。
上記ステップS4にてレリーズ釦が2段押下されている場合は、撮影動作が継続され、ステップS6へ移行して絞り込み駆動が実行される。すなわち、Bμcom85により、AV値が通信コネクタ55を介してLμcom65に送信される。Lμcom65では、送られたAV値に基づいて絞り駆動機構64を介して絞り62が制御される。
次に、ステップS7にてミラーアップ駆動が実行される。すなわち、ミラー駆動機構87を介してクイックリターンミラー70がアップ位置に跳ね上げられて、撮影光路が確保される。この後、ステップS8にて、撮像素子インターフェイス回路80に対して撮像動作が開始されるように、Bμcom85から指示が出力される。すると、撮像素子インターフェイス回路80では、この指示に基づいて撮像ユニット22内の撮像素子40を動作させる。
以上の動作の後、Bμcom85によってシャッタ制御動作が実行される。
ステップS9では、Bμcom85からの通電制御信号を受けて、第1及び第2の検出回路89a及び89b内のフォトリフレクタ37a及び37bがオンされる。次いで、ステップS10では、Bμcom85からシャッタ駆動制御回路90にシャッタ開信号が出力される。更に、ステップS11にて、これを受けたシャッタ駆動制御回路90内のパルス発生回路111では、先幕25aを駆動するための先幕駆動パルスの出力が開始される。この先幕駆動パルスのパルス数に対応して、先幕25aが露光開口27の全閉位置から開方向に駆動される。
次に、ステップS12に於いて、Bμcom85により、露光時間が経過したか否かが判断される。ここで、露光時間が経過していない場合は、ステップS13へ移行して、ストロボ同調信号がシャッタ駆動制御回路90から出力されたか否かが判断される。ここでは、ストロボ同調信号が出力されるまで待機する。
ストロボ同調信号は、先幕25aが露光開口27を全開とする位置に到達したタイミングでシャッタ駆動制御回路90から出力される。上述したように、エレクトレットが用いられて構成された先幕25a(及び後幕25b)は極めて軽量であるため、この先幕駆動パルスによって先幕25aを高精度、且つ高速に駆動することが可能である。露光開口27が全開になったか否かは、上述したようにフォトリフレクタ37a、37bが用いられて検出される。
ここで、シャッタ駆動制御回路90から、先幕駆動パルスが所定数出力されたタイミングで、ストロボ同調信号がBμcom85に対して出力される。ステップS13にて、このストロボ同調信号がアクティブになったことが検出された場合は、ステップS14へ移行して、Bμcom85からストロボユニット53に対して発光を指示する発光制御信号が出力されたか否かが判断される。
ここで、発光制御信号がまだ出力されていない場合は、ステップS15へ移行して発光制御信号がストロボユニット53に対して出力されるた後、上記ステップS12へ移行する。一方、既に発光制御信号が出力されている場合は、再度の発光制御信号の出力は行われないように制御されて上記ステップS12へ移行する。
上記ステップS12にて露光時間が経過した場合は、ステップS16へ移行してBμcom85からシャッタ閉信号が出力される。すなわち、開閉制御信号の信号レベルがノンアクティブにされる。これを受けたシャッタ駆動制御回路90内のパルス発生回路111では、後幕25bを駆動するための後幕駆動パルスの出力が開始される。これにより、後幕25bが露光開口27の全開位置から全閉位置の方向に向けて駆動される。
次に、ステップS17にて、シャッタの駆動に伴う所定時間待機される。その後、ステップS18及びステップS19に於いて、先幕25a及び後幕25bの走行が終了したか否かが判断される。これらの判断は、上述したように、フォトリフレクタ37a及び37bの検出出力により行われる。
ここで、先幕25a及び後幕25bの何れか一方でも走行が完了していないと判断された場合は、ステップS20へ移行する。これは、上記ステップS16及びS17にて、シャッタ閉信号が出力されてから所定時間が経過したにもかかわらず、先幕25a及び後幕25bの何れかが走行を完了することができない状態であることを表している。したがって、ステップS20にて、シャッタ幕の走行状態を修繕すべく脱調処理が行われる。この脱調処理が行われた場合は、本ルーチンが終了する。
一方、上記ステップS18及びS19にて、先幕25a及び後幕25bの何れの走行も完了したと判断された場合は、ステップS21へ移行して、Bμcom85から撮像素子インターフェイス回路80に対して撮像動作を停止させる旨の指示が出力される。この撮像素子インターフェイス回路80からの指示に基づいて、撮像ユニット22内の撮像素子40の撮像動作が停止される。
ステップS22では、シャッタ駆動制御回路90にリセット信号が出力される。これを受けたシャッタ駆動制御回路90内のパルス発生回路111により、先幕25a及び後幕25bが初期位置に駆動される(図7(a)参照)。その後、ステップS23にて、Bμcom85からの通電制御信号により、上記第1及び第2の検出回路89a及び89b内のフォトリフレクタ37a及び37bがオフにされる。
次いで、ステップS24にて、Bμcom85から画像処理コントローラ81に、画像データの処理実行が指示される。画像処理コントローラ81では、初めに撮像素子インターフェイス回路80を介して撮像素子40の蓄積電荷の読み出しが行われる。そして、その信号がA/D変換されて画像データが生成される。そして、その画像データが処理されて、画像処理コントローラ81から通信コネクタ56を介して、記録メディア52に記録される。
更に、ステップS25にて、Bμcom85からミラー駆動機構87を介してクイックリターンミラー70がダウン位置へ駆動される。そして、ステップS26にて、Lμcom65に対して、絞り駆動機構64を介して絞り62が全開とされるように指示される。
このようにして、撮像動作が終了する。
このように、第1の実施形態によれば、フォトリフレクタ37a及び37bの検出出力によって、先幕25a及び後幕25bの位置を特定することができるので、シャッタ幕の開閉状態を知ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
尚、本第2の実施形態に於いては、上述した第1の実施形態とはフォトリフレクタの配置位置が異なるだけであり、静電シャッタ装置を適用した撮像モジュール及びこの撮像モジュールを有するカメラの構成及び基本的な動作等については、基本的に図5乃至図10に示されたものと同様であるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
図11は、本発明に係る第2の実施形態の静電シャッタ装置を適用した撮像モジュールの構成を示す組立図であり、図12は図11の構成の撮像モジュールが組み立てられた状態の構成を示した断面図である。
保護部材32には、先幕25a及び後幕25bの位置を検出するべく検出手段として、フォトリフレクタ(PR)37aが固定されている。このフォトリフレクタ37aは、図11に於いて、開口部31より左側に位置して設けられる。一方、検出手段としてのフォトリフレクタ37bは、固定子29bに形成された開口部30bに嵌装されて固定される。
すなわち、図11及び図12に示されるように、フォトリフレクタ37aは先幕25aよりも前側、フォトリフレクタ37bは後幕25bよりも後ろ側に、それぞれ配置される。
次に、図13及び下記表2を参照して、先幕25a、後幕25bの動作及びその位置検出について説明する。尚、ここでは説明の簡単化のため、先幕25a、後幕25b、フォトリフレクタ37a及び37bのみ図示している。
図13(a)は初期状態を示すもので、露光開口27は全閉状態となっている。この状態の位置で、先幕25aのフォトリフレクタ37aと対向する位置には、反射部は設けられていない。一方、後幕25bのフォトリフレクタ37bと対向する位置には、フォトリフレクタ(PR)用反射部24bが設けられている(図13(b)参照)。したがって、上記表2の状態(a)に示されるように、フォトリフレクタ37aの検出出力“0”、フォトリフレクタ37bの検出出力“1”により、先幕25aが「閉」状態、後幕25bが「開」状態であることがわかる。
次に、撮像動作の開始指示に応じて、図13(b)に示されるように、先幕25aが図示矢印F1 方向に駆動されて露光開口27は全開状態となる。このとき、上記表2の状態(b)に示されるように、先幕25aに設けられたフォトリフレクタ用反射部24aによりフォトリフレクタ37aの出力(PR37a出力)が“1”となり、同様に後幕25bに設けられたフォトリフレクタ用反射部24bによりフォトリフレクタ37bの出力(PR37b出力)が“1”となる。これにより、先幕25a、後幕25bとも「開」状態となって、被写体光が図示されない撮像ユニット22に導かれる。
そして、所定時間が経過したときに、図13(c)に示されるように、後幕25bが図示矢印F2 方向に駆動されて露光開口27が遮蔽される。このとき、フォトリフレクタ37bでは反射光は検出されない(PR37b出力“0”)が、フォトリフレクタ用反射部24aで反射された光がフォトリフレクタ37aで検出される(PR37a出力“1”)。すなわち、上記表2の状態(c)に示されるようになる。これにより、露光開口27に対して、先幕25aは「開」状態、後幕25bは「閉」状態であることがわかる。
その後、先幕25aと後幕25bは、図13(a)に示される初期状態に復帰し、次の撮像動作に備えて待機する。
このように、第2の実施形態によっても、フォトリフレクタ37a及び37bの検出出力によって、先幕25a及び後幕25bの位置を特定することができるので、シャッタ幕の開閉状態を知ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
本第3の実施形態では、上述した第1及び第2の実施形態が検出手段としてフォトリフレクタを使用していたのに対し、フォトインタラプタを使用している点が異なっている。そして、第3の実施形態に於ける静電シャッタ装置を適用した撮像モジュール及びこの撮像モジュールを有するカメラの構成及び基本的な動作等については、基本的に図5乃至図12に示されたものと同様であるので、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明は省略する。
図14は、本発明に係る第3の実施形態の静電シャッタ装置を適用した撮像モジュールの構成を示す組立図であり、図15は図14の構成の撮像モジュールが組み立てられた状態の構成を示した断面図である。
シャッタユニット21に於いて、固定子29aと保護部材32との間で、且つ、図14に於いて開口部31(開口部27a)の左側には、先幕25aの検出用のフォトインタラプタ(PI)38aが設けられている。また、固定子29aと固定子29bとの間で、且つ、図14に於いて開口部31(開口部27b)の右側には、後幕25bの検出用のフォトインタラプタ(PI)38bが設けられている。
上記フォトインタラプタ38a及び38bは、例えば“コ”の字形状に形成されているもので、その凹部に沿って先幕25a、後幕25bが走行するようになっている。そして、上記先幕25a及び後幕25bには、図16に示されるように、それぞれ所定の位置に孔24c及び24dが形成されている。これにより、フォトインタラプタ38a、38bが孔24c及び24dを検出するか否かで、検出出力が変化するようになっている。
ここで、図16及び下記表3を参照して、先幕25a、後幕25bの動作及びその位置検出について説明する。尚、ここでは説明の簡単化のため、先幕25a、後幕25b、フォトインタラプタ38a及び38bのみ図示している。
図16(a)は初期状態を示すもので、露光開口27は全閉状態となっている。この状態の位置で、フォトインタラプタ38aの位置には孔24cは存在せず、したがって先幕25aによって光は検出されない。一方、フォトインタラプタ38bの位置に後幕25bの孔24dが存在するので、フォトインタラプタ38bによる光が検出される。つまり、上記表3の状態(a)に示されるように、フォトインタラプタ38aの検出出力“0”、フォトインタラプタ38bの検出出力“1”により、先幕25aが「閉」状態、後幕25bが「開」状態であることがわかる。
次に、撮像動作の開始指示に応じて、図16(b)に示されるように、先幕25aが図示矢印F1 方向に駆動されて露光開口27は全開状態となる。このとき、上記表3の状態(b)に示されるように、先幕25aに形成された孔24cがフォトインタラプタ38aの位置に到達する。したがって、フォトインタラプタ38aの検出出力(PI38a出力)が“1”となり、フォトインタラプタ38bの出力(PI38b出力)も“1”となる。これにより、先幕25a、後幕25bとも「開」状態となって、被写体光が図示されない撮像ユニット22に導かれる。
そして、所定時間が経過したときに、図16(c)に示されるように、後幕25bが図示矢印F2 方向に駆動されて露光開口27が遮蔽される。このとき、フォトインタラプタ38bでは後幕25bにより光は検出されない(PI38b出力“0”)が、フォトインタラプタ38aの検出出力(PI38a出力)は“1”のままである。すなわち、上記表3の状態(c)に示されるようになる。これにより、露光開口27に対して、先幕25aは「開」状態、後幕25bは「閉」状態であることがわかる。
その後、先幕25aと後幕25bは、図16(a)に示される初期状態に復帰し、次の撮像動作に備えて待機する。
このように、第3の実施形態では、フォトインタラプタ38a及び38bの検出出力によって、先幕25a及び後幕25bの位置を特定することができるので、シャッタ幕の開閉状態を知ることができる。
尚、上述した第1乃至第3の実施形態に於いて、先幕25a及び後幕25bの検出手段としてフォトリフレクタやフォトインタラプタが使用された例を述べたが、これに限られるものではない。また、フォトリフレクタやフォトインタラプタの配置やその形状についても、上述した実施形態に限定されるものではない。
更に、上述した第1乃至第3の実施形態では、シャッタ幕を先幕25a、後幕25bの2つで構成していた例について述べたが、これに限られるものではない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
1、29a、29b…固定子、2…移動子、3、27a、27b、31…開口部、4、4A〜4D、28a、28b…駆動電極、5、5a、5b、26a、26b…永久分極された誘導体(エレクトレット)、7…エレクトレットシャッタ、10…駆動回路、12…パルス発生回路、13…位相器、14…昇圧回路、20…撮像モジュール、21…シャッタユニット、22…撮像ユニット、24a、24b…フォトリフレクタ(PR)用反射部、24c、24d…孔、25a…先幕、25b…後幕、27…露光開口、32…保護部材、33〜36…スペーサ、37a、37b…フォトリフレクタ(PR)、38a、38bフォトインタラプタ(PI)、39…収納容器、40…撮像素子、50…ボディユニット、51…レンズユニット、52…記録メディア、53…ストロボユニット、61a、61b…撮影レンズ、62…絞り、65…レンズ制御用マイクロコンピュータ(Lμcom)、70…クイックリターンミラー、76…AFセンサユニット、80…撮像素子インターフェイス回路、81…画像処理コントローラ、85…ボディ制御用マイクロコンピュータ(Bμcom)、90…シャッタ駆動制御回路、93…カメラ操作スイッチ(SW)、95…電源回路、101…閃光発光部、103…ストロボ制御用マイクロコンピュータ。
Claims (18)
- 被写体からの光像を撮像素子に導くための開口部を有し、帯状の複数の電極が所定の間隔で並べられている固定子と、
上記固定子の対向面に配された複数のエレクトレット化部位を有し、遮光部材で構成された移動子と、
上記固定子の電極に駆動パルスを加えた際に、上記エレクトレット化部位との間に生じる静電力を用いて、移動子を固定子に対して相対移動させる駆動手段と、
上記開口部を開放状態にする移動子の第1の位置を検出する第1の検出手段と、
上記開口部を遮蔽状態にする移動子の第2の位置を検出する第2の検出手段と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。 - 被写体からの光像を撮像素子に導くための開口部を有し、帯状の複数の電極が所定の間隔で並べられている2つの固定子と、
上記2つの固定子の対向面に配された複数のエレクトレット化部位を有し、遮光部材で構成された2つの移動子と、
上記2つの固定子の電極に駆動パルスを加える駆動回路と、
を備え、
上記駆動パルスにより、上記2つの移動子を上記2つの固定子に対して相対移動させ、第1の移動子を先幕、第2の移動子を後幕とする静電シャッタ装置に於いて、
上記第1の移動子が上記開口部を開放状態にする位置と、上記第1の移動子が上記開口部を遮蔽状態にする位置と、上記第2の移動子が上記開口部を開放状態にする位置と、上記第2の移動子が上記開口部を遮蔽状態にする位置と、を検出する検出手段と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。 - 上記検出手段は上記第1の移動子と第2の移動子の両方を検出し、上記2つの固定子には検出用の開口部が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の静電シャッタ装置。
- 上記検出手段は上記第1の移動子と第2の移動子の両方を検出し、上記2つの固定子には検出用の透過部が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の静電シャッタ装置。
- 上記2つの移動子には、位置検出用の孔が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の静電シャッタ装置。
- 被写体からの光像を撮像素子に導くための開口部を有し、帯状の複数の電極が所定の間隔で並べられている固定子と、
上記固定子の対向面に配されて遮光部材で構成された移動子と、
上記固定子の電極に駆動パルスを加えた際に生じる静電力を用いて、移動子を固定子に対して相対移動させる駆動手段と、
上記開口部を開放状態にする移動子の第1の位置を検出する第1の検出手段と、
上記開口部を遮蔽状態にする移動子の第2の位置を検出する第2の検出手段と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。 - 被写体光束が通過する開口部を有し、所定間隔で配置された帯状の駆動用電極が設けられた電極部を有する固定子と、
上記固定子の上記電極部に対向した部位に複数のエレクトレット化部位を有し、上記駆動用電極に電圧を印加した際に生じる静電力を受けて上記電極部材に対して相対移動する移動子と、
上記移動子を上記固定子とで挟むように配置された保護部材と、
上記移動子が上記開口部を遮蔽する第1の位置と、上記移動子が上記開口部を開放する第2の位置とを検出可能な検出手段と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。 - 上記移動子は遮光部材で構成されることを特徴とする請求項7に記載の静電シャッタ装置。
- 上記固定子には上記移動子の位置検出用の開口部が形成されたことを特徴とする請求項8に記載の静電シャッタ装置。
- 上記固定子には上記移動子の位置検出用の透過部が形成されたことを特徴とする請求項8に記載の静電シャッタ装置。
- 上記移動子には、位置検出用の孔が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の静電シャッタ装置。
- 上記移動子は、第1の移動子と、この第1の移動子が移動した所定時間後に移動する第2の移動子とで構成され、
上記検出手段は、上記第1の移動子と第2の移動子の両方の位置を検出することを特徴とする請求項7乃至11の何れか1に記載の静電シャッタ装置。 - 被写体光束が通過する開口部を有する固定子と、
上記固定子上に設けられた複数の電極部位と、
上記電極部位に駆動パルスを加えた際に発生する静電力を受けて、上記開口部を遮蔽する位置と開放する位置とで移動可能な移動子と、
上記被写体光束が通過する領域を有し、上記移動子を上記固定子と共に挟むように配置された保護部材と、
上記移動子が上記開口部を遮蔽する第1の位置と、上記開口部を開放する第2の位置とを検出可能な検出手段と、
を具備することを特徴とする静電シャッタ装置。 - 上記移動子は遮光部材で構成されることを特徴とする請求項13に記載の静電シャッタ装置。
- 上記固定子には上記移動子の位置検出用の開口部が形成されたことを特徴とする請求項14に記載の静電シャッタ装置。
- 上記固定子には上記移動子の位置検出用の透過部が形成されたことを特徴とする請求項14に記載の静電シャッタ装置。
- 上記移動子には、位置検出用の孔が形成されていることを特徴とする請求項14に記載の静電シャッタ装置。
- 上記移動子は、第1の移動子と、この第1の移動子が移動した所定時間後に移動する第2の移動子とで構成され、
上記検出手段は、上記第1の移動子と第2の移動子の両方の位置を検出することを特徴とする請求項13乃至17の何れか1に記載の静電シャッタ装置。
Priority Applications (1)
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JP2004160041A JP2005338641A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 静電シャッタ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004160041A JP2005338641A (ja) | 2004-05-28 | 2004-05-28 | 静電シャッタ装置 |
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JP2005338641A true JP2005338641A (ja) | 2005-12-08 |
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ID=35492277
Family Applications (1)
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2004
- 2004-05-28 JP JP2004160041A patent/JP2005338641A/ja not_active Withdrawn
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