JP5396994B2 - 溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウィービング溶接に関し、位置の倣い制御を行うアークセンサを用いた溶接方法に関するものである。
消耗電極アーク溶接におけるアークセンサ倣い制御の原理について、図1から図3を用いて説明する。
図1は、一般的な溶接トーチ先端付近の概略構成を示している。溶接トーチのノズル10の内側に設けた給電チップ11を貫通して、消耗電極である溶接ワイヤ12が供給される。
溶接ワイヤ12には、給電チップ11内にある図示しない給電点(溶接ワイヤ12と給電チップ11が接する箇所)を介して、母材20との間に電圧(以下、「溶接電圧」と呼ぶ)が印加される。これにより、母材20と溶接ワイヤ12との間にアーク30を発生し、そのアーク熱によって母材20および溶接ワイヤ12が溶融する。そして、溶接ワイヤ12が連続的に供給されることで、アーク30が継続し、溶接が行なわれる。
なお、溶接ワイヤ12を供給する速度(以下、「ワイヤ送給速度」と呼ぶ)と溶接電圧との関係から、アーク30の長さが決まる。そして、アーク30の長さによって、給電チップ11(正確には給電点)からアーク30までの溶接ワイヤ12の長さ(以下、「突き出し長」と呼ぶ)が決まり、その間の抵抗値によってそこを流れる電流(以下、「溶接電流」と呼ぶ)の値が決まる。
図2は、ワイヤ送給速度と溶接電圧を略一定に保って、溶接トーチの往復動作であるウィービングを行う場合の例を示している。図2において、紙面に対して左右方向の矢印でウィービング動作(方向)を示している。また、図2の3箇所に示した給電チップ11および溶接ワイヤ12は、ウィービング両端の位置にあるときとウィービング中央の位置にあるときの例を示している。
母材20にある継手に対する溶接ワイヤ12の位置が図2のように変化することに伴い、突き出し長が変わる。その結果、溶接電流も変化する。すなわち、突き出し長が短くなると、溶接電流は増えるので、ウィービング両端(図2おけるE1の位置とE2の位置)で溶接電流が高くなり、ウィービング中央(図2におけるCの位置)で溶接電流が低くなる。このように、ウィービングに同期した溶接電流の変化が生じる。
なお、図2に示すように、継手位置を中心にウィービングを行った場合と、図3に示すように、継手位置からウィービング中心(図3のC1の位置)が少しずれた場合とでは、ウィービング動作に伴う突き出し長の変化が異なり、その結果、溶接電流の変化パターンも異なる。
溶接線の自動倣い制御に際しては、この突き出し長の変化の相違に伴う溶接電流変化パターンの相違を利用することが一般的に行なわれている。この種の方法としては、以下のような従来技術が広く知られている。
この従来技術では、図2に示すようにウィービング中心と継手位置とが一致している場合の溶接電流変化パターンと、図3に示すように、ウィービング中心と継手位置とが一致していない場合の溶接電流変化パターンが異なることを利用している(例えば、特許文献1参照)。
つまり、ウィービング方向の倣いでは、一方のウィービング端から他方のウィービング端までの行程中の最大電流値と最小電流値との差ΔIL、および、逆の行程中の最大電流値と最小電流値との差ΔIRのうち、どちらが大きいかで、ウィービング中心がウィービング方向のどちらにずれているかを判定する。そして、ウィービング半周期毎に、ずれを打ち消す方向に位置修正を行い、ウィービング中心を継手位置に自動的に倣わせている。
特開昭61―144272号公報
溶接電流変化パターンを利用してアークセンサ制御を行うためには、溶接電流が安定した状態で溶接が行われていることが前提となる。しかし、溶接が開始してからしばらくの間は溶接電流は漸増し、安定するまでにはある程度の時間がかかる。故に、安定するまでの間はアークセンサを機能させることができない。従って、溶接開始位置では正しく継手位置にあった状態から溶接を開始することが暗黙のうちに前提となっている。一般的に、アークセンサは、溶接中に生じる熱ひずみによる継手位置の変位に追従することを目的に使われることが多いので、この前提があっても問題にはならない。
溶接開始位置が対象の溶接継手からずれることがないようにするためには、「タッチセンサを使って溶接開始位置をあわせる」という方法が一般に知られている。しかし、その方法を行うためには、タッチセンサを行うためのハードウェアとソフトウェアが必要となり、その費用が必要となるという課題がある。さらに、タッチセンサのセンシング動作を行うための時間が、溶接開始前に必ず必要になるという運用上の課題もある。このことから、タッチセンサを省略したいというユーザの要望は大きい。
しかし、タッチセンサを省略した場合、「溶接開始位置では正しく継手位置にある」という点は担保されず、ずれた位置から溶接が始まることにもなる。その際、アークセンサの制御により、すばやく継手に対する正しい溶接位置へ移動して溶接を行うことが求められる。ここで、「溶接開始後、ある程度の時間アークセンサは機能しない」という点が課題となる。これを解消し、溶接開始後短時間でアークセンサの倣い制御を機能させることができるようにすることが必要になる。
本発明は、上記課題を解決する溶接方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の溶接方法は、溶接トーチをウィービングして溶接を行う際に、溶接電流に基づいて溶接の狙い位置のずれ量を検出するアークセンサを用いた溶接方法であって、溶接を開始した後の第1の所定期間では、ウィービング方向に対して垂直方向の位置補正は行わずに前記ウィービング方向である水平方向の位置補正のみを行い、前記第1の所定期間の経過後は、前記水平方向の位置補正と前記垂直方向の位置補正の両方の位置補正を行い、溶接を開始した後の第2の所定期間では、予め設定された通常のゲインよりも高いゲインを用いて位置補正量を算出して位置補正を行い、前記第2の所定期間の経過後は前記通常のゲインを用いて位置補正量を算出して位置補正を行うものである。
また、本発明の溶接方法は、上記に加えて、第2の所定期間は第1の所定期間を含み、前記第2の所定期間は前記第1の所定期間よりも長い請求項2記載の溶接方法である。
本発明によれば、溶接開始位置が、対象の溶接継手に対する溶接ねらい位置からずれていた場合、溶接開始後、短時間で所望の溶接ねらい位置へ溶接トーチを移動することができ、溶接ずれ区間を短くすることができる。
従って、タッチセンサを使って溶接開始位置をあわせる必要がなくなり、タッチセンサを行うためのハードウェアとソフトウェアの費用が必要なくなり、また、タッチセンサを行うための時間が不要となるのでタクトタイムアップが可能となる。
一般的な溶接トーチの先端付近の概略を示す図 継手位置を中心にウィービングを行う様子を示す図 継手位置からずれた位置を中心にウィービングを行う様子を示す図 溶接トーチと母材との距離が長くなった状態を示している図 継手位置を中心にウィービングを行う場合の溶接電流の変化を示す図 継手位置からずれた位置を中心にウィービングを行う場合の溶接電流の変化を示す図 溶接トーチと母材との距離が長くなった場合の溶接電流の変化を示す図 溶接開始後の溶接電流の変化を示す図 本発明の実施の形態1における溶接開始後の動作を示す図 本発明の実施の形態2における溶接開始後の動作を示す図
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図2から図10を用いて説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態において、背景技術で説明した図1から図3と同様の箇所には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
図2は、継手位置を中心にウィービングを行う様子を示す図である。位置Cを中心に一方の端を位置E1とし、他方の端を位置E2とし、位置E1と位置E2との間でウィービングした例を示している。
図2において、Hは、本実施の形態のアークセンサによるウィービング方向の位置シフト制御方向を示している。また、Vは、ウィービング方向(H方向)に対して直角方向の位置シフト制御方向を示している。本実施の発明のアークセンサは、H方向とV方向の2方向の位置シフトで倣いを実現している。なお、図2において、Lは溶接線であり、紙面に対して直交する方向である。
まず、H方向の位置シフト制御について説明する。
背景技術においても説明したように、図2に示す継手位置(位置C)を中心にウィービングを行った場合と、図3に示す継手位置からウィービング中心(位置C1)が少しずれた場合とでは、ウィービング動作に伴う突き出し長の変化が異なり、その結果、溶接電流が異なるパターンで変化する。そして、一方のウィービング端近傍の所定期間での平均溶接電流と他方のウィービング端近傍の所定期間での平均溶接電流との差(これを「偏差溶接電流」と呼ぶ)に着目すると、ウィービング中心位置の継手位置に対するウィービング方向のずれは、偏差溶接電流の差を生む。
図5は、図2のように継手位置とウィービング中心が一致した状態でウィービング溶接を行った場合の溶接電流の変化を模式的に示している。また、図6は、図3のように継手位置とウィービング中心がずれた状態でウィービング溶接を行った場合の溶接電流の変化を模式的に示している。図5におけるウィービング端E1近傍の所定期間での平均溶接電流とウィービング端E2近傍の所定期間での平均溶接電流との差を偏差溶接電流△IEとし、図6におけるウィービング端E11近傍の所定期間での平均溶接電流とウィービング端E21近傍の所定期間での平均溶接電流との差を偏差溶接電流△IE1とすると、偏差溶接電流△IEと偏差溶接電流△IE1とでは違いがある。
ここで、本実施の形態のアークセンサによるH方向の位置シフト制御は、下記の一連の処理を繰り返し実行するものである。すなわち、予め定めた目標偏差溶接電流と直近の連続した2つのウィービング端に関して現在偏差溶接電流を求め、これらからH方向のシフト補正を算出し、これを使ってウィービング中心位置の制御を行うものである。
例えば、図5に示す状態が目標とするウィービング中心位置と継手位置の関係であるとし、その偏差溶接電流△IEを目標偏差溶接電流とし、図6に示す状態のウィービング中心位置と継手位置の関係にある現在の状態に対する制御に当てはめると、次式で表すように、目標偏差溶接電流△IEと現在偏差溶接電流△IE1との差にH方向ゲイン(係数)を掛けて、H方向のシフト補正量を決定する。
[△IE1−△IE]×H方向ゲイン→H方向シフト補正量
このH方向シフト補正量(移動距離と方向)に応じて、ウィービング中心位置のH方向位置制御を行う。ここで、H方向ゲインとは、目標の偏差溶接電流と現在の偏差溶接電流の差を打ち消す方向に、ウィービング中心位置のH方向シフト量を生成するためのパラメータである。なお、このH方向ゲインは、例えば、実験等により予め求めておくものである。
次に、V方向(ウィービング方向に対して直交方向)の位置シフト制御について説明する。
図4は、図2に示す状態と比べて、チップ11の先端から溶接線Lまでの距離が長くなり、全体的に突き出し長が長くなった状態の例を示している。突き出し長が長くなれば、溶接電流は減る。平均的な溶接電流を考えると、図4に示す状態の場合は、図2に示す状態の場合に比べて低くなる。図7は、図4に示す状態の場合の溶接電流の変化を模式的に示している。図2の状態における溶接電流を示す図5における所定期間の平均溶接電流IAVとし、図4の状態における溶接電流を示す図7における所定期間の平均溶接電流IAV2とすると、平均溶接電流IAVと平均溶接電流IAV2とは、突き出し長に応じた相違がある。
本実施の形態のアークセンサによるV方向の位置シフト制御は、下記の一連の処理を繰り返し実行するものである。すなわち、予め定めた目標平均溶接電流と直近の所定期間の平均溶接電流とからV方向シフト補正量を算出し、これを使って、例えば、チップ11の先端と継手の溶接線Lとの距離の制御を行う。なお、目標平均溶接電流は、例えば、図2に示す状態を目標の状態とする場合、図2の状態で溶接を行って溶接電流波形を取得し、この溶接電流の平均値を求める。そして、これを目標平均溶接電流とする。
例えば、図5に示すものが、目標とするチップ11の先端と継手の溶接線Lとの距離の場合の溶接電流の変化であるとし、その所定期間の平均溶接電流IAVを目標平均溶接電流として、図7の電流波形となるチップ11の先端と継手の溶接線Lとの距離である現在の状態に対する制御に当てはめると、次式で表すように、目標平均溶接電流IAVと現在平均溶接電流IAV2との差にV方向ゲイン(係数)を掛けて、V方向シフト補正量を決定する。
[IAV2−IAV]×V方向ゲイン→V方向シフト補正量
このV方向シフト補正量(距離と方向)に応じて、チップ11の先端と継手の溶接線Lとの距離の制御を行う。具体的には、例えば、溶接トーチを保持しているロボットを動作させて溶接トーチの位置を変更させる。
ここで、V方向ゲインは、目標の平均溶接電流と現在の平均溶接電流との差を打ち消す方向に、チップ11の先端と継手の溶接線Lとの距離を変更するためのV方向シフト量を生成するためのパラメータである。
なお、上記では、説明の都合上、H方向の位置シフト制御とV方向の位置シフト制御を別々に説明したが、実際には2つの制御は同時に働き、同時に2方向のシフト制御が行われる。
また、2方向のシフト制御による倣いを行うためには、溶接電流が、上記で説明した内容(ウィービング中心位置のずれ)による変化だけであり、他の要因による変動がないことが理想である。しかし、溶接開始直後には、溶接電流が定常溶接電流(本溶接電流)まで増加する時間が必要である。
図8に、溶接を開始して溶接電流が流れ始めてから定常溶接電流となるまでの平均溶接電流の時間変化を模式的に示している。
溶接開始当初の平均溶接電流が漸増している期間では、所定期間の平均溶接電流に基づくV方向の位置シフト制御が機能しないことは自明である。すなわち、平均溶接電流の増加期間では、平均溶接電流は、基準となる予め定めた目標平均溶接電流より必ず小さくなる。従って、チップ11の先端と継手の溶接線Lとの距離が目標とする距離であったとしても、この基準となる目標平均溶接電流との差が生じてしまい、実際には目標とする距離と一致していても、一致していないと判定してしまうこととなる。故に、溶接開始後の平均溶接電流が増加していく期間では、V方向の位置シフト制御を行うことができない。
一方、偏差溶接電流を用いるH方向の位置シフト制御は、偏差を用いるものであるため、十分でないまでも機能できると考えられる。
そこで、溶接開始当初の平均溶接電流が漸増している期間では、H方向のシフト補正だけが働き、V方向のシフト補正は働かないようにすれば、H方向のシフト制御による倣いだけは行うことができる。なお、平均溶接電流が漸増している期間は、例えば、実験等により求めておくことができる。また、溶接開始当初の平均溶接電流が漸増している期間にV方向のシフト補正は働かせると、チップ11の先端と継手の溶接線Lとの距離が短くなるように制御されてしまうため、溶接開始当初の平均溶接電流が漸増している期間では、V方向のシフト補正は働かないようにする必要がある。
このように、本実施の形態におけるアークセンサを用いた溶接方法では、溶接開始後から指定された時間は、H方向のみの制御を実行する。すなわち、図9に示すように、溶接開始後の「所定時間1」の設定時間の間は、H方向のシフト補正だけを行い、それに従って倣いを行う。そして、「所定時間1」の設定時間の経過後は、H方向だけでなくV方向のシフト補正も開始し、H方向とV方向の両方の補正を行う通常の倣いが行われる。
以上のように、本実施の形態によれば、溶接開始直後からの継手位置への倣い制御が行われ、かつ、溶接電流漸増時の影響を回避することができる。
なお、本実施の形態の溶接方法を行う機器としては、例えば次のようなものが挙げられる。
ロボットと、ロボットの動作を制御するロボット制御装置と、ロボットに保持された溶接トーチと、溶接機を備える。そして、ロボット制御装置あるいは溶接機に電流検出部が設けられており、ロボット制御装置内に電流検出部の検出結果に基づいて演算を行う演算部が設けられている。なお、演算部は、平均電流の演算や,目標となる平均電流と現在の平均電流との差の演算や,シフト量の演算等を行うものである。そして、演算部の演算結果に基づいてロボット制御装置によりロボットの動作を制御する。また、ロボット制御装置内には、「所定期間1」を計時する計時部も設けられている。
(実施の形態2)
本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所について同一の符号を付して詳細な説明を省略する。実施の形態1と異なる主な点は、実施の形態1で述べたV方向ゲインやH方向ゲイン(「通常ゲイン」とも呼ぶ)とは異なるV方向とH方向の「初期ゲイン」を設け、溶接開始後の「所定期間2」の間は、「通常ゲイン」(係数)ではなく「初期ゲイン」(係数)を用いてシフト補正量を求めるようにした点である。なお、V方向とH方向の「通常ゲイン」と「初期ゲイン」は、例えば、実験等により求めておくことができる。
本実施の形態のアークセンサを用いた溶接方法は、溶接開始後から指定された時間は、「通常ゲイン」とは異なる「初期ゲイン」を適用した制御を実行するものである。なお、「初期ゲイン」は「通常ゲイン」よりも大きいものである。
図10を用いて、本実施の形態の制御について説明する。
例えば、図10に示すように、「所定時間1」は、実施の形態1と同様にH方向のシフト制御のみが働く期間である。また、「所定時間2」は、「初期ゲイン」を使用する期間である。そして、「所定時間2」は「所定時間1」よりも長い。なお、「所定時間1」と「所定時間2」は、例えば実験等により予め求めておくものである。
従って、溶接開始後、先ずは、「所定時間1」の間は、H方向の初期ゲインを使用してH方向のみのシフト制御が行われる。そして、「所定時間1」が経過すると、H方向とV方向の2方向のシフト制御が行われ、その際には、H方向の初期ゲインとV方向の初期ゲインを用いて制御が行わる。そして、「所定時間2」が経過すると、H方向の通常ゲインとV方向の通常ゲインを用いてH方向とV方向の2方向のシフト制御が行われる。
以上のように、本実施の形態によれば、溶接開始時にウィービング中心が溶接線Lからずれている場合でも、溶接開始直後からH方向のみの倣いが働き、かつ、「通常ゲイン」よりも大きい「初期ゲイン」を用いてシフト制御を行うことにより、「通常ゲイン」を用いる場合に比べてシフト量が大きく、「通常ゲイン」を用いてシフト制御を行う場合に比べ、短時間で所望のねらい位置(溶接線L上)に移動する倣いを行うことができる。
そして、溶接開始時にずれていたウィービング中心が溶接線Lに移動した後の通常の溶接部では、通常の安定した追従が可能となる。
ここで、ゲインが高すぎると溶接ビードが乱れる等の不具合が生じる場合がある。そこで、本実施の形態では、溶接開始時にずれていたウィービング中心を溶接線Lに短時間に移動させるため、溶接開始直後は「通常ゲイン」よりも大きい「初期ゲイン」を用いて制御を行い、ウィービング中心が溶接線Lに移動してからは、溶接ビードが乱れる等の不具合を生じさせないため、「初期ゲイン」よりも小さい定常溶接に適した「通常ゲイン」を用いて制御を行う。
なお、本実施の形態では、「所定時間2」の間は「初期ゲイン」を用いて制御を行う例について説明したが、「初期ゲイン」を用いるか否かを選択するようにしてもよい。すなわち、実施の形態1の制御を行うのか実施の形態2の制御を行うのかを選択するようにしても良い。
また、実施の形態1や実施の形態2の溶接方法を適用する継手としては、隅肉や、V開先や、隙間を有するI開先等が挙げられる。
本発明によれば、溶接開始位置が対象の溶接継手に対する溶接ねらい位置からずれていた場合、溶接開始後、短時間で所望の溶接ねらい位置へ溶接トーチを移動することができ、アークセンサを用いた溶接方法として産業上有用である。
10 ノズル
11 チップ
12 溶接ワイヤ
20 母材
30 アーク
C ウィービング中央の位置
C1 ウィービング中央の位置
E1 ウィービング両端の内の一端の位置
E2 ウィービング両端の内の他端の位置
E11 ウィービング両端の内の一端の位置
E21 ウィービング両端の内の他端の位置
W ウィービング面
L 継手の溶接線
H ウィービング方向と同方向のシフト補正方向ベクトル
V ウィービング方向に対して直角の方向のシフト補正方向ベクトル

Claims (2)

  1. 溶接トーチをウィービングして溶接を行う際に、溶接電流に基づいて溶接の狙い位置のずれ量を検出するアークセンサを用いた溶接方法であって、
    溶接を開始した後の第1の所定期間では、ウィービング方向に対して垂直方向の位置補正は行わずに前記ウィービング方向である水平方向の位置補正のみを行い、
    前記第1の所定期間の経過後は、前記水平方向の位置補正と前記垂直方向の位置補正の両方の位置補正を行い
    溶接を開始した後の第2の所定期間では、予め設定された通常のゲインよりも高いゲインを用いて位置補正量を算出して位置補正を行い、前記第2の所定期間の経過後は前記通常のゲインを用いて位置補正量を算出して位置補正を行う溶接方法。
  2. 第2の所定期間は第1の所定期間を含み、前記第2の所定期間は前記第1の所定期間よりも長い請求項記載の溶接方法。
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