JP6372447B2 - 交流パルスアーク溶接装置、交流パルスアーク溶接システムおよび交流パルスアーク溶接方法 - Google Patents

交流パルスアーク溶接装置、交流パルスアーク溶接システムおよび交流パルスアーク溶接方法 Download PDF

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Description

開示の実施形態は、交流パルスアーク溶接装置、交流パルスアーク溶接システムおよび交流パルスアーク溶接方法に関する。
従来、溶接ワイヤなどの消耗電極と、ワークなどの溶接対象との間に交流パルス電流を印加して溶接対象の溶接を行う交流パルスアーク溶接装置が知られている。
かかる交流パルス溶接装置は、溶接ワイヤ側が負極である正極性と、ワーク側が負極である逆極性とを交互に切り替える。また、正極性でパルス電流とベース電流とを出力するとともに、逆極性でもパルス電流とベース電流とを出力する交流パルス溶接装置も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2009−285701号公報
しかしながら、上記した従来技術には溶接の品質向上の点で改善の余地がある。たとえば、溶接ワイヤ側が負極となる正極性では、溶接ワイヤが溶解してアーク長が長くなりやすい。このため、アークがふらつきやすく溶接品質の低下が懸念される。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、溶接品質を向上させることができる交流パルスアーク溶接装置、交流パルスアーク溶接システムおよび交流パルスアーク溶接方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る交流パルスアーク溶接装置は、切替部と、送給部と、変更部とを備える。切替部は、消耗電極である溶接ワイヤが負極で溶接対象であるワークが正極である正極性と、溶接ワイヤが正極でワークが負極である逆極性とを交互に切り替える。送給部は、溶接ワイヤを所定の送給速度で送給する。変更部は、正極性の区間のほうが逆極性の区間よりも速くなるように送給速度を変更する。また、変更部は、正極性の区間における溶接ワイヤとワークとの間の電圧または電流に基づいて正極性の区間における送給速度を決定する。
実施形態の一態様によれば、溶接品質を向上させることが可能な交流パルスアーク溶接装置、交流パルスアーク溶接システムおよび交流パルスアーク溶接方法を提供することができる。
図1は、交流パルスアーク溶接方法の概要を示す図である。 図2は、交流パルスアーク溶接システムの全体構成を示す図である。 図3は、交流パルスアーク溶接装置のブロック図である。 図4は、交流パルスアーク溶接装置における制御部および記憶部のブロック図である。 図5は、変更部の処理内容を示す説明図である。 図6は、溶接電圧に基づく送給速度決定処理の処理内容を示す説明図である。 図7は、交流パルスアーク溶接装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する交流パルスアーク溶接装置、交流パルスアーク溶接システムおよび交流パルスアーク溶接方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
まず、実施形態に係る交流パルスアーク溶接方法の概要について図1を用いて説明する。図1は、交流パルスアーク溶接方法の概要を示す図である。図1に示すように、ワークW側へ送給される溶接ワイヤ200が溶接トーチ13から突出する。溶接ワイヤ200は、溶接ワイヤ200とワークWとの間に印加された電流で溶融して消耗するいわゆる消耗電極として用いられる。
図1に示すように、実施形態に係る交流パルスアーク溶接方法は、溶接ワイヤ200が負極で溶接対象であるワークWが正極である正極性と、溶接ワイヤ200が正極でワークWが負極である逆極性とを交互に切り替える。なお、図1では、逆極性から正極性へ切り替わる場面を示しており、逆極性の区間を「逆極性区間」、正極性の区間を「正極性区間」としてそれぞれ示している。また、図1には、溶接電流の経時変化を波形101として示している。
逆極性区間では、まず、溶接電流としてピーク電流を印加する。これにより、正極性区間において溶接ワイヤ200の先端部に形成されていた溶滴にくびれが生じる。また、逆極性区間では、ピーク電流の印加につづき、ピーク電流よりも小さいベース電流を印加する。
つづいて、実施形態に係る交流パルスアーク溶接方法は、所定の時間に到達すると極性を逆極性から正極性へ切り替える。そして、正極性区間では、まず、溶接電流としてピーク電流を印加する。これにより、溶接ワイヤ200の先端は溶融し、溶接ワイヤ200の先端部に溶滴が形成される。
また、正極性区間では、ピーク電流の印加につづき、ピーク電流の絶対値よりも絶対値が小さいベース電流を印加する。これにより、溶接ワイヤ200の先端部に形成された溶滴が成長する。
上記した逆極性区間では、ワークWが負極であるのでワークWへの入熱が行われる。一方、正極性区間では、溶接ワイヤ200が負極であるので、溶接ワイヤ200が加熱されて溶接ワイヤ200の先端部が溶融する。ここで、溶接ワイヤ200の先端部に溶滴が形成されると、溶接ワイヤ200の先端部が溶滴に吸収されて溶接ワイヤ200が短くなるので、溶接ワイヤ200とワークWとの距離が大きくなる。
このため、発生するアークのアーク長が長くなりやすく、アークがふらつきやすくなる。そして、アークがふらつくと、溶接不良が発生しやすくなる。ここで、かかる溶接不良としては、ワークWにおける溶接ビード脇が凹むアンダーカットや、ワークWが裏面側まで溶けて脱落する溶け落ちがある。
そこで、実施形態に係る交流パルスアーク溶接方法では、溶接ワイヤ200が負極である正極性区間における溶接ワイヤ200の送給速度(図1の送給速度v2参照)を、逆極性区間における送給速度(図1の送給速度v1参照)よりも速くすることとした。これにより、正極性区間における溶滴の形成によって溶接ワイヤ200が短くなった分は、送給速度を速くすることによって補うことができる。
このように、実施形態に係る交流パルスアーク溶接方法によれば、正極性区間における溶接ワイヤ200とワークWとの距離を適切に保持することができるので、溶接品質を向上させることができる。なお、本実施形態に係る交流パルスアーク溶接方法のさらに具体的な内容は、以下に示す交流パルスアーク溶接システムの説明においてあわせて説明することとする。
次に、本実施形態に係る交流パルスアーク溶接システムの全体構成について図2を用いて説明する。図2は、交流パルスアーク溶接システム1の全体構成を示す図である。図2に示すように、交流パルスアーク溶接システム1は、多関節ロボット10と、ロボットコントローラ20と、交流パルスアーク溶接装置30とを備える。
なお、同図には、溶接対象となるワークWと、多関節ロボット10へ溶接ワイヤ200を供給するワイヤ貯蔵部201と、交流パルスアーク溶接に用いるシールドガスを供給するガスボンベ202とをあわせて示している。また、同図では、交流パルスアーク溶接システム1の説明に用いる構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
まず、多関節ロボット10の構成について説明する。多関節ロボット10は、ロボットアーム11と、関節部12と、溶接トーチ13と、送給部14とを備える。多関節ロボット10は、関節部12を介してロボットアーム11がそれぞれ接続され、複数のロボットアーム11および関節部12を有する多関節のロボットである。また、先端側のロボットアーム11には、溶接トーチ13が取り付けられ、基端側のロボットアーム11は、基台などを介して接地面に固定される。
関節部12は、サーボモータなどのアクチュエータや、アクチュエータの回転を減速する減速機が取り付けられており、ロボットコントローラ20からの指令に基づいてアクチュエータを駆動させることでロボットアーム11の位置や姿勢を変化させる動作を行う。
すなわち、多関節ロボット10は、ロボットコントローラ20からの指令に基づいて溶接トーチ13の位置や姿勢を変化させる。これにより、多関節ロボット10は、溶接トーチ13をワークWの溶接線(図示せず)に沿って移動させることで溶接を実行する。
溶接トーチ13は、送給部14を介して送給される溶接ワイヤ200を通過させる貫通孔を有しており、先端の開口から溶接ワイヤ200を突出させる。また、溶接トーチ13は、交流パルスアーク溶接装置30から供給される電力を溶接ワイヤ200に当接するコンタクトチップ(図示せず)を介して溶接ワイヤ200へ提供する。
送給部14は、交流パルスアーク溶接装置30からの指令に基づいて溶接ワイヤ200を溶接トーチ13側へ送り出す動作を行う。ここで、送給部14は、かかる指令に基づいて送給速度を任意の速度へ変更することができる。
次に、図3および図4を用いて交流パルスアーク溶接装置30の構成について説明する。図3は、交流パルスアーク溶接装置30のブロック図である。
図3に示すように、交流パルスアーク溶接装置30は、一次整流回路30aと、スイッチング回路30bと、変圧器30cと、二次整流回路30dと、リアクトル30eとを備える。また、交流パルスアーク溶接装置30は、制御部31と、記憶部32と、電圧検出部33と、電流検出部34と、切替部35とを備える。交流パルスアーク溶接装置30は、溶接トーチ13およびワークWへ溶接用の電力を供給する。
なお、交流パルスアーク溶接装置30は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部31の切替指示部31a、変更部31bおよび調整部31cとして機能する(図4参照)。
また、切替指示部31a、変更部31bおよび調整部31cの少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
記憶部32は、たとえば、RAMやHDDに対応する。RAMやHDDは、極性切替情報32a、送給速度情報32bおよび溶接情報32cを記憶することができる(図4参照)。なお、交流パルスアーク溶接装置30は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
なお、図3には、交流パルスアーク溶接装置30との接続関係をわかりやすくするために、交流パルスアーク溶接装置30へ交流電力を供給する商用電源40と、ロボットコントローラ20と、溶接トーチ13と、送給部14と、溶接ワイヤ200と、ワークWとをあわせて示している。
一次整流回路30aは、商用電源40と接続され、商用電源40から供給される交流電力を整流する。そして、一次整流回路30aは、整流した電力をスイッチング回路30bへ供給する。
スイッチング回路30bは、一次整流回路30aから供給される電力に対してPWM(Pulse Width Modulation)制御を行い、任意の電流波形や任意の電圧波形を生成する。そして、スイッチング回路30bは、生成した電流波形や電圧波形を変圧器30cへ出力する。
変圧器30cは、スイッチング回路30bから供給された電力を変圧し、変圧後の電力を二次整流回路30dへ出力する。二次整流回路30dは、変圧器30cから出力される供給電力を整流する。なお、二次整流回路30dの2つの出力端のうち一方は、切替部35を介してワークWに接続される。
リアクトル30eは、二次整流回路30dの2つの出力端のうち他方に接続され、二次整流回路30dによって整流された供給電力を平滑化する。なお、リアクトル30eの下流側は、切替部35に接続されており、かかる切替部35を介して溶接トーチ13が接続される。
制御部31は、ロボットコントローラ20と通信しつつ、交流パルスアーク溶接装置30の全体制御を行うとともに、送給部14の送給速度を制御する。なお、制御部31の具体的な内容については、図4を用いて後述する。記憶部32は、たとえば、不揮発性メモリであり、制御部31が用いる情報を記憶する。なお、記憶部32が記憶する具体的な内容については、図4を用いて後述する。
電圧検出部33は、二次整流回路30dの2つの出力端にそれぞれ接続され、溶接トーチ13とワークWとの間の電圧(以下、「溶接電圧」という)を検出する。なお、電圧検出部33は、検出結果を制御部31へ出力する。
電流検出部34は、リアクトル30eと切替部35との間に接続され、溶接トーチ13とワークWとの間の電流(以下、「溶接電流」という)を検出する。なお、電流検出部34は、検出結果を制御部31へ出力する。
切替部35は、二次整流回路30dの2つの出力端の下流側にそれぞれ接続され、制御部31からの指示に基づいて溶接トーチ13とワークWとの極性を切り替える。すなわち、切替部35は、図1に示した正極性区間と逆極性区間とを切り替える。
次に、交流パルスアーク溶接装置30における制御部31および記憶部32の詳細について図4を用いて説明する。図4は、交流パルスアーク溶接装置30における制御部31および記憶部32のブロック図である。
図4に示すように、制御部31は、切替指示部31aと、変更部31bと、調整部31cとを備える。また、記憶部32は、極性切替情報32aと、送給速度情報32bと、溶接情報32cとを記憶する。
なお、図4には、制御部31との接続関係をわかりやすくするために、ロボットコントローラ20と、送給部14と、電圧検出部33と、電流検出部34と、切替部35と、スイッチング回路30bとをあわせて示している。
切替指示部31aは、記憶部32の極性切替情報32aに基づいて切替部35に対して極性の切り替えを指示する。ここで、極性切替情報32aは、たとえば、極性を正極性から逆極性へ切り替える条件や、逆極性から正極性へ切り替える条件を含んだ情報である。
変更部31bは、記憶部32の送給速度情報32bおよび切替指示部31aからの極性切替指示に基づいて送給部14が溶接ワイヤ200を送給する速度である送給速度を変更する。すなわち、変更部31bは、切替部35が正極性と逆極性とを切り替えるタイミングに基づいて送給速度を変更する。
ここで、送給速度情報32bは、逆極性区間における送給速度v1(図1参照)と、正極性区間における送給速度v2(図1参照)とを含んだ情報である。既に説明したように、送給速度v2は、送給速度v1よりも速い。
なお、送給速度v1,v2を、平均送給速度を基準として送給速度情報32bで定義することとしてもよい。たとえば、平均送給速度に対して逆極性区間における送給速度v1(図1参照)をどの程度下げるか、平均送給速度に対して正極性区間における送給速度v2(図1参照)をどの程度上げるかを定義することができる。つまり、送給速度v1,v2の平均速度が平均供給速度となるように、送給速度v1,v2を定義することができる。
また、変更部31bは、正極性区間における溶接電圧に基づいて正極性区間における送給速度v2を決定する。具体的には、変更部31bは、正極性区間における溶接電圧が高くなった場合はアーク長が長いことをあらわしているので送給速度v2を速くし、低くなった場合にはアーク長が短いことをあらわしているので送給速度v2を遅くする。
正極性区間における溶接電圧は、実際のアーク長を反映しているので、正極性区間における溶接電圧に基づいて送給速度v2を適宜変更することで、アーク長の安定化の精度を高めることができる。これにより、溶接品質を向上させることができる。
ここで、正極性区間における溶接電圧としては、正極性区間において絶対値が最大となる溶接電圧、正極性区間における溶接電圧の平均値、正極性区間における溶接電圧の積算値のいずれを用いてもよい。
なお、変更部31bは、送給部14に対して台形波状の指令を与えることで送給部14の送給速度を変更する。このように、台形波状の指令を用いることで送給部14のアクチュエータに対する負担を軽減することができる。なお、指令の形状は、台形波状に限られず、正弦波状、矩形波状あるいは三角波状であってもよい。
調整部31cは、記憶部32の溶接情報32c、電圧検出部33の検出結果および電流検出部34の検出結果に基づき、溶接ワイヤ200とワークWとの間の電流や電圧を調整する。ここで、溶接情報32cは、電流変化や電圧変化のプロファイルをあらかじめ定めた各種パラメータを含んだ情報である。なお、調整部31cは、生成した電流調整信号や電圧調整信号をスイッチング回路30bへ出力する。
なお、本実施形態では、送給部14の制御を交流パルスアーク溶接装置30が行う場合について示したが、送給部14の制御をロボットコントローラ20が行うこととしてもよい。すなわち、交流パルスアーク溶接装置30の変更部31bを、ロボットコントローラ20に設けることとしてもよい。
次に、変更部31bの処理内容について図5および図6を用いてさらに詳細に説明する。図5は、変更部31bの処理内容を示す説明図であり、図6は、溶接電圧に基づく送給速度決定処理の処理内容を示す説明図である。なお、図5に示す溶接電流の波形101、図6に示す溶接電圧の波形103は、調整部31cによって生成される。
まず、溶接電流の波形101について説明する。なお、波形101の変化による溶滴の変化、短絡およびアークの状態については図1を用いて既に説明したので、ここでの説明を省略する。
図5に示すように、逆極性区間では、まず、時間t1から時間t2にかけて溶接電流としてピーク電流EPpを印加する。つづいて、時間t2から時間t3にかけてピーク電流EPpよりも小さいベース電流EPbを印加する。
そして、極性が切り替わると、正極性区間では、まず、時間t3から時間t4にかけて溶接電流としてピーク電流ENpを印加する。つづいて、時間t4から時間t5にかけてピーク電流ENpの絶対値よりも絶対値が小さいベース電流ENbを印加する。
次に、送給速度の波形102について説明する。変更部31bは、逆極性区間である時間t1から時間t3にかけては、溶接ワイヤ200の送給速度がv1となるように制御する。また、正極性区間である時間t3から時間t5にかけては、送給速度がv2(>v1)となるように制御する。
なお、図5では、方形波状の波形102を示しているが、波形102の形状は方形波状に限られず、台形波状や、階段状であってもよい。すなわち、逆極性区間における送給速度v1の平均値よりも、正極性区間における送給速度v2の平均値が大きければ、波形102の形状は問わない。
次に、図6に示した溶接電圧の波形103を用いて変更部31bによる送給速度決定処理について説明する。既に説明したように、変更部31bは、正極性区間における溶接電圧に基づいて正極性区間における溶接ワイヤ200の送給速度v2を決定する。
具体的には、溶接電圧の波形103が図6に示したように変化した場合、変更部31bは、正極性区間である時間t3から時間t5にかけて、溶接電圧の積算値151を算出する。そして、算出した積算値151を前回の正極性区間における積算値151と比較し、今回の積算値151が前回の積算値151よりも大きければ、次回の送給速度v2をあらかじめ定められた補正量だけ増加させる。
逆に、今回の積算値151が前回の積算値151よりも小さければ、次回の送給速度v2をあらかじめ定められた補正量だけ減少させる。なお、前回の積算値151と今回の積算値151との比較において所定の不感帯を設けることとしてもよい。すなわち、両者の差分があらかじめ定められた閾値よりも小さい場合には、次回の送給速度v2を今回の送給速度v2から変化させなくてもよい。
さらに、かかる不感帯を同じ側(溶接電圧が高い側または低い側)に超えた正極性区間が所定の回数連続した場合にのみ、送給速度v2を変化させることとしてもよい。なお、変更部31bは、積算値151のかわりに、図6に示した正極性区間における溶接電圧の平均値Vaveや、溶接電圧のピーク値Vpeakを用いて正極性区間における送給速度v2を決定することとしてもよい。
このように、正極性区間における溶接電圧の積算値151や平均値Vaveに基づいて正極性区間における送給速度v2を決定することで、ノイズ等の影響を排除しつつ適切な送給速度を得ることができる。また、正極性区間における溶接電圧のピーク値Vpeakに基づいて正極性区間における送給速度v2を決定することで、簡便な処理で適切な送給速度を得ることができる。
なお、図6では、正極性区間における溶接電圧に基づいて正極性区間における送給速度v2を決定する場合について説明したが、溶接電圧のかわりに溶接電流を用いることとしてもよい。この場合、図6に示した溶接電圧の波形103を、図5に示した溶接電流の波形101へ置き換えるとともに、上記した図6の説明内容における溶接電圧を溶接電流に読み替えて送給速度v2を決定することとすればよい。
次に、交流パルスアーク溶接装置30が実行する処理手順について図7を用いて説明する。図7は、交流パルスアーク溶接装置30が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、切替指示部31aは、正極性および逆極性について極性変化があるか否かを判定する(ステップS101)。そして、極性変化があると判定した場合には(ステップS101,Yes)、切替指示部31aは、正極性へ変化したか否かを判定する(ステップS102)。なお、ステップS101にて極性変化がないと判定した場合には(ステップS101,No)、ステップS101の判定を繰り返す。
そして、正極性へ変化したと判定された場合には(ステップS102,Yes)、変更部31bは、正極性区間の電圧に基づいて正極性区間の送給速度である正極性送給速度を決定する(ステップS103)。つづいて、変更部31bは、送給速度に正極性送給速度を設定し(ステップS104)、送給速度の変更指令を送給部14に対して出力して(ステップS106)処理を終了する。
一方、ステップS102の判定条件を満たさなかった場合、すなわち、逆極性へ変化したと判定された場合には(ステップS102,No)、変更部31bは、送給速度に逆極性送給速度を設定し(ステップS105)、送給速度の変更指令を送給部14に対して出力して(ステップS106)処理を終了する。なお、図7では、正極性送給速度を変更部31bが決定する場合について示したが、かかる決定処理(ステップS103)を省略することとしてもよい。
上述してきたように、本実施形態に係る交流パルスアーク溶接システム1は、切替部35と、送給部14と、変更部31bとを備える。切替部35は、消耗電極である溶接ワイヤ200が負極で溶接対象であるワークWが正極である正極性と、溶接ワイヤ200が正極でワークWが負極である逆極性とを交互に切り替える。送給部14は、溶接ワイヤ200を所定の送給速度で送給する。変更部31bは、正極性の区間のほうが逆極性の区間よりも速くなるように送給速度を変更する。
したがって、本実施形態に係る交流パルスアーク溶接システム1によれば、正極性区間における溶接ワイヤ200とワークWとの距離を適切に保持することができるので、溶接品質を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、溶接トーチ13からワークWへ向けて供給される溶接ワイヤ200の送給速度を、逆極性区間よりも正極性区間のほうが速くなるように制御する場合について説明した。しかしながら、これに限らず、溶接ワイヤ200とワークWとがお互いに近づく速度を、逆極性区間よりも正極性区間のほうが速くなるように制御することとしてもよい。
たとえば、正極性区間では、溶接トーチ13をワークWへ近づける動作を多関節ロボット10に行わせたり、ワークWを溶接トーチ13へ近づける動作をポジショナなどのワークWを保持する装置に行わせたりすることとしてもよい。この場合、上述した送給速度の制御をこれらの動作と連動させることとしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 交流パルスアーク溶接システム
10 多関節ロボット
11 ロボットアーム
12 関節部
13 溶接トーチ
14 送給部
20 ロボットコントローラ
30 交流パルスアーク溶接装置
30a 一次整流回路
30b スイッチング回路
30c 変圧器
30d 二次整流回路
30e リアクトル
31 制御部
31a 切替指示部
31b 変更部
31c 調整部
32 記憶部
32a 極性切替情報
32b 送給速度情報
32c 溶接情報
33 電圧検出部
34 電流検出部
35 切替部
40 商用電源
200 溶接ワイヤ
201 ワイヤ貯蔵部
202 ガスボンベ
W ワーク

Claims (7)

  1. 消耗電極である溶接ワイヤが負極で溶接対象であるワークが正極である正極性と、前記溶接ワイヤが正極で前記ワークが負極である逆極性とを交互に切り替える切替部と、
    前記溶接ワイヤを所定の送給速度で送給する送給部と、
    前記正極性の区間のほうが前記逆極性の区間よりも速くなるように前記送給速度を変更する変更部と
    備え
    前記変更部は、
    前記正極性の区間における前記溶接ワイヤと前記ワークとの間の電圧または電流に基づいて前記正極性の区間における前記送給速度を決定すること
    を特徴とする交流パルスアーク溶接装置。
  2. 前記溶接ワイヤと前記ワークとの間の電圧を検出する電圧検出部
    を備え、
    前記変更部は、
    前記電圧検出部によって検出された前記正極性の区間における前記電圧に基づいて前記正極性の区間における前記送給速度を決定すること
    を特徴とする請求項1に記載の交流パルスアーク溶接装置。
  3. 前記溶接ワイヤと前記ワークとの間の電流を検出する電流検出部
    を備え、
    前記変更部は、
    前記電流検出部によって検出された前記正極性の区間における前記電流に基づいて前記正極性の区間における前記送給速度を決定すること
    を特徴とする請求項1に記載の交流パルスアーク溶接装置。
  4. 前記変更部は、
    前記正極性の区間における平均電圧値に基づいて前記正極性の区間における前記送給速度を決定すること
    を特徴とする請求項2に記載の交流パルスアーク溶接装置。
  5. 前記変更部は、
    前記切替部が前記正極性と前記逆極性とを切り替えるタイミングに基づいて前記正極性の区間における前記送給速度と前記逆極性の区間の前記送給速度とを切り替えること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の交流パルスアーク溶接装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の交流パルスアーク溶接装置と、
    前記溶接ワイヤを前記ワークに沿って移動させる多関節ロボットと
    を備えることを特徴とする交流パルスアーク溶接システム。
  7. 消耗電極である溶接ワイヤが負極で溶接対象であるワークが正極である正極性と、前記溶接ワイヤが正極で前記ワークが負極である逆極性とを交互に切り替える切替工程と、
    前記逆極性の区間よりも前記正極性の区間のほうが速くなるように前記溶接ワイヤの送給速度を変更する変更工程と
    を含み、
    前記変更工程は、
    前記正極性の区間における前記溶接ワイヤと前記ワークとの間の電圧または電流に基づいて前記正極性の区間における前記送給速度を決定すること
    を特徴とする交流パルスアーク溶接方法。
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