JP5396720B2 - 表示素子及び表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示素子及び表示装置に関する。
近年、紙に替わる電子媒体として、電子ペーパーが知られている。電子ペーパーに必要な特性としては、反射型の表示素子であること、高い白反射率、高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧で駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること等が挙げられる。特に、表示特性としては、紙と同等な白反射率、コントラスト比が要求されている。さらに、カラー表示ができる電子ペーパーに対する要望は非常に大きい。
このような電子ペーパーとしては、例えば、反射型液晶素子にカラーフィルターを形成した媒体が知られているが、偏光板を用いるため、光の利用効率が低く、白反射率が低い。さらに、黒色を表示することができないため、コントラスト比も低い。
また、帯電した白色粒子と黒色粒子を電場で動かすことを原理とする電気泳動素子が知られているが、白色粒子と黒色粒子を完全に反転させることは現実的に難しく、高い白反射率、高いコントラスト比を同時に満たすことが困難である。
一方、電圧を印加すると、可逆的に酸化又は還元が起こり、発色又は消色するエレクトロクロミック化合物を利用したエレクトロクロミック素子は、反射型の表示素子であり、高い白反射率を有し、表示にメモリ効果があり、低電圧で駆動することができる。
特許文献1には、透明又は半透明の基材上に配置された第1の電極、第2の電極、電解質、電子ドナーを有し、第1と第2の電極の間に、酸化還元発色団が吸着した半導体金属酸化物を有するナノ多孔質−ナノ結晶質のフィルムを有するエレクトロクロミック装置が開示されています。
また、特許文献2には、対向する2枚の平面電極を有し、少なくとも一方の電極が対向面上に透明導電性微粒子からなる層を結着により有しているエレクトロクロミック素子において、微粒子がエレクトロクロミック色素を担持している構成が開示されています。
さらに、特許文献3には、少なくとも一方が透明である2枚の導電基板の少なくとも一方の表面に半導体ナノ多孔質層を形成した基板間に、電解質層を介在させてなるエレクトロクロミック素子を有するエレクトロクロミック装置において、半導体ナノ多孔質層に、少なくとも1種のエレクトロクロミック色素が担持されている構成が開示されています。
しかしながら、このようなエレクトロクロミック装置(素子)は、液晶素子、電気泳動素子と比較すると、白反射率が高く、カラーフィルターを設けても、ある程度の白反射率を確保することができるが、高画質のカラー表示が困難である。
特表2001−510590号公報 特開2002−328401号公報 特開2004−151265号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、高画質のカラー表示が可能な表示素子及び表示装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、表示電極と、該表示電極に対向して設けられている対向電極と、該表示電極及び該対向電極の間に配置されている電解質を含む媒体と、該表示電極の該対向電極側に設けられている表示層を有する表示素子であって、該媒体及び該表示層は、それぞれ酸化還元反応により可逆的に発色及び消色することが可能な発色性物質を一種以上含み、該媒体に含まれる発色性物質は、該表示層に含まれる発色性物質とは異なる色を発色すると共に、発色させることが可能な電圧の閾値、消色させることが可能な電圧の閾値、所定の濃度に発色されるまでに必要な電荷量及び所定の濃度に消色されるまでに必要な電荷量の少なくとも一つが異なり、該媒体に含まれる発色性物質は、有機エレクトロクロミック化合物又はヨウ化銀であり、該表示層に含まれる発色性物質は、有機エレクトロクロミック化合物又は無機エレクトロクロミック化合物であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示素子において、前記表示層は、前記表示層に含まれる発色性物質を一種含む単位表示層が二層以上積層されており、該単位表示層の一つの層に含まれる発色性物質は、該単位表示層の他の層に含まれる発色性物質とは異なる色を発色すると共に、発色させることが可能な電圧の閾値、消色させることが可能な電圧の閾値、所定の濃度に発色されるまでに必要な電荷量及び所定の濃度に消色されるまでに必要な電荷量の少なくとも一つが異なることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の多色表示素子において、前記媒体は、隔壁により隔てられた二個以上の構成単位からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示素子において、前記表示電極上に、前記媒体及び前記表示層に含まれる発色性物質が発色することが可能な色とは異なる色の光を透過するカラーフィルターをさらに有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示素子において、前記表示層に含まれる有機エレクトロクロミック化合物、導電性又は半導性の粒子に担持されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示素子が基板上に形成されている表示装置であって、該表示素子を駆動する駆動手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、高画質のカラー表示が可能な表示素子及び表示装置を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明の表示素子は、表示電極と、表示電極に対向して設けられている対向電極と、表示電極及び対向電極の間に配置されている電解質を含む媒体と、表示電極の対向電極側に設けられている表示層を有し、表示層及び媒体は、それぞれ酸化還元反応により可逆的に発色及び消色することが可能な発色性物質を一種以上含む。このとき、媒体に含まれる発色性物質は、表示層に含まれる発色性物質とは異なる色を発色すると共に、発色させることが可能な電圧の閾値、消色させることが可能な電圧の閾値、所定の濃度に発色されるまでに必要な電荷量及び所定の濃度に消色されるまでに必要な電荷量の少なくとも一つが異なる。これにより、高画質のカラー表示が可能な表示素子が得られる。
発色性物質としては、特に限定されないが、エレクトロクロミック化合物、導電性高分子、金属又はその塩等が挙げられる。
無機エレクトロクロミック化合物としては、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化チタン等が挙げられる。
有機エレクトロクロミック化合物としては、特に限定されないが、1−Ethyl−1'−(2−phosphonoethyl)−4,4'−bipyridinium dichloride、1−p−cyanophenyl−1'−(2−phosphonoethyl)−4,4'−bipyridinium dichloride,Bis(2−phosphonylethyl)−4,4'−bipyridinium dichloride、1−Ethyl−1'−acetic acid−4,4'−bipyridinium dichloride等のビオロゲン系化合物;2−[2−[4−(dimethylamino)−5−carboxyphenyl]ethenyl]−3,3−dimethylindolino[2,1−b]oxazolidine、2−[2−[4−(dimethylamino)−5−carboxyphenyl]−1,3−butadienyl]−3,3−dimethylindolino[2,1−b]oxazolidine、2−[2−[4−(dimethylamino)phenyl]−1,3−butadienyl]−3,3−dimethyl−5−sulfonylindolino[2,1−b]oxazolidine等のスチリル系化合物;(2−Phenothiazin−10−yl−ethyl)−phosphinic acid、3−Phenothiazin−10−yl−propionic acid、3−Phenothiazin−10−yl−methanesuffonic acid等のフェノチアジン系等が挙げられる。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等が挙げられる。
金属又はその塩としては、銀、ビスマス、亜鉛、銅等の金属又はその塩が挙げられる。
本発明において、表示層に含まれる発色性物質は、有機エレクトロクロミック化合物であると共に、導電性又は半導性の粒子に担持されていることが好ましく、導電性又は半導性の粒子の表面に吸着されていることが特に好ましい。このとき、有機エレクトロクロミック化合物は、導電性又は半導性の粒子の表面に吸着されるために、ホスホン酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、サリチル酸基等の酸性基を有することが好ましく、強い吸着能を有することから、ホスホン酸基を有することが特に好ましい。また、有機エレクトロクロミック化合物は、シランカップリング剤等を用いて、導電性又は半導性の粒子の表面に結合されていてもよい。
導電性又は半導性の粒子としては、有機エレクトロクロミック化合物を担持することができれば、特に限定されないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、ジルコニア、セリア、シリカ、イットリア、ボロニア、マグネシア、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、カルシア、フェライト、ハフニア、三酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、チタン酸バリウム、アルミノケイ酸塩、リン酸カルシウム、アルミノシリケート等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、アルミナ、ジルコニア、ジルコニア、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンが好ましく、電気的特性と物理的特性から、酸化チタンが特に好ましい。
また、導電性又は半導性の粒子は、通常、粒径が5nm〜50nm程度である。
このような有機エレクトロクロミック化合物は、表示電極から導電性又は半導性の粒子を経て、電荷が移動することにより発色又は消色する。このため、効率よく発色又は消色することができ、消費電力を低減することができる。また、有機エレクトロクロミック化合物は、分子構造を変化させることにより、多彩な色を発色することができる。
図1に、本発明の表示素子の第一例を示す。表示素子10は、表示電極11と、表示電極11に対向して設けられている対向電極12と、表示電極11と対向電極12の間に配置されている電解質を含む媒体13を有する。また、表示電極11の対向電極12の側の表面に、表示層14が設けられており、対向電極12の表示電極11の側の表面に、白色反射層15が設けられており、表示電極11と対向電極12は、スペーサー16を介して接着されている。このとき、媒体13及び表示層14は、それぞれ有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aを含み、有機エレクトロクロミック化合物14aは、導電性又は半導性の粒子14bに担持されている。なお、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aは、それぞれシアン(C)及びマゼンタ(M)を発色する。
なお、スペーサー16は、特に限定されないが、フォトリソグラフィー法、スクリーン印刷法等を用いて、形成することができる。
以下、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aの発色及び/又は消色を制御する方法について説明する。
有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aをそれぞれ発色させることが可能な電圧の閾値をそれぞれVc(E13)及びVc(E14)、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aがそれぞれ所定の濃度に発色されるまでに必要な電荷量をそれぞれQc(E13)及びQc(E14)とし、式
0<Vc(E14)<Vc(E13)、0<Qc(E13)<Qc(E14
を満たすと、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aを以下のように発色させることができる。
具体的には、表示電極11と対向電極12の間に、Vc(E14)以上Vc(E13)未満の電圧を印加すると共に、Qc(E14)以上の電荷量を供給すると、有機エレクトロクロミック化合物14aが所定の濃度に発色する。このとき、Vc(E13)未満の電圧を印加するため、有機エレクトロクロミック化合物13aは発色しない。
また、表示電極11と対向電極12の間に、Vc(E13)以上の電圧を印加すると共に、Qc(E13)以上Qc(E14)未満の電荷量を供給すると、有機エレクトロクロミック化合物13aが所定の濃度に発色する。このとき、Vc(E13)以上の電圧を印加するため、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aの発色反応が同時に進行するが、Qc(E14)未満の電荷量を供給するため、有機エレクトロクロミック化合物14aは所定の濃度に発色しない。さらに、Qc(E14)がQc(E13)に対して十分に大きければ、有機エレクトロクロミック化合物14aは殆ど発色せず、実質的に有機エレクトロクロミック化合物13aのみが発色する。
さらに、表示電極11と対向電極12の間に、Vc(E13)以上の電圧を印加すると共に、Qc(E14)以上の電荷量を供給すると、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aがそれぞれ所定の濃度に発色する。また、表示電極11と対向電極12の間に、Vc(E14)以上Vc(E13)未満の電圧を印加すると共に、Qc(E14)−Qc(E13)以上の電荷量を供給すること及びVc(E13)以上の電圧を印加すると共に、Qc(E13)以上の電荷量を供給することを組み合わせると、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aがそれぞれ所定の濃度に発色する。
以上、式
0<Vc(E14)<Vc(E13)、0<Qc(E13)<Qc(E14
を満たす有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aの発色を制御する方法について説明したが、式
Vc(E13)<Vc(E14)<0、Qc(E14)<Qc(E13)<0
を満たす有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aの発色も同様にして制御することができる。
また、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aをそれぞれ消色させることが可能な電圧の閾値をそれぞれVd(E13)及びVd(E14)、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aがそれぞれ所定の濃度に消色されるまでに必要な電荷量をそれぞれQd(E13)及びQd(E14)とし、式
Vd(E13)<Vd(E14)<0、Qd(E14)<Qd(E13)<0
を満たすと、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aを以下のように消色させることができる。
具体的には、表示電極11と対向電極12の間に、Vd(E13)より大きく、Vd(E14)以下の電圧を印加すると共に、Qd(E14)以下の電荷量を供給すると、有機エレクトロクロミック化合物14aが所定の濃度に消色する。このとき、Vd(E13)より大きい電圧を印加するため、有機エレクトロクロミック化合物13aは消色しない。
また、表示電極11と対向電極12の間に、Vd(E13)以下の電圧を印加すると共に、Qd(E14)より大きく、Qd(E13)以下の電荷量を供給すると、有機エレクトロクロミック化合物13aが所定の濃度に消色する。このとき、Vd(E13)以下の電圧を印加するため、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aの消色反応が同時に進行するが、Qd(E14)より大きい電荷量を供給するため、有機エレクトロクロミック化合物14aは所定の濃度に消色しない。さらに、Qd(E14)がQd(E13)に対して十分に小さければ、有機エレクトロクロミック化合物14aは殆ど消色せず、実質的に有機エレクトロクロミック化合物13aのみが消色する。
さらに、表示電極11と対向電極12の間に、Vd(E13)以下の電圧を印加すると共に、Qd(E14)以上の電荷量を供給すると、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aがそれぞれ所定の濃度に消色する。また、表示電極11と対向電極12の間に、Vd(E13)より大きく、Vd(E14)以下の電圧を印加すると共に、Qd(E14)−Qd(E13)以下の電荷量を供給すること及びVd(E13)より大きい電圧を印加すると共に、Qd(E13)以下の電荷量を供給することを組み合わせると、有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aがそれぞれ所定の濃度に消色する。
以上、式
Vd(E13)<Vd(E14)<0、Qd(E14)<Qd(E13)<0
を満たす有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aの消色を制御する方法について説明したが、式
0<Vd(E14)<Vd(E13)、0<Qd(E13)<Qd(E14
を満たす有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aの消色も同様にして制御することができる。
なお、酸化還元反応は、表示層14の表面近傍で起こるため、媒体13に含まれる有機エレクトロクロミック化合物13aを発色及び消色させる際には、有機エレクトロクロミック化合物13aが表示層14の表面近傍まで拡散移動する必要がある。このため、|Vc(E13)|及び|Vd(E13)|は、有機エレクトロクロミック化合物13aが表示層14に含まれる場合と比較して大きくなる。さらに、有機エレクトロクロミック化合物13aが拡散移動する効率は、媒体13の粘度により大きく変わるため、媒体13の種類により、Vc(E13)及びVd(E13)を調整することができる。したがって、表示素子10の発色及び/又は消色を制御することが容易になる。なお、表示素子10を有する表示装置は、表示素子10を駆動する回路を用いて画像を表示するが、発色及び/又は消色の制御が容易である程、回路を簡略化することができる。
媒体13としては、特に限定されないが、アセトニトリル、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール等の有機溶媒に過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、ブチルホウ酸テトラブチルアンモニウム等の電解質を溶解させた電解液;パーフルオロスルホン酸系高分子膜等の固体系;イオン性液体等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
表示電極11としては、特に限定されず、ITO、FTO、ZnO等の透明導電薄膜が成膜されたガラス又はプラスチックフィルムが挙げられるが、軽量でフレキシブルな表示装置を作製できることから、プラスチックフィルムが好ましい。
対向電極12としては、特に限定されないが、ITO、FTO、ZnO等の透明導電性薄膜;亜鉛、白金等の導電性薄膜が形成されたガラス又はプラスチックフィルムが挙げられる。なお、透明導電性薄膜が形成されたガラス又はプラスチックフィルムを用いる場合は、酸化スズやITO等の比表面積が大きい導電性粒子を形成すると、電荷を効率良く授受することができる。
また、白色反射層15は、白色の顔料粒子が樹脂中に分散されており、塗布することにより形成される。白色の顔料粒子としては、特に限定されないが、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウム等の金属酸化物が挙げられる。
図2に、本発明の表示素子の第二例を示す。なお、図2において、図1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。表示素子20は、表示電極11と、表示電極11に対向して設けられている対向電極12と、表示電極11と対向電極12の間に配置されている電解質を含む媒体13を有する。また、表示電極11の対向電極12の側の表面に、表示層14及び21が積層されており、対向電極12の表示電極11の側の表面に、白色反射層15が設けられており、表示電極11と対向電極12は、スペーサー16を介して接着されている。このとき、媒体13、表示層14及び21は、それぞれ有機エレクトロクロミック化合物13a、14a及び21aを含み、有機エレクトロクロミック化合物14a及び21aは、それぞれ導電性又は半導性の粒子14b及び21bに担持されている。なお、有機エレクトロクロミック化合物13a、14a及び21aは、それぞれシアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)を発色する。これにより、表示素子20は、マルチカラー表示を行うことができる。なお、イエロー、マゼンタ及びシアンの代わりに、赤色、緑色及び青色を用いても、同様にマルチカラー表示が可能である。
なお、有機エレクトロクロミック化合物21aを発色させることが可能な電圧の閾値をVc(E21)、有機エレクトロクロミック化合物21aが所定の濃度に発色されるまでに必要な電荷量をQc(E21)とし、式
0<Vc(E14)<Vc(E21)<Vc(E13
0<Qc(E13)<Qc(E21)<Qc(E14
又は式
Vc(E13)<Vc(E21)<Vc(E14)<0
Qc(E14)<Qc(E21)<Qc(E13)<0
を満たすと、表示素子10と同様に、有機エレクトロクロミック化合物13a、14a及び21aの発色を制御することができる。
また、有機エレクトロクロミック化合物21aを消色させることが可能な電圧の閾値をVd(E21)、有機エレクトロクロミック化合物21aが所定の濃度に消色されるまでに必要な電荷量をQd(E21)とし、式
Vd(E13)<Vd(E21)<Vd(E14)<0
Qd(E14)<Qd(E21)<Qd(E13)<0
又は式
0<Vd(E14)<Vd(E21)<Vd(E13
0<Qd(E13)<Qd(E21)<Qd(E14
を満たすと、表示素子10と同様に、有機エレクトロクロミック化合物13a、14a及び21aの消色を制御することができる。
図3に、本発明の表示素子の第三例を示す。なお、図3において、図1及び図2と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。表示素子30は、表示電極11と、表示電極11に対向して設けられている対向電極12と、表示電極11と対向電極12の間に配置されている電解質を含む媒体13を有する。また、表示電極11の対向電極12の側の表面に、表示層14及び21が積層されており、対向電極12の表示電極11の側の表面に、白色反射層15が設けられている。このとき、表示電極11及び対向電極12は、それぞれ基板31及び32上に、スペーサー16で隔てられて画素毎に形成されている。さらに、基板31及び32は、スペーサー16を介して接着されている。即ち、表示素子30は、表示電極11、対向電極12、媒体13、表示層14、白色反射層15及び表示層21が画素毎にスペーサー16で隔てられた構成単位からなる。また、媒体13、表示層14及び21は、それぞれ有機エレクトロクロミック化合物13a、14a及び21aを含み、有機エレクトロクロミック化合物14a及び21aは、それぞれ導電性又は半導性の粒子14b及び21bに担持されている。なお、有機エレクトロクロミック化合物13a、14a及び21aは、それぞれシアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)を発色する。
表示素子30を有する表示装置は、表示素子30を駆動する回路が画素毎に所定の電圧を印加することにより、画像を表示することができる。このとき、有機エレクトロクロミック化合物13aは、媒体13内を拡散移動して表示層21の近傍で発色及び消色するが、隔壁31により隣接した画素に拡散移動して画像のボケが発生することを防止できる。
図4に、本発明の表示素子の第四例を示す。なお、図4において、図1、図2及び図3と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。表示素子40は、表示電極11と、表示電極11に対向して設けられている対向電極12と、表示電極11と対向電極12の間に配置されている電解質を含む媒体13を有する。また、表示電極11の対向電極12の側の表面に、表示層14が設けられており、対向電極12の表示電極11の側の表面に、白色反射層15が設けられている。このとき、表示電極11及び対向電極12は、それぞれ基板31及び32上に、スペーサー16で隔てられて形成されている。さらに、基板31及び32は、スペーサー16を介して接着されている。即ち、表示素子40は、表示電極11、対向電極12、媒体13、表示層14及び白色反射層15がスペーサー16で隔てられた構成単位からなる。また、基板31の表示電極11が形成されていない側の面に、カラーフィルター41が設けられており、カラーフィルター41が透過する色、表示層14及び媒体13が発色する色の組み合わせ[1]、[2]及び[3](表1参照)が順次並設されている。
Figure 0005396720
これにより、それぞれ媒体13及び表示層14に含まれる有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aの発色及び消色による色表現範囲を広くすることができる。このとき、[1]、[2]及び[3]を合わせて1ピクセルとしている。なお、カラーフィルター41が導電性を有する場合は、基板31の表示電極11が形成されていない側の面の代わりに、基板31の表示電極11が形成されている側の面にカラーフィルター41が設けられていてもよい。さらに、媒体13及び表示層14は、それぞれ有機エレクトロクロミック化合物13a及び14aを含み、有機エレクトロクロミック化合物14aは、導電性又は半導性の粒子14bに担持されている。
本発明の画像表示装置は、表示素子が基板上に形成されており、表示素子を駆動する手段を有するが、表示素子を駆動する駆動素子が基板上に形成されていることが好ましい。これにより、表示素子をアクティブ駆動させることができる。駆動素子としては、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いることができる。
次に、図5を用いて、駆動素子が画素を駆動する方法を説明する。まず、画素50の階調に従って、階調信号線51から画素スイッチング用TFT52のソース電極Sに電圧が印加される。次に、1ライン毎に順次ON/OFFの信号電圧が、走査線53から画素スイッチング用TFT52のゲート電極Gに印加され、画像の走査が終了した後、次の画像の走査が開始される。なお、動画に対応する場合、この間隔は、50Hz以上(1/50秒以下)であることが好ましい。このとき、ONの信号電圧が、走査線53から画素スイッチング用TFT52のゲート電極Gに印加されると、ソース電極Sからドレイン電極Dに電流が流れ、画素駆動用TFT54のゲート電極Gに電圧が印加される。これにより、電流供給線55から画素駆動用TFT54のソース電極S及びドレイン電極Dを経て、画素50に電流が流れて、画素50が発色又は消色する。
1,1'−diundecyl−4,4'−bipyridinium dichloride(有機エレクトロクロミック化合物1)の50mMプロピレンカーボネート溶液に、0.2Mとなるように過塩素酸リチウム(電解質)を加えて、電解液を調製した。
ITO電極(表示電極)が形成されたガラス基板上に、真空蒸着法を用いて、酸化タングステン(無機エレクトロクロミック化合物)を蒸着し、厚さが200nmの表示層を形成した。
一方、平均一次粒径が300nmの酸化チタン粒子5g及びポリエチレン1gをテトラヒドロフラン10ml中に分散させた分散液を、厚さが0.2mmの亜鉛板(対向電極)
上にスピンコート塗布し、膜厚が5μmの白色反射層を形成した。なお、白色反射層は、紙と同様の白色を示した。
表示電極及び表示層が積層されたガラス基板と、白色反射層が形成された対向電極を、表示層及び白色反射層が対向するように、膜厚が75μmのスペーサーを介して、接着剤で貼り合わせた後、電解液を注入して封止し、表示セルを作製した。
表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、65%と高い値を示した。なお、反射率は、分光測色計を用いて、拡散光を照射することにより測定した。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、0.7Vの電圧を印加し、20mC/cmの電荷を供給したところ、表示層が発色して、表示セルは青色になった。ここで、−1.0Vの電圧を十分に印加すると、表示層が消色して、表示セルは白色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給したところ、表示層及び電解液が発色して、表示セルは黒色になった。ここで、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、表示層及び電解液が消色して、表示セルは白色になった。
さらに、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給したところ、表示層及び電解液が発色して、表示セルは黒色になった。ここで、−1.0Vの電圧を短時間印加すると、表示層が消色して、表示セルは紫色になった。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、電解液が消色して、表示セルは白色になった。
有機エレクトロクロミック化合物1の代わりに、ヨウ化銀(金属塩)を用いた以外は、実施例1と同様にして、表示セルを作製した。表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、65%と高い値を示した。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、0.7Vの電圧を印加し、20mC/cmの電荷を供給したところ、表示層が発色して、表示セルは青色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、3.0Vの電圧を印加し、40mC/cmの電荷を供給したところ、表示層及び電解液が発色して、表示セルは濃黒色になった。ここで、−1.0Vの電圧を短時間印加すると、表示層が消色して、表示セルは黒色になった。さらに、−3.0Vの電圧を十分に印加すると、電解液が消色して、表示セルは白色になった。
平均一次粒径が6nmの半導性の酸化チタン粒子(テイカ社製)の20重量%水分散液を、酸化スズ電極(表示電極)が形成されたガラス基板上にスピンコート塗布し、450℃で1時間焼結させ、膜厚が2μmの粒子層を形成した。次に、Bis(2−phosphonoethyl)−4,4'−bipyridinium dichloride(有機エレクトロクロミック化合物2)の0.04M水溶液中に、粒子層が形成された表示電極を浸漬させて、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物2を吸着させ、表示層を形成した。
得られた表示電極及び表示層が積層されたガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、表示セルを作製した。表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、65%と高い値を示した。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.5Vの電圧を印加し、10mC/cmの電荷を供給したところ、表示層が発色して、表示セルは青色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、3.0Vの電圧を印加し、40mC/cmの電荷を供給したところ、表示層及び電解液が発色して、表示セルは黒色になった。ここで、−1.0Vの電圧を短時間印加すると、表示層が消色して、表示セルは紫色になった。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、電解液が消色して、表示セルは白色になった。
有機エレクトロクロミック化合物1の代わりに、ヨウ化銀(金属塩)を用いた以外は、実施例3と同様にして、表示セルを作製した。表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、65%と高い値を示した。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.5Vの電圧を印加し、10mC/cmの電荷を供給したところ、表示層が発色し、表示セルは青色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、3.0Vの電圧を印加し、40mC/cmの電荷を供給したところ、表示層及び電解液が共に発色して、表示セルは濃黒色になった。ここで、−1.0Vの電圧を短時間印加すると、表示層が消色して、表示セルは黒色になった。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、電解液が消色して、表示セルは白色になった。
ITO電極(表示電極)が形成されたガラス基板上に、真空蒸着法を用いて、酸化タングステン(無機エレクトロクロミック化合物)を蒸着し、厚さが200nmの単位表示層1を形成した。平均一次粒径が6nmの半導性の酸化チタン粒子(テイカ社製)の20重量%水分散液を、単位表示層1が形成されたガラス基板上にスピンコート塗布し、450℃で1時間焼結させ、膜厚が2μmの粒子層を形成した。次に、1−p−cyanophenyl−1'−(2−phosphonoethyl)−4,4'−bipyridinium dichloride(有機エレクトロクロミック化合物3)の0.04M水溶液中に、粒子層が形成された表示電極を浸漬させて、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物3を吸着させ、単位表示層2を形成した。
得られた表示電極及び表示層(単位表示層1、2)が積層されたガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、表示セルを作製した。表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、65%と高い値を示した。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、0.7Vの電圧を印加し、20mC/cmの電荷を供給したところ、単位表示層1が発色し、表示セルは青色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.5Vの電圧を印加し、30mC/cmの電荷を供給したところ、単位表示層1及び2が発色して、表示セルは濃紺色になった。ここで、−1.0Vの電圧を短時間印加すると、単位表示層1が消色して、表示セルは緑色になった。さらに、−2.0Vの電圧を十分に印加すると、単位表示層2が消色して、表示セルは白色になった。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給したところ、単位表示層1、2及び電解液が発色して、表示セルは黒色になった。ここで、−2.0Vの電圧を短時間印加すると、単位表示層1及び2が消色して、表示セルは紫色になった。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、電解液が消色して、表示セルは白色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給したところ、単位表示層1、2及び電解液が発色して、表示セルは黒色になった。ここで、−1.0Vの電圧を短時間印加すると、単位表示層1が消色して、表示セルは濃紫色になった。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、単位表示層2及び電解液が消色して、表示セルは白色になった。
表面に絶縁性アルミナ/ジルコニアがコーティングされた平均一次粒径が6nmの半導性の酸化チタンの粒子(テイカ社製)の20重量%イソプロパノール分散液に、50mMとなるように有機エレクトロクロミック化合物2を加えて撹拌し、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物を吸着させ、塗布液を調製した。
平均一次粒径が6nmの半導性の酸化チタン粒子(テイカ社製)の20重量%水分散液を、酸化スズ電極(表示電極)が形成されたガラス基板上にスピンコート塗布し、450℃で1時間焼結させ、膜厚が2μmの粒子層を形成した。次に、有機エレクトロクロミック化合物3の0.04M水溶液中に、粒子層が形成された表示電極を浸漬させて、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物3を吸着させ、単位表示層1を形成した。さらに、塗布液を単位表示層1上にスピンコート塗布し、100℃で1時間乾燥させ、膜厚が2μmの単位表示層2を形成した。
得られた表示電極及び表示層(単位表示層1、2)が積層されたガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、表示セルを作製した。表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、65%と高い値を示した。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.2Vの電圧を印加し、10mC/cmの電荷を供給したところ、単位表示層1が発色し、表示セルは緑色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.5Vの電圧を印加し、30mC/cmの電荷を供給したところ、単位表示層1及び2が発色し、表示セルは濃紺色になった。ここで、−0.5Vの電圧を短時間印加すると、単位表示層1が消色して、表示セルは青色になった。さらに、−2.0Vの電圧を十分に印加すると、単位表示層2が消色して、表示セルは白色になった。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給したところ、単位表示層1、2及び電解液が発色し、表示セルは黒色になった。ここで、−2.0Vの電圧を短時間印加すると、単位表示層1及び2が消色して、表示セルは紫色になった。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、電解液が消色して、表示セルは白色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給したところ、単位表示層1、2及び電解液が発色し、表示セルは黒色になった。ここで、−0.5Vの電圧を短時間印加すると、単位表示層1が消色して、表示セルは濃紫色になった。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、単位表示層2及び電解液が消色して、表示セルは白色になった。
有機エレクトロクロミック化合物1の50mMプロピレンカーボネート溶液に、0.2Mとなるように過塩素酸リチウム(電解質)を加えて、電解液を調製した。
3cm×2.5cmのガラス基板上に、2.7cm×5mmの酸化スズ電極を、幅1mmのスペースを介して、3個形成し、酸化スズ電極上に亜鉛を蒸着させ、対向電極を形成した。平均一次粒径が300nmの酸化チタン粒子5g及びポリエチレン1gをテトラヒドロフラン10ml中に分散させた分散液を、対向電極が形成されたガラス基板上にスピンコート塗布し、膜厚が5μmの白色反射層を形成した。
3cm×2.5cmのガラス基板上に、2.7cm×5mmの酸化スズ電極(表示電極)を、幅1mmのスペースを介して、3個形成した。次に、平均一次粒径が6nmの半導性の酸化チタン粒子(テイカ社製)の20重量%水分散液を、表示電極が形成されたガラス基板上にスピンコート塗布し、450℃で1時間焼結させ、膜厚が2μmの粒子層を形成した。さらに、感光性フォトレジストを厚さが20μmとなるように、粒子層が形成されたガラス基板上に塗布した後、フォトリソグラフィー法を用いて、表示電極が形成されていない領域に、膜厚が20μmのスペーサーを形成した。次に、有機エレクトロクロミック化合物2の0.04M水溶液中に、スペーサーが形成されたガラス基板を浸漬させて、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物2を吸着させ、表示層を形成した。さらに、スペーサーで囲まれた領域に電解液を加えた後、表示電極及び表示層が積層されたガラス基板と、対向電極及び白色反射層が積層されたガラス基板を、表示電極と対向電極が対向すると共に重なり合うように、接着剤で貼り合わせて封止し、表示セルを作製した。
表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、60%と高い値を示した。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.2Vの電圧を印加し、10mC/cmの電荷を供給したところ、表示電極上の表示層が発色して、表示セルは青色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給したところ、表示電極上の表示層及び電解液が発色して、表示セルは濃紫色になったが、画像のボケは全く見られなかった。ここで、−1.0Vの電圧を短時間印加すると、表示電極上の表示層が消色して、表示セルは紫色になったが、画像のボケは全く見られなかった。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、電解液が消色して、表示セルは白色になった。
3cm×2.5cmのガラス基板上に、2.7cm×5mmの酸化スズ電極(表示電極)を、幅1mmのスペースを介して、3個形成した。次に、平均一次粒径が6nmの半導性の酸化チタン粒子(テイカ社製)の20重量%水分散液を、表示電極が形成されたガラス基板上にスピンコート塗布し、450℃で1時間焼結させ、膜厚が2μmの粒子層を形成した。さらに、有機エレクトロクロミック化合物2の0.04M水溶液中に、粒子層が形成されたガラス基板を浸漬させて、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物2を吸着させ、表示層を形成した。
得られた表示電極及び表示層が積層されたガラス基板と、対向電極及び白色反射層が積層された対向電極を、表示電極と対向電極が対向すると共に重なり合うように、膜厚が20μmのスペーサーを介して、接着剤で貼り合わせた後、電解液を注入して封止した以外は、実施例7と同様にして、表示セルを作製した。
表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、65%と高い値を示した。
次に、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.2Vの電圧を印加し、10mC/cmの電荷を供給したところ、表示電極上の表示層が発色して、表示セルは青色になった。
また、表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給したところ、表示電極上の表示層及び電解液が発色して、表示セルは濃紫色になったが、画像の淵の部分にわずかにボケが見られた。ここで、−1.0Vの電圧を短時間印加すると、表示電極上の表示層が消色して、表示セルは紫色になったが、画像の淵の部分にわずかにボケが見られた。さらに、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、電解液が消色して、表示セルは白色になった。
有機エレクトロクロミック化合物1、2及び3の各50mMプロピレンカーボネート溶液に、0.2Mとなるように過塩素酸リチウム(電解質)を加えて、それぞれ電解液1、2及び3を調製した。
3cm×2.5cmのガラス基板上に、2.7cm×1mmの酸化スズ電極を、幅0.1mmのスペースを介して、20個形成し、酸化スズ電極上に亜鉛を蒸着させ、対向電極を形成した。平均一次粒径が300nmの酸化チタン粒子5g及びポリエチレン1gをテトラヒドロフラン10ml中に分散させた分散液を、亜鉛を蒸着させたガラス基板上にスピンコート塗布し、膜厚が5μmの白色反射層を形成した。
3cm×2.5cmのガラス基板上に、2.7cm×1mmの酸化スズ電極(表示電極)を、幅0.1mmのスペースを介して、20個形成した。次に、平均一次粒径が6nmの半導性の酸化チタン粒子(テイカ社製)の20重量%水分散液を、表示電極上にインクジェット塗布し、450℃で1時間焼結させ、膜厚が2μmの粒子層を形成した。さらに、感光性フォトレジストを厚さが20μmとなるように、粒子層が形成されたガラス基板上に塗布した後、フォトリソグラフィー法を用いて、表示電極が形成されていない領域にスペーサーを形成した。次に、有機エレクトロクロミック化合物1、2及び3の各メタノール溶液を、スペーサーで囲まれた粒子層に順次塗布した後、120℃で1時間乾燥させて、粒子の表面に有機エレクトロクロミック化合物1、2及び3を吸着させ、表示層を形成した。さらに、有機エレクトロクロミック化合物1、2及び3を含む表示層が形成された領域に、それぞれ電解液2、3及び1を加えた後、表示電極及び表示層が積層されたガラス基板と、対向電極及び白色反射層が積層されたガラス基板を、表示電極と対向電極が対向すると共に重なり合うように、接着剤で貼り合わせて封止した。さらに、表示電極が形成されたガラス基板の表示電極が形成されていない面に、RGBカラーフィルター(共同印刷社製)を貼り付け、表示セルを作製した。このとき、有機エレクトロクロミック化合物1、2及び3を含む表示層が形成された領域が、それぞれカラーフィルターの緑色部分(G)、赤色部分(R)及び青色部分(B)になるように調整した。
表示セルは白色であり、反射率を測定したところ、48%と高い値を示した。
次に、カラーフィルターのRに対応する表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.5Vの電圧を印加し、10mC/cmの電荷を供給した。さらに、カラーフィルターのGに対応する表示電極を負極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給した後に、−1.0Vの電圧を短時間印加したところ、表示セルは青色になった。なお、色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中45人が青色として満足するレベルであった。ここで、カラーフィルターのR及びGに対応する表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、表示セルは白色になった。
また、カラーフィルターのGに対応する表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.5Vの電圧を印加し、10mC/cmの電荷を供給した。さらに、カラーフィルターのBに対応する表示電極を負極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給した後に、−1.0Vの電圧を短時間印加したところ、表示セルは赤色になった。なお、色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中47人が赤色として満足するレベルであった。ここで、カラーフィルターのB及びGに対応する表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、−3.0Vの電圧を十分に印加すると、表示セルは白色になった。
さらに、カラーフィルターのBに対応する表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、1.5Vの電圧を印加し、10mC/cmの電荷を供給した。さらに、カラーフィルターのRに対応する表示電極を負極に接続し、4.0Vの電圧を印加し、50mC/cmの電荷を供給した後に、−1.0Vの電圧を短時間印加したところ、表示セルは緑色になった。なお、色の見え方に関する官能試験を行ったところ、50人中43人が緑色として満足するレベルであった。ここで、カラーフィルターのB及びRに対応する表示電極を負極に、対向電極を正極に接続し、−4.0Vの電圧を十分に印加すると、表示セルは白色になった。
本発明の表示素子の第一例を示す断面図である。 本発明の表示素子の第二例を示す断面図である。 本発明の表示素子の第三例を示す断面図である。 本発明の表示素子の第四例を示す断面図である。 駆動素子が画素を駆動する方法を説明する配線図である。
符号の説明
10、20、30、40 表示素子
11 表示電極
12 対向電極
13 媒体
13a 有機エレクトロクロミック化合物
14 表示層
14a 有機エレクトロクロミック化合物
14b 導電性又は半導性の粒子
15 白色反射層
16 スペーサー
21 表示層
21a 有機エレクトロクロミック化合物
21b 導電性又は半導性の粒子
31、32 基板
41 カラーフィルター

Claims (6)

  1. 表示電極と、該表示電極に対向して設けられている対向電極と、該表示電極及び該対向電極の間に配置されている電解質を含む媒体と、該表示電極の該対向電極側に設けられている表示層を有する表示素子であって、
    該媒体及び該表示層は、それぞれ酸化還元反応により可逆的に発色及び消色することが可能な発色性物質を一種以上含み、
    該媒体に含まれる発色性物質は、該表示層に含まれる発色性物質とは異なる色を発色すると共に、発色させることが可能な電圧の閾値、消色させることが可能な電圧の閾値、所定の濃度に発色されるまでに必要な電荷量及び所定の濃度に消色されるまでに必要な電荷量の少なくとも一つが異なり、
    該媒体に含まれる発色性物質は、有機エレクトロクロミック化合物又はヨウ化銀であり、
    該表示層に含まれる発色性物質は、有機エレクトロクロミック化合物又は無機エレクトロクロミック化合物であることを特徴とする表示素子。
  2. 前記表示層は、前記表示層に含まれる発色性物質を一種含む単位表示層が二層以上積層されており、
    該単位表示層の一つの層に含まれる発色性物質は、該単位表示層の他の層に含まれる発色性物質とは異なる色を発色すると共に、発色させることが可能な電圧の閾値、消色させることが可能な電圧の閾値、所定の濃度に発色されるまでに必要な電荷量及び所定の濃度に消色されるまでに必要な電荷量の少なくとも一つが異なることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記媒体は、隔壁により隔てられた二個以上の構成単位からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示素子。
  4. 前記表示電極上に、前記媒体及び前記表示層に含まれる発色性物質が発色することが可能な色とは異なる色の光を透過するカラーフィルターをさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示素子。
  5. 前記表示層に含まれる有機エレクトロクロミック化合物、導電性又は半導性の粒子に担持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示素子が基板上に形成されている表示装置であって、
    該表示素子を駆動する駆動手段を有することを特徴とする表示装置。
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