JP5396509B2 - 包装用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、限定されないが、特に、肉、刺身や調理した食品などを収容するのに適した包装用容器に関する。
肉、刺身や調理した食品などを収容して、スーパーマーケットなどの商品棚に陳列するための包装用容器が広く普及している。これらの容器には、合成樹脂シートを熱成形したものが多く用いられている。これらの包装用容器は、軽量であることに加え、合成樹脂シートが発泡樹脂シートの場合には断熱性も備えていることから、食品などの包装容器として好適に使用されている。
これらの包装用容器を使用するに当たっては、食品などを収容した後、ラッピングフィルムで全体をラップした状態で商品棚などに陳列することが行われる。ラッピングフィルムによるラッピング作業は、通常、専用のラッピング装置を用いて行われるが、その際に、ラップするフィルムの締め付け力により、長辺側の相対向する側壁部が接近する方向に変形するのを避けられない。その変形をできるだけ小さくするために、圧縮強度に優れた保形性の良好な包装用容器が特許文献1、2、3などに記載されている。
特許文献1では、長辺側の相対向する側壁部と底部との間に両部分にまたがる内側への膨出リブを配設して曲げ強度を大きくするようにしている。特許文献2では、プラスチックフィルム(ラッピングフィルム)包装圧により曲げ圧力を受ける長辺側側壁の上縁部分に凹溝を形成するとともに、側壁部に底面部に向けて次第に幅広となる形状の縦リブを形成するようにしている。特許文献3では、長辺側側壁の上縁に上向きに凸の曲線をなして膨出したラップ窪み防止用凸部を設けるとともに、長辺側側壁を弧状に湾曲させるようにしている。
実公昭63−6005号公報 実開昭55−158813号公報 特開2007−297082号公報
本発明者らは、上記したような包装用容器をラッピンクフィルムでラップするときに生じる周側壁の変形を防止するあるいは抑制することについて、多くの実験と研究を継続して行ってきているが、その過程において、包装用容器に、前記した特許文献1〜3に記載されるように、長辺側の相対向する周側壁が内側へ曲がり難くなるような手段を講じた包装用容器を、ラッピング装置を用いてラップしたときに、ラップ当初はラッピングフィルムがしわのない状態を保持されても、時間が経過するとともに、ラッピングフィルムに弛みやしわが生じる場合があることを経験した。ラッピングフィルムに弛みやしわが生じると見栄えの点で好ましくなく、見た目での商品価値を低下させない観点から、ラップ後にラッピングフィルムに弛みやしわが生じるのをできるだけ少なくすることが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、合成樹脂シートを熱成形して形成された平面視矩形状の包装用容器において、ラッピングフィルムによってラップしたときに、ラップ後に時間が経過してもラップしたラッピングフィルムに弛みやしわが生じるのを抑制することのできる包装用容器を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、ラップ後、ラッピングフィルムに弛みやしわが発生する理由を解明すべく、多くの実験と観察を行った。それにより、弛みあるいはしわの発生には次のような現象が要因となっていることを知った。すなわち、(a)ラッピング装置を用いてフィルムをラップするときに、平面視矩形状の包装用容器の長辺側の相対向する周側壁の頂部とフィルムとの間に生じる摩擦により、相対向する周側壁は一時的に互いに広がる方向に僅かではあるが変位する場合があること、(b)その後、ラッピング装置がラッピングフィルムを包装用容器の底面部側に押し込むときに、包装用容器外面にラッピングフィルムが接触して摩擦力が生じ、その摩擦力は、周側壁における底面部との接続部の近傍において、特に大きくなること、(c)発生した摩擦力によって周側壁をさらに外側に変形しようとすること、(d)ラッピングフィルムによる包み込み作業が終了した後、フィルムに作用する装置からの応力はなくなり、互いに広がる方向に変位していた相対向する周側壁はもとの姿勢に復帰しようとするが、ラップ後にラッピングフィルムに作用している張力(引っ張り力)は必ずしも均一でないことと、周側壁の戻りも長手方向で不均一となることから、ラッピングフィルムに作用している張力にバラツキが生じ、それが結果的にラッピングフィルムに弛みを生じさせ、しわを生じさせていること。
上記の知見のもとで、さらに研究と実験を行うことにより、前記(b)に記載した摩擦力、すなわち、ラッピング装置がラッピングフィルムを包装用容器の底面部側に押し込むときに、容器周側壁における容器底面部との接続部近傍において生じるラッピングフィルムとの間の摩擦力を小さくすることにより、ラップ後にラッピングフィルムに弛みやしわが発生するのを低減できることを知見した。本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明による包装用容器は、合成樹脂シートを熱成形して形成された平面視矩形状の包装用容器であって、平面視でほぼ矩形状の底面部と、前記底面部の外周から上方に起立する周壁部と、前記周壁部の上端から外方へ延出したフランジ部とを備え、前記周壁部には底面部に直交する方向の容器内側に膨出する形状の縦リブが適数形成されていて、該縦リブは前記底面部にまでわたっており、前記周壁部と前記底面部の接続部の一部または全部には前記底面部と平行な方向に沿って容器内側に膨出する形状の凹溝が形成されていることを特徴とする。
本発明による包装用容器では、周壁部における底面部の接続部の一部または全部に底面部と平行な方向に沿って容器内側に膨出する形状の凹溝が周方向に形成されている。そのために、ラッピング装置を用いてラッピングフィルムを包装用容器にラップするとき、特に、ラッピング装置がラッピングフィルムを包装用容器の底面部側に押し込むときに、容器周側壁とラッピングフィルムとの間の接触面積を小さくすることができる。それにより、ラップ時に、ラッピングフィルムと容器周側壁との間の摩擦力を小さくすることが可能となる。その結果として、そのような凹溝を有していない場合と比較して、ラップ後にラッピングフィルムに作用している張力(引っ張り力)が不均一になること、および周側壁がもとの姿勢に復帰するときの姿勢が不均一になることを、抑制することが可能となり、結果として、ラップ後にラッピングフィルムに弛みやしわが生じるのを、より小さくすることができる。また、前記底面部と平行な方向に沿って容器内側に膨出する形状の凹溝を周方向形成したことで、相対向する周側壁が側面から押されたときに生じる内側への変位に対する抵抗力(側面圧縮強度)を向上させることもできる。
なお、本発明による包装用容器において、ラッピング装置を用いて容器をラッピングフィルムでラップしたときに、容器の周側壁が内側に向けて大きく変形しないこと、すなわち高い側面圧縮強度を備えることは当然に必要であり、そのために、周壁部の上端から外方へ延出したフランジ部を備えること、および、周壁部には底面部に直交する方向の容器内側に膨出する形状の縦リブが適数形成されていて、該縦リブは前記底面にまでわたっていることは、必要な構成となる。
本発明による包装用容器の一つの態様において、前記縦リブの一部または全部は前記底面部に向けて次第に幅広となる形状を備えることを特徴とする。それにより、側面圧縮強度をより大きくすることができ、ラッピングフィルムでラップしたときの周側壁の内側への変形をより確実に抑制することが可能となる。
本発明による包装用容器の他の態様において、前記フランジ部は、平面視で、角部に近接した領域よりも長手方向中央部の領域が水平方向に膨出した形状を備えることを特徴とする。それによっても、側面圧縮強度をより大きくすることができ、ラッピングフィルムでラップしたときの周側壁の内側への変形をより確実に抑制することができる。
本発明による包装用容器のさらに他の態様において、前記周壁部は前記フランジ部との接続部に全周にわたる帯状壁を有しており、前記帯状壁の下端は下位の周壁部よりも外側に張り出しており、その張り出し量は角部領域において他の領域よりも大きくされていることを特徴とする。この構成を備えることにより、包装用容器の角部の強度を大きくすることができ、これによっても、ラッピングフィルムでラップしたときの周側壁の内側への変形をより確実に抑制することができるようになる。
本発明による包装用容器は、合成樹脂のシートを熱成形して形成される。合成樹脂シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂などのシートや、これらを延伸した延伸シートが挙げられる。前記合成樹脂を発泡させた発泡樹脂シートや、これらに適宜、合成樹脂フィルムをラミネートした積層シートを熱成形して形成することもできる。これらのフィルムに適宜の柄を印刷して、その印刷面と上記シートを積層させてもよい。熱成形としては、例えば真空成形、圧空成形、両面真空成形、熱板成形などが挙げられる。
本発明によれば、ラッピング装置を用いてラップした包装用容器において、ラップ後にラッピングフィルムに弛みやしわが発生するのを抑制することができる。それにより、外観上での商品価値を低下させることのない包装用容器が得られる。
本発明による包装用容器の一実施の形態を上から見て示す斜視図。 図1に示す包装用容器を底面から見て示す斜視図。 図3(a)は図1に示す包装用容器の上面図、図3(b)は図3(a)のb−b線による断面図。 図1に示す包装用容器の角部を拡大して示す図。 図1に示す包装用容器をラッピング装置を用いてラップするときの状態を説明するための図。
以下、図面を参照しながら、本発明による包装用容器の一実施の形態を説明する。
図示の例において、包装用容器Aは、ポリスチレン系発泡シートを熱成形して形成された平面視矩形状の包装用容器であり、平面視でほぼ矩形状の底面部10と、該底面部10の外周から上方に起立する周壁部20と、該周壁部20の上端から外方へ延出したフランジ部30とを備える。この例において、包装用容器Aは、平面視で長方形をなしており、周壁部20は、相対向する長辺側周側壁21、23と、短辺側周側壁22、24とで構成される。図示されるように、底面部10の外周から上方に起立する周壁部20は、略10〜30度だけ底面部10に対して外側に拡開している。底面部10は4つの角部は丸みをおびており、周壁部20における長辺側周側壁21、23と短辺側周側壁22、24との接続部である4つの角部25も、前記底面部10の丸みをおびた4つの角部と滑らかに接続するように、やはり丸みをおびた形状(アール部)とされている。
前記底面部10と前記周壁部20との4周の接続部、すなわち、底面部10の4辺と長辺側周側壁21、23および短辺側周側壁22、24との接続部には、底面部10と平行な方向に沿って容器内側に膨出する形状の凹溝26が形成されている。なお、図示の例では、周壁部20の前記角部25には凹溝は形成されていない。これは、角部25近傍の強度を確保して、包装用容器が不用意に変形するのを防止するためであり、十分な強度が確保できる場合には、周壁部20の前記角部25にも凹溝26を形成することもできる。
前記フランジ部30は、上面側が上方に丸みをおびて膨出した膨出部31と、該膨出部31の外側に水平方向に延出する水平端部32とで構成されており、前記水平端部32には、細かな凹凸加工あるいはエンボス加工が施されている。このような加工を施すことにより、水平端部32の先端には、側面視で波形(正弦波、三角波、台形波など)の外縁線、すなわち直線でない外縁線が備えられる。これにより、エッジが鋭利でなくなるため、例えば、包装用容器Aに触れる際の指先を保護することができる。また、水平端部32の補強にも役立つ。
さらに、図示の包装用容器Aにおいて、前記フランジ部30における、前記長辺側周側壁21、23の頂部に形成されているフランジ部30a、30cは、平面視で、周側壁20の角部25に近接した領域よりも長手方向中央部の領域が水平方向外側に膨出した形状とされている。この形状とすることにより、前記長辺側周側壁21、23が内側へ屈曲するときの強度(抵抗力)をより大きくすることができる。なお、図示のものでは、短辺側周側壁22、24に形成したフランジ部30b、30dは、そのような張り出した形状を有していないが、短辺側周側壁22、24に対しても、内側へ屈曲するときの強度(抵抗力)をより大きくすることを望む場合には、フランジ部30b、30dも水平方向外側に膨出した形状とすることが望ましい。
前記周壁部20には、底面部10に直交する方向に沿って、容器内側に膨出する形状の縦リブ27が適数形成されている。各縦リブ27は、図示のように、底面部10にまでわたるようにして形成されており、相対向する周側壁(図示の例では、長辺側周側壁21、23)に位置する縦リブ27、27の一部は、底面部10において連続した状態となっている。
図示の例において、縦リブ27は2種類のもので構成されている。第1の縦リブ27aは、その横幅は全長にわたりほぼ等しくされており、第2の縦リブ27bは、その横幅が底面部10に向けて次第に幅広となる形状とされている。そして、各長辺側周側壁21、23および短辺側周側壁22、24において、第1の縦リブ27aと第2の縦リブ27bは、交互に配置されている。すべての縦リブ27が第1の縦リブ27aで構成されていてもよく、また、第2の縦リブ27bで構成されていてもよい。なお、横幅が底面部10に向けて次第に幅広となる形状の第2の縦リブ27bを備えることで、長辺側周側壁21、23および短辺側周側壁22、24が内側へ屈曲することに対する強度をより大きなものとすることができる。
図示の例において、前記底面部10のほぼ中央部には、僅かに内側に入り込んだ位置に、所要面積の平面部11が形成されている。この平面部11は、包装用容器Aを真空吸着装置により真空吸着するときの吸着面として利用される。
図示の包装用容器Aにおいて、前記周壁部20は、前記フランジ部30との接続部に、全周にわたる帯状壁28を有しており、該帯状壁28の下端は下位に位置する周壁部20よりも外側に少し(距離p1)だけ張り出した段差部29とされている。帯状壁28はほぼ垂直壁であり、前記した張り出しによる距離p1の段差部29を持つことで、周壁部20の上縁部の強度を大きくしている。なお、帯状壁28は、垂直あるいはほぼ垂直壁であることが好ましいが、周壁部20の傾斜角度よりも小さい角度で傾斜した帯状壁28であれば、所期の目的を達成することができる。
段差部29の距離p1である張り出し量は、長辺側周側壁21、23および短辺側周側壁22、24の本体部分では、ほぼ同じとされているが、長辺側周側壁21、23と短辺側周側壁22、24との接続部である4つの角部25の領域では、図4に示すように、段差部29の張り出し量は、より大きな張り出し量p2とされている。具体的には、前記角部25の領域において、前記帯状壁28の曲率半径(曲がり度アール)よりも、その下位に接続する周側壁20の曲率半径を大きくすることで、より幅の広い弧状の段差部29が形成されている。なお、図示のものでは、帯状壁28の下位に接続する周側壁20の曲率は1つの曲率のものとしているが、同じあるいは異なった2個以上の曲率の円弧を周方向に組み合わせることで、前記した幅の広い段差部29を形成することもできる。角部25にこのような幅の広い段差部29を設けることで、周側壁20の角部25の領域における曲げ強度をより強いものとすることができる。
次に、図示の包装用容器Aに対して、従来から使用されているラッピング装置(不図示)を用いて、ラッピングフィルムFをラップする場合について、図5を参照して、説明する。図5(a)は、ラップ開始時の状態であり、ラッピングフィルムFは、その両側がラッピング装置に支持された状態にある。ラッピングフィルムFの下方には、包装用容器Aが、その長辺側周側壁21、23をラッピングフィルムFに垂直な方向にとなるようにして配置され、ラッピングフィルムFまたは包装用容器Aのいずれかまたは双方を互いに反対方向に移動することで、ラッピングフィルムFの裏面側に包装用容器Aの前記フランジ部30が接した姿勢とされる。
その姿勢から、ラッピングフィルムFと包装用容器Aとを相対的に反対方向に移動させる。例えば、包装用容器Aを上昇させる。それにより、図5(b)に示されるように、ラッピングフィルムFの両側領域は、包装用容器Aにおける長辺側周側壁21、23の頂部に形成したフランジ部30a、30cに衝接した状態で、下方に押し下げられる。そのときに、前記フランジ部30a、30cとラッピングフィルムFとの間に生じる摩擦力により、長辺側周側壁21、23には外側(矢印a方向)へ押し広げようとする力が作用し、長辺側周側壁21、23は外側へ僅かに変位する。なお、図示した包装用容器Aでは、フランジ部30a、30cは、上面側が上方に丸みをおびて膨出した膨出部31とされており、ラッピングフィルムFがフランジ部30a、30cに接した状態で下方に向けて移動するときの移動はし易くなっている、フランジ部30a、30cとラッピングフィルムFとの間の摩擦力を皆無とすることはできない。
ラッピングフィルムFの両側が包装用容器Aの底面部10よりも所要距離だけ下方に移動したときに、ラッピング装置は、ラッピングフィルムFの両側部を、包装用容器Aの底面部10に沿う方向(矢印b方向)に、底面部10にほぼ接した状態で移動させる。その状態が図5(c)に示される。図示のように、その移動時にラッピングフィルムFは包装用容器Aの長辺側周側壁21、23における底面部10に近接した領域と接触しながら移動していき、その移動により、ラッピングフィルムFには次第に張力が与えられ、包装用容器A全体は弛みやしわがほとんどないない状態でラッピングフィルムFによりラップされる。
その際に、ラッピングフィルムFが包装用容器Aの長辺側周側壁21、23とどの程度の面積で接触するかは、前記したフランジ部30a、30cの水平方向への張り出し距離に依存する。そして、ラッピングフィルムFと包装用容器Aの長辺側周側壁21、23との接触面積と両者間の摩擦力は比例関係にあり、摩擦力の大きさと長辺側周側壁21、23の外側への変位量も比例関係にある。既に説明したように、ラップ後に、長辺側周側壁21、23は、それ自身の持つ復元力により、もとの姿勢に復帰しようとするが、その復帰距離は、長辺側周側壁21、23の長手方向において均一ではなくバラツキが生じるのを避けられない。そのバラツキが、ラップ後のラッピングフィルムに弛みやしわを生じさせる一因となる。
したがって、平面視でほぼ矩形状の底面部10と、底面部10の外周から上方に起立する周壁部20と、周壁部20の上端から外方へ延出したフランジ部30とを備えた形態の包装容器において、ラッピングフィルムFと包装用容器Aの長辺側周側壁21、23との接触面積をより少なくすることが、ラップ後のラッピングフィルムFに弛みやしわが生じるのを抑制できる大きな要因となることがわかる。
上記した本発明による包装用容器Aでは、周壁部20の底面部10との接続部に底面部10と平行な方向に沿って容器内側に膨出する形状の凹溝26が角部25を除く全周に形成されており、そのために、図5(c)に示すように、ラップ時に、ラッピングフィルムFが長辺側周側壁21、23と接触する面積を、前記凹溝26の面積分だけ減少させることができる。それにより、ラップ後のラッピングフィルムFに弛みやしわを生じるのを、そのような凹溝26を備えない包装用容器と比較して、抑制することができる。
ラッピング装置によっては、長辺側周側壁21、23の側に加えて、短辺側周側壁22、24側においても、ラッピングフィルムFを底面部10下面に押し込むことが行われ、そのときの生じる短辺側周側壁22、24側の一時的な外側への変位も、ラップ後のラッピングフィルムFにしわを生じさせる要因となる。図示した本発明による包装用容器Aでは、短辺側周側壁22、24側にも前記凹溝26が形成されており、この場合にも、弛みやしわの発生を抑制することができる。
なお、本発明における「平面視矩形状の包装用容器」の「平面視矩形状」とは、長方形および正方形のように直角な角部を有するもののみに限定されるものではなく、図示した包装用容器Aのように、角部に面取り部やアール部(丸み部)を有する形状も含まれる。
[実施例1]
坪量180(g/m)のポリスチレン発泡樹脂シートを熱成形して、図1〜5に示した形状の包装用容器を製造した。包装用容器に物品を収容した後、従来から使用されているラッピング装置を用い、厚さ0.010mmのポリエチレン樹脂フィルムをラッピングフィルムとして用いて100個の包装用容器をラップした。ラップ直後、およびラップから10分経過後に、ラッピングフィルムの外観を目視により観察した。その結果を表1に示した。
[比較例1]
成形型として、凹溝26に相当する部分を有しない以外は同じ形状の成形型を用い、実施例1と同じ発泡樹脂シートを用いて、同じ条件で包装用容器を製造した。そして、実施例1と同じようにしてラッピングフィルムによるラップを行い、ラップ直後、およびラップから10分経過後のラッピングフィルムの外観を目視により観察した。その結果を表1に示した。
Figure 0005396509
なお、ここで「弛みとしわ」とは、ラッピングフィルムを通して収容した物品を見たときに、見る者に有意な歪みを感じさせるような大きさの弛みしわを言っている。
[評価]
表1に示すように、実施例1品では、時間経過後の弛みやしわの発生件数が比較例1品と比べて少なく、本発明による包装用容器において、前記「凹溝26」を設けたことに有意な技術的意義があることが示される。
[実施例2]
実施例1で用いた包装用容器の側面圧縮強度(g/cm)を次の試験方法によって測定した。
〈試験方法〉装置には、AIKOH ENGINEERING(アイコーエンジニアリング社製の荷重測定機(MODEL 1310DS)を用い、装置が荷重を感知してから、10mm圧縮したときの荷重を測定して側面圧縮強度とした。試験は、容器長辺側中央部から短辺側方向内側に向けて10mm圧縮した。その結果を表2に示した。
[比較例2]
比較例1で用いた包装用容器について、実施例2と同様にして側面圧縮強度を測定した。その結果を表2に示した。
Figure 0005396509
[評価]
表2に示すように、同じ坪量でありながら、実施例2品では、比較例2品さと比較して、側面圧縮強度が大きくなっている。ここからも、本発明による包装用容器において、前記「凹溝26」を設けたことに有意な技術的意義があることが示される。
A…包装用容器、
F…ラッピングフィルム、
10…底面部、
20…周壁部、
21、23…長辺側周側壁、
22、24…短辺側周側壁、
25…周壁部の角部、
26…底面部と平行な方向に沿って容器内側に膨出する形状の凹溝、
27(27a、27b)…縦リブ、
28…周壁部の帯状壁、
30…フランジ部、
31…フランジ部の膨出部、
32…フランジ部の水平端部、
33…細かな凹凸加工あるいはエンボス加工部。

Claims (4)

  1. 合成樹脂シートを熱成形して形成された平面視矩形状の包装用容器であって、
    平面視でほぼ矩形状の底面部と、前記底面部の外周から上方に起立する周壁部と、前記周壁部の上端から外方へ延出したフランジ部とを備え、
    前記周壁部には底面部に直交する方向の容器内側に膨出する形状の縦リブが適数形成されていて、該縦リブは前記底面部にまでわたっており、
    前記周壁部と前記底面部の接続部には前記底面部と平行な方向に沿って容器内側に膨出する形状の凹溝が形成されていることを特徴とする包装用容器。
  2. 前記縦リブの一部または全部は前記底面部に向けて次第に幅広となる形状を備えることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
  3. 前記フランジ部は、平面視で、角部に近接した領域よりも長手方向中央部の領域が水平方向に膨出した形状を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用容器。
  4. 前記周壁部は前記フランジ部との接続部に全周にわたる帯状壁を有しており、前記帯状壁の下端は下位の周壁部よりも外側に張り出しており、その張り出し量は角部領域において他の領域よりも大きくされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の包装用容器。
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