JP5396425B2 - 液浸システムのコンポーネント、液浸リソグラフィ装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

液浸システムのコンポーネント、液浸リソグラフィ装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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Description

[0001] 本発明は、液浸システムのコンポーネント、液浸リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に浸漬することが提案されている。ある実施形態では、液体は蒸留水であるが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体について説明されている。しかし別の流体、特にウェッティング流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有しても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
[0004] 基板又は基板及び基板テーブルを液体の浴槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
[0005] 提案されている構成の1つは、液体供給システムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供する(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給され、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。つまり、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。
[0006] 図2は、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。基板Wの上の矢印は液体のフローの方向を示し、基板Wの下の矢印は基板テーブルの移動方向を示す。図2の図では、液体が最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは両側に出口を持つ4組の入口が、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。液体供給デバイス及び液体回収デバイス内の矢印は、液体のフローの方向を示す。
[0007] 図4は、本発明のある実施形態によるリソグラフィ投影装置で使用する別の例示的な液体供給システムを概略的に示す。液体は、投影システムPSの両側の2つの溝状の入口によって供給され、入口の半径方向外向きに配置された複数の別個の出口によって除去される。図4の実施形態では、入口と出口は、放射ビームが投影される孔を有する板内に配置されている。液体は、投影システムPSの一方の側の1つの溝状の入口によって供給され、投影システムPSの他方の側の複数の別個の出口によって除去され、それにより投影システムPSと基板Wとの間に液体の薄い膜の流れを生じさせる。液体供給システム内に組み込まれた入口と出口の組合せの選択は、基板Wの移動方向によって変化することがある(入口と出口のその他の組合せは非活動状態である)。図4の断面図では、矢印は、入口から出口へ流れる液体の流れの方向を示す。
[0008] それぞれ参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする欧州特許出願公開EP1420300号及び米国特許出願公開US2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブルを有する。第1の位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第2の位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は1つのテーブルのみを有する。
[0009] PCT特許出願公開WO2005/064405号は、液浸液が閉じ込められないオールウェット構成を開示している。このようなシステムでは、ほぼ基板の上面全体が液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を供給する。その液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良することができるが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題を軽減する1つの方法が、米国特許出願公開US2006/119809号に記載されている。すべての位置で基板Wを覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように構成された部材が提供される。
[0010] 液浸リソグラフィ装置では、液体で覆われていないことによる表面の液滴が熱負荷を加え、欠陥源になることがある。液滴は蒸発して乾燥する汚れを後に残し、移動して微粒子などの汚染を運び、より大きい液浸液の塊に衝突してより大きい塊にガスの泡を導入し、蒸発してそれが存在する表面に熱負荷を加えることがある。表面が結像される基板に対するリソグラフィ装置のコンポーネントの位置決めに関連付けられている場合、そのような熱負荷は歪み及び/又は位置決めエラーの原因になることがある。したがって、液浸液で覆われていないことによる表面の液滴の形成は望ましくない。
[0011] 局所液浸システムでは、リソグラフィ装置の液浸表面は、投影システムと投影システムに対向する表面、例えば、基板、基板テーブル、又はその両方との間の空間に閉じ込められた液体に接触する(基板の縁部が投影システムの下を通過する瞬間に)。液浸液の閉じ込めは、流体ハンドリング構造を用いて達成することができる。使用時に、流体ハンドリング構造の下面と対向面との間に液体メニスカスが形成される。したがって、投影ビームが露光中の基板の側面全体に誘導されるために、基板を支持する基板テーブルが投影システムに対して移動する。装置によって露光された基板の出力を最大限にするために、基板テーブル(したがって基板)は全速力で移動する。しかし、それを超えると流体ハンドリング構造と対向面との間のメニスカスが不安定になる臨界相対速度(通常、臨界スキャン速度と呼ばれる)がある。不安定なメニスカスは、液浸液をばらばらな状態にする、例えば、1つ又は複数の液滴の形態にするリスクを増大させる。
[0012] 対向面の表面は不均一な表面である。対向面上の液浸液は、例えば、基板、基板を取り囲む基板テーブルの表面、基板テーブルなどのテーブルによって支持されたセンサ、特に投影ビームに曝露される部分のための光センサの表面に対するさまざまな接触角(例えば、後退接触角)を有する。対向面は実質的に平面状であるが、対向面は1つ又は複数の段差(すなわち、投影軸に実質的に平行であってもよい対向面の平面に垂直な方向の寸法フィーチャ)を有していてもよい。そのような段差は100マイクロメートル未満であってもよく、10〜70マイクロメートルの範囲内であってもよい。例えば、接触角が変化し、段差が存在する形状での対向面の不均一性は、局所的な臨界スキャン速度に影響する。したがって、対向面のいくつかの場所では、臨界スキャン速度を短い時間超えることがあり、メニスカスと液滴の生成を不安定にすることがある。したがって、液滴の生成を最小限にはしなくても低減し、より高速のスキャン速度でのメニスカスの安定性を増大させる表面を提供することが望ましい。本発明の一態様では、表面が超疎水性表面を備えた液浸システムが提供される。
[0013] 本発明の一態様では、使用時にDUV放射に曝露されない超疎水性表面を備えたリソグラフィ装置の液浸システムのコンポーネントが提供される。
[0014] 本発明の一態様では、基板を保持する基板テーブルと、基板テーブルと基板上に放射ビームを投影する投影システムとの間に液浸液を供給する液体ハンドリング構造とを備え、液浸液に接触し、使用時に投影ビームに曝露される表面からしきい値の距離にあるリソグラフィ装置の表面、望ましくは全表面が超疎水性特性を有するリソグラフィ装置が提供される。
[0015] 本発明の一態様では、超疎水性構造化表面を備えたリソグラフィ装置の液浸システムのコンポーネントが提供される。
[0016] 本発明の一態様では、液浸液を通してパターン付放射ビームをテーブル上に支持された基板上に投影するステップを含み、テーブルが超疎水性構造化表面を備えるデバイス製造方法が提供される。
[0017] 本発明の一態様では、液浸液を通してパターン付放射ビームをテーブル上に支持された基板上に投影するステップを含み、DUV放射に曝露されないテーブルの表面が超疎水性であるデバイス製造方法が提供される。
[0018] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0019]本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。 [0020]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示す図である。 [0020]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示す図である。 [0021]リソグラフィ投影装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。 [0022]リソグラフィ投影装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。 [0023]超疎水性表面上の液滴の概略断面図である。 [0024]表面構造の概略斜視図である。 [0025]本発明のある実施形態による超疎水性表面の接触角の安定性を表すグラフである。 [0026]本発明のある実施形態による基板テーブルの概略平面図である。 [0027]本発明のある実施形態によるエンコーダの断面図である。 [0027]本発明のある実施形態によるテーブル構成の断面図である。 [0028]本発明のある実施形態によるエンコーダ格子の概略平面図である。 [0029]本発明のある実施形態による2つのテーブルの間のブリッジ路の一構成の平面図である。 [0029]本発明のある実施形態による2つのテーブルの間のブリッジ路の一構成の平面図である。 [0030]例えば、図13及び図14に示す構成で使用される表面構造の概略斜視図である。
[0031] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0032] 照明システムILは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0033] 支持構造MTはパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0034] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0035] パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0036] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0037] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0038] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0039] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0040] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に搭載できるように構成することもできる。任意選択として、イルミネータILは着脱式であり、別に提供されてもよい(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
[0041] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。
[0042] 一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分Cの間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0043] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0044] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0045] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
[0046] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0047] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0048] 投影システムの最終要素と基板との間に液体を提供する構成は、少なくとも2つの一般的カテゴリに分類することができる。これらは、浴槽タイプ構成と、局所液浸システムである。浴槽タイプ構成では、実質的に基板の全体とオプションとして基板テーブルの一部が液体の浴槽内に浸漬される。いわゆる局所液浸システムは、液体が基板の局所領域にのみ提供される液体供給システムを使用する。後者のカテゴリでは、液体によって充填される空間は、平面視で基板の上面より小さく、液体で充填される領域は、基板がその領域の下を移動する間、投影システムに対して実質的に静止している。
[0049] 本発明のある実施形態が指向する別の構成は、液体が閉じ込められないオールウェット解決策である。この構成では、実質的に基板の上面全体と基板テーブルの全部又は一部が液浸液に覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは小さい。液体は、基板上の液体の薄膜などの膜であってもよい。図2〜図5の液体供給デバイスのいずれもそのようなシステムで使用することができる。しかし、封止特徴部は存在しないか、活性化されていないか、通常のものより効率が落ちるか、又はその他の点で液体を局所領域にのみ封止する効果がない。
[0050] 図2〜図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが示されている。図2〜図4に開示された液体供給システムについては上述の通りである。提案されている別の構成は、液体供給システムに流体閉じ込め構造を提供する構成である。流体閉じ込め構造は、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在している。そのような構成を図5に示す。
[0051] 流体閉じ込め構造は、投影システムに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。ある実施形態では、流体閉じ込め構造と基板表面との間には封止が形成されている。封止は、ガスシールなどの非接触封止でよい。そのようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
[0052] 図5は、投影システムPSの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間11の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材又は流体閉じ込め構造を形成する本体12を備えた局所液体供給システム又は流体ハンドリング構造を概略的に示す。(以下の説明で、基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルWTの表面も意味することに留意されたい。)流体ハンドリング構造は、投影システムPSに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。ある実施形態では、本体12と基板Wの表面との間には封止が形成され、封止は、ガスシール又は流体シールなどの非接触封止でよい。
[0053] 流体ハンドリングデバイスは、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間11内に閉じ込められるように、基板Wへのガスシール16などの非接触封止を投影システムPSのイメージフィールドの周囲に形成することができる。空間11は、投影システムPSの最終要素の下に位置しそれを取り囲む本体12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、投影システムPSの下及び本体12内の空間11内に液体入口13によって流し込まれる。液体は、液体出口13によって除去することができる。本体12は、投影システムPSの最終要素から上に少し延出することができる。液体のバッファが提供されるように、液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、本体12は、上端で、投影システムPS又はその最終要素の形状にぴったりと一致する、例えば円形の内周を有する。底部で、内周は、イメージフィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
[0054] 液体は、使用時に、本体12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込めてもよい。ガスシール16は、気体、例えば、空気又は合成空気によって形成されるが、ある実施形態では、N又はその他の不活性ガスによって形成される。ガスシール16内の気体は、入口15を介して本体12と基板Wとの間のギャップに加圧下で提供される。気体は、出口14を介して抽出される。内側に液体を閉じ込める高速のガスのフローが存在するように、気体入口15上の過圧、出口14上の真空レベル及びギャップの幾何構造が配置されている。本体12と基板Wとの間の液体上の気体の力で、液体は空間11内に封じ込められる。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。各環状溝は、連続的又は不連続的であってもよい。ガスのフローは、液体を空間11内に封じ込める効果がある。図5の断面図では、矢印は、本体12の入口から出口へ流れる液体の流れの方向を示す。
[0055] 図5の例は、液体が常に基板Wの上面の局所領域にのみ提供されるいわゆる局所領域構成である。例えば、米国特許出願公開US2006−0038968号に開示された単相抽出器(2相モードで動作するか否かにかかわらず)を使用する流体ハンドリングシステムを含むその他の構成も可能である。
[0056] ある実施形態では、単相抽出器は、ガスから液体を分離して単一液相の液体抽出を可能にする多孔質の材料で覆われた入口を含むことができる。多孔質の材料の下流側にあるチャンバはわずかな加圧状態に保たれ、液体で満たされている。チャンバ内の加圧は、多孔質の材料の孔に形成されたメニスカスによって周囲ガスがチャンバ内に引き込まれない程度の大きさである。しかし、多孔質の表面が液体に接触すると、流れを制限するメニスカスは存在せず、液体はチャンバ内に自由に流入できる。多孔質の材料は、例えば5〜50μmの範囲の直径の多数の小さい孔を有する。ある実施形態では、多孔質の材料は少なくともわずかに親液性(例えば、親水性)であり、すなわち、水などの液浸液に対して90°未満の静的接触角を有する。
[0057] 可能な別の構成は、気体抗力原理に基づいて動作する構成である。いわゆる気体抗力原理は、例えば、米国特許出願公開US2008−0212046号及び米国特許出願公開2009/0279060号に記載されている。そのシステムでは、抽出孔が、望ましくは、角を有する形状に配置されている。角は、ステップ又はスキャン方向に整列していてもよい。これによって、2つの出口がスキャン方向に垂直に整列していた場合と比較して、ステップ又はスキャン方向の所与の速度に対して流体ハンドリング構造の表面の2つの開口の間のメニスカスにかかる力が低減する。
[0058] 本発明のある実施形態は、オールウェット液浸装置で使用される流体ハンドリング構造に適用することができる。オールウェット実施形態では、例えば、投影システムの最終要素と基板との間に液体を閉じ込める閉じ込め構造から液体が漏出できるようにすることで、流体は基板テーブルの上面全体を覆うことができる。オールウェット実施形態の流体ハンドリング構造の一例は、米国特許出願公開US2010/0060868号に記載されている。
[0059] すべてのタイプの液浸リソグラフィ装置及び液体ハンドリング構造で、1つ又は複数の疎液性表面を用いて液浸液の制御を支援することができる。疎液性表面は、液体、例えば、液滴の形態などの液浸液が大きい接触角を示す表面である。例えば、ある実施形態では、疎液性表面は、液体が60°より大きい後退接触角を示す表面である。ある実施形態では、表面上の液体の後退接触角は、70°より大きく、75°より大きく、80°より大きく、又は90°より大きくてもよい。(表面上の液体の接触角について言及しているが、本明細書では、表面の接触角に言及していることがある。その場合、表面上の液体の接触角を決定する表面の特性への言及が意図されている。)上記の目的に鑑みて、表面全体又はその大部分を覆う膜は液滴であると考えられる。
[0060] 液体の損失が実質的に全く観察されない最大スキャン速度である臨界スキャン速度は液浸液の下でスキャンされている表面の後退接触角と共に増すため、場合によっては大きい後退接触角が望ましい。臨界スキャン速度は、液体ハンドリング構造の形状、サイズ及び設計によっても変わるが、所与のハンドリング構造では、臨界スキャン速度は、後退接触角が大きくなるにつれて増す。また、基板Wを取り囲む基板テーブルの上面が基板Wの後退接触角以上の後退接触角を有することが望ましい。これによって、スキャンが基板Wの縁部の上方を通過する時に液体損失が実質的に発生することなくスキャン速度を基板Wが許容する最大値に設定できる。基板の結像とセンサの結像又は次の基板の結像との間の基板テーブルWTの移動(いわゆる回避移動)は、スループットの損失を低減するか又は最小限にするために全速力で実行されるのが望ましい。したがって、そのような回避移動中に投影システムPSの下を表面が通過する時の基板テーブルWTの速度を増すことができるなら、これは有利である。そのような領域での基板テーブルWTの後退接触角を増大させることで、回避移動の速度を増すことができる。基板W上の液体の後退接触角は、使用するレジスト又は任意のトップコートによって変化する。融通性を最大限にするために、基板を取り囲む基板テーブルWTの表面が周知のレジスト及びトップコート以上の後退接触角を有することが望ましい。周知のレジスト及びトップコートは水に対する、例えば、69°、75°及び81°の後退接触角を有する。最近のレジストはより大きい後退接触角を提供する傾向があり、さらに大きい後退接触角を有するレジストが将来開発されることが現在予想されている。
[0061] 接触角は、室温(20℃)及び大気圧下で動的に測定できる。水との接触角は、例えば、室温でFTA200動的接触角アナライザ(Camtel Ltd、Elsworth、Cambridgeshire、UKから入手可能)などの任意のタイプのゴニオメータを用いて決定できる。
[0062] 液浸リソグラフィ分野では、液浸システムの表面に疎水性コーティングが使用されて液浸液の閉じ込めを制御するのを助ける。現在、周知の疎水性表面では、1m/sのスキャン速度が可能である。しかし、基板テーブルWTと投影システムPSとの間の相対運動の速度は、この速度を超えていてもよく、例えば、3m/sのスキャン速度であってもよい。
[0063] コーティングなどの現在の疎水性表面の安定した後退接触角(RCA)は75度である。RCAをさらに調整して80〜85度程度の安定した後退接触角を実現できる。液浸システムの設計に応じて、上記接触角で達成可能な基板テーブルWTの最高速度は約1m/sである。安定したメニスカスでより高い速度を達成するには、例えば、基板テーブルWTの安定した接触角は、80度を越える必要がある。
[0064] 超疎水性表面を用いれば130度を超えるRCAを容易に達成できる。超疎水性表面の一般的な値は、140〜150度の範囲である。これらの値は、既存の表面(2次元構造)を構築するか又はコロイド粒子を付与して3D構造を形成することで達成される(例えば、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする、Paul Roach、Neil J.Shirtcliffe及びMichael I.Newton、Soft Matter、2008年4月、224〜240を参照)。マイクロ構造は表面の接触角を強調しており、したがって、疎液性表面はさらに疎液性を増す。表面を提供するのに用いる材料は、それぞれのコンポーネント、コーティング又は接着平面、例えば、ステッカであってもよい。
[0065] ナノ構造のポリメチルメタクリレート(PMMA)表面上の水を研究して滑らかな疎水性表面及びそれらの間の遷移上の接触線挙動と比較した動的接触線挙動が考察されてきた。
[0066] リソグラフィスキャン装置で使用する液浸システムを模倣するために構成された回転テーブルシステム上でのそれぞれの動的接触線挙動を比較するために3つの異なる表面を考察した。各表面は、1)約110°の静的接触角と約35°のヒステリシスとを備えた疎水性表面、2)約135〜140°の静的接触角と約30〜50°のヒステリシスとを備えた粗い疎水性表面、3)150°の静的接触角と5°未満のヒステリシスとを備えた撥水構造の超疎水性表面であった。
[0067] 疎水性表面上の接触角の動的挙動が回転テーブルで研究され、以前に報告されている(参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする、Michel Riepen他、Proceedings of the 1st European Conference on Microfluidics−Microfruidics 2008−Bologna、2008年12月10〜12日)。しかし、高速での超疎水性表面の動的接触角挙動は研究されていない。粗い表面上の疎水性コーティングの使用が、2009年4月19日出願の米国特許出願US61/168,302号に開示されている。
[0068] 疎水性表面では、後退接触線の不安定性が約0.8m/sの臨界速度で発生した。粗い疎水性の粘性表面では、2.5m/sという大きいシステム速度でも後退接触線の不安定性は存在しなかった。超疎水性表面は、また最大2.5m/sの安定した接触線を示した。粗い疎水性表面と超疎水性表面上の水滴は、前進及び後退接触角の間に差を示さなかった。後退接触角に関する不安定性は、液滴の高さに影響されないことが観察された。
[0069] したがって、水滴は、水をこぼすことなく(又は水の損失なしに)超疎水性表面を容易にすべり又は転がり落ちることが判定された。小さい粗さ(例えば、構造化された粗さ)であっても滑らかな疎水性膜上の最大安定スキャン速度を向上させることができることに留意されたい。
[0070] 構造化表面は、不規則な粗さを備えた粗い表面と同じではない。構造化表面は、表面上の液浸液に下にガスギャップが存在する表面であってもよい。図6に示すように、超疎水性構造化表面上を通過する液体90は、メニスカス内の液体90と構造化表面との間にガスギャップを形成する表面の高い部分100だけに接触するメニスカスを形成してもよい。言い換えれば、表面の構造は、液浸液が固体と液体90との間にガスポケット又はガスギャップ110を備えた安定した複合界面を表面上に形成する構造である。ガスギャップ110は、液体90が表面を通過する際に構造化表面に加えられる熱負荷を低減できるので有益である。液体90によって表面に加えられる熱負荷は、液体90に接触する表面の部分に限定される。したがって、液体90は蒸発することがあるが、表面に加えられる熱負荷は最小限にされずとも低減される。
[0071] 液体90の液滴は、それが位置する表面の熱安定性に影響することがある。粘着性の平面(例えば、ステッカ)によって提供される、又は塊を形成する材料の構造化表面としての超疎水性表面は、コーティングの有無にかかわらず、熱絶縁体としての役割を果たす。ステッカは、断熱材から構成されていてもよい。
[0072] 周囲空気の熱伝導係数は、約0.025W/m/Kであり(周囲空気は液浸システム内のガスである)、超疎水性構造化表面を形成するのに用いる材料(一種のプラスチックであってもよい)の熱伝導係数は0.2〜1W/m/Kであるため、平面と比較してマイクロ構造化の超疎水性表面を用いた熱隔離におけるゲインは、少なくとも1桁の違いがあることが分かる。
[0073] 超疎水性表面は、表面に残留する液体を阻止はできなくとも低減する。表面に残留する液体を阻止又は制限することで、表面の液体の蒸発は低減し、表面に加えられる熱負荷を低減する。表面の冷却は低減する。表面の冷却、特に局所冷却、例えば、特に不規則に配置された液滴の蒸発によって引き起こされるような局所冷却は表面の熱変形を引き起こすため望ましくない。
[0074] ある実施形態では、構造化表面は、平面視で不規則な又は規則的な反復パターンを有する。パターンは、平面視で2次元パターンであってもよい。規則的なパターンの一例を図7に斜視図で示す。図7の実施形態は、平面視で2次元パターンである。しかし、例えば、図15に示すように、この構造は、平面視で1次元パターンを有していてもよい。
[0075] ある実施形態では、この構造は、隣接する突起100の間に谷(troughs)120を備えた複数の突起100を含む。図6に関連して前述したように、突起100と谷120のサイズ及び相対寸法は、液体が固体と液体との間にガスポケット110(谷120内に)を備えた複合界面を表面上に形成するような大きさである。その結果、約150°の静的接触角と5°未満のヒステリシスとを備えた超疎水性表面が得られる。上記の種類の構造は、共に参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする、Paul Roach、Neil J Shirtcliff及びMichael I. Netwonによる「Progress in Superhydrophobic Surface Development」、Softmatter、2008年4月号、224〜240及びYong Chae Jung及びBharat Bhushanによる「Contact Angle,Adhesion and Friction Properties of Micro−and Nanopatterned Polymers for Superhydrophobicity」、Nano Technology 17(2006)4970〜4980に開示されている。
[0076] ある実施形態では、谷120の深さ(図7に寸法bで示す)は、100nm〜50μm、任意選択として100nm〜10μmである。ある実施形態では、谷の深さは200nm〜2μmである。通常、突起の最大平面寸法(図7に寸法aで示す)と谷の深さbの比は、1:1〜1:4又は1:1.5〜1:3又は1:2〜1:3である。1:2の比が望ましい。ある実施形態では、突起の最大平面寸法は、隣接する突起間の距離(図7に距離cで示す)以上である。そのような寸法は、固体と液体との間にガスポケット110を備えた安定した複合界面を形成する役に立つ。
[0077] ある実施形態では、構造化表面は、1以上の粗さ係数Rfを備えた表面である(粗さ係数は固液領域(A(SL))の平面上の突起(A(F))に対する比率である)。ある実施形態では、構造化表面は、液滴f(LA)下の液体と気体の界面の平坦な地理的領域の小数部が0.4未満である表面である。Rf及びf(LA)は、構造上の疎水性層への表面の液体の接触角が滑らかな表面上での測定で100度より大きい(110度より大きい、又は最大120度)時に測定される。ある実施形態では、Rfは1.5未満(望ましくは1前後)である。ある実施形態では、f(LA)は0.4〜0.6である。ある実施形態では、平面内の突起の幅(W(F))を突起の高さ(H)で除算した値は、1未満(望ましくは0.6未満)である。ある実施形態では、W(F)は50nm〜50μmの範囲内である(望ましくは20μm未満、10μm未満、5μm未満又は1μm未満である)。これらのフィーチャは構造化表面に塗布される疎水性コーティングの品質(後退接触角に関する)の評価に関連する。低品質のコーティングは、超疎水性表面の達成を防止できる。ある実施形態では、好適な品質の超疎水性コーティングは、60度以上の、望ましくは80度以上の後退接触角を有する。
[0078] 接触角ヒステリシスが小さいと、水の転落角度(すなわち、水が重力によって表面から転落するために表面が水平に対してなすべき角度)は小さくなる。
[0079] ある実施形態では、構造は、表面が提供されるコンポーネントの材料で形成される。次に、構造化表面に相似的疎水性コーティングを塗布することができる。
[0080] 構造は、エッチングなどを含む任意の方法で形成できる。
[0081] ある実施形態では、構造は、ドライエッチング工程の後に疎水性コーティングを付着させることでセラミック又はガラス材料あるいはポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)又はポリジメチルシロキサン(PDMS)ポリマーで形成される。ある実施形態では、PMMA又はPDMAから作成される構造化表面は、疎水性コーティングを施された時には疎水性だけを示す。
[0082] ある実施形態では、塗布されたコーティングの厚さは100nm未満、望ましくは40nm未満、例えば1〜20nmの範囲であってもよい。
[0083] ある実施形態では、表面にコーティングが施され、次にコーティング内に構造が形成される。
[0084] ある実施形態では、粘着性平面部材(例えば、ステッカ)は、その内部に形成された構造を有し、そのコンポーネントに接着して構造化表面を形成する。ある実施形態では、粘着性部材は、ポリ(メチルメタクリレート)又はポリテ谷ルオロエチレン(PTFE)から構成される。ある実施形態では、PTFE材料から作成された表面は、疎水性コーティングなしに疎水性を示していてもよい。基礎の表面に貼られた粘着性平面部材の縁部によって段差を形成してもよい。粘着性平面部材の高さは、段差と同じ寸法を有していてもよい。粘着性平面部材は、10〜70μm、すなわち、10μmより大きく、70μm未満の、例えば、20μm未満の高さ寸法を有していてもよい。
[0085] ある実施形態では、構造は、レーザエッチング、例えば、PTFE表面のレーザアブレーションによって形成される。
[0086] ある実施形態では、構造は、コロイド粒子の堆積によって付与される。例えば、コーティングは、微粒子によって形成してもよい。微粒子は、500nm未満又は200nm未満の直径を有していてもよい。ある実施形態では、微粒子は、50μm未満、好ましくは20μm未満の直径を有する。そのような粒径範囲は、構造のフィーチャのサイズ範囲、例えば、谷深さ及び/又は谷幅に対応する。微粒子は、一般に形状が球形であってもよい。コロイド粒子の堆積物の一例は、コロイダルシリカの堆積物である。
[0087] 理解されるように、上記の構造は、マイクロ構造又はナノ構造の表面である。
[0088] 構造は、以下に図13〜図15に関連して説明する一方向構造であってもよい。
[0089] ある実施形態では、突起100は、表面の平面に平行な方向の全長に沿って実質的に一定の断面(形状とサイズ)を有する。
[0090] リソグラフィ装置の特定の表面は、リソグラフィ基板をパターニングするのに用いるDUV放射ビームに日常的に曝露される。構造化表面は、表面がステッカなどの有機材料から作成される場合には特に、滑らかな表面よりも劣化が速い。ステッカは、劣化した場合には交換できる。
[0091] いくつかの表面は損傷放射にたびたび曝露されるので、その場所の超疎水性表面の寿命は限られることがある。そのような表面は、基板表面(顧客によって決定される)、例えば基板の縁部の露光中に露光される基板を取り囲む基板テーブルの表面、投影センサ(例えば、透過イメージセンサ、投影システム干渉計(ILIAS)、ドーズセンサ、及び/又はスポットセンサ)などのセンサ表面を含む。したがって、DUV放射などの損傷放射に曝露されない疎水性表面の超疎水性を実現することが望ましい。
[0092] 基板を取り囲む基板テーブルの表面が超疎水性表面を有する場合、使用によって表面は劣化するので時折交換してもよいことに留意されたい。ある実施形態では、基板テーブルのこの部分は、超疎水性表面を備えていない。センサの表面は、使用によって劣化する超疎水性表面を有していてもよく、又はそのような表面なしに提供される。
[0093] 投影システムPSの下の基板テーブルWTの移動及びセンサに対する移動は、他の移動よりもより低速で実行する必要がある。これは、それらの場所での段差(例えば、基板テーブルWTの表面の)によってメニスカスが固定され、その結果、高速で液体が失われるためである。これは、結像が実行される直前で移動速度を落としてシステムを安定化する必要があるためある。センサ周囲の場所にステッカがあってもよい。そのようなステッカは、段差を生成することがありそれによって液体損失の潜在的な原因になることがあるが、ステッカ自体は疎水性であってもよい。したがって、そのような場所では超疎水性コーティングの必要はない。しかし、基板Wの結像時以外では、投影システムPSが基板テーブルWTの上部にあるか、又はセンサ上部にある別の場所では、基板テーブルWTの高速移動が望ましい。例えば、基板Wの交換中(図13〜図17に関連して以下に説明する)、又は投影システムPSの下のセンサの移動中の投影システムPSの下からの基板テーブルWTの移動中である。構造化表面を備えたコーティングはDUV放射を受けて高速で劣化する傾向があるため、構造化表面を特定の領域、例えば、DUV放射に曝露されない領域又は露光される領域から特定の又は最小の距離にある領域にだけ構造化表面を提供することが望ましい。例えば、液浸液に接触し使用時にビームPBに曝露される表面からしきい値の距離にある領域にだけ構造化表面を提供することが望ましい。
[0094] 表面の表面特性の劣化の別の可能性のある原因は、超純水などの液浸液への曝露である。疎液性コーティングの表面の寿命は、基礎の表面の平滑度又は均一性によって向上させることができる(参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする、2010年4月8日出願の米国特許出願US12/756,735号を参照)。しかし、図8に示すように、後退接触角が120度より大きい(さらに140度より大きい)ナノ構造の表面の寿命は、少なくとも21日、さらに60日間も超純水に実質的に連続して浸漬できるほどである。図8は、超純水に浸漬した日数を変えた3つの異なるコーティングの後退接触角をx軸に沿って示す。実験は、60日を超えて行われた。21日間の浸漬は、装置の約3年半の通常使用に相当する。60日間は、装置の10年以上の通常使用に相当する。疎水性コーティングは菱形で示されている。改良型の疎水性コーティングは、四角形で示されている。疎水性構造化コーティングは三角形で示されている。図から分かるように、本発明のある実施形態のコーティングによって、少なくとも21日間、さらに60日間を過ぎても大きな後退接触角が維持されている。疎水性構造化コーティングの測定された接触角の挙動は、疎水性コーティング及び改良型疎水性コーティングのそれとは異なっているように見える。それぞれ菱形と四角形によって表される疎水性コーティング及び改良型疎水性コーティングの接触角の最初の2日間は、各々時間と共に減少するが、疎水性構造化コーティングの接触角は最初の接触角、例えば140度より大きい接触角から、最大接触角、例えば150度より大きい接触角まで増大する。150度より大きい最大接触角で疎水性構造化コーティングの接触角は減少し、次いで安定する。他の2つのサンプルは、接触角が着実に減少する。このように挙動が異なる理由を以下に説明する。製造中に、コーティング上に堆積物が形成されて接触角を低減する。これらの堆積物は、最初の数日間で洗い流される。次に、コーティングの接触角は、通常の、使用によって時間と共に減少するが増大した接触角として振舞う。
[0095] 損傷放射に曝露される、又は超疎水性表面を有さない表面は、臨界スキャン速度が小さいために、液体損失を被ることがあるが、そのような液体損失の影響は、熱調節及び加熱構成によって打ち消すことができる。これらの打ち消し手段は場合によって複雑で、制御が困難でかつ高価である。日常的に損傷放射に曝露されていない表面にマイクロ構造化超疎水性特性を適用することで、液体損失を低減でき、能動ヒータなどの複雑な熱対処手段を適用する必要が緩和される。そのような表面は、エンコーダエミッタ/レシーバ、例えば、エンコーダセンサ200、エンコーダ格子250、クロージングディスクCDなどのシャッタ部材、ブリッジ路280又はブリッジ要素290、基板W及び/又はセンサ210からしきい値の距離にある基板テーブルWTの表面240、及び/又はセンサ210(例えば、基板テーブルWT又は測定テーブル上に位置する)の表面を含んでいてもよいが、これらに限定はされない。表面は、上述の表面の1つ以上に、また任意選択として、粘着性平面部材が貼付される表面に隣接するギャップ上に付与される(例えば、貼付される)粘着性平面部材(例えば、ステッカ)の表面であってもよい。液浸液に接触することがある液浸システムの全表面は、超疎水性マイクロ構造化表面を有していることが望ましい。
[0096] 図9は、本発明のある実施形態による基板テーブルWTの一構成を示す。エンコーダセンサ200、及び/又はセンサ210と基板Wからしきい値の距離にある(網掛けで示された)基板テーブルWTの表面240の一部は超疎水性である。センサ210の各々と基板テーブルWTからしきい値の距離にある基板テーブルWTは、任意選択として超疎水性表面を有する。ある実施形態では、基板テーブルWTは基板Wを支持しないように構成されるが、基板テーブルWTは少なくとも2つのテーブルを備えたマルチステージ構成の一部であってもよく、第2のテーブルは基板Wを支持するように構成されていてもよい。
[0097] 超疎水性表面と基板テーブルWTの他の部分、例えば、センサ210との間には表面接触角に差がある。これらの2つの表面の間をメニスカスが通過する時には、メニスカスの不安定性と液体損失イベント発生のリスクがある。液浸空間から液体が失われるが、そのようなイベントをそのような境界に限定することは望ましい。何故なら、そのような液体損失がテーブル表面全体ではなくテーブル表面の限定された部分であるこれらの接触角の境界付近で発生するからである。
[0098] 図10は、図9の構成を線I−Iで切った断面図を示す。基板テーブルWTの上方には、エンコーダセンサ200を用いて基板テーブルWT、したがって、基板Wの位置が正確に測定され、正確に位置決めできるように配置されたエンコーダ基準(例えば、格子250)がある。エンコーダ格子250又はエンコーダセンサ200の表面に液滴がある場合、エンコーダ格子250又はエンコーダセンサ200の本体に加わる熱負荷は投影システムPSなどの装置のコンポーネントに対する基板Wの十分に正確な位置決めを阻止する程度の大きさである。表面を超疎水性表面にすることで、液滴は表面に短い時間存在する(表面の疎水性の性質によって)。表面と液滴との間の熱伝導係数は低減し、したがって、熱負荷は最小限にされずとも低減する。エンコーダの熱安定性は、消極的に達成される。表面は極めて疎液性が高いため、エンコーダの該当部分が冷却されない限り、結露によって液滴が表面に形成される可能性はないことに留意されたい。
[0099] 図11は、複数のセンサ200が基板テーブルWTの上部に位置し、エンコーダ基準格子250が基板テーブルWTの周縁付近にあるエンコーダシステムの別の実施形態を示す。エンコーダセンサ200及び/又はエンコーダ格子250の表面は超疎水性であってもよい。
[00100] 図12は、基板テーブルWTの上部又は基板テーブルWTの周縁付近にあってもよいエンコーダ格子250の平面図である。
[00101] ある実施形態では、エンコーダシステムはテーブルの下にあってもよい。例えば、エンコーダ格子250は、テーブルの下面上に位置してもよい。1つ又は複数のエンコーダセンサ200がフレームに固定されていてもよく、例えば、テーブルの下のアームに嵌合していてもよい。エンコーダ格子250と1つ又は複数のセンサ200との間の相対運動で、フレーム、例えば、静止した基準フレームに対するテーブルの位置を決定できる。別の実施形態では、エンコーダ格子250は、フレーム上にあって、テーブルの下に位置していてもよい。テーブル上、例えば、テーブルの下面上の1つ又は複数のセンサ200を用いてフレームに対するテーブルの位置を測定することができる。
[00102] テーブルの下にエンコーダシステムのコンポーネントを有することで、エンコーダシステムは、液浸液体供給装置及び液浸システムから離れた位置にある。この環境はより湿度が低く、液滴がエンコーダシステムに到達するリスクを低減できる。テーブルの下の環境の湿度を低減するための手段を積極的に講じて、ガスシャワー又はカーテンあるいはその他のガスフロー構成を用いて、テーブルの上部の環境からテーブルの下への液体蒸気の通過を阻止できないとしても低減することができる。しかし、環境の湿度は、乾式リソグラフィ装置の場合よりも高いことがある。エンコーダシステムのコンポーネント上に液滴が形成されるリスクを低減するために、エンコーダシステムの全表面とはいわずとも少なくとも一部が疎水性、望ましくは超疎水性であってもよい。ある実施形態では、テーブルの下面及び/又は側面の少なくとも一部が疎水性、望ましくは超疎水性である。
[00103] 図13及び図14は、テーブルの交換中に(例えば、次の基板Wが露光のためにテーブル上に配置される)流体ハンドリング構造の下を通過できるブリッジ路を示す。流体ハンドリングシステムの下を通過するブリッジ路によって、テーブル間のギャップを通過することで失われる液体は最小限にされずとも低減される。流体ハンドリングシステムの下のテーブルの移動速度は、大きい接触角でメニスカスの安定性が増すために増大する。ギャップは、あらゆる放出された液体を除去する流体抽出システムを含む。図13で、液体をほとんど失わずにテーブルが流体ハンドリング構造の下を通過できるようにテーブルを互いに接近させてもよい。図14で、テーブル間にブリッジ要素290を用いることで液浸空間内に液浸液が確実に閉じ込められて残るようにする。各テーブル上のブリッジ路の表面は超疎水性である。ブリッジ要素は、超疎水性表面を有していてもよい。超疎水性表面は本明細書に記載する2次元構造化疎水性コーティング表面であってもよく、又は図15に示すように一方向に構造を限定していてもよい。スキャン方向に整列したそのような一方向の表面の構造によって2次元構造及び/又は非構造化疎水性コーティングと比較してブリッジ路の横断が高速になる。2次元構造よりも前進接触角が小さいために、ブリッジ要素290と基板テーブルWTとの間のギャップの横断中のガス泡の生成のリスクが低下するという点を除いて、それによって2次元構造に匹敵するスキャン速度が達成できる。
[00104] 一方向の表面は、例えば、機械的、化学的(例えば、周知の結晶構造を備えた材料のエッチング)、及び/又はレーザ技術によって形成できるが、これらに限定はされない。一方向の表面は、例えば、複数の隆起300と溝310を備えた直線的なフィーチャのパターンである。この構造は、隆起300の幅と高さの比(a:b)を超えるはずの1:2〜1:4の範囲の、望ましくは1:2のパターン比を有していてもよく、溝幅より小さい隆起幅を有する(a<c)。
[00105] 本発明のある実施形態が適用されるリソグラフィ装置の部分は、投影システムPS、センサ210、基板ホルダ、基板テーブルWT、シャッタ部材290、流体ハンドリング構造12、洗浄ステーション、位置決めフィーチャ、及び/又は交換式部品を含んでいてもよい。
[00106] 超疎水性表面が付与される領域は、液浸液に曝露される投影システムPSの一部、例えば、投影システムPSのレンズなどの最終光学要素を含む。表面は、投影システムのビーム経路外の領域内に提供されてもよい。
[00107] 流体ハンドリング構造12の表面は、少なくとも投影システムの表面に対向する流体ハンドリング構造の上面の一部であってもよい。表面は、少なくとも、使用時に基板W、基板テーブルWT、又はその両方に対向する流体ハンドリング構造12の下面の一部であってもよい。
[00108] センサ210の表面は、透過イメージセンサ、スポットセンサ、ドーズセンサ、及び/又は干渉計センサ若しくはエンコーダなどの位置センサを含む液浸液に曝露されるセンサ210の表面であってもよい。これらのセンサは、使用時に時折液浸流体に曝露されることがある。ある実施形態では、基板テーブルWT上のセンサの表面にコーティングが塗布される。
[00109] 基板ホルダを用いて基板を支持できる。基板テーブルWTは基板ホルダを支持する。ある実施形態では、基板ホルダは、基板テーブルWT内の凹部内にある。凹部の深さは、基板が基板ホルダ上にある時に基板Wの表面が基板テーブルWTの表面と同一平面にあるようなサイズであってもよい。基板Wが基板支持体上にある時には、基板の縁部と基板テーブルWTの対向する縁部との間にギャップがあってもよい。本発明のある実施形態を基板テーブルWTの表面、又はギャップを画定する基板支持体の表面、あるいはその両方に適用できる。
[00110] シャッタ部材は、例えば、基板の交換中に液浸液に接触するコンポーネントである。シャッタ部材は、液浸液を液浸空間11内に保持するように、例えば、基板の交換中に基板の代わりに流体ハンドリング構造に対向して配置される。シャッタ部材は、クロージングディスク、測定テーブル又はスワップブリッジであってもよい。スワップブリッジは、基板交換中に2つのテーブルの間にあって流体ハンドリング構造をテーブル間で移送できるように着脱式コンポーネントであってもよいことに留意されたい。流体抽出デバイスは、シャッタ部材と基板テーブルWTとの間のギャップ、例えば、スワップブリッジとテーブルとの間のギャップ内に位置していてもよい。2つのテーブルは、2つの基板テーブルWT又は基板テーブルWTと測定テーブルであってもよい。ある実施形態では、基板テーブルWT上にあるクロージングディスクCD(図9に示す)の表面にコーティングが塗布される。ある実施形態では、基板の交換中に、スワップブリッジの本体又はスワップブリッジ本体の近くの場所の基板テーブルWTの一部などのスワップブリッジの表面にコーティングが塗布される。
[00111] 流体ハンドリング構造12の一例である洗浄ステーションは、基板テーブルWT又は測定テーブル上に位置していてもよい。洗浄ステーションは、最終光学要素などの液浸液に接触するように配置された投影システムPSの表面を洗浄するために使用できる。ある実施形態では、洗浄ステーションは、液体ハンドリング構造の下面上に位置する液浸除去フィーチャなどの流体ハンドリング構造12の特定のフィーチャを含む流体ハンドリング構造の表面を洗浄するように配置されている。
[00112] 位置決めフィーチャを用いて投影システムPSに対して基板テーブルWT、すなわち、基板Wを位置決めすることができる。位置決めフィーチャは、基板テーブルWTの周縁などの基板テーブルWTの表面に位置していてもよい。ある実施形態では、位置決めフィーチャは、基板テーブルWTの縁部の実質的に全体に沿って存在する。位置決めフィーチャは、格子板などのマーキング目盛を有していてもよく、エンコーダと併用するように配置されていてもよい。所望の疎液性を有するコーティングをマーキング上又はその周囲に提供してもよい。
[00113] 本発明のある実施形態では、例えば、基礎をなす材料が安定した接触角を提供できないか、表面のコーティングが困難であるか、又は接触角の寿命が限られているために、表面を時折再調節して表面の接触角を仕様及び動作要件内に収める必要がある表面の場所に特定の静的又は後退接触角を提供するためにステッカを基礎の表面に接着してもよい。そのようなステッカは、交換式コンポーネントの一例である。ステッカは、上記の任意の部品に貼付することができる。
[00114] 上記説明は、疎液性、超疎液性又は親液性材料に言及していることを理解されるであろう。これは任意の液浸液にあてはまる。使用される液浸液が水の場合、適当な用語は、それぞれ、疎水性、超疎水性、及び親水性である。しかし、液浸液として別の液体又は流体を使用してもよい。この場合、疎水性及び親水性という用語は、疎液性又は親液性、あるいは疎油性又は親油性と読み替える必要がある。同様に、疎水性、超疎水性、及び親水性材料は、開示であって、疎液性、超疎液性、又は親液性材料と解釈すべきである。
[00115] 上記任意のフィーチャを任意の他のフィーチャと一緒に使用することができ、本出願が対象とするのは明示された組合せに限定されないことを理解されたい。
[00116](特徴1)使用時にDUV放射に曝露されない超疎水性表面を備えたリソグラフィ装置の液浸システムのコンポーネント。
[00117](特徴2)前記表面がコーティングを含む、特徴1に記載のコンポーネント。
[00118](特徴3)前記表面が構造化されている、前記特徴のいずれかに記載のコンポーネント。
[00119](特徴4)前記表面の構造が、ガスギャップが前記表面上の液浸液の下に存在する構造である、特徴3に記載のコンポーネント。
[00120](特徴5)前記表面の構造が、液浸液が固体と液体との間にガスポケットを備えた安定した複合界面を形成する構造である、特徴3又は4に記載のコンポーネント。
[00121](特徴6)前記構造が、規則的な反復パターンを有する、特徴3〜5に記載のコンポーネント。
[00122](特徴7)前記構造が、前記コンポーネントの表面内にある、特徴3〜6のいずれかに記載のコンポーネント。
[00123](特徴8)前記構造上のコーティングをさらに含んで超疎水性表面を形成する、特徴7に記載のコンポーネント。
[00124](特徴9)前記構造が、前記表面上のコーティング内の構造である、特徴3〜8のいずれかに記載のコンポーネント。
[00125](特徴10)前記構造が、前記表面上のコロイド粒子によって提供される、特徴3〜5のいずれかに記載のコンポーネント。
[00126](特徴11)前記構造化表面が、マイクロ構造化又はナノ構造化表面である、特徴3〜10のいずれかに記載のコンポーネント。
[00127](特徴12)前記表面が、粘着性平面部材によって提供される、前記特徴のいずれかに記載のコンポーネント。
[00128](特徴13)前記コンポーネントが、エンコーダシステムの一部である、前記特徴のいずれかに記載のコンポーネント。
[00129](特徴14)前記エンコーダシステムが、エミッタと、マスクに対する前記エミッタの位置を測定するマスクとを備える、特徴13に記載のコンポーネント。
[00130](特徴15)前記超疎水性表面が、前記エミッタ及び/又はマスク上にある、特徴14に記載のコンポーネント。
[00131](特徴16)前記コンポーネントが、センサ、又は基板支持体、あるいは前記センサと前記基板支持体の両方を備えるテーブルの表面であって、前記表面が、前記センサ及び/又は前記基板支持体から少なくとも一定距離にある、特徴1〜12のいずれかに記載のコンポーネント。
[00132](特徴17)前記コンポーネントが、ブリッジ路である、特徴1〜12のいずれかに記載のコンポーネント。
[00133](特徴18)前記表面の少なくとも一部が、一方向の構造を備える、特徴17に記載のコンポーネント。
[00134](特徴19)液体が前記ブリッジ路上にある時に、前記コンポーネントが移動するように意図された方向に前記一方向の構造が伸びる、特徴18に記載のコンポーネント。
[00135](特徴20)特徴1〜19のいずれかに記載のコンポーネントを備えるリソグラフィ装置。
[00136](特徴21)基板を保持する基板テーブルと、前記基板テーブルと前記基板上に放射ビームを投影する投影システムとの間に液浸液を供給する液体ハンドリング構造とを備え、前記液浸液に接触し、使用時に前記投影ビームに曝露される表面からしきい値の距離にあるリソグラフィ装置の表面、望ましくは全表面が超疎水性特性を有するリソグラフィ装置。
[00137](特徴22)超疎水性構造化表面を備えたリソグラフィ装置の液浸システムのコンポーネント。
[00138](特徴23)前記表面の構造が、ガスギャップが前記表面上の液浸液の下に存在する構造である、特徴22に記載のコンポーネント。
[00139](特徴24)前記表面の構造が、液浸液が固体と液体との間にガスポケットを備えた安定した複合界面を前記表面上に形成する構造である、特徴22又は23に記載のコンポーネント。
[00140](特徴25)前記構造化表面が、平面視で規則的な反復パターンを有する、特徴22〜24のいずれかに記載のコンポーネント。
[00141](特徴26)前記構造が、平面視で1次元又は2次元構造である、特徴22〜25のいずれかに記載のコンポーネント。
[00142](特徴27)前記構造が、突起の間に谷を備えた複数の突起を有する、特徴22〜26のいずれかに記載のコンポーネント。
[00143](特徴28)前記谷の深さが、100nm〜10μm又は200nm〜2μmである、特徴27に記載のコンポーネント。
[00144](特徴29)前記突起の最大平面寸法と谷の深さの比が、1:1〜1:4又は1:1.5〜1:3である、特徴27又は28に記載のコンポーネント。
[00145](特徴30)前記突起の最大平面寸法が、隣接する突起間の距離より大きい、特徴27〜29のいずれかに記載のコンポーネント。
[00146](特徴31)前記突起の最大平面寸法が、50nm〜50μm又は20μm未満である、特徴27〜30のいずれかに記載のコンポーネント。
[00147](特徴32)前記突起の最大平面寸法を前記谷の深さで除算した値が、1未満又は0.6未満である、特徴27〜31のいずれかに記載のコンポーネント。
[00148](特徴33)前記構造が、前記コンポーネントの表面内に形成される、特徴22〜32のいずれかに記載のコンポーネント。
[00149](特徴34)前記構造上のコーティングをさらに含む、特徴33に記載のコンポーネント。
[00150](特徴35)前記構造が、前記コンポーネントの表面上のコーティング内に形成される、特徴22〜32のいずれかに記載のコンポーネント。
[00151](特徴36)前記疎水性構造化表面が、粘着性平面部材によって提供される、特徴22〜32のいずれかに記載のコンポーネント。
[00152](特徴37)前記疎水性構造化表面が、構造化PTFE、PMMA又はPDMSである、特徴22〜36のいずれかに記載のコンポーネント。
[00153](特徴38)前記表面が、コロイド粒子堆積物によって形成される、特徴22〜32又は35のいずれかに記載のコンポーネント。
[00154](特徴39)前記コロイド粒子堆積物の微粒子が、500nm未満又は200nm未満の直径を有する、特徴38に記載のコンポーネント。
[00155](特徴40)前記コロイド粒子堆積物が、コロイダルシリカのコロイド粒子堆積物である、特徴38又は39に記載のコンポーネント。
[00156](特徴41)前記疎水性構造化表面が、マイクロ構造化又はナノ構造化表面である、特徴22〜40のいずれかに記載のコンポーネント。
[00157](特徴42)特徴22〜41のいずれかに記載のコンポーネントを備えるリソグラフィ装置。
[00158](特徴43)前記リソグラフィ装置が液浸リソグラフィ装置であり、前記液浸液が超純水である、特徴42に記載のコンポーネント。
[00159](特徴44)液浸液を通してパターン付放射ビームをテーブル上に支持された基板上に投影するステップを含み、前記テーブルが超疎水性構造化表面を含むデバイス製造方法。
[00160](特徴45)液浸液を通してパターン付放射ビームをテーブル上に支持された基板上に投影するステップを含み、DUV放射に曝露されない前記テーブルの表面が超疎水性であるデバイス製造方法。
[00161] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00162] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指す。
[00163] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00164] 1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令に従って動作することができる。
[00165] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸流体を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
[00166] 液浸装置では、液浸流体は、流体ハンドリングシステム、構造又は装置によってハンドリングされる。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、液浸流体を供給することができ、それ故、流体供給システムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、少なくとも部分的に液浸流体を閉じ込めることができ、それにより、流体閉じ込めシステムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、流体へのバリアを形成することができ、それにより、流体閉じ込め構造などのバリア部材である。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、ガスのフローを生成又は使用して、例えば、液浸流体のフロー及び/又は位置を制御するのを助けることができる。ガスのフローは、液浸流体を閉じ込める封止を形成することができ、したがって、流体ハンドリング構造を封止部材と呼ぶこともできる。このような封止部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。ある実施形態では、液浸液は、液浸流体として使用される。この場合、流体ハンドリングシステムは、液体ハンドリングシステムであってもよい。上記説明に関して、本節で流体に関して定義されたフィーチャへの言及は、液体に関して定義されたフィーチャを含むと考えてもよい。
[00167] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組み合わせでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組み合わせを備えてよい。実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
[00168] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (15)

  1. UV放射に曝露されない超疎水性表面を備えリソグラフィ装置の液浸システムのコンポーネントであって、
    前記コンポーネントが、前記超疎水性表面の少なくとも一部を備えるブリッジ路を備え、
    前記ブリッジ路の前記表面が、一方向の構造を備え、
    液体が前記ブリッジ路上にあるときに前記ブリッジ路が移動するように意図された方向に、前記一方向の構造が伸びる、コンポーネント
  2. 前記表面がコーティングを含む、請求項1に記載のコンポーネント。
  3. 記表面の構造が、液浸液が安定した複合の界面であって固体と液体との間にガスポケットを備える前記界面を形成する構造である、請求項1又は2に記載のコンポーネント。
  4. 前記構造が、規則的な反復パターンを有する、請求項3に記載のコンポーネント。
  5. 前記構造が、前記コンポーネントの表面内にある、請求項3又は4に記載のコンポーネント。
  6. 前記構造上のコーティングをさらに含んで前記超疎水性表面を形成する、請求項に記載のコンポーネント。
  7. 前記表面の前記構造が、マイクロ構造又はナノ構造表面を有する、請求項3〜のいずれかに記載のコンポーネント。
  8. 前記コンポーネントが、テーブルである、請求項1〜7のいずれかに記載のコンポーネント。
  9. 前記コンポーネントが、センサおよび基板支持体のうちの少なくとも一つをさらに備えるテーブルの表面であ、前記超疎水性表面が、前記センサ及び/又は前記基板支持体から少なくとも所定の距離にある、請求項に記載のコンポーネント。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のコンポーネントを備えるリソグラフィ装置。
  11. 基板を保持し、かつ、ブリッジ路を備える基板テーブルと、
    前記基板テーブルと前記基板上に放射ビームを投影する投影システムとの間の空間に液浸液を供給する液体ハンドリング構造とを備え、
    前記液浸液に接触し得、前記投影ビームに曝露される表面から少なくとも所定の距離にある前記ブリッジ路の表面が超疎水性特性を有し、
    前記ブリッジ路の前記表面が、一方向の構造を備え、
    液体が前記ブリッジ路上にあるときに前記ブリッジ路が移動するように意図された方向に、前記一方向の構造が伸びる、リソグラフィ装置。
  12. 超疎水性構造化表面を備えリソグラフィ装置の液浸システムのコンポーネントであって、
    前記コンポーネントが、前記超疎水性構造化表面の少なくとも一部を備えるブリッジ路を備え、
    前記ブリッジ路の前記表面が、一方向の構造を備え、
    液体が前記ブリッジ路上にあるときに前記ブリッジ路が移動するように意図された方向に、前記一方向の構造が伸びる、コンポーネント
  13. 請求項12に記載のコンポーネントを備えるリソグラフィ装置。
  14. 液浸液を通してパターン付放射ビームをテーブル上に支持された基板上に投影するステップを含み、
    前記テーブルが超疎水性構造化表面とブリッジ路と備え、前記超疎水性構造化表面の少なくとも一部が前記ブリッジ路を提供し、
    前記ブリッジ路の前記表面が、一方向の構造を備え、
    液体が前記ブリッジ路上にあるときに前記ブリッジ路が移動するように意図された方向に、前記一方向の構造が伸びる、デバイス製造方法。
  15. 液浸液を通してパターン付放射ビームをテーブル上に支持された基板上に投影するステップを含み、DUV放射に曝露されない前記テーブルの表面が超疎水性であり、
    ブリッジ路が前記超疎水性表面の少なくとも一部を備え、
    前記ブリッジ路の前記表面が、一方向の構造を備え、
    液体が前記ブリッジ路上にあるときに前記ブリッジ路が移動するように意図された方向に、前記一方向の構造が伸びる、デバイス製造方法。
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